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Date: 2021/1130 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアワイン協会が世界的に始めた認定プログラム「キャップストーン」。現在10月に始まったリアル講座が進行中ですが、1月からの第2期の講座の募集が12月6日に始まります。

今回からはアカデミー・デュ・ヴァンの青山校だけでなく大阪校でも開講。青山校はコンラッド東京の森覚ソムリエ、大阪校はTHE THOUSAND KYOTOの岩田渉ソムリエによる講座となります。
青山校 のプログラム紹介ページ
大阪校 のプログラム紹介ページ


(左が森ソムリエ、右が岩田ソムリエ)

キャップストーンはリアルの講座以外に随時受講できるオンラインだけの講座もあります。ただ、講座の内容がレベルが高いのと、オンラインではワインの試飲がないので、試飲をしっかりしたい、自習に自信がないという人はリアル講座を受けるのがお薦めです。逆にプログラムの認定試験には試飲はありませんので、そこを割り切ればオンラインで受講するのもありだと思います。なお、ワインの試飲メソッドは「マスター・ソムリエ協会」の「ディダクティブ・テイスティング」を採用しており、この方法を国内で学べるのはこの講座がほぼ唯一となります。

ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズが日本ソムリエ協会と実施している「NAPA VALLEY WINE EXPERT」試験も来年1月に開催されるため、やや混同されているところがあるようです。キャップストーンはカリフォルニアワイン全般で世界共通のプログラム、NAPA VALLEY WINE EXPERTは日本だけのプログラムで、ソムリエ協会の資格を持っていることが条件、学ぶのはナパに限定、成績優秀者に特典あり、といったところが異なっています。

私はワイン・エキスパートなどの資格を持っていないのでナパの方は受験できませんが、有資格者であれば両方受けるのももちろんありだと思います。
Date: 2021/1129 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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peter luger
ニューヨークの著名ステーキハウス「ピータールーガー」が初めて海外に出店した恵比寿のピータールーガー ステーキハウス 東京に行ってきました。子供の二十歳のお祝いです。


前菜でまずはシュリンプカクテル。茹でた状態でも10cmくらいはある巨大なシュリンプです。ちょっとスパイスの効いたカクテルソースもおいしい。


シーザーサラダに厚切りベーコンのトッピング。ベーコンは単体で注文できますがシーザーサラダとの相性は抜群です。


乾杯のワインはシャトー・セント・ジーンのブリュット。シャトー・セント・ジーンは大昔初めてソノマに行ったときに最初に訪問したワイナリーで思い入れがあります。シャルドネやカベルネが有名なワイナリーですが、そのときもワイナリー限定だったスパークリング・ワインを買った記憶があります。今回のスパークリング・ワインはシャルマ方式(ボトルではなくタンクで二次発酵させる)で格安なもの。深みはありませんが爽やかな味わいでスターターには十分でした。



さて、メインの肉の登場です。上はTボーンでフィレとサーロインが楽しめます。下はリブアイ。

肉の味は熟成による旨味があり、言うことありません。フィレはややさっぱりで赤身の旨味、サーロインは脂を含んだ旨味。リブアイは一番柔らかくジューシーでした。人数にもよりますが、両方頼むの超絶おすすめです。シンプルに塩コショウや、バターベースのソースをかけて食べるのが美味しいです。このほかにもソースがありましたが、そちらは肉に使うのはもったいない。ただオニオンリングにはベストでした。

今回は4人でTボーンを2人用とリブアイ一つを頼みました。Tボーンは一人300g、リブアイは500gくらいだそうです。我が家は比較的よく食べるので、Tボーンを3人用にしても食べ切れそうでした。


ワインは持ち込みでインシグニアの2001年。子供の生まれ年のワインです。まだまだ果実味も豊かですが、熟成によるマッシュルームの風味もあり、タンニンはこなれてまろやか、美味しかったです。


メインが終わった時点では腹八分目でしたが、デザートで満腹です。これはホーリーカウというシグニチャーのデザート。ホイップクリームが軽めなので意外と食べられると言われましたが、それでも相当のボリュームです。ナッツが美味しい。

チーズケーキも超巨大。普通のケーキの4つ分くらいの大きさです。


誕生日プレートはレストランからのサービスです。


最後はメダル型のチョコレートをいただきました。

Date: 2021/1127 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ダオ(Daou)についてはこれまで何回か取り上げてきていますが、まだ創設から10数年のワイナリーということで、「新星」といっても差し支えないでしょう。パソ・ロブレスで非常にコスト・パフォーマンスがワインを作っています。日本に輸入されるようになってからはまだ2年足らずというところで、まだまだ知られていないワイナリーですが、現在のパソ・ロブレスの実力を知るためにも飲んでおきたいワイナリーです。ちなみにワイン・アドヴォケイトはこのワイナリーだけの記事を2020年2021年と連続で書いています。それだけ注目に値するワイナリーです。今回はインポーターである新橋のワイン蔵Tokyoで試飲させていただきました。




ソーヴィニヨン・ブラン2019(3800円)は樽を使っていないタイプです。パイナップルなどのトロピカル・フルーツのフレーバーが豊かなワイン。パソ・ロブレスの陽光を感じます。旨味もありレベル高いワイン。

シャルドネ2020(3800円)は樽香やバターぽさもあるリッチなタイプ。果実味豊かで華やかです。リザーブ・シャルドネ(8000円)は2018年のものがワイン・エンスージアストの「世界のトップ・シャルドネ9選」という記事にえらばれています。今回はその次の2019年を試飲しました。普通のシャルドネも華やかですが、こちらの方がワンランク上。素晴らしいシャルドネでオーベールのAVAものあたりと比較しても面白いのではないかと思いました。

ロゼ(4800円)は、今回一番気に入ったワインの一つ。柑橘系にピーチのニュアンス。さわやかですが薄くなく美味しい。「世界のBEST ROSE30」に選ばれたというのも納得です。

赤ワインに移ります。

ボディガード2018(7500円)はプティ・ヴェルドがメインという珍しいワイン。プティ・ヴェルドが59%にプティ・シラーが41%。濃くてタニックな品種同士ですから、ノックアウトされそうなくらい濃くてパワフル。でも不思議にバランスの良さもあります。ワイン・エンスージアストで94点、ヴィナスで92点。

ペシミスト2019(5000円)はプティ・シラーが73%でジンファンデルが14%、シラー12%にグルナッシュ1%というブレンド。プティ・シラーらしいインクのように深みのある色合いでタニックでパワフル。ですが重さ一辺倒でなく、スパイシーさもあり、バランスもいい。これも今回非常に気に入ったワイン。ただ「ペシミスト(悲観論者)」という名前だけはなんとかならなかったのでしょうか。できたらオプティミストに改名してほしいところ。

カベルネ・ソーヴィニヨン・リザーブ2018(1万円)は果実味豊かでバランスのいいカベルネ・ソーヴィニヨン。いかにもカリフォルニアワインのカベルネという美味しさです。ワイン・アドヴォケイトで93~95点。

