米国で、缶入りワインの市場が急速に広がっています(Canned wine is no longer a fad, it's a $45 million business)。2017年6月から2018年6月の1年で43%も売上が上昇。4500万ドルの市場になっています。

ワイン全体の売上と比べたら、まだ0.2%と微々たるものではありますが、ワインをビールなどより好むと言われているミレニアル世代に、特に受け入れられているのが特徴です。なお、ボトルワインは約90%。残りは箱やバッグのワインとなっています。箱入りワインも近年、品質向上で伸びているので、相対的に見ればボトルワインは縮小していると思われます。

缶が受け入れられているのにはいくつか理由があるようです。まず価格。750mlのボトルは平均11~25ドル程度なのに対して、375mlの缶は4~7ドルと1/3程度です。容量の問題もあります。缶のサイズは375mlのほか、250mlや187mlで提供しているものもあり、その人の酒量に応じた飲みきりサイズで飲むことができます。缶がよく飲まれているのはグラスを持っていきにくい公園やキャンプなどなので、飲み切ることができるのが重要なのだと思います。また、缶の方がリサイクルしやすいということも、理由の一つになっています。

3年前は缶入りワインのブランドは12くらいしかなかったのに対し、現在は100を超えています。有名なものではガロのベアフット、トレーダー・ジョーズのシンプラー・ワインズがあります。コッポラも缶に積極的で、ソフィアのスパークリングを以前から缶で出しているのに加え、主力のダイヤモンドシリーズでも缶を出しています。
コッポラ・ダイヤモンド

このほかボニー・ドゥーンなども缶を出しています。