ナパツアー3日目その1ーー百聞は一見にしかず、ハドソンの畑を見学
ナパのカーネロスにあるハドソンの畑を見学に行きました。
ハドソンは今月「絶妙なシャルドネにエレガントな赤、ハドソン・ヴィンヤーズ」という記事を書いているので、そちらも合わせて読んでいただけるとありがたいです。というか、試飲したワインは基本的には同じラインアップ(カベルネ・フラン・ブレンドのオールド・マスターだけは違うヴィンテージ)で、今回は畑の見学で歩きながらの試飲でしたから、前回の記事の方が、ワインに関してはきちんと書けていると思います。
一応、簡単に書いておくとエステート・シャルドネはむちゃくちゃ美味しく、リトルビットのシャルドネはさらに美味しいです。「コシュデリ以上」との声も聞かれました。赤ワインのフェニックスはリッチで深い味わい、オールド・マスターは赤果実の風味と香りが素晴らしいです。この旅で、カベルネ・フランにさらに興味がわいたのでオールド・マスター購入しました。あ、リトルビットもです。
CEOのピーター
Old Masterはラベルの色が変わってかっこいい
ということで、今回は畑について実際に見学した話を書いていきます。
見て回ったのは★のマークの建物から南に行って、「Old Master」のブロック、それからここでは「Ed」と書いてあるシャルドネのブロック(今回の話では「Eブロック」と言っていました)、もう一つ南の「Little Bit」のシャルドネのブロックです。
Old Masterはカベルネ・フランとメルローのブロック。「Phoenix」「Old Master」2つの赤ブレンドで使われています。Phoenixはメルロー中心のブレンドで、ほかにもいくつかのブロックのブドウを使っています。「Old Master」はカベルネ・フラン中心のブレンドです。
ハドソンのあるカーネロスは粘土質の土壌が多いところ。粘土質のやや水はけが悪い土壌は、水を多くほしがるメルローに合っているとされており、冷涼な地域でありながら実際にシャルドネとピノ・ノワールの次に多いのはメルローです。ただ、ハドソンの畑はパッチワークのように違う土壌があり、石の多い火山性土壌のところもあります。しかも不思議なことに、海に近い標高の低いところに火山性土壌が見られるそうです。オールド・マスターのブロックではオフィスに近い北部分が粘土質で、オフィスから遠い南側が火山性の土壌になります。この土壌はカベルネ・フランに向いており、メルローには不向きです。
実はこのブロックのところは1980年代にピノ・ノワールを植えたことがあったのですが、うまくいかず、2003年にカベルネ・フランとメルローに植え替えたのだそうです。
そのため、ここではブロックの列の途中で品種を切り替えるという珍しい形になっています。品種だけでなくルートストック(台木)も変えているそうですが、それは見た目ではわかりませんでした。
ハドソンの畑では基本的に「ケーン・プルーニング」を行っています。「長梢剪定」と呼ばれる方式です。太い樹の幹は垂直部分だけで、そこから2年目の枝を「ケーン」として針金に添わせて左右に広げるのが基本です。そのケーンから出た「シュート」が上に伸びていって実をつけます。この方式だと樹勢に応じてケーンの数を変えるなど、比較的臨機応変な対応が可能になります。そういった点が冷涼な寄稿にむいているのだそうです。以前は太い幹を左右にも広げる「コルドン」を使っていましたが、だんだんとケーンに切り替えています。
写真でも土壌の色の違いがわかると思います。火山性の土壌は鉄分が多く、赤っぽく見えます。
雑草を刈り取るトラクターの実演もしてもらいました。
ここはシャルドネの「Eブロック」でキスラー専用になっています。キスラーのリクエストで、通常樹と樹の間を4フィートにしているのに対してここは3フィートにしています。
ハドソンのシャルドネはすべて「オールドウェンテ」。正式なクローンの名前ではなく、カリフォルニアで代々受け継がれてきたクローンと言われています。ブドウの房は野球のボールくらい、ひどいときにはゴルフボールくらいにしか成長しないとのこと。また、房の中でも様々な大きさの実ができ、熟すペースもバラバラです。赤ワインでは困ってしまう特徴ですが、シャルドネの場合はそれが味わいに深みをもたらすとのことです。実が小さくて果皮の割合が高いのもフレーバーを強くするのに役立っています。
この、針金に結びつけてある茶色のビニールタイみたいなのがなにかわかるでしょうか?
