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Date: 2013/0329 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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サンタ・バーバラのサンタ・リタ・ヒルズAVAを拡大する提案が2月25日、Alcohol and Tobacco, Tax and Trade Bureau(TTB)に提出されています(Should Sta. Rita Hills Be Larger? | News | News & Features | Wine Spectator)。

この提案は現在は同AVAの少し東側にPence Ranchという畑を持っているBlair Pence氏によるもの。同氏はこの畑のブドウをAu Bon Climat、Brewer-Clifton、Pali、Hitching Postといった有名なワイナリに売っています。AVA名を付けてワインを売る場合にも15%以内であれば、AVA外のブドウを入れられるという規定に沿ったものですが、同氏は自身のブドウがAVA外であるという理由で不当に価格が抑えられていると感じているとのこと。そこで自社畑がAVAに入るよう提案を出したわけです。

ところが地元の協会であるSta. Rita Hills Winegrower Alliance(SRHWA)には、相談もなく地域外のコンサルタントを雇って提出したことから、同協会は大反発。提案に反対の姿勢を強めています。

地勢的に言うと、現在のAVAが西向きの斜面になっているのに対し、拡大提案の領域は南向き斜面であり、海からの影響が大きく違うと、協会側は主張しています。拡大が品質を下げてしまうことにつながると、地域のブドウ全体の価格に影響すると懸念しています。

同じような例では、GalloがRussian River Valleyの拡大を提案し、受け入れられた、というものがあります。

私の意見としては、協会の言うことが道理に則っていると思います。ただ、拡大によってイメージが悪化する心配はあまり要らないかと考えています。一般のイメージは、AVAの平均レベルよりも、ハイエンドのワインによって印象づけられるような気がするからです。

どうなることでしょうか?
Date: 2013/0328 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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英国のMaster of Wine協会がリッジ(Ridge)のポール・ドレーパー(Paul Draper)を2013年Winemaker's Winemaker Awardに選出しました(ポール・ドレイパー、MWワインメーカーに選出 : ワインニュース : ドリンク&ワイン : グルメ : YOMIURI ONLINE(読売新聞))。

この賞は2011年に始まったもので、これまでピングスのピーター・シセック、ペンフォールズのピーター・ゲイゴが受賞しています。MWによるパネルとこれまでの受賞者によってポール・ドレーパーが選ばれました。

ポール・ドレーパーはスタンフォード大学で哲学を学び、パリ大学で学んだ後、北イタリアで2年過ごしてチリに小さなワイナリを作りました。1969年以来、リッジのワインメーカーを務めています。

カリフォルニアにおいては、単一畑のワインの先駆者であり、Monte Belloのカベルネや、様々な畑のジンファンデルなどで知られています。あまり知られていないところでいうと、今はAraujoの畑として知られているカリストガのEisele Vineyardのブドウで、最初に単一畑のカベルネ・ソヴィニョンを作ったのはRidgeでした(1971年)。

1976年のパリ・テイスティングではRidgeのMonte Belloは赤ワイン10本中の5位。30年後の2006年の再戦では見事に1位に選ばれています。

米国のワインメーカーの中でも多くの人が実力を認め、尊敬する人ですから、今回の受賞は喜ばしいことと思います。
Date: 2013/0326 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマと一口に言っても広うございますが、中でもソノマ・コーストと言うと、海沿いだなあというぼんやりとした印象や、Flowersなどいくつかのワイナリの名前が出てくるくらいで、やや取りとめもない地域になっている感があります。

それをどうしよう、というわけではないのですが、ソノマ・コーストへの入り口的位置にあるセバストポールに新しいビジネス・パークThe Barlowが4月に誕生します(The Barlow | The Butcher. The Baker. The Candlestick Maker)。

ビジネス・パークと言っても工業団地的なものではなく、小売もあるし、ワイナリもあります。現在25のテナントが決まっていますが、うちワイナリは5つ。Kosta Browne、Wind Gap、MacPhail、La Follette、Marimar Estate、と「おっ」と思うような名前が並んでいます。

使い方はワイナリによって様々で、テイスティング・ルームとして使うところもあれば、Kosta Browneのように一般客は受け入れず、ワイン醸造のために使うところもあります。

ほかにもさまざまな店が入るので、ソノマ・コースト観光の一大拠点として人気が出そうな気がします。
Date: 2013/0323 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Fodor誌が選ぶ米国のスモール・タウン・ベスト10にソノマのヒールズバーグが選ばれていました(10 Best Small Towns in America | Travel News from Fodor)。

選ばれた町は
Healdsburg, California
Bozeman, Montana
Sedona, Arizona
St. Augustine, Florida
Provincetown, Cape Cod, Massachusetts
Brattleboro, Vermont
Traverse City, Michigan
Door County, Wisconsin
Galena, Illinois
Walla Walla, Washington

