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Date: 2009/0929 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパで日本版「サイドウェイズ」のプレミア上映が行われ,助演の菊池凛子や監督のグラック氏が挨拶に登場しました。「カリフォルニア ワイントピア」の著者であるW Blake Gray氏のレポートによると,どうしてDarioushやFrog's Leapなどのワイナリを撮影場所として選んだのかという質問に,監督は他のワイナリが非協力てきだったことを挙げたそうです。

オリジナルの「Sideways」では主役のMilesが"I'm not drinking any fucking Merlot."と叫ぶシーンがあります。これをきっかけにMerlotの消費は落ち込み,Pinot Noirのブームが始まりました。ほとんどのワイナリでMerlotを作っているナパでは,いまだにこれへの拒絶反応が強く,いくら今回の日本版ではそのシーンがないことを説明しても聞く耳を持ってくれなかったそうです。ワイナリによっては1日当たり2万ドルの撮影費を要求したというから大変なものです。米国版の4分の1ほどの予算で作っている映画であり,当然そのような要求にはこたえられなかったとのことです。

Gray氏は記事の最後で次のように述べています。

"Don't you want Japanese tourists? They're polite, they spend money and they're brand loyal."
The Gray Market Report: Most Napa wineries say no to Japanese


Opus Oneがいまだに売れ続けているように,日本人のブランド・ロイヤルティは確かに高いものがありそうです。ナパのワイナリが今後一層親日になることを期待したいと思います。
Date: 2009/0929 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Enthusiast誌によると,Julio Galloの孫で,現在Galloのワインメーカーを勤めるGina Galloと,フランスで三番目に大きなワイン会社であるBoissetの御曹司Jean-Charles Boissetが9月26日,結婚式を挙げたそうです。Jean-Charles Boisset and Gina Gallo Married | Articles | Wine Enthusiast Magazine

Boissetは米国にU.S. Boisset Family Estatesを持っており,ジャン・シャルルはその社長。傘下にはDe LoachやRaymondといったワイナリがあります。ジャン・シャルルは幻ワインの私市さんのブログにも登場したことがありますが,なかなかの熱血漢のようです。

一方,Gina Galloはガロの広告にも年中登場するガロの「顔」。今回の結婚で両会社がどうなるのか分かりませんが,合併とならなくても大いなる協力関係にはなるのでしょうね。「恐るべきビッグ・カップル」と思ってしまうのは僕だけでしょうか。
Date: 2009/0928 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wines & Vinesの記事によると太陽電池を設置したワイナリで盗難が増えているそうです(Wines & Vines - Wine Industry News Headlines - Winery Solar Thefts Spread)。Miner,Harris Ranch,Honig,ZDなどが被害にあっています。

Miner FamilyのGary Brooksmanによると盗難はレイバー・デイの週末に行われたとのこと。パネルは普通は使わない形状のボルトで留められていましたが「They disconnected wires, and without damaging anything but the clamps that held them in place.」ということで,かなり太陽電池に詳しいものの犯行であることがうかがえます。

盗難対策のシステムを開発する会社もできており,直近に盗難にあったワイナリはそれを実装する直前だったとのこと。ワイナリはいろいろ大変です。
Date: 2009/0925 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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10月末から日本で公開される「サイドウェイズ」が9月27日,Napa Sonoma Wine Country Film Festivalで上映されるそうです。
"Fox International will premiere the much talked about Japanese ‘re-imagination’ of the 2004 Alexander Payne drama “SIDEWAYS” at the Napa Sonoma Wine Country Film Festival on September 27th."
Japanese version of ‘Sideways’ world premiere at Napa Sonoma wine country film festival Sept. 27th | StarkSilverCreek - All Things West Coast

当日は助演の菊池凛子さんも出席するとのこと。米国での上映はこれくらいでしょうから,在米の方はこの機会にどうぞ。チケットはこちらから。

ちなみに日本では東京国際映画祭の特別招待作品になったそうです。10月22日に上映。

また,原作翻訳の文庫本が今月出版されており,10月には主演の小日向さんの撮影日記も出版されます。いろいろ楽しみですね。

Date: 2009/0925 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイナリにはさまざまな規制が課せられているのですが,不況で産業が苦しむ今,ビジネス・チャンスを広がられるようにしようと,規制が緩められる方向に動きだしました。

そのひとつであるワイナリに二つ目のテイスティング・ルームを認めるという条例は後はシュワルツネッガー知事の認可待ちのところまで来ています(元記事)。これによってナパやソノマなどのダウンタウンやモントレーのキャナリー・ローなどの観光地,さらにはサンフランシスコにテイスティング・ルームを開くというオプションが得られます。

