Chateau Montelenaの建物がカリフォルニア州の記念として史蹟に認定されました(Chateau Montelena added to national historic list : The Weekly Calistogan)。
理由は2つ。1つは1888年に完成した石造りのワイナリそのものの出来がすばらしいこと。もう一つは1976年のパリ・テイスティングでここのシャルドネが白のトップだったこと。
オーナーであるBarrett家では、当初はワイナリの建物を登録しようと、歴史資料をかき集めて申請をしたそうです。ところが州側から逆にパリ・テイスティングのことを織り込むようにと言ってきたとか。
このテイスティングまではナパがカリフォルニアワインの中心地であるという認識はなく、セントラル・ヴァレーのモデストなどが中心地になっていました。ナパに注目が集まるようになったのもその功績の1つだったわけですから、妥当な判断だと思います。
理由は2つ。1つは1888年に完成した石造りのワイナリそのものの出来がすばらしいこと。もう一つは1976年のパリ・テイスティングでここのシャルドネが白のトップだったこと。
オーナーであるBarrett家では、当初はワイナリの建物を登録しようと、歴史資料をかき集めて申請をしたそうです。ところが州側から逆にパリ・テイスティングのことを織り込むようにと言ってきたとか。
このテイスティングまではナパがカリフォルニアワインの中心地であるという認識はなく、セントラル・ヴァレーのモデストなどが中心地になっていました。ナパに注目が集まるようになったのもその功績の1つだったわけですから、妥当な判断だと思います。
ナパの春を彩るイベントPremiere Napa Valleyオークションが2月23日に開催されました(Premiere Napa Valley 2013 - Experience the Excitement)。落札額合計で昨年の310万ドルに迫る304万ドルを達成しました。
出展されたワインの大部分は2011年産。2011年は気候が安定せず、難しい年でしたが、オークション結果ではまあまあだったようです。
オークション・ロットの落札最高額はBevan Cellars/Chateau Boswell Wineryによるもので7万5000ドル。次いでReynolds FamilyとShaferのどちらも5万ドル。
出展されたワインの大部分は2011年産。2011年は気候が安定せず、難しい年でしたが、オークション結果ではまあまあだったようです。
オークション・ロットの落札最高額はBevan Cellars/Chateau Boswell Wineryによるもので7万5000ドル。次いでReynolds FamilyとShaferのどちらも5万ドル。
英Decanter誌の記事によると、フランスワインの90%から残留農薬が検出されたとのことです(French study finds pesticide residues in 90% of wines | decanter.com)。
検出された農薬は主に、遅い時期に使われる防カビ剤によるもの。テストは2009年と2010年のボルドー、ローヌ、アキテーヌ地域の300本を対象に行なっています。
それぞれは、健康に害があるレベルではありませんが、蓄積されていったときにどういう影響があるかは、まだ分からないそうです。
なお、ワインインスティテュート日本代表の堀賢一さんによると、「カリフォルニアでは硫酸銅等の防カビ剤を畑で使うことはないので、消費者には混同してほしくない」とのことです。
検出された農薬は主に、遅い時期に使われる防カビ剤によるもの。テストは2009年と2010年のボルドー、ローヌ、アキテーヌ地域の300本を対象に行なっています。
それぞれは、健康に害があるレベルではありませんが、蓄積されていったときにどういう影響があるかは、まだ分からないそうです。
なお、ワインインスティテュート日本代表の堀賢一さんによると、「カリフォルニアでは硫酸銅等の防カビ剤を畑で使うことはないので、消費者には混同してほしくない」とのことです。
Aubertのワインで知られるReuling Vineyardが、ついにワインをリリースしました(ワイナリのサイト)。本ブログでは2012年12月にPress Democratの注目ワイナリとして紹介しています。
ReulingはこれまでPeter MichaelとAubertにブドウを卸していました。Peter Michaelは2007年と2008年にle Capriceというピノ・ノワールを作っており(2009年以降は自社畑で同じブランドを使用)、AubertはReulingの名を冠してワインを出しています。Aubertでは2005年と2008年のシャルドネがWine Advocate誌で99点、2007年のピノ・ノワールが同誌で98点など、輝かしい実績を残しています。
Reulingが今回リリースしたのは2011年のピノ・ノワールと2012年のロゼ。価格はそれぞれ70ドル、25ドル。シャルドネは来年初のリリースとなります。
