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Date: 2022/0730 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2020年のグラス・ファイアーでワイナリーや畑の大半を焼失する大きな被害を受けたナパのスプリング・マウンテンのニュートン・ヴィンヤード(Newton Vineyard)。このほどカリストガにテイスティング・ルームをオープンしました。


場所は 1171 Tubbs Lane, Calistoga
シャトー・モンテレーナと同じ道沿いで1kmほど南西側にあります。

テイスティングは予約のみで着席形式。フラグシップのThe Puzzleを含む4種の山のワイン、シャルドネ、2種の単一畑カベルネ・ソーヴィニヨンで100ドルとなっています。

また、この場所は今後ニュートンのワイナリー(醸造設備)としても使われるようです。
Date: 2022/0729 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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フランスのアクサ生命のグループでワインビジネスを行っているアクサ・ミレジムがソノマのプラット・ヴィンヤード(Platt Vineyard)を買収しました。ワイナリーではなく畑の買収です。

アクサ・ミレジムという名前は初めて聞きましたが、フランスやハンガリー、ポルトガルと米国にワイナリーを所有しています。例えばボルドーではメドック2級格付けのシャトー・ピション・ロングヴィル・バロンを、ブルゴーニュではドメーヌ・ド・ラルロ、カリフォルニアではアウトポストのオーナーになっています。

プラットはウエスト・ソノマ・コーストにある畑。リヴァース・マリーの2018年のプラット・ヴィンヤード・ピノ・ノワールがヴィナスで100点を取っています。リヴァース・マリーのトーマス・リヴァース・ブラウンによると、このあたりの「フリーストーン・ベンチ」は「ソノマ・コーストの中でもピノ・ノワールの最も偉大な地域になりつつある」といいます。例えば谷を一つ隔てたところにはスティーブ・キスラーのオクシデンタルの畑などがあります。

Platt

アクサ・ミレジムによると、ピション・ロングヴィル・バロンに呼応してアウトポストを手に入れたように、ドメーヌ・ド・ラルロに呼応して素晴らしいシャルドネとピノ・ノワールの畑を手に入れたということです。今後はトーマス・ブラウンやアウトポスト社長のフランク・ドツラーとこの畑のポテンシャルを引き出していきたいという意向。プラットのワイナリーも作るということなのでしょう。

ちなみに、今回調べていて初めて知ったのですが、プラットのこれまでのオーナーはフラナガン・ワイン。日本ではマッシュ・ワインが輸入していますが、非常に素晴らしいワインを作るワイナリーです。
Flanagan Wines フラナガン ワインズ
また、プラットの畑の名前はこの畑を作った故ルー・プラットから来ています。ルー・プラットはHPにエンジニアとして30年以上勤め、社長兼CEOにまでなった人。有名なカーリー・フィオリーナの前任者です。フィオリーナの就任時には半ば追われるようにやめたプラットでしたが、その後フィオリーナが成果を上げられずに退任するに至り、改めてプラットの功績が見直されたようです。HP退任後はケンダル・ジャクソンのCEOに就任し、ワイナリー売却などの道筋を探りましたが、結局ケンダル・ジャクソンは創業一族が見ることになり1年ほどで退任。退任の際に、ソノマに小さな畑を作り、そこに専念すると言っていたのがこのプラットの畑のことでしょう。

プラットは2003年にはボーイングの非常勤会長になりましたが2005年に脳動脈瘤で亡くなってしまいました。ワイン業界ではそれほど大きな足跡を残したわけではありませんが、こうして注目される畑を作ったことは彼の最後の大きな功績だったのかもしれません。
Date: 2022/0728 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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先日も紹介した元セインツベリーのブランド「ガーネット」のシャルドネとピノ・ノワールを試飲しました。モントレー産のシャルドネ2016と、ソノマ・コースト産のピノ・ノワール2013です。

シャルドネは濃いイエローで、見た目は熟成感ありませんが、飲んでみると意外と熟成しています。バランスよく、まったり感のあるシャルドネ。美味しいです。

ピノ・ノワールは9年経っているので、色合いもちょっと煉瓦色になっています。少し漬物感もあります。個人的には漬物感はあまり得意としていないのですが、これはほどよい感じです。チェリーなどの赤果実もまだ残っていますし、バラの香りもあり、ちょうど飲み頃と言って良さそうです。逆に言うと、これ以上は熟成させない方がいいかもしれません(好みによりますが)。

