米国の各州にワイナリーがありますが、寒冷地であるミネソタ(93ワイナリー)やウィスコンシン(139ワイナリー)あたりでは、ブドウの栽培はかなり困難です。そのため、実質的には他の州からブドウを購入してワインを作っているところが多いようです。
ミネソタ大学では以前から寒冷地向けのブドウ品種を開発しており、1995年に作られたフロントナック(Frontenac)や2006年のマルケッテ(Marquette)などは既に市民権を得ています。そこに新たに白ワイン用のブドウとして開発した品種がクラリオン(Clarion)です。
クラリオンという命名は今年ですが、MN1220としてこれまで20年近く実験的に栽培が続けられており、コンスタントに高品質なブドウを生み出しています。
ミネソタ州の中には冬期の気温がコンスタントに華氏-30°(約-34℃)にまで下がるゾーン4の地域もあり、クラリオンはそこまでの寒冷地には耐えられませんが、華氏で-20℃(約-29℃)程度までのゾーン5の地域であれば大丈夫であり、アイオワ州やウィスコンシン州で育てられるとのこと。
VB86-4 (Seyval Blanc x Pinot Noir) とFrontenac (Riparia 89 x Landot 4511)をかけ合わせて作ったクラリオンは他の寒冷地対応ブドウよりも育てやすい特徴もあります。成長が遅いことと、枝が直立する性質があるためVSPに仕立てるのが容易です。ブドウの実の付き方はややまばらで病害を受けにくくなっています。芽吹きは比較的早いので霜の危険はありますが、収穫は9月半ばに可能です。
できたワインは洋梨、柑橘、メロン、アプリコット、カモミールの風味があるとのこと。
ミネソタ大学はクラリオンを「open variety」として広げる予定です。
ミネソタ大学では以前から寒冷地向けのブドウ品種を開発しており、1995年に作られたフロントナック(Frontenac)や2006年のマルケッテ(Marquette)などは既に市民権を得ています。そこに新たに白ワイン用のブドウとして開発した品種がクラリオン(Clarion)です。
クラリオンという命名は今年ですが、MN1220としてこれまで20年近く実験的に栽培が続けられており、コンスタントに高品質なブドウを生み出しています。
ミネソタ州の中には冬期の気温がコンスタントに華氏-30°(約-34℃)にまで下がるゾーン4の地域もあり、クラリオンはそこまでの寒冷地には耐えられませんが、華氏で-20℃(約-29℃)程度までのゾーン5の地域であれば大丈夫であり、アイオワ州やウィスコンシン州で育てられるとのこと。
VB86-4 (Seyval Blanc x Pinot Noir) とFrontenac (Riparia 89 x Landot 4511)をかけ合わせて作ったクラリオンは他の寒冷地対応ブドウよりも育てやすい特徴もあります。成長が遅いことと、枝が直立する性質があるためVSPに仕立てるのが容易です。ブドウの実の付き方はややまばらで病害を受けにくくなっています。芽吹きは比較的早いので霜の危険はありますが、収穫は9月半ばに可能です。
できたワインは洋梨、柑橘、メロン、アプリコット、カモミールの風味があるとのこと。
ミネソタ大学はクラリオンを「open variety」として広げる予定です。
ジェイク・ニュースタット(Jake Neustadt)はサンフランシスコ・ベイエリア出身の人。ジャーナリズムなどを学んだ後、ワイン造りに目覚め、リッジなどいくつかのワイナリーで働いた後、2016年からベッドロック(Bedrock)で働き始めました。
そこで取り組んだことの一つがコントラコスタにある1890年ころに植えられた古木の畑エヴァンゲーロを調べること。19世紀に作られた畑の常として「フィールド・ブレンド」といって畑に様々な品種が植えられています。ジンファンデルやマターロ(ムールヴェードル)などが中心のところ、100本ほど白ブドウのパロミノがあることが分かりました。
実はジェイクは大のシェリー好きで、シェリーの主要品種であるパロミノにも一方ならぬ興味がありました。それを知っていたベッドロックのモーガン・ピーターソンが彼にエヴァンゲーロのパロミノを使っていいよといって生まれたのが「ソレラズ・デル・パシフィコ(Soleras del Pacifico)」です。
Soleras del Pacifico
スペインのシェリーと同様、発酵後に酒精強化をして樽の上部に空気の層を持つ形で熟成させます。するとワインの表面にフロールと呼ばれる酵母などによる膜ができ、それによって熟成中に独特の風味が生まれます。さらに複数のヴィンテージのワインを熟成させるとき使う「ソレラ」システムも採用しています。
こうしてできたのがスペインのシェリーの「フィノ」のスタイルを持つワイン「フロール・オブ・エヴァンゲーロ(Flor of Evangelho)」です。このほど最初のワインがリリースされましたが、その熟成の仕組み上、ノンヴィンテージとなります。
カリフォルニアの畑にパロミノが植わっているというのも驚きでしたし、それを使ってシェリーのスタイルでワインを作っているのもびっくりでした。ごく少量の生産量で、一人3本までの制限だとか。
日本に輸入されてくることはまずないだろうと思うワインですが、非常に興味深いです。
フランシス・フォード・コッポラ監督のプレミアム・ワイナリー「イングルヌック(Inglenook)」が22000平方フィート(約2000平米)もの広さの新たなワイナリー兼地下カーヴを完成させました。2022年の醸造から利用します。
「ほとんどのワイナリーは、樽熟成や貯蔵のためにカーヴを設計しますが、私たちのカーヴは、ワイン製造チームがイングルヌックの世界的に有名でエレガントなワインを製造するためのカーヴとして際立っていると自負しています」とコッポラは述べています。
新しいカーヴは年間を通じて自然に低温を維持するため、冷暖房を必要としません。山火事の脅威からも安全で、カーヴ全体はスプリンクラーで保護されています。
カーヴには120基の断熱された遠隔操作可能なステンレススチール製発酵タンクが設置されています。235エーカーの有機栽培の自社畑のブロックごとに醸造できるようにしています。
ワイン醸造チームは、収穫直後のブドウがタンク内で発酵する際の状況をリモートで監視できます。例えば、夜中に発酵が停滞した場合、ワイン製造チームは直ちに通知を受け、遠隔操作でタンク内の温度を上げられます。タンクの大きさは2分の1トンから27トンまであります。ワイン醸造ディレクターであるフィリップ・バスカウルは、赤ワインの発酵に使うタンクは、背が高く直径が狭いものを好みます。これにより、抽出をよりコントロールしやすくなり、よりエレガントでニュアンスのあるワインを生み出すことができます。白ワインは樽とステンレスドラムで発酵され、そのために温度調節された別の部屋があります。
イングルヌックは1970年代から有機栽培を手掛けており1994年に認証を受けています。
「ほとんどのワイナリーは、樽熟成や貯蔵のためにカーヴを設計しますが、私たちのカーヴは、ワイン製造チームがイングルヌックの世界的に有名でエレガントなワインを製造するためのカーヴとして際立っていると自負しています」とコッポラは述べています。
新しいカーヴは年間を通じて自然に低温を維持するため、冷暖房を必要としません。山火事の脅威からも安全で、カーヴ全体はスプリンクラーで保護されています。
カーヴには120基の断熱された遠隔操作可能なステンレススチール製発酵タンクが設置されています。235エーカーの有機栽培の自社畑のブロックごとに醸造できるようにしています。
ワイン醸造チームは、収穫直後のブドウがタンク内で発酵する際の状況をリモートで監視できます。例えば、夜中に発酵が停滞した場合、ワイン製造チームは直ちに通知を受け、遠隔操作でタンク内の温度を上げられます。タンクの大きさは2分の1トンから27トンまであります。ワイン醸造ディレクターであるフィリップ・バスカウルは、赤ワインの発酵に使うタンクは、背が高く直径が狭いものを好みます。これにより、抽出をよりコントロールしやすくなり、よりエレガントでニュアンスのあるワインを生み出すことができます。白ワインは樽とステンレスドラムで発酵され、そのために温度調節された別の部屋があります。
イングルヌックは1970年代から有機栽培を手掛けており1994年に認証を受けています。
ワインのセカンダリー市場のマーケットプレイスとして知られているLiv-Exがボルドーのネゴシアン「ラ・プラス・ドゥ・ボルドー」で流通するワインが増えていることに、記事を書いています(La Place de Bordeaux and the expanding fine wine market - Liv-ex)。
ラ・プラス・ドゥ・ボルドーはボルドーの「ネゴシアン」と一般に言われていますが、実際には300を超えるネゴシアンの集合体です。また、ボルドーのワインだけを扱っているように見えますが、そうではありません。春にはボルドーのプリムールを販売するのが主ですが、秋にはボルドー以外のワインの扱いがメインになります。
秋の扱いは1998年にアルマビーバで始まりました。オーパス・ワンも比較的初期から参加しており、ラ・プラスで流通するワインの代表格であり、成功例になっています。現在は100を超えるブランドがラ・プラスを使っており、米国も30近くになります(表以外にはオレゴンのボー・フレールがあります)。なお、国別ではイタリアが圧倒的に多くのブランドをラ・プラス経由にしています。米国は2番め。
ラ・プラス経由でワインを流通するメリットの一つは170カ国を超える国にネットワークを持てること。普通ならリーチが難しいニッチなマーケットに強いネゴシアンもおり、ワインの販売先は広くなります。また、現在のところラ・プラス・ドゥ・ボルドーでワインを流通させること自体がワイナリーにとってのプレステージという面もあります。一方、ネゴシアンにとってもボルドー・ワイン一辺倒でなくなるというメリットがあり、双方にとってプラスの面が目立つことからワイナリー数も増えているのです。
ただ、すべてのワインが成功しているわけではありません。ラ・プラス経由にしてから価格が下がってしまったワインもあります。例えばピーター・マイケルのレ・パボ(Les Pavots)がその一つです。ここに出せばオートマチックに成功できるというほど単純ではないのです。
功罪あるラ・プラスの利用ですが、現状では功の方に魅力を感じている生産者が多いと思います。ブランド増加傾向がこれからもしばらくは続きそうです。もうじき始まる秋の流通で価格がどうなっていくかに多くの人が注目しています。
