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Date: 2013/0429 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパの観光協会であるVisit Napa Valleyがこのほど発表した2012 Napa Valley Economic Impact Studyによると、2012年にナパを訪れた観光客は294万人だったそうです(Studies: 3 million annual Napa Valley visitors spend $1.4B – North Bay Business Journal - North San Francisco Bay Area, Sonoma, Marin, Napa counties - Archive)。観光客がナパで消費した金額は14億ドル。そのうち3分の2は食事とワイン・テイスティングだったとのこと。ナパの住民一人当たりで換算すると1万27ドルに上るとのことで、「ディズニーランドの次」といわれる観光地としての底力は大したものです。


(画像はVisit Napa Valleyによる)

観光客がナパに滞在した「人日」で見ると2005年が470万人日だったのに対し、2012年は490万人日と向上。うち、200万人が日帰りだったそうです。

実際に消費した額でみると、小売が4億9400万ドルと35.4%を占めてトップ。次いで宿泊が3億2700万ドルで23.6%、食事が3億100万ドルで21.6%でした。

また、観光客がナパで好むものは「景色の美しさ」が37.3%でトップ、次いでワインが34.9%。アウトドアのアクティビティも人気でした。

観光客のうち92.9%が「多分」「確実に」また来るとしており、満足度が非常に高いことが伺えます。


ナパに行く際は本書を忘れずに…

Date: 2013/0422 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Melvilleのワインメーカーであり、Brewer-Clifton、DiatomといったプロジェクトでSta. Rita Hillsを代表するピノ・ノワールやシャルドネを作ってきたGreg Brewer(グレッグ・ブリュワ)の新プロジェクトが判明しました。

Diatomの「漢字」ラベルやシャルドネSamurai Beautyなどでグレッグと親しいナパサンこと杉本隆英さんによると、これまでよりもリーズナブルな価格で楽しめるワインを作ることで意見が合ったとのこと。

その結果できたのはSanta BarbaraはSanta Barbaraでも海から一番遠く、ボルドー品種に向いたHappy Canyonのソヴィニョン・ブランでした。畑はHappy Canyonの実力派ワイナリStar Laneだそうです。

生産量は120ケース。半分をグレッグが米国で売り、半分を杉本さんが日本で売ります。

米国のワイナリ名は「Tako」。「蛸」です。
Tako

日本でのワイン名は「Crossed Wing」。Ch.igai Takahaの1ワインという位置づけになります。価格は2860円の予定。5月18日に販売を開始します。同日開かれるワイン会がお披露目になります。
Crossed Wing

米国のTakoは既に販売が始まっているようです。
Date: 2013/0418 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wines & Vines誌はこのほど2012年における米国のワイナリの消費者への直接出荷についてのレポートを公開しました(Wines & Vines - Wine Industry News Headlines - Annual Report on Direct Wine Shipping Available)。それによると2012年の直接出荷の出荷額は14億7000米ドルと、輸出額の14億3000米ドルを上回り、順調に伸びているようです。

ワイナリのサイズで見ると年間5000ケース以上50000ケース未満の小規模ワイナリが出荷額の約半分を占めました。小規模ワイナリの生産量は全体の5%しかないことを考えると、直接出荷が小規模ワイナリにとっては非常に大きな要素であることが分かります。ただ、2011年と2012年の出荷額を比較すると中規模や大規模のワイナリの方が伸び率が大きくなっています。大きなワイナリにとっても、少しずつ直接出荷の波が来ているのでしょうか。

ぶどう品種別で見ると、出荷量ではカベルネ・ソヴィニョンが20.4%でトップ。次いでピノ・ノワールが16.1%、赤のブレンドが15.3%と、この3種で過半数に達します。さらに、出荷額ではカベルネが31.8%、赤ブレンドが19.0%とこの2つだけで過半数。カベルネの単価の高さが伺えます。またピノ・ノワールの16.6%を加えると全体の3分の2を占めます。

