Vinous
ヴィナス(Vinous)のアントニオ・ガッローニが2014年ヴィンテージのレビューを発表しています。ヴィンテージ評の部分は会員でなくても閲覧できるようになっています。

豊作で質も高いとされた2013年と比べて、収穫量は平年並みだった2014年。特筆すべきなのは収穫時期が早まったことと、海岸近くのエリアでは霧の影響で病気がでやすく、かなりの選果が必要だったことです。

ピノ・ノワールでは、ブドウの実が小さく、相対的に皮の部分が多くなったことから、ワインに複雑さと味わい深さが出たそうです。その結果、少なくとも2009年以降では最良のヴィンテージになったとのこと。

シラーは濃厚ですが、2013年に比べるとミディアム・ボディだとか。2014のナパ・カベと共通する性質があるとしています。

ジンファンデルは畑による差異が大きく、歴史ある畑では他の品種と混じっているので一般化して語るのは難しいのですが、2014年は比較的軽い味わいでピノ・ノワール的なワインになった傾向があるそうです。

シャルドネも非常にいいヴィンテージ。2013年との差異は、出来不出来というよりもスタイルの違いになるだろうとのこと。

悪いと言われた2011年も、今まで飲んだものでは(かなり少ないですが)、不出来さを感じたことはほとんどありません。このサイトを初めてから一番悪かったと思われる1998年でさえ、最近は見直されていることを考えると、どのヴィンテージも「ハズレ」ってことはほとんどなさそうな気がしています(もちろん、その背後にはグロワ―やワインメーカーの努力があるのだと思います)。

とはいっても、やっぱりいいヴィンテージのものは、全体的にクオリティが嵩上げされているような気がしますし、2014年はピノ好きにとっては嬉しいヴィンテージになっていそうで、今からが楽しみです。