40年前のパリ・テイスティングで赤ワインの1位になったことで知られているスタッグス・リープ・ワイン・セラーズ(Stag's Leap Wine Cellars)が、トレジャリー・ワイン・エステートを商標侵害で提訴しまし(Courtwatch: Is The Stag Devaluing the Prestige of the Stags Leap ...)。
提訴の対象になったのは、新たに作ったThe Stagというブランド。ラベルがスタッグス・リープ・ワイン・セラーズやスタッグス・リープ・ディストリクトを侵害していると主張しています。
提訴の対象になったのは、新たに作ったThe Stagというブランド。ラベルがスタッグス・リープ・ワイン・セラーズやスタッグス・リープ・ディストリクトを侵害していると主張しています。
ナパの人気ワイナリーであるダックホーン(Duckhorn)がTSG Consumer Partnersという投資ファンド(正確にはプライベート・エクイティ・ファンド)に売却されました(Duckhorn Sold to Private Equity Group | Wine News & Features)。価格は明らかになっていませんが、Wine-searcherによると、ベリンジャー(15億ドル)やロバート・モンダヴィ(14億ドル)に匹敵するレベルになったようです。なお、デコイ(Decoy)やマイグレーション(Migration)などダックホーンの兄弟ブランドも一緒に売却されています。
これまでのダックホーンのオーナーもGI Partnersという投資ファンド。ですから売却益を得るのは当然のことであり、むしろよくここまで持っていたという見方もあるようです。2007年に創設者がGI Partnersに売却して以降、生産量は10万ケースから50万ケースに増えています。
売却後も従業員のレイオフなどはしないとのことで、ダックホーンにとってはいい買収になると思われます。
ただ、新しいオーナーも規模の拡大は望むでしょうから、そこをどう折り合っていくかは課題になりそうな気がします。
これまでのダックホーンのオーナーもGI Partnersという投資ファンド。ですから売却益を得るのは当然のことであり、むしろよくここまで持っていたという見方もあるようです。2007年に創設者がGI Partnersに売却して以降、生産量は10万ケースから50万ケースに増えています。
売却後も従業員のレイオフなどはしないとのことで、ダックホーンにとってはいい買収になると思われます。
ただ、新しいオーナーも規模の拡大は望むでしょうから、そこをどう折り合っていくかは課題になりそうな気がします。
Wine SpectatorやWine Enthusiastで評論家として活躍した、スティーブ・ハイモフ(Steve Heimoff)がワイン業界から引退することを発表しました(I just retired! | STEVE HEIMOFF| WINE BLOG)。
70歳になったスティーブ・ハイモフ。2014年からはジャクソン・ファミリー・ワインでワイン教育などに携わっていましたが、このほどその仕事を辞めました。
理由としては、金銭面で引退してもつつましく生きていけるメドがついたから。引退表明のブログによると、雑誌のライターの給料はかなり低かったようですが、ジャクソン・ファミリーの給料でなんとかそのメドがたったようです。
なお、人気のブログは今後も続けるとのこと。ただし、今後はワイン以外のこと、例えば政治についてなど、積極的に書きたいとしています。
実際、引退表明後のブログのほとんどは政治がらみ。それも基本的には共和党とドナルド・トランプをけなす方向に走っています。
個人的にはワインについての発信も続けてほしいと思いますが、今の暴走状態もまた面白くないともいえないです。
2016年春に紹介したワインですが再掲。レギュラーで入ってくるワインではなく、在庫発掘ものなので、ワイナリーの在庫がなくなってしまえば、終了です。過去の似たようなものの例だと1年程度でなくなることが多かったような(もちろんワイナリーの在庫によって変わる話ですが)。
ヴァレンタイン・ヴィンヤードはオーナーの死去によってワイナリーも廃業。そのセラーに残っていたワインを日本のインポーターが引き取ったものなので、コンディションはこれ以上ない状態。しかも超格安。15年近くの熟成を経たワインとしては破格の値段です。
レギュラーのカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー、そして単一ブロックもののカベルネ・ソーヴィニヨンの3種がありますが、特に評価が高いのはメルローのようです。
Wassy'sはAmazonでも販売しています。
ヴァレンタイン・ヴィンヤードはオーナーの死去によってワイナリーも廃業。そのセラーに残っていたワインを日本のインポーターが引き取ったものなので、コンディションはこれ以上ない状態。しかも超格安。15年近くの熟成を経たワインとしては破格の値段です。
レギュラーのカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー、そして単一ブロックもののカベルネ・ソーヴィニヨンの3種がありますが、特に評価が高いのはメルローのようです。
Wassy'sはAmazonでも販売しています。
2000年代に急速に人気が上がったカリフォルニアのピノ・ノワール。映画『サイドウェイ』の影響など、さまざまな要因がありますが、数多くの人気ワインメーカーが登場したことも、その要因の1つと言えるでしょう。
その中でも人気が高い一人がエド・カーツマン(Ed Kurtzman)。90年代にはテスタロッサのワインメーカーとして活躍し、2000年代にはサンタ・ルシア・ハイランズの3大人気畑(ピゾーニ、ゲイリーズ、ロゼラズ)のうちゲイリーズとロゼラズを擁するロアー(Roar)のワインメーカーや、オーガスト・ウエストのワインメーカーとして人気が高まりました。
彼が作るワインの魅力は、親しみやすく、品があること。ひれ伏すようなワインではなく、飲んで楽しくなるワインです。特にサンタ・ルシア・ハイランズのロゼラズのワインは畑の個性と彼の個性がマッチして、一番魅力的になっていると思います。
また、彼自身の人柄もワインと同様、親しみやすく、だれもが「いい人」と思います。
その人柄のためか、彼に教わった日本人のワインメーカーも二人います。一人はホワイトハウスの晩餐会で使われたフリーマンのアキコ・フリーマンさん。もう一人が桃井隆宏さん。桃井さんのアーサーセラーズのピノ・ノワールは、「日本で飲もう最高のワイン」というコンクールで、2015年はプラチナ、2016年はダブルプラチナ(評論家と消費者の両方でプラチナを得ること)に輝いています。
エド・カーツマンは現在はロアーを辞め、オーガスト・ウエストと自身のプライベート・ブランドであるサンドラーでワインを作っています。どちらもilovecalwineが輸入。
フリーマンのワインはワインインスタイルが輸入元となっています。
アーサーセラーズは自社のオンラインショッピングのみ。1本税込み4860円と、かなりお買い得な価格を付けています。
その中でも人気が高い一人がエド・カーツマン(Ed Kurtzman)。90年代にはテスタロッサのワインメーカーとして活躍し、2000年代にはサンタ・ルシア・ハイランズの3大人気畑(ピゾーニ、ゲイリーズ、ロゼラズ)のうちゲイリーズとロゼラズを擁するロアー(Roar)のワインメーカーや、オーガスト・ウエストのワインメーカーとして人気が高まりました。
彼が作るワインの魅力は、親しみやすく、品があること。ひれ伏すようなワインではなく、飲んで楽しくなるワインです。特にサンタ・ルシア・ハイランズのロゼラズのワインは畑の個性と彼の個性がマッチして、一番魅力的になっていると思います。
また、彼自身の人柄もワインと同様、親しみやすく、だれもが「いい人」と思います。
その人柄のためか、彼に教わった日本人のワインメーカーも二人います。一人はホワイトハウスの晩餐会で使われたフリーマンのアキコ・フリーマンさん。もう一人が桃井隆宏さん。桃井さんのアーサーセラーズのピノ・ノワールは、「日本で飲もう最高のワイン」というコンクールで、2015年はプラチナ、2016年はダブルプラチナ(評論家と消費者の両方でプラチナを得ること)に輝いています。
エド・カーツマンは現在はロアーを辞め、オーガスト・ウエストと自身のプライベート・ブランドであるサンドラーでワインを作っています。どちらもilovecalwineが輸入。
フリーマンのワインはワインインスタイルが輸入元となっています。
アーサーセラーズは自社のオンラインショッピングのみ。1本税込み4860円と、かなりお買い得な価格を付けています。
議論を呼んだサンタ・リタ・ヒルズAVAを拡張するかどうかについて、ようやく決着が着きました。TTB(アルコール・タバコ税貿易管理局)の結論は「拡張」でした(Sta. Rita Hills AVA Expansion Approved | Wine News & Features)。
AVAの拡張案がTTBに提出されたのは3年前(サンタ・リタ・ヒルズ拡大で論議)。これまでのボーダーよりわずか東に畑を持っているペンス・ランチ(Pence Ranch)のブレア・ペンス氏が申請しました。
これに対して、Sta. Rita Hills Winegrower Alliance(SRHWA)は反対。これまでのボーダーは西向き斜面によって決めていたのに対して、新たに提出された部分は南向け斜面だったからです。
ブレア・ペンス氏は、自身の畑に天候の測定装置を設置し、気温がむしろ低いことを測定してこれに対抗。TTBは2年前にパブリックコメントを求めていました(賛否渦巻くサンタ・リタ・ヒルズの拡大申請)。
今回、拡張が認められたことにより、サンタ・リタ・ヒルズは従来の33380エーカーから2296エーカー広くなります。新領域に含まれる畑はJohn Sebastiano Vineyards、Rio Vista Vineyard、Pence Ranch Vineyardの3つです。
サンタ・リタ・ヒルズAVAに入るかどうかで、ブドウ価格は1トンあたり1000ドルも変わるとのことで、これらの畑のオーナーにとっては朗報となりました。
これに対して、2001年に認められた元々のAVA申請を作成したクロ・ペペのワインメーカーであるウェス・ヘイガン(Wes Hagen)は、回答が出たのだから、それは受け入れ、2016年の収穫に集中したいと述べています。
AVAの拡張案がTTBに提出されたのは3年前(サンタ・リタ・ヒルズ拡大で論議)。これまでのボーダーよりわずか東に畑を持っているペンス・ランチ(Pence Ranch)のブレア・ペンス氏が申請しました。
これに対して、Sta. Rita Hills Winegrower Alliance(SRHWA)は反対。これまでのボーダーは西向き斜面によって決めていたのに対して、新たに提出された部分は南向け斜面だったからです。
ブレア・ペンス氏は、自身の畑に天候の測定装置を設置し、気温がむしろ低いことを測定してこれに対抗。TTBは2年前にパブリックコメントを求めていました(賛否渦巻くサンタ・リタ・ヒルズの拡大申請)。
今回、拡張が認められたことにより、サンタ・リタ・ヒルズは従来の33380エーカーから2296エーカー広くなります。新領域に含まれる畑はJohn Sebastiano Vineyards、Rio Vista Vineyard、Pence Ranch Vineyardの3つです。
サンタ・リタ・ヒルズAVAに入るかどうかで、ブドウ価格は1トンあたり1000ドルも変わるとのことで、これらの畑のオーナーにとっては朗報となりました。
これに対して、2001年に認められた元々のAVA申請を作成したクロ・ペペのワインメーカーであるウェス・ヘイガン(Wes Hagen)は、回答が出たのだから、それは受け入れ、2016年の収穫に集中したいと述べています。
米国でワインドリンカーの主流になったミレニアル世代では、缶入りのワインが広がりつつあるようです(How Wine in a Can and 'Brosé' Are Helping Marketers Appeal to Millennials)。
代表的なブランドの1つがManCan。ワインの中身はカリフォルニアのもので、赤と白、そして泡があります。缶はアルミ製ですが、中にコーティングがしてあり、直接ワインと金属は触れないようになっています。
特に、アウトドアやスポーツ観戦などに向けて売っているようです。容量は1つが375mlで、4本パックが16.99ドルと価格も安めです。
Underwoodも缶で人気のブランド。Union Wineというオレゴンのワイナリーが作るピノ・ノワールで、通常のガラス瓶も作りながら、缶にも力を入れています。こちらも容量は概ねハーフボトル。ワインをもっと気軽なものにしたいという狙いがあるようです。2014年に85115ケースだったのが2016年には173810ケースとほぼ倍増しています。
ミレニアル世代に人気が高いロゼを缶にしたものもあります。The Dropという名前で、こちらは250ml缶。4本で24.99ドルという定価です。ワインはカリフォルニア産。
個人的には缶よりペットボトル、あるいは小型のグラス型ボトルの方が普及するかと思っていましたが、缶が勢いづいている感じがあります。ペットボトルが日本ほど使われていないというのも関係あるのでしょうか。
ともあれ、いろいろなパッケージングが登場している米国は面白いですね。日本でももっといろいろ冒険するところが増えてほしいと思います。
代表的なブランドの1つがManCan。ワインの中身はカリフォルニアのもので、赤と白、そして泡があります。缶はアルミ製ですが、中にコーティングがしてあり、直接ワインと金属は触れないようになっています。
特に、アウトドアやスポーツ観戦などに向けて売っているようです。容量は1つが375mlで、4本パックが16.99ドルと価格も安めです。
Underwoodも缶で人気のブランド。Union Wineというオレゴンのワイナリーが作るピノ・ノワールで、通常のガラス瓶も作りながら、缶にも力を入れています。こちらも容量は概ねハーフボトル。ワインをもっと気軽なものにしたいという狙いがあるようです。2014年に85115ケースだったのが2016年には173810ケースとほぼ倍増しています。
ミレニアル世代に人気が高いロゼを缶にしたものもあります。The Dropという名前で、こちらは250ml缶。4本で24.99ドルという定価です。ワインはカリフォルニア産。
個人的には缶よりペットボトル、あるいは小型のグラス型ボトルの方が普及するかと思っていましたが、缶が勢いづいている感じがあります。ペットボトルが日本ほど使われていないというのも関係あるのでしょうか。
ともあれ、いろいろなパッケージングが登場している米国は面白いですね。日本でももっといろいろ冒険するところが増えてほしいと思います。
柳屋にポール・ラトーのピノ・ノワール「マチネー」の新ヴィンテージが入荷しています。ワイナリーでの値下げに最近の円高を反映して、前ヴィンテージの10500円から7980円(いずれも税抜き)と2000円以上安くなっています。
マチネーは、米国ではレストラン専用に作っているもの。早のみの作りにはなっていても、ブドウの畑は単一畑と変わりません。
2014年のヴィンテージはセントラル・コーストのピノ・ノワールにとっては良年と言われる2013年よりも、さらに良いことが期待できます。どうでしょうか。
マチネーは、米国ではレストラン専用に作っているもの。早のみの作りにはなっていても、ブドウの畑は単一畑と変わりません。
2014年のヴィンテージはセントラル・コーストのピノ・ノワールにとっては良年と言われる2013年よりも、さらに良いことが期待できます。どうでしょうか。
楽天市場のヴェリタスで周年祭をやっており、エントリーでオーパス・ワンのポイントが20倍、すなわち2割分付きます。6本買えば25倍。ただし、24日9時59分まで(21日からやっていたのですが、見逃していました)。
3万7000円(税抜き)の2割というと7400円分のポイント。今は税込み3万5000円を切るところはありませんから、かなりの安値です。
3万7000円(税抜き)の2割というと7400円分のポイント。今は税込み3万5000円を切るところはありませんから、かなりの安値です。
先日「オーガニックなカリフォルニアワインは統計的には有意においしいことが判明」という記事を公開しました。
この元になるUCLAの研究は、あくまで各誌の評価とオーガニックかどうかということを統計的に処理して、相関関係があるとしたもので、それ自体は、全く正しい結果なのだと思います。
ただし、これをもってオーガニックなワインだからおいしいと結論はできません。
前の記事ではそのあたりのニュアンスも含めて、あえてタイトルに「統計的には」と入れたのですが、説明足らずだったという反省もあります。
また、この記事を発端とした、さまざまな意見も読み、個人的にもあらためていろいろと考えさせられました。
というわけで、うまくまとまらないのですが、このことについてもう一度考えてみたいと思っています。
まず、元記事についてですが、統計はあくまで2つの事象に数学的に関連があるかどうかを見るだけであって、因果関係があるかどうかは別の問題です。
例えば、体重と年収の相関を調べたら、体重の重い人の方が年収が上という結果が出るかもしれません。しかし、これをもって体重を増やせば年収が上がるかというと、そういう結論は出せません。もしかしたら、加齢によって体重が増えることと、年が上の方が給料が上がることによってそういった相関が現れたのかもしれません。
オーガニックのワインについても、例えばオーガニックのワインの方が高価なものが多く、それで美味しいものが多いのかもしれません。
因果関係を言うためには、他の条件をそろえた上でオーガニックと従来農法のワインを作り、それを比べてどちらがいいのかを見ないといけず、統計だけで結論づけるのは危険です。
実は、元記事の後追い記事として、UCLAの論文をさらに調べてみたら、Wine Advocate誌の方がWine SpectatorやWine Enthusiastよりも点が高く、それをもって「Wine Advocateはカリフォルニアワインに甘い点を付ける」というものがありました。これなんかもまさに、統計にだまされているわけで、Wine Advocate誌の方がWine Spectatorよりもカバー範囲が狭く、ハイエンドのワインに偏っていることが、その原因になっている可能性が大です。本当にWine Advocate誌の方が高い点を付けているかどうかは、同じ対象ワインで調べないと意味がありません。
では、それはそれとして、オーガニックなワインは本当においしいのでしょうか。
カリフォルニアではオーガニックにマイナスのイメージがあるという記事も以前ありました(ナパのワイナリーが「有機栽培」や「ビオディナミ」といった言葉を避ける理由)。
ただ単に、農薬を減らしたり、酸化防止剤の使用を減らしたりするだけなら、ブドウの品質やワインの品質は下がりこそすれ、上がることはないでしょう。
逆に言うと、現在オーガニックでブドウを作っているところは、お金も手間もかけているはずです。また、ブドウの収量はおそらく減りますから、ワイン1本あたりのコストはさらに上がる可能性が高いです。
結果として、ワインの値段も上がる可能性が高いでしょう。それでもオーガニックにするメリットがあると判断したワイナリーだけがオーガニックにしていると考えることもできるでしょう。
したがって、現在オーガニックだとして売られているカリフォルニアワインは、品質的にいいものが中心になっており、消費者としては品質判断のポイントにしてもいいのかもしれません。
逆に、オーガニックであまりに安いワインは、安かろう悪かろうになっている可能性が高いので、あまり手を出さない方が良さそうな気がします(おそらくそういったものは地元消費がほとんどで日本には入ってきていませんが)。
つまり、オーガニックだから美味しいワインができるのではなく、現状オーガニックでワインを作っているところの多くは、手間暇かけている高級ワインが中心であろう、だから品質もいいものが多いと判断しても良さそうだ、というのが私の考えです。
蛇足で付け加えるならば、逆にオーガニックでないからダメだということは全くありません。環境的な要因でオーガニックな栽培が難しいというケースも多々あるでしょう。例えば近隣にブドウの病気が発生したら、薬でその蔓延を防ぐという方が、無農薬に固執するよりも健全な判断だと思います。オーガニック至上論には陥らないことをおすすめしたいと思います。
この元になるUCLAの研究は、あくまで各誌の評価とオーガニックかどうかということを統計的に処理して、相関関係があるとしたもので、それ自体は、全く正しい結果なのだと思います。
ただし、これをもってオーガニックなワインだからおいしいと結論はできません。
前の記事ではそのあたりのニュアンスも含めて、あえてタイトルに「統計的には」と入れたのですが、説明足らずだったという反省もあります。
また、この記事を発端とした、さまざまな意見も読み、個人的にもあらためていろいろと考えさせられました。
というわけで、うまくまとまらないのですが、このことについてもう一度考えてみたいと思っています。
まず、元記事についてですが、統計はあくまで2つの事象に数学的に関連があるかどうかを見るだけであって、因果関係があるかどうかは別の問題です。
例えば、体重と年収の相関を調べたら、体重の重い人の方が年収が上という結果が出るかもしれません。しかし、これをもって体重を増やせば年収が上がるかというと、そういう結論は出せません。もしかしたら、加齢によって体重が増えることと、年が上の方が給料が上がることによってそういった相関が現れたのかもしれません。
オーガニックのワインについても、例えばオーガニックのワインの方が高価なものが多く、それで美味しいものが多いのかもしれません。
因果関係を言うためには、他の条件をそろえた上でオーガニックと従来農法のワインを作り、それを比べてどちらがいいのかを見ないといけず、統計だけで結論づけるのは危険です。
実は、元記事の後追い記事として、UCLAの論文をさらに調べてみたら、Wine Advocate誌の方がWine SpectatorやWine Enthusiastよりも点が高く、それをもって「Wine Advocateはカリフォルニアワインに甘い点を付ける」というものがありました。これなんかもまさに、統計にだまされているわけで、Wine Advocate誌の方がWine Spectatorよりもカバー範囲が狭く、ハイエンドのワインに偏っていることが、その原因になっている可能性が大です。本当にWine Advocate誌の方が高い点を付けているかどうかは、同じ対象ワインで調べないと意味がありません。
では、それはそれとして、オーガニックなワインは本当においしいのでしょうか。
カリフォルニアではオーガニックにマイナスのイメージがあるという記事も以前ありました(ナパのワイナリーが「有機栽培」や「ビオディナミ」といった言葉を避ける理由)。
ただ単に、農薬を減らしたり、酸化防止剤の使用を減らしたりするだけなら、ブドウの品質やワインの品質は下がりこそすれ、上がることはないでしょう。
逆に言うと、現在オーガニックでブドウを作っているところは、お金も手間もかけているはずです。また、ブドウの収量はおそらく減りますから、ワイン1本あたりのコストはさらに上がる可能性が高いです。
結果として、ワインの値段も上がる可能性が高いでしょう。それでもオーガニックにするメリットがあると判断したワイナリーだけがオーガニックにしていると考えることもできるでしょう。
したがって、現在オーガニックだとして売られているカリフォルニアワインは、品質的にいいものが中心になっており、消費者としては品質判断のポイントにしてもいいのかもしれません。
逆に、オーガニックであまりに安いワインは、安かろう悪かろうになっている可能性が高いので、あまり手を出さない方が良さそうな気がします(おそらくそういったものは地元消費がほとんどで日本には入ってきていませんが)。
つまり、オーガニックだから美味しいワインができるのではなく、現状オーガニックでワインを作っているところの多くは、手間暇かけている高級ワインが中心であろう、だから品質もいいものが多いと判断しても良さそうだ、というのが私の考えです。
蛇足で付け加えるならば、逆にオーガニックでないからダメだということは全くありません。環境的な要因でオーガニックな栽培が難しいというケースも多々あるでしょう。例えば近隣にブドウの病気が発生したら、薬でその蔓延を防ぐという方が、無農薬に固執するよりも健全な判断だと思います。オーガニック至上論には陥らないことをおすすめしたいと思います。
ナパで今、最も高く評価されているワイナリーの1つがシュレーダー(Schrader)。Wine Advocate誌で100点を取ったワインがなんと14本。Sine Qua Nonの12本、ハーラン+ボンドの10本を超えて、カリフォルニアのワイナリーとしては最多の満点をほこります。
そのシュレーダーがソノマ・コーストで手掛けるのがボアーズ・ビュー(Boars' View)。イノシシのワイナリー名に、イノシシの顔をかたどったラベルはどう考えても、近隣の巨人マーカッサンを意識しているとしか思えません。
2013年のピノ・ノワールの評価で見ると、Marcassinの94+に対してBoars' Viewは95点。すでに超えたとは言わなくても、ライバルと呼んでもいいのかもしれません。
ただし、価格もマーカッサン並みに高いです。
ところでBoars' Viewのワインメーカーはシュレーダーと同じくトーマス・リバース・ブラウン。畑のマネージャーはユリシス・ヴァルデス。ユリシス・ヴァルデスは、「ソノマのデイビッド・エイブリュー」と呼ばれるほどの才人。海に近い過酷な環境のBoars' Viewの開発は、この人なしでは不可能だったと言われています。
トーマス・リバース・ブラウンとユリシス・ヴァルデスの組み合わせということだと、リバース・マリーのシルバー・イーグルというピノ・ノワールも該当します。こちらだと価格も1万円台ですが、入手はなかなか困難です。
ついでにもう1つ紹介すると、ユリシス・ヴァルデスの頭文字UVを取った畑のブドウを使っているのが、もう一人の超大物オーベール(Aubert)。彼もユリシス・ヴァルデスの才能に惚れ込んでいる一人です。ほかにもポール・ホブスなど、超大物ばかりに気に入られているのですから、ユリシス・ヴァルデス恐るべしです(彼については「Grower Profile – Ulises Valdez (Sep 2015) | Vinous - Explore All Things Wine」が詳しいです)。
そのシュレーダーがソノマ・コーストで手掛けるのがボアーズ・ビュー(Boars' View)。イノシシのワイナリー名に、イノシシの顔をかたどったラベルはどう考えても、近隣の巨人マーカッサンを意識しているとしか思えません。
2013年のピノ・ノワールの評価で見ると、Marcassinの94+に対してBoars' Viewは95点。すでに超えたとは言わなくても、ライバルと呼んでもいいのかもしれません。
ただし、価格もマーカッサン並みに高いです。
ところでBoars' Viewのワインメーカーはシュレーダーと同じくトーマス・リバース・ブラウン。畑のマネージャーはユリシス・ヴァルデス。ユリシス・ヴァルデスは、「ソノマのデイビッド・エイブリュー」と呼ばれるほどの才人。海に近い過酷な環境のBoars' Viewの開発は、この人なしでは不可能だったと言われています。
トーマス・リバース・ブラウンとユリシス・ヴァルデスの組み合わせということだと、リバース・マリーのシルバー・イーグルというピノ・ノワールも該当します。こちらだと価格も1万円台ですが、入手はなかなか困難です。
ついでにもう1つ紹介すると、ユリシス・ヴァルデスの頭文字UVを取った畑のブドウを使っているのが、もう一人の超大物オーベール(Aubert)。彼もユリシス・ヴァルデスの才能に惚れ込んでいる一人です。ほかにもポール・ホブスなど、超大物ばかりに気に入られているのですから、ユリシス・ヴァルデス恐るべしです(彼については「Grower Profile – Ulises Valdez (Sep 2015) | Vinous - Explore All Things Wine」が詳しいです)。
ナパのヨントヴィルでWines & Vinesによるパッケージング・カンファレンスが開かれました。講演の1つで、マイケル・デイビッド・ワイナリーが自社の急成長の秘密について、ラベルやボトルデザインを中心に語った内容が記事になっています(How Michael David Winery Turbocharged Its Brands)。
参考:マイケル・デイビッド関連の過去記事は
パーカー一押しマイケル・デイビッドのマイナー品種ワイン
ロバート・パーカー、中間号でマイケル・デイビッドを高評価
ワイン・エンシュージアストの年間トップ100発表、2位は驚きの18ドルワイン
まず、ここを有名にした「7デッドリージン」(7 deadly zins)ですが、2002年にわずか700ケース(ヴィンテージは2000年)で始めたものが、2004年にはホット・ブランドに選ばれ、10年間で25万ケースに達しました。
その後、売上は一回横ばいになったものの、リブランディングによって2015年には16%の成長を果たし、今年「インパクト・ホット・ブランド」に選ばれています。なお、ジンファンデルとしては全米で一番売上のあるブランドだとのこと。
さて、それ以外にもさまざまなブランドを作りヒットを飛ばした同社ですが、ブランドの認知は進んだものの、ワイナリーとしての認知度が上がっていないという問題に直面します。そこで、2009年にワイナリーのロゴを作り、ワイナリー名もそれまでのMichael and David PhillipsからMichael David Winery(略してMDW)に変更しました。
シャルドネは「7 Heavenly Chards」というブランドで売り込みを図りましたが、うまくいかず、結局はトラディショナルなボトルやラベルの方が好ましいということになり、新たに「マイケル・デイビッド」ブランドを作りました。
また、ジンファンデルでは、高級ラインへの拡張を目指し、Gluttony、Lust、Slothというリザーブものを作っています。
これらの名前は7デッドリージンという名称がキリスト教の「七つの大罪」(7 deadly sins)をもじったものであることから、これら大罪の名前を取っています。
Gluttonyは暴食の意味で、アマドール郡のブドウから、ファットなスタイルのジンファンデルを、Lustは肉欲の意味で、地元ロウダイのブドウで「最もセクシエスト」なワインだとのこと。Slothは怠惰で、ヒッピーのカルチャーが残るメンドシーノのブドウを使ったものです。
また、前述の7デッドリージンのリブランディングでは、ボトルのデザインを、背が高く、肩が張ったものにして、ワイナリーの名前を刻印し、ラベルにワイナリーロゴを加えました。
元記事には他のワインについても書かれていますので、興味ある方はご覧になってください。
参考:マイケル・デイビッド関連の過去記事は
パーカー一押しマイケル・デイビッドのマイナー品種ワイン
ロバート・パーカー、中間号でマイケル・デイビッドを高評価
ワイン・エンシュージアストの年間トップ100発表、2位は驚きの18ドルワイン
まず、ここを有名にした「7デッドリージン」(7 deadly zins)ですが、2002年にわずか700ケース(ヴィンテージは2000年)で始めたものが、2004年にはホット・ブランドに選ばれ、10年間で25万ケースに達しました。
その後、売上は一回横ばいになったものの、リブランディングによって2015年には16%の成長を果たし、今年「インパクト・ホット・ブランド」に選ばれています。なお、ジンファンデルとしては全米で一番売上のあるブランドだとのこと。
さて、それ以外にもさまざまなブランドを作りヒットを飛ばした同社ですが、ブランドの認知は進んだものの、ワイナリーとしての認知度が上がっていないという問題に直面します。そこで、2009年にワイナリーのロゴを作り、ワイナリー名もそれまでのMichael and David PhillipsからMichael David Winery(略してMDW)に変更しました。
シャルドネは「7 Heavenly Chards」というブランドで売り込みを図りましたが、うまくいかず、結局はトラディショナルなボトルやラベルの方が好ましいということになり、新たに「マイケル・デイビッド」ブランドを作りました。
また、ジンファンデルでは、高級ラインへの拡張を目指し、Gluttony、Lust、Slothというリザーブものを作っています。
これらの名前は7デッドリージンという名称がキリスト教の「七つの大罪」(7 deadly sins)をもじったものであることから、これら大罪の名前を取っています。
Gluttonyは暴食の意味で、アマドール郡のブドウから、ファットなスタイルのジンファンデルを、Lustは肉欲の意味で、地元ロウダイのブドウで「最もセクシエスト」なワインだとのこと。Slothは怠惰で、ヒッピーのカルチャーが残るメンドシーノのブドウを使ったものです。
また、前述の7デッドリージンのリブランディングでは、ボトルのデザインを、背が高く、肩が張ったものにして、ワイナリーの名前を刻印し、ラベルにワイナリーロゴを加えました。
元記事には他のワインについても書かれていますので、興味ある方はご覧になってください。
カリフォルニアワイン・インスティテュートがロンドンのオフィスを閉鎖するというニュースについて、ワイン・インスティテュート側からのコメントが公表されました(Wine Institute Makes Changes to Export Program in UK and Asia)。
それによると、英国の現在の駐在員との契約はなくなるものの、別のエイジェンシーと契約することで、英国でのプロモーションは続けていくとのこと。毎年春に開催していた「Go West」という試飲会はなくなり、代わりに9月にカリフォルニアのワイナリーの欧州ツアーの一貫としてロンドンで試飲会を開くとのことです。
また、アジアは新しい中国のオフィスで、日本を除く東南アジア全域をカバーし、日本はこれまで通りとなっています。
あくまで想像ですが、これまでの英国代表とワイン・インスティテュートとの間で何か問題があったのかもしれないですね。英国から手を引くというよりも、この代表との契約を切りたいということだったように思いました。
何はともあれ、日本オフィスが安泰なのはほっとしました。
それによると、英国の現在の駐在員との契約はなくなるものの、別のエイジェンシーと契約することで、英国でのプロモーションは続けていくとのこと。毎年春に開催していた「Go West」という試飲会はなくなり、代わりに9月にカリフォルニアのワイナリーの欧州ツアーの一貫としてロンドンで試飲会を開くとのことです。
また、アジアは新しい中国のオフィスで、日本を除く東南アジア全域をカバーし、日本はこれまで通りとなっています。
あくまで想像ですが、これまでの英国代表とワイン・インスティテュートとの間で何か問題があったのかもしれないですね。英国から手を引くというよりも、この代表との契約を切りたいということだったように思いました。
何はともあれ、日本オフィスが安泰なのはほっとしました。
ワイン・インスティテュート・オブ・カリフォルニアの英国駐在がなくなるというニュースを書きましたが、日本の状況が不明だったので、日本代表の堀賢一さんに問い合わせました。
とのことで、とりあえず連鎖反応的に影響が出ることはなさそうです。
日本は大丈夫ですよ。ご心配、ありがとうございます。
とのことで、とりあえず連鎖反応的に影響が出ることはなさそうです。
ワイン・インスティテュート・オブ・カリフォルニアが2016年9月30日でロンドンのオフィスを閉鎖すると発表しました。米国農務省からの補助金が大幅にカットされたというのが理由で、英国の駐在員にとっては寝耳に水の発表だったようです(CALIFORNIA WINE INSTITUTE TO CLOSE UK OFFICE)。
英国代表のジョン・マクラーレンによると、英国でのカリフォルニア・ワインの売上は順調で、特に10ポンドを超える価格帯のワインはよく伸びていたとのこと。しかし、ワイン・インスティテュートは成熟市場よりもおれから成長する可能性がある市場により力を入れていくとのことで英国駐在をなくすことにしたそうです。
なお、英国はカリフォルニアワインの輸出先としては最大規模です。
日本もカリフォルニアワインの輸出先としては大国ですが、どちらかといえば成熟市場。同じような判断が下されないか非常に心配です。
カリフォルニアワインは日本市場における存在感としては、むしろ弱くなっており、近年は特に台頭するチリに比較的低価格の領域を譲っています。まだまだ日本市場でやるべきことはたくさんあると思うので、日本でのバジェットカットがないことを望みます。
英国代表のジョン・マクラーレンによると、英国でのカリフォルニア・ワインの売上は順調で、特に10ポンドを超える価格帯のワインはよく伸びていたとのこと。しかし、ワイン・インスティテュートは成熟市場よりもおれから成長する可能性がある市場により力を入れていくとのことで英国駐在をなくすことにしたそうです。
なお、英国はカリフォルニアワインの輸出先としては最大規模です。
日本もカリフォルニアワインの輸出先としては大国ですが、どちらかといえば成熟市場。同じような判断が下されないか非常に心配です。
カリフォルニアワインは日本市場における存在感としては、むしろ弱くなっており、近年は特に台頭するチリに比較的低価格の領域を譲っています。まだまだ日本市場でやるべきことはたくさんあると思うので、日本でのバジェットカットがないことを望みます。
ブロック・セラーズ(Broc Cellars)はサンフランシスコの対岸バークレーにあるワイナリー。2002年の設立で、特にマイナー品種を使ったワインに力を入れています。ブドウは全部契約した農家から購入していますが、有機栽培やビオディナミを採用しているところがほとんど。畑の地域や品種にこだわらず、ユニークなワインを創っています。
例えばSOGIという赤ワインはピノ・ノワールとガメイ・ノワールのブレンド。ガメイ・ノワールはサンタバーバラのロス・アラモス地域から仕入れています。CARBONIC CARIGNANはカリニャンですが、畑はアレキサンダー・ヴァレーの120年以上の樹齢のもの。COUNOISEという聞いたことがない品種のワインはナパのマヤカマス・マウンテンの畑からのブドウを使っています。
作っているワインや方法論は異なりますが、精神的にはモーガン・トゥエイン・ピーターソンのベッドロックに通じるところがあるように思います。
ここのロゼがワイナリー和泉屋に入荷していますが、このワインもかなりユニーク。Valdiguieという品種が70%で、25%がGrenache Gris、5%がジンファンデル。気軽に飲めるワインを目指しているようです。生産量はわずか220ケースでワイナリーでは完売しています。
名称は「ラブ・ロゼ」で、ラベルにはハートマークもあしらわれています。結婚記念日などにプレゼントするのもいいかもしれません。
同時に、ラブ・ホワイト、ラブ・レッドも販売しています。
例えばSOGIという赤ワインはピノ・ノワールとガメイ・ノワールのブレンド。ガメイ・ノワールはサンタバーバラのロス・アラモス地域から仕入れています。CARBONIC CARIGNANはカリニャンですが、畑はアレキサンダー・ヴァレーの120年以上の樹齢のもの。COUNOISEという聞いたことがない品種のワインはナパのマヤカマス・マウンテンの畑からのブドウを使っています。
作っているワインや方法論は異なりますが、精神的にはモーガン・トゥエイン・ピーターソンのベッドロックに通じるところがあるように思います。
ここのロゼがワイナリー和泉屋に入荷していますが、このワインもかなりユニーク。Valdiguieという品種が70%で、25%がGrenache Gris、5%がジンファンデル。気軽に飲めるワインを目指しているようです。生産量はわずか220ケースでワイナリーでは完売しています。
名称は「ラブ・ロゼ」で、ラベルにはハートマークもあしらわれています。結婚記念日などにプレゼントするのもいいかもしれません。
同時に、ラブ・ホワイト、ラブ・レッドも販売しています。
故ロバート・モンダヴィの長男マイケルの家族が営むマイケル・モンダヴィ・ファミリー・エステート。そこの「エンブレム」ブランドのカベルネ・ソーヴィニヨンが柳屋のお盆セール第3弾になっています。
マイケル・モンダヴィ・ファミリー・エステートについては先日の「【保存版】モンダヴィ・ファミリーの系譜」を御覧ください。
エンブレムはマイケルの息子のロバートJr.が中心になって作っており、ハウエル・マウンテン近くの自社畑「Oso」のブドウを使ったワインと、より安価な購入ブドウによるナパ・ヴァレー・カベルネ・ソーヴィニヨンがあります。
今回セールにあんっているのは安価なナパ・ヴァレーのもの。2013年は好ヴィンテージだけあって、安価なものでも高品質なワインがよくあります。これもその1つといっていいでしょう。Wine Advocateでは90点、ジェームズ・サックリングは92点を付けています。
ただし、評価の高さと値段の安さという点では、先日紹介したクロ・デュ・ヴァルのカベルネの方が上を行っています。ジェームズ・サックリングは同じ92点ですが、ヴィナスの95+というのはかなりすごい評価です。価格もこちらの方が1000円くらい安いです。
というわけで、本サイトとしては、こちらを一押しとさせていただきます。
マイケル・モンダヴィ・ファミリー・エステートについては先日の「【保存版】モンダヴィ・ファミリーの系譜」を御覧ください。
エンブレムはマイケルの息子のロバートJr.が中心になって作っており、ハウエル・マウンテン近くの自社畑「Oso」のブドウを使ったワインと、より安価な購入ブドウによるナパ・ヴァレー・カベルネ・ソーヴィニヨンがあります。
今回セールにあんっているのは安価なナパ・ヴァレーのもの。2013年は好ヴィンテージだけあって、安価なものでも高品質なワインがよくあります。これもその1つといっていいでしょう。Wine Advocateでは90点、ジェームズ・サックリングは92点を付けています。
ただし、評価の高さと値段の安さという点では、先日紹介したクロ・デュ・ヴァルのカベルネの方が上を行っています。ジェームズ・サックリングは同じ92点ですが、ヴィナスの95+というのはかなりすごい評価です。価格もこちらの方が1000円くらい安いです。
というわけで、本サイトとしては、こちらを一押しとさせていただきます。
ネイキッドワイン(Naked Wines)というユニークなワイナリーがあります。何がユニークかというと、クラウドファウンディングをビジネスモデルにしているのです(The story of Naked Wines | TechCrunch)。
クラウドファウンディングについては、これまで何回か取り上げていますが、改めて説明すると「不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指す、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語である」と定義されています。
ワイン関連でもこれまでいくつかクラウドファウンディングの試みがあります。本ブログでは以下の様なものを紹介しています。
クラウドファウンディングでテイスティング・ルームを作ろうと試みるソノマのワイナリー
ワイン専用のクラウドファウンディングが登場
ワインを30日間フレッシュに保つ、世にも奇妙な無線LAN対応ワインボトル
1万種の品種を作るランドール・グラームの壮大なプロジェクト、クラウド・ファンディングで出資者募集中、あなたの名前がブドウに付けられる
ネイキッドワインはこの中だと「ワイン専用のクラウドファウンディングが登場」で紹介したCruzuに一番似ています。特に、ワインメーカーが複数いて、さまざまなワイン作りのプロジェクトを持っているという点は共通しています。
ただ、ビジネスモデルとしてはネイキッドワインの方が、より継続的にビジネスを続けられるよう工夫されています。
ネイキッドワインではユーザーは「エンジェル」として、毎月40ドルの会費を払います。現在7万5000人のエンジェルがいるとのことですから、毎月300万ドル(約3億円)の収入があるわけです。
これを原資として、ネイキッドワインは、ワインメーカーが提案するさまざまなワイン作りのプロジェクトに出資します。どのプロジェクトを進め、どのプロジェクトをやめるかは会社が決定します。プロジェクトごとにユーザーが出資を決めるCruzuとはここも大きく異なります。
ワインメーカーは会社が出すお金や設備を使ってワインを作ります。しかし、作ったワインを宣伝したり売ったりすることには責任を持ちません。このため、世界のさまざまな地域のカベルネ・ソーヴィニヨンを使ったカベルネ・ブレンドだったり、「Vermentino」というブドウ品種に魅せられたワインメーカーのプロジェクトといったユニークなプロジェクトが実施されています。
一方、出資したエンジェルは、ワインを定価の40~60%割引で購入できたり、毎月ギフトボトルが送られてくるなどのメリットがあります。
ネイキッドワインはこのほか「Wine Bond」という形の出資も受けました。これもユーザーが出資するもので、1年後にキャッシュであれば7%、ワインの購入であれば10%の利子がつきます。2013年に開始して1カ月で650万ドルを集めました。
日本のワインでも、同じような挑戦はできるのではないかという気もするのですが、どうでしょうか。
クラウドファウンディングについては、これまで何回か取り上げていますが、改めて説明すると「不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指す、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語である」と定義されています。
ワイン関連でもこれまでいくつかクラウドファウンディングの試みがあります。本ブログでは以下の様なものを紹介しています。
クラウドファウンディングでテイスティング・ルームを作ろうと試みるソノマのワイナリー
ワイン専用のクラウドファウンディングが登場
ワインを30日間フレッシュに保つ、世にも奇妙な無線LAN対応ワインボトル
1万種の品種を作るランドール・グラームの壮大なプロジェクト、クラウド・ファンディングで出資者募集中、あなたの名前がブドウに付けられる
ネイキッドワインはこの中だと「ワイン専用のクラウドファウンディングが登場」で紹介したCruzuに一番似ています。特に、ワインメーカーが複数いて、さまざまなワイン作りのプロジェクトを持っているという点は共通しています。
ただ、ビジネスモデルとしてはネイキッドワインの方が、より継続的にビジネスを続けられるよう工夫されています。
ネイキッドワインではユーザーは「エンジェル」として、毎月40ドルの会費を払います。現在7万5000人のエンジェルがいるとのことですから、毎月300万ドル(約3億円)の収入があるわけです。
これを原資として、ネイキッドワインは、ワインメーカーが提案するさまざまなワイン作りのプロジェクトに出資します。どのプロジェクトを進め、どのプロジェクトをやめるかは会社が決定します。プロジェクトごとにユーザーが出資を決めるCruzuとはここも大きく異なります。
ワインメーカーは会社が出すお金や設備を使ってワインを作ります。しかし、作ったワインを宣伝したり売ったりすることには責任を持ちません。このため、世界のさまざまな地域のカベルネ・ソーヴィニヨンを使ったカベルネ・ブレンドだったり、「Vermentino」というブドウ品種に魅せられたワインメーカーのプロジェクトといったユニークなプロジェクトが実施されています。
一方、出資したエンジェルは、ワインを定価の40~60%割引で購入できたり、毎月ギフトボトルが送られてくるなどのメリットがあります。
ネイキッドワインはこのほか「Wine Bond」という形の出資も受けました。これもユーザーが出資するもので、1年後にキャッシュであれば7%、ワインの購入であれば10%の利子がつきます。2013年に開始して1カ月で650万ドルを集めました。
日本のワインでも、同じような挑戦はできるのではないかという気もするのですが、どうでしょうか。
昨日紹介したドミナスのナパヌックは毎年安定して高得点を取っていますが、2013年限定で95+点、しかもナパのカベルネで4000円台というのを見つけました。
ワイナリーはどこかというとクロ・デュ・ヴァル。ナパでも老舗のワイナリーの1つです。ここの一番スタンダードなカベルネ・ソーヴィニヨン2013にヴィナスのアントニオ・ガッローニが95点を付けています。スタッグス・リープ・ディストリクトなど、上級のではないかとよく見ましたが、やはりスタンダードなカベルネの得点です。
ちなみに著名評論家のジェームズ・サックリングは同ワインに92点を付けています。
ショップによっては5000円台ですが、それでも十分にお買い得でしょう。
ワイナリーはどこかというとクロ・デュ・ヴァル。ナパでも老舗のワイナリーの1つです。ここの一番スタンダードなカベルネ・ソーヴィニヨン2013にヴィナスのアントニオ・ガッローニが95点を付けています。スタッグス・リープ・ディストリクトなど、上級のではないかとよく見ましたが、やはりスタンダードなカベルネの得点です。
ちなみに著名評論家のジェームズ・サックリングは同ワインに92点を付けています。
ショップによっては5000円台ですが、それでも十分にお買い得でしょう。
ドミナスのセカンドワイン「ナパヌック」のラベル・デザインが2012年から変更になっています。
従来は文字が色付きで入っていましたが、このヴィンテージからはモノクロームに。17回目のヴィンテージで、ワインが成熟し、品格を持っていることをより表現しようとしています。
実際、セカンドワインとはいうものの、ナパヌックは非常に高い評価を得ています。Wine Advocate誌では2002年以降、評価のなかった2011年を除き毎年90点以上。2008年以降で見ると2010年を除いて93点という高評価です。
アントニオ・ガッローニのヴィナスでも2012年が94点、2013年が95点。なお、ファーストのドミナスは2012年が98点で2013年が100点。2013年はWine Advocateともども100点となっています。
ナパヌックの価格は現在8000円前後。以前よりは上がりましたが、評価の安定した高さを考えれば、むしろ安いくらいでしょう。ナパの同価格帯のワインの中でもトップクラスの1つと言えると思います。
個人的にはこの倍の価格をオーパス・ワンのセカンドワインに使うのなら、こっちの方がずっといいのではないかと思います。
従来は文字が色付きで入っていましたが、このヴィンテージからはモノクロームに。17回目のヴィンテージで、ワインが成熟し、品格を持っていることをより表現しようとしています。
実際、セカンドワインとはいうものの、ナパヌックは非常に高い評価を得ています。Wine Advocate誌では2002年以降、評価のなかった2011年を除き毎年90点以上。2008年以降で見ると2010年を除いて93点という高評価です。
アントニオ・ガッローニのヴィナスでも2012年が94点、2013年が95点。なお、ファーストのドミナスは2012年が98点で2013年が100点。2013年はWine Advocateともども100点となっています。
ナパヌックの価格は現在8000円前後。以前よりは上がりましたが、評価の安定した高さを考えれば、むしろ安いくらいでしょう。ナパの同価格帯のワインの中でもトップクラスの1つと言えると思います。
個人的にはこの倍の価格をオーパス・ワンのセカンドワインに使うのなら、こっちの方がずっといいのではないかと思います。
●ドミナス ナパヌック[2012] Dominus Napanook[2012]△ |
【ドミナス】ナパヌック[2012](赤ワイン)[750ml][アメリカ][カリフォルニア][ナパ・ヴァレー][フルボディ][辛口] |
バークレーのワインショップ「プルミエ・クリュ」が出資金詐欺(ポンジ・スキーム)として、操作されていた事件の公判が開かれ、オーナーが有罪を認めました(Premier Cru owner spent $900K on dates met online | Berkeleyside)。
オーナーのジョン・フォックスは2010年以降、500万ドルを家屋の購入や娘の学費、ゴルフの会員権、高級車の購入などに使っていました。また90万ドル以上を「オンラインで会った女性達に」使ったことも認めました。
フォックスが使い込みを始めたのは1993年か1994年ころから。「プルミエ・クリュ」はボルドーのプリムールなどの販売で人気があり、顧客から事前に集金して、数年後にワインを送る形を取っていました。フォックスはオーダーされたワインを全部は発注せず、使い込みに回していました。
最長で6年半の懲役、また4500万ドルの返却を求められています。
ショップにはまだ7万9000本のワインがあり、今月販売される予定。320万ドルの売上を見込んでいます。
オーナーのジョン・フォックスは2010年以降、500万ドルを家屋の購入や娘の学費、ゴルフの会員権、高級車の購入などに使っていました。また90万ドル以上を「オンラインで会った女性達に」使ったことも認めました。
フォックスが使い込みを始めたのは1993年か1994年ころから。「プルミエ・クリュ」はボルドーのプリムールなどの販売で人気があり、顧客から事前に集金して、数年後にワインを送る形を取っていました。フォックスはオーダーされたワインを全部は発注せず、使い込みに回していました。
最長で6年半の懲役、また4500万ドルの返却を求められています。
ショップにはまだ7万9000本のワインがあり、今月販売される予定。320万ドルの売上を見込んでいます。
柳屋でお盆セールが始まっています。
第一弾は人気のフランシスカン・カベルネ・ソーヴィニヨン。税抜き価格ですが1980円というのは相当の格安。楽店の他店より500円近く安いし、Wine-Searcherで見る米国の最安と比べても遜色ありません。さらに6本購入で送料無料になります(5本以下の場合、お店取り置きなら送料かかりません)。
第二弾はソノマ・コーストのシャルドネが1980円(税抜き)。2010年ヴィンテージのものがワイナリーで在庫化していたものをインポーターが引き取って実現した価格です。作っているのはZilzie Winesというオーストラリアのワイナリーで、このヴィンテージだけソノマでシャルドネとピノ・ノワールを作ったものだとのことです。
第一弾は人気のフランシスカン・カベルネ・ソーヴィニヨン。税抜き価格ですが1980円というのは相当の格安。楽店の他店より500円近く安いし、Wine-Searcherで見る米国の最安と比べても遜色ありません。さらに6本購入で送料無料になります(5本以下の場合、お店取り置きなら送料かかりません)。
第二弾はソノマ・コーストのシャルドネが1980円(税抜き)。2010年ヴィンテージのものがワイナリーで在庫化していたものをインポーターが引き取って実現した価格です。作っているのはZilzie Winesというオーストラリアのワイナリーで、このヴィンテージだけソノマでシャルドネとピノ・ノワールを作ったものだとのことです。
先日はコスタ・ブラウンがアンダーソン・ヴァレーのセリース(セリーズ、Cerise)の畑を買収したというニュースがありましたが、ほかにも畑の買収のニュースが相次いでいます。
ソノマのロシアン・リバー・ヴァレーにあるウィリアムズ・セリエム(Williams Selyem)はロシアン・リバー・ヴァレーのSaitone(セイトーン?)の畑を買収しました(Williams Selyem Winery buys historic zinfandel vineyard | The Press Democrat)。
ここはHistric Vineyard Societyにも登録されている、1890年代に植えられたジンファンデルのある畑。26エーカーのうち12エーカーが、古木になっています。
これまではデローチ(デローシュ、DeLoach)やフック&ラダー(Hook & Ladder)がここのブドウを使っていましたが、今後はウィリアムズ・セリエムだけが使うことになるのでしょうか。
一方、サンタ・バーバラではシー・スモークがリタズ・クラウンを買収しました。シー・スモークの自社畑に隣接していたそうです。リタズ・クラウンはこれまでサンディなどが使ってきました。61エーカーあり、シャルドネとピノ・ノワールが植わっています。植樹は2007年。
ソノマのロシアン・リバー・ヴァレーにあるウィリアムズ・セリエム(Williams Selyem)はロシアン・リバー・ヴァレーのSaitone(セイトーン?)の畑を買収しました(Williams Selyem Winery buys historic zinfandel vineyard | The Press Democrat)。
ここはHistric Vineyard Societyにも登録されている、1890年代に植えられたジンファンデルのある畑。26エーカーのうち12エーカーが、古木になっています。
これまではデローチ(デローシュ、DeLoach)やフック&ラダー(Hook & Ladder)がここのブドウを使っていましたが、今後はウィリアムズ・セリエムだけが使うことになるのでしょうか。
一方、サンタ・バーバラではシー・スモークがリタズ・クラウンを買収しました。シー・スモークの自社畑に隣接していたそうです。リタズ・クラウンはこれまでサンディなどが使ってきました。61エーカーあり、シャルドネとピノ・ノワールが植わっています。植樹は2007年。
Wine Follyというワインの人気サイト(英語)があります。インフォグラフィックスと呼ばれる、わかりやすい図版を駆使してワインの勉強ができるサイトです。そのサイトが作った「Wine Folly」という本も米国で1カ月足らずで8万部と大変な人気になっています。
その本の日本語版が出ていたので読んでみました。ワインの基本やテイスティング方法といった基礎的な内容もありますが、メインになるのは、さまざまなワイン品種についての説明。1品種について2ページずつを使って解説しています。
例としてピノ・ノワールのページを挙げましたが、左側のページではその品種の特徴や、香りの構成要素、右側のページでは世界での生産量や各国での扱い。グラスや温度など飲み方の指南などが描かれています。
とても分かりやすくきれいにまとめられているので、気が向いたときに気が向いたページだけを見るような読み方でも楽しめる本です。ワインにある程度詳しい人でも、十分楽しめる内容です。
ちなみにこの本、米国の定価は25ドルですが、日本語版は1944円と安いです。
その本の日本語版が出ていたので読んでみました。ワインの基本やテイスティング方法といった基礎的な内容もありますが、メインになるのは、さまざまなワイン品種についての説明。1品種について2ページずつを使って解説しています。
例としてピノ・ノワールのページを挙げましたが、左側のページではその品種の特徴や、香りの構成要素、右側のページでは世界での生産量や各国での扱い。グラスや温度など飲み方の指南などが描かれています。
とても分かりやすくきれいにまとめられているので、気が向いたときに気が向いたページだけを見るような読み方でも楽しめる本です。ワインにある程度詳しい人でも、十分楽しめる内容です。
ちなみにこの本、米国の定価は25ドルですが、日本語版は1944円と安いです。
南麻布のレストラン「ルエヴェルロール」が今週末まで、持ち込み無料のプランをやっていたので、お友達を誘って行ってきました。
最初のワインはパッツ&ホールのシャルドネ、ウールジー・ロード2002です。うちのセラーにずっとあったもの。
熟成しすぎて落ちているのではないかと心配だったのですが、ウールジー・ロードらしい酸がまだ残っており、予想以上に美味しく飲めました。
もう一本、シャルドネはニュートンの2005年。
ロバート・パーカーによると、10年は熟成すると書いてあったので、こちらの方が期待したのですが、少し熟成が進みすぎた印象。ソムリエの千葉さんによると「メイラード反応が進んでいるのでは」とのこと。これはこれで熟成香として美味しく飲めるのですが、ワインの個性は失われてきているとのことです。確かにそのコメントには納得。劣化ではないですが、どちらが好きかといえば、ウールジー・ロードの方が良かったです。
次のワインはレイン(Raen)のピノ・ノワールROYAL ST. ROBERT CUVEE2014。先日紹介したモンダヴィ・ファミリーの系図でコンティニュアムのティムの息子ダンテとカルロがソノマ・コーストで作っているワインです。ROYAL ST. ROBERT CUVEEというのはおじいさんのロバートの名前を付けたもの。
持ってきてくださった方の話だと、最初のヴィンテージの2013は、非常にブルゴーニュ的な味わいだったそうですが、2014はカリフォルニアらしさも出ています。ヴィンテージ差というより、作りの試行錯誤なのかもしれません。アルコール度数は13.3%と低めです。上品で、とても美味しかったです。
この後、食事の写真、撮り忘れています。既に酔っ払っていたのか…
もう一本のピノはライアン(Ryan)という非常に生産量の少ないワイナリー。サンタ・ルシア・ハイランズのゲイリーズ2004です。
パワフルなゲイリーズですが、熟成していい感じ。
最後はソノマのローレル・グレン カベルネ・ソーヴィニヨン1996です。
だいぶ酔ってきていましたが、これもよかったです。もっと熟成進んでいるかと思いましたが、まだまだ元気な感じでした。
さて、今回初めて使った「ルエヴェルロール」ですが、料理も美味しいし、ワインのサーブは完璧だし、いいレストランでした。料理は素材の味を大事にしたものが多かったです。
それから、ここのレストランの最大の宝がオーナーソムリエの千葉さん。行かれた方は千葉さんによるワインのコメントを聞かないともったいないですよ! 本当に素晴らしく、また勉強になりました。
最初のワインはパッツ&ホールのシャルドネ、ウールジー・ロード2002です。うちのセラーにずっとあったもの。
熟成しすぎて落ちているのではないかと心配だったのですが、ウールジー・ロードらしい酸がまだ残っており、予想以上に美味しく飲めました。
もう一本、シャルドネはニュートンの2005年。
ロバート・パーカーによると、10年は熟成すると書いてあったので、こちらの方が期待したのですが、少し熟成が進みすぎた印象。ソムリエの千葉さんによると「メイラード反応が進んでいるのでは」とのこと。これはこれで熟成香として美味しく飲めるのですが、ワインの個性は失われてきているとのことです。確かにそのコメントには納得。劣化ではないですが、どちらが好きかといえば、ウールジー・ロードの方が良かったです。
次のワインはレイン(Raen)のピノ・ノワールROYAL ST. ROBERT CUVEE2014。先日紹介したモンダヴィ・ファミリーの系図でコンティニュアムのティムの息子ダンテとカルロがソノマ・コーストで作っているワインです。ROYAL ST. ROBERT CUVEEというのはおじいさんのロバートの名前を付けたもの。
持ってきてくださった方の話だと、最初のヴィンテージの2013は、非常にブルゴーニュ的な味わいだったそうですが、2014はカリフォルニアらしさも出ています。ヴィンテージ差というより、作りの試行錯誤なのかもしれません。アルコール度数は13.3%と低めです。上品で、とても美味しかったです。
この後、食事の写真、撮り忘れています。既に酔っ払っていたのか…
もう一本のピノはライアン(Ryan)という非常に生産量の少ないワイナリー。サンタ・ルシア・ハイランズのゲイリーズ2004です。
パワフルなゲイリーズですが、熟成していい感じ。
最後はソノマのローレル・グレン カベルネ・ソーヴィニヨン1996です。
だいぶ酔ってきていましたが、これもよかったです。もっと熟成進んでいるかと思いましたが、まだまだ元気な感じでした。
さて、今回初めて使った「ルエヴェルロール」ですが、料理も美味しいし、ワインのサーブは完璧だし、いいレストランでした。料理は素材の味を大事にしたものが多かったです。
それから、ここのレストランの最大の宝がオーナーソムリエの千葉さん。行かれた方は千葉さんによるワインのコメントを聞かないともったいないですよ! 本当に素晴らしく、また勉強になりました。
モンダヴィ・ファミリーの系譜を紹介しましたが、日本に入っているプレミアムのカベルネ・ソーヴィニヨンの