シャルボノ(Charbono)というブドウをご存知でしょうか。カリフォルニアではもはや絶滅寸前といってもいいくらいの量しか残っていません。栽培面積はわずかに76エーカー。ナパのカベルネの21万エーカーと比べてごくわずかです。このブドウに取り組むワイナリーを紹介した記事がありました(The fight to keep alive Charbono, Napa’s nearly extinct heritage grape - SFChronicle.com)。

シャルボノの畑が一番残っているのはナパのカリストガで、ナパには45エーカーの畑が残っています。しかし、シャルボノの取引価格はカベルネ・ソーヴィニヨンの半分以下。経済的な面ではシャルボノを作る理由はありません。

原産地はフランスのサヴォワで、19世紀末ころに米国に持ち込まれたと見られています。このブドウが一番メジャーなのはアルゼンチンで、アルゼンチンではもっぱらボナルダと呼ばれています(イタリアのボナルダとは無関係とのこと)。

ブドウの色は濃く、非常に強いタンニンがあるのが特徴とのこと。一方で、熟しても糖度が上がりにくいため、アルコール度数は13%台にとどまるそうです。色の濃さとアルコール度数の低さのために、ブレンドで使われることが多くなっています。かの「プリズナー」もシャルボノをブレンドしていたワインの一つですが、ブレンド率は年々下がっているそうです。ボニー・ドゥーンのカサ・デル・ソルもシャルボノをブレンドに使っています。

シャルボノに熱心なワイナリーの一つがイングルヌック(Inglenook)。年間4000ケースとそこそこの量のシャルボノを作っています。このほかロバート・フォーリー(Robert Foley)も比較的熱心に作っており、リッジもカリストガのトファネリ・ヴィンヤードのブドウでシャルボノを作り始めました。

なお、魅力の一つは価格で、例えばフォーリーのカベルネ・ソーヴィニヨンは200ドルするのに対し、シャルボノは38ドル。そのあたりからこのブドウに興味を持つ人もいるそうです。

さすがに日本に輸入されているシャルボノのワインはなさそうです(プリズナーなどブレンドものはありますが)。アルゼンチンのボナルダを紹介しておきます。