ワインメーカーはMatt(Matthew) Taylorという人。以前はナパの名門Araujoでワインメーカーをしていました。バイオダイナミクス(ビオディナミ)の信奉者で、ソノマのFront Porch Farmというバイオダイナミクスの農場に参画しているほか、兄のSeanと経営しているTaylor Cellarsがあります。
現在はメーリングリストの登録を受付中。将来はPisoniのように高嶺の花になるかもしれませんよ。
ReulingはこれまでPeter MichaelとAubertにブドウを卸していました。Peter Michaelは2007年と2008年にle Capriceというピノ・ノワールを作っており(2009年以降は自社畑で同じブランドを使用)、AubertはReulingの名を冠してワインを出しています。Aubertでは2005年と2008年のシャルドネがWine Advocate誌で99点、2007年のピノ・ノワールが同誌で98点など、輝かしい実績を残しています。
Reulingが今回リリースしたのは2011年のピノ・ノワールと2012年のロゼ。価格はそれぞれ70ドル、25ドル。シャルドネは来年初のリリースとなります。
ワインメーカーはMatt(Matthew) Taylorという人。以前はナパの名門Araujoでワインメーカーをしていました。バイオダイナミクス(ビオディナミ)の信奉者で、ソノマのFront Porch Farmというバイオダイナミクスの農場に参画しているほか、兄のSeanと経営しているTaylor Cellarsがあります。
現在はメーリングリストの登録を受付中。将来はPisoniのように高嶺の花になるかもしれませんよ。
ナパ・ヴァレーは気球に乗ってぶどう畑を空から見るツアーが昔から人気ですが、近年ソノマではヘリコプター・ツアーが登場しているそうです(Wines & Vines - Wine Industry News Headlines - Bird)。
Santa RosaにあるSonoma Helicopterという会社が提供しているもので、現在はHealdsburgにあるMozzoccoワイナリのテイスティングとセットになったものや、Clos du Boisのテイスティングとセットになったものなどがあります。
例えば、Grouponのクーポンでは15分のフライトとClos du Boisのテイスティングとセットになったものが、二人で249ドル(定価は550ドル)。
Clos du Boisのビジター・センター・マネージャーによると、このツアーはとても成功しているとのこと。顧客満足度が非常に高く、ワインも良い印象を与えることが多いそうです。
1人1万円ちょっとくらいだったら、乗ってみたいという人は結構いるでしょうね。僕も機会があったら試してみたいです。
Santa RosaにあるSonoma Helicopterという会社が提供しているもので、現在はHealdsburgにあるMozzoccoワイナリのテイスティングとセットになったものや、Clos du Boisのテイスティングとセットになったものなどがあります。
例えば、Grouponのクーポンでは15分のフライトとClos du Boisのテイスティングとセットになったものが、二人で249ドル(定価は550ドル)。
Clos du Boisのビジター・センター・マネージャーによると、このツアーはとても成功しているとのこと。顧客満足度が非常に高く、ワインも良い印象を与えることが多いそうです。
1人1万円ちょっとくらいだったら、乗ってみたいという人は結構いるでしょうね。僕も機会があったら試してみたいです。
カリフォルニアワインの名誉の殿堂(The Vintners Hall of Fame)の表彰式がナパのCulinary Institute of Californiaで開かれました(Parker Humbled By Hall of Fame Induction)。
選出された4人のうち2人は故人、1人は体調不良で欠席。唯一メリー・エドワーズだけが出席というちょっと寂しい表彰式だったようです。
で、この欠席したのがロバート・パーカー。先日欧州に行ったときに背中を痛めたままよくなっていないとのことでした。
パーカーといえば、本ブログでも何度も取り上げているように、先日右腕だったアントニオ・ガッローニが去って、その穴埋めに苦慮しているところ。
実はパーカーは、名誉の殿堂入りしたこともあり、カリフォルニアに恩を返すために、再びナパとセントラルコーストの担当に復帰する構えであることを表明しています。
ここで下手なレビュアを採用して購読者の信頼を失うよりは、その方がいいだろうと思います。
選出された4人のうち2人は故人、1人は体調不良で欠席。唯一メリー・エドワーズだけが出席というちょっと寂しい表彰式だったようです。
で、この欠席したのがロバート・パーカー。先日欧州に行ったときに背中を痛めたままよくなっていないとのことでした。