ラ・プラス・ドゥ・ボルドーはボルドーの「ネゴシアン」と一般に言われていますが、実際には300を超えるネゴシアンの集合体です。また、ボルドーのワインだけを扱っているように見えますが、そうではありません。春にはボルドーのプリムールを販売するのが主ですが、秋にはボルドー以外のワインの扱いがメインになります。
秋の扱いは1998年にアルマビーバで始まりました。オーパス・ワンも比較的初期から参加しており、ラ・プラスで流通するワインの代表格であり、成功例になっています。現在は100を超えるブランドがラ・プラスを使っており、米国も30近くになります(表以外にはオレゴンのボー・フレールがあります)。なお、国別ではイタリアが圧倒的に多くのブランドをラ・プラス経由にしています。米国は2番め。
ラ・プラス経由でワインを流通するメリットの一つは170カ国を超える国にネットワークを持てること。普通ならリーチが難しいニッチなマーケットに強いネゴシアンもおり、ワインの販売先は広くなります。また、現在のところラ・プラス・ドゥ・ボルドーでワインを流通させること自体がワイナリーにとってのプレステージという面もあります。一方、ネゴシアンにとってもボルドー・ワイン一辺倒でなくなるというメリットがあり、双方にとってプラスの面が目立つことからワイナリー数も増えているのです。
ただ、すべてのワインが成功しているわけではありません。ラ・プラス経由にしてから価格が下がってしまったワインもあります。例えばピーター・マイケルのレ・パボ(Les Pavots)がその一つです。ここに出せばオートマチックに成功できるというほど単純ではないのです。
功罪あるラ・プラスの利用ですが、現状では功の方に魅力を感じている生産者が多いと思います。ブランド増加傾向がこれからもしばらくは続きそうです。もうじき始まる秋の流通で価格がどうなっていくかに多くの人が注目しています。
米国の酒類タバコ税貿易管理局(TTB)が新しいAVA「ギャビラン・マウンテンズ(Gabilan Mountains)」を認可しました。9月14日より有効となります。
ギャビラン・マウンテンズはモントレー郡とサン・ベニート郡にまたがるAVA。サン・ベニート郡のマウント・ハーランAVAやモントレー郡のシャローンAVAを含んでいます。マウント・ハーランAVAにあるカレラや、シャローンAVAにあるうシャローンなどのワイナリーは今後既存のAVA以外にギャビラン・マウンテンズの名前をラベルに入れることが可能になります。
ギャビラン・マウンテンズは北西から南東に約50kmも広がるAVAで、標高の高さが特徴です。AVAの境界は1500フィート(約500m)にあり、平均で2370フィートもの標高があります。もうひとつの特徴は石灰岩で、カリフォルニアでは珍しい石灰岩の地層が広がっています。
これだけ広いAVAですが、現在のブドウ畑はわずか436エーカー(AVAの面積は9万8000エーカー)しかありません。しかもそのうちひとつの畑を除いては既存のマウント・ハーランまたはシャローンに含まれています。その残りの一つは30エーカーのコーストヴュー・ヴィンヤード(Coastview Vineyard)。AVAを申請したのもこのコーストヴューのオーナーでした。
コーストヴューではシラーやピノ・ノワール、シャルドネ、グルナッシュ、ボルドー系品種などが植えられています。サンタ・クルーズのビッグ・ベイスン(Big Basin)などが買い主になっています。
広いAVAの中でほかにもブドウ畑の適地はありそうですが、このあたりは水がないので、新たな開発は難しいようです。
ギャビラン・マウンテンズはモントレー郡とサン・ベニート郡にまたがるAVA。サン・ベニート郡のマウント・ハーランAVAやモントレー郡のシャローンAVAを含んでいます。マウント・ハーランAVAにあるカレラや、シャローンAVAにあるうシャローンなどのワイナリーは今後既存のAVA以外にギャビラン・マウンテンズの名前をラベルに入れることが可能になります。
ギャビラン・マウンテンズは北西から南東に約50kmも広がるAVAで、標高の高さが特徴です。AVAの境界は1500フィート(約500m)にあり、平均で2370フィートもの標高があります。もうひとつの特徴は石灰岩で、カリフォルニアでは珍しい石灰岩の地層が広がっています。
これだけ広いAVAですが、現在のブドウ畑はわずか436エーカー(AVAの面積は9万8000エーカー)しかありません。しかもそのうちひとつの畑を除いては既存のマウント・ハーランまたはシャローンに含まれています。その残りの一つは30エーカーのコーストヴュー・ヴィンヤード(Coastview Vineyard)。AVAを申請したのもこのコーストヴューのオーナーでした。
コーストヴューではシラーやピノ・ノワール、シャルドネ、グルナッシュ、ボルドー系品種などが植えられています。サンタ・クルーズのビッグ・ベイスン(Big Basin)などが買い主になっています。
広いAVAの中でほかにもブドウ畑の適地はありそうですが、このあたりは水がないので、新たな開発は難しいようです。
ロキオリ・ワイナリー(Rochioli)の創設者で、ロシアン・リバー・ヴァレー、特にそのピノ・ノワールのパイオニアとして知られる、ジョー・ロキオリ・ジュニアが8月18日に88歳で亡くなりました。ご冥福をお祈りします。
ジョーの父、ジョー・ロキオリ・シニアは1911年にイタリアから米国に移住。ニューヨークを経てカリフォルニアに着きました。1930年代に現在のロキオリがある場所のフェルトン・エーカーズという農場で働くようになり、1950年代に農場を買い取りました。
当時は豆やプルーンなどが主な作物で、ジャグワイン用のブドウを一部で作っていました。1959年にUCデーヴィスからカベルネ・ソーヴィニヨンとソーヴィニヨン・ブランのカッティングを得て植えました。カベルネ・ソーヴィニヨンはうまくいかず、後に抜かれてしまいましたが、ソーヴィニヨン・ブランはよくでき、今ではカリフォルニアに残るソーヴィニヨン・ブランの一番古い畑の一つとなっています。
ジョー・ロキオリ・ジュニアは高校のときには身長180cm、体重72kgのがっしりとした体でスポーツのスターでした。大学を出た後、陸軍に入り、1959年に除隊して農場で働き始めました。上記のソーヴィニヨン・ブランのほか、1960年代にはピノ・ノワールも植えており、1973年にDavis Bynumにブドウを売ったのが、ロシアン・リバー・ヴァレーの最初のピノ・ノワールと考えられています。
1980年代にはウイリアムズ・セリエムが作ったロキオリのピノ・ノワールがステート・フェアで最優秀賞を得て、最初のブームを起こしました。
ジョー・ロキオリ・ジュニアはハードワークで知られ、特に接ぎ木の技術に優れていたそうです。1日に500本もの接ぎ木をしたこともあったとか。
このほか、夏場にブドウの葉を落として日光を適度にブドウに当てるようにするとか、夏場に実の一部を落として、品質を上げるといったことも、彼が始めたことでした。
2020年に脳卒中を患ってからは入退院を繰り返していたとのことです。
手前がジョー・ロキオリ・ジュニア、左奥が現在のオーナーのトム・ロキオリ
ジョーの父、ジョー・ロキオリ・シニアは1911年にイタリアから米国に移住。ニューヨークを経てカリフォルニアに着きました。1930年代に現在のロキオリがある場所のフェルトン・エーカーズという農場で働くようになり、1950年代に農場を買い取りました。
当時は豆やプルーンなどが主な作物で、ジャグワイン用のブドウを一部で作っていました。1959年にUCデーヴィスからカベルネ・ソーヴィニヨンとソーヴィニヨン・ブランのカッティングを得て植えました。カベルネ・ソーヴィニヨンはうまくいかず、後に抜かれてしまいましたが、ソーヴィニヨン・ブランはよくでき、今ではカリフォルニアに残るソーヴィニヨン・ブランの一番古い畑の一つとなっています。
ジョー・ロキオリ・ジュニアは高校のときには身長180cm、体重72kgのがっしりとした体でスポーツのスターでした。大学を出た後、陸軍に入り、1959年に除隊して農場で働き始めました。上記のソーヴィニヨン・ブランのほか、1960年代にはピノ・ノワールも植えており、1973年にDavis Bynumにブドウを売ったのが、ロシアン・リバー・ヴァレーの最初のピノ・ノワールと考えられています。
1980年代にはウイリアムズ・セリエムが作ったロキオリのピノ・ノワールがステート・フェアで最優秀賞を得て、最初のブームを起こしました。
ジョー・ロキオリ・ジュニアはハードワークで知られ、特に接ぎ木の技術に優れていたそうです。1日に500本もの接ぎ木をしたこともあったとか。
このほか、夏場にブドウの葉を落として日光を適度にブドウに当てるようにするとか、夏場に実の一部を落として、品質を上げるといったことも、彼が始めたことでした。
2020年に脳卒中を患ってからは入退院を繰り返していたとのことです。
手前がジョー・ロキオリ・ジュニア、左奥が現在のオーナーのトム・ロキオリ
ギャンブル・ファミリー・ヴィンヤーズ(Gamble Family Vineyards)オーナーのトム・ギャンブルはナパ郡資源保全ディストリクト(Napa Resource Conservation District=Napa RCD)と協力してミリオン・ツリーズ・ナパ(Million Trees Napa)という植樹プログラムを始めました。
Million Trees Napa
トム・ギャンブルは、近年の気候変動や大規模な山火事などを憂慮し、地域社会とこのプロジェクトを始めました。科学的根拠に基づいたアプローチで、適切な場所に適切な木を植え、その成果を長期にわたって追跡調査します。ミリオン・ツリーズ・ナパでは単に植樹をするだけでなく、環境教育などにも力を入れていきます。Napa RCDの「ドングリからオークへ」プロジェクトは、4000人以上の学生や地域住民にオークを植え、管理する力を与えてきました。
ギャンブル・ファミリーは既にこのプロジェクトに200万ドル以上を投資しています。
ギャンブル・ファミリーは、このプロジェクトとは別にThe Mill Keeperというサステナビリティを目的にマルチ・ヴィンテージのワインを作るプロジェクトを始めています。その利益の一部もミリオン・ツリーズ・ナパに使われます。Mill Keeperはナパに19世紀にあった製粉所の労働者をモチーフに使っています。
Million Trees Napa
