先日、「ナパのワイン価格上昇に警鐘を鳴らしたロバート・パーカー」という記事を書きましたが、パーカーに呼応して「California heading for a fall?」という記事が出ていました。

ワインの市場として有名なLiv-exという会社があります。ここで出している指標(株式市場の日経平均とかダウ平均に相当するようなもの)にLiv-exのFine Wine50や同100、同1000などがあります。Fine Wine50であれば代表的なワイン50種のLiv-ex上で取引された平均価格を指標とするものです。

4年ほど前と比べるとこれらの指標は概ね60%、すなわち4割ほど値下がりしているのですが、カリフォルニアワイン(Liv-ex上ではオーパス・ワンやドミナスが代表的な取引される銘柄となっています)は逆に4割くらい値上がりしています。

ワイン価格の推移

上の図は2011年6月の価格を100としたときのLiv-ex50、ドミナス、オーパス・ワンを並べたものです。

これ以外に、スクリーミング・イーグルやスケアクロウといったセカンダリー・マーケットで人気が高い銘柄もやはり値上がりが激しくなっています。

値上がりの結果、これまで高値の象徴的存在だったボルドーと比べて、カリフォルニアの方が高くなる現象が起こっています。例えばWine Advocate誌で100点を取ったドミナス2010は、同じく100点を取ったポンテ・カネ2010と比べて1本あたり1万5000円ほども高くなっています。またオーパス・ワン2004はオー・ブリオン2004と比べて5%ほど安くなっています。

これらのことからLiv-exのレポートでは「ゴールデン・ステートは、どこかでその輝きを失うかもしれない」と締めています。

ちなみに、日本での小売価格を見ると、オーパス・ワンは世界の市場にほぼ追随した動きを見せていますが、ドミナスはそうでもないようです。先日「前ヴィンテージほどではないですが、まだまだお得なドミナス」という記事を書きましたが、Wine Advocate誌で100点を取って世界的に品薄な2010を次に控えており、そこでは大幅に値上がりする、あるいはそもそも輸入されない可能性が高いと思っています。ドミナスに関しては今が入手しどきかもしれません。