Sonomaで最も尊敬されているワインメーカーとも言われるGary Farrell氏が自身の名を冠したワイナリGary Farrellから一歩退くことが明らかになりました。今後もコンサルタントとしてアドバイスはするそうですが,最高レベルのPinot Noirを作る新しいワイナリに注力する考えだとか。既に昨年6月にはワイン作り担当副社長を辞職していたそうです。
"Renowned winemaker Gary Farrell has stepped down as head winemaker at the Healdsburg winery he founded in 1982, citing interference from its corporate owners and a desire to build a new world-class winery for Russian River pinot noir."

Winemaker Farrell launches new venture | Santa Rosa Press Democrat // News for California

Gary Farrellは元々自身が所有していましたが2004年に英国のAllied Domecqに売却,2005年にはAllied Domecqが米国ワイン部門のほとんどをFortune Brandsに売却しています。同ブランド下にはほかにBuena Vista,Clos du Bois,Geyser Peakなどがあります。

大資本下に入ることでよく起こる品質低下の問題とはFarrellは無縁だったようですが,それでもやりたいこととやらせてもらえることのギャップは大きかったということなのでしょう。

Farrell氏は今後,かつてのビジネス・パートナーだったBill Hambrecht(Belvedere Vineyards and Winery)氏と新しいワイナリを始めます。両者が持っている最良の区画からピノを作っていきます。名前は未定ですが,契約によってGary Farrellの名前は使えないそうです。

Tony SoterやRichard Sanfordなど,こういった話は近年多くなっているような気がします。