ナパのワインとしては異例のコスパを誇るカモミ(Ca' Momi)。シャルマ方式(タンク内二次発酵)でコスパの高いスパークリングワインを造るイーター(Iter)、実売1000円切りもあり安旨のシャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンで早くも定番ワインの一角に名を連ねるようになったベンド(Bend)、ナパ中心の高品質ワインを2000円台で造るインディゴ・アイズ(Indigo Eyes)。

これらカリフォルニアの安旨ワインで有力なブランド、実はすべて同じワインメーカーが造っています。その凄腕がダリオ・ディ・コンティ(Dario di Conti)とステファーノ・ミゴット(Stefano Migotto)の二人。ステファーノは北イタリアで3代続くワイナリーの出身で1991年に「アメリカン・ドリームを夢見て」ナパに移住してきました。ダリオ・ディ・コンティもイタリアの出身で、14歳から「門前の小僧習わぬ経を読む」スタイルでワイン造りを学び始め、大学でも醸造を勉強しました。2003年に米国に移住し、ステファーノと共同でワインを作りはじめました(二人はイタリア時代から知り合いだったようです)。

二人が造るワイナリーは、調べられた範囲で以下の7つがあります。「Pra Vinera」以外は国内に入荷しています。実は大人気の「ブレッド・アンド・バター」の設立にもこの二人は携わっており、ブランド売却前はワインメーカーをしていました。安旨ワインの請負人と呼んでもいいかもしれません。

Adulation
Bend Cellars
Ca' Momi Winery
Indigo Eyes
Iter Cellars
ObscuRED
Pra Vinera Wines

この中でも、プレミアム寄りで力を入れていると言っていいのがカモミでしょう。ナパに自社畑を複数持ち、自社畑中心でワインを造っています。最近、カモミの中でも人気ワインだったレッド・ブレンド「ロッソ・ディ・カモミ」が生産中止という話が出ていますが、代わりに新たなブランドとして登場したのが上記の「ObscuRED(オブスキュアード)」です。このワイナリーではレッド・ブレンド1種類だけを造っています。

彼らの造るワインはどれも肩肘張らず、気楽に飲めるスタイルでわかりやすい美味しさを持っています。スパークリングで瓶内二次発酵の代わりにタンクでの二次発酵を使ったり、オブスキュアードで樽熟成の代わりに、オーク・ステーブと呼ぶ樫の木の板をタンクに入れて樽の風味を付けたり、と醸造でコストを削り、その分高品質なブドウの調達に注力しているようです。そういった点も安旨ワインのお手本といえそうです。

しあわせワイン倶楽部です



ココスです。


セラー専科です。



ココスです。


カリフォルニアワインあとりえです。



しあわせワイン倶楽部です。