シャルドネは税込みでも1000円台、ピノ・ノワールは税込みで2000円台前半という実売価格としては十二分のクオリティです。

柳屋です。



アサヒヤです。



セインツベリーの熟成シラーとのセット。これもかなりお買い得です。

Date: 2022/0726 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニア州は、2022~2023年度の州予算で、農家や牧場が有機栽培に移行するための助成金や技術支援、教育などのために500万ドルを拠出することを決めました。

CCOF(California Certified Organaic Farmars)によると、このプログラムでは、社会的に不利な立場にある農家や牧場主への資金も確保されています。熟練の有機栽培のメンターによる指導が、移行のための技術支援の重要な要素であるとして、それらへの拠出も行います。

このほか、CCOFはカリフォルニア大学農学自然資源学部の有機農業研究所(OAI)の強化にも取り組んでおり、OAIでの有機研究および技術支援を支援するためにも85万ドルを確保したとのこと。

Date: 2022/0725 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ilovecalwineの試飲会で、コブ(Cobb)の新入荷ワインを試飲足ました。

コブはデイビッドとロスの親子が始めたワイナリー。当初はコーストランズ(Coastlands)という畑でピノ・ノワールを育ててウイリアムズ・セリエムなどに売っていましたが、2001年から自身のワイナリーを立ち上げています。ワインメーカーのロス・コブは、ウイリアムズ・セリエムやフラワーズなどでソノマの冷涼地域のワインを造り、その経験を自社のワインでも生かしています。

ソノマ・コーストのピノ・ノワールは冷涼さによって酸がしっかり残りながら、強い日差しによってアルコール度数が高く、パワフルさも持つことがしばしばありますが、コブのピノ・ノワールは非常にエレガント。アルコール度数も13%台。畑に霧が残る時間などによるものなのでしょうか。非常にピュアなフルーツの味わいがあり、熟成も期待できるワインです。

今回はソノマ・コースト・ピノ・ノワール2020とライススピーパック・ピノ・ノワール2018を試飲しました。

ソノマ・コーストのAVA版のピノ・ノワールはワイナリーのページにも掲載していないワイン。ちょっとでも手の届きやすいワインということで造ってもらっているそうですが、細かい情報はほとんどありません。ストロベリーやラズベリーのジャム、酸がとてもきれいです。これを飲んでカリフォルニアのピノ・ノワールだと思う人はほとんどいないのでは? とても美味しく、安い値段ではないですが、それでもコスパ的に優秀と感じました。

ライススピーパックはセバストポールの町の近くにある畑で、砂混じりのロームと火山灰とが混じった土壌。ディジョン系とスワンのクローンを使っています。ソノマ・コーストと同様、ピュアな果実味がとてもエレガントで、旨味系やミネラル系の風味もあります。ソノマ・コーストよりも熟成を楽しむタイプといっていいでしょう。個人的には、今飲むならソノマ・コーストで十分だと思いますが、10年熟成させるなら、こちらを選びたいと思います。

ピノ・ノワール2種に加えてコール・ランチ・リースリング2020も試飲しました。こちらは非常にドライなリースリング、白い花や濡れた石、ミネラル感にあふれたリースリングです。カリフォルニアではリースリングを飲むことはあまりないので、きちんと評価するのは難しいですが、とても美味しく感じました。




Date: 2022/0722 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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輸入量
カリフォルニアワイン協会が財務省貿易統計データから調べたデータによると、2021年6月から2022年5月の1年間における米国産ワインの輸入額は154億1919万9000円で、フランス、イタリア、チリに続く4位でした。1年前のデータではスペインが5位で米国が6位でしたが、順位を一つ上げました。

ただ、数量ベースではスペインとオーストラリアも下回って6位。1年前はオーストラリアをわずかに上回って5位だったので順位は一つ下がっています。

なお、今年の順位は2019年6月~2020年5月の順位と同じなので4位に返り咲いたとも言えます。

金額自体を見ると2019年6月~2020年5月が149億1100万円(10万円以下四捨五入、以下同)だったのに対し、コロナ禍が始まった2020年6月~2021年5月が121億5900万円と大幅に落ちており、2021年6月~2022年5月はコロナ前の金額よりも上がったことになります。

数量ベースでみると2年前の1503万リットルから1年前は1273万リットルと急減、今回は1306万リットルと1年前は上回っていますが、2年前には及んでいません。コロナ禍の副作用として船舶による流通の問題、いわゆるコンテナゲドンが起こっていることはこのブログでも何回か解説しています。カリフォルニアワイン協会によると2022年に入ってからは輸入量が急増しているとのことですが、全体ではそれほど伸びていないということで「2021年中の輸入が大変厳しかったことがうかがえる」としています。

