Wines & Vinesが米国市場におけるブドウ品種ごとのマーケット・シェアを記事にしています。データはSymphony IRIというところが調べたもので2012年2月19日までの52週間に米国の食料品店やドラッグストアで売られた金額によるものです(Wines & Vines - Wine Industry News Headlines - U.S. Wines Grow Steadily)。

これによると20ドル超の高額価格帯ではカベルネ・ソヴィニョンが34%と一番で27%のシャルドネが追う格好。3位はシャルドネの半分ながら意外にもピノ・グリが入りました。僅差でピノ・ノワールが4位。

また3.5ドルから4.99ドルまでの価格帯ではシャルドネがリード、ホワイト・ジンファンデルが2位という展開。

これを見て1つ疑問に感じたのは「Sauvignon Blancは?」ということ。おりしも、米国政府によるカリフォルニアの「Crush Report」(ワイン用に限らないブドウの収穫や販売のレポート)が出たところだったので、データを調べてみました。

すると、確かにソヴィニョン・ブランは2011年の圧搾量が7万9075トンと17万トンを超えているピノ・グリの半分以下。ちょっと驚いたので、2000年からの主要品種の圧搾量を赤と白に分けて調べてみました。

白

白ワイン用のブドウの場合、シャルドネがダントツなのは確かですが、ソヴィニョン・ブランとピノ・グリを比べるとソヴィニョン・ブランがほぼ横ばいなのに対し、ピノ・グリは2001年に1万トン足らずだったのが2011年には17万トンを超えるという急成長を見せています。

赤

ちなみに赤のほうではピノ・ノワールが急激に伸びています。メルローは落ちたとよく言われますが、これを見るかぎり、それほど急に落ちている感じはしません。

個人的にはピノ・グリってほとんど飲まないし、おそらく日本にもほとんど入っていきていないと思うのですが、ソヴィニョン・ブランの地位をここまで脅かしている、というか完全に抜いてしまったとは知りませんでした。がんばれソヴィニョン・ブラン