スクリーミング・イーグルは、あまり表に出てくることが少ないワイナリーで、ワインメーカーも有名なコンサルタントではなく、まだ30代前半の若者。ワインを味わう機会も、まずなかなかないですが、いろいろと秘密に包まれた感じがします。そのワインメーカーへのインタビュー記事が載っていました(Screaming Eagle | Club Oenologique)。

ワインメーカーのニック・ギースラーソン(Nick Gislason)の写真はTwitterから挙げておきます。


ギースラーソンは、ワシントン州の出身。2010年にアシスタント・ワインメーカー、2011年にアンディ・エリクソンの後を継いでワインメーカーになりましたが、それまではハーラン・エステートなどでわずかな経験があったものの、その実力はほぼ未知数。サッカーのアーセナルやNFLのラムズなどを持つオーナーのスタン・クロンケに取っては有名コンサルタントを雇うのも難しくなかったでしょうが、その選択には驚かされました。しかも最初の年が冷涼で難しい年となった2011年だったわけですが、秋から冬は雨が多いワシントン州出身だけあって雨への対処はお手の物。この年に見事なワインを造って名声を勝ち取りました。

ギースラーソンはワインメーカーですが、畑の管理についても責任を持っています。スクリーミング・イーグルの畑はオークヴィルのシルバラード・トレイル西側にありますが、畑を断層が通っており、火山性の土壌と扇状地の堆積性土壌が畑の中で混在しているとのこと。それが自然に複雑さを生み出しているようです。

冬の間にブドウの樹の列の間に植えることが多いカバー・クロップについても独自の方法があります。土に鋤き込むのではなく、土の上でそのままにしておくのだそうです。それによって、土の温度が上がるのを防ぎ、成熟がゆっくりになるそうです。カバークロップの量のコントロールは冬場は羊で、ブドウが芽吹くころからは90羽のニワトリで行うとのこと。

畑は50のブロックに分けられ、それぞれ別々に発酵、熟成されます。発酵にはステンレスのタンクのほか、オークの樽やコンクリート槽も使われるとのこと。

ワインはスクリーミング・イーグル、ザ・フライト(以前はセカンド・フライトと呼んでいましたが、セカンドワインではないという位置づけで名称を変えました。メルロー中心のブレンド)ともに550から850ケース。これらに使われないワインの方がかなり多いようです。このほかわずかな量のソーヴィニヨン・ブランがあります。

メーリングリストは当然簡単には入れず、待ち行列がありますが、今はさらに待ち行列に入るための待ち行列もあるとのこと。狭き門は変わりません。