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Date: 2013/0629 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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サンタ・リタ・ヒルズの人気ワイナリであるローリングとカルガサッキが新しいテイスティング・ルームを開きました(BizHawk: Winemakers Pop the Cork on New Joint Tasting Room in Buellton)。

場所はHitching Postのレストランの隣。LA/Santa Barbara方面から行くとすると101をBueltonで降りて246号を東に0.5マイルほど行った右側です。

従来、ローリングは「Lompoc Wine Ghetto」として知られる集合テイスティング・ルームを使っていましたが、そこは閉じて新しいテイスティング・ルームに専念します。カルガサッキにとっては初めてのテイスティング・ルームです。

オープンは木曜日~月曜日の11時~17時。


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Date: 2013/0629 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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楽天にカリフォルニアワイン専門の新ショップ「カリフォルニアワインあとりえ」がオープンしました。「カリフォルニアワインあらかると」と似たような名前ですが、実はこのショップ、3月まで「あらかると」にいた野村さんが作ったショップです。

カリフォルニアワインあとりえ

「あらかると」はかなりマニアックな、こだわりの品揃えですが、今度のショップは、それだけでなくもっとライトなユーザーにも訴求したいとのことで、送料込みで低価格のセット物なども充実しています。

また、一般の送料も全国一律390円(クール便は590円)とかなりの低水準です。

面白いのは、レストランと提携して「BYO」(Bring Your Own)用にワインを送付してくれること。現在東京の4つのレストランが掲載されていますが、そこに予約して、ワインを一週間前までに予約のレストランや日時の情報を添えて注文すると、ワインを送っておいてもらえるというシステムです。現在8月末までのキャンペーンでBYOを1本1000円で実施してくれるとのこと。

これはいいシステムですね。レストランが増えていくことを期待します。

さて、肝心のワインですが、ただいまオープン・セール中。注目はVarner/Neelyの単一畑ものが5000円台で出ていることや、ロキオリがさまざま取り揃えられていること。例えばロキオリのエステート・ピノ・ノワールなら7500円です。「あらかると」でも一押ししていたワシントンのカユースも豊富です。

Varner/Neelyは早くも売り切れ銘柄も出ています。お早めに。



超注目株のDana Estatesも!
Date: 2013/0626 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパの“カルト”ワインの1つとして知られるBryant Familyの正式輸入が始まりました。輸入元はハーランなども輸入する中川ワインです。Bryantがメーリング・リストの顧客以外に海外向けの出荷をするのはこれが初めてとのことです。

20130626-bryant-bettina.jpg

今回輸入されるのは2010年のBryant Familyカベルネ・ソヴィニョンとBettinaカベルネ・ソヴィニョン。Bryant Familyはプリチャード・ヒルの自社畑、BettinaはBryantの畑の管理者でもあるDavid Abreuの持つ畑のブドウを使ったものです。

Wine Advocate誌の評価で見るとBryantが96+、Bettinaが97+。Bryantは飲み頃が2018年~、Bettinaは2016年~というどちらも長熟型ワインです。

Wine Advocateで当時レビューを書いたAntonio Galloiは「ここのカベルネが毎年ナパでトップ5やトップ10に入らない理由がない」とそのポテンシャルを高く評価していますが、一方でワインメーカーの度重なる交代がマイナスイメージを付けているのも否めないところです。

2010年のこのワインはRoss Wallaceがワインメーカーだったときに作られたようですが、その後2011年はHelen Keplinger、2012年はTodd Alexanderと、またまたワインメーカー交代劇は続いている模様。

ハーランのように安定した体制を築けないのは、すごくもったいないことだと思ってしまうのは僕だけでしょうか。

Date: 2013/0626 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2013年6月23日は、故ロバート・モンダヴィの生誕100年。Robert Mondavi Wineryではこれを祝ってイベントが開かれました(To Kalon vineyard renamed in honour of Robert Mondavi | decanter.com)。

robertmondavi-new.jpg

合わせて、Mondaviを代表する銘醸畑であるTo Kalonについて2つアナウンスがありました。

1つは従来To KalonのT-ブロックと呼ばれていた1960年代に植えられたソヴィニョン・ブランのブロックをRobert's Blockと改名したこと。Napa Valley Registerの記事によるとカベルネの一部もこのブロックに含まれている模様。これまで、TブロックのブドウはReserve Fume Blancに使われており、今後このワインにロバートの名前が入るのでしょう。