これは虫対策でつけているフェロモンを出すものだそうです。ここから出るフェロモンで、メスは樹の周りにくっつき、オスは混乱して近寄れずに空中をうろうろするのだとか。
ところで、キスラーのブロックは粘土土壌、その先の「リトルビット」のブロックは火山性の土壌なのですが、どちらもシャルドネが植わっています。シャルドネはあまり土壌の好き嫌いがない品種だそうで、「シャルドネって偉いやつ」と思いました。
ハドソンは今月「絶妙なシャルドネにエレガントな赤、ハドソン・ヴィンヤーズ」という記事を書いているので、そちらも合わせて読んでいただけるとありがたいです。というか、試飲したワインは基本的には同じラインアップ(カベルネ・フラン・ブレンドのオールド・マスターだけは違うヴィンテージ)で、今回は畑の見学で歩きながらの試飲でしたから、前回の記事の方が、ワインに関してはきちんと書けていると思います。
一応、簡単に書いておくとエステート・シャルドネはむちゃくちゃ美味しく、リトルビットのシャルドネはさらに美味しいです。「コシュデリ以上」との声も聞かれました。赤ワインのフェニックスはリッチで深い味わい、オールド・マスターは赤果実の風味と香りが素晴らしいです。この旅で、カベルネ・フランにさらに興味がわいたのでオールド・マスター購入しました。あ、リトルビットもです。
CEOのピーター
Old Masterはラベルの色が変わってかっこいい
ということで、今回は畑について実際に見学した話を書いていきます。
見て回ったのは★のマークの建物から南に行って、「Old Master」のブロック、それからここでは「Ed」と書いてあるシャルドネのブロック(今回の話では「Eブロック」と言っていました)、もう一つ南の「Little Bit」のシャルドネのブロックです。
Old Masterはカベルネ・フランとメルローのブロック。「Phoenix」「Old Master」2つの赤ブレンドで使われています。Phoenixはメルロー中心のブレンドで、ほかにもいくつかのブロックのブドウを使っています。「Old Master」はカベルネ・フラン中心のブレンドです。
ハドソンのあるカーネロスは粘土質の土壌が多いところ。粘土質のやや水はけが悪い土壌は、水を多くほしがるメルローに合っているとされており、冷涼な地域でありながら実際にシャルドネとピノ・ノワールの次に多いのはメルローです。ただ、ハドソンの畑はパッチワークのように違う土壌があり、石の多い火山性土壌のところもあります。しかも不思議なことに、海に近い標高の低いところに火山性土壌が見られるそうです。オールド・マスターのブロックではオフィスに近い北部分が粘土質で、オフィスから遠い南側が火山性の土壌になります。この土壌はカベルネ・フランに向いており、メルローには不向きです。
実はこのブロックのところは1980年代にピノ・ノワールを植えたことがあったのですが、うまくいかず、2003年にカベルネ・フランとメルローに植え替えたのだそうです。
そのため、ここではブロックの列の途中で品種を切り替えるという珍しい形になっています。品種だけでなくルートストック(台木)も変えているそうですが、それは見た目ではわかりませんでした。
ハドソンの畑では基本的に「ケーン・プルーニング」を行っています。「長梢剪定」と呼ばれる方式です。太い樹の幹は垂直部分だけで、そこから2年目の枝を「ケーン」として針金に添わせて左右に広げるのが基本です。そのケーンから出た「シュート」が上に伸びていって実をつけます。この方式だと樹勢に応じてケーンの数を変えるなど、比較的臨機応変な対応が可能になります。そういった点が冷涼な寄稿にむいているのだそうです。以前は太い幹を左右にも広げる「コルドン」を使っていましたが、だんだんとケーンに切り替えています。
写真でも土壌の色の違いがわかると思います。火山性の土壌は鉄分が多く、赤っぽく見えます。
雑草を刈り取るトラクターの実演もしてもらいました。
ここはシャルドネの「Eブロック」でキスラー専用になっています。キスラーのリクエストで、通常樹と樹の間を4フィートにしているのに対してここは3フィートにしています。
ハドソンのシャルドネはすべて「オールドウェンテ」。正式なクローンの名前ではなく、カリフォルニアで代々受け継がれてきたクローンと言われています。ブドウの房は野球のボールくらい、ひどいときにはゴルフボールくらいにしか成長しないとのこと。また、房の中でも様々な大きさの実ができ、熟すペースもバラバラです。赤ワインでは困ってしまう特徴ですが、シャルドネの場合はそれが味わいに深みをもたらすとのことです。実が小さくて果皮の割合が高いのもフレーバーを強くするのに役立っています。
この、針金に結びつけてある茶色のビニールタイみたいなのがなにかわかるでしょうか?
これは虫対策でつけているフェロモンを出すものだそうです。ここから出るフェロモンで、メスは樹の周りにくっつき、オスは混乱して近寄れずに空中をうろうろするのだとか。
ところで、キスラーのブロックは粘土土壌、その先の「リトルビット」のブロックは火山性の土壌なのですが、どちらもシャルドネが植わっています。シャルドネはあまり土壌の好き嫌いがない品種だそうで、「シャルドネって偉いやつ」と思いました。