パーカーといえば、本ブログでも何度も取り上げているように、先日右腕だったアントニオ・ガッローニが去って、その穴埋めに苦慮しているところ。
実はパーカーは、名誉の殿堂入りしたこともあり、カリフォルニアに恩を返すために、再びナパとセントラルコーストの担当に復帰する構えであることを表明しています。
ここで下手なレビュアを採用して購読者の信頼を失うよりは、その方がいいだろうと思います。
Wine-Searcherのサイトに、先日Wine Advocate誌をやめたAntonio Galloniへのインタビューが掲載sれていました(Q&A: Antonio Galloni, Ex Wine Advocate Critic)。インタビュアはW. Blake Gray氏です。
それによると、新しい同氏のサイトはマルチメディアを駆使したものであり、100点スケールの点数をつけるとのこと。
購読料については検討中だそうですが年間70~100ドルを考えているそうです。
もし、無人島にいくとしたときに持っていくワイン(desert island wineというのですね)としては、1996 Krug Clos De Mesnilと2004 Giacomo Conterno Barolo Riserva Monfortinoを挙げています。このほか1997 Philip Togni Cabernetも最近飲んですごくよかったとか。今後のレビューにも期待します。
それによると、新しい同氏のサイトはマルチメディアを駆使したものであり、100点スケールの点数をつけるとのこと。
購読料については検討中だそうですが年間70~100ドルを考えているそうです。
もし、無人島にいくとしたときに持っていくワイン(desert island wineというのですね)としては、1996 Krug Clos De Mesnilと2004 Giacomo Conterno Barolo Riserva Monfortinoを挙げています。このほか1997 Philip Togni Cabernetも最近飲んですごくよかったとか。今後のレビューにも期待します。
Opus Oneの最新ヴィンテージ2009の入荷が始まっています。Opus Oneの価格は2000年あたりでは3万円近くしていたのが、その後値崩れして2005~2007のヴィンテージでは1万円台が最安値になっていました。2008年で再び2万円を超えるようになり、2009年も最安2万円強といったところ。
YOMIURI ONLINEの記事「オーパスワンの販売・マーケティング副社長が初来日」には、
と副社長のコメントがあり、今後も値上がり基調が予想されます。
また、同記事には
という記述もありました。オーバーチュアについては全く同感で、ワインショップは、なぜオーパス・ワンがこれを一般に販売しないかをよく考えるべきだと思います。
今のところ、このあたり(送料込みで税込み21,980円)が最安です。2008よりちょっと上がっているでしょうか。
YOMIURI ONLINEの記事「オーパスワンの販売・マーケティング副社長が初来日」には、
「2011年に東京事務所代表の康子キャドビーさんを駐在させる前は、価格競争になり、ブランドイメージが損なわれていた。品質を保持する適正な供給網や価格の維持が重要だ。我々は今以上に量を売る必要はない。ネゴシアンと協力しながら、適正な販売を続けていく。」
と副社長のコメントがあり、今後も値上がり基調が予想されます。
また、同記事には
ワイナリーでのみ販売されるセカンドワイン「オーヴァーチュア」は、たまにネットショップで販売されることがある。それを防止するため、購入者のメールアドレスのチェックなどを厳密に行っているという。
という記述もありました。オーバーチュアについては全く同感で、ワインショップは、なぜオーパス・ワンがこれを一般に販売しないかをよく考えるべきだと思います。
今のところ、このあたり(送料込みで税込み21,980円)が最安です。2008よりちょっと上がっているでしょうか。
Facebookが2012年秋に米国のユーザー向けに始めた「ギフト」の機能で、ワインも取り扱い始めています。ワイナリの寄せる期待は極めて大きいのですが、これからどう発展していくのでしょうか?(Facebook steps into the wine business | PressDemocrat.com)
Facebookのギフト機能は次のように使います。送る側が購入すると、受け取る側にメッセージが届きます。ギフトを受け入れて住所をFacebookに登録するとギフトが届けられます(mixiの年賀状の機能にも似てますね)。仲の良い友人に高級なギフトを送るというより、10ドルくらいのカジュアルなギフトに使われることが中心になっています。
9月に始まったこの機能、12月半ばにワインもギフトストアに並ぶようになったそうです。現在のところ、Blackbird、Clos du Bois、Robert Mondavi、Wild Horseなどが加わっています。