また、地域別ではカリフォルニアが出荷量の82%と大半ですが、さらにナパだけで33%、ソノマも21%とこの2地域で過半数です。ボトルの平均単価が56.87ドルと高いナパは、出荷額では49%に上ります。

ソノマではピノ・ノワールがトップ。前年より26.9%増と全体を牽引しています。
Date: 2013/0416 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Advocate誌が、前同誌のレビュアAntonio Galloniを契約不履行と名誉毀損で訴えるとしていた件で両者が和解しました。

過去記事「ロバート・パーカー、アントニオ・ガッローニを提訴へ、ソノマ・レポートの問題で」で記したように、2013年2月にWine Advocate誌をやめたアントニオ・ガッローニは2月末発行の同誌にソノマのレポートを掲載することになっていました。それが棚上げになって、アントニオ・ガッローニは自身のサイトに掲載する意向を示したことから、提訴するとしていました。

ロバート・パーカーによると、4月末の同誌でソノマ・レポートを掲載。5月にはイタリアのピエモントのレポートもサイトに載せるとのこと。

ガッローニのテイスティング能力の高さについては衆目が一致するところであり、こじれた形で両者が別れることには懸念していた人も多いと思います。今回の和解は両者にとって最善だったのではないでしょうか。

なお、ガッローニ側からは和解についてのアナウンスは出ていません。
Date: 2013/0414 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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シェールガス/オイルは、エネルギー産業に大きな影響を与えていますが、ワイン業界にもとばっちりが来るかもしれないという話があります(Fracking Impacts Wine Industry - Central Coast News KION/KCBA)。

カリフォルニアのセントラル・コーストの沿岸のシェール層にも150億ガロンにも上る原油が埋蔵されているとのことで、その開発に期待する向きも多いようです。この埋蔵量は現在シェールガス/オイルの主な産地になっているテキサス州やノースダコタ州を超えて、米国最大のものだとか。

ただ、シェールガス/オイルの発掘で使う「水圧破砕」法は、地下水の汚染につながる懸念があります。実際、シェールガス/オイルを発掘しているところの近くでは水道水にメタンガスが混入するなどの現象が生じているとの話もあります。

カリフォルニアではブドウの生育期に雨がほとんど降らないため、灌漑を行うところも少なくありません。このときに使う水が汚染されると、どういうことになるのか。これまでのところ、影響自体がきちんと評価されていない状況のようです。

拙速に進むのは、怖い感じがします。
Date: 2013/0411 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Eコマースにもいろいろありますが、ワイナリに出資してワインを安く買えるサービスNaked Wineが英国で健闘しているようです(「クラウドファンディング方式」で成功したワイン販売ECサイト「Naked Wines」|海外ECサイト事例に学ぶ、売上アップのノウハウ|ネットコンシェルジェ)。

詳しくは紹介記事を見ていただきたいところですが、「エンジェル」と呼ばれる出資者はワインを25%以上のディスカウントで買えたり、1ケース買うとおまけのワインが1本もらえたりするというメリットがあります。出資額は毎月20ポンド(約3000円)。解約時には積立の残った分はすべて返金されるのでリスクはありません。すでに10万人を超えるエンジェルがいるとのことで、顧客満足度が高いことが伺えます。

集めた資金は、ワイナリへの購入保証に使うことで価格を下げたり、ワイナリがよりよいブドウや樽などを使えるようにするために使われたりしています。

サイトを見るとワインごとに「リピート買いしたい比率」を公開しているなど、情報をいろいろとオープンにしているようです。それが人気に結びついているような気がします。
Date: 2013/0410 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Advocate誌をやめて自サイトに専念するアントニオ・ガッローニが3月末にナパを訪問。2012年ヴィンテージの第一印象を述べています(Napa Valley 2012 - A First Look - Antonio Galloni)。

