Heidi Peterson Barrett(ハイジ・ピーターソン・バレット)は、ヘレン・ターリーと並び称される女性ワインメーカーです。ヘレンの「女神」に対し、「ワインのファーストレディー」とロバート・パーカーが異名を付けており、Time誌では「ナパのワイン・ディーヴァ」とも称されています。1990年代、Dalla ValleやScreaming Eagleのワインメーカーとして極めて評価が高いワインを次々と作り、90年代末のカルトワイン・ブームの立役者の1人となりました。

1958年にナパで生まれ、ワインメーカーの娘として育った彼女は自然にUC Davisに進み、ワイン作りを学びます。1980年に同校卒業後はSilver Oakを作ったJustin Meyerの下で修行し、1983年にBuehlerで初めてワインメーカーになります。同じ頃、Chateau Montelenaのオーナーの息子で1982年にワインメーカーになったBo Barrettと結婚しています。

1988年にBuehlerを離れ、ワイン・コンサルタントとして独立することにしました。その直後、Dalla Valleの創設者であるGustav Dalla Valleから声がかかり、同ワイナリのワインメーカーになりました。これが大きな転機でした。1992年のMaya(カベルネ・フランをベースにした独自ブレンド)がWine Advocate誌のロバート・パーカーに100点と評されたのを初め、98点、99点など高得点を連発したのです。このMayaに代表されるように、ややエレガントなワインを作るのが彼女の特徴の一つと言われています。

Dalla Valleの近隣にあるScreaming Eagleでは1992年から、創設者のJean Philipsがワイナリを売却する2006年までワインメーカーを務めます。この期間にも1997年のものがロバート・パーカーから満点のワインを得ています。また、1992年のScreming Ealgeの6リットルボトルが2000年のNapa Valley Wine Auctionで

1994年には、自身のワイナリであるLa Sirenaを作りました。これは偶然の産物でしたが、シラーやマスカットなど、クライアントのワインでは作っていないような品種も手がけています。

21世紀に入ってからはParadigm、Amuse Bouche、Lamborn、Kenzo Estateなどでワインメーカーを務めています。また、2008年から夫のBoと共同でワインを作るBarrett and Barrettを始め、2011年に最初のワインをリリースしました。1本250ドルと高価ですが、カリストガにある自社畑から作ったカベルネ・ソヴィニョンです。

最後に、これまでのワインメーカーやコンサルタントとしての履歴をまとめます。20年以上続いているParadigmを初め、長期間にわたって続けている例が多いのは、それだけクライアントからの信頼を得ているということなのだと思います。

Buehler Vineyards 1983-1988
Dalla Valle 1988-1995
Paradigm 1991-現在
Screaming Eagle 1992-2006
Grace Family -2000
La Sirena 1994-現在
Lamborn 1996-現在
Vineyard 29 1995-1998
Jones Family 1996-2006
David Arthur ?-?
Barbour Vineyards ?-?
Showket ?-?
Revana 2001?-2008?
Amuse Bouche 2002-現在
Kenzo Estate 2005-現在
Vin Perdu 2005-現在
Au Sommet 2007-現在
Fantesca 2008-現在
Barrett and Barrett 2008-現在