トム・ギャンブルは、近年の気候変動や大規模な山火事などを憂慮し、地域社会とこのプロジェクトを始めました。科学的根拠に基づいたアプローチで、適切な場所に適切な木を植え、その成果を長期にわたって追跡調査します。ミリオン・ツリーズ・ナパでは単に植樹をするだけでなく、環境教育などにも力を入れていきます。Napa RCDの「ドングリからオークへ」プロジェクトは、4000人以上の学生や地域住民にオークを植え、管理する力を与えてきました。
ギャンブル・ファミリーは既にこのプロジェクトに200万ドル以上を投資しています。
ギャンブル・ファミリーは、このプロジェクトとは別にThe Mill Keeperというサステナビリティを目的にマルチ・ヴィンテージのワインを作るプロジェクトを始めています。その利益の一部もミリオン・ツリーズ・ナパに使われます。Mill Keeperはナパに19世紀にあった製粉所の労働者をモチーフに使っています。
江戸時代末期に、薩摩藩から英国に留学し(一行には森有礼や五代友厚もいた)、そこから米国に渡り、ソノマでファウンテン・グローヴ(今はAVAの名前で残っています)というワイナリーを設立し、Grape Kingと呼ばれたのが長澤鼎(ながさわ・かなえ)です。
かつてファウンテン・グローヴがあったところにワイナリーを持つのがパラダイス・リッジで、その縁で「カナエ・ザ・グレープ・キング」と長澤の名前を冠したシャルドネを作っていました。
ところが2017年に莫大な被害を出した山火事で、ワイナリーが焼失してしまいます。長澤の時代から唯一残っていた建物や、長澤鼎の資料館もなくなってしまいました。
ワイナリーはいまだ再建途中で、オーナーも代わり、残念ながら「カナエ・ザ・グレープ・キング」シャルドネも2018年のヴィンテージで終了となってしまいました。
先日、その2018年を試飲しましたが、非常にバランスよく、酸がきれいで上品かつ美味しいワインでした。
最後のワイン、ぜひ買ってあげてください。
カリフォルニアワインあとりえです。
ココスです。
ドラジェです。
柳屋です。送料無料でお買い得です。
かつてファウンテン・グローヴがあったところにワイナリーを持つのがパラダイス・リッジで、その縁で「カナエ・ザ・グレープ・キング」と長澤の名前を冠したシャルドネを作っていました。
ところが2017年に莫大な被害を出した山火事で、ワイナリーが焼失してしまいます。長澤の時代から唯一残っていた建物や、長澤鼎の資料館もなくなってしまいました。
ワイナリーはいまだ再建途中で、オーナーも代わり、残念ながら「カナエ・ザ・グレープ・キング」シャルドネも2018年のヴィンテージで終了となってしまいました。
先日、その2018年を試飲しましたが、非常にバランスよく、酸がきれいで上品かつ美味しいワインでした。
最後のワイン、ぜひ買ってあげてください。
カリフォルニアワインあとりえです。
ココスです。
ドラジェです。
柳屋です。送料無料でお買い得です。
これまで8月前半に収穫するワイナリーはスパークリングワイン用に限られていたローダイで、8月10日から収穫が始まりました。
早い収穫開始には3つのワインのスタイルが関係しています。
1. ドライスタイルのロゼ
非常に色が薄く、自然な鋭い酸味を持つスタイルのドライなロゼが流行り始めています
2. 非常に軽い風味を持つ白ワイン
従来の果実味を重視したカリフォルニアらしいスタイルから、軽く「ミネラル」を感じるワインが増えています。糖度でいうと22°Brixから、低いところでは19°Brixで収穫されています。出来上がったワインのアルコール度数でいうと11~12%程度になります。
3. 軽い風味を持つ赤ワイン
若い世代を中心に、より「ヨーロピアン」なスタイルのワインを好む生産者が増えています。こちらもアルコール度数でいうと11~12%、果実味よりも花の香りや「アーシー」な風味を持つワインになります。
8月10日にマカロミ・リバー(Mokelumne River)AVAの東寄りにあるマカロミ・グレン・ヴィンヤードでツヴァイゲルトとブラウフレンキッシュ(写真)の収穫が始まりました。どちらもドイツ原産の黒ブドウです。ワイナリーはサンタ・クルーズ・マウンテンズにあるトレイル・マーカー(Trail Marker)。収穫時の糖度はそれぞれ20°、21°でした。オーナーワインメーカーのドリュー・ハフィンは「とれも軽い赤ワインが好きなんだ。これらのブドウ品種は糖度が低くても、その個性を味わうことができ、色づきも酸もすばらしい。品種の良さを引き出したワインを作るのに超完熟になるまで待つ必要がないんだ」と語っています。トレイル・マーカーは「ナチュラル」なスタイルのワイナリーで、天然酵母で発酵させ、樽の風味もほとんど付けないワインを作っています。
8月11日にはマカロミ・リバーの西よりにあるチェリーハウス・ヴィンヤード(Cherryhouse Vineyard)でジンファンデルの収穫が始まりました。このブドウはナパのカリストガにあるタンク・ガレージ・ワイナリー(Tank Garage Winery)と、サクラメントにあるハーメイヤー・ワイン・セラーズ(Haarmeyer Wine Cellars)で使われます。糖度は21~22°で、タンク・ガレージはドライなスタイルの「ホワイト・ジンファンデル」を作ります。ハーメイヤーは赤ワインとして醸造します。ここも近年勃発している小さなナチュラル・スタイルのワイナリーです。
8月13日には上記のハーメイヤーが、シュナン・ブランの収穫を行いました。畑はボーデン・ランチ(Borden Ranch)AVAにあるパルメロ・ヴィンヤード(Palmero Vineyard)です。シュナン・ブランはかつてはローダイで最も多く栽培されていたブドウ品種でした。当時は果実味豊かで甘みのあるワインを作るために使われていましたが1980年代にシャルドネの人気が高まり、大部分が植え替えられてしまいました。ハーメイヤーではもちろんドライなシュナン・ブランを作ります。
8月14日にはマカロミ・グレン・ヴィンヤードでオーストリア原産のグリューナー・フェルトリーナーの収穫が始まりました。白胡椒の風味を特徴とするブドウですが、この品種については毎年決まった買い手が付いていないとのこと。今年はネバダ州のリノにあるネバダ・サンセット・ワイナリーが購入しました。
8月15日にはボーキッシュ・ヴィンヤードがロゼに使うグルナッシュと、アルバリーニョの収穫を始めました。アルバリーニョは2000年代前半から栽培していますが、当初はフルボディでトロピカルフルーツの風味を持つスタイルでした。それが年々軽くミネラル感を持つ仕上がりになっていっています。
8月16日にパーレゴス(Perlegos)が収穫したのは、なんとアシリティコ。ギリシャ原産のブドウです。これが2年めの収穫。この家族はギリシャ出身で、その由来を大事にするためにアシリティコの栽培を始めました。
8月17日にはアクイース(Acquiesce)ワイナリーがヴィオニエを収穫しました。アクイースのヴィオニエは今年の1月、サンフランシスコ・クロニクルのワイン・コンペティションで2000本のワインの中から1位に選ばれています。
ツヴァイゲルトにブラウフレンキッシュ、ジンファンデル、シュナン・ブラン、グリューナー・フェルトリーナー、グルナッシュ、アルバリーニョにアシリティコ、ヴィオニエ。1週間でこれだけの品種の収穫が行われたのも驚きですが、これだけ多様なブドウ品種がローダイで育てられているのもすごいことです。
早い収穫開始には3つのワインのスタイルが関係しています。
1. ドライスタイルのロゼ
非常に色が薄く、自然な鋭い酸味を持つスタイルのドライなロゼが流行り始めています
2. 非常に軽い風味を持つ白ワイン
従来の果実味を重視したカリフォルニアらしいスタイルから、軽く「ミネラル」を感じるワインが増えています。糖度でいうと22°Brixから、低いところでは19°Brixで収穫されています。出来上がったワインのアルコール度数でいうと11~12%程度になります。
3. 軽い風味を持つ赤ワイン
若い世代を中心に、より「ヨーロピアン」なスタイルのワインを好む生産者が増えています。こちらもアルコール度数でいうと11~12%、果実味よりも花の香りや「アーシー」な風味を持つワインになります。
8月10日にマカロミ・リバー(Mokelumne River)AVAの東寄りにあるマカロミ・グレン・ヴィンヤードでツヴァイゲルトとブラウフレンキッシュ(写真)の収穫が始まりました。どちらもドイツ原産の黒ブドウです。ワイナリーはサンタ・クルーズ・マウンテンズにあるトレイル・マーカー(Trail Marker)。収穫時の糖度はそれぞれ20°、21°でした。オーナーワインメーカーのドリュー・ハフィンは「とれも軽い赤ワインが好きなんだ。これらのブドウ品種は糖度が低くても、その個性を味わうことができ、色づきも酸もすばらしい。品種の良さを引き出したワインを作るのに超完熟になるまで待つ必要がないんだ」と語っています。トレイル・マーカーは「ナチュラル」なスタイルのワイナリーで、天然酵母で発酵させ、樽の風味もほとんど付けないワインを作っています。
8月11日にはマカロミ・リバーの西よりにあるチェリーハウス・ヴィンヤード(Cherryhouse Vineyard)でジンファンデルの収穫が始まりました。このブドウはナパのカリストガにあるタンク・ガレージ・ワイナリー(Tank Garage Winery)と、サクラメントにあるハーメイヤー・ワイン・セラーズ(Haarmeyer Wine Cellars)で使われます。糖度は21~22°で、タンク・ガレージはドライなスタイルの「ホワイト・ジンファンデル」を作ります。ハーメイヤーは赤ワインとして醸造します。ここも近年勃発している小さなナチュラル・スタイルのワイナリーです。
8月13日には上記のハーメイヤーが、シュナン・ブランの収穫を行いました。畑はボーデン・ランチ(Borden Ranch)AVAにあるパルメロ・ヴィンヤード(Palmero Vineyard)です。シュナン・ブランはかつてはローダイで最も多く栽培されていたブドウ品種でした。当時は果実味豊かで甘みのあるワインを作るために使われていましたが1980年代にシャルドネの人気が高まり、大部分が植え替えられてしまいました。ハーメイヤーではもちろんドライなシュナン・ブランを作ります。
8月14日にはマカロミ・グレン・ヴィンヤードでオーストリア原産のグリューナー・フェルトリーナーの収穫が始まりました。白胡椒の風味を特徴とするブドウですが、この品種については毎年決まった買い手が付いていないとのこと。今年はネバダ州のリノにあるネバダ・サンセット・ワイナリーが購入しました。
