ト・カロンのワインが6本、夢のようなセミナー
カリフォルニアでグラン・クリュの畑を決めるとしたら、その中でも満場一致で選ばれるのが確実なのがナパのオークヴィルにあるト・カロン・ヴィンヤードです。このブログでも「トカロン・ヴィンヤードの謎を解く【保存版】」を含め、これまで何度もこの畑については書いてきました。
そのト・カロンのワインを6種類試飲できるという夢のようなセミナーに参加してきました。
場所はコンラッドホテルです。ナパ・ヴァレー・ベストソムリエに選ばれた富満勇希ソムリエやカリフォルニアワイン協会公認教育プログラムの講師も務める森覚ソムリエがいらっしゃるまさに、この素晴らしいワインに合う最高のところです。
ト・カロン・ヴィンヤードを切り開いたのはハミルトン・クラブという人。1868年に地所を買ったのが最初で、当初はヘルモサ・ワイナリーという名前だったのを1886年にト・カロン・ヴィンヤード・カンパニーに改称しました。なお、ト・カロンはギリシャ語で「最高の美」という意味です。
ロバート・モンダヴィが家族と経営していたチャールズ・クリュッグでもト・カロンのぶどうを使っていましたが、なんといってもその名前が知られるようになったのはロバート・モンダヴィが購入してからです。当初は樽熟成したソーヴィニヨン・ブランに「フュメ・ブラン」という名前を付けたものが大ヒットしましたが、カベルネ・ソーヴィニヨンのフラッグシップもト・カロンのぶどうで作られました。
今、ト・カロンと名前の付く畑は、このモンダヴィが買った畑(一部はオーパス・ワン所有になっています)と、かつてボーリュー・ヴィンヤードが持っていた畑を、アンディ・ベクストファーが購入した「ベクストファー・ト・カロン」の2つしかありません。
このベクストファー・ト・カロンを有名にしたのがシュレーダー・セラーズ。一つの畑からクローンの違いによって複数のワインを作り、そのどれもが極めて高い評価を得ました。
ロバート・モンダヴィもシュレーダーも現在は、コンステレーション・ブランズの傘下に入っています。そして、コンステレーション・ブランズがト・カロン・ヴィンヤードで最高のワインを作るべく、著名ワインメーカーのアンディ・エリクソンを呼んで始めたのが、かつてのハミルトン・クラブのワイナリー名から取ったト・カロン・ヴィンヤード・カンパニーです。
ロバート・モンダヴィの醸造責任者はジェネヴィエーヴ・ジェンセンズ。長らくモンダヴィに勤め、ト・カロンについても知り尽くしています。一方。シュレーダーのトーマス・リヴァース・ブラウンは、シュレーダーでのワインが大評判になって今では40社を超える畑のブドウを扱っている天才ワインメーカー。この二人に前述のアンディ・エリクソンが話し合って、ト・カロンの中で誰がどこを使うのか決めているのだそう(この話は初耳でした)。
今回はこの3つのワイナリーから2種ずつのワインを試飲しました。なお、以下の試飲コメントには自身の感想に、森覚ソムリエのコメントを一部取り入れさせていただいています。
最初のワインはモンダヴィのフュメ・ブラン2019です。ト・カロンのソーヴィニヨン・ブランといえば、1945年に植えられた「iブロック(i-block)」が有名ですが、iブロックは生産量が少なくて現在はごく少量のiブロックの名を冠したワインだけに使われているそうです。ただ、それで通常のフュメ・ブランの価値が下がるわけではなく、こちらもト・カロンの中で最高のブロックと言われている「モナストリー・ブロック」のブドウだけを使っています。2%だけセミヨンも使われています。
柑橘類に白い花、ヘーゼルナッツ、イーストっぽさがあるのはシュール・リーで熟成しているためでしょうか。酸がとてもきれいで伸びがあり、後味には石やミネラルの風味が味全体を引き締めています。
