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Date: 2016/0930 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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人気のワイナリー「カレラ」(Calera)の中でも人気が高いワインに「キュヴェV」と「ジョシュ・ジェンセン・セレクション」があります。キュヴェVもジョシュ・ジェンセン・セレクションも、カレラの一番下のラインになる「セントラル・コースト」(これは契約畑から購入したブドウで作られています)に、カレラの自社畑のワインをブレンドしたものです。

これらのワインは日本向け専用に作られているもので、2種類あるのは日本のインポーターが複数あるからです。

具体的には、「ヴィノラム」が輸入しているのが「キュヴェV」、「JALUX」が輸入しているのが「ジョシュ・ジェンセン・セレクション」です。

では、この2つ、中身は同じなのでしょうか?

実は私もこれについては全く適当に考えており「同じワインにラベル付け替えたくらいなんじゃないの?」などと思っていました。

これを実際に試飲して調べたのが大阪の人気ワインショップWassy'sの社長であるワッシーこと鷲谷良亮さん(Wassy'sについては「顔の見えるオンラインショップでありたい――Wassy's鷲谷社長、波田店長」をご覧ください)。まずはシャルドネについて比較試飲しました。

カレラ比較
写真もWassy'sさんによるものです。

比べてみたコメントは以下の通り。
「キュヴェV」の方が明らかに色も濃く、同じく味わいも果実味豊かでわずかにトロピカルフルーツの香りが感じる程の凝縮感でグイグイくるのに対して
「JJセレクション」は色も淡く、シャープでキリッとしたアタック。キレイな酸とミネラル感を感じる仕上がりです。


さらに、次の朝になると
「キュヴェV」が更にハチミツの様な香りがでてきた。キュット温度さげてリーデルのモンラッシェグラス位のサイズので飲んだら旨そう。
「JJセレクション」はあんまり変わらず、ちょっと果実味が出てきたかな~
昨日より更に味の違いが明確になってきました。

とのことでした。

ちなみに、インポーターのデータによると、シャルドネの「キュヴェV」は自社畑のワインを5%、「ジョシュ・ジェンセン・セレクション」は3%ブレンドしているとのこと。

【追記】裏ラベルによるとキュヴェVの2013年も自社畑比率は3%だそうです。それにともなって、一部を消させていただきます。

味わいの違いがこの比率によるものなのかどうかは不明ですが、とても面白い結果ですね。これからは、この違いも念頭において、選んでいただけたらと思います。

ワッシーさんは今後ピノ・ノワールでも試してみるとのことで、また結果を報告できたらと思います。また、これも人気のワイナリー「オー・ボン・クリマ」にもインポーター専用キュヴェがありますので、そちらも期待しています。




Date: 2016/0929 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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試飲会レポートの第5弾です。

これまで紹介したのは
5000円以下で買えるナパらしい良質なカベルネ「ナパ・ハイランズ」
パルメイヤーが手がけるソノマ・コーストのワイン「ウェイフェアラー」
エレガンス系カベルネの究極? 「ポートフォリオ」にうなる
最終ヴィンテージ近い「オーガストウエスト」ロゼラズと、気になるピノ2つ

アイコニックはパソ・ロブレスやサンタ・バーバラを中心にコスト・パフォーマンスの高いワインを輸入しています。試飲会では70を超えるアイテムがあったのですが、その中でも印象的だったのがサムサラ(Samsara)とメルヴィル(Melville)です。
サムサラ
この2つのワイナリーは深い関係にあります。メルヴィル創設者の息子のチャド・メルヴィルが個人のプロジェクトとして進めているのがサムサラ。メルヴィルは長いことグレッグ・ブリュワーがワインメーカーを勤めていましたが、昨年メルヴィルを辞め、今はメルヴィルのワインメーカーもチャド・メルヴィルになっています。ワインメーカー交代に伴い、日本へのインポーターも変わったのですが、嬉しいことに、全般にこれまでより1000円以上安くなっています。

現在、輸入されているメルヴィルのワインはグレッグ・ブリュワー時代のものですが、グレッグも言うまでもなく超一流のワインメーカー。どれも美味しいワインでした。

シャルドネはサンタ・リタ・ヒルズらしい、ミネラル(塩分?)を感じるタイプ。スタンダードなキュベですがこの地域のシャルドネのお手本の1つといってもいいくらいの完成度です。


メルヴィルのピノ・ノワールはスタンダードなエステートと、フラグシップのテラシズを試飲。エステートはバランスの良さが光るワイン。テラシズはリッチで深みのある味わい。ソノマのロシアン・リバー・ヴァレーで同レベルだったら2万円近くしそうです。


ただ、個人的にはピノ・ノワールはサムサラ推しです。現在ケースラー・ハークとカーガサキ(カルガサッキ)の2011年が輸入されていますが、インポーターの希望小売価格で6550円と7650円。飲んでみるとどちらも、そのレベルではありません。ケースラー・ハークは今のところ別ヴィンテージのものしか見つからなかったですが、とにかくお薦めです。ホール・クラスターでの醸造にこだわるチャド・メルヴィルのワイン、ぜひ飲んでみてください。


難しいと言われた2011年でこれだけ美味しいのですから、これから出てくる2012~2014の良ヴィンテージはもっとすごいことになりそうです。

最後はシラー。メルヴィルのシラーはWine Advocate誌で95点(そういえば上記のカーガサキは94点です)と高得点ですが希望小売価格は5500円。これはとてもエレガントなシラー。深みのある味わいで、しみじみ美味しいです。シラー苦手な人にも飲んで欲しいワイン。


一方、サムサラのシラー(WAでは92点)は、スパイシーでパワフル。さすがにシラーはホール・クラスターではないのですが15%は茎を入れているそうで、おそらくその特徴が出ているのでしょう。こちらは希望小売価格4950円と5000円を切ります。こちらはシラー好きに受けそうな味わい。タイプが全然違うので飲み比べたら面白そうです。
Date: 2016/0928 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパつながりでもう1つ、こちらは悲しいお知らせです。スポッツウッドの創設者であるメアリー・ノヴァックさんが亡くなりました。享年84歳。ガンだったそうです(Mary Weber Novak, Founder of Napa's Spottswoode Estate, Dies at 84)。

ナパ旅行の記事で、メアリーさんの娘であり現オーナーのベス・ノヴァックさんにお会いしましたが、そのときにスポッツウッドの初期の話をされていました(トレフェッセンにて、スポッツウッドのオーナーなどに会う(ナパ2日め、その3))。

田舎暮らしに憧れた父親に連れられてナパに来たものの、父親は若くしてなくなり、家族が後を継がざるを得なくなったのでした。そんな辛い時期を乗り越えたからか、非常に家族の結束の強さを感じます。また、女系のワイナリーとしても知られています。