8月15日にはボーキッシュ・ヴィンヤードがロゼに使うグルナッシュと、アルバリーニョの収穫を始めました。アルバリーニョは2000年代前半から栽培していますが、当初はフルボディでトロピカルフルーツの風味を持つスタイルでした。それが年々軽くミネラル感を持つ仕上がりになっていっています。
8月16日にパーレゴス(Perlegos)が収穫したのは、なんとアシリティコ。ギリシャ原産のブドウです。これが2年めの収穫。この家族はギリシャ出身で、その由来を大事にするためにアシリティコの栽培を始めました。
8月17日にはアクイース(Acquiesce)ワイナリーがヴィオニエを収穫しました。アクイースのヴィオニエは今年の1月、サンフランシスコ・クロニクルのワイン・コンペティションで2000本のワインの中から1位に選ばれています。
ツヴァイゲルトにブラウフレンキッシュ、ジンファンデル、シュナン・ブラン、グリューナー・フェルトリーナー、グルナッシュ、アルバリーニョにアシリティコ、ヴィオニエ。1週間でこれだけの品種の収穫が行われたのも驚きですが、これだけ多様なブドウ品種がローダイで育てられているのもすごいことです。
カリフォルニア、オレゴン、ワシントンの各州に山火事による煙のセンサーネットワークを作るプロジェクトが始まっています。まず、ナパ・ソノマで実験的にセンサーの設置が始まりました(New Smoke Sensor Stations Installed in California Vineyards)。
これは米国農務省 (USDA) の特別作物研究イニシアチブ (SCRI) の総額750万ドルに及ぶ助成金の研究プロジェクトによるもので、UCデーヴィス、オレゴン州立大学 (OSU)、およびワシントン州立大学 (WSU) の研究者によって実施されています。
センサーは、PM 1.0、PM 2.5、PM 4、および PM 10 の粒子状物質 (PM) 濃度を測定できます。一酸化炭素、二酸化炭素、二酸化窒素、オゾン、二酸化硫黄、硫化水素、メタンなどの大気質(AQ)/汚染物質化学物質揮発性有機化合物 (VOC)を検知します。AQ センサーは、温度、湿度、風速と風向を監視する各サイトのローカル気象ステーション センサーと同時にデータを収集します。
今回の実験ではナパとソノマの21の畑にセンサーを設置しました。カベルネ・ソーヴィニヨンの畑がメインですが、シャルドネやピノ・ノワールなどの畑も含まれています。
設置した畑ではブドウの実を定期的に採集して、センサーによるデータと比べて行きます。研究者は、大気科学者と協力してデータを分析し、煙曝露リスクをモデル化するプログラムを開発します。時間の経過とともに、煙の組成、濃度、曝露時間の長さ、煙の動きと天候パターン、および新鮮な煙と熟成した煙の影響に関連して、ブドウとワインの品質に影響を与える可能性を予測するのに十分な情報を収集することが目標です。
センサーはワシントンのThingy IoT社のものを採用。電力消費は1ワット以下で、太陽電池やバッテリーで動作するため設置は非常に簡単です。
煙の被害はないに越したことはないですが、こういった研究でその被害を減らせるようになるといいですね。
これは米国農務省 (USDA) の特別作物研究イニシアチブ (SCRI) の総額750万ドルに及ぶ助成金の研究プロジェクトによるもので、UCデーヴィス、オレゴン州立大学 (OSU)、およびワシントン州立大学 (WSU) の研究者によって実施されています。
センサーは、PM 1.0、PM 2.5、PM 4、および PM 10 の粒子状物質 (PM) 濃度を測定できます。一酸化炭素、二酸化炭素、二酸化窒素、オゾン、二酸化硫黄、硫化水素、メタンなどの大気質(AQ)/汚染物質化学物質揮発性有機化合物 (VOC)を検知します。AQ センサーは、温度、湿度、風速と風向を監視する各サイトのローカル気象ステーション センサーと同時にデータを収集します。
今回の実験ではナパとソノマの21の畑にセンサーを設置しました。カベルネ・ソーヴィニヨンの畑がメインですが、シャルドネやピノ・ノワールなどの畑も含まれています。
設置した畑ではブドウの実を定期的に採集して、センサーによるデータと比べて行きます。研究者は、大気科学者と協力してデータを分析し、煙曝露リスクをモデル化するプログラムを開発します。時間の経過とともに、煙の組成、濃度、曝露時間の長さ、煙の動きと天候パターン、および新鮮な煙と熟成した煙の影響に関連して、ブドウとワインの品質に影響を与える可能性を予測するのに十分な情報を収集することが目標です。
センサーはワシントンのThingy IoT社のものを採用。電力消費は1ワット以下で、太陽電池やバッテリーで動作するため設置は非常に簡単です。
煙の被害はないに越したことはないですが、こういった研究でその被害を減らせるようになるといいですね。
ソノマ・コーストの北のはずれにアナポリスという人口400人ほどの小さな町があります。太平洋からはわずか8km程度。ソノマ・コーストの中でも有力なワイナリーの多いオクシデンタルからは北西に50kmほども離れた遠いところです。そのさらに北方に畑を持つのがアストン・エステート(Aston Estate)。ナパのベクストファー・ト・カロンのカベルネで一世を風靡したシュレーダー・セラーズのフレッド・シュレーダーと、そのワインメーカーであるトーマス・リヴァース・ブラウンが2001年に始めたワイナリーで、ピノ・ノワールだけを作っています。
2021年にトーマス・リヴァース・ブラウンがすべての権利を買い取って、単独のオーナーになりました。そのことと関係あるのかどうかは不明ですが、2018年のヴィンテージからセカンドラベルを始め、2019年のヴィンテージから日本にもセカンドラベルが輸入され始めました。
個人的にもアストンのピノ・ノワールは大好きです。ソノマ・コーストのピノ・ノワールは、冷涼感を持ちながら、日差しの強さから赤果実だけでなく黒果実の風味まで持つものが多いですが、アストンは海までの近さか標高の影響かは不明ですが鮮烈な赤果実の風味ときれいな酸を持ち、濃厚でありながらエレガントさも感じます。
セカンドラベルは10%新樽使用などワイン造りは基本的にファーストと同じです。違うのは1年早くリリースされること。また「ソノマ・コースト」名義になるので買いブドウを含むことができるのですが、2019年のヴィンテージについてはすべて自社畑のブドウを使っているということです。生産量は400ケースとファーストの650ケースよりも少量です。
価格はファーストの14500円に対して8500円と4割も安くなっています。2019年はジェブ・ダナックが94点と、2018年のファーストの93点よりも高評価を付けています。ファーストの14500円も、クオリティから考えれば高いとは思いませんが、セカンドの8500円はかなりのバーゲンです。
アストンの最大の難点(と個人的には思っている)であるラベルは、ファーストが大きく赤の✕印が入るのに対して、セカンドはそれがなくなっており、そこも好印象。これは「買い」です。
2021年にトーマス・リヴァース・ブラウンがすべての権利を買い取って、単独のオーナーになりました。そのことと関係あるのかどうかは不明ですが、2018年のヴィンテージからセカンドラベルを始め、2019年のヴィンテージから日本にもセカンドラベルが輸入され始めました。
個人的にもアストンのピノ・ノワールは大好きです。ソノマ・コーストのピノ・ノワールは、冷涼感を持ちながら、日差しの強さから赤果実だけでなく黒果実の風味まで持つものが多いですが、アストンは海までの近さか標高の影響かは不明ですが鮮烈な赤果実の風味ときれいな酸を持ち、濃厚でありながらエレガントさも感じます。
セカンドラベルは10%新樽使用などワイン造りは基本的にファーストと同じです。違うのは1年早くリリースされること。また「ソノマ・コースト」名義になるので買いブドウを含むことができるのですが、2019年のヴィンテージについてはすべて自社畑のブドウを使っているということです。生産量は400ケースとファーストの650ケースよりも少量です。
価格はファーストの14500円に対して8500円と4割も安くなっています。2019年はジェブ・ダナックが94点と、2018年のファーストの93点よりも高評価を付けています。ファーストの14500円も、クオリティから考えれば高いとは思いませんが、セカンドの8500円はかなりのバーゲンです。
アストンの最大の難点(と個人的には思っている)であるラベルは、ファーストが大きく赤の✕印が入るのに対して、セカンドはそれがなくなっており、そこも好印象。これは「買い」です。
カリフォルニアワインあとりえです。
Wassy'sです。
柳屋です。
カルディで「決算チャンスボックス」という、ワインくじを買ってみました。
1200円(税抜き)で、一番高いワインだと7500円のシャンパーニュが入っています。安くても1800円ということで損はありません。知り合いの中にはボトルの重さなどから見事シャンパーニュを選んだ人もいます。
こういったものには手を出すことはあまり多くないのですが、店頭で残り5本ということで気が向いて買ってみました。
結果はこれ。ラベルが安っぽい印象だったので、「こりゃ外れだな」と思ったのですが、チラシを調べてみたらシャンパーニュの次に高い4500円のイタリア産ボルドーブレンドでした。
というわけで、残り物には意外に福がありました。ただ、個人的には、どうせイタリアワイン飲むならネッビオーロとかモンテプルチアーノが飲みたかったかな、とも。
たまにこういうのも楽しいですね。
1200円(税抜き)で、一番高いワインだと7500円のシャンパーニュが入っています。安くても1800円ということで損はありません。知り合いの中にはボトルの重さなどから見事シャンパーニュを選んだ人もいます。
こういったものには手を出すことはあまり多くないのですが、店頭で残り5本ということで気が向いて買ってみました。
結果はこれ。ラベルが安っぽい印象だったので、「こりゃ外れだな」と思ったのですが、チラシを調べてみたらシャンパーニュの次に高い4500円のイタリア産ボルドーブレンドでした。
というわけで、残り物には意外に福がありました。ただ、個人的には、どうせイタリアワイン飲むならネッビオーロとかモンテプルチアーノが飲みたかったかな、とも。
たまにこういうのも楽しいですね。
マリエッタ・セラーズ(Marietta Cellars)は1979年に故クリス・ブリブロがソノマで立ち上げたワイナリー。当時はまだ珍しかった、ジンファンデルの古木の畑からワインを作り「オールド・ヴァイン」と名前を付けました。まだ「オールド・ヴァイン」と名乗るワインは2つしかなかったといいます。