また、1リットル当たりの輸入額は1181円と、この3年で初めて1000円を超えました。1000円を超えているのは後はフランスの1951円とニュージーランドの1006円だけですから、米国産ワインはかなり高級側にシフトしていることになります。

これらのデータは米国産ワイン全体のものですが、カリフォルニアワインは輸入の約95%を占めていますので、カリフォルニアワインの輸入の現状もほぼこの通りと考えていいでしょう。
Date: 2022/0721 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ラジエメレディス
ナパのマウント・ヴィーダーにあるラジエ・メレディス(Lagier Meredith)が、畑やワイナリーを同じマウント・ヴィーダーのワイナリー「ポット・ワインズ(Pott Wines)」のオーナーであるアーロン・ポット夫妻に無償で譲ることが判明しました。

ラジエ・メレディスはロバート・モンダヴィで長らくワインメーカーを務めたスティーブ・ラジエと、UCデーヴィスの研究者でジンファンデルのルーツを発見したことで知られるキャロル・メレディス夫妻のワイナリー。ナパにありながら、シラーやモンデュース、トリビドラグ(ジンファンデルのルーツにあたるクロアチア産のブドウ)などを作っており、カベルネ・ソーヴィニヨンには手を出していません。

アーロン・ポットは自社のワインのほか、数多くのコンサルタントをしている人です。

スティーブ・ラジエとキャロル・メレディス夫妻は高齢で引退を考えていましたが、住まいとしてはそのままマウント・ヴィーダーの家にいることを望んでいました。老後の資金は蓄えてあるため、あえて地所を売る必要もありませんでした。そこで同じところに住みながら畑やワイン造りを譲れる人として、以前から親交のあったアーロン・ポット夫妻を選んだということです。

また、引退といっても、まだリリースしていないワインも残っていますし、日常的なワイナリーの管理や山火事対策なども行っています。そういう意味では本当に引退するまではまだ2、3年かかる見通しです。



Date: 2022/0720 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ilovecalwineの試飲会でポール・ラトー(Paul Lato)が作るハイド・ヴィンヤードのシャルドネとピノ・ノワールを試飲しました。

これまでサンタ・バーバラやサンタ・ルシア・ハイランズなどセントラル・コーストのワインで非常に高評価を得てきたポール・ラトーがついにナパの銘醸畑ハイドのワインを作ったということで、シャルドネやピノ・ノワールのファンなら見逃せないワインです。

畑ごとにワインにニックネームを付けるポール・ラトーですが、ハイドのシャルドネは「ゴールドバーグ・ヴァリエーションズ(Goldberg Variations)」。それに今回は#2と加えられています。2019年のワインでこれが2ヴィンテージ目だからということでしょうか(2018年は#1が付いていました)。また、ピノ・ノワールの方は「マジック・モーメンツ(Magic Moments)」。ヴィンテージは2020です。

シャルドネは香りの豊かさに加えてバランスが素晴らしい。オーベールのハイドのような濃厚な味わいではなく、すべての要素がタイトに引き締まっており、しかもレベルが高い。おそらく長期の熟成でさらに魅力を発揮するワインだと思います。

ちなみにこの試飲会では非常にレアかつ高評価かつ人気が高いピゾーニのシャルドネ「イースト・オブ・エデン2019」も試飲しました。イースト・オブ・エデンはミネラル感が強く、人によってはそちらを選ぶと思いますが、個人的にはハイドに軍配をあげます。

ピノ・ノワールはカレラのクローンを使っているとのこと。黒果実や青果実の風味まで感じられるところなど、カレラの雰囲気と少し似ているかもしれません。ただ、カレラは少し重さを感じることが多いですが、ポール・ラトーは軽やか。これも非常にバランスがいい。シャルドネよりもさらにレベルが上かもしれません。

久しぶりに興奮するくらい美味しいシャルドネとピノ・ノワールでした。

Wassy'sです。



柳屋です。


ココスです。

Date: 2022/0719 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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かつてセインツベリーのセカンドラベルだった「ガーネット」ブランド。現在はブロンコ傘下になっていますが、そのシャルドネとピノ・ノワールがスポットで国内入荷しています。