最後は2017年のソウル・オブ・ライオン(2万2000円)。これはもう何度も試飲していますが、シルキーなテクスチャで本当に素晴らしいワイン。ナパのトップクラスのカベルネ・ソーヴィニヨンと比べても遜色ありません。今のパソ・ロブレスの実力を知るためにも多くの人に飲んでほしいワイン。ワイン・アドヴォケイトで97点。ジャンシス・ロビンソンも20点満点で17.5点と非常に高い点を付けています。

ダオのワインはどれもパソ・ロブレスらしい果実味の豊かさがあり、濃いワインであってもバランスの良さを感じます。「濃けりゃいいんだろ」的なところがなく、とてもよくできています。今回は特に新しく試飲したロゼとペシミストが気に入りました。


Date: 2021/1126 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアワイン・バイザグラス・プロモーション2021」で小規模店の優秀賞に輝いた五反田のワインバーQuintetさんにお邪魔してきました。

場所はJR五反田駅からTOC方面に5分強歩いたあたり。繁華街からは少しはずれた静かなところです。ものすごく便利という立地ではありませんが、訪れたときは満席。にぎわっていました。

wine bar Quintet(大崎広小路/ワインバー) - Retty」によるとグラスワインは15種類程度、ボトルは100種類ほど用意しているとのこと。ワインリストに書いてあるもの以外にも、カウンターには見覚えのあるワインがいろいろ並んでいます。ワインはカリフォルニアワイン中心にオレゴンやワシントン、それからオーストラリアなどのワインもあります。


写真はロウワーのプティ・シラー。ロウワーはヴィオニエが格安で話題になったワイナリーですが、プティ・シラーは私も初めていただきました。プティ・シラーらしい濃厚な果実味はありますが、バランスのよい作り。美味しかったです。

このほか、コングスガードのGMが作る「ファーディナンド」のガルナッチャ・ブランカなどもありました。

ワインリストは3週間~1カ月で変わっていくそうなので、いつ行っても目新しいものが見つかりそうです。

あと、素晴らしいのがグラス。オーストリアのザルトのものがずらっと並んでいます。これを店長の渡部さんがピカピカに磨き上げており、その美しさだけでも満足感があります。もちろんワイングラスとしても秀逸です。
Date: 2021/1125 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニアワインの父とも言われる故ロバート・モンダヴィ。彼が作ったワイナリーとしてはロバート・モンダヴィ・ワイナリーに、シャトー・ムートン・ロートシルトと共同で持つオーパス・ワンがあることは有名です。この2つのワイナリーは財政難で手放してしまいましたが、その後、2人の息子がそれぞれマイケル・モンダヴィとコンティニュアムを造り、孫たちもそれぞれ様々なワイナリーやワイン・ブランドのプロジェクト(例えばワイ・バイ・ヨシキもその一つ)に携わっています。

詳しくは「【保存版】モンダヴィ・ファミリーの系譜」をご覧ください。

どのワイナリーも一級品のワインを作っており、オーパス・ワンは2013年のものがジェームズ・サックリングで100点と年間1位の称号を得ましたが、まだどこも到達していないのが「パーカー100点」(ワイン・アドヴォケイトで100点)のワイン。

これに今、一番近いと目されているのがロバート・モンダヴィの次男ティム・モンダヴィが作るコンティニュアムの2018年。既にサックリングは100点(年間6位)となっており、最新のワイン・アドヴォケイトのレビューでは98~100点と、100点含みの点数が付きました。数年後に再レビューで100点になる可能性もありそうです。ヴィナスでも2016年のものは100点を取っており、2018年も同等の点数が期待できそうです。

先日、ワイン・イン・スタイルの試飲会でこのワインを試飲しました。コンティニュアムはアカデミー・デュ・ヴァンの講座でもしばしば試飲アイテムとして使わせていただいていますが、2018年はこれまでのヴィンテージと比べてもエレガントな雰囲気があります。カベルネ・ソーヴィニヨンが54%、カベルネ・フランが31%と、例年に比べてもカベルネ・フランの比率が高いのがその理由ではないかと思います。フルボディではありますが、トーンが高く、軽さを感じます。非常に複雑で余韻ながく、やはり素晴らしいワインです。

この試飲会ではなんと、コンティニュアムの初ヴィンテージである2005年のワインも供されました。現在のコンティニュアムはプリチャード・ヒルにある自社畑「セージ・マウンテン」100%のワインとなっていますが、最初の数年はまだ畑がなかったのでモンダヴィのト・カロンのブドウを100%使っています(数年間使える契約になっていました)。2005年のコンティニュアムはまだ生き生きと若く、ト・カロンらしい緻密なタンニンとボディで、これはまた非常に魅力的なワインでした。

当時は、ト・カロンが使えなくなった後は品質が落ちていくのではないかと懸念していましたが、プリチャード・ヒルでクラウド・ビューというワイナリーが持っていた畑を買い取って自社畑にしたのは、今から見ればすばらしい英断でした。当時もシャペレーやブライアント・ファミリーによってプリチャード・ヒルへの注目は高まりつつありましたが、今ほど有名な地区ではありませんでした。この畑の買収に当たっては故ロバート・モンダヴィも畑を見に行き、OKを出したとされています。亡くなる1、2年前のことで、コンティニュアムがロバート・モンダヴィにとっても最後のワイナリーとなりました。

コンティニュアム2018はウメムラで税込み3万2560円。税抜きなら2万円台です。その品質を考えたらかなり格安で、現地価格とも遜色ありません。


今回の高評価で、今後は値上がりの懸念もあります。今が買い時かもしれません。
Date: 2021/1124 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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恒例のワイン・スペクテーター年間トップ100が発表されました。

トップ10

トップ10は上記のようになています。カリフォルニアからはカベルネ系ばかり3本が入りました。1位にドミナス、3位にハイツのマーサズと、1980年代からトップ級を続けているワインが入りました。昨年一昨年はマヤカマスが上位に入りましたし、クラシックなスタイルのカベルネ・ソーヴィニヨンが復権しているということでしょうか。

とはいえ、ドミナスやハイツのような名声を確立して一定のファンがいるワイナリーが上位に来るのは、ちょっと面白みには欠けるような気もします。

この中でちょっと目を引いたのが9位に入ったサルベストリン。ドクター・クレーン・ヴィンヤードというのは1859年にドクター・ジョージ・ベルドン・クレーンという人が最初に植樹した畑の地所を引き継いだ名前です(なお、当時のブドウは数年で枯れてしまったと記録にあります)。ベクストファー・ドクター・クレーンが有名ですが、そのすぐ近くの畑です。

マップ
上の写真で緑色のところがベクストファー・ドクター・クレーン、茶色のところがサルベストリンのドクター・クレーンです。

これほどの土地で今どきカベルネ・ソーヴィニヨンが80ドルは安いです。

ちなみに日本にも以前は輸入されていたことがあったそうです。

11位以下では昨年トップ10に入ったオーベールが11位(イーストサイド・シャルドネ2019)。リッジのガイザーヴィル2019が24位、オレゴンのイヴニング・ランド シャルドネ2018が27位、スリー・スティックスのピノ・ノワール プライス・ファミリー・エステート2019が28位あたりが目についたところです。