それ以上にユニークなのが、ノン・ヴィンテージでロット番号を付けてワインを作ること。年に2回ほど新しいロットを作っており、最新版はロット73になっています。複数ヴィンテージをブレンドしており、例えば2018年12月にリリースしたロット68は2014、2015、2016の3ヴィンテージを使っています。スパークリングワインを除くと、こういうノン・ヴィンテージのワインを作っているのは仮フォルにはではここだけではないでしょうか。
以前からロバート・パーカーの好きなワインとして知られており、2014年には年間のコスパワイン3本の一つとしても取り上げています。SFクロニクルでも2011年にトップ100に選ばれています。
最近ではロット71がワイン・アドヴォケイトで94点と高評価で日本市場でも話題になりましたが、さらに最新のロット73は95点と、18ドルのワインとしては破格の評価を得ています。日本の価格も2000円台前半で、現地価格よりも安いくらいです。
ブドウはメンドシーノの自社畑と、ソノマの契約畑を主に使っています。60%は古い樽で、40%はステンレスタンクで熟成しており、穏やかな樽の風味と、やわらかな果実味のバランスのいいワインです。
トスカニーです。
しあわせワイン倶楽部ではロット71が残っています。
ロット68、ショップはリカータイムです。
それ以上にユニークなのが、ノン・ヴィンテージでロット番号を付けてワインを作ること。年に2回ほど新しいロットを作っており、最新版はロット73になっています。複数ヴィンテージをブレンドしており、例えば2018年12月にリリースしたロット68は2014、2015、2016の3ヴィンテージを使っています。スパークリングワインを除くと、こういうノン・ヴィンテージのワインを作っているのは仮フォルにはではここだけではないでしょうか。
以前からロバート・パーカーの好きなワインとして知られており、2014年には年間のコスパワイン3本の一つとしても取り上げています。SFクロニクルでも2011年にトップ100に選ばれています。
最近ではロット71がワイン・アドヴォケイトで94点と高評価で日本市場でも話題になりましたが、さらに最新のロット73は95点と、18ドルのワインとしては破格の評価を得ています。日本の価格も2000円台前半で、現地価格よりも安いくらいです。
ブドウはメンドシーノの自社畑と、ソノマの契約畑を主に使っています。60%は古い樽で、40%はステンレスタンクで熟成しており、穏やかな樽の風味と、やわらかな果実味のバランスのいいワインです。
トスカニーです。
しあわせワイン倶楽部ではロット71が残っています。
ロット68、ショップはリカータイムです。
1990年代末から2000年代初期に「カルトワイン」のブームが起こり、スクリーミング・イーグルやハーラン・エステートなど超高品質なワインを少量作るワイナリーが脚光を浴びました。今世紀に入ってからも、その成功をなぞるようなワイナリーがいくつも出てきましたが、その中でもトップの一つに位置するのがレアム(Realm)です。
例えば、「パーカー100点」のワインをこの10年(2012年以降)のヴィンテージで何本取っているかを見ると、一番がハンドレッド・エーカーの18本、2番がコルギンの15本で、3番にレアム(と同率でシネ・クア・ノン)が13本となっています。
レアムは2002年にオークランドで看護師をしていたホアン・メルカドが設立しましたが、実は当初は芽が出ず、2011年には倒産寸前にまで追い込まれていました。ワインメーカーもやめてしまい、新たなワインメーカーとして就任したのがブノワ・トゥケ。この人はボルドー大学を出て、ミシェル・ロランに師事し、ロランの命を受けて米国に行き、アンディ・エリクソンのもとで働いていました。そして偶然ホアンと友人になり、ルームメイトにもなっていたのでした。さらに、ハーランやボンドで財務を担当していたスコット・ベーカーが経営に参加。ベクストファー・ト・カロンのブドウが使えるようになり、一気にスターダムに躍り出たのでした。
そんなレアムのワインを12本も開けるというワイン会に参加させていただきました。
ラベルも非常に素敵なものが多いです。
ワインはソーヴィニヨン・ブランが1本とロゼが1本のほかはすべてボルドー系でした。
最初はソーヴィニヨン・ブランの「フィデリオ(Fidelio)」2018。ナパのワイナリーが作るボルドー系の高級ソーヴィニヨン・ブランというイメージ通りのワイン。酸は中程度で全体に丸みを感じます。樽のニュアンス、青リンゴ、濡れた石、ハーブ。
次は2020年のロゼ。品種はメルロー90%でカベルネ・ソーヴィニヨン10%。2020年は山火事でナパの多くのワイナリーで収穫を諦めたり、ワインを作っても売らない判断をしたりしています。レアムの場合は、煙の害を防ぐために早く収穫したブドウを使ってロゼにしてみたということ。レアムにとって初のロゼであり、もしかしたら最後のロゼになるかもしれません。直接圧搾法で、黒ブドウで白ワインのように作ったワインです。なので色はかなり薄め。トマトやクランベリーの風味がします。色の割には、味わいは意外とふくよかです。
次は「テンペスト(Tempest)」2018。レアムのワインは単一畑の名前と品種名を冠したものと、畑名も品種名も入れていない「プロプライエタリー・ブレンド」のものとに分かれますが、これはプロプライエタリー・ブレンドの中でも初期からあるワイン。メルローが80%とメインになっています。まだ少し若さを感じます。タンニンはやや強く、フルボディで余韻も長いです。
4本目は「ファルスタッフ(Falstaff)」2019。カベルネ・フラン50%にカベルネ・ソーヴィニヨン38%、メルロー12%。ワインの名前はシェイクスピアの劇に登場する喜劇的キャラクターから取っています。ちなみに、プロプライエタリー系のワインの名前はどれもシェイクスピアのモチーフになっています。
第一印象で重心の高さを感じます。一方でインクや黒鉛のしっかりした風味もあります。非常にシルキーなタンニン。ブルーベリーやオリエンタル・スパイスなど、重層的で多彩な味わい。引き寄せられるような魅力があります。その多彩な味わいがファルスタッフの名前にふさわしいのだと思います。この日のワインの中でもかなり人気の高かったワインでした。
5本目は「ザ・バード(The Bard)」2018。The Bardとはシェイクスピアのニックネームで、ラベルにはリチャード二世のテキストが描かれています。レアムの中ではエントリー的な位置付けのワインで、日本にも比較的多く輸入されています。エントリー的といっても評価は高く2018年はワイン・アドヴォケイトで96+、2019年は97点となっています。様々なブランドのセカンドワインの中でも非常にいいワインの一つです。様々な畑のブレンドになっており、非常にバランスが良く、若くても飲みやすいのが特徴。早飲みという意味でもレアムの入門には最適なワインです。
ここから先は単一畑に入っていきます。
6本目はクームズヴィルにある自社畑ファレラ(Farella)のカベルネ・ソーヴィニヨン2018。2018年に自社畑になりましたが、ワインを作り始めたのは2003年。長年調達していた畑を購入した形です。ミネラル感が強く、ハーブや鉱物のニュアンスもかなりある硬質なカベルネ・ソーヴィニヨン。パワフルで、やや山っぽい雰囲気のあるカベルネ・ソーヴィニヨン。
ようやく半分を超え、7本目はプリチャード・ヒルにあるホウイ(Houyi)のカベルネ・ソーヴィニヨン2016。この畑は今年レアムが買い取っています。これもミネラルやハーブのニュアンスがありますが山っぽくはなくシルキーなタンニンが印象的です。美味しい。
8本目は「ムーンレーサー(Moonracer)」2017。2015年に買収したスタッグス・リープの畑のワイン。非常にパワフルですが、濃いだけではなく芯の通った味わい。
9~11本目はベクストファーの3つの畑のカベルネ・ソーヴィニヨン。最初はセント・ヘレナにあるベクストファー・ボーン2018。暖かい地域の畑ですが、ワインからは重心の高さを感じます。非常に美味しい。
次は「ベクストファー・ト・カロン」2018。なんというかスケールの大きなワイン。とても濃くフルボディのワインですが、同時にバランスもよく総じて素晴らしいワイン。さすがト・カロンという出来です。
11本目は「ベクストファー・ドクター・クレーン」2019。ト・カロンよりもさらにパワフルで濃厚。言う事ありません。バランスもよく完璧。2012年から2019年の8ヴィンテージで6回100点を取っていますが、その凄さを垣間見られるワインです。
最後の12本目は「アブサード(Absurd)」2017。レアムのフラッグシップといっていいでしょう。すべてのワインの中から最良のものを選んでブレンドしたワインです。同じようなコンセプトのワインとしてはハンドレッド・エーカーの「レイス(Wrath)」がありますが、アブサードもレイスを彷彿とさせるようなスケールの大きなワイン。
ト・カロンでほぼ完璧と思い、ドクター・クレーンで完璧と思ったわけですが、アブサードはさらにそれを超えてくるような迫力と美味しさがあります。こりゃすごいですね。
後半はすごいとしか書いていない気がしますが、レアムのワイン、期待を裏切らない出来でした。最後の3本は間違いなくナパのカベルネ・ソーヴィニヨンのトップ中のトップに入るレベルですし、カベルネ・フラン主体のファルスタッフも非常に魅力的でした。また、ザ・バードは圧倒的に安いのに品質は高い。ナパにあまたあるセカンドラベルのワインの中でトップクラス間違いないワインです。レアムを体験したければ、まずそこから飲んでみてください。
ワインを提供してくださった谷口慎一郎さん
右は会場となったイル・ド・コリンヌの香奈さん
しあわせワイン倶楽部
柳屋
例えば、「パーカー100点」のワインをこの10年(2012年以降)のヴィンテージで何本取っているかを見ると、一番がハンドレッド・エーカーの18本、2番がコルギンの15本で、3番にレアム(と同率でシネ・クア・ノン)が13本となっています。
レアムは2002年にオークランドで看護師をしていたホアン・メルカドが設立しましたが、実は当初は芽が出ず、2011年には倒産寸前にまで追い込まれていました。ワインメーカーもやめてしまい、新たなワインメーカーとして就任したのがブノワ・トゥケ。この人はボルドー大学を出て、ミシェル・ロランに師事し、ロランの命を受けて米国に行き、アンディ・エリクソンのもとで働いていました。そして偶然ホアンと友人になり、ルームメイトにもなっていたのでした。さらに、ハーランやボンドで財務を担当していたスコット・ベーカーが経営に参加。ベクストファー・ト・カロンのブドウが使えるようになり、一気にスターダムに躍り出たのでした。