シャルドネは2016年で産地はモントレー、ピノ・ノワールは2013年で産地はソノマ・コースト。シャルドネは税込みでも1600円台、ピノ・ノワールは税込みで2068円(税抜きなら1880円と1000円台)とかなりお買い得です。

コロナ禍で需給バランスが崩れた影響で、売れ残っていたものをインポーターの布袋ワインズが安く入荷したもの。オーナーがソノマに住む同社ならではの買付です。

ショップはアサヒヤワインセラーです。


Date: 2022/0715 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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楽天のワインショップ ドラジェでナパのワイナリー「ドメーヌ・ナパ」のナパ・ヴァレー・シャルドネ2014が税込み2728円と安くなっています。

ドメーヌ・ナパについては調べてもほとんど情報が出てきません。おそらく現在は廃業してしまったか、輸出専用のブランドかといったところでしょう。インポーターの布袋ワインズが現地で売り先に困っていたものを発掘したといった感じだと思います。

ナパ・ヴァレーのAVA名の付いたシャルドネでこの価格は、かなり安いと思います。ヴィンテージ的にも飲み頃といっていいでしょう。ショップのコメントを見ると、樽の効いたリッチ系の味わいのようです。

なお、同じワイナリーのナパのピノ・ノワール(産地はアトラスピーク)も3000円台とかなり安いです。



Date: 2022/0714 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ナパのレアム・セラーズ(Realm Cellars)のロゼが日本市場に入ってきています。レアムといえば「パーカー100点」を12本も輩出している超プレミアム・ワイナリー。カルトワインブーム以降に誕生したワイナリーの中ではハンドレッド・エーカーと並んで高評価を得ています。

ロゼを作ったのはこれまで2020年の一度きり。2020年は「グラスファイアー」と呼ばれる山火事でナパにも大きな被害が出た年で、特に赤ワインの生産量は3割ほども減っています。特にプレミアムなワイナリーでは生産を諦めたところが多いのですが、レアムは早摘みしたメルローを使ってロゼを作ることにしたのでした。

あくまで窮余の策として作ったワインですから、通常のコンディションであれば今後は作られないはずのワイン。むしろそうあってほしいと願うところです。

1万円を超えるロゼとしては相当高価なワインですが、ワイン・アドヴォケイトでは90点とロゼにしてはかなり高い評価も出ています。

また、柳屋で売っている「プレシャスツイン」も同じワインですが、ボトルの調達の問題でボトリング時期がずれたため、別の名前にしているとのことです。

ココスです。


青山ワインマーケットです。


柳屋です。


ロゼついでに紹介しておきます。プリズナーのロゼも国内入荷しています。日本に入ってきたのは120本だけというからこれも相当の珍品ですが、値段は控えめです。品種はピノ・ノワールとシラー、グルナッシュ、ムールヴェードル。

柳屋です。


カリフォルニアワインあとりえです。

Date: 2022/0713 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Shauna
1980年代や90年代に「ジンファンデルの3R」と呼ばれていたのがリッジ(Ridge)、Ravenswood(レーヴェンズウッド)、ローゼンブラム(Rosenblum)でした。ラファネリ(Rafanelli)を加えて4Rとも呼ばれ、古木のジンファンデルなどをリードしてきました。

その一つであるローゼンブラムの創設者ケント・ローゼンブラムの娘のシャウナ・ローゼンブラムがリッジのリットン・スプリングスのワインメーカーに就任しました(Shauna Rosenblum named Lytton Springs Winemaker for Ridge Vineyards)。

シャウナは3歳で、ブドウのBRIXの調べ方を父から教わるなど英才教育を受け、12歳でボトリングラインで手伝うようになり、10代のうちにブレンディングに同席するようにもなっていたとのこと。

2008年にローゼンブラムをブロンコに売却してからは、父とともにロック・ウォール・ワイン・カンパニーを設立し、ワインメーカーに就任していました。2018年にケントが亡くなり、その後は社長兼会長となっていしたが、コロナ禍で経営が傾き、2022年2月に廃業を発表していました。

リッジはサンタ・クルーズ・マウンテンズのモンテベッロと、ソノマのリットン・スプリングスにワイナリーを所有しており、リットン・スプリングスでは主にリットン・スプリングスの畑のワインを醸造しています。ワイナリーの壁に藁を使い、自然の空調を生かした省エネの構造になっていることなどでも知られています。
名門ワイナリー2軒のサスティナブルへの取り組み