実は、今月ベスさんが来日される予定だったのですが、メアリーさんの病気のために、来られなくなったという話を聞いていました。かなり悪いのだろうなあとは思っていましたが、残念です。ご冥福をお祈りします。
Date: 2016/0928 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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6月にナパに行ったときに、試飲したワイナリーの1つがサン・スペリーでした。以前はソーヴィニヨン・ブランなど、ときどき飲んでいましたが、このときの試飲は久しぶり。品質的には昔より向上したのではないかと思いました。

中でも印象的だったのがカベルネ・ソーヴィニヨンの単一畑「ダラーハイド」で、当日のブログでも言及しています(アミーチ・セラーズで「真のアメリカン・バーベキュー」とリーズナブルなワインを堪能(ナパ2日め、その2))。

このダラーハイドの2010年はWine Advocate誌でも95点と非常に高評価なのですが、それがインポーター在庫限定で6000円台(税抜きなら5000円台)で売られています。ワイナリー価格120ドルの半額という、もはやわけのわからないレベル。
ダラーハイド
なおカリフォルニアワインあとりえの野村さんは上記の旅行でご一緒させていただいたのですが、そちらのページでは、私にも言及がありました(笑)。

定評あるソーヴィニヨン・ブラン(こちらもブドウはすべてダラーハイドです)もお薦めです。

サン・スペリーは2015年にシャネルに買収されましたが、経営的には大きな資本を得て安定してこれからの成長が見込めるワイナリーです。また、実は100%エステート(自社畑)のワイナリーでもあります。ナパの自社畑のワイナリーの中では価格も比較的安いと思います(このダラーハイドは特別に安いですが)。


お買い得度ではダラーハイドに道を譲りますが、こちらも非常にコスト・パフォーマンスの高いカベルネ・ソーヴィニヨン。
Date: 2016/0927 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先日から追っているWine Advocateの日本酒リスト事前漏洩疑惑についてですが、その輸出業者Taste of Sakeがサイトに上げていた価格の一覧を入手しました(thanks to うげさん)。

現在はサイトは見られない状態なので、過去に上げていたものですが、その価格にびっくり。日本での販売価格と比べたリストをごく一部ですが、作ってみました。

酒リスト

2倍、3倍ならまだかわいいものですが、日本での価格の何十倍もの価格がついているものがあります。

特に98点を取った「亀の翁純米大吟醸 三年熟成」は、既に入手困難になっていますが、元々の定価5000円弱に対して5000ドルと100倍を超える値付け。

Taste of Sakeについては、事前漏洩以外に、どうやってこれらの酒を集めたのか、などの疑問もあるのですが、この価格を見ると、実際に在庫を持っているのではなく、オンデマンドで市場から調達するといったことも想定していたのではないかと疑ってしまいます。

ともあれ、今はWine Advocateのアクションを待っている状態。また大きな進展があったら報告します。
Date: 2016/0926 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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試飲会レポートの4つめです。

これまで紹介したのは
5000円以下で買えるナパらしい良質なカベルネ「ナパ・ハイランズ」
パルメイヤーが手がけるソノマ・コーストのワイン「ウェイフェアラー」
エレガンス系カベルネの究極? 「ポートフォリオ」にうなる

ilovecalwineは、良質なピノ・ノワールで人気のインポーターです。甲乙つけがたいワインが多く、価格帯も7000円台~8000円台のものが多くなっているので、これ、というのを選ぶのは難しいのですが、その中でも印象的だったものを紹介します。

まずはオーガストウエスト(Auguet West)のロゼラズ(Rosella's) ピノ・ノワール2013。ロゼラズはサンタ・ルシア・ハイランズを代表する3つの畑の1つ。3つの畑のうち、ピゾーニとゲイリーズはスケールの大きな男性的なワインを生み出すのに対して、ロゼラズはリッチでありながらエレガントさを併せ持ったワインを生み出します。ロゼラズのオーナーのワイナリーであるロアーと並んでオーガストウエストがロゼラズのピノの中でも有名。

この2つのワイナリー、同じワインメーカー(オーガストウエストのエド・カーツマン)が作っていましたが、2013年からはワインメーカーが交代。また、オーガストウエストへのロゼラズの供給も2014年をもって終了ということになってしまいました。

シャルドネは既に現行ヴィンテージが2014年なので、それで終了、ピノ・ノワールは今が2013年なので、来年で終了となります。

個人的にも非常に思い入れのあるワイナリーと畑ですが、試飲した2013年はこれまでと同様、期待に背かない美味しさでした。



このほか気になったピノ・ノワールとしてポール・ラトー(Paul Lato)の「マチネ」と、ロスト・アンド・ファウンド(Lost and Found)を挙げておきます。

「マチネ」は米国ではレストラン専用に卸されているワイン。ソロモン・ヒルズとジョン・セバスチャーノの畑のブレンドもので、比較的早飲みタイプに仕上げています。それぞれの単一畑ものなら1万5000円近くするのが、これは定価が8000円台と極めて格安。試飲したワインはうまみがとても乗っていて、今飲んで美味しいワインでした。高嶺の花のポール・ラトーがこの値段で飲めるのは嬉しいところです。


もう1つのロスト・アンド・ファウンドも、米国のレストランで極めて人気が高いワインとのこと。ラベルがユニークです。ロシアン・リバー・ヴァレーのピノ・ノワールですが、同地域の中では涼しいところのブドウを使っているのか、ソノマ・コーストのワインのような酸を感じます。一方でロシアン・リバー・ヴァレーらしいリッチさもあり、これも魅力的なワインでした。

船橋の山城屋さんでは扱いがあるようです。
全米トップ・レストラン御用達?・・・天才マスターソムリエが造り出すワインです・・・ロスト・アンド・ファウンド | Cheers!カリフォルニアワイン
問い合わせはinfo@cheers-californiawine.com
Date: 2016/0925 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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最近の試飲会で印象に残ったワインを紹介していっています。

これまで紹介したのは
5000円以下で買えるナパらしい良質なカベルネ「ナパ・ハイランズ」
パルメイヤーが手がけるソノマ・コーストのワイン「ウェイフェアラー」

今回はポートフォリオ。正式名称はポートフォリオ・リミテッド・エディション。リミテッドというように生産量250ケース以下と極めてレアなワインです。

ワインメーカーのジェヌヴィエーヴ・ジャンセンスさんはロバート・モンダヴィで醸造責任者を務める人。その実力で少量ながら自分が作りたいワインを作っているのだから、美味しくないわけがありません。

今回試飲したのは良年と言われる2012年。

ナパのカベルネとしては珍しいほどに酸がしっかりしています。リッチな味わいももちろんあるのですが、力強さよりもエレガンスを強く感じます。

カルト系のワインだと、コルギンが「女性的」とよく言われ、実際にそういう印象もありますが、コルギンの女性らしさは米国の女性に似たゴージャスさと明るさ。それに対してポートフォリオには日本女性のようなしなやかさと芯の強さがあるような気がします。

ネットではまだ前ヴィンテージの2011年までしかないようですが、エレガントで美味しいカベルネを飲みたい方はぜひトライしてみることをおすすめします。

また、ポートフォリオのインポーターであるミライズが輸入するもう1つのワインであるトカードゥ(TOQUADE)も試飲しました。こちらはソーヴィニヨン・ブランなのですが、ものすごく香り高いのが特徴です。その香りの強さにはかなりびっくりしました。こちらもトライする価値のあるソーヴィニヨン・ブランです。


Date: 2016/0924 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ロバート・モンダヴィの家庭崩壊にも関連していたのではないかと言われるCopiaが10月にようやく再オープンすることになりました(Napa’s Copia will reopen as CIA culinary campus)。

Death by Chocolate Festival.