そんなレアムのワインを12本も開けるというワイン会に参加させていただきました。
ラベルも非常に素敵なものが多いです。
ワインはソーヴィニヨン・ブランが1本とロゼが1本のほかはすべてボルドー系でした。
最初はソーヴィニヨン・ブランの「フィデリオ(Fidelio)」2018。ナパのワイナリーが作るボルドー系の高級ソーヴィニヨン・ブランというイメージ通りのワイン。酸は中程度で全体に丸みを感じます。樽のニュアンス、青リンゴ、濡れた石、ハーブ。
次は2020年のロゼ。品種はメルロー90%でカベルネ・ソーヴィニヨン10%。2020年は山火事でナパの多くのワイナリーで収穫を諦めたり、ワインを作っても売らない判断をしたりしています。レアムの場合は、煙の害を防ぐために早く収穫したブドウを使ってロゼにしてみたということ。レアムにとって初のロゼであり、もしかしたら最後のロゼになるかもしれません。直接圧搾法で、黒ブドウで白ワインのように作ったワインです。なので色はかなり薄め。トマトやクランベリーの風味がします。色の割には、味わいは意外とふくよかです。
次は「テンペスト(Tempest)」2018。レアムのワインは単一畑の名前と品種名を冠したものと、畑名も品種名も入れていない「プロプライエタリー・ブレンド」のものとに分かれますが、これはプロプライエタリー・ブレンドの中でも初期からあるワイン。メルローが80%とメインになっています。まだ少し若さを感じます。タンニンはやや強く、フルボディで余韻も長いです。
4本目は「ファルスタッフ(Falstaff)」2019。カベルネ・フラン50%にカベルネ・ソーヴィニヨン38%、メルロー12%。ワインの名前はシェイクスピアの劇に登場する喜劇的キャラクターから取っています。ちなみに、プロプライエタリー系のワインの名前はどれもシェイクスピアのモチーフになっています。
第一印象で重心の高さを感じます。一方でインクや黒鉛のしっかりした風味もあります。非常にシルキーなタンニン。ブルーベリーやオリエンタル・スパイスなど、重層的で多彩な味わい。引き寄せられるような魅力があります。その多彩な味わいがファルスタッフの名前にふさわしいのだと思います。この日のワインの中でもかなり人気の高かったワインでした。
5本目は「ザ・バード(The Bard)」2018。The Bardとはシェイクスピアのニックネームで、ラベルにはリチャード二世のテキストが描かれています。レアムの中ではエントリー的な位置付けのワインで、日本にも比較的多く輸入されています。エントリー的といっても評価は高く2018年はワイン・アドヴォケイトで96+、2019年は97点となっています。様々なブランドのセカンドワインの中でも非常にいいワインの一つです。様々な畑のブレンドになっており、非常にバランスが良く、若くても飲みやすいのが特徴。早飲みという意味でもレアムの入門には最適なワインです。
ここから先は単一畑に入っていきます。
6本目はクームズヴィルにある自社畑ファレラ(Farella)のカベルネ・ソーヴィニヨン2018。2018年に自社畑になりましたが、ワインを作り始めたのは2003年。長年調達していた畑を購入した形です。ミネラル感が強く、ハーブや鉱物のニュアンスもかなりある硬質なカベルネ・ソーヴィニヨン。パワフルで、やや山っぽい雰囲気のあるカベルネ・ソーヴィニヨン。
ようやく半分を超え、7本目はプリチャード・ヒルにあるホウイ(Houyi)のカベルネ・ソーヴィニヨン2016。この畑は今年レアムが買い取っています。これもミネラルやハーブのニュアンスがありますが山っぽくはなくシルキーなタンニンが印象的です。美味しい。
8本目は「ムーンレーサー(Moonracer)」2017。2015年に買収したスタッグス・リープの畑のワイン。非常にパワフルですが、濃いだけではなく芯の通った味わい。
9~11本目はベクストファーの3つの畑のカベルネ・ソーヴィニヨン。最初はセント・ヘレナにあるベクストファー・ボーン2018。暖かい地域の畑ですが、ワインからは重心の高さを感じます。非常に美味しい。
次は「ベクストファー・ト・カロン」2018。なんというかスケールの大きなワイン。とても濃くフルボディのワインですが、同時にバランスもよく総じて素晴らしいワイン。さすがト・カロンという出来です。
11本目は「ベクストファー・ドクター・クレーン」2019。ト・カロンよりもさらにパワフルで濃厚。言う事ありません。バランスもよく完璧。2012年から2019年の8ヴィンテージで6回100点を取っていますが、その凄さを垣間見られるワインです。
最後の12本目は「アブサード(Absurd)」2017。レアムのフラッグシップといっていいでしょう。すべてのワインの中から最良のものを選んでブレンドしたワインです。同じようなコンセプトのワインとしてはハンドレッド・エーカーの「レイス(Wrath)」がありますが、アブサードもレイスを彷彿とさせるようなスケールの大きなワイン。
ト・カロンでほぼ完璧と思い、ドクター・クレーンで完璧と思ったわけですが、アブサードはさらにそれを超えてくるような迫力と美味しさがあります。こりゃすごいですね。
後半はすごいとしか書いていない気がしますが、レアムのワイン、期待を裏切らない出来でした。最後の3本は間違いなくナパのカベルネ・ソーヴィニヨンのトップ中のトップに入るレベルですし、カベルネ・フラン主体のファルスタッフも非常に魅力的でした。また、ザ・バードは圧倒的に安いのに品質は高い。ナパにあまたあるセカンドラベルのワインの中でトップクラス間違いないワインです。レアムを体験したければ、まずそこから飲んでみてください。
ワインを提供してくださった谷口慎一郎さん
右は会場となったイル・ド・コリンヌの香奈さん
しあわせワイン倶楽部
柳屋
ワイン・ブログの老舗で、現在はジャンシス・ロビンソンのサイトのライターとしても活躍するVinography(のアルダー・ヤロー)。そこに興味深い記事が載っていたので紹介します(Carved From the Mountain: The Wines of WeatherEye Vineyard)。
この記事で取り上げているのはウェザーアイ(Weathereye)という畑。ワシントン州のレッド・マウンテンAVAにあります。アルダーはここがワシントン州で最も素晴らしいワインを作る畑になる可能性があり、この畑のワインはワシントン州だけでなく米国のなかでも一番血眼になって探されるようなワインになるかも、としています。
プロジェクトを立ち上げたのはネイサン・ミアボルドの弟のキャメロン・ミアボルド。ネイサン・ミアボルドは知らない人もいるかもしれませんが、マイクロソフトで初のCTOになったすごい人。1999年にマイクロソフトをやめてからはベンチャーキャピタルを経営し、900を超えるパテントを持っています。さらに料理界でも有名で「モダニスト・キュイジーヌ」という本で、料理を科学的にひもとき、今ではバイブル的な扱いになっています。
弟のキャメロンもマイクロソフトに勤めていましたが、兄ほどの有名人ではありません。その彼が、レッド・マウンテンの頂上近くにブドウ畑を開拓できないかと考えたことからこのプロジェクトは始まっています。レッド・マウンテンはワシントンのヤキマ・ヴァレーの中にあるサブAVAでその名の通り、赤い山があります。ヤキマ・ヴァレーはミズーラ洪水による堆積物が基本ですが、ここは火山性の土壌です。その頂上近くはそれほど標高が高いわけではありませんが、非常に強い風が吹き抜ける過酷な環境。そこでキャメロンはワシントンの畑のコンサルタントとして有名なライアン・ジョンソンを雇い、そこに畑の開発が可能か、調べてもらうことにしました。
その結果、冒険をいとわないのであれば25エーカーは開発できる、となり、開発が始まりました。
畑の大部分では写真のような「エシャラ仕立て」を採用しています。ブドウの木ごとに支柱となる棒を立てています。ブドウの木の間隔は1m✕1mとかなり狭くなっています。このほか一部の畑ではゴブレットと呼ばれるような仕立ても使っていますし、とりわけ風の強いエリアでは、岩を砕いた石で、ブドウの木1本ずつに石垣を作って風から守る、といったことまで行っています。スペインのカナリア諸島で似たような石垣がありますが、そこ以外では見たこともないような畑です。
ブドウはシラーを中心にグルナッシュやマルサンヌ、ヴィオニエなどローヌ系の品種が中心。いくつかのワイナリーにブドウを売るほか、自身のワイナリーも始めています。ブドウの供給を受けるワイナリーの中には「Kobayashi Winery」という日本人の奥さんと米国人の夫によるワイナリーもあります。
Vinousでは既に95点などの高得点ワインが続出しています。日本に入ってくるワインがあるかどうかはわかりませんが、要注目です。
この記事で取り上げているのはウェザーアイ(Weathereye)という畑。ワシントン州のレッド・マウンテンAVAにあります。アルダーはここがワシントン州で最も素晴らしいワインを作る畑になる可能性があり、この畑のワインはワシントン州だけでなく米国のなかでも一番血眼になって探されるようなワインになるかも、としています。
プロジェクトを立ち上げたのはネイサン・ミアボルドの弟のキャメロン・ミアボルド。ネイサン・ミアボルドは知らない人もいるかもしれませんが、マイクロソフトで初のCTOになったすごい人。1999年にマイクロソフトをやめてからはベンチャーキャピタルを経営し、900を超えるパテントを持っています。さらに料理界でも有名で「モダニスト・キュイジーヌ」という本で、料理を科学的にひもとき、今ではバイブル的な扱いになっています。
弟のキャメロンもマイクロソフトに勤めていましたが、兄ほどの有名人ではありません。その彼が、レッド・マウンテンの頂上近くにブドウ畑を開拓できないかと考えたことからこのプロジェクトは始まっています。レッド・マウンテンはワシントンのヤキマ・ヴァレーの中にあるサブAVAでその名の通り、赤い山があります。ヤキマ・ヴァレーはミズーラ洪水による堆積物が基本ですが、ここは火山性の土壌です。その頂上近くはそれほど標高が高いわけではありませんが、非常に強い風が吹き抜ける過酷な環境。そこでキャメロンはワシントンの畑のコンサルタントとして有名なライアン・ジョンソンを雇い、そこに畑の開発が可能か、調べてもらうことにしました。
その結果、冒険をいとわないのであれば25エーカーは開発できる、となり、開発が始まりました。
