ブショネ(コルク臭)はコルクを使ったワインの5~10%程度にあると言われています。10本から20本に1本ということで、かなりの頻度です。そんなに出会わないよ、と思う人も多いと思いますが、気がついていないだけで、実際には程度の大小あれ、ブショネだったということはあるようです。5~10%が欠陥を持った商品というのは、ほかの業界では考えられないほど欠陥率が高く、コルク業界はここ20年ほど、この問題に取り組んできました。そして、コルク業界の最大手、ポルトガルのアモリム(Amorim)社がブショネをほとんど引き起こさないコルクを発売しています(Finally – A Cure for Cork Taint | Wine News & Features)。

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このコルクは、製造したコルクを検査して、ブショネの原因となる物質TCAが含まれていないかどうかを調べます。TCAが1リットルあたり0.05ナノグラムを超えると、欠陥と判断して取り除きます。

と、書いてしまえばわずかなことですが、これまでは検査に1本あたり数分かかっていて、実用にはなりませんでした。今回は1本あたり数秒まで高速化したことで、製品化が可能になりました。

コストは1本につき0.12~0.15ユーロほど、普通のものよりも高くなります。このため低価格なワインでこれを使うのはまだ難しく、高級ワイン用のソリューションということになります。

また、現在はまだTCAがまったくないというわけではありません(ただ、メーカーによるとブショネとして戻されたワインはないとのこと)。2020年までに完全にTCAをなくすことを目標にしています。

とはいえ、スクリューキャップなど、他のクロージャーを使っているワインがこれでコルクに回帰するということはあまりなさそうです。スクリューキャップにはスクリューキャップのよさがあり、特に早のみ用のワインでは、今後もスクリューキャップが中心になりそうです。