ただし、この機能、まだ爆発的に使われているわけではありません。Blackbirdのマーケティング・マネジャであるVictoria Amatoによると「5ドルから10ドルのものを売っている会社は、期待よりも低い売上になっているだろう」と現状を見ています。同ワイナリでは今のところ1日3~4オーダーがFacebook経由。ベストケースのシナリオで年間100ケース程度にとどまりそうです。
Blackbirdは当初Amazon.comでの販売を考えたのですが、Amazonではどうしても価格一辺倒の勝負になりがちであり、価格が検索でまるわかりになってしまうことを危惧してFacebookに乗り換えました。スロースタートだからといってやめるつもりはさらさらありません。
まだFacebookで売っていないワイナリも「Facebookは、ほしい製品をほしいときにほしい人に提供できるすばらしい機会」(JのStacy Bannett副社長)と寄せる期待は大きいようです。
ギフト機能はまだ日本では提供されていませんし、米国のようなギフト文化もないので、日本でも同じように進むかどうかは分かりません。ただ、ウォッチしておく必要はあるでしょう。
Facebookのギフト機能は次のように使います。送る側が購入すると、受け取る側にメッセージが届きます。ギフトを受け入れて住所をFacebookに登録するとギフトが届けられます(mixiの年賀状の機能にも似てますね)。仲の良い友人に高級なギフトを送るというより、10ドルくらいのカジュアルなギフトに使われることが中心になっています。
9月に始まったこの機能、12月半ばにワインもギフトストアに並ぶようになったそうです。現在のところ、Blackbird、Clos du Bois、Robert Mondavi、Wild Horseなどが加わっています。
ただし、この機能、まだ爆発的に使われているわけではありません。Blackbirdのマーケティング・マネジャであるVictoria Amatoによると「5ドルから10ドルのものを売っている会社は、期待よりも低い売上になっているだろう」と現状を見ています。同ワイナリでは今のところ1日3~4オーダーがFacebook経由。ベストケースのシナリオで年間100ケース程度にとどまりそうです。
Blackbirdは当初Amazon.comでの販売を考えたのですが、Amazonではどうしても価格一辺倒の勝負になりがちであり、価格が検索でまるわかりになってしまうことを危惧してFacebookに乗り換えました。スロースタートだからといってやめるつもりはさらさらありません。
まだFacebookで売っていないワイナリも「Facebookは、ほしい製品をほしいときにほしい人に提供できるすばらしい機会」(JのStacy Bannett副社長)と寄せる期待は大きいようです。
ギフト機能はまだ日本では提供されていませんし、米国のようなギフト文化もないので、日本でも同じように進むかどうかは分かりません。ただ、ウォッチしておく必要はあるでしょう。
2012年のカリフォルニアの収穫の速報値が発表されました(最終は1か月後)。それによると2012年のワイン用ブドウの収穫量は4014トン。過去最高だった2005年の3756トンを超える豊作でした。
また、1トンあたりの価格も過去最高の769ドル。2011年、2012年と2年連続上昇です。これまでの最高が2011年の637ドルでしたから、実に2割以上の上昇。
収穫量を品種別に見るとシャルドネがトップで55万8795トンから73万4864トンと、これも急上昇。2番めのカベルネ・ソヴィニョンも38万4302トンから49万5662トンに上昇。
構成比で見るとシャルドネは2011年の14.4%から16.8%へと2.4ポイント上昇。カベルネ・ソヴィニョンの9.9%から11.3%に上がっています(ワイン以外のブドウも含む)。以下、順位はジンファンデル、メルロー、フレンチ・コロンバード、ピノ・ノワール。ピノ・ノワールは昨年の9位から6位と急上昇しています。
逆に順位が下がったのはトンプソン・シードレスやフレンチ・コロンバード。トンプソン・シードレスは主にレーズン用、フレンチ・コロンバードは安ワインに使われています。ワインの高級品志向が強まっている感じがします。
また、1トンあたりの価格も過去最高の769ドル。2011年、2012年と2年連続上昇です。これまでの最高が2011年の637ドルでしたから、実に2割以上の上昇。
収穫量を品種別に見るとシャルドネがトップで55万8795トンから73万4864トンと、これも急上昇。2番めのカベルネ・ソヴィニョンも38万4302トンから49万5662トンに上昇。
構成比で見るとシャルドネは2011年の14.4%から16.8%へと2.4ポイント上昇。カベルネ・ソヴィニョンの9.9%から11.3%に上がっています(ワイン以外のブドウも含む)。以下、順位はジンファンデル、メルロー、フレンチ・コロンバード、ピノ・ノワール。ピノ・ノワールは昨年の9位から6位と急上昇しています。