なお、ジンファンデルの4Rのうち、ローゼンブラムは前述のようにブロンコ傘下になり、レーヴェンズウッドはガロ傘下に入りましたが、ラファネリは家族経営を続けています。
Date: 2022/0712 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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2021年のワイン・スペクテーター「ワインオブ・ザ・イヤー」を獲得したドミナス(Dominus)2018が国内に入荷しています。

ドミナスはシャトー・ペトリュスなどを有するムエックス家のクリスチャン・ムエックスがナパのヨントヴィルに開いたワイナリーです。1980年代からナパのトップワインの一つとして高い評価を受け続けています。

例えばワイン・アドヴォケイトでは100点4回、99点以上が7回、今回の2018年も99+という点数です。アントニオ・がっローニのヴィナスでは100点は1回だけですが、2018年は99点とやはり高評価。このほかジェームズ・サックリングとジェブ・ダナックも2018年のドミナスに100点を付けています。

ユニークなのは当初から灌漑なしで栽培をしていること。ナパではかなり珍しいです。また、有機栽培を行っています。そういう意味ではここも自然派と言えなくはないですが、自然派の文脈で語られることはほとんどないようです。

価格は5万円台~と、オーパス・ワンと同等クラス。評論家の評価で言えばこちらの方が上ですが。



Date: 2022/0711 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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オレゴン州に新たなAVAが誕生しました。正式名称は「マウント・ピスガー・ポークカウンティ・オレゴン(Mt. Pisgah, Polk County, Oregon)」。マウント・ピスガーという山はいくつかの州にあり、オレゴン州の中にもレーン・カウンティというところにもあるそうです。というわけで郡の名前と州の名前まで入っています。ちなみにカリフォルニアでもGreen ValleyというAVAはロシアン・リバー・ヴァレーとソラノ郡にあるので、「Green Valley of Russian River Valley」、「Solano County Green Valley AVA」というのが正式名称になっています。

新AVAについて詳しくは「オレゴン州に23番目の新AVA誕生|ワシントンとオレゴンのワイン輸入してます。|note」で紹介されていますので、ここではごく簡単に。

このAVAはウィラメット・ヴァレーの11番目のサブAVAであり、ウィラメット・ヴァレー北部の中では一番南にあります。


現在ぶどう畑は10個、ワイナリーはAmelie Robert Estate、Ilahe Vineyardsの2つがあります。日本に輸入されているワインでは、ケン・ライト・セラーズのフリーダム・ヒル・ヴィンヤードがあります。


Date: 2022/0708 Category: グルメ
Posted by: Andy
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先日のナパのセミナーの後、講師の四家さん、ナパヴァレー・ヴィントナーズの若下さんと表参道のビストロ「クプレ」に行ってきました。カウンター14席、テーブル8席の小さなビストロです。

ビストロクプレ

表にはフランスの国旗が掲げてありますが、ちゃんとカリフォルニアワインも置いてあります。

乾杯はグラスのクレマン・ダルザスをいただきましたが、ワインはせっかくなのでナパのものから、ということでまずはルイスのソーヴィニヨン・ブラン。ルイスらしい濃厚で樽もしっかりと効いたソーヴィニヨン・ブラン。肉のパテにもよく合います。

メインの鹿肉に合わせたのはシャトー・モンテレーナのジンファンデル。バランスのよいミディアム・ボディで鹿肉の美味しさをよく引き出してくれました。
料理もワインも美味しくて、めずらしくちょっと飲みすぎました。
Date: 2022/0706 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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3月に「ドルーアンが造る高評価のオレゴンピノが格安」という記事で紹介したドルーアンがオレゴンで作る「ローズロック」。ドルーアンといえばブルゴーニュからオレゴンに来たパイオニアですが、そこがエオラアミティヒルズに新たに作った畑が「ローズロック」です。

ここの2019年に評論家が軒並み高評価を付けているのです。

ワイン・アドヴォケイトではスタンダードのピノ・ノワールとゼフィリーヌ(Zephirine)というポジティブ・セレクションのピノ・ノワールがともに97点、シャルドネはマリゴールド(Marigold)というポジティブ・セレクションが97点で、なんとスタンダードのシャルドネが99点。ワイン・スペクテーターでもスタンダードのピノ・ノワールが95点、ジェームズ・サックリングもスタンダードのピノ・ノワールに94点を付けています。

3月の入荷分はものの2日ほどで売り切れてしまっていましたが、別のショップで今は50本ほども在庫があります。価格は税込み4000円台で、ワイナリー価格の35ドルと較べても今の円安で計算すると、むしろ安いくらい。超お買い得であるのは間違いありません。


