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ワイン・アドヴォケイトが初めて年間100のワインを発表しました。といってもよくあるトップ100ではなく、レビュアーがこの1年に見つけたワインで(初めてのレビューとは限らない)、コストパフォーマンスがいいか、熟成する価値があるか、サステナブルに作られているか、革新的な部分があるか、の少なくとも一つの要素がないといけません(各ワインにはこれらのどの要素があるかわかるようになっています)。その中からいくつか気になったワインを紹介します。



Fingers Crossedはシネ・クア・ノンのマンフレッド・クランクルの息子ニコラス・クランクルによるワイナリー。最初はFAETHMという名前になる予定でしたが商標の問題で名称を変更しました。シラー「Off the Record」はビエン・ナシードと、両親の持つ畑「サード・ツイン」「キュムラス」のぶどう、さらにセバスティアーノ・ヴィンヤードのぶどうで作っています。ルシアンヌを3%加えているのがユニーク。97点がついています。

もう一つ、ワイナリー2世のワインで「Trois Noix」。アラウホ(現アイズリー)を持っていたアラウホ夫妻の娘ジェイム・アラウホのワイナリーです。2018年のNoisette Cuveeは94+の評価。56%カベルネ・ソーヴィニヨン、36%カベルネ・フラン、8%プティ・ヴェルドという構成です。ナパ各地のブドウを購入し、両親のカスタム・クラッシュで醸造しています。「生産量が少ないことだけが難点」とリサ・ペロッティ・ブラウン。

ウイリアムズ・セリエムで長らくワインメーカーを務め、現在はスリー・スティックスでワインを作っているボブ・カブラルが自身の名前のついたBob Cabralで少量ワインを作っています。ピノ・ノワール「トロバドール2017(Troubadour)」は92+の評価。何よりユニークなのは利益をすべて地元の子供達への寄付に使っていることです。

Hetyrlendy
ヘビメタなラベルが目立つHertelendyのカベルネ・フラン2018は97点の評価。価格も95ドルとナパにしては比較的安いです。ハウエル・マウンテン近くの畑といくつかの買いブドウから作っています。ワインメーカーはシャペレーや自身のタイタスで知られるフィリップ・カロリオ・タイタス。

Modus Operandiの「アンティテーシス(AntithesiS)」は非常にユニークな醸造法を使っています。ワインの色を濃くするためのテクニックとして果汁を抜き取って果皮の比率を高める「セニエ」がありますが(抜き取った果汁から作るのがセニエのロゼになります)、このワインでは醸造後に果汁をすべて抜き取り、残った果皮の上に新たにブドウを加えて醸造しています。つまり果皮が2倍の状態で醸造することになり、非常に濃い抽出のワインができます。評価は98点と非常に高いです。