天才と言われながら、数奇な運命でワイナリーが二転三転したワインメーカー、パックス・マーレ。現在は自身のブランドであるパックス(Pax)に専念する形になっています。

過去の経緯は「「パックス」に回帰する天才パックス・マーレ」をご覧になってください。

日本市場からもしばらく消えていた彼のワインですが、ワイン・イン・スタイルが輸入を再開するという驚きのアナウンス。早速試飲してきました。

今回入ってきたのはメンドシーノのシュナン・ブラン2016、ノース・コーストのシラー2017、ソノマ・ヒルサイズのシラー2017、カステッリ・ナイト・ランチのシラー2014の4種。シュナン・ブランもスパイシーでよかったのですが、個人的にはやはりソノマ・ヒルサイズとカステッリ・ナイト・ランチのシラーが頭一つ抜けている感じ。かつてのパックスは、パワフルで濃い作りでしたが、今はエレガントで酸も豊か。でも味わいはビシッと決まっており、「ニュー・カリフォルニア」なスタイルでありながら、ニュー・カリフォルニア・ファンでない人でも称賛できるワインになっています。

この2つも結構違っており、ソノマ・ヒルサイズは旨味と酸のバランスがよく、カステッリ・ナイト・ランチはよりスパイシー。個人的には後者の方が好みでしたが、どちらが好きかは良し悪しよりも好みの問題でしょう。

ちなみにソノマ・ヒルサイズの1ヴィンテージ前のものはアントニオ・ガッローニのヴィナスでなんと100点。カステッリ・ナイト・ランチの方は93点という高評価です。

しかもこのワイン、現地価格とほとんど変わらないというお買い得さ。カリフォルニアのシラーの新しい姿を味わってみてください。