昨年秋の収穫ですから、まだ当然ワインは最終ブレンドまでは行っておらず、ワイナリによって段階もやり方もバラバラな時期。テイスティングで得られるものもワイナリによって大きく違うようです。例えば、Bondでは畑ごとの特徴を感じとり、HarlanやOvidではブレンド前のコンポーネントを味わいとるとのこと。

また、Abreuでは収穫を18回に分けて行いましたが、ここでは収穫単位で醸造しているとのこと。同じブロックのカベルネ・ソヴィニョンを収穫時期ごとに違う樽から試飲することによって、新たな知見が得られるとしています。

2012年は、近年でも珍しいほど何も問題がなかったヴィンテージと言われています。フルボディでビッグなワインになっているかというと、現在のところそうでもないようです。きめ細かいタンニンと洗練された味わいを今のところ感じるとのこと。

次は4月末にナパを訪問するとのこと。
Date: 2013/0408 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wineglass
毎年春の風物詩、カリフォルニアワインの「バイザグラス」が始まっています(カリフォルニアワイン バイザグラスプロモーション|ゴールデン・ステート -カリフォルニア ワイン-)。

このキャンペーン、レストランにカリフォルニアワインをグラスでサーブしてもらうもの。参加レストランには覆面の審査員が訪れ、評価します。上位10店は秋にカリフォルニア旅行が得られるので店側もがんばります。

顧客にとっては、いつもよりも多くの種類のグラスワインがサーブされることで、いろいろなワインを少しずつ楽しむといった飲み方が可能になります。

参加は関東・関西合わせて約250軒。上記サイトより確認ください。また、店舗によって開催期間が異なることがあります。5月だけ開催といったところもあるので注意してください。

それにしても、このキャンペーンももう18回目になるとのこと。すごいですねえ。
Date: 2013/0403 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Antonio Galloniが退任してから空白だったWine Advocate誌のカリフォルニア担当がようやく決まりました。

新しいレビュアは3人予定されていますが、うち1人が今回決定。Jeb Dunnuckというエアロスペースのエンジニアで「The Rhône Report」というローヌ系ワインのレポートをWebで発行しているそうです。

ローヌはこれまでロバート・パーカーが担当しており、パーカーが最も得意とする分野の1つでしたが、今回はパーカー自身がJebに惚れ込み、ローヌ担当を明け渡すことになりました。Jebはこのほか南仏、ワシントン、そしてカリフォルニアのセントラル・コーストと南カリフォルニアを担当します。セントラル・コーストの記事は8月末の予定です。

一方、北カリフォルニアについては、パーカー自身が示唆していたように、パーカーが返り咲きます。ただし、ペンディングになっていたソノマのレポートについては白紙のまま、パーカーによる次回のレポートは12月末の予定となっています。これに伴い、従来12月だったナパのレビューは10月になります。

なお、イタリアを担当する予定の新しいレビュアとスペイン・チリ・アルゼンチンを担当する新しいレビュアについては、今回は公表されませんでした。
Date: 2013/0402 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Patz & Hallが創立25周年を迎え、記念のビデオを制作しています。ビデオの内容はほとんどジョークみたいなものですが、ワイナリを作った4人全員出演。Donald Patzさん以外は、これまであまり見たことがなかったのでなかなかおもしろかったです。また、Gary PisoniやLee Hudsonなど、著名な畑のオーナーも友情出演しています。畑のオーナーとの関係が良好であることを示しているようです。



個人的にはPatz & Hallのワインを初めて飲んだのは1999年のことでした。1998年のNapa Valleyのシャルドネでしたが、ピュアな果汁に感激したのを今でも覚えています。当時はまだ米国にいたときでしたが、日本に帰ってからも、一時はセラーの半分近くがここのワインで埋まるほど買っていました。

今は、自分の興味も分散しているため、たまに買う程度ではありますが、やはり好きなワイナリの1つであることは間違いありません。

(蛇足)昔、冗談でパッツ・アンド・ホール・アンド・オーツなんて言っていたことがありましたが、ビデオ見て、同じようなことを考える人はいるもんだなと思いました(笑)。