Copiaを買ったのはCIA(Culinary Institute of America)。レストランやデモ・キッチン、ワイン・テイスティングなどに使われる予定です。
Date: 2016/0923 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Robert Parker
Wine Advocate誌の日本酒評価が、事前に漏れていた疑いがある件について、主宰のロバート・パーカーが、記事の一時取り下げも考慮していることを同社の掲示板において明らかにしました。
If I were you I would withdraw the sake reviews until the matter is fully cleared up and would publish the reviews only when you are satisfied it is a representative sample of sakes generally available to your subscribers from vendors with no connection (historic or otherwise unless fully declared) with the WA.

という読者からのコメントに対して
Mr.Taylor-that's a good suggestion and I have proposed it,at least until we have some definitive answers.thanks

と返信したものです。

また、その前に書き込んだコメントにおいては、アーネスト・シンガー氏との関係を「1998年から2003年においていくつかのテイスティングやイベントを仕切ってもらったが現在の関係はない。少なくともこの4年間においてはコンタクトはなく、氏が自分とビジネス的な関係があるというのは間違っている」としています。

そうなると氏の会社が運営する「eRobertParker Online Japan|イー・ロバート・パーカー・オンライン・ジャパン」の位置づけはどうなっているのかが気になりますが、ロバート・パーカー氏の認識としては、そうなっているそうです。したがってパーカーの代理人というシンガー氏の肩書きは、あくまでシンガー氏が自身で名のっているだけと思われます。
Date: 2016/0923 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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俳優のアンジェリーナ・ジョリーが夫のブラッド・ピットとの離婚を申請しました。ちょうど映画の公開タイミングでの離婚申請ということで、なぜ今なのだろうと思わなくもないですが、ワイン・ファンとしてもっと気になるのは、夫妻が所有する「シャトー・ミラヴァル」がどうなるかです。

シャトー・ミラヴァルはフランスのプロヴァンスにあるワイナリーで2008年に夫妻が購入しました。購入額は4000万ドルなどと言われています。2012年からシャトー・ボーカステルの助けを得て、独特なデザインのボトルで高品質なロゼを作っています。

例えばWine Advocate誌では2013年のものが90点、2014年のものが91点と、ロゼとしてはかなりの高評価です。

実は、今回の離婚申請発表より前から、ミラヴァルが売りにでているという噂があったようです。現状どうなるかは全くわかりませんが、ロゼブームにも大きく貢献したワインだと思うので、しっかり続けてほしいものです。

なお、ここのロゼは何回か試飲したことがありますが、評判に負けないいいワインだと思います。

Date: 2016/0922 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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パーカーの日本酒評価に疑惑、輸入業者と癒着か?」という記事で記した、Wine Advocate誌の日本酒評価記事について、事前にリストがある輸出業者に流れていたのではないかという疑惑について、Wine Advocate誌の編集長であるリサ・ペロッティ・ブラウンMWがコメントしました。

I have reviewed with Liwen Hao the details of the sake tastings that took place in Japan in April this year. The process followed was professional and correct. No tasting notes or scores were shared with anyone prior to publication. We are still investigating the website issue with Mr. Singer. Mr. Singer has no permanent business arrangement or position with The Wine Advocate. He was asked to help facilitate some of the sake tastings as a point of contact in Japan. It does appear that someone with knowledge of the tastings used this knowledge to have a website built and ready for the publication of the scores and tasting notes. We did not grant a license to the website to use our notes nor were the notes or scores given to anyone prior to publication on RobertParker.com. We are pursuing legal action for copyright infringement. Mr. Singer states that he had nothing to do with the website, but regardless we have made clear to him that he is not a representative of The Wine Advocate and should never present himself as such.

私は(日本酒の記事のレビュアー)リーウェン・ハオと4月に日本で行われた日本酒のテイスティングの詳細について精査した。手続きはプロフェッショナルなもので正しかった。テイスティング・ノートとスコアは記事が出版される前には誰にもシェアしていない。我々はまだシンガー氏とウェブサイトの問題については調査を続けている。シンガー氏は、Wine Advocate誌と継続的なビジネス契約はなく、また同誌におけるポジションもない。彼は日本酒のテイスティングにおいて、日本のコンタクト先として運営を手伝うことを頼まれた。そのテイスティングについて知っている誰かがその知識を使ってウェブサイトを作り、記事が出版されたところでスコアやテイスティング・ノートを使ったのだろう。我々はそのサイトにテイスティング・ノートの使用許可を与えていない。また、RobertParker.comに掲載されるより前に誰かにノートやスコアを渡すこともない。我々は著作権侵害で訴える準備をしている。シンガー氏はそのウェブサイトには関わっていないと言っている。それはさておき、彼はWine Advocate誌の代理人ではなく、そのような地位を与えたこともない。(日本語訳はAndyによる。誤訳があった場合その責任もすべてAndyが負う)


まだ調査が終わったわけではないので結論は出ていませんが、疑問が晴れた感じは全くありません。
・日本酒評価が出た後に公開されたいくつかの媒体の記事によると、シンガー氏は評価にもかかわっていたような書き方がされていましたが、その真偽は?
・シンガー氏とWine Advocate誌に継続的なビジネス契約はないとしているが、実際問題、「eRobertParker Online Japan|イー・ロバート・パーカー・オンライン・ジャパン」はシンガー氏が社長を務めるアジア・ビジネス・コンサルタンツが運営しています。これは継続的なビジネス契約ではないのでしょうか?
・前の記事にも書いたようにthe-taste-of-sake.comはアジア・ビジネス・コンサルタンツの関連会社であることがわかっています。シンガー氏がかかわっていないというのは信用しろといっても無理があります。