逆に順位が下がったのはトンプソン・シードレスやフレンチ・コロンバード。トンプソン・シードレスは主にレーズン用、フレンチ・コロンバードは安ワインに使われています。ワインの高級品志向が強まっている感じがします。
Wine Advocate誌をやめたAntonio Galloni(アントニオ・ガッローニ)の新サイトがオープンしています(Antonio Galloni - Home)。
それによるとカバーするのはイタリア、シャンパーニュ、カリフォルニア、ブルゴーニュとこれまでのWine Advocate誌でのカバー範囲を踏襲するようです。
今後登場する記事の予定では、「Sonoma: New Releases」「California Syrah on the Big Stage」が現在のところ挙げられています。
ここで気になるのが今月末に予定されているWine Advocate誌最新号でのGalloniの記事です。ロバート・パーカーによると、2月28日あるいは3月1日の公開予定で、Galloniによるソノマのレポートが含まれることになっています。ただ、まだ原稿が提出されていないとのことで、このままなし崩し的になってしまう恐れもありそうです。
それによるとカバーするのはイタリア、シャンパーニュ、カリフォルニア、ブルゴーニュとこれまでのWine Advocate誌でのカバー範囲を踏襲するようです。
今後登場する記事の予定では、「Sonoma: New Releases」「California Syrah on the Big Stage」が現在のところ挙げられています。
ここで気になるのが今月末に予定されているWine Advocate誌最新号でのGalloniの記事です。ロバート・パーカーによると、2月28日あるいは3月1日の公開予定で、Galloniによるソノマのレポートが含まれることになっています。ただ、まだ原稿が提出されていないとのことで、このままなし崩し的になってしまう恐れもありそうです。
ニューヨーク・タイムズによると、Wine Advocate誌でカリフォルニアなどのレビューを担当するAntonio Galloniが同誌を辞めることが判明しました(A New Web Venture for Antonio Galloni - NYTimes.com)。
Antonio Galloniは2011年8月の196号からカリフォルニアを担当。それまでのイタリア/シャンパーニュに加え、ブルゴーニュのコート・ドールとシャブリまでも担当範囲にし、パーカー後継の第一人者と見なされていました。それだけに今回の辞任は影響が大きく、後任がまだ決まっていないということからも、今後の混乱が予想されます。特にユーザーにとっては、レビュアには長期間の一貫性が最も求められる要素であり、ようやくGalloniのレビューに慣れてきたところでの辞任は、今後のWA離れにつながるおそれもありそうです。
辞任の理由としては、もっとワインを広げるために、自分の独立性を維持してレビューを書きたいとのこと。昨年発表された同誌の体制変革により、編集長がロバート・パーカーからシンガポール在住のリサ・ペロッティ・ブラウンに変わったことも一因として挙げています。
なお、パーカーは記事が出る数時間前に、辞意を伝えられたとのこと。ただ、新しいWine Advocateの社員になることを拒んでいたことから辞めるのではないかという感触は持っていたようです。今後もGalloniを応援すると、大人の対応を見せています。
Antonio Galloniは2011年8月の196号からカリフォルニアを担当。それまでのイタリア/シャンパーニュに加え、ブルゴーニュのコート・ドールとシャブリまでも担当範囲にし、パーカー後継の第一人者と見なされていました。それだけに今回の辞任は影響が大きく、後任がまだ決まっていないということからも、今後の混乱が予想されます。特にユーザーにとっては、レビュアには長期間の一貫性が最も求められる要素であり、ようやくGalloniのレビューに慣れてきたところでの辞任は、今後のWA離れにつながるおそれもありそうです。
辞任の理由としては、もっとワインを広げるために、自分の独立性を維持してレビューを書きたいとのこと。昨年発表された同誌の体制変革により、編集長がロバート・パーカーからシンガポール在住のリサ・ペロッティ・ブラウンに変わったことも一因として挙げています。
なお、パーカーは記事が出る数時間前に、辞意を伝えられたとのこと。ただ、新しいWine Advocateの社員になることを拒んでいたことから辞めるのではないかという感触は持っていたようです。今後もGalloniを応援すると、大人の対応を見せています。
ロバート・モンダヴィのカベルネ・ソヴィニョン・リザーブの紹介ですが、今度は新しいヴィンテージではなく1997年。1990年代では1994年と並んで、いいヴィンテージと言われています。Wine Advocate誌では92点の評価。無茶苦茶高いというわけではありませんが、十分にいい評価です。
