カリフォルニアワインの「クラッシュ・レポート」と言われる収穫量や価格のデータが暫定公開されました。4月に正式版が公開される見込みです(USDA - National Agricultural Statistics Service - California - Grape Crush Reports)。

過去のレポート
2018年のカリフォルニアのワイン用ブドウ収穫量は過去最高
2017年の収穫量は2016年から微増
2年ぶりに400万トンを超えた2016年の収穫

収穫量
2019年の収穫量は408万5772トンで2018年から9.3%減りました。2018年に記録的な収穫量だったカリフォルニアですが、その後低価格品を中心に供給過剰状態が続いており、2019年の減少はそれを反映した状態になりました。ブドウが作られたにも関わらず売り先がなく、そのまま収穫されずに取り残されてしまったために収穫量が減ったと考えられています。

ワイン・サーチャーの分析記事(California Grape Glut Starts to Bite | Wine-Searcher News & Features)によると、ナパは特に厳しく、白ワインで20.1、赤ワインで15.5%減少したとのこと。また、州全体では白ワインの減少は4.3%にとどまっており、赤ワインの12.8%よりだいぶ減りが少なくなっています。ワイン・サーチャーの記事では白ワインの収穫後、スポット・マーケットでブドウが全然売れない状況が判明して、赤ワイン用のブドウの摘み取りがされなかったのではないかとしています。

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ブドウ価格を見ても2018よりは下がっているのがわかります。調整局面に入ったことが明らかです。

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品種別に見るとシャルドネで15.6%と前年より少しシェアが下がりました。カベルネ・ソーヴィニヨンの2位も変わりません。