サンタ・バーバラのサンタ・リタ・ヒルズAVAを拡大する提案が2月25日、Alcohol and Tobacco, Tax and Trade Bureau(TTB)に提出されています(Should Sta. Rita Hills Be Larger? | News | News & Features | Wine Spectator)。

この提案は現在は同AVAの少し東側にPence Ranchという畑を持っているBlair Pence氏によるもの。同氏はこの畑のブドウをAu Bon Climat、Brewer-Clifton、Pali、Hitching Postといった有名なワイナリに売っています。AVA名を付けてワインを売る場合にも15%以内であれば、AVA外のブドウを入れられるという規定に沿ったものですが、同氏は自身のブドウがAVA外であるという理由で不当に価格が抑えられていると感じているとのこと。そこで自社畑がAVAに入るよう提案を出したわけです。

ところが地元の協会であるSta. Rita Hills Winegrower Alliance(SRHWA)には、相談もなく地域外のコンサルタントを雇って提出したことから、同協会は大反発。提案に反対の姿勢を強めています。

地勢的に言うと、現在のAVAが西向きの斜面になっているのに対し、拡大提案の領域は南向き斜面であり、海からの影響が大きく違うと、協会側は主張しています。拡大が品質を下げてしまうことにつながると、地域のブドウ全体の価格に影響すると懸念しています。

同じような例では、GalloがRussian River Valleyの拡大を提案し、受け入れられた、というものがあります。

私の意見としては、協会の言うことが道理に則っていると思います。ただ、拡大によってイメージが悪化する心配はあまり要らないかと考えています。一般のイメージは、AVAの平均レベルよりも、ハイエンドのワインによって印象づけられるような気がするからです。

どうなることでしょうか?