該当するヴィンテージが日本に同じタイミングで入ることはあまりないのがちょっと残念なところでもあります。ドミナスは近年どんどん入手しにくくなっている感じがあり、これでますます入らなくなりそうな気がします。
Date: 2021/1123 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ジョエル・ピーターソンのワンス・アンド・フューチャーを紹介したからには、こちらも紹介しないわけにはいきません。息子モーガンといえば、もちろんベッドロックでカリフォルニア最高レベルのジンファンデルを作っているわけですが、彼が営むもう一つのワイナリーがアンダー・ザ・ワイヤー。スパークリング専業のワイナリーです。今回の試飲会ではここのワインも3種揃い踏みとなりました。



カリフォルニアのスパークリング・ワインといえば、マムやシャンドン、ロデレールなどシャンパーニュのワイナリーが進出してシャンパーニュと同じようにノン・ヴィンテージで作るものが中心となってきましたが、そこに一石を投じたのがマイケル・クルーズのウルトラマリンでした。スティルワインのシャルドネとしても最高レベルのワインを産み出すチャールズ・ハインツのブドウを使い、単一ヴィンテージによるスパークリング・ワインで一世を風靡。今や最も手に入りにくいカリフォルニアワインの一つとなっています。

シャンパーニュのRM(レコルタン・マニピュラン)に影響を受けた(栽培は自社ではありませんが)もう一つがこのアンダー・ザ・ワイヤー。ヴィナスでの最高評価95点やワイン・アドヴォケイトでの最高評価96点はウルトラマリンに並びます。

さらにこちらはブドウのソースも様々です。今回はモントレー近くのシャローンにあるブロッソーのシャルドネとメンドシーノでも有名なアンダーソン・ヴァレーよりかなり北にあるアルダー・スプリングスのピノ・ノワール、そしてソノマの自社畑ベッドロックのなんとジンファンデルを使ったスパークリングを試飲しました。ヴィンテージはいずれも2016年です。

ブロッソー(シャルドネ)はシャープな酸が特徴。柑橘類の鮮烈さが際立ちます。普通のスパークリングではあまり感じられない余韻も非常に長いです。
アルダー・スプリングス(ピノ・ノワール)は赤系の果実味がきれいでクリスプ。こちらも深みのある味わい。泡がなくなってスティルのロゼとして飲んだとしても相当おいしいと思います。
ベッドロック(ジンファンデル)もジンファンデル的な濃さはなく薄めのロゼ。花の香りやオレンジピール、スパイスの風味。ベッドロックのジンファンデルとは全く違う味わいに感じられますが面白い。

これも三者三様で非常に面白いですが、個人的にはアルダー・スプリングスが一番好きでした。

しあわせワイン倶楽部です。



Date: 2021/1122 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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中川ワインの試飲会から「オー・ボン・クリマのノックス君に気になるあのことを聞いてみた」に次ぐレポートです。

ボンドやプロモントリーなど、トップクラスのワインも登場する試飲会ですが、私の心を一番捉えたのはワンス・アンド・フューチャー。レイヴェンズウッドの創設者であるジョエル・ピーターソンが近年始めたブランドです。

といっても、中川ワインの方のお話によると、最近はレイヴェンズウッド自体が知られておらず、レイヴェンズウッドの創設者といってもなかなか響かないとか。かつては「ジンファンデルの3R」の一つ(後の2つはRidgeとRosenblum)として、ジンファンデルのトップクラスのワインだったのですが…

今、ジンファンデルでトップクラスというとターリーにベッドロックが2強で、リッジ、カーライル、ビアーレが続くという感じでしょうか。ちなみにこの5ワイナリーは古木の畑を守るヒストリック・ヴィンヤード・ソサエティの主要メンバーでもあります。

話がなかなか本題に行きませんが、このベッドロックのオーナーであるモーガン・ピーターソンの父親がジョエル・ピーターソンであり、今となってはモーバン・パパとでも呼んだ方が通りがいいのかも…

という戯言はさておき、今回の試飲会ではワンス・アンド・フューチャーの輸入されている6種が勢揃いしたのです。これは前の試飲会であったボンドの揃い踏みに近い興奮ですよ(価格は10分の1以下ですが)。

このうちマタロ(ムールヴェードル)が1つとプティ・シラーが1つ。これも無茶苦茶いいんですが、今回は置いておいて残りのジンファンデルが4種です。この畑がオークレイ・ロードにテルデスキ、ベッドロック、オールド・ヒル・ランチとなっています。オールド・ヒル・ランチは1852年に作られた続けて耕作されているカリフォルニアで一番古い畑で、その後植え替えされているものの1885年の樹が今も使われています。かつてはレイヴェンズウッドのフラッグシップの畑でしたが、今はワンス・アンド・フューチャーと、息子のベッドロックが使っています。

ベッドロックの畑はその名の通りベッドロックが保有していますがこれも1880年代の畑。テルデスキは1890年代。一番新しいオークレイ・ロードでも1900年とどれも今は120年を超える畑となっています。

実際に飲んでみると、これがまた畑ごとに個性豊か。オークレイ・ロードはスムーズでシルキーなテクスチャ。テルデスキは酸がしっかりとして複雑な味わい。ベッドロックは一番タニックでパワフル。オールド・ヒル・ランチはものすごく深みのある味わい。4者4様で甲乙つけ難いできです。

あえて言うなら、今飲むならシルキーなオークレイ・ロード。ポテンシャルならオールド・ヒル・ランチでしょうか。

ちなみに、オークレイ・ロード以外の3つはベッドロックも手掛けている畑。これがまたワンス・アンド・フューチャーとは味わいが違うので、畑の違いプラス造り手の個性の違い(簡単に言ってしまうと、ジョエル・ピーターソンはガツンとくる味わいで息子のモーガンはもっとじわっと味わい深いタイプ)が出て非常に面白いのです。

それから、「とにかく濃いワインが飲みたいんだ」という人はプティ・シラー行っちゃってください。絶対に後悔はないです。

ショップはトスカニーです。




Date: 2021/1121 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先日「ソーヴィニヨン・ブランに感激、コクとキレが抜群の冷涼感白ワイン」という記事で紹介したエドナ・ヴァレーのタンジェント(Tangent)。このワイナリーを持つニヴェン家が営むもう一つのワイナリーがゾッカー(Zocker)です。

Zockerとはドイツ語でギャンブラーの意味。ゾッカーで手掛けているのはリースリングとグリュナー・フェルトリナーの2つだけ。カリフォルニアではメジャーとは言えない品種に取り組むことを自らギャンブルと称しているわけです。