カリフォルニアで最初にワインを飲み始めたころ、「何買ったらいいかわからなかったらモンダヴィを買っておけ」と言われたことなど思い出します。リザーブでないカベルネ・ソヴィニョンは、よく飲みました。ラベルを見るだけで懐かしさを感じます。
ご存知の方も多いと思いますが、モンダヴィのラベルにはワイナリの建物が描かれています。ロバート・モンダヴィがワイナリを作った当時、ナパを訪れる観光客はわずかでした。ロバート・モンダヴィは最初から観光客を呼び寄せることを考えて、著名な建築家Cliff Mayにデザインを頼んで、カリフォルニアのミッション風の、このワイナリを作りました。いかに慧眼かと思います。そういったナパの歴史に思いを馳せながら飲みたいワインです。
カリフォルニアで最初にワインを飲み始めたころ、「何買ったらいいかわからなかったらモンダヴィを買っておけ」と言われたことなど思い出します。リザーブでないカベルネ・ソヴィニョンは、よく飲みました。ラベルを見るだけで懐かしさを感じます。
ご存知の方も多いと思いますが、モンダヴィのラベルにはワイナリの建物が描かれています。ロバート・モンダヴィがワイナリを作った当時、ナパを訪れる観光客はわずかでした。ロバート・モンダヴィは最初から観光客を呼び寄せることを考えて、著名な建築家Cliff Mayにデザインを頼んで、カリフォルニアのミッション風の、このワイナリを作りました。いかに慧眼かと思います。そういったナパの歴史に思いを馳せながら飲みたいワインです。
Hawk Wakawaka Wine Reviewsというブログに、Greg Brewerへのインタビュー記事が載っています。MelvilleやBrewer-Cliftonの話はなく、完全にDiatomに注力した内容。また、単に話を聞くだけでなく畑に一緒にいったり、ワインをテイスティングした感想なども書かれており充実した記事になっています(Escaping Convention: Calibrating to Stark Conditions, a Conversation with Greg Brewer | Hawk Wakawaka Wine Reviews)。
記事は畑の様子から始まります。カリフォルニアで、良い畑といわれるところの多くは斜面にありますが、Sta Rita Hillsでは平らな土地が比較的多くなっています。かつては海底だった砂地が多く、海からの強い西風が吹き付けることによって、ブドウは東側に傾いています。痩せた砂地と冷たい強い風といった極端な環境があるので、通常は斜面によってもたらすような極端な環境が要らないのだとGregは説明しています。
記事はワインの醸造の話に移っていき、GregがDiatomで取っている低温で極端にゆっくりと醸造するスタイルを説明しています。
最後はテイスティング。この人のコメントは米国人にしては感覚的で、ちょっと神の雫的な感じがあります。静まり返った自宅にいるような感じになる、といったコメントを付けています。Diatomのワインの表現としては、すごく分かるような気もしました。
ちょっと長いですが、面白い記事なので時間があるときに読んでみてはいかがでしょうか。
記事は畑の様子から始まります。カリフォルニアで、良い畑といわれるところの多くは斜面にありますが、Sta Rita Hillsでは平らな土地が比較的多くなっています。かつては海底だった砂地が多く、海からの強い西風が吹き付けることによって、ブドウは東側に傾いています。痩せた砂地と冷たい強い風といった極端な環境があるので、通常は斜面によってもたらすような極端な環境が要らないのだとGregは説明しています。
記事はワインの醸造の話に移っていき、GregがDiatomで取っている低温で極端にゆっくりと醸造するスタイルを説明しています。
最後はテイスティング。この人のコメントは米国人にしては感覚的で、ちょっと神の雫的な感じがあります。静まり返った自宅にいるような感じになる、といったコメントを付けています。Diatomのワインの表現としては、すごく分かるような気もしました。
ちょっと長いですが、面白い記事なので時間があるときに読んでみてはいかがでしょうか。
カリフォルニアの家族経営のワイナリの中でも長い歴史を持つWenteが130周年を迎えました(Wente Vineyards Celebrates 130th Anniversary)。設立は1883年ですから日本だと明治16年。結構な古さです。
このニュースによると「米国で最古の、継続的に運営している家族経営のワイナリ」とあります。ちょっとわかりにくい表現なのでちょっと説明します。もっと以前からある家族経営のワイナリとしては、1858年設立のGundlach Bundschuがあります。ですが、ここは1919年~1933年の禁酒法の時代はワイナリを閉じているのです。Wenteはこの時代も続いていたということで「継続的に運営している」という言葉が入るわけです。
カリフォルニアワインの歴史においては、Wenteはその古さ以上に、シャルドネのクローンがあります。1912年にフランスから持って来られたもので、現在でもWenteクローンはカリフォルニアのシャルドネの中でかなりの割合を占めています。
