ワインスペクテーターのトップ10は2位まで発表されました。カリフォルニアはあと1本くらいかと思っていましたが、なんと2位と4位もカリフォルニア。しかもどちらもナパのクラシックなカベルネ・ソーヴィニヨンです。

先日、過小評価されているナパのワイナリーとしてヴァインヒルランチを紹介しましたが。2位と4位も昔から畑を作ってやっていて、価格も周りのワインと比べたらそれほど値上がりしていない、優良なワイナリーです。

4位はグロース(Groth)。ナパの中でも一等地中の一等地であるオークヴィルに121エーカーの畑をもっています。超有名畑がひしめく東の斜面や西の斜面ではなく、ヴァレー・フロアと呼ばれる一番低いあたりではありますが、隣にはプランプジャックやオショネシー、ターンブルといった人気ワイナリーの畑があります。1990年代末には植え替えを余儀なくされ、一時期「リザーブ」ワインを作っていなかったこともありますが、そのリザーブ用の畑27.5エーカーが成熟して、今回のワイン「グロース カベルネ・ソーヴィニヨン・リザーブ 2016」になりました。リザーブでも150ドルというのは、昨今のナパでは安い方です。レイティングは96。ワインスペクテーターのレビューによると、完全にドライになる前に発酵を止めて、ちょっと甘いフルーツの味を残しているそうです。ちなみにヴィナスのアントニオ・ガッローニは91-94でバランスを評価していますが、ワイン・アドヴォケイトのリサ・ペロッティ・ブラウンは85点と酷評しています。

2位はマヤカマス(Mayacamas)。その名の通り、ナパの西にあるマヤカマス山脈にワイナリーを構えており、昔からいわゆる「山カベ」で長熟の味わいを特徴にしているワインです。今回のワインは「マヤカマス カベルネ・ソーヴィニヨン 2015」で125ドル。96点となっています。いまどき「リザーブ」も作らずカベルネ・ソーヴィニヨンはこれ1本で勝負するというのも珍しいワイナリーです。2017年の大火では、この地域は「ナンズ・ファイヤー」と呼ばれる火事が広がり、マヤカマスではテイスティング・ルームが全焼するという不幸もありました。なお、ヴィナスのアントニオ・ガッローニはこのワインを97+と非常に高く評価。次の2016にも97-100を付けています。

クラシカルな谷カベの代表と山カベの代表が4位と2位というのはナパとしては嬉しいことですね。

さて、明日は1位の発表。さすがにカリフォルニアではないだろうと思いますが楽しみです。

グロースは日本未輸入。マヤカマスはまだ2013年が日本の現行ヴィンテージ。2015は入ってこないかもしれないですね。ただ、2013年もガッローニはやはり97点と高評価です。