Date: 2022/0705 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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初代ナパヴァレー・ベスト・エデュケーターに選ばれた四家史一(しけ・ふみかず)さんがアカデミー・デュ・ヴァンで開催した講座に参加してきました。



2時間のセミナー、半分が講義で半分が6本のナパのワインを試飲するという構成。講義が始まったときはちょっと緊張で固くなっている感じもありましたが、だんだんこなれてきて非常にいいセミナーでした。資料もかなりの労作でした。

試飲のワインは以下の6本。
Silverado Vineyards Sauvignon Blanc Miller Ranch 3,630円(税込)
Shafer Red Shoulder Ranch Chardonnay 10,200円(税込)
Girard Old Vine Zinfandel 5,280円(税込)
Merryvale Carneros Pinot Noir 6,600円(税込)
Duckhorn Merlot Napa Valley 8,690円(税込)
Stonehedge Trophy Premium Cabernet Sauvignon Rutherford 11,000円(税込)


シルヴァラードのソーヴィニヨン・ブランは非常に香り高く、コスパのいいワイン。シェーファーのレッド・ショルダー・ランチ・シャルドネは何度も飲んでいるワインですが、マロラクティック発酵なしでフレッシュさときれいな果実味がいつも心地よいワイン。ジラードのオールド・ヴァイン・ジンファンデルはその柔らかさと芳醇さに驚いた人が多かったようです。私ももう何回リピートしているかわからないくらい飲んでいます。メリヴェールのピノ・ノワールはちょっと甘やかさのあるチャーミングな味わい。ダックホーンのメルローはもう間違いのない味ですね。最後のストーンヘッジは四家さんの勤めるヴィノスやまざきが輸入しているワインでヴィノスやまざきのために特別に作っているキュベです。濃厚でパワフル、期待を裏切らないワインでした。

なお、今回は満席で9月に2回めが開催されます。講義内容は基本的には同じですが、試飲のワインはさらに厳選されたものが登場するようですよ! すでに席も埋まりつつあるとのことなので、お申し込みはお早めに。

【追記1】
と、書いたところで気が付きましたが2回めもすでに満席のようです。きっと3回めもあるでしょうからまたお知らせします!

【追記2】増席したようです!
青山校 ここから始める!ナパ・ヴァレーワインの初歩 ~NAPA VALLEY WINE BEST EDUCATOR が語るNAPAの魅力~ | ワイン初心者からソムリエ資格取得まで - ワインスクール アカデミー・デュ・ヴァン


Date: 2022/0702 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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ウェンテ(Wente)のカベルネ・ソーヴィニヨン サザン・ヒルズ(サウザン・ヒルズ)2018を飲みました。ウェンテといえば、カリフォルニアのほとんどのシャルドネの元祖と言ってもいいほどシャルドネが有名で、特に「モーニング・フォグ」のシャルドネは個人的フェイバリット。2000円弱で買えるシャルドネとしては驚くほどバランスよく、いつ飲んでもおいしいワインです。

今回のサザン・ヒルズもモーニング・フォグと同じく「エステート・ティア」という自社畑のシリーズ。リヴァモア・ヴァレーの自社畑のブドウを使っています。国内価格は2000~2500円といったところ。

カリフォルニアに最初にカベルネ・ソーヴィニヨンを持ち込んだのはチャールズ・ウェットモアという人で、リヴァモアにシャトー・マルゴーからの苗木を植えたのですが、この畑も現在はウェンテの所有になっており、実はカベルネも元祖的存在なのです。

このサザン・ヒルズのカベルネ・ソーヴィニヨンも、モーニング・フォグと同様に非常にバランスよく、ミディアムプラスボディで酸もタンニンも中庸。きれいな果実味と余韻があって2000円クラスとは思えないレベルです。このクラスだと、樽を強めに効かせたり、ちょっと甘めの造りにするなどボディを強めに作って印象を強くしたワインが多いのですが、そういう奇をてらわずに正攻法でおいしいワインを作っている感じがします。

そもそもこのワイン、ワイナリー価格が20ドルで、輸送費とかを考えずに単純に計算しても3000円。普通は国内価格が4000円台になるくらいのワインです。ちょっと値付けが安すぎる感じがします。

とはいえ昨今の円安だと、今後値上がりする可能性もかなりありそうなので、今のうちに買っておくのが吉かもしれません。