2本目はモンダヴィのト・カロン・ヴィンヤード・カベルネ・ソーヴィニヨン2018。モンダヴィのフラッグシップのワインです。93%カベルネ・ソーヴィニヨンで5%カベルネ・フラン、2%プティ・ヴェルドが入っています。
色は濃いですが、赤ワインの中ではそれでも一番薄いくらいです。杉の香りが顕著。ミントやブラックベリー。カシス。柔らかさがありますが、酸が豊かなのも特徴です。乳酸ぽい柔らかな雰囲気もあります。ハーブやチョコレート。モカの風味も。そしてタンニンがしっかりしていますが、全体に溶け込んだ印象です。
モンダヴィのワイン造りのコンセプトは「重くなく力強い」だそうですが、まさにこれを体現したワイン。これまで何度も飲んだことがあるワインではありますが、そのバランスの良さにはいつも驚かされます。
ちなみにこれも上記の「モナストリー・ブロック」のブドウだけを使っておりカベルネ・ソーヴィニヨンのクローンは「ヘリテージ・クローン」という手のひらの半分くらいしかない小さな房で凝縮感のある味わいになるクローンを使っています。
3本目と4本目はト・カロン・ヴィンヤード・カンパニーのワイン。ワインメーカーのアンディ・エリクソンはサンフランシスコで広告の仕事をしていましたが、ワインに魅せられ、アルゼンチンでワイン造りをしていたところ、ポール・ホブスに出会ってカリフォルニアで活躍するようになります。スクリーミング・イーグルの2代目ワインメーカーだったのは有名な話ですが、ハーランやスタッグリン、ダラ・ヴァレなどそうそうたるワイナリーで働きます。近年はマヤカマスのワインメーカーとしてその再生に貢献したことでも知られています。
ト・カロン・ヴィンヤード・カンパニーは2016年が初ヴィンテージという若いワイナリー。今回は2018年に新たに追加されたカベルネ・フランの比率を上げたカベルネ・ソーヴィニヨンとのブレンド「エリザズ・キュヴェ」と、ここのメインのワインである「ハイエスト・ビューティ」カベルネ・ソーヴィニヨンを試飲しました。ヴィンテージはいずれも2018。
エリザ(イライザ)ズ・キュヴェは、ハミルトン・クラブに地所を売ってト・カロン拡張に力を貸した「エリザ・ヨント」にちなんだもの。カベルネ・フランがその地所の一部に植えられています。名前でわかるように、ヨントヴィルの街を作ったジョージ・ヨントの未亡人です。ちなみにジョージ・ヨントは生涯で2回結婚していますが、ふたりとも名前が「Eliza」だったとのこと。
ミントのようなすっきりした風味。ラベンダーやすみれの花の香り、レッド・チェリーなどの赤果実の風味にカシスなどの黒果実の味わい。骨格がしっかりしているのですが、タンニンがとにかくシルキー。これは今まで飲んだカベルネ・フラン系のワインの中でも間違いなくトップクラスです。
ちょっと余談ですが、とあるワインショップの方と話をしていて、その方もこのエリザズ・キュヴェが大好きなのだそうですが、なかなかカベルネ・フラン・ベースのワインは売れないそうです。個人的に思うのは、多くの人がカベルネ・フランとしてイメージするのはシノンなどのちょっと青臭い味がするもの。カベルネ・ソーヴィニヨンと比べると格下のブドウと感じているのではないでしょうか。カリフォルニア、特にナパのカベルネ・フランは完熟するので青さはありません。パワフルになりすぎることもあるカベルネ・ソーヴィニヨンと比べて、赤果実系の風味や酸が残って非常にエレガントな味わいになります。カベルネ・フランだけだと少し線が細くなるかもしれませんが、このエリザズ・キュヴェ(ダラ・ヴァレのマヤやコンティニュアムなども含め)はカベルネ・ソーヴィニヨンも相当に入っているので、ボディの力強さも失われていません。もっとこの美味しさを多くの人に知ってほしいと感じています。
余談が長くなりましたが、この日の素晴らしいワインの中でも白眉の一つでした。