ワイナリ自体をサンフランシスコに置いてしまうという動きも以前書きましたが,これによってサンフランシスコがこれまで以上にワイン観光の中心になりそうな気がします。

このほか,ナパのワイナリでの結婚式を許可しようという動きもあります。これは以前提案されたものの却下された議案。不況で再び焦点が当てられているようです。
Date: 2009/0924 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのCarnerosにあるワイナリHavensが破産し,資産をすべて売却することが判明しました。
"Absolutely all of the winery's inventory must be sold"
Napa Valley Winery Ceases Operations; Leading Liquidation Firm Tapped to Conduct Liquidation Sales

ということで,ケースやバルクのワイン,樽,ラック,ブランドなどすべてのものが売却対象だそうです。既にワイナリのWebサイトも閉じられています。

Havensはメルローを得意とするワイナリで,日本にも輸入されています。3分の2がカベルネ・フランで残りがメルローというシュバル・ブランのような「Bourriquot」といったブレンドも作っていました。そこそこの価格で高品質のメルローを作る貴重なワイナリのひとつでした。柳屋では店長が「最も好きなメルロー・プロデューサーのひとつ」と書くほど推していましたが,もしかするとメルロー不調の影響が大きかったのかもしれません。

2006年には創設者のMichael HavensがワイナリをBilington Importsに売却しています。このころから陰りが出ていたのでしょうね。Vinographyによると売却1年後にはHavensの運営から手を引いているので,現在は無関係のようです。

Date: 2009/0921 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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BlogPressを使った投稿をテスト中。



日曜日は金沢動物園に行きました。実はコアラを初めて見ました。餌の時間の直後で赤ちゃんを抱っこして歩く姿も見られて満足。
Date: 2009/0917 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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米国でWinepodというワイン作りマシンが売られていたのをご存知でしょうか。本ブログでは2回ほど記事で取り上げています(2006年2月の記事2008年11月の記事)。製造が間に合わないほど引き合いがあった時期もあり,ベンチャー・キャピタルからも出資を受け,我が世の春を謳歌しそうだったのですが,不況で売り上げが急減。この夏に従業員(12名)を全員解雇して会社としては清算することになりました。

ただ,創設者のGreg Snell氏はまだあきらめていません。これからの時代に合うような小型で廉価なものを自宅で開発しようとしています。
"Unlike the pricey Winepod, the new iteration will sell for less than $500."

Winepod: A hot wine startup hits

ということで目標価格は500ドル以下。再起に期待したいものです。下はインタビュー・ビデオです。

Date: 2009/0916 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Bonny DoonのオーナーであるRandall Grahm氏は,個人的にはBonny Doonのワイン以上に興味深い存在です。最近はTwitterでもワイン作りについて語ったり子供の写真を載せたりなど,積極的に発言しています。その彼が最初の本「Been Doon So Long」を10月に発売します。Amazonでは予約可の状態(日本でもおK)ですが,既にBonny DoonのWebサイトからはサイン入り本を購入できます。

昨日は,この本のためのWebサイトもオープンしました。肝心の本の中身ですが,こちらもまじめにワイン作りについて語るところもあれば,十八番ともいえる,古今の名作のパロディなど,これまでのRandall Grahmの集大成といってもいいようなもののようです。

サイン本ほしいけど,高くつくので日本で買ってもいいかなと悩み虫。

サンタクルーズでは9月21日,サンフランシスコでは9月22日など著者によるツアーもあります。

Date: 2009/0914 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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takuyaさんのブログに「Kosta Browne売却」という記事が出ていました。オーナーはこれで大金を手にして後は引退して悠々自適に暮らすのか,などと妄想をめぐらせたのですが,元記事を読んだところ,オーナーが変わるのではなく,出資者が変わるとのことです。

記事によると初期の出資者が年を取ってキャッシュ・アウトしたいと考えたというのが売却の理由で,新しい出資者はソノマのVincraft社です。VincraftはWalt Klenz,Bill Price,Pete Scottの3人が2009年初頭に開設した会社。彼らはBeringerとFostersワイン・グループのトップ・エグゼクティブだったそうです。Bill Price氏は有名なDurell Vineyardのオーナーであり,数年前にはKistlerに出資して話題を呼びました(参考記事)。

Vincraftは今後もナパで2,3のワイナリを,ソノマでも一つか二つ,セントラル・コーストで一つのワイナリを買収予定とのこと。この動きには今後注目が必要そうです。
Date: 2009/0913 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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サラトガのワイナリKathryn Kennedyの創設者であるKathryn Kennedyさんが先月亡くなられたそうです。ご冥福をお祈りします。