ワインカントリーではヒールズバーグのほかにワシントンのワラワラも選ばれています。

ヒールズバーグはRussian River ValleyやDry Creek Valleyの中心地。確かに小さな町ですが、Dry Creek Kitchenなど有名なレストランもあり、おしゃれなイメージがあります。ワイナリのテイスティングルームも点在しています。選ばれる価値がある町だと思います。
Date: 2013/0323 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ロバート・パーカーが主宰するWine Advocate誌が、前レビュアでカリフォルニアなどを担当していたアントニオ・ガッローニを提訴することが明らかになりました。(Robert Parker's Wine Advocate sues Antonio Galloni for fraud and defamation
)。

ガッローニは2013年2月末に発行されたWine Advocate誌にソノマのレポートを書く予定になっていましたが、「まだ情報を集めている途中で間に合わない」という理由でレポートを提出しませんでした(過去記事1過去記事2)。その、約束不履行およびWAへの名誉毀損に対する提訴というのが今回のアクションです。一説によると彼に支払った年俸30万ドルのうち7万5000ドルを返却するよう求めるとのこと。

ガッローニはレポートができたら、自サイトに無償で掲載すると以前表明しており、こういった動きにつながることは、私も心配していました。ガッローニが優秀なレビュアであるという点では、多くの人が認めるところでもあるので、立つ鳥後を濁さずで、行ってほしいものだと思います。
Date: 2013/0320 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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コッポラのワイナリがソノマのワイナリGeyser Peak(ガイサー・ピーク)の畑とワイナリ設備を購入したことが明らかになりました(Coppola buys Geyser Peak Winery facilities, vineyards | PressDemocrat.com)。コッポラにとっては生産量を増やすことが目的だそうです。

Geyser Peakのブランドは引き続き親会社であるオーストラリアのAccolade Winesが持ち続け、ワイナリをリースで借りてワインを作るほか、テイスティング・ルームもリースで借りるとのこと。

話がちょっとややこしいのですが、Geyser Peakの設備や畑を所有していたのはEPR Propertiesという会社。この会社は近年売却を積極的に行なっており、今回の売却もその方針の1つだったようです。
Date: 2013/0319 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2013年3月14日、シャトー・モントレーナの創設者であるジム・バレットが亡くなりました。86歳でした(James L. Barrett, Owner of Chaeau Montelena Passes Away)。

ジム・バレットはロスアンゼルスで新聞の販売店を20年位上勤め、1972年に世界に通用するワイナリを作るためにナパにやってきました。

ナパのカリストガで打ち捨てられたシャトーと、ブドウ畑を発見。そこを購入してシャトー・モントレーナを始めました。そして1976年のパリ・テイスティングで1973年のシャルドネが1位を取るに至ったわけです。

1982年にはワインメーカーをMike Grgichから息子のBo Barrettに交代。現在に至ります。

4月2日にはナパのカーネロスにあるMeritage Resort & Spaにおいて公開の告別式が執り行われる予定です。
Date: 2013/0315 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ジンファンデルの由来については、イタリアのプリミティーボに非常に近く、クロアチアが起源であるということがわかっていますが、まだ謎が多いブドウの1つです。そのジンファンデルに新たな名前が加わりました(History underscores Zinfandel)。

その名はTribidrag(トライビドラッグ?)。古くは15世紀に遡る由緒ある品種です。

ジンファンデルのDNAの研究で、上記の由来を発見したのは当時UC Davisの教授だったCarole Meredithですが、彼女は2003年には学術の世界からは引退してナパでLagier-Meredithワイナリをやっています。Caroleは、このTribidragという過去のブドウとのDNAの一致の発見にも貢献しており、ジャンシス・ロビンソンの近著「Wine Grapes」にもジンファンデルのオフィシャルな名前としてTribidragが出ることになりました。

Caroleはこの名前を新しいワインに使うことを申請、まだブドウの品種名としては認められていないため、プロプライエタリな名前として使うことが承認されました。

ジンファンデルは、これまでなんとなく第一級のワインではないようなイメージが作られています。今回、実は由緒あるブドウであることが分かったわけで、イメージ向上につながるのでしょうか? どこの馬の骨かと思ったら、実は高貴な血筋だったというのは、お伽話でよくある話ですが、面白いですね。
Date: 2013/0313 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Bonny Doonのオーナー兼ワインメーカーであるRandall GrahmがRhone Rangersのグループから生涯功績賞を受賞することになりました。受賞ディナーは3月22日にサンフランシスコで開かれます(Randall Grahm to Receive Lifetime Achievement Award)。

Randall GrahmがフラグシップであるLe Cigare Volantの最初のヴィンテージは1984年。シャトーヌフ・デュ・パプに敬意を表して作ったといいます(ラベルの空飛ぶ葉巻は1954年に定められた「UFOはシャトーヌフ・デュ・パプの領域に入ってはいけない」という法律に賛同したもの)。当時はグルナッシュが赤か白かも皆知らない状態だったそうです。

相変わらずシラーは米国では売れないといったことはありますが、少なくともハイエンドの市場では一定の人気を固めています。Bonny Doonの功績はかなり大きいでしょう。
Date: 2013/0311 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマにあるRiver's EndというレストランがTravel and Leisure誌による「米国で最もロマンティックなレストラン」の1つに選ばれています(America's Most Romantic Restaurants)。

Russian Riverが太平洋に注ぐ河口近くにあるこのレストラン、夕日が沈むのを見るのに最適なのだそうです。ダンジネスクラブなど海の幸もおいしいようです。宿泊もできるので、夕方から一晩ここで過ごすのもいいかもしれませんね。


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Date: 2013/0307 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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私の記事が載ったから、ということではありませんが、先日の記事を書いてすぐ、アントニオ・ガッローニが自身のサイトにソノマの記事についての釈明を書いています(Sonoma update - Antonio Galloni)。

それによると、パーカーが2月の号にソノマのレビューが載るとしたのは誤りで、新編集長のリサ・ペッロッティ-ブラウンが書いた「2月には間に合わない」という方が正しかったようです。

また、意図的にソノマの記事を延期したわけではないとのこと。2月15日に、ソノマの記事ができたらWine Advocate誌の読者用に自サイトに無償で掲載したいとWine Advocate誌に提案したところ、却下されたと書いています。

現在のところ4月頭にソノマのレビューが完成する見込みであり、その際には自サイトで無償公開するとしています。

うーん、ちょっと勝手な言い草という感じがなきにしもあらずです。このまま着地するのかどうか微妙な気がします。
Date: 2013/0306 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパに新しいワイナリ
Macdonald Vineyardsが誕生します。現在はメーリング・リストへの登録を受付中。

オーナーはGraemeとAlex Macdonald。Graemeは畑の管理とワインメーカーも兼ねています。畑はロバート・モンダヴィやSchrader Cellarsで知られるTo-Kalonです。1954年に彼らの家族が植えたもので1966年以降、モンダヴィにブドウを提供していました。それを自身のワイナリで使うことにしたわけです。Doug Wilderというライターは2009年のヴィンテージに95点、2010年に94点をつけているとか。

To-Kalonという名前は19世紀にH.W. Crabbという人がつけたもの。現在はその土地をMondaviとAndy Beckstofferが引き継いでいますが、Mondavi分の一部がMacdonaldによるものだったということなのでしょうか。いろいろ気になるところのあるワインです。
Date: 2013/0306 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2月末にWine Advocate誌205号が発行されましたが、予定されていたソノマのレポートは結局掲載されず、同誌を辞したAntonio Galloniの記事としてはイタリアだけが載っていました。

今号から同誌の編集長になったLisa Perrotti-Brown MWは「1月にAntonioに記事をリクエストしたところ『まだ2012年の情報を入れているところで2月の号には間に合わないだろう』と言われた。再度リクエストはしたが、この記事がAntonioからもらえるかどうかは確約できない」と同誌の掲示板にコメントしています。

2月にAntonioが同誌を離れることが判明した際、パーカーは「ソノマは掲載される予定だが、Antonioからまだもらっていない」とコメントしており、Lisaのコメントとの齟齬が気になります。

AntonioのWine Advocate誌との契約がどういう形だったのか、Antonioがソノマで試飲する際に、Wine Advocate誌のライターとして試飲したのではないだろうか、などいろいろ疑問もあります。少なくともソノマでワインを試飲用に提供したワイナリは、これがWine Advocate誌の2月の号に掲載されるものと思っていたでしょう。

今後の同誌がどうなっていくのか。カリフォルニアはパーカーが全域をカバーするのか、それとも他のライターと分担するのか、など、今後の動向から目が離せません。
Date: 2013/0301 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ジンファンデルで有名なTurley Wine Cellarsにおいて、長年ワインメーカーを務めてきたEhren Jordanが辞めたことが判明しました(Ehren Jordan Departs Turley Wine Cellars | Exploring Wine with Tim Fish | Blogs | Wine Spectator)。

理由は、自身のブランドであるFaillaに専念すること。FaillaではTurleyとは異なり、シャルドネ、ピノ・ノワール、シラーを作っていますが、2012年の収穫が大量にあり、そちらに専念しないといけない状況になったとのことです。

Turleyで彼の右腕を務めてきたTegan Passalacquaの成長や、オーナーLarry Turleyの長女であるChristina Turleyがマーケティングなどを担当するようになったことも、Ehren Jordanにとっては、心置きなく辞められる形につながったようです。

なお、喧嘩別れではなく、友好的に辞めたとのこと。

参考までにLarry TurleyはMarcassinなどで有名なHelen Turleyの兄。ワイナリ発足時はHelenがワインメーカーでしたが、すぐにEhrenに引き継いでいました。