そして4本目はハイエスト・ビューティ。ト・カロンの名前を英語にしたワインです。グラファイトや石のニュアンスを感じます。ブラックベリー、ハーブ。非常にパワフルでタンニンもしっかりしています(これも溶け込んでいますが)。今飲んでも美味しいですが、今回のワインの中では一番熟成向けに感じました。
最後はシュレーダー・セラーズからベクストファー・ト・カロンのブドウを使った2本です。
シュレーダーと、ワインメーカーのトーマス・リヴァース・ブラウンについては下の2記事に詳しく書いているので、今回は省略します。
トーマス・リヴァース・ブラウンの凄さの一端に触れ、まさに「天才」だと思った話(前編)
トーマス・リヴァース・ブラウンの凄さの一端に触れ、まさに「天才」だと思った話(後編)
シュレーダーからはRBSカベルネ・ソーヴィニヨン2019とオールド・スパーキー・カベルネ・ソーヴィニヨン2019の2本を試飲しました。
RBSはクローン337という比較的早熟でフルーツ感の強いクローンだけを使ったカベルネ・ソーヴィニヨン。第一印象はフルーツの風味の強さ。レッド・チェリーやブルーベリー。杉やタールのようなアクセントもあります。タンニンはあまり感じず非常にスムーズ。ジューシーでなめらかなワインです。
オールド・スパーキーはマグナム・ボトルしか作られないシュレーダーのフラッグシップ。私も今回初めて試飲しました。クローン4、6、337のブレンド。クローン4はタンニンが強く、クローン6はアーシーな風味を与えてくれるとのこと。
グラファイトやロースト、チョコの風味がありRBSよりタンニンがしっかりしていますが、やはりしなやかな味わいは共通です。無茶苦茶濃いけど、シルキーでスムーズ。超高級ブドウジュースを飲んでいるという感じです。RBSもそうですが、食事に合わせるというよりもこのワインだけをじっくりと味わってみたい、そう感じるワインです。森ソムリエは「ラフィットを飲んだときの感覚に似ている」と言っていました。
ト・カロンの素晴らしさは今さら私が言うまでもないですが、今回はロバート・モンダヴィ、ト・カロン・ヴィンヤード・カンパニー、シュレーダーの3社3様の素晴らしさもわかり、とても勉強になりました。
そのト・カロンのワインを6種類試飲できるという夢のようなセミナーに参加してきました。
場所はコンラッドホテルです。ナパ・ヴァレー・ベストソムリエに選ばれた富満勇希ソムリエやカリフォルニアワイン協会公認教育プログラムの講師も務める森覚ソムリエがいらっしゃるまさに、この素晴らしいワインに合う最高のところです。
ト・カロン・ヴィンヤードを切り開いたのはハミルトン・クラブという人。1868年に地所を買ったのが最初で、当初はヘルモサ・ワイナリーという名前だったのを1886年にト・カロン・ヴィンヤード・カンパニーに改称しました。なお、ト・カロンはギリシャ語で「最高の美」という意味です。
ロバート・モンダヴィが家族と経営していたチャールズ・クリュッグでもト・カロンのぶどうを使っていましたが、なんといってもその名前が知られるようになったのはロバート・モンダヴィが購入してからです。当初は樽熟成したソーヴィニヨン・ブランに「フュメ・ブラン」という名前を付けたものが大ヒットしましたが、カベルネ・ソーヴィニヨンのフラッグシップもト・カロンのぶどうで作られました。
今、ト・カロンと名前の付く畑は、このモンダヴィが買った畑(一部はオーパス・ワン所有になっています)と、かつてボーリュー・ヴィンヤードが持っていた畑を、アンディ・ベクストファーが購入した「ベクストファー・ト・カロン」の2つしかありません。
このベクストファー・ト・カロンを有名にしたのがシュレーダー・セラーズ。一つの畑からクローンの違いによって複数のワインを作り、そのどれもが極めて高い評価を得ました。