キャスリン・ケネディは1973年に創設。ブレンドしないカベルネ・ソヴィニョン100%の味わいを追及してきました。現在は息子さんに家督を譲っていますが,昔からのワイン作りは変えていないとのことです。
"Her focus on planting Cabernet and Cabernet alone, rather than blending in other grapes, soon brought her attention. So did the richness and structure of the wines, which soon joined Ridge's Monte Bello as one of a handful of trademark Santa Cruz Cabernets."
The Cellarist : Remembering Kathryn Kennedy

私の在米時,サラトガやロス・ガトスのワインショップに行くとここのワインが売っていました。地元ということで気にはなっていましたが,当時から100ドルを超えていたため,結局飲まずじまいだったのが残念です。
Date: 2009/0908 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Kendall-JacksonのJess JacksonがソノマのGeyservilleにあるBlack MountainをAlexander Mountainに改名しようと活動中です。既に役所に書類を提出したとのこと。大きな反対意見もなく,認められる可能性が高そうです。

Jess Jacksonの目的は単に改名するだけでなく,ここを新たなAVAとして認定させること。ふもとにAlexander Mountain Estateというワイナリを作って準備を整えています。

Jess Jacksonももう79歳だそうですが,元気ですね。

Date: 2009/0902 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Advocate誌184号ではカリフォルニアのローヌ・レンジャーも載っていることをすっかり忘れていました。掲載本数は488本と,セントラル・コースト・ピノ/シャルドネの3倍近く。パーカーの好みもあるのでしょうけど,Brewer-Clifton以上にすごいことになっています。

今回,100点のワインが二つ。一つはSine Qua Nonのシラー「The 17Th Nail In My Cranium Eleven Confessions Vineyard」で,これはまあ予想されるところでしょう。もう一つはSaxum。James BerryのProprietary Red 2007です。Saxumはこれまでも96点とか98点は獲得していたのでいつかは出るだろうと思っていましたが,ついに来たかという感じです。Saxumはこれ以外も96点以上で計8本。

このほか目だったところは,まずSine Qua Non。ただ,国内に出回っているRavenのSyrah,Grenacheはどちらも96点とSine Qua Nonにしてはそれほど高くない評価でした。Sean ThackreyのOrionは2006が98点,2007が98+と高い評価。

Pisoni勢はこちらでも高評価。RoarのSyrahはGarys' 2007が96点でRosella'sは94点。LuciaのPisoni Syrahも96点。LuciaのGarys' Syrahは95点。これらはどれも40ドル台ですからコスト・パフォーマンス高いです。

Saxumは日本にも入ってきていますが,今回評価されたものは未入荷や売り切れのものが多く,柳屋でBroken Stones 2006があるくらいでした。パーカーのコメントは
The 2006 Broken Stones (63% Syrah, 24% Grenache, and 13% Mourvedre) blew me away. An inky/purple color and a dazzling, explosive bouquet of black raspberries, camphor, cassis, forest floor, and spring flowers are followed by a rich, elegant wine offering laser-like precision as well as a striking minerality. It is a powerful yet graceful effort that should drink well for 10-12+ years.




ジェームズ・ベリーはこれまで7000円くらいで入ってきていたのですが,100点ついたらさすがに日本への割り当てはなくなるでしょうねえ…
Date: 2009/0902 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Advocate誌の#184が公開されました。カリフォルニア関連ではセントラル・コーストのピノ・ノワールとシャルドネが入っています。180本と本数は少ないですが高得点のワインが連発しています。特にBrewer-Cliftonの2007年はCargasacchi Pinot Noirの98点を筆頭に,Clos Pepeのピノ,Mount Carmelのシャルドネ,Sea Smokeのシャルドネが96点とすごいことになっています。

Cargasacchiについては「1990年のDRC」にそっくりだとコメント。また,飲み頃を2024年までとカリフォルニアのピノとしては異例に長くしています。参考までに1990年のDRCはLa Tacheが100点,ロマネ・コンティが98点,Richebourgが96点などとなっています。

このほか,Santa Lucia Highlandsのピゾーニ系ピノでも高得点が数多く出ています。PisoniのEstateが96点,RoarのGarys'が96点,LuciaのGarys'が95点など。

注目のカレラは2005年のJensenが95点。日本に出回っている2006年はJensen89点が最高で,あまり評価はよくありません。

また,今回シンデレラ・ワイン的扱いなのがSanta MariaのPaul Lato。2007年のSolomon Hills Vyd Suerteが95点など3本のワインがいずれも92点超の得点でした。

もっとも,ピノに関してはパーカーの好みは合わないと公言されている方も多数いらっしゃいます。そういう方はここで挙げた高得点ワインを避けていただくのが吉ではないかと。