畑の大部分では写真のような「エシャラ仕立て」を採用しています。ブドウの木ごとに支柱となる棒を立てています。ブドウの木の間隔は1m✕1mとかなり狭くなっています。このほか一部の畑ではゴブレットと呼ばれるような仕立ても使っていますし、とりわけ風の強いエリアでは、岩を砕いた石で、ブドウの木1本ずつに石垣を作って風から守る、といったことまで行っています。スペインのカナリア諸島で似たような石垣がありますが、そこ以外では見たこともないような畑です。
ブドウはシラーを中心にグルナッシュやマルサンヌ、ヴィオニエなどローヌ系の品種が中心。いくつかのワイナリーにブドウを売るほか、自身のワイナリーも始めています。ブドウの供給を受けるワイナリーの中には「Kobayashi Winery」という日本人の奥さんと米国人の夫によるワイナリーもあります。
Vinousでは既に95点などの高得点ワインが続出しています。日本に入ってくるワインがあるかどうかはわかりませんが、要注目です。
シェーファー(Shafer)が、スタッグス・リープ・ディストリクトにあるワイルドフット(Wildfoote)ヴィンヤードを購入しました。これまでのオーナーはジャン・フィリップス。スクリーミング・イーグルの創設者として知られており、不動産のブローカーをしていたことから、数々のナパ・ヴァレーの畑の売買に携わっており、少数の畑を自身で持っています。ワイルドフットは2011年にピラーロック(Pillar Rock)から購入した畑でした。
ワイルドフット・ヴィンヤードはシェーファーからシルバラード・ドライブを少し南下したところにある畑。中央に大きな丘があり、その左右にブドウが植わっています。ブドウはカベルネ・ソーヴィニヨンが中心で一部メルローです。丘の東側は、スタッグス・リープ・ワイナリーのすぐ隣になります。西側はシルバラード・ドライブに沿っており、シルバラード・ドライブを挟んでまた丘が連なる、スタッグス・リープ・ディストリクトの中でも一番幅の狭い平地部分になります。
ワイルドフットのブドウはこれまでビーヴァン(Bevan)セラーズが一部を使っており、残りはシェーファーが購入していました。今回畑が売りに出たため、シェーファーがブドウの確保のために購入したという格好です。シェーファーは「これほどの一等地の畑を買えるチャンスはめったになく、購入した」と表明しています。
アカデミー・デュ・ヴァンの秋冬期の募集が始まりました。このところ、人数が足りずに不催行になることが多かったのですが、今回は捲土重来、3つの講座を出しています。
1つ目は「カリフォルニアの縮図、ソノマを味わおう」
ナパだけの講座やナパのワイナリー中心の講座は何回もやっていますが、ソノマだけの講座は初めてです。というか、正確には春夏でも出したのですが、人数が足りずに不催行になってしまいました。今回は、試飲ワインも見直し、クオリティを落とさずにちょっとコストを下げて受講料も少しですが下げられました。これで集まらなければソノマ単独の講座は諦める覚悟で出しています。
ソノマは私自身もまだまだわかっていないところがたくさんある奥深いエリア。例えば「パーカー100点」のワインだけを見ても、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、シラー、マルベック、シャルドネと5種類もの品種があります。冷涼な地域も太平洋の影響の大きなウエスト・ソノマ・コースト、ロシアンリバーの影響の大きなロシアンリバー・ヴァレー、太平洋からの風の影響が大きなペタルマギャップ、サンパブロ湾の影響が大きなカーネロスと、理由も特性も様々。本当に奥が深いのです。この講座ではそれをできるだけわかりやすく楽しく、ひもといていきます。
2つ目は「カリフォルニアワインを楽しもう」
これは私の出している講座の中では一番入門的な位置付けです。3回でカリフォルニア全体を扱います。ワインも他の講座に比べるとちょっとカジュアルなレベルです(といっても1本平均8000円くらいにはなっています)。入門的なワインの講座を受けた後や、ソムリエ/ワイン・エキスパートの試験の後に受けるようなことをイメージしています。講座開始は1月なので、まだ時間はあります。
3つ目は「カリフォルニアの超一流ワイナリー ハーラン編」
3回連続の講座で出していたときも含めると、4回めとなるハーラン単独講座です。ハーランファミリーのワインを横並びで飲める貴重な機会です。今回はボンドの単一畑も2種類出します。11月18日開催です。
講座もコロナに振り回されているところは少なからずありますが、教室は換気もしっかりして、感染対策に力を入れています。状況が許せば、クラス会で親睦を深められたらとも思っています。ご受講お待ちしています。
1つ目は「カリフォルニアの縮図、ソノマを味わおう」
ナパだけの講座やナパのワイナリー中心の講座は何回もやっていますが、ソノマだけの講座は初めてです。というか、正確には春夏でも出したのですが、人数が足りずに不催行になってしまいました。今回は、試飲ワインも見直し、クオリティを落とさずにちょっとコストを下げて受講料も少しですが下げられました。これで集まらなければソノマ単独の講座は諦める覚悟で出しています。
ソノマは私自身もまだまだわかっていないところがたくさんある奥深いエリア。例えば「パーカー100点」のワインだけを見ても、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、シラー、マルベック、シャルドネと5種類もの品種があります。冷涼な地域も太平洋の影響の大きなウエスト・ソノマ・コースト、ロシアンリバーの影響の大きなロシアンリバー・ヴァレー、太平洋からの風の影響が大きなペタルマギャップ、サンパブロ湾の影響が大きなカーネロスと、理由も特性も様々。本当に奥が深いのです。この講座ではそれをできるだけわかりやすく楽しく、ひもといていきます。
2つ目は「カリフォルニアワインを楽しもう」
これは私の出している講座の中では一番入門的な位置付けです。3回でカリフォルニア全体を扱います。ワインも他の講座に比べるとちょっとカジュアルなレベルです(といっても1本平均8000円くらいにはなっています)。入門的なワインの講座を受けた後や、ソムリエ/ワイン・エキスパートの試験の後に受けるようなことをイメージしています。講座開始は1月なので、まだ時間はあります。
3つ目は「カリフォルニアの超一流ワイナリー ハーラン編」
3回連続の講座で出していたときも含めると、4回めとなるハーラン単独講座です。ハーランファミリーのワインを横並びで飲める貴重な機会です。今回はボンドの単一畑も2種類出します。11月18日開催です。
講座もコロナに振り回されているところは少なからずありますが、教室は換気もしっかりして、感染対策に力を入れています。状況が許せば、クラス会で親睦を深められたらとも思っています。ご受講お待ちしています。
ナパのホーニッグ(Honig)で8月2日にソーヴィニヨン・ブランの収穫が始まりました。ナパでは2022年の初収穫となります。2021年はサン・スペリー(St. Supery)のソーヴィニヨン・ブランが初収穫だったので2年連続で、ソーヴィニヨン・ブランから収穫が始まりました。
従来は、マムやシャンドンといったスパークリング・ワインのプロデューサーがカーネロスで始めることが多かったのですが、ここ2年はソーヴィニヨン・ブランが先んじました。気候的な変化によるものなのか、ワイン・スタイルの変化によるものなのか、どうなのでしょう? ちなみにマムの収穫は8月5日に始まったそうです。
ソノマでも8月5日に、ロシアンリバーヴァレーのマーティン・レイ・ヴィンヤーズでピノ・ノワールの収穫がはじまっています。これはスパークリングワイン用のものだとのこと。これは昨年より1週間早く、これまでで一番早い収穫だったとのこと。
今年は春先に霜があったことから、収穫量としては平年よりもやや少なくなりそうです。
従来は、マムやシャンドンといったスパークリング・ワインのプロデューサーがカーネロスで始めることが多かったのですが、ここ2年はソーヴィニヨン・ブランが先んじました。気候的な変化によるものなのか、ワイン・スタイルの変化によるものなのか、どうなのでしょう? ちなみにマムの収穫は8月5日に始まったそうです。
ソノマでも8月5日に、ロシアンリバーヴァレーのマーティン・レイ・ヴィンヤーズでピノ・ノワールの収穫がはじまっています。これはスパークリングワイン用のものだとのこと。これは昨年より1週間早く、これまでで一番早い収穫だったとのこと。
今年は春先に霜があったことから、収穫量としては平年よりもやや少なくなりそうです。
ワインのパッケージデザインを審査する「PACK」アワードが行われ、ベスト・イン・ショーにシニョレッロ(Signorello)の「S」が選ばれました。
「S」のラベルは中央にSの字が描かれています。このラベルは、現オーナーのレイ・シニョレッロがワイナリーを設立した父、レイ・シニアから贈られたモノグラムのカフスボタンにインスピレーションを受けて作られたそうです。モノグラムの背景には、地形と複数のブドウ畑を示唆するエンボス加工のモダンな「S」パターンが施されています。その美しさとシンプルさが審査員に高く評価されたようです。
私がこのワインを紹介した記事「ナパの上級カベルネが現地価格以下、シニョレッロの新作「S」」でもラベルを褒めています。
あと、ワインも非常においしく、実は現地価格よりも安いので、かなりおすすめのワインです。
ココスです。
Wassy'sです。
「S」のラベルは中央にSの字が描かれています。このラベルは、現オーナーのレイ・シニョレッロがワイナリーを設立した父、レイ・シニアから贈られたモノグラムのカフスボタンにインスピレーションを受けて作られたそうです。モノグラムの背景には、地形と複数のブドウ畑を示唆するエンボス加工のモダンな「S」パターンが施されています。その美しさとシンプルさが審査員に高く評価されたようです。
私がこのワインを紹介した記事「ナパの上級カベルネが現地価格以下、シニョレッロの新作「S」」でもラベルを褒めています。
あと、ワインも非常においしく、実は現地価格よりも安いので、かなりおすすめのワインです。
ココスです。
Wassy'sです。
ワインをベースに柑橘類などのフレーバーを付加し、軽く炭酸も入ったデコイのプレミアム・セルツァー。夏にぴったりの爽やかな味わいで個人的にもお気に入りです。
このデコイのセルツァーにいい話と悪い話が…
いい話は、ネット通販で気軽に買えるようになったこと。これまでは限定的な店舗にしか置いてなかったのですが、しあわせワイン倶楽部などのネット通販でも取り扱うようになっています。