実際のところ、リースリングはカリフォルニアでも結構作られていますが、グリュナー・フェルトリナーは600トン程度。ケース換算すると5万ケースくらいでしょうか(ゾッカーでは1400ケースほど作っています)。また、この品種について調べてみると「乾燥に弱い」と書かれているところもありました。これはカリフォルニアではなかなか厳しい条件であり、まさにギャンブルと言えそうです。私自身、カリフォルニアのグリュナー・フェルトリナーはこれまで未経験。グリュナー・フェルトリナー自体、WSETの授業で試飲したくらいしか経験ありません。

飲んでみました。

青りんごや洋梨、白い石などの味わい。いわゆるミネラル感を強く感じます。酸はかなり高めです。いわゆる食事に合うワインというタイプです。魚介などに合いそうです。寿司にも合いそうな気がします。よくできたワインで美味しいです。いくつかのワイン・コンペティションで「オーストリア以外のグリュナー・フェルトリナー」として賞を取っているそうです。



ちなみにこの品種、カタカナ表記のバリエーションが多く、検索泣かせです。
Date: 2021/1120 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのカーネロスにあるワイナリー「セインツベリー(Saintsbury)」が40周年を迎えてパーティを開きました。

セインツベリーはデイヴィッド・グレイヴとリチャード・ワードが造ったワイナリー。カーネロスのピノ・ノワールのパイオニアとしてまさにこの地を切り拓いてきました。エレガントで滋味にあふれたワインは、2人の人柄を表すかのように暖かく美味しいもので、派手さはありませんが長年のファンが多数います。価格もこの20年間ほとんど変わっていません。

2017年にリチャード(ディック)・ワードが亡くなった後もデイヴィッド・グレイヴが支えてきましたが、この40周年を機に引退すると表明。ワイナリーはディックの息子さんに引き継ぐとのことで、2人が家族以上の家族だったことを改めて感じさせてくれています。

パーティには初代ワインメーカーだった日系2世のバイロン・コスゲさんを初め、歴代のワインメーカーも集結しました。こういったこともディックとデイヴィッドの人柄によるものでしょう。

セインツベリー、もっと評価されていいワイナリーだと思います。特にバックヴィンテージものはおそろしくお買い得でお薦めです。




Date: 2021/1119 Category: インタビュー
Posted by: Andy
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先日、中川ワインの試飲会があり、オー・ボン・クリマのブースには今年亡くなったジム・クレンデネンの息子ノックス君が立っていました(写真撮り忘れ…)。ノックス君は大学生で東京の大学に通っており、来年卒業してからはオー・ボン・クリマで働く予定です。

いい機会なので気になっていたことを2つ質問してみました。

オー・ボン・クリマといえばピノ・ノワールの「イザベル」と「ノックス・アレキサンダー」の2つが特に有名です。イザベルは長女の名前、ノックスはもちろんノックス君の名前から取っています。

そこで、「オー・ボン・クリマのワインの中ではやっぱりノックスが一番好きなの?」と聞いてみました。

答えは「イエス」かと思いきや「ノー」。一番好きなのは白のブレンド「ヒルデガード」だそうです。前は赤ワインはちょっと苦手だったとのことで、白ワインの方が好きというノックス君でした。
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ちなみにイザベルは2018年から新しいラベルに変わっています。中央の女性のイメージが成熟した女性になりました。イザベルさんもワイナリーで働いていますからね。

さて、もう一つはちょっと真面目な質問。オー・ボン・クリマのワイン、ワイン自体の味には文句ないのですが、ボトルがすごく重いのが気になっていました。SDGsなどの観点からすると重いボトルというのはちょっと時代遅れな感じがします。

これについては、「次のヴィンテージからはもっと軽いボトルになる」とのこと。やっぱりそういうことも意識しているのですね。
今後のオー・ボン・クリマも応援したいと思います。

ちなみに一通り試飲した中で、個人的には今回のお気に入りはシャルドネの「ニュイ・ブランシェ2018」でした。毎年変わるニックネーム、今回は「Righteous Juice-Archie」。アーチーというのはサンタ・バーバラのワイン愛好家で様々なイベントを行い、ジムとも仲が良かったアーチー・マクラーレンという人のこと。その人だったら「なんておいしいワインなんだろう」と言っただろうと想像してジムが付けたタイトルだそうです。ヴィナスで95点と非常に高い評価です。




Date: 2021/1119 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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セシル・パークはナパで唯一の韓国人女性ワインメーカー。畑の管理ではケークブレッドやゴーストブロック、ナパワインカンパニーなどの80を超える畑を請け負っています。彼女のプライベート・ブランドがInnovatus(イノヴェイタス)。ラテン語でinnovationの意味です。

新橋のワインバー「ワイン蔵tokyo」がこのほど輸入を始めたので試飲してきました。ワイン蔵としてはDaou(ダオ)に続く2つ目のワイナリーの輸入となります。

今回入ってきたのは2012年のピノ・ノワール(初回特別価格7000円)、2014年のレッド・ブレンド(同6000円)、2016年のカベルネ・ソーヴィニヨン(同1万円)の3種類。

2012年のピノ・ノワールはInnovatusの最初のヴィンテージのもの。畑はクームスヴィルにあります。
ハーブやキノコ、腐葉土といった熟成による香りがたっぷりとしています。赤系の果実味もありますが、そちらはやや抑えめ。熟成ピノ・ノワールが好きな人にお薦めです。

2014年のレッド・ブランドはシラー47%にカベルネ・フランが23%、プティ・シラー15%、ピノ・ノワール5%というユニークな構成。畑はカーネロスだそうです。ナパのシラーというと濃厚なワインを想像すると思いますが、これは非常にエレガント。赤系の果実にホワイト・ペッパーなどスパイスを強く感じます。アルコール度数は14.5%と低くないのですが、軽やかさがあります。

2016年のカベルネ・ソーヴィニヨンはラザフォードの畑のもの。ほどよい果実味で非常にバランスのいいワイン。酸もきれいです。ナパらしからぬエレガント系カベルネ・ソーヴィニヨン(ほめてます)です。
Date: 2021/1118 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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収穫
2021年のブドウの収穫が終わり、カリフォルニアワイン協会が収穫レポートを発表しています。干ばつで極端な乾燥状態が続き、山火事の恐れが大きかった今年ですが、シエラ・フットヒルズで避難命令が出て、観光地のレイクタホにまで迫ったカルドー・ファイアーを除いては、ワイン産地の近くでの大きな山火事は起こらず、多くの関係者が胸をなで下ろしました。

新型コロナウイルスの影響での労働者不足や、干ばつによってブドウの実が大きく育たなかったことによる収量の低下といった問題はありましたが、ブドウの味は凝縮し、品質は非常に高く、「近年の中ではベストの一つ」と評しているワインメーカーが多いようです。

