パリスの審判で白ワイン1位となったシャトー・モンテリーナのシャルドネを造ったワインメーカーであり、現在もナパのワイナリー「ガーギッチ・ヒルズ(Grgich Hills)」の創設者/名誉ワインメーカーであるマイク(ミレンコ)・ガーギッチが4月1日に99歳の誕生日を迎えました。

クロアチア生まれでアメリカン・ドリームを夢見て米国に移住を決意したマイク。米国のビザが取れずに、西ドイツから1回カナダで働くなど移住にこぎつけるまでも大変な苦労をしてきました。当時の先端的なワイナリーの一つだったスーヴェランに職を得てようやく渡米を果たし、その後ロバート・モンダヴィに移ってから輝きを始めます。

1972年に高給でシャトー・モンテリーナに引き抜かれました。当初からカベルネ・ソーヴィニヨンが最終目標でしたが、そのためのキャッシュを得るために造ったのがシャルドネで、これでパリスの審判の栄光を勝ち取りました。

翌年、オースティン・ヒルズという人から出資を得てガーギッチ・ヒルズを設立。現在は100%有機栽培の自社畑のブドウを使ってワインを造っています。

ガーギッチ・ヒルズのワインは最近ではあまり話題に上ることはないかもしれませんが、個人的にはナパの中でも過小評価されているワイナリーの一つだと思います。特に、カーネロスとアメリカン・キャニオンの畑のブドウを使ったシャルドネはバランス良く生き生きとした味わいでナパのシャルドネの中ではトップクラスといってもいいと思います。