ロバート・モンダヴィもシュレーダーも現在は、コンステレーション・ブランズの傘下に入っています。そして、コンステレーション・ブランズがト・カロン・ヴィンヤードで最高のワインを作るべく、著名ワインメーカーのアンディ・エリクソンを呼んで始めたのが、かつてのハミルトン・クラブのワイナリー名から取ったト・カロン・ヴィンヤード・カンパニーです。
ロバート・モンダヴィの醸造責任者はジェネヴィエーヴ・ジェンセンズ。長らくモンダヴィに勤め、ト・カロンについても知り尽くしています。一方。シュレーダーのトーマス・リヴァース・ブラウンは、シュレーダーでのワインが大評判になって今では40社を超える畑のブドウを扱っている天才ワインメーカー。この二人に前述のアンディ・エリクソンが話し合って、ト・カロンの中で誰がどこを使うのか決めているのだそう(この話は初耳でした)。
今回はこの3つのワイナリーから2種ずつのワインを試飲しました。なお、以下の試飲コメントには自身の感想に、森覚ソムリエのコメントを一部取り入れさせていただいています。
最初のワインはモンダヴィのフュメ・ブラン2019です。ト・カロンのソーヴィニヨン・ブランといえば、1945年に植えられた「iブロック(i-block)」が有名ですが、iブロックは生産量が少なくて現在はごく少量のiブロックの名を冠したワインだけに使われているそうです。ただ、それで通常のフュメ・ブランの価値が下がるわけではなく、こちらもト・カロンの中で最高のブロックと言われている「モナストリー・ブロック」のブドウだけを使っています。2%だけセミヨンも使われています。
柑橘類に白い花、ヘーゼルナッツ、イーストっぽさがあるのはシュール・リーで熟成しているためでしょうか。酸がとてもきれいで伸びがあり、後味には石やミネラルの風味が味全体を引き締めています。
2本目はモンダヴィのト・カロン・ヴィンヤード・カベルネ・ソーヴィニヨン2018。モンダヴィのフラッグシップのワインです。93%カベルネ・ソーヴィニヨンで5%カベルネ・フラン、2%プティ・ヴェルドが入っています。
色は濃いですが、赤ワインの中ではそれでも一番薄いくらいです。杉の香りが顕著。ミントやブラックベリー。カシス。柔らかさがありますが、酸が豊かなのも特徴です。乳酸ぽい柔らかな雰囲気もあります。ハーブやチョコレート。モカの風味も。そしてタンニンがしっかりしていますが、全体に溶け込んだ印象です。
モンダヴィのワイン造りのコンセプトは「重くなく力強い」だそうですが、まさにこれを体現したワイン。これまで何度も飲んだことがあるワインではありますが、そのバランスの良さにはいつも驚かされます。
ちなみにこれも上記の「モナストリー・ブロック」のブドウだけを使っておりカベルネ・ソーヴィニヨンのクローンは「ヘリテージ・クローン」という手のひらの半分くらいしかない小さな房で凝縮感のある味わいになるクローンを使っています。
3本目と4本目はト・カロン・ヴィンヤード・カンパニーのワイン。ワインメーカーのアンディ・エリクソンはサンフランシスコで広告の仕事をしていましたが、ワインに魅せられ、アルゼンチンでワイン造りをしていたところ、ポール・ホブスに出会ってカリフォルニアで活躍するようになります。スクリーミング・イーグルの2代目ワインメーカーだったのは有名な話ですが、ハーランやスタッグリン、ダラ・ヴァレなどそうそうたるワイナリーで働きます。近年はマヤカマスのワインメーカーとしてその再生に貢献したことでも知られています。
ト・カロン・ヴィンヤード・カンパニーは2016年が初ヴィンテージという若いワイナリー。今回は2018年に新たに追加されたカベルネ・フランの比率を上げたカベルネ・ソーヴィニヨンとのブレンド「エリザズ・キュヴェ」と、ここのメインのワインである「ハイエスト・ビューティ」カベルネ・ソーヴィニヨンを試飲しました。ヴィンテージはいずれも2018。