一方、悪い話は…
なんと、既に米国では生産中止になってしまったとのこと。あまり売れなかったのでしょうか。
まだインポーターには在庫があるようですが、今の在庫がなくなってしまったら終了とのことです。というわけで、今のうちに買い込んでおくのが吉だと思います。
しあわせワイン倶楽部です。
ドラジェです。
トスカニーです。
フェリシティです。
このデコイのセルツァーにいい話と悪い話が…
いい話は、ネット通販で気軽に買えるようになったこと。これまでは限定的な店舗にしか置いてなかったのですが、しあわせワイン倶楽部などのネット通販でも取り扱うようになっています。
一方、悪い話は…
なんと、既に米国では生産中止になってしまったとのこと。あまり売れなかったのでしょうか。
まだインポーターには在庫があるようですが、今の在庫がなくなってしまったら終了とのことです。というわけで、今のうちに買い込んでおくのが吉だと思います。
しあわせワイン倶楽部です。
ドラジェです。
トスカニーです。
フェリシティです。
メンドシーノで有機栽培のパイオニアとして知られるフェッツァー・ヴィンヤーズ(Fetzer Vineyards)が、社名をボンテラ・オーガニック・エステーツ(Bonterra Organic Estates)に変更したと発表しました。
フェッツァーは1968年にフェッツァー家が設立。有機栽培に力を入れ、1980年代には有名ブランドのボンテラ(Bonterra)を立ち上げましたが1992年に大手酒造メーカーのブラウン・フォーマンに売却しました。その後、2011年にチリのヴィーニャ・コンチャ・イ・トロに売却され、現在に至ります。
今後もフェッツァーブランドは残りますが、会社名としてはボンテラが使われることになります。
なお、フェッツァー家の子息の多くは、現在はメンドシーノ中心にそれぞれのワイナリーを持っています。
ナパのオーク・ノールにあるワイナリー「トレフェッセン(Trefethen)」のセカンドラベル、「エシュコル(Eshcol)」のワインを試飲しました。
トレフェッセンは1968年設立、1979年にはパリで行われた「ワイン・オリンピック」というイベントでシャルドネが世界一に選ばれています。世界一という点ではパリスの審判のシャトー・モンテレーナと較べてもすごいのですが、意外と知られていない歴史です。設立から今まで家族経営を続けています。
オーク・ノールのワイナリーの周囲に400エーカー、マヤカマス山地に40エーカーの自社畑を持っていて、サスティナブルで栽培しています。すべて自社畑のワインで、今回のエシュコルも自社畑を使っています。
ワインは2020年のシャルドネと2019年のレッド・ブレンド。
シャルドネはバランスの良さが際立ちます。先日紹介したテザーのような樽感やバターの風味はなく、白い花や柑橘、ミネラルなど高いトーンの味わいです。ちなみに発酵は樽17%。熟成はフレンチオークの樽ですが、新樽率は5%と隠し味程度です。セカンドラベルといえどナパのシャルドネの中でもバランスの良さでは上位に入りそうです。
レッド・ブレンドはカベルネ・ソーヴィニヨン50%、メルロー44%、プティ・ヴェルド3%、マルベック2%、カベルネ・フラン1%の構成。カシスやブラックベリーの黒系果実にレッド・チェリーの赤系果実の風味もあります。ややパワフルですが濃厚一辺倒ではなく、複雑味もかなりあります。これもセカンドラベルとしては非常に秀逸です。新樽率13%とシャルドネよりは少し高く、アメリカンオークも使っています。
トレフェッセン、ナパのワイナリーの中ではちょっと地味な存在かもしれません。評論家から100点やそれに近い評価を受けているわけでもないし、ワイナリーの場所もオークヴィルやラザフォードのような、輝かしい畑のひしめくところではありません。しかし、ワインは本当に真面目に作っていて、爆発的な味わいはなくてもしみじみ美味しいものばかりです。このエシュコルも先日のテザーと好対照で、テザーがナパらしい爆発感が売りなのに対してこちらはじっくり味わいたいワインです。
また、ナパのワイナリーの多くではセカンドラベル(セカンドティアといった方がいいかもしれません)には、他の栽培家から購入したブドウも使っています。例えばロバート・モンダヴィでは「オークヴィル」などAVA名の付いたものより上だけが自社畑100%で、カベルネ・ソーヴィニヨンなら1万円を超えてきます。エシュロンはシャルドネで4000円前後、レッド・ブレンドで5000円前後ですが、この価格帯で100%自社畑は非常にレアです。
個人的にも非常にいいワイナリーだと思っているし、応援したいところでもあります。ぜひみなさん買ってください。
トスカニーです。
Wassy'sです。
トレフェッセンは1968年設立、1979年にはパリで行われた「ワイン・オリンピック」というイベントでシャルドネが世界一に選ばれています。世界一という点ではパリスの審判のシャトー・モンテレーナと較べてもすごいのですが、意外と知られていない歴史です。設立から今まで家族経営を続けています。
オーク・ノールのワイナリーの周囲に400エーカー、マヤカマス山地に40エーカーの自社畑を持っていて、サスティナブルで栽培しています。すべて自社畑のワインで、今回のエシュコルも自社畑を使っています。
ワインは2020年のシャルドネと2019年のレッド・ブレンド。
シャルドネはバランスの良さが際立ちます。先日紹介したテザーのような樽感やバターの風味はなく、白い花や柑橘、ミネラルなど高いトーンの味わいです。ちなみに発酵は樽17%。熟成はフレンチオークの樽ですが、新樽率は5%と隠し味程度です。セカンドラベルといえどナパのシャルドネの中でもバランスの良さでは上位に入りそうです。
レッド・ブレンドはカベルネ・ソーヴィニヨン50%、メルロー44%、プティ・ヴェルド3%、マルベック2%、カベルネ・フラン1%の構成。カシスやブラックベリーの黒系果実にレッド・チェリーの赤系果実の風味もあります。ややパワフルですが濃厚一辺倒ではなく、複雑味もかなりあります。これもセカンドラベルとしては非常に秀逸です。新樽率13%とシャルドネよりは少し高く、アメリカンオークも使っています。
トレフェッセン、ナパのワイナリーの中ではちょっと地味な存在かもしれません。評論家から100点やそれに近い評価を受けているわけでもないし、ワイナリーの場所もオークヴィルやラザフォードのような、輝かしい畑のひしめくところではありません。しかし、ワインは本当に真面目に作っていて、爆発的な味わいはなくてもしみじみ美味しいものばかりです。このエシュコルも先日のテザーと好対照で、テザーがナパらしい爆発感が売りなのに対してこちらはじっくり味わいたいワインです。
また、ナパのワイナリーの多くではセカンドラベル(セカンドティアといった方がいいかもしれません)には、他の栽培家から購入したブドウも使っています。例えばロバート・モンダヴィでは「オークヴィル」などAVA名の付いたものより上だけが自社畑100%で、カベルネ・ソーヴィニヨンなら1万円を超えてきます。エシュロンはシャルドネで4000円前後、レッド・ブレンドで5000円前後ですが、この価格帯で100%自社畑は非常にレアです。
個人的にも非常にいいワイナリーだと思っているし、応援したいところでもあります。ぜひみなさん買ってください。
トスカニーです。
Wassy'sです。
布袋ワインズが輸入を始めた「テザー(Tether)」のシャルドネとカベルネ・ソーヴィニヨンを試飲しました。ワインメーカーはアナとマリオのモンティチェリ夫妻。アナはサンテミリオンのシュヴァル・ブランやナパのプリチャード・ヒルにあるブライアント・ファミリーといったトップワイナリーで働き、マリオはイタリアで修行後、フィリップ・メルカのアシスタントやトリンチェロなどで働いた後、自らのブランドを立ち上げました。
すでにスタックハウスというブランドが輸入済みですが、テザーはそれよりちょっと高価格帯になります。
ナパ・ヴァレーAVAのシャルドネとカベルネ・ソーヴィニヨンでどちらもナパ内の複数のサブAVAからブドウを調達してブレンドしています。
シャルドネは、今どき珍しいほど樽感がしっかりあります。100%マロラクティック発酵しておりバターっぽさもしっかり、クリーミーなテクスチャーが印象的です。樽感とバターというとブレッド&バターを思う人が多いと思いますが、ブレッド&バターよりも全体に上質な味わいで果実味もきれい。上手にまとめています。多くの人が思う「ナパのワインってこういう感じだよねえ」というのをストレートに実現した味わい(意外とそういうワインってありません)。
カベルネ・ソーヴィニヨンの方もモダンスタイルできれいに溶け込んだタンニンと果実味の芳醇さが印象的な味わい。ナパの高級カベルネの入門的な感じもあります。
ヴィンテージはどちらも2019年で、シャルドネはジェブ・ダナック92点、ワイン・アドヴォケイト90点。カベルネはどちらも92点となっています。
ちなみにテザーというのはロープでつながっているということ。世界各地で修行した二人ですが、奥底ではいつもナパとつながってきたということを表しています。ラベルに描かれたロープにつながる宇宙飛行士も印象的です。
しあわせワイン倶楽部です。
すでにスタックハウスというブランドが輸入済みですが、テザーはそれよりちょっと高価格帯になります。
ナパ・ヴァレーAVAのシャルドネとカベルネ・ソーヴィニヨンでどちらもナパ内の複数のサブAVAからブドウを調達してブレンドしています。
シャルドネは、今どき珍しいほど樽感がしっかりあります。100%マロラクティック発酵しておりバターっぽさもしっかり、クリーミーなテクスチャーが印象的です。樽感とバターというとブレッド&バターを思う人が多いと思いますが、ブレッド&バターよりも全体に上質な味わいで果実味もきれい。上手にまとめています。多くの人が思う「ナパのワインってこういう感じだよねえ」というのをストレートに実現した味わい(意外とそういうワインってありません)。
カベルネ・ソーヴィニヨンの方もモダンスタイルできれいに溶け込んだタンニンと果実味の芳醇さが印象的な味わい。ナパの高級カベルネの入門的な感じもあります。
ヴィンテージはどちらも2019年で、シャルドネはジェブ・ダナック92点、ワイン・アドヴォケイト90点。カベルネはどちらも92点となっています。
ちなみにテザーというのはロープでつながっているということ。世界各地で修行した二人ですが、奥底ではいつもナパとつながってきたということを表しています。ラベルに描かれたロープにつながる宇宙飛行士も印象的です。
しあわせワイン倶楽部です。