以下は主な地域の短評です。

ナパ:干ばつによる水不足を除いては生育期間に問題はなかった。収穫は例年より早く始まった。ブドウの実は非常に小さく、2019年と比べて20~30%収穫が少なかったところもある(2020年と比較しなかったのは煙の影響でワインを断念したところが多かったため)。凝縮して完熟したため品質は非常に高い。
ソノマ:春先は涼しかったが、だんだん暖かくなっていった。温暖な地域ではブドウの熟す時期はやや早く、冷涼な地域は例年通りだった。収穫はやや早く始まり、急速に進んだ。干ばつで収量は少なめだったが、煙の問題がなかったため、ピノ・ノワール、ジンファンデル、カベルネ・ソーヴィニヨンは2020年を上回ったもよう。ブドウの味わいは凝縮して非常に高い。
ロウダイ:干ばつの影響や春先の霜のために収量は少なく、生育は不均等になった。特に古木の畑では収量は少なく、木が死んでしまったところもある。収穫は8月に始まり、9月になると様々な品種がほぼ同時に完熟していった。機械収穫のオペレーターを確保するのも大変な状況だった。ブドウの品質は高かった。特にカベルネ・ソーヴィニヨンやプティ・シラーは早く完熟し、自然の酸が残った。
モントレー:夏の間、霧に覆われて涼しく、酸が高く糖度がなかなか上がらなかった。9月に入って霧が晴れ、温度が上がり日照も増え、9月の後半から一気に収穫が始まった。収穫量は予想より多く、品質も良い。生育期間が長く、完熟した上PHは低くなった。
パソ・ロブレス:開花時期に強い風が吹いたため、ブドウの実はまばらになり収量は減った。西の丘陵地帯には熱波が押し寄せ、灌漑に使う水もなかった。収穫量は例年と比べ30~40%も少なかった。
サンタ・バーバラ:すべての点ですばらしい年だった。熱波もなければ霜の問題もなかった。9月には非常に湿気の多い霧に覆われ、ボトリティスの問題が生じたが、丁寧に対処したため大きな問題にはならなかった。サンタ・リタ・ヒルズのピノ・ノワールは収穫が2週間遅く、ハッピー・キャニオンのボルドー品種は早く成熟した。このため収穫時期のトラックや運転手の手配が問題になった。シャルドネとソーヴィニヨン・ブランが素晴らしい年で、ピノ・ノワールやカベルネ・ソーヴィニヨンも良好だ。
Date: 2021/1117 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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the hilt
ザ・ヒルト(The Hilt)は、ナパのカルト・ワイナリーとして知られるスクリーミング・イーグルのオーナーであるスタン・クロンキー(Stan Kroenke)がサンタ・バーバラに所有するワイナリーです。サンタ・バーバラの中でも冷涼なサンタ・リタ・ヒルズに畑を持ち、現在は、サンタ・バーバラを代表する高品質なピノ・ノワールやシャルドネを造っています。

ザ・ヒルトの中でも入門的な位置づけにあるのがエステートのシャルドネとピノ・ノワール。この2本セットがウメムラで年内限定の特別価格、さらに送料無料になっています。どちらも通常価格が5841円(税込み)のところ、送料込みで合わせて9493円(税込み)。送料を計算に入れなくても2割引です。

このワイン、現地価格でも税抜きで40ドル台半ばですから、ほぼそれと同等レベル。元々の価格設定もかなり安めなのですが、今回は相当お得です。

ヴィンテージはシャルドネが2017年、ピノ・ノワールが2018年。シャルドネの2017年はヴィナスで91点、ピノ・ノワールの2018年はヴィナスで93点と高評価が付いています。特にピノ・ノワールについてはレビューに「I loved it」と付け加えるお気に入りです。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

【送料無料・特別価格】ザ・ヒルト 紅白ワイン 満喫2本セット
価格:9493円(税込、送料無料) (2021/11/17時点)


Date: 2021/1116 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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タンジェント(Tangent)はエドナ・ヴァレーにある白ワイン専門のワイナリー。といっても白の中で圧倒的にメジャーなシャルドネを手がけないというユニークなワイナリーです。パラゴン・ヴィンヤードという自社畑から、ピノ・グリ、ソーヴィニヨン・ブラン、アルバリーニョなどを造っています。

今回、ワインライフさんの厚意で3種類を一度に試させていただきました。

エドナ・ヴァレーはパソ・ロブレスとサンタ・バーバラの間にある、サンルイスオビスポ郡の海沿い(パソ・ロブレスも同じ郡内ですが内陸よりになります)の2つのAVAの一つ。もう一つのアロヨグランデ・ヴァレーと並んで太平洋からの風が吹き抜ける非常に冷涼なAVAとなっています。エドナ・ヴァレーを「カリフォルニアで最も冷涼なAVA」と評す人もいます。

ただ、このAVAは冷涼産地としてのポテンシャルが非常に高いにもかかわらず、メジャーなワイナリーがなく、廉価版のブドウの供給源というイメージが付いてしまっています。個人的には「不遇の産地」と勝手に称しています。

マイナーな産地で、あえてメジャーでない品種に取り組むという、なかなかチャレンジングなワイナリーですが、果たしてそのワインの実力はどうでしょうか。

まずはピノ・グリから。「マイナー品種」と書きましたが、実はピノ・グリはカリフォルニアではシャルドネに次いで2番めの生産量がある品種。ただ、ブドウの販売価格はシャルドネの半分くらいで、全体の平均もだいぶ下回っています。つまり安ワイン専用のような品種になっています。「ピノ・グリ」(あるいはピノ・グリージョ)としてのヴァラエタル・ワインとして日本に輸入されているものはあまりないのではないかと思います。

タンジェントのピノ・グリは白い花の香り、グレープフルーツ、鮮烈な酸で爽やかな味わいですが、少し甘やかなフルーツの味わいもあります。酸の切れ味と、フルーツのコクがある美味しいワインです。

次はソーヴィニヨン・ブラン。こちらは飲む前からソーヴィニヨン・ブランに間違いないと思う香り。味わいもグレープフルーツにグアバなど、青っぽさはほとんどなく、これも酸のキレの良さとフルーツのコクが素晴らしいワイン。一緒に飲んだ方々の間でもこれが一番人気でした。聞いたところによると、ソーヴィニヨン・ブランが一番収穫が遅く10月後半に収穫しているとのこと。それでも酸が落ちないのがさすが冷涼産地ですし、だからこその味わいの充実なのですね。

最後はアルバリーニョ。アルバリーニョは個人的には最近注目している品種の一つ。実は暑いところでも酸が落ちにくいというのが一つの特徴です。ただ、冷涼なエドナ・ヴァレーではこの特徴はあまり関係なさそうです。ではこのワインはどうでしょうか。
もちろん酸はかなりしっかりしています。レモンというよりはオレンジ系の味わい。ミネラル感もかなりあります。冷涼感があるのに意外とふくよかという面白いワイン。これまで飲んだアルバリーニョともちょっと印象が違いますが、これもかなり美味しいワインです。