エリザ(イライザ)ズ・キュヴェは、ハミルトン・クラブに地所を売ってト・カロン拡張に力を貸した「エリザ・ヨント」にちなんだもの。カベルネ・フランがその地所の一部に植えられています。名前でわかるように、ヨントヴィルの街を作ったジョージ・ヨントの未亡人です。ちなみにジョージ・ヨントは生涯で2回結婚していますが、ふたりとも名前が「Eliza」だったとのこと。
ミントのようなすっきりした風味。ラベンダーやすみれの花の香り、レッド・チェリーなどの赤果実の風味にカシスなどの黒果実の味わい。骨格がしっかりしているのですが、タンニンがとにかくシルキー。これは今まで飲んだカベルネ・フラン系のワインの中でも間違いなくトップクラスです。
ちょっと余談ですが、とあるワインショップの方と話をしていて、その方もこのエリザズ・キュヴェが大好きなのだそうですが、なかなかカベルネ・フラン・ベースのワインは売れないそうです。個人的に思うのは、多くの人がカベルネ・フランとしてイメージするのはシノンなどのちょっと青臭い味がするもの。カベルネ・ソーヴィニヨンと比べると格下のブドウと感じているのではないでしょうか。カリフォルニア、特にナパのカベルネ・フランは完熟するので青さはありません。パワフルになりすぎることもあるカベルネ・ソーヴィニヨンと比べて、赤果実系の風味や酸が残って非常にエレガントな味わいになります。カベルネ・フランだけだと少し線が細くなるかもしれませんが、このエリザズ・キュヴェ(ダラ・ヴァレのマヤやコンティニュアムなども含め)はカベルネ・ソーヴィニヨンも相当に入っているので、ボディの力強さも失われていません。もっとこの美味しさを多くの人に知ってほしいと感じています。
余談が長くなりましたが、この日の素晴らしいワインの中でも白眉の一つでした。
そして4本目はハイエスト・ビューティ。ト・カロンの名前を英語にしたワインです。グラファイトや石のニュアンスを感じます。ブラックベリー、ハーブ。非常にパワフルでタンニンもしっかりしています(これも溶け込んでいますが)。今飲んでも美味しいですが、今回のワインの中では一番熟成向けに感じました。
最後はシュレーダー・セラーズからベクストファー・ト・カロンのブドウを使った2本です。
シュレーダーと、ワインメーカーのトーマス・リヴァース・ブラウンについては下の2記事に詳しく書いているので、今回は省略します。
トーマス・リヴァース・ブラウンの凄さの一端に触れ、まさに「天才」だと思った話(前編)
トーマス・リヴァース・ブラウンの凄さの一端に触れ、まさに「天才」だと思った話(後編)
シュレーダーからはRBSカベルネ・ソーヴィニヨン2019とオールド・スパーキー・カベルネ・ソーヴィニヨン2019の2本を試飲しました。
RBSはクローン337という比較的早熟でフルーツ感の強いクローンだけを使ったカベルネ・ソーヴィニヨン。第一印象はフルーツの風味の強さ。レッド・チェリーやブルーベリー。杉やタールのようなアクセントもあります。タンニンはあまり感じず非常にスムーズ。ジューシーでなめらかなワインです。
オールド・スパーキーはマグナム・ボトルしか作られないシュレーダーのフラッグシップ。私も今回初めて試飲しました。クローン4、6、337のブレンド。クローン4はタンニンが強く、クローン6はアーシーな風味を与えてくれるとのこと。
グラファイトやロースト、チョコの風味がありRBSよりタンニンがしっかりしていますが、やはりしなやかな味わいは共通です。無茶苦茶濃いけど、シルキーでスムーズ。超高級ブドウジュースを飲んでいるという感じです。RBSもそうですが、食事に合わせるというよりもこのワインだけをじっくりと味わってみたい、そう感じるワインです。森ソムリエは「ラフィットを飲んだときの感覚に似ている」と言っていました。
ト・カロンの素晴らしさは今さら私が言うまでもないですが、今回はロバート・モンダヴィ、ト・カロン・ヴィンヤード・カンパニー、シュレーダーの3社3様の素晴らしさもわかり、とても勉強になりました。