ソノマのムーン・マウンテンAVAにある銘醸畑モンテシッロ(Montecillo)をナパのヨントヴィルにテイスティング・ルームを持つスチュワート・セラーズ(Stewart Cellars)が購入しました。価格などは明らかにされていません。


モンテシッロは1964年に植樹されたカベルネ・ソーヴィニヨンとジンファンデルの畑で特に秀逸なカベルネ・ソーヴィニヨンで知られています。ソノマ・ヴァレーのワイナリー「ケンウッド(Kenwood)」の畑で、ケンウッドのフラッグシップであるアーティスト・シリーズに使われていました。2014年に欧州大手のペルノ・リカールにワイナリーを売却した後も、創設者のマーク・リーがモンテシッロの畑を所有し続けました。

その後、モンテシッロのブドウをアルノー・ロバーツやベッドロック、デュモルなど気鋭のワイナリーが使うようになり、畑としての名声も上がっていったところでした。例えばアルノー・ロバーツの2019年のモンテシッロ・カベルネ・ソーヴィニヨンはヴィナスで98点。

特にカベルネ・ソーヴィニヨンで50年以上前に植えられた畑は少なく、非常に貴重なものです。実は、そのブロックの生産量が少ないため、リー家が植え替えしようとしたのをモーガンが止めたということもあったそうです。

デュモルの2016年はヴィナスで95点。


スチュワート・セラーズは2000年にマイケル・スチュワートが設立したワイナリーで、これまで自社畑は持たず、ベクストファー家が持つト・カロンやドクター・クレーン、ジョージIIIなどのカベルネ・ソーヴィニヨンを中心にカベルネ・ソーヴィニヨンなどを造ってきました。ワイン・アドヴォケイトでは最高97点を取得しています。

モンテシッロのあるムーン・マウンテンはナパとソノマの境であるマヤカマス・マウンテンズの南端マウント・ヴィーダーのソノマ側にあたります。モンテシッロはその中でもほぼ北東端にあり、マウント・ヴィーダーにかなり近いところにあります。モーガン・トゥエイン・ピーターソンもマウント・ヴィーダーとの違いはほとんどないと言っています。

ちなみに、キスラーのキュベ・キャスリーンのシャルドネの畑であるキスラー・ヴィンヤードも目と鼻の先にあります。

スチュワートは、今後もこれまでモンテシッロのワインを造ってきたワイナリーにブドウの供給を続けるとしています。