3つのワインに共通するのは、やはり冷涼産地らしく、キリリと引き締まった酸があること。「カリフォルニアワインは甘い」と思っている人が飲んだらびっくりするかもしれません。一方で、果実味もきれいでボディもあるので、単なる酸っぱい痩せたワインではありません。単純に言えば「コクもあるけどキレもある」という感じです。特に、ソーヴィニヨン・ブランはすごくいいので、ぜひ皆さんに試してもらいたいワインです。

実はタンジェントと別ブランドで造っているグリューナー・ヴェルトリーナーもあるのですが、それは別に試飲したのでまた別記事で紹介します。

ワインライフのオンラインショップのタンジェントのページ

ドラジェです。




Wassy'sです。



Date: 2021/1115 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアワイン協会の日本代表でWSETのDiplomaである扇谷まどかさんが、Diploma Student向けに開催したオンライン・セミナーに参加させていただきました。講師はシュグ(Schug Winery)のClaudia Schugさんです。Schugさん自身WSETのDiplomaであり、今はお休みしているそうですがMWのCandidateとしての勉強もしていたという方です。

セミナーの内容はソノマの概要を中心としたものでした。

ご存知の方が多いと思いますが、ソノマはナパの西側にあります。西に太平洋、南はサンパブロ湾と2方向に海があり、そこから冷気や霧が入ってきます。ナパと比べるとかなり広い地域なので、冷気や霧の届き方も場所によって大きく異なり、多様性に富んでいます。また、ぶどう畑は総面積の5%程度と決して多くなく、地域の半分は森です。ワイナリーの数は500弱ですが畑は1800もあり、大規模にワインを作っているというより、小規模の栽培家がたくさんあるイメージです。

Schugの創設者Walter Schugはドイツ・ラインガウの生まれ。父親もワインメーカーで、ウォルターも大学で醸造と栽培を学び、ドイツのワイナリーでピノ・ノワールを作っていました。請われてカリフォルニアに来たのが1961年。まだRobert Mondavi Wineryも登場前の前時代のころでした。66年まではCalGrape、その後はE&J Galloで働き、600もの生産者との関係を築いていきました。1973年にジョセフ・フェルプスの立ち上げと同時にそのワインメーカーになり、カリフォルニア初のボルドー・スタイルのブレンドワインであるInsigniaを作ったほか、畑名を冠したワインやシラーなどで先頭を走っていました。

ウォルターはピノ・ノワールを造りたいという気持ちが強く、ジョセフ・フェルプスの最初のワインも実はピノ・ノワールだったそうです。しかし、フェルプスのピノ・ノワールは80年で終了してしまいました。

1983年にフェルプスをやめ、Schugの名前でピノ・ノワールを造り始めました。1989年にカーネロスのソノマ側に土地を買って畑を切り開きワイナリーを創設しました。カーネロスのパイオニアの一つとして今に続いています。ウォルターは2015年に亡くなりましたがその後も家族経営を続けています。

このセミナーでは受講生は各自Schugのワインを試飲しましたが、私は2018年のカーネロスのシャルドネでした。スイカズラやスミレの香り、レモンやレモンの皮といった柑橘系中心の味わいですが、軽くグアバのようなニュアンスも感じました。トーストやヴァニラといった樽の要素はありますが控えめ。上品ながらカリフォルニアらしい果実味も顔を覗かせる秀逸なワインです。


ちょうど、ブレッド&バターの試飲などをした後だったのでシャルドネのマロラクティック発酵についてどう考えているか聞いてみました。ウォルターがマロラクティック発酵によるバター的なニュアンスがあまり好きでなかったので、基本的にはあまり行わない方針だそうです。このあたりもウォルターの教えを守って続けているのが感じられました。

また、ヴィンテージについて聞いたところ、この2018年は割とフルボディで2019年はもう少しスリムな味わいになったそうです。また、2021年のヴィンテージは素晴らしいものになっているとのことでした。

ピノ・ノワールに関してはクローンの質問などがありました。シュグの畑のクローンはポマールが中心で、アーシーなキャラクターが特徴だとのこと。このほか購入しているブドウではマルティニやカレラ・クローンといった、いわゆるマサル・セレクションのものやディジョン・クローンもあるそうです。

扇谷さんからは、シュグのワインはコスト・パフォーマンスが優れているというコメントがあり、これについてはワイナリーやテイスティング・ルームを華美に装って客を呼ぶのではなく、地に足をつけて家族でやっていく方針だからだとのこと。

決して派手なワイナリーではなく、評論家からすごい点を取るような派手な味わいのワインを作るワイナリーでもありませんが、実質本位で本当に造りたいワインを造っているその姿勢は素晴らしいと感じました。
Date: 2021/1112 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ニューオーリンズで11月6日に開催されたチャリティ・オークションで、単一ボトルのワインとしては新記録となる100万ドルで落札されたワインが誕生しました(Healdsburg Winemaker’s Bottle of Cabernet Sells for Record $1 Million - Sonoma Magazine)。

このワインはザ・セッティングズ(The Settings Wines)というワイナリーのカベルネ・ソーヴィニヨン、Glass Slipper Vineyard 2019の6リットル・ボトル。ワインメーカーのジェシー・カッツ(Jesse Katz)はソノマのヒールズバーグ在住。36歳という若さながら15ヴィンテージの経験があり、ペトリュスやスクリーミング・イーグルなどでも働いた経験がある人。2010年にはランカスターでヘッドワインメーカーになり、Roth Estateを立ち上げてワイン・スペクテーターのトップ100にも選ばれています。

また、フォーブス誌の「30 Under 30」(30歳以下の注目の30人)にワインメーカーとして初めて選ばれ、ワイン・エンスージアストの「40 Under 40」(40歳以下の注目の40人)にも選ばれた才人です。ちなみに父親は「Sony Artisan of Imagery」の一員にも選ばれた写真家です。
Jesse Katz

ジェシー・カッツはザ・セッティングズのほかアパチャー・セラーズ、デビル・プルーフ・ヴィンヤーズといったワイナリーも持っています。ザ・セッティングズは2014年に3人で立ち上げたワイナリーでGlass Slipper Vineyardはナパのクームズヴィルにある畑です。
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ちなみにこのワイン、通常の750mlのワインでは185ドルという価格。それがなぜ、これほどまでの高額で落札されたのかは不明です。なお、落札者についてはドン・スタイナー(Don Steiner)という名前と、落札したワインは手持ちで歩いて家に帰ったらしい
ということ以外に何もわかっていません。
Date: 2021/1111 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ジョージ・ワイン・カンパニー(George Wine Company)のピノ・ノワール「セレモニアル・ヴィンヤード」2018がしあわせワイン倶楽部で税込みでも1万円切る価格になっています。

元々は税別で1万2000円だったのですが、日本のファンにもっと楽しんでもらいたいということで税別1万円に値下げ、それをさらに特別価格でという形です。

ジョージのピノ・ノワールは赤系の果実味がとてもきれいで若くても飲みやすい味わい。アルコール度数も13.4%とカリフォルニアのピノ・ノワールとしては比較的抑えめです。こういった特徴のためかレストランでの人気が非常に高く、年間生産量は1000ケース(1万2000本)に届かないほどなのに、300軒にもおよぶレストランで使われています。そのため、米国でも小売で見かけることはほとんどなく、日本で購入できるのはありがたいことです。