Livermore Valleyという、サンフランシスコから東側のちょっと離れたところにあるので、なかなか行く機会がないところではありますが、地道に続いているいいワイナリですね。
このニュースによると「米国で最古の、継続的に運営している家族経営のワイナリ」とあります。ちょっとわかりにくい表現なのでちょっと説明します。もっと以前からある家族経営のワイナリとしては、1858年設立のGundlach Bundschuがあります。ですが、ここは1919年~1933年の禁酒法の時代はワイナリを閉じているのです。Wenteはこの時代も続いていたということで「継続的に運営している」という言葉が入るわけです。
カリフォルニアワインの歴史においては、Wenteはその古さ以上に、シャルドネのクローンがあります。1912年にフランスから持って来られたもので、現在でもWenteクローンはカリフォルニアのシャルドネの中でかなりの割合を占めています。
Livermore Valleyという、サンフランシスコから東側のちょっと離れたところにあるので、なかなか行く機会がないところではありますが、地道に続いているいいワイナリですね。
Harlan Estateのマネージング・ディレクターであるDon Weaver(ドン・ウィーバー)氏が来日、ハーラン・エステートのワインを一度に4ヴィンテージも試飲できるセミナーが開かれました。
以前、HarlanとBondのセミナーに参加したことがありましたが、このときのHarlanは2ヴィンテージ。4ヴィンテージを同時にというのは米国でも開かれたことがないそうです。
前回のセミナーでは土地を選び、畑を作り、ワインを試作し、Harlan Estateとして世に出すまで、信じられないほどの努力と辛抱を重ねてきたことが印象的でした。今回もその印象はさらに強化されました。
Bill Harlan氏がOakvilleの西側の斜面に土地を購入したのは1984年。山の麓からやや登り始めたところであり、当時はそこは畑でもなんでもなく、ただの森でした。そこを切り開いてブドウを植えられるようにするまでは、まさに汗水たらして作業する必要がありました。Don Weaver氏は、ワインはおしゃれなものに考えられているが、実際にはこういった地道な労働に支えられているのだと言っていました。
セミナーではそのころの写真が数多く映しだされました。映されたものを撮ったので画質は悪いですが、一部を紹介します。
また、Opus OneやInsigniaといった、比較的生産量の多い、複数の畑のブドウをブレンドするワインでは、年ごとの味わいがあまり変わらないようにブレンドしていますが、単一畑のHarlan Estateではヴィンテージによって「ワインのムード(雰囲気)」が変わるとBill Harlanは言っているそうです。毎年共通する畑の個性と、こういったヴィンテージによる違い、それらを試飲で見ていきます。
さて、試飲は「続き」で。
以前、HarlanとBondのセミナーに参加したことがありましたが、このときのHarlanは2ヴィンテージ。4ヴィンテージを同時にというのは米国でも開かれたことがないそうです。
前回のセミナーでは土地を選び、畑を作り、ワインを試作し、Harlan Estateとして世に出すまで、信じられないほどの努力と辛抱を重ねてきたことが印象的でした。今回もその印象はさらに強化されました。
Bill Harlan氏がOakvilleの西側の斜面に土地を購入したのは1984年。山の麓からやや登り始めたところであり、当時はそこは畑でもなんでもなく、ただの森でした。そこを切り開いてブドウを植えられるようにするまでは、まさに汗水たらして作業する必要がありました。Don Weaver氏は、ワインはおしゃれなものに考えられているが、実際にはこういった地道な労働に支えられているのだと言っていました。
セミナーではそのころの写真が数多く映しだされました。映されたものを撮ったので画質は悪いですが、一部を紹介します。
また、Opus OneやInsigniaといった、比較的生産量の多い、複数の畑のブドウをブレンドするワインでは、年ごとの味わいがあまり変わらないようにブレンドしていますが、単一畑のHarlan Estateではヴィンテージによって「ワインのムード(雰囲気)」が変わるとBill Harlanは言っているそうです。毎年共通する畑の個性と、こういったヴィンテージによる違い、それらを試飲で見ていきます。
さて、試飲は「続き」で。
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柳屋にメルヴィルのVerna'sシャルドネ2010が入荷しています。税抜きで2380円という安さ。Verna'sというのはメルヴィルの自社畑なのですが、ロス・アラモスにあるせいか、価格が20ドル前後と安く、コスト・パフォーマンスの高さで知られています。
