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Date: 2021/1125 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニアワインの父とも言われる故ロバート・モンダヴィ。彼が作ったワイナリーとしてはロバート・モンダヴィ・ワイナリーに、シャトー・ムートン・ロートシルトと共同で持つオーパス・ワンがあることは有名です。この2つのワイナリーは財政難で手放してしまいましたが、その後、2人の息子がそれぞれマイケル・モンダヴィとコンティニュアムを造り、孫たちもそれぞれ様々なワイナリーやワイン・ブランドのプロジェクト(例えばワイ・バイ・ヨシキもその一つ)に携わっています。

詳しくは「【保存版】モンダヴィ・ファミリーの系譜」をご覧ください。

どのワイナリーも一級品のワインを作っており、オーパス・ワンは2013年のものがジェームズ・サックリングで100点と年間1位の称号を得ましたが、まだどこも到達していないのが「パーカー100点」(ワイン・アドヴォケイトで100点)のワイン。

これに今、一番近いと目されているのがロバート・モンダヴィの次男ティム・モンダヴィが作るコンティニュアムの2018年。既にサックリングは100点(年間6位)となっており、最新のワイン・アドヴォケイトのレビューでは98~100点と、100点含みの点数が付きました。数年後に再レビューで100点になる可能性もありそうです。ヴィナスでも2016年のものは100点を取っており、2018年も同等の点数が期待できそうです。

先日、ワイン・イン・スタイルの試飲会でこのワインを試飲しました。コンティニュアムはアカデミー・デュ・ヴァンの講座でもしばしば試飲アイテムとして使わせていただいていますが、2018年はこれまでのヴィンテージと比べてもエレガントな雰囲気があります。カベルネ・ソーヴィニヨンが54%、カベルネ・フランが31%と、例年に比べてもカベルネ・フランの比率が高いのがその理由ではないかと思います。フルボディではありますが、トーンが高く、軽さを感じます。非常に複雑で余韻ながく、やはり素晴らしいワインです。

この試飲会ではなんと、コンティニュアムの初ヴィンテージである2005年のワインも供されました。現在のコンティニュアムはプリチャード・ヒルにある自社畑「セージ・マウンテン」100%のワインとなっていますが、最初の数年はまだ畑がなかったのでモンダヴィのト・カロンのブドウを100%使っています(数年間使える契約になっていました)。2005年のコンティニュアムはまだ生き生きと若く、ト・カロンらしい緻密なタンニンとボディで、これはまた非常に魅力的なワインでした。

当時は、ト・カロンが使えなくなった後は品質が落ちていくのではないかと懸念していましたが、プリチャード・ヒルでクラウド・ビューというワイナリーが持っていた畑を買い取って自社畑にしたのは、今から見ればすばらしい英断でした。当時もシャペレーやブライアント・ファミリーによってプリチャード・ヒルへの注目は高まりつつありましたが、今ほど有名な地区ではありませんでした。この畑の買収に当たっては故ロバート・モンダヴィも畑を見に行き、OKを出したとされています。亡くなる1、2年前のことで、コンティニュアムがロバート・モンダヴィにとっても最後のワイナリーとなりました。

コンティニュアム2018はウメムラで税込み3万2560円。税抜きなら2万円台です。その品質を考えたらかなり格安で、現地価格とも遜色ありません。


今回の高評価で、今後は値上がりの懸念もあります。今が買い時かもしれません。
Date: 2021/1123 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ジョエル・ピーターソンのワンス・アンド・フューチャーを紹介したからには、こちらも紹介しないわけにはいきません。息子モーガンといえば、もちろんベッドロックでカリフォルニア最高レベルのジンファンデルを作っているわけですが、彼が営むもう一つのワイナリーがアンダー・ザ・ワイヤー。スパークリング専業のワイナリーです。今回の試飲会ではここのワインも3種揃い踏みとなりました。



カリフォルニアのスパークリング・ワインといえば、マムやシャンドン、ロデレールなどシャンパーニュのワイナリーが進出してシャンパーニュと同じようにノン・ヴィンテージで作るものが中心となってきましたが、そこに一石を投じたのがマイケル・クルーズのウルトラマリンでした。スティルワインのシャルドネとしても最高レベルのワインを産み出すチャールズ・ハインツのブドウを使い、単一ヴィンテージによるスパークリング・ワインで一世を風靡。今や最も手に入りにくいカリフォルニアワインの一つとなっています。

シャンパーニュのRM(レコルタン・マニピュラン)に影響を受けた(栽培は自社ではありませんが)もう一つがこのアンダー・ザ・ワイヤー。ヴィナスでの最高評価95点やワイン・アドヴォケイトでの最高評価96点はウルトラマリンに並びます。

さらにこちらはブドウのソースも様々です。今回はモントレー近くのシャローンにあるブロッソーのシャルドネとメンドシーノでも有名なアンダーソン・ヴァレーよりかなり北にあるアルダー・スプリングスのピノ・ノワール、そしてソノマの自社畑ベッドロックのなんとジンファンデルを使ったスパークリングを試飲しました。ヴィンテージはいずれも2016年です。

ブロッソー(シャルドネ)はシャープな酸が特徴。柑橘類の鮮烈さが際立ちます。普通のスパークリングではあまり感じられない余韻も非常に長いです。
アルダー・スプリングス(ピノ・ノワール)は赤系の果実味がきれいでクリスプ。こちらも深みのある味わい。泡がなくなってスティルのロゼとして飲んだとしても相当おいしいと思います。
ベッドロック(ジンファンデル)もジンファンデル的な濃さはなく薄めのロゼ。花の香りやオレンジピール、スパイスの風味。ベッドロックのジンファンデルとは全く違う味わいに感じられますが面白い。

これも三者三様で非常に面白いですが、個人的にはアルダー・スプリングスが一番好きでした。

しあわせワイン倶楽部です。



Date: 2021/1122 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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中川ワインの試飲会から「オー・ボン・クリマのノックス君に気になるあのことを聞いてみた」に次ぐレポートです。

ボンドやプロモントリーなど、トップクラスのワインも登場する試飲会ですが、私の心を一番捉えたのはワンス・アンド・フューチャー。レイヴェンズウッドの創設者であるジョエル・ピーターソンが近年始めたブランドです。

といっても、中川ワインの方のお話によると、最近はレイヴェンズウッド自体が知られておらず、レイヴェンズウッドの創設者といってもなかなか響かないとか。かつては「ジンファンデルの3R」の一つ(後の2つはRidgeとRosenblum)として、ジンファンデルのトップクラスのワインだったのですが…

今、ジンファンデルでトップクラスというとターリーにベッドロックが2強で、リッジ、カーライル、ビアーレが続くという感じでしょうか。ちなみにこの5ワイナリーは古木の畑を守るヒストリック・ヴィンヤード・ソサエティの主要メンバーでもあります。

話がなかなか本題に行きませんが、このベッドロックのオーナーであるモーガン・ピーターソンの父親がジョエル・ピーターソンであり、今となってはモーバン・パパとでも呼んだ方が通りがいいのかも…

という戯言はさておき、今回の試飲会ではワンス・アンド・フューチャーの輸入されている6種が勢揃いしたのです。これは前の試飲会であったボンドの揃い踏みに近い興奮ですよ(価格は10分の1以下ですが)。

このうちマタロ(ムールヴェードル)が1つとプティ・シラーが1つ。これも無茶苦茶いいんですが、今回は置いておいて残りのジンファンデルが4種です。この畑がオークレイ・ロードにテルデスキ、ベッドロック、オールド・ヒル・ランチとなっています。オールド・ヒル・ランチは1852年に作られた続けて耕作されているカリフォルニアで一番古い畑で、その後植え替えされているものの1885年の樹が今も使われています。かつてはレイヴェンズウッドのフラッグシップの畑でしたが、今はワンス・アンド・フューチャーと、息子のベッドロックが使っています。

ベッドロックの畑はその名の通りベッドロックが保有していますがこれも1880年代の畑。テルデスキは1890年代。一番新しいオークレイ・ロードでも1900年とどれも今は120年を超える畑となっています。

実際に飲んでみると、これがまた畑ごとに個性豊か。オークレイ・ロードはスムーズでシルキーなテクスチャ。テルデスキは酸がしっかりとして複雑な味わい。ベッドロックは一番タニックでパワフル。オールド・ヒル・ランチはものすごく深みのある味わい。4者4様で甲乙つけ難いできです。

あえて言うなら、今飲むならシルキーなオークレイ・ロード。ポテンシャルならオールド・ヒル・ランチでしょうか。

ちなみに、オークレイ・ロード以外の3つはベッドロックも手掛けている畑。これがまたワンス・アンド・フューチャーとは味わいが違うので、畑の違いプラス造り手の個性の違い(簡単に言ってしまうと、ジョエル・ピーターソンはガツンとくる味わいで息子のモーガンはもっとじわっと味わい深いタイプ)が出て非常に面白いのです。

それから、「とにかく濃いワインが飲みたいんだ」という人はプティ・シラー行っちゃってください。絶対に後悔はないです。

ショップはトスカニーです。




Date: 2021/1117 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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the hilt
ザ・ヒルト(The Hilt)は、ナパのカルト・ワイナリーとして知られるスクリーミング・イーグルのオーナーであるスタン・クロンキー(Stan Kroenke)がサンタ・バーバラに所有するワイナリーです。サンタ・バーバラの中でも冷涼なサンタ・リタ・ヒルズに畑を持ち、現在は、サンタ・バーバラを代表する高品質なピノ・ノワールやシャルドネを造っています。

ザ・ヒルトの中でも入門的な位置づけにあるのがエステートのシャルドネとピノ・ノワール。この2本セットがウメムラで年内限定の特別価格、さらに送料無料になっています。どちらも通常価格が5841円(税込み)のところ、送料込みで合わせて9493円(税込み)。送料を計算に入れなくても2割引です。

このワイン、現地価格でも税抜きで40ドル台半ばですから、ほぼそれと同等レベル。元々の価格設定もかなり安めなのですが、今回は相当お得です。

ヴィンテージはシャルドネが2017年、ピノ・ノワールが2018年。シャルドネの2017年はヴィナスで91点、ピノ・ノワールの2018年はヴィナスで93点と高評価が付いています。特にピノ・ノワールについてはレビューに「I loved it」と付け加えるお気に入りです。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

【送料無料・特別価格】ザ・ヒルト 紅白ワイン 満喫2本セット
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Date: 2021/1116 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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タンジェント(Tangent)はエドナ・ヴァレーにある白ワイン専門のワイナリー。といっても白の中で圧倒的にメジャーなシャルドネを手がけないというユニークなワイナリーです。パラゴン・ヴィンヤードという自社畑から、ピノ・グリ、ソーヴィニヨン・ブラン、アルバリーニョなどを造っています。

今回、ワインライフさんの厚意で3種類を一度に試させていただきました。

エドナ・ヴァレーはパソ・ロブレスとサンタ・バーバラの間にある、サンルイスオビスポ郡の海沿い(パソ・ロブレスも同じ郡内ですが内陸よりになります)の2つのAVAの一つ。もう一つのアロヨグランデ・ヴァレーと並んで太平洋からの風が吹き抜ける非常に冷涼なAVAとなっています。エドナ・ヴァレーを「カリフォルニアで最も冷涼なAVA」と評す人もいます。

ただ、このAVAは冷涼産地としてのポテンシャルが非常に高いにもかかわらず、メジャーなワイナリーがなく、廉価版のブドウの供給源というイメージが付いてしまっています。個人的には「不遇の産地」と勝手に称しています。

マイナーな産地で、あえてメジャーでない品種に取り組むという、なかなかチャレンジングなワイナリーですが、果たしてそのワインの実力はどうでしょうか。

まずはピノ・グリから。「マイナー品種」と書きましたが、実はピノ・グリはカリフォルニアではシャルドネに次いで2番めの生産量がある品種。ただ、ブドウの販売価格はシャルドネの半分くらいで、全体の平均もだいぶ下回っています。つまり安ワイン専用のような品種になっています。「ピノ・グリ」(あるいはピノ・グリージョ)としてのヴァラエタル・ワインとして日本に輸入されているものはあまりないのではないかと思います。

タンジェントのピノ・グリは白い花の香り、グレープフルーツ、鮮烈な酸で爽やかな味わいですが、少し甘やかなフルーツの味わいもあります。酸の切れ味と、フルーツのコクがある美味しいワインです。

次はソーヴィニヨン・ブラン。こちらは飲む前からソーヴィニヨン・ブランに間違いないと思う香り。味わいもグレープフルーツにグアバなど、青っぽさはほとんどなく、これも酸のキレの良さとフルーツのコクが素晴らしいワイン。一緒に飲んだ方々の間でもこれが一番人気でした。聞いたところによると、ソーヴィニヨン・ブランが一番収穫が遅く10月後半に収穫しているとのこと。それでも酸が落ちないのがさすが冷涼産地ですし、だからこその味わいの充実なのですね。

最後はアルバリーニョ。アルバリーニョは個人的には最近注目している品種の一つ。実は暑いところでも酸が落ちにくいというのが一つの特徴です。ただ、冷涼なエドナ・ヴァレーではこの特徴はあまり関係なさそうです。ではこのワインはどうでしょうか。
もちろん酸はかなりしっかりしています。レモンというよりはオレンジ系の味わい。ミネラル感もかなりあります。冷涼感があるのに意外とふくよかという面白いワイン。これまで飲んだアルバリーニョともちょっと印象が違いますが、これもかなり美味しいワインです。

3つのワインに共通するのは、やはり冷涼産地らしく、キリリと引き締まった酸があること。「カリフォルニアワインは甘い」と思っている人が飲んだらびっくりするかもしれません。一方で、果実味もきれいでボディもあるので、単なる酸っぱい痩せたワインではありません。単純に言えば「コクもあるけどキレもある」という感じです。特に、ソーヴィニヨン・ブランはすごくいいので、ぜひ皆さんに試してもらいたいワインです。

実はタンジェントと別ブランドで造っているグリューナー・ヴェルトリーナーもあるのですが、それは別に試飲したのでまた別記事で紹介します。

ワインライフのオンラインショップのタンジェントのページ

ドラジェです。




Wassy'sです。



Date: 2021/1111 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ジョージ・ワイン・カンパニー(George Wine Company)のピノ・ノワール「セレモニアル・ヴィンヤード」2018がしあわせワイン倶楽部で税込みでも1万円切る価格になっています。

元々は税別で1万2000円だったのですが、日本のファンにもっと楽しんでもらいたいということで税別1万円に値下げ、それをさらに特別価格でという形です。

ジョージのピノ・ノワールは赤系の果実味がとてもきれいで若くても飲みやすい味わい。アルコール度数も13.4%とカリフォルニアのピノ・ノワールとしては比較的抑えめです。こういった特徴のためかレストランでの人気が非常に高く、年間生産量は1000ケース(1万2000本)に届かないほどなのに、300軒にもおよぶレストランで使われています。そのため、米国でも小売で見かけることはほとんどなく、日本で購入できるのはありがたいことです。

ある人が「まるでWordで作ったような」と評した、シンプルすぎるラベルデザインも、ずっと続けているとじわじわと味わいに変わってきているような気もします。


Date: 2021/1107 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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エノテカでケンダル・ジャクソンの5品種のセットが、1万8260円(単品合計価格)のところ1万2980円と約3割引になっています。毎回出るたびに売り切れになるというこのセット。セット数限定なので、今回も売り切れる可能性が高いです。

ワインはいずれもヴィントナーズ・リザーブのシリーズでカベルネ・ソーヴィニヨン、ジンファンデル、ピノ・ノワール、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランの5品種となっています。ヴィントナーズ・リザーブのシャルドネは米国で20年以上売上1位を続けているまさにカリフォルニアのシャルドネの王道的ワイン。他のワインも米国ではいずれも定番のワインです。


Date: 2021/1106 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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モジ(Moji)はソノマのペレグリン・ランチが造る缶ワインの新しいブランド。ワインメーカーは、高品質なシュナン・ブランで知られているレオ・スティーンのオーナーでもあるデンマーク出身のレオ・ハンセンです。

モジという名前は「日本の絵文字が好きな彼らが毎日の友達とのテキストメッセージのやりとりのように親しんでほしいという願いを込めたネーミング」だそうです。

白とロゼがあり、容量は375ml。1/2ボトルサイズですから、一人でごくごく飲むというより、1本を2人で分け合うような飲み方が中心になるのかもしれません。AVAはナパ・ヴァレーとなっているのがまた面白いところです。

さっそく飲んでみました。ピノ・グリージョを使った白ワインはクリスプな酸が印象的、レモンやライムのような柑橘の味わいに、ちょっとアフターに苦味を感じます。爽やかで美味しい。

ロゼの方は100%ピノ・ムニエというのがまた面白いところ。こちらも爽やかで、いちごやラズベリーなどのフレッシュなベリーの風味が新鮮です。どちらも美味しいですが、個人的にはロゼが気に入りました。

ドラジェです。



こちらもドラジェで4本セット。


Date: 2021/1104 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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パルマッツ(Palmaz)・ヴィンヤードはナパのクームズヴィル(Coombsville)にあるワイナリー。クームズヴィルは2011年にナパのサブAVAとしては16番目に認定された比較的新しいAVA。ナパの南東の端にありサンパブロ湾にも近いことから、ナパの中ではカーネロスに次いで涼しいAVAとなっています。比較的涼しいところとはいえ、素晴らしいカベルネ・ソーヴィニヨンも生み出しており、例えばポール・ホブズやファヴィアといった超一流のワイナリーもここに畑を持っています。温暖化やワインのエレガント志向といったこともあいまって、注目が日増しに高まっている地域でもあります。

そんな新興地域なので、パルマッツも新しいワイナリーだろうと思いがちですが、実はそのルーツは19世紀1868年にまで遡ります。ナパで最初の商用ワイナリーが作られた1861年からわずか7年後のことです。ヘンリー・ヘーガンという人がシダー・ノール(Cedar Knoll)という畑を作ったのが今に至ります。

そんな昔にクームズヴィルにワイナリーがあったというのも驚きですが、残念ながら禁酒法の時代にワイン造りはやめてしまい、その土地を買ったのがアルゼンチン出身の医師ジュリオ・パルマッツでした。実はこの人、医学界では非常に有名な偉人です。パルマッツ・ステントという血管を広げる器材は広く使われており、日本心臓財団の50周年記念誌には「Palmaz 先生と Schatz 先生が開発した Palmaz-Schatz ステントは非常に効果的で、世界へ普及してゆきました」(原文ママ)と記されています。そのステントのシェアは一時90%に達したとされ、「IPインターナショナル誌」による「世界を変えた10個の特許」のリストに2回載ったとのこと。

パルマッツはシダー・ノール・ヴィンヤードを復活させ、丘にケーブを作って新しいワイナリーを築いています。週2回にわたってワイナリーの上空から取った航空写真で畑の状態を分析して灌漑する場所を決めるといった最新のテクノロジーも利用して古豪の再生を図っています。

前置きが長くなりましたが、そのパルマッツのワイン2つを試飲しました。ワインはインポーターの都光から提供を受けています。



左のパルマッツ・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨンがフラッグシップ、右のシダー・ノール(インポーターによる表記はセダール・クノール)


まずはセカンドから試飲しました。ヴィンテージは2017。この年は10月に大きな山火事がありましたが、クームズヴィルのあたりまでは影響はあまりなかったものと思います。
非常に色が濃く、ちょっと濁ったような感じもあります。香りも非常に強く、グラスから20~30cm離れていてもムンムンと香ってくるほど。味わいはカシスやブラックベリー、ブルーベリーといった、青黒系果実の風味、チョコレートや鉛筆の芯、畑名をほうふつとさせる杉っぽさ(Cedarは杉のこと)もあります。ドライなワインですが甘やかな印象もあり、非常に魅力的。フルボディで余韻も非常に長いワイン。これで、セカンドワイン?とちょっと驚くほどのクオリティです。


一方、ファーストのパルマッツですが、こちらもヴィンテージは2017です。93.19%カベルネ・ソーヴィニヨン、4.39%カベルネ・フラン、1.63%マルベック、0.79%プティ・ヴェルドという構成。
こちらも非常に香りは強いのですが、セカンドと比べると奥ゆかしく内に秘めた感じがあります。特徴はシルキーなテクスチャ。タンニンはセカンドよりも強く、シナモンやクローヴ、ミントのような風味も目立ちます。チョコやコーヒーの風味もあります。一方、果実味はそれほど強くはなく、セカンドの甘やかさではなく、しなやかさを感じるワインです。第一印象はむしろセカンドの方が強いかもしれませんが、こちらはじっくり付き合ううちに良さがわかってくるようなワインです。

医学界のレジェンドが造るワインですから、医療関係の方への贈り物などにもいいかもしれません。

Cave de L Naotakaです。


同じくCave de L Naotakaです。


Wassy'sです。

Date: 2021/1103 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ナパで最高峰のシャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨン、シラーなどを造るジョン・コングスガードの右腕でありジェネラル・マネージャーのエヴァン・フレイジャー。彼がコングスガードの設備を使って造る自身のブランドがファーディナンドです。以前「コングスガードGMが、コングスガードの5分の1の価格で作るアルバリーニョ」という記事などでも紹介していますが、このセミナー時にも言及していた、彼が一番作りたかった品種のワインが国内入荷しています。

その品種はガルナッチャ・ブランカ(グルナッシュ・ブラン)です。彼がファーディナンドを始めるときに探していた品種でしたが、カリフォルニアでは非常に生産量が少なく、ようやく見つけた畑のガルナッチャ・ブランカは既に他のワイナリーに予約済みでした。そこで同じ畑のアルバリーニョを造り始めたのですが、ついに念願かなってガルナッチャ・ブランカも作れるようになったのです。

試飲したところ、鮮烈な酸が印象的だったアルバリーニョに対して、こちらは酸はおだやか。複雑さのある滋味深い味わいでした。主張が強すぎず、和食に合わせやすいワインだと思います。

しあわせワイン倶楽部です。


Wassy'sです。


こちらも合わせてどうぞ(Wassy's)。

Date: 2021/1101 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ワイン・スペクテーターに最近、ナパのヴァイン・ヒル・ランチの記事が出ていました(Vine Hill Ranch: One of Napa Cabernet's Best-Kept Secrets)。「Best-Kept Secrets」ということで、ハーランやドミナス、ベクストファー・ミズーリ・ホッパーといった錚々たる畑の近くにありながら、これまでそれほど知られていなかったこの畑についてこれまでの経緯などを見ています。

とはいえ、実は2年前にはヴィナスでヴァイン・ヒル・ランチのカベルネ・ソーヴィニヨンが100点を取っており、私もそのときの記事に「ナパの高級ワインの中にもまだまだ過小評価されているものがあります。その一つがヴァインヒルランチ(Vine Hill Ranch、VHR)だと言っても過言ではないでしょう。ワイナリーとしてもまだまだ知られていないし、ワインのラベルもかなり地味で「VHR」という字が目立つくらい。もしかするとそれがヴァインヒルランチの略であることも知られていないかもしれません」と書いていました。

実はヴァイン・ヒル・ランチの自社ワイナリーのカベルネ・ソーヴィニヨン、今回ワイン・スペクテーターでも非常に高い評価を得ています。価格もそれほど高くないし、今年のトップ10あたりに入ってくる可能性もあるのでは、と思っています。