実は、先日の記事を公開したあと、the-taste-of-sake.comの登録情報は、外部から見えない形に書き換えられてしまっています。これもやましいところがあるからではないかと思ってしまいますが、確保できた情報については、ここで公開しておきます。
the-taste-of-sake.comの情報

「魚拓」をとっておいて公開するような、厳しい対応はやりたくなかったのですが、証拠を消すようなやり方は納得できません。
Date: 2016/0921 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパ・カウンティがブレマー(Bremer)というワイナリーの建築にストップをかけました(Napa red-tags Bremer soil-hauling vineyard creation project | Local News | napavalleyregister.com)。理由は建築計画どおりに作っていないことが明らかになったため。

先日、ナパに行った際に、年々斜面の開発は厳しくなっているという話を聞きましたが、ここもハウエル・マウンテンの斜面にあるプロジェクト。土壌の流出を防ぐ壁などが予定と違う形になっているなどが問題とされました。

ただ、ワイナリー側は一部の建築計画の変更届を出しているとのことで、それが認可されれば、工事が再開される可能性もあります。それが認められなかった場合は、ナパ・カウンティの要求に合う形に変えない限りは建築を続行できないことになります。

厳しいとは聞いていましたが、実際に工事中止になるワイナリーもあるのですね。

そういえば、記事にかきそびれてしまったのですが、この夏は、パソ・ロブレスのジャスティンが、何千本もの樫の木を勝手に伐採してしまったことで強い非難を浴びるということもありました。これは明らかにやり過ぎですが、カリフォルニアのワイナリー開発も、ガロが山を崩してしまったというようなこともあった昔とは大分状況が変わっている感じがします。
Date: 2016/0920 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Opus One Logo
高級ワインの市場を提供しているLiv-exがオーパス・ワンのCEOを務めるデイビッド・ピアソン氏へのインタビューを掲載しています(Liv-ex interviews David Pearson of Opus One)。2004年にコンステレーション・ブランズがロバート・モンダヴィを買収して以降、オーパス・ワンのCEOを続けている人ですが、私の知る限りではインタビューに出てきたことはほとんどないと思います。せめて写真を載せようと思ったのですが、オーパス・ワンのサイトにも写真はないようなので、インタビューのページを御覧ください。

インタビューの内容から興味深いところをかいつまんで紹介します。

・就任以来の大きな変化は?
 畑の植え替えを進め、灌漑や剪定で新しい技術を取り入れた。セラーではオプティカル・ソーティングや野生酵母の採用など。

・オーパス・ワンの価格はどのように決めているのか?
 さまざまな要素を考慮するが、世界中の市場の状況を特に注視している。ここ数年は為替レートの変化が価格に重要な役割を果たしている。

・オーパス・ワンは日本で人気が高かったが、ディストリビューターを変えていこう、それは変わったのか?
 日本はオーパス・ワンにとって依然として重要なマーケットだ。ただ、我々は今は90カ国以上に輸出をしている。

・オーバチュアは以前ワイナリーでしか購入できなかったが、現在はレストランや小売にも回されている。販路を広げたのはなぜか?
 オーバチュアが有名になるに従って、不透明な市場で流通するようになってしまった。それは好ましくない事態なので、我々自身が顧客に販売するようにした。

詳しくはインタビューのページをご覧ください。

Date: 2016/0919 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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仏ブルターニュの海岸で見つかった微小藻類がブドウの病気「べと病」に100%の効果があることがわかりました(French microalgae may be the answer to key vine diseases)。これによって農薬以外の自然の代替品が使える可能性が出てきました。

Downy mildew of collard (Brassica oleracea) caused by Peronospora parasitica

フランスの研究機関INRAによって実施されたテストによると、さらにこの微小藻類はボトリティスにも50%有効であり、さらにブドウの幹の病気7種類のうち4種類にも効果があることがわかりました。

実験を依頼したImmunRise Technologies社のLaurent De Crasto氏は「これは科学のブレークスルーであると同時に哲学と論理のブレークスルーでもある。我々の問題の解は自然にあることを示しており、生物多様性を守らなければいけない理由がそこにある」と述べています。

まだ、この実験だけではなんとも言えない感じもしないではないですが、農薬を使わずにべと病対策ができれば、自然派のワイナリーにとっては大きな朗報になりそうです。
Date: 2016/0918 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ウェイフェアラー(Wayfarer)はナパの人きワイナリー「パルメイヤー」のオーナーであるジェイソン・パルメイヤーがソノマ・コーストで手がけるワイナリーです。1998年に、当時パルメイヤーのワインメーカーだったヘレン・ターリーが、自身のマーカッサン・ヴィンヤードのすぐ近くに売りに出ている畑があるのを見つけ、ピノ・ノワール用の畑を探していたパルメイヤーに推薦しました。

当初はロシアン・リバー・ヴァレーのブドウとブレンドしてパルメイヤーのピノ・ノワールとして販売していましたが、2008年以降はウェイフェアラーのワインとして作られています。

先日、ウェイフェアラー・ヴィンヤードのシャルドネとピノ・ノワールを試飲しました。。

特筆すべきなのはバランスの良さ。ソノマ・コーストでも寒いところにある畑なので、非常に豊かな酸があるのですが、ただの酸っぱいワインにならずに、うまくまとめているのはなかなかの実力だと思いました。

ちょっと値段が高いのが、惜しいところですが…

Date: 2016/0917 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ロバート・パーカーが主宰するThe Wine Advocate誌で日本酒の評価記事が出たことを先日記事に書きました(Wine Advocate誌226号を発表、初めて日本酒をカバーし、最高98点)。この日本酒評価について疑惑を伝える記事をブロガーのW.ブレイク・グレイ氏が書いています(The Gray Report: A curious thing: Every Wine Advocate-rated sake from one exporter)。

この記事によると、Wine Advocateの226号が発表された当日、Taste of Sakeという、東京に本社を置き、海外に輸出する会社が日本酒のセールとして、全く同じ銘柄78種のリストを出したそうです(現在は同社のページは見られない状態になっています)。

この、the-taste-of-sake.comの情報を筆者が調べたところ、「Asia Business Consultants」という会社の「Yuusuke Kikuchi」という人が登録したことが分かりました。この人は「japanwineproject.com」も登録していますが、これらの会社はワインのインポーター「ミレジム」の関連会社です(株式会社ミレジム:会社概要)。

ミレジムの社長であるアーネスト・シンガー氏はWine Advocate誌の日本代理人で、今回の日本酒のリスト作成にも関わっています(参考:ロバート・パーカー・ワイン・アド ヴォケート、日本酒評価をスタート - ワインレポート)。

つまり、リスト作成に関わった人が今回の輸入(米国にとって)にも関わっている可能性が高いわけです。

この問題はWine Advocate誌の掲示板でも話題になっており、編集長のリサ・ペロッティ・ブラウンは以下のように書いています。
What we need to establish is if that company had access to any of the sake notes or scores prior to publication, which is a situation we take the utmost measures to avoid. Even the suggestion that this could have happened is a matter we take very seriously.