ある人が「まるでWordで作ったような」と評した、シンプルすぎるラベルデザインも、ずっと続けているとじわじわと味わいに変わってきているような気もします。


Date: 2021/1110 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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故スティーヴン・スパリュアが主宰していた英国のアカデミー・デュ・ヴァン・ライブラリーが「On California」というカリフォルニアワインの専門書を発行しました。
On California
多くの論客の記事からなるこの本、スティーヴン・スパリュア自身も1976年のパリ・テイスティングについて、当時の相棒だったパトリシア・ギャラガーと書いています。同様に、タイムズ誌の記者でパリ・テイスティングを唯一取材したジョージ・テイバーも書いていますし、ヒュー・ジョンソン、リサ・ペロッティ・ブラウンなどの評論家、「サイドウェイズ」を書いたレックス・ピケット、「ニュー・カリフォルニア・ワイン」のジョン・ボネ、カリフォルニアワイン協会の動画などで知られるエレン・チューカン・ブラウン、ワインメーカーからはウォーレン・ウィニアルスキー、ランドール・グラーム、ポール・ドレイパーなど、そうそうたる論客が執筆陣に並びます。

カリフォルニアワインファンにとってはバイブルの一つになりそうです。

日本のAmazonでも購入可能。
Date: 2021/1109 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Twitterで

という投稿を見たので調べてみました(投稿に絵文字があると記事が保存できないので一部改変しています)。
それで見つかったのが「Bourbon Barrel-Aged Wine Isn't 'Real' Wine, and That's O.K. | VinePair」という記事です。VinePairに2019年に投稿されています。

それによると最初に始めたのはメンドシーノのフェッツァー。1980年代にフレンチオークの樽がなかなか手に入らなかったことからやむなく使ったのがきっかけだそうです。フェッツァーがバーボン樽で熟成したジンファンデル「1000ストーリーズ」を始めたのは2014年。5000ケースの生産から今では14万ケース以上へと伸びています。フェッツァーだけでなく業界全体でも2015年の80万ドルから2018年には9100万ドルへと100倍を超える成長を示しています。ちなみにガロのアポシック・インフェルノは2016年、モンダヴィ・プライベート・セレクションのバーボン樽熟成カベルネは2017年のデビューです。

オンラインワイン販売の最大手wine.comでも1年間で取り扱いブランドが1つから20個へと急増しています。

バーボン樽ワインは「本当の」ワインではないと非難する人もいます。樽香やスモーキーなフレーバーが強く、甘いヴァニラやベリーの味わいは弱く感じられます。フェデラリストはバーボン樽熟成ワイン専用のグラスも作っていますが、従来のワイングラスの形状とは異なり、蒸留酒用のロックグラスのような形をしています。楽しみ方もちょっと違うといっていいのかもしれません。





Date: 2021/1108 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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CiCi
ナパのワイナリー、トレフェッセン(Trefethen)がブドウの発酵時に発生する二酸化炭素をキャプチャーする装置を試験導入しました(Napa Winery Adopts Carbon Capture Technology | Wine Spectator)。

トレフェッセンは、ポルトガルのポート大手「テイラーズ・ポート」が主体となって始めたノンプロフィットの環境団体「ポルト議定書」に加盟しています。同議定書にはナパ・ヴァレー・ヴィントナーズや、コッポラ、スポッツウッドなども加入し、カーボン・フットプリントの削減などを目指しています。

トレフェッセンはテキサスのアースリー・ラブズという会社が開発した「CiCi」というシステムを導入。これは当初はブルワリー向けに開発したもので、発酵時に発生する二酸化炭素を冷蔵庫大の装置に格納し、後から使えるようにするというものです。ワイナリーで試験導入するのはトレフェッセンが最初だとのこと。ワインの醸造に使うステンレスタンクには温度調整などのためにパイプが備えられており、そのパイプを増やすだけなので装着は比較的楽だったそうです。

これまでの試験によると醸造で発生する二酸化炭素はそれほど多くなく、10トンのブドウから2/3トンほどの発生にとどまっているそうです。ちなみに自動車は通常年間4.6トンほどの二酸化炭素を発生しているとのこと。

トレフェッセンでは集めた二酸化炭素を使う予定はあまりなく、ブルワリーなどに使ってもらうことを考えているそうです。
Date: 2021/1107 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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エノテカでケンダル・ジャクソンの5品種のセットが、1万8260円(単品合計価格)のところ1万2980円と約3割引になっています。毎回出るたびに売り切れになるというこのセット。セット数限定なので、今回も売り切れる可能性が高いです。

ワインはいずれもヴィントナーズ・リザーブのシリーズでカベルネ・ソーヴィニヨン、ジンファンデル、ピノ・ノワール、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランの5品種となっています。ヴィントナーズ・リザーブのシャルドネは米国で20年以上売上1位を続けているまさにカリフォルニアのシャルドネの王道的ワイン。他のワインも米国ではいずれも定番のワインです。


Date: 2021/1106 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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モジ(Moji)はソノマのペレグリン・ランチが造る缶ワインの新しいブランド。ワインメーカーは、高品質なシュナン・ブランで知られているレオ・スティーンのオーナーでもあるデンマーク出身のレオ・ハンセンです。

モジという名前は「日本の絵文字が好きな彼らが毎日の友達とのテキストメッセージのやりとりのように親しんでほしいという願いを込めたネーミング」だそうです。

白とロゼがあり、容量は375ml。1/2ボトルサイズですから、一人でごくごく飲むというより、1本を2人で分け合うような飲み方が中心になるのかもしれません。AVAはナパ・ヴァレーとなっているのがまた面白いところです。

さっそく飲んでみました。ピノ・グリージョを使った白ワインはクリスプな酸が印象的、レモンやライムのような柑橘の味わいに、ちょっとアフターに苦味を感じます。爽やかで美味しい。

ロゼの方は100%ピノ・ムニエというのがまた面白いところ。こちらも爽やかで、いちごやラズベリーなどのフレッシュなベリーの風味が新鮮です。どちらも美味しいですが、個人的にはロゼが気に入りました。

ドラジェです。



こちらもドラジェで4本セット。


Date: 2021/1105 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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IWCA
国際環境アクションワイナリー(IWCA)というワイナリーの団体が、ワイン業界のCEOたちに向けてゼロ・エミッションのための活動に参加するよう提言しています。

この団体は2019年にスペインのトーレスとカリフォルニアのジャクソン・ファミリーが設立したもの。カーボンフットプリントの削減を目指しており、2019年のワインエンスージアストの賞を受けています。カリフォルニアからはほかにスポッツウッドやシルバーオーク、リッジなどのワイナリーが参加しています。