2010のシャルドネはWine Advocate誌では88点。2004年から2009年までは90点以上を続けていたことを考えるとちょっと低めにも見えますが、十分でしょう。
2010のシャルドネはWine Advocate誌では88点。2004年から2009年までは90点以上を続けていたことを考えるとちょっと低めにも見えますが、十分でしょう。
ワインメーカーネタが続きますが、SFクロニクル紙で、注目のワインメーカーを集めた記事がでていました。
Winemaker to watch: Tadeo Borchardt of Neyers - SFGate
Winemaker to watch: Katy Wilson of LaRue
Winemaker to watch: Anthony Yount of Kinero
Chris Pittenger: winemaker to watch
Winemaker to watch: Tadeo Borchardt of Neyers
いやいや、ちょっとびっくりするほどマニアックですね。知っているワイナリは1つもありません。クロニクル記者の気合を感じます。
よかったら1本でも2本でも記事を読んでみてください。
Winemaker to watch: Tadeo Borchardt of Neyers - SFGate
Winemaker to watch: Katy Wilson of LaRue
Winemaker to watch: Anthony Yount of Kinero
Chris Pittenger: winemaker to watch
Winemaker to watch: Tadeo Borchardt of Neyers
いやいや、ちょっとびっくりするほどマニアックですね。知っているワイナリは1つもありません。クロニクル記者の気合を感じます。
よかったら1本でも2本でも記事を読んでみてください。
ナパやソノマの1970年代頃を描く書籍はいろいろありますが、これからの時代を担っていく新世代のワインメーカーをフィーチャーした本というのはあまりないと思います。新刊「Rock and Vine」はまさにそういう本。以下のワインメーカーを紹介しています。
Joe Wagner of Wagner Family Made Wine (Belle Glos, Meiomi, Caymus)
Angelina Mondavi of Dark Matter
August Sebastiani of The Other Guys
Jordan Kivelstadt of Free Flow Wines
Morgan Peterson-Twain of Bedrock Wine Co.
Nicole Marchesi of Far Niente
Jason Exposto of Futo
Dalia Ceja of Ceja Vineyards
Ben Flajnik, Danny Fay and Mike Benziger of Envolve Winery
Christina Turley of Turley Wine Cellars
Tony Leonardini of BNA Wine Group
結構、二世が多いですね。先日紹介したSFクロニクルのワインメーカーオブザイヤーもそうですが、ナパやソノマで育ち、小さい時からワインがある生活に触れてきた世代がこれからどのようにカリフォルニア・ワインを発展させていくのか、とても興味深いところです。
なお、サイトにいくとサンプルチャプターのPDFがダウンロードできます。かなりカラー写真も多く、パラパラ見るだけでも楽しそうです。
Joe Wagner of Wagner Family Made Wine (Belle Glos, Meiomi, Caymus)
Angelina Mondavi of Dark Matter
August Sebastiani of The Other Guys
Jordan Kivelstadt of Free Flow Wines
Morgan Peterson-Twain of Bedrock Wine Co.
Nicole Marchesi of Far Niente
Jason Exposto of Futo
Dalia Ceja of Ceja Vineyards
Ben Flajnik, Danny Fay and Mike Benziger of Envolve Winery
Christina Turley of Turley Wine Cellars
Tony Leonardini of BNA Wine Group
結構、二世が多いですね。先日紹介したSFクロニクルのワインメーカーオブザイヤーもそうですが、ナパやソノマで育ち、小さい時からワインがある生活に触れてきた世代がこれからどのようにカリフォルニア・ワインを発展させていくのか、とても興味深いところです。
なお、サイトにいくとサンプルチャプターのPDFがダウンロードできます。かなりカラー写真も多く、パラパラ見るだけでも楽しそうです。