この疑念に、抵触する問題のように思えるのですが、どうなるのでしょう。レビュアーには非常に高い倫理性を求めているWine Advocate誌のことですから、きちんと襟を正す必要があるように思えます。

進展があったら続報します。
Date: 2016/0916 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ブドウの収穫時期であり、FacebookやInstagram、Twitterなどでワイナリーの投稿を見ていると、さまざまな収穫の写真が見られます。

その中で見つけた写真の1つがこれ。



ピノ・ノワールのクローンによる、房の形や実の付き方などの違いが分かるように並べた写真です。どれも艶やかにきれいですが、結構形が違うものなのですね。ワインを作っている人はきっとここからもっといろいろなことを読み解けるのでしょうが、素人としてはただ感嘆して見るばかりです。

ちなみに一番右はカレラ・クローン。伝説?が本当であれば、ロマネ・コンティの畑も同じような実の付き方をしているのでしょうか。ちょっと気になるところではあります。
Date: 2016/0915 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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今日は3つのニュースをまとめてお届けします。最初の2つはワイナリー買収、最後は歴史的に重要な条例の制定の話です。

まず、ワイナリー買収ですが、ソノマをベースに多くのワイナリーを持つジャクソン・ファミリー・ワインが、アレキサンダー・ヴァレーにあるフィールド・ストーンを買収しました(Jackson Family Wines purchases Alexander Valley’s Field Stone Winery - Inside Scoop SF)。買収額は明らかになっていません。

フィールド・ストーンはナパのカリストガとソノマのヒールズバーグを結ぶハイウェイ128沿いにテイスティング・ルームを持つ人気ワイナリー。1894年に植えられた古い畑を持っており、そのプチ・シラーが一番有名なワインです。禁酒法で打ち捨てられていた畑を、元バークレーの市長でBART(サンフランシスコとバークレーなどを結ぶ鉄道)の構築に貢献したウォレス・ジョンソンという人が、1960年代に再生しました。現在はその子らが運営していますが、今回の買収後の体制がどうなるかは不明です。

もう1つの買収は国際的に活躍するアレハンドロ・ブルゲローニという人が、ナパのワイナリーを買い取ったというものです(Alejandro Bulgheroni Estate Acquires Notable Napa Valley Winery)。

買われた畑とワイナリーは、ハーラン・エステートのオーナーである、ビル・ハーランが手がける「ナパ・ヴァレー・リザーブ」というプロジェクトで使われていたもの。ここにアレハンドロ・ブルゲローニ・エステートというワイナリーを設立します。アレハンドロ・ブルゲローニ・エステートとしての最初のヴィンテージは2014年で2017年2月にリリース予定です。ワインメーカーはフィリップ・メルカ、コンサルタントはミシェル・ローランという豪華な布陣。

アレハンドロ・ブルゲローニはアルゼンチンやウルグアイ、イタリア、フランスなどにワイナリーを持っており、カリフォルニアではレンウッドのオーナーでもあります。

最後に、カリフォルニア州のジェリー・ブラウン州知事が、農場の働き手が他の産業と同様に、1日8時間、週に40時間の労働を基本とする(それ以上は残業代が必要になる)という条例を制定したという話です。これまでは1日10時間、一週間で60時間でした。

カリフォルニアの農業が主にメキシコからの移民の労働によって成り立っていますが、彼らの労働条件をよくしようというのが狙いで、歴史的な条例の制定と見られています。

ただし、農業は天候に左右され、収穫時期は労働集約型で一気に働かなければいけないなど、他の産業とは条件が違うという意見もあります。ワイン業界では約60%のコストが働き手の労賃となっており、コストへの影響は避けられないのかもしれません。セントラル・ヴァレーなどでは、機械化が一層進むという見方もあります。

なお、2019年から4年間が移行期間が設けられています。働き手が25人以下のところでは7年間が移行期間になります。
Date: 2016/0914 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先週参加した試飲会で「これは!」と思ったワインの1つが「ナパ・ハイランズ」です。インポーターの資料にも詳しいことは書かれておらず、ナパのラザフォードとオークヴィルの畑から厳選したブドウを使っている旨だけが記されています。

いちはやく販売を始めたカリフォルニアワインあとりえのページにはもう少し情報があり、「オーパス・ワンから南に道を挟み広がる畑」のブドウを使っているとのこと。そこで、ペリッサという畑ではないかと推測しています。

先日Vinousで購入したOakvilleのマップを見ると確かに、Pelissaという名前があります。
Oakville Map

そしてペリッサの情報を調べると、ナパ・ワイン・カンパニーが管理している畑であることがわかりました。以前は「BV7」という名前でボーリューのフラグシップ「ジョルジュ・ド・ラ・トゥール」に使われていたというから、由緒あり、また高品質間違いない畑です。

オーパス・ワンの隣の畑というとフランシスカンの名前がよくあがりますが、フランシスカンは隣というよりも斜向かい的な場所であり、さらにはナパ・リバーを挟んでいるので、土壌の条件などはオーパス・ワンとは少し違うと思います。ペリッサはオーパス・ワンとトカロンと接しており、土壌的にも連続性があります。

ということで、どうやらナパ・ワイン・カンパニーが関係するワインのようです。ナパ・ワイン・カンパニーといえば「リトル・ハーラン」という異名を持つゴーストブロックを作っており、今回のナパ・ハイランズは、その廉価版的なものなのかもしれません。

推測や御託は置いておいて、試飲したワインは、一口飲んで「ナパの良質なカベルネ」と分かるもの。カシスやブルーベリーなどの青系の果実に、モカやチョコレートの風味、そしてシルキーなタンニンが1ランク上の味わいを感じさせます。一方で、新樽を使っておらず、押し付けがましい味にはなっていません。

ちょうど居合わせたNVVの方とも「これはいいナパですねえ」と意気投合しました。

お薦めです。



【追記】
ナパ・ハイランズ以外のお薦めワインをまとめました。
次のナパ・ハイランズはどれ? 良質ワインひしめき合うアンダー5K市場

ナパ・ハイランズが売り切れのときは、以下の3本も同じくらいハイクオリティでお薦めです。


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

エッジ カベルネソーヴィニヨン ナパヴァレー
価格:4190円(税込、送料別) (2017/12/21時点)


Date: 2016/0913 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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元スクリーミング・イーグルの共同オーナーで、現在はSandy、Wind Gapなどへの出資会社のオーナーであるチャールズ・バンクスが、元NBAスターのティム・ダンカンらを騙したとして提訴されています(Charles Banks, Winery Owner and Former Financial Advisor to Tim Duncan, Is Indicted in Federal Court | News | News & Features | Wine Spectator)。有罪になった場合、最大20年収監される可能性があります。

チャールズ・バンクスは、ワインビジネスに参入する前から、スポーツ選手に財務的なアドバイスをする会社「CSI Capital Management」を本業としていました。そこでのティム・ダンカンへの恣意的なアドバイスにより、何百万ドルも失ったとダンカンは主張しています。

例えば、ダンカンはバンクスのアドバイスにより、バンクスが営むスポーツ商品の会社「Gameday Entertainment」に750万ドル出資し、5年間かけて12%の利子で返還されるなのが、待ったくされていないとか、バンクスが、ダンカンが承知していない20%のフィーを取っているなどの疑いが出ています。これらの中にはいくつかのワイナリーへの出資も含まれています。

この問題は当初はダンカンがバンクスを民事的に訴えていましたが、FBIの調査が入り、刑事裁判化しています。
Date: 2016/0913 Category: グルメ
Posted by: Andy
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丸亀製麺が2016年9月14日に発売する秋の限定うどん「牛すき釜玉」をいち早く試食してきました。肉好き、卵好き、甘辛好きな人にはたまらない味でボリュームもたっぷりのうどんです。

牛すき釜玉
今回の売りは「史上最幸肉量」とのこと。「最幸」は「さいこう」と読んで「最高」に量が多いということと、一番幸せということをかけています。牛肉の量は120g。

ちなみに、牛丼チェーンの「並」サイズの具の重さはチェーンにもよりますが、大体80~90gくらい(日経トレンディ2016年5月号などを参考)。これはタマネギも含んでいますから、肉の量は60gとかではないでしょうか。120gというと、この倍に相当するわけなので、「特盛り」レベルはあると考えていいでしょう。

さっそく、作るところから見ていきましょう。
肉は120g

このうどん、実はお店にとってはかなり大変なメニューです。なぜかというと、注文があるごとに肉を1人分ずつ焼いて作るのです。

肉にタレをからめて

タレ(割り下)をかけて焼いていきます。

だいぶ煮えてきました

グツグツと煮えていきます。さて、このへんでうどんの方も見てみましょう。

製麺機

店内には製麺機があります。毎日できたての麺が食べられます。

うどんをあげます
ゆでたうどんをあげます。釜揚げうどんや釜玉の場合は、ゆでたうどんを洗わず、そのまま丼によそいます。それ以外のメニューの場合は、ゆでたうどんを洗い、それをお湯につけて温めて(温かいうどんの場合)よそいます。今回の新作は「釜玉」なので、そのまま丼に入れるわけです。
釜揚げ
釜揚げ中
ゆであがったばかりのうどん、ぷっくりとおいしそうです。

うどんに肉を乗せます
うどんに肉を乗せます。

卵投入
最後に生卵を一つ落とします。

卵投入

お好みでネギかけて完成
おこのみでネギをかけて完成です。

卵は崩して混ぜます

食べ方はもちろん好きなように食べればいいのですが、僕は最初から卵を崩してまぜてしまいました。
うどん

釜揚げの麺なので表面がざらざらしており、卵やタレがよくからみます。美味しい。

肉をご飯に乗せてみる
ご飯をもらったので、肉を乗せて食べてみます。肉ももちろん美味しいです。なお、このご飯は一膳の半分の量。

牛すき釜玉の〆にご飯を入れてうまうま #丸亀製麺 #丸亀試食部 #牛すき二度うま
残ったご飯は、最後に余ったタレに投入して食べてしまいます。うまいにきまってます。

今回の試食会では、この、最後にご飯を入れて食べる方法に付けるハッシュタグを考えるというテーマが与えられたのですが、#牛すき二度うま というタグを付けることに決まりました。

個人的には、うどんを2玉にして卵とタレの絡んだ麺を存分に楽しむか、ご飯を入れて #牛すき二度うま にするか、悩ましいところです。

なお、試食では、季節限定の黒ゴマ入り天ぷら(かき揚げ、さつまいも、かしわ)もいただきました。かしわは淡白な胸肉にコクが加わり特に美味しいです。

黒ゴマ入りの天ぷら

普段、丸亀製麺にいくときはシンプルに「かけ」に天ぷらを食べることが多いですが、今回の限定品は、値段こそ640円(並)と少し高め(丸亀製麺にしては)になりますが、満足度も非常に高く、実際発売されたら食べにいこうと思っています。
Date: 2016/0912 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマのシャトー・セント・ジーンで2016年9月4日に開催されたSonoma Harvest Wine Auctionは460万ドルという過去最高の落札額で終了しました(Sonoma Wine County Weekend breaks record | Sonoma Index-Tribune | Sonoma, CA)。昨年は450万ドル、一昨年は400万ドルでした。

オークションの様子
写真は昨年のもの

中でも「ファンド・ザ・フューチャー」という、ソノマの子供達の読み書き向上に充てられるロットは650人の入札者から合計270万ドルの寄付が寄せられました。



ナパに比べるとまだまだ規模は小さいですが頑張ってほしいものです。
Date: 2016/0911 Category: 読書感想
Posted by: Andy
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筆者の高山さんは40代で脳腫瘍と白血病という2つの全く異なるガンになりました。最初のガンが判明したのは5年前の2011年。当時一人娘がまだ1歳でしたが「娘の二十歳の誕生日においしいお酒で乾杯してお祝いする」ことを目標に、ガンと闘う決意をしました。そして、ベストと考えられる医者を選び、治療を選び、今に至ります。

実は高山さんとは、ガンを発病する前に一緒にワインを飲んだこともあるのですが、IT系の会社の経営者であり、非常に論理的にものを考え、実行する力のある方です。

その高山さんが書いた本書は、単なる闘病記ではありません。むしろ、これからガンになる人のためのサバイバル・マニュアルと言った方がいいような内容です。医者の探し方、決め方、治療法の種類とそのメリットデメリット、入院生活の心得、さらには治療にかかる費用といったところまで、わかりやすく、書かれています。例えば「看護師さんは名前で呼ぼう」といった実践的なアドバイスがふんだんに盛り込まれています。

また、高山さんの家族はいわゆる「ガン家系」であり、お父さんをガンで失い、妹さんも30歳のときに乳がんで亡くしています。自分ひとりの独りよがりな経験談になっていないのは、そういった経験からの辛さを踏まえたものなのだろうと思います。

今、ガンと闘っている人やその家族・友人、また私自身を含めた将来ガンになる可能性がある人にとって、本書は読み・携えておく価値があるものだと思います。

なお、普段、本を買うときは電子書籍があればそちらを選ぶのですが、本書は家族にも読んでほしかったので紙の本にしました。

Date: 2016/0910 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Insignia 2013

ジョセフ・フェルプス(Joseph Phelps)が2013年のインシグニア(Insignia)の出荷を始めました。1974年のファースト・ヴィンテージから数えて40回めのヴィンテージとなります。ラベルの右下に40周年のロゴが入っています。

品種名をワインの名前につけない、いわゆるプロプライエタリなワインの先駆けとなったワインです。実際には今回のヴィンテージも88%はカベルネ・ソーヴィニヨンなので、そう名乗ることもできるわけですが、敢えて違う名前を付けたのが大いなるブランドになりました。そういえば、日本ではかつて「玄人のオーパス・ワン」などと呼ばれていたこともありました。

下の動画では、インシグニア誕生のいきさつなどが語られています。


当初は外部の2つの畑から購入したブドウで作ったそうですが、現在は自社畑6カ所からのブレンドとなっています。例えば2013年の比率は下のようになっています。
Stags Leap District (28% Las Rocas Vineyard and 11% Barboza Vineyard), Napa Valley (22% Suscol Vineyard), Rutherford (16% Banca Dorada Vineyard), Oak Knoll District (12% Yountville Vineyard) and St. Helena (11% Home Ranch Vineyard).


私はしばらくインシグニア飲んでいませんが、以前の印象ではオーパス・ワンと比べて力強いけど下品にならないとてもいいワインという感じでした。

品質的にはオーパス・ワンに全く引けをとらないワイン、価格は1万円以上安いですから、最上級のカベルネ・ソーヴィニヨン系ワインを飲みたいときは大いに候補になると思います。
Date: 2016/0909 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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Wassysでヴァーナー/ニーリーの2011年もの(一部2012年も)が9月いっぱい6307円と、とても安くなっています。他店では7000円台後半ですから1000円以上の大盤振る舞い。

ヴァーナー/ニーリーは2016年いっぱいで解散するIPOB(in pursuit of balance)のメンバーで2015年に来日しています(当時のインタビューは「IPOBミニインタビューその3――ロバート・ヴァーナー/ヴァーナー・ワイン」)。

このインタビューでも分かるように、非常にシンプルなワイン作りを手間暇かけて行っています。ワインもピュアなフルーツの味わいがあり、IPOB好きでない人にも人気の高いワインです(実際、ここが有名になったのはIPOBに批判的と言われるWine Advocate誌で非常に高く評価されるようになったためです)。

Date: 2016/0908 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニアのピノ・ノワールは美味しいですが、普段飲み用のものを探すのはちょっと苦労します。一時期はカレラのセントラル・コーストのピノ・ノワールが安かったのですが、最近は3000円以上になってしまいました。サイクルズ・グラディエーターは今も1000円台でがんばっていますが、かつてのレックス・ゴライアスと比べるとちょっと魅力に欠けるような気がします(レックス・ゴライアスは、以前ハーンのセカンド・ブランドだったのが売却されてしまいました。それで新たに作ったセカンド・ブランドがサイクルズ・グラディエーターです)。

そんなこんなで、最近は試飲会で安いものを特に注意して試飲するようにしているのですが、先日布袋ワインの試飲会に出ていたキャッスルロックのピノ・ノワールが、予想以上に美味しくてびっくりしました。

キャッスルロックは大分前に飲んだことがあったのですが、そのときは「安かろう、…」という感じであまりリピートしたいとは思わなかったのです。ところが今回の試飲で、見方が一変しました。

安いピノ・ノワールは果実味を強調しようとするためか、ちょっと不自然な甘さを感じることがあると思うのですが(なので、「甘い」と言われるメイオミにはまだ手が出せていません)、これは非常にバランスがよく、特に澄んだ酸の味わいがとてもきれいです。ピノ・ノワール・ファンが納得する味わいになっていると思います。

なお、キャッスルロックのピノ・ノワールはいくつかの地域のものがありますが、今回はメンドシーノとモントレーの2つを試飲しています。味の傾向はどちらもよく似ていましたが、メンドシーノの方が少し酸が強かったでしょうか。個人的には違いよりも共通部分の方がはるかに大きいように思います。

昔飲んだときは1000円台半ばだったのが2000円台に値上がりしていますが、この品質なら納得です。

布袋ワインの試飲会では、このほかベンチ、バリック、テイクンなど2000円台、3000円台で面白いものがいろいろあったので、また折を見て紹介していきたいと思います。






このシャルドネもコスパ高いです。


ピノ・ノワール以外もレベル高いので、飲み比べもいいでしょう。
Date: 2016/0907 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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オーパス・ワンの世界流通の約半分を取り仕切るPlace de Bordeauxが2013年ものの出荷を始めました。9月の第1月曜日に出荷を始めるのが通例で、今年もその日に出荷を始めています(Opus One 2013 release: 'We could have sold double' - Decanter)。

卸価格は185ユーロ(約2万1300円)と、2012年の168ユーロより1割程度値上がりしています。しかし、需要は極めて順調で、香港のワインショップ「Cru」では、数時間で売り切れてしまったとのこと、倍量あってもよかったとしています。
Opus One
日本での流通はここを通っていないと思いますが、価格は基本的に連動しているはずです。日本での最低価格は2011年が3万4000円程度、2012年が3万6000円程度。2013年は卸価格が上がっていますが、為替は円高傾向なので、相殺して2012年と同程度になるのではないかと思っています。

なお、デカンター誌の評価は2012年、2013年ともに94点とかなりの高評価。2013年の方が長熟型の作りになっているようです。

3万5000円台はかなりスペシャルな値段です。

エントリーでポイント20倍つきます。


Date: 2016/0906 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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先日発表されたWine Advocate誌226号のサンタ・バーバラ特集ではシャトー・イガイタカハのシャルドネ「侍」とピノ・ノワール「園」も昨年に引き続き、レビューされていました。

「侍」2014年は89点と、2013年の92点と比べるとちょっと低い評価。テクスチャはあるがバランスと魅力がちょっと低かったとのこと。もしかすると少し閉じている時期だったのかもしれません。

ただ、シャトー・イガイタカハのシャルドネは「侍」以外も魅力的。「シャトー・イガイタカハの一気試飲、「侍」「園」はさすがの美味しさ、「美夜」のパワーにビックリ」で詳しくレビューしていますが、特に「美夜」の潜在能力はピカイチだと思っています。

一方、ピノ・ノワールの「園」2014は2013年に引き続き92点。もちろんいい評価ですが個人的には2014の「園」は94~5点の評価があってもいいワインだと思っています。



Date: 2016/0905 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアでは2016年のブドウの収穫が最盛期を迎えています(From Sonoma County and Napa Valley south: 2016 harvest a surprise after 2015)。

山火事の影響の懸念など、地域によっては多少心配事がなかったわけではない今年ですが、基本的には極めて順調。エル・ニーニョで旱魃が多少なりとも解消されたこともあり、2015年のように収穫量が極端に少なくなることもなく、質・量ともに問題ないというのが、これまでの概ねの状況です。

旱魃の状態が一番ひどかった2015年は収穫量が減ったほか、ブドウの成熟も一気に進み、適切な収穫時期を逃さないようにするのが大変なほどでした。2016年は、ブドウの成熟もゆっくりと進んでおり、「ハング・タイム」(ブドウが樹に付いている期間)も長くなているとのことです。

ピゾーニ・ヴィンヤーズのマーク・ピゾーニは「こんなことは言いたくないんだけど、調子よくて退屈なヴィンテージに見える」とコメントしています。

このまま問題なく進むといいですね。

Napa Harvest 2009  99
(写真は今年のものではありません)
Date: 2016/0904 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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柳屋とカリフォルニアワインあとりえにスポッツウッドのカベルネ・ソーヴィニヨン2012が入荷しています。

実は、先日スポッツウッドの記事(パーカーがスポッツウッドをバーティカル・テイスティング)を書く前にも1回、カリフォルニアワインあとりえに入荷していたのですが、そのときは記事を書く時点で早くも売り切れ、紹介できなかったのでした。

今は両店とも在庫があるようですが、Wine Advocate誌で99点のワインが2万円台というのは、かなり珍しく、しかも歴史も定評もあるワイナリーのものですから、早期になくなると予想されます。

入手するなら機会を逃さないようにしましょう。

ちなみに、6月にナパでこのワインを試飲していますが、非常に力強さを感じるワインでした。タンニンもしっかりとしているので、数年寝かしてから飲んだほうがいいように思います。



Date: 2016/0904 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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故ロバート・モンダヴィの夫人だったマルグリット・ビーバー・モンダヴィ(Margrit Biever Mondavi)さんが2016年9月1日に亡くなりました。享年91。

Wishing Margrit Mondavi a Happy Birthday! Thank you for all of your support and dedication to the Aggie community. #ucdavis by lindakatehi
(写真左がマルグリット)

マルグリットは元々、音楽や芸術の担当として1967年にロバート・モンダヴィに入社。そこでロバート・モンダヴィと恋に落ちて結婚しました。なお、ロバートの3人の子はいずれも前妻との間の子であり、マルグリットにも前の夫との間に3人の子がいます。

マルグリットは、現在も行われているロバート・モンダヴィ・ワイナリーでの夏のミュージック・フェスティバルなどを開催。ワイナリーにワインだけでなく、音楽や美術、また美食といったものとの結びつきをもたらしました。

米国においてワインが、単なる酒の一種ではなく、もっと文化的なものとなってくるのに彼女が果たした役割は大です。

ロバート・モンダヴィがワイナリーをコンステレーション・ブランズに売却後も、彼女は文化担当の副社長として残っていました。

ご冥福をお祈りします。
Date: 2016/0903 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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米国西海岸のピノノワールの専門誌、Pinot Reportのグレッグ・ウォルターが亡くなりました(Veteran Wine Journalist Greg Walter Dies at 58 | News | News & Features | Wine Spectator)。享年58歳。近年はガンと闘っていたそうです。

グレッグはWine Spectatorの初期からのメンバー。社長にまでなりましたが1994年に同誌を辞め、フリーランスのライターに転身しました。

2001年にPinot Reportを創刊。ピノノワールのブームに載って、注目されるメディアになりました。

月刊のPinot Report ですが、今年2月を最後に発行は止まっていたようです。

ご冥福をお祈りします。
グレッグ・ウォルター
写真はPinot Report のサイトからお借りしました。
Date: 2016/0902 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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Wine Advocate誌の最新号でロバート・パーカーがスポッツウッドのカベルネ・ソーヴィニヨンを、最初の1982年から最新の2014年までバーティカル・テイスティングした結果を載せています。

新たに満点を得たヴィンテージはありませんでしたが、2012年は99、2013年は99+と、2010年の100点に続いて、非常に高い評価を続けています。

また、難しい年であった2011年は2013年のレビューでは90点ですが、今回は94点と上方修正。50年持つワインではなさそうですが、20年は優に保つとしています。

日本に入荷している最新ヴィンテージは2012年のようですが、なかなか見つけるのは困難です。2011年であれば見つかりますが。

また、1997年のものは今回98点と非常に高い評価になっています(過去のレイティングでは93点)。これが2万円強で買えるのはかなりお買い得でしょう。

Date: 2016/0902 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアのワイナリーでも中国人の訪問者が急増しています。彼らに対してどのようにサービスを提供するのがいいのか、についてパネルディスカッションが開かれました(Tips for Welcoming Chinese Winery Visitors - Wines & Vines)。

中国人にとって重要なのは「関係」(グァンシー)であり、後から手紙やスモールギフトを送るなどの関係づくりが大事だとか、「面子」(ミアンジ)をとても気にするから、聞かれたことに対して「No」で答えるのは避けるべきといった、かなり実際的な内容が語られ、日本人が中国人ビジターを迎えるときにも参考になるところが随分あるように思いました。

また、面白かったのは、中国人に人気のワイナリーは15軒(ナパが13軒、ソノマが2軒)あるという話。

ちなみに、その15ワイナリーは以下のものです。

ナパ:エチュード、ヘス・コレクション、コングスガード、ドミナス、ハーラン・エステート、オーパス・ワン、ロバート・モンダヴィ、ハイツ・セラーズ、ベリンジャー、クロ・ペガス、ケイマス、スクリーミング・イーグル、スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ
ソノマ:キスラー、マーカッサン

さて、この15軒に共通するのは何だか分かりますか?



答えは『神の雫』に登場したワイナリーだということ。『神の雫』は日本を含むアジアで3億人以上が「ワインのバイブル」として読まれているとのことです。

ちなみにナパ・ヴァレー・ワイン・トレインが登場するのはこの巻です。


Date: 2016/0901 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Advocate の226号が発表されました。例年通りセントラルコーストがカバーされ、パソロブレスとサンタバーバラの記事が載っています。レビュアーはどちらもジェブ・ダナック。概ね、これまでと同様、という印象でしたが(まだ精査はしていません)、印象的だったのは復活するダイアトム(Diatom)に96点と、高い評価が付いていたこと。ダイアトムはアントニオ・ガッローニからはあまりいい評価を得ていなかったので、これは素直に嬉しいです。

また、今回おそらく初めて日本酒の記事が載り、約90本の日本酒がレビューされています。書いたのはアジア担当のLiwen Haoという人。上海生まれの中国人です。
初めての日本酒記事

一番高い評価だったのは98点。久須美酒造の純米大吟醸亀の翁三年貯蔵というお酒です。次が95点なので、ダントツの高評価と言ってもいいでしょう。