10数年ぶりにお会いする方々ばかりというワイン会に参加してきました。その名も「爺爺ワイン会」。ほとんどが還暦前後という集まりです。

「爺爺」は実は「ZZ」にかけています。20年ほど前、「CWFC(カリフォルニアワインのファンクラブ)」が活発に活動し、サブユニットではないですがその仲間内でのワイン会も頻繁に行われていました。なかでも「zouk」さんが主宰する通称「Z会」はサンタ・リタ・ヒルズのAVA認定や映画「Sideways」などで注目されつつあった新しいワインを勉強する場として一種あこがれのような場所でした。今回はそのzoukさんも参加され、古の「Z会」を彷彿とさせるタイトルが付けられたわけです。

ということで、10数年前の「地引網」会など年寄りならではの昔話に花が咲いたわけですが、ワインも素晴らしいものでした。お店は吉祥寺の「ボナペティ」。ワインファンには有名な店ですが、ここに来るのも20年ぶりくらいです。


最初のワインはブリュワー・クリフトンのシャルドネ「Marcella’s」1999。最初のワインはブリュワー・クリフトンのシャルドネ「Marcella’s」1999。写真でもわかるように、熟成によってかなり色濃く、濃い黄金色になっています。味わいもキャラメルやナッツなど熟成による複雑さが前面に出ています。Marcella’sという畑は、今はフェス・パーカーが使っているようです。ブリュワー・クリフトンはごく一時期作っていたらしいですが、私は初めて飲んだと思います。裏ラベルには840本製造とありました。樽3つというところですね。ちなみにアルコール度数は驚きの16.5%。ただ、飲んでいてそこまでアルコール度数が高いとは思いませんでした。


2本目はシー・スモークのシャルドネ2004。先日、コンステレーション・ブランズが買収したことで話題になったシー・スモークですが、2004年というとちょうどブームの真っただ中だったころのワインです。マグナムボトル。7人でマグナムはかなりたっぷり飲めます。これはこの日のワインの中で個人的にはベスト。ハーブやナッツ、果実味もまだあります。柔らかな酸。甘美な味わい。とろけます。100%新樽を使っているそうですが、樽感は完全に溶け込んでいます。やっぱりマグナムだとゆっくり熟成するのでしょう。最初のワインと比べてヴィンテージも5年若いですが、ワインの若さはもっとでした。


3本目は同じくシー・スモークのピノ・ノワールSouthing 2004。シー・スモークのピノ・ノワールは3種類(現在は2種類)ありますが、Southingは真ん中の扱い。個人的にはフラッグシップの「Ten」はちょっと濃すぎるのでSouthingのバランス感が好きでした。これもマグナムボトル。
マグナムボトルのためか、果実味がまだまだしっかりしています。ザクロやブルーベリー、完熟した果実の味わいがあります。逆に言うとあまり熟成感は出てきていません。ピノの飲み頃は難しいですね。

次はボトルの写真を撮り忘れていました。ブリュワー・クリフトンのピノ・ノワールJulia’s1999。マッシュルーム、フランボワーズ、薄旨系で酸がきれい。果実とのバランスがいいです。シー・スモークと比べてかなりエレガント。ピノ・ノワールはこちらが好みでした。

残りはナパのカベルネ・ソーヴィニヨンが2本。どちらもナパヴァレーの有名ワインで、どちらも1960年代のもの。


1969年のハイツ、マーサズ・ヴィンヤード。元祖カルトワインと言ってもいい超有名ワイン。マーサズといえばミントの味わいなわけですが、まだちゃんとミントいました。エレガントな赤果実の味わいもあり、きれいに熟成しています。これも素晴らしい。


カベルネの2本目はBVことボーリュー・ヴィンヤードのカベルネソーヴィニヨン1968です。カリフォルニアワインの歴史を学ぶと必ず名前が出てくるアンドレ・チェリチェフがワインメーカーだった時代のワイン。
こちらはちょっと熟成のピークを越えてしまっていました。酢酸がだいぶ出ています。

この後最後にデザートワインも飲んでいますが、もうだいぶ酔っぱらってメモがありません。マグナムで飲みすぎました。

懐かしく、素晴らしいワインを懐かしい人々と飲んで楽しい時間でした。

最後にボナペティさんの料理の写真を挙げておきます。