もう1つは2011年のヴィンテージ以降、Reserve Cabernet SauvignonをTo Kalonの単一畑にすること。これは当日、発表の数時間前に決まったそうです。これまでは85%程度がTo Kalonで、15%程度のカベルネ・フランとプチ・ヴェルドがブレンドされていました。

なお、今回のイベントでスポークスパーソンとなったのはロバート・モンダヴィ未亡人のMargrit Biever Mondavi(マーグリット・ビーヴァー・モンダヴィ)と、ワインメーカーのGenevieve Janssens(ジェヌヴィエーヴ・ジャンセンズ)。ジェネヴィエーヴは1989年からモンダヴィやオーパス・ワンに携わっている人(ポートフォリオのワインメーカーとしても知られています)。Constellation Brands傘下に入った今も、旧モンダヴィ時代の人を表に立ててくれるのは、ファンとしては嬉しい限りです。
Date: 2013/0619 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ブロガーでジャーナリストのW. Blake Gray氏が最近のカリフォルニアのシャルドネについて記事を書いています(The Gray Report: California Chardonnay is completely different now: it's all about citrus fruit )。

Gray氏は最近、カリフォルニア・ステート・フェアでワインの審判員をして、数多くのシャルドネを試飲しました。数年までは、カリフォルニアのシャルドネといえば、樽が効いていて、バターのような風味があって、というのが主流でしたが、今は完全に変わっており、柑橘系の味わいを中心にしたものが増えているとのこと。

ただ、これを持って品質が向上していると言っていいかというと、そういうわけでもないのが難しいところです。

記事にコメントしているCameron Hughes氏(Cameron Hughes Wineのオーナー)によると、樽を使わないシャルドネは、1本あたり2ドルくらいも安く作れるとのことで、単に樽の風味を避けるというだけでなく、経済的理由もそこには含まれていそうです。

ワインのスタイルには流行が無縁ではありませんが、シャルドネにおける今回の状況はどれだけ流行によるものなのか、興味深いところです。
Date: 2013/0618 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアワインの「プレミアム」(10ドル超のセグメント)が急成長したというレポートが出ていました(Special Report: Premium-Plus California Wine Rising Sharply, As Cupcake Leads Charge | Shanken News Daily)。

この領域のトップ10のブランドはKendall-Jackson、Cupcake、Menage a Trois、Bogle、Clos du Bois、Sterling、J Lohr、Mirassou、Estancia、La Crema。この中でSterlingとLa Cremaを除く8ブランドが2012年出荷量を増やしました。

中でも急成長を見せたのはCupcake。25.0%も2011年よりも増えて300万ケース。Kendall-Jackson(2012年は308万5000ケース)の牙城を崩す勢いがあります。

20130617-rgb_cupcake_icon_75ppi.jpg

このほか、BogleとJ Lohrも10%以上の伸びを示しました。

Cupcakeというのは全然知らないブランドだったのですが、近年急成長を示しています。ソヴィニョン・ブランはニュージーランド、モスカート・ダスティはイタリアなど、輸入物とカリフォルニアものを合わせたブランドだとのこと。
Date: 2013/0615 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパ・ヴァレーのブドウ畑で大掛かりな植え替えが行われそうです(Napa Valley to replant up to 15% of vineyards | decanter.com)。

デカンター誌の記事によると、ナパの苗木屋では既に2015年まで売り切れ状態であり、そのほとんどが植え替えに使われるとのこと。

理由はいくつかありますが、まずUC Davisが作ったルートストックがフィロキセラへの耐性がないことが分かってから既に20年が経ち、植え替えが必要になっていること。

2012年の大豊作により、生産者はキャッシュ・フローに余裕ができたことも、植え替えを後押ししています。。

一方で、「red blotch」というウイルスが発見されており、それが取り除かれた苗木を待っているのが供給が遅れている理由の1つになっているとか。

ナパ最大の地主であるAndy Beckstofferによると、70年代、90年代の2回の植え替えブームと、また違った様相があるそうです。

90年代は欧州のように密植で小さなブドウの木を作るのが流行しましたが、その後、必ずしもカリフォルニアには合っていないという見方が広がっており、今回は人真似ではない形になるとのこと。また、テロワールへの意識もかつてないほど高まっているようです。
Date: 2013/0614 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパ・ヴァレーの業界団体で、Auction Napa Valleyなどの主催者であるNapa Valley Vintnersが日本での代理人を3人任命しました(Napa Valley Vintners Expands Representation in Japan)。ここ数年、アジアのワイン市場の中では中国が急成長し、日本はやや無視されがちになってきた感がありました。ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズが日本市場を重視する姿勢を示したことは大きいと思います。

新しい代理人は小枝絵麻(こえだ・えま)、メリンダ・ジョー、若下静(わかした・しずか)。

小枝さんは飲食業のコンサルタントやコーディネーターを勤め、メニューやレシピの開発なども行なっている人(サイト)。

メリンダ・ジョーさんは日本在住の米人ジャーナリスト。日本酒を紹介するブログを運営しています。

若下さんは日本の食材を海外に紹介するコーディネーターなどを務めている人(サイト)。

よく見ると、若下さんのサイトで小枝さんが出てきたりなど、3人はいずれもつながりがあるようです。

何はともあれ、がんばってください。

Date: 2013/0612 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2013年6月18日は2008年に亡くなったロバート・モンダヴィの生誕100年に当たります(A Century Of Robert Mondavi: Celebrating The Father Of American Wine)。これを祝ってワイナリではFume Blancが振舞われるそうです。

また、Twitterでは#Mondavi100のハッシュタグでMondaviの思い出などをつぶやくことを勧めています。

最晩年は、ワイナリを手放すなど、うまくいかないことも多かったわけですが、彼の光跡は何にも例えられません。
Date: 2013/0609 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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日本で飲もう最高のワイン2013の審査が先日行われ、結果が発表されました。

専門家と一般の愛好家が採点して一番おいしいワインを探すというこのイベント、昨年はCh. Igai TakahaのDragon Beauty Cabernet Sauvignonが赤ワインのフルボディ部門で、18点以上の「プラチナ」を専門家・愛好家両方で勝ち取り、ベストワインの1つにも選ばれました。

今年はCh. Igai Takahaのワインライフが輸入するSmall VinesのRussian River Valleyピノ・ノワール2008が同じ部門でダブル・プラチナを獲得。7月に発表されるベストワインにも選ばれる可能性が極めて高くなりました(赤ワインで他にダブル・プラチナは1本だけ。ベストワインは赤白3本ずつ選ぶことになっています)。

20130421-smallvines1.jpg
(写真はヴィンテージ違いです)

スモールヴァインズのピノ・ノワールは私も別ヴィンテージを飲んだことがありますが、旨みたっぷりでとても美味しかった記憶があります。ワイナリの概要については紹介記事をご覧ください。

ほかにもワインライフのワインでCh. Igai TakahaのCrossed Wineソヴィニョン・ブランが専門家のゴールド、Ofukuro Beautyピノ・ノワールが専門家のゴールド、タレントの郷ひろみさんのMagniCA5シャルドネが専門家シルバーに入っています。

Date: 2013/0608 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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1976年のパリ・テイスティングで白ワイン1位になったのがChateau Montelenaのシャルドネだったことは多くの人がご存知でしょう。でも、そのワインがソノマのブドウで作られていたというのは知っていましたか?(A Legendary Vineyard: Source of Chardonnay That Helped Win Judgment of Paris is Still Thriving

この話は秘密ということではなく、検索すれば出てきますし、下に貼ったWilliams Selyemによる以下のビデオの中でも語られています。ただ、パリ・テイスティングの文脈の中では意図的なのか、避けられているような気がします。



この畑はBacigalupi Vineyard(バチガルーピ)といい、Russian River Valleyにあります。

1973年に当時MontelenaでワインメーカーだったMike Grgichがこの畑に来てブドウを味見し、気に入ったブロックのブドウを買うことにしました。トラックが非力で、ナパまでブドウを運ぶのが大変だったエピソードなどが、記事に書かれています。

Montelenaのワインが1位になった後、Grgichから連絡があり、またブドウを買いたいとのことでしたが、既に売り先が決まっており、結局Montelenaではこのワインは1回しか作られなかったことになります。

Montelenaに売った、このブドウはParis Tasting Blockとして、今でもブドウを算出しています。樹齢50年を超え、枯れかけている木もあるようですが、現役です。ナパのあるワイナリに卸しているとあります。

調べてみたところ、Ruddがこのブドウでシャルドネを作っているようです。ただ、ワイナリのWebサイトには、現在記述がないので、今も購入しているのかどうかは定かでありません。

ここのシャルドネ、飲んでみたいですね。
Date: 2013/0604 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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サンタ・クルーズ・マウンテンズにあるMount Eden Vineyads(マウント・エデン、現地での発音はマウント・イーデンが近い)のオーナー夫妻が初来日。セミナーに参加してきました。

オーナーのパターソン夫妻

Mount Edenは後述するように歴史あるワイナリですが、近年とみに評価が高まっています。シャルドネやピノ・ノワールがWine Advocate誌やWine Specatator誌などで95点前後の高得点を連発。日本でも人気銘柄の1つとして完全に定着した感があります。僕にとっても近隣のRidgeやNeelyのシャルドネと並んで、好きなシャルドネの1つとなっています。

セミナーではまず、サンタ・クルーズ・マウンテンズAVAについて説明がありました。

モントレーとサンフランシスコの間にあるこの地域は、北にはサンフランシスコ湾、西と南には太平洋を望み、冷たい海の風の影響を受けやすくなっています。

特筆すべきなのは標高の高さで、太平洋側は海抜120m以上、サンフランシスコ湾側は同240m以上がAVAの条件となっています。標高が重要なのは、霧の影響のため。この高さでは朝に立ち込める霧のライン(Fog Lineといいます)よりも上になり、午前中から太陽の日差しをしっかりと浴びることになります。また、夜もそれほど気温が下がらず、昼と夜の温度差が少なく、ブドウがしっかり生育するのも特徴です。

標高でAVAが定まったのはここが最初であり、また山岳地帯での最初のAVAでもあります。

ただ、傾斜のきつさなどから畑の開墾は容易ではなく、AVA全体でのブドウ畑の面積は1500エーカー(約6平方キロ)にとどまっています。ナパの4万3000エーカーと比べると30分の1程度の小ささです。

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Date: 2013/0604 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパの初夏を彩るイベントAuction Napa Valley 2013が開かれました。4日間のイベントを通して集まった売上は1690万ドル。過去最高だった2005年の1050万ドルを大幅に上回りました(Auction Napa Valley news)。なお、売上は全額チャリティに使われます。

Live Auction

メインのイベントは土曜日に開かれたライブ・オークション。このオークションの特徴は単にワインが出品されるだけでなく、ワイナリでのディナーなど、普通では得られないイベントを伴う出品が多いこと。特に今回は、クルーズが付いていたり、スコットランドでのゴルフ旅行など、ワイン以外の部分が目立っていたようです。

最高価格が付いたのはDana Estates提供のもの。同ワイナリのワインのほか、オーナーの出身国である韓国への旅行が付いています。入札価格が50万ドルを超えたところで、オーナーが出品を2つに増やし、100万ドルの売上になりました。

また、オークションの最後には、今回ホスト役を務めたStaglin家が、統合失調症を患っている息子のBrandonと登壇。子供の精神病研究などのために寄付を訴え370万ドルを集めました。

今回のオークションでは、若い世代の参加も目立ちました。多くは、長年の参加者の子供や孫といった形だったようです。
Date: 2013/0601 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2014年1月から義務化されるソノマのワインの新しいルールに困惑の声が広がっています(Sonoma producers protest new labelling law | decanter.com)。

このルールでは、Russian River Valleyなど、ソノマ郡内のAVAをラベルに記す場合、同時に「Sonoma County」という文字もラベルに含まないといけなくなります。2011年1月から有効になっていたルールですが、当初の3年間は猶予期間ということで、2014年1月から義務になります。

これまで、AVAの認知に努めてきたプロデューサーにとっては、Sonoma Countyの文字が並ぶことで、ただの「Sonoma County」のワインと同列に見られてしまう恐れがあるように感じられています。実際、英デカンター誌の調査では、混乱は多少あるだろうということです。

このルールを推進したのはソノマの業界団体「Sonoma County Vintners」。実はナパには同様の法律が1990年からあり、ソノマでも、よりソノマとしてのアイデンティティを高めたいということで、ルール化したのでした。

どちらの言い分にも一理あり、何がベストなのかは判断が分かれそうなところですが、いい落とし所が見つかるといいですね。