提言の内容は、科学的根拠に基づく取り組みを推進すること。2050年までに排出をゼロにすること、IWCAが開発したカーボンフットプリントの計算メソッドを普及させること、です。小さなワイナリーでも無理なく測定ができるようにしています。

IWCAはゼロエミッションを目指す「Race to Zero」に農業関係の団体として初めて加入したとのこと。

SDGsやサステナビリティが、消費者がワインを選ぶ際の選択理由として重要になってくる時代がやってくるのかもしれません。


Date: 2021/1104 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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パルマッツ(Palmaz)・ヴィンヤードはナパのクームズヴィル(Coombsville)にあるワイナリー。クームズヴィルは2011年にナパのサブAVAとしては16番目に認定された比較的新しいAVA。ナパの南東の端にありサンパブロ湾にも近いことから、ナパの中ではカーネロスに次いで涼しいAVAとなっています。比較的涼しいところとはいえ、素晴らしいカベルネ・ソーヴィニヨンも生み出しており、例えばポール・ホブズやファヴィアといった超一流のワイナリーもここに畑を持っています。温暖化やワインのエレガント志向といったこともあいまって、注目が日増しに高まっている地域でもあります。

そんな新興地域なので、パルマッツも新しいワイナリーだろうと思いがちですが、実はそのルーツは19世紀1868年にまで遡ります。ナパで最初の商用ワイナリーが作られた1861年からわずか7年後のことです。ヘンリー・ヘーガンという人がシダー・ノール(Cedar Knoll)という畑を作ったのが今に至ります。

そんな昔にクームズヴィルにワイナリーがあったというのも驚きですが、残念ながら禁酒法の時代にワイン造りはやめてしまい、その土地を買ったのがアルゼンチン出身の医師ジュリオ・パルマッツでした。実はこの人、医学界では非常に有名な偉人です。パルマッツ・ステントという血管を広げる器材は広く使われており、日本心臓財団の50周年記念誌には「Palmaz 先生と Schatz 先生が開発した Palmaz-Schatz ステントは非常に効果的で、世界へ普及してゆきました」(原文ママ)と記されています。そのステントのシェアは一時90%に達したとされ、「IPインターナショナル誌」による「世界を変えた10個の特許」のリストに2回載ったとのこと。

パルマッツはシダー・ノール・ヴィンヤードを復活させ、丘にケーブを作って新しいワイナリーを築いています。週2回にわたってワイナリーの上空から取った航空写真で畑の状態を分析して灌漑する場所を決めるといった最新のテクノロジーも利用して古豪の再生を図っています。

前置きが長くなりましたが、そのパルマッツのワイン2つを試飲しました。ワインはインポーターの都光から提供を受けています。



左のパルマッツ・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨンがフラッグシップ、右のシダー・ノール(インポーターによる表記はセダール・クノール)


まずはセカンドから試飲しました。ヴィンテージは2017。この年は10月に大きな山火事がありましたが、クームズヴィルのあたりまでは影響はあまりなかったものと思います。
非常に色が濃く、ちょっと濁ったような感じもあります。香りも非常に強く、グラスから20~30cm離れていてもムンムンと香ってくるほど。味わいはカシスやブラックベリー、ブルーベリーといった、青黒系果実の風味、チョコレートや鉛筆の芯、畑名をほうふつとさせる杉っぽさ(Cedarは杉のこと)もあります。ドライなワインですが甘やかな印象もあり、非常に魅力的。フルボディで余韻も非常に長いワイン。これで、セカンドワイン?とちょっと驚くほどのクオリティです。


一方、ファーストのパルマッツですが、こちらもヴィンテージは2017です。93.19%カベルネ・ソーヴィニヨン、4.39%カベルネ・フラン、1.63%マルベック、0.79%プティ・ヴェルドという構成。
こちらも非常に香りは強いのですが、セカンドと比べると奥ゆかしく内に秘めた感じがあります。特徴はシルキーなテクスチャ。タンニンはセカンドよりも強く、シナモンやクローヴ、ミントのような風味も目立ちます。チョコやコーヒーの風味もあります。一方、果実味はそれほど強くはなく、セカンドの甘やかさではなく、しなやかさを感じるワインです。第一印象はむしろセカンドの方が強いかもしれませんが、こちらはじっくり付き合ううちに良さがわかってくるようなワインです。

医学界のレジェンドが造るワインですから、医療関係の方への贈り物などにもいいかもしれません。

Cave de L Naotakaです。


同じくCave de L Naotakaです。


Wassy'sです。

Date: 2021/1103 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ナパで最高峰のシャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨン、シラーなどを造るジョン・コングスガードの右腕でありジェネラル・マネージャーのエヴァン・フレイジャー。彼がコングスガードの設備を使って造る自身のブランドがファーディナンドです。以前「コングスガードGMが、コングスガードの5分の1の価格で作るアルバリーニョ」という記事などでも紹介していますが、このセミナー時にも言及していた、彼が一番作りたかった品種のワインが国内入荷しています。

その品種はガルナッチャ・ブランカ(グルナッシュ・ブラン)です。彼がファーディナンドを始めるときに探していた品種でしたが、カリフォルニアでは非常に生産量が少なく、ようやく見つけた畑のガルナッチャ・ブランカは既に他のワイナリーに予約済みでした。そこで同じ畑のアルバリーニョを造り始めたのですが、ついに念願かなってガルナッチャ・ブランカも作れるようになったのです。

試飲したところ、鮮烈な酸が印象的だったアルバリーニョに対して、こちらは酸はおだやか。複雑さのある滋味深い味わいでした。主張が強すぎず、和食に合わせやすいワインだと思います。

しあわせワイン倶楽部です。


Wassy'sです。


こちらも合わせてどうぞ(Wassy's)。

Date: 2021/1101 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ワイン・スペクテーターに最近、ナパのヴァイン・ヒル・ランチの記事が出ていました(Vine Hill Ranch: One of Napa Cabernet's Best-Kept Secrets)。「Best-Kept Secrets」ということで、ハーランやドミナス、ベクストファー・ミズーリ・ホッパーといった錚々たる畑の近くにありながら、これまでそれほど知られていなかったこの畑についてこれまでの経緯などを見ています。

とはいえ、実は2年前にはヴィナスでヴァイン・ヒル・ランチのカベルネ・ソーヴィニヨンが100点を取っており、私もそのときの記事に「ナパの高級ワインの中にもまだまだ過小評価されているものがあります。その一つがヴァインヒルランチ(Vine Hill Ranch、VHR)だと言っても過言ではないでしょう。ワイナリーとしてもまだまだ知られていないし、ワインのラベルもかなり地味で「VHR」という字が目立つくらい。もしかするとそれがヴァインヒルランチの略であることも知られていないかもしれません」と書いていました。

実はヴァイン・ヒル・ランチの自社ワイナリーのカベルネ・ソーヴィニヨン、今回ワイン・スペクテーターでも非常に高い評価を得ています。価格もそれほど高くないし、今年のトップ10あたりに入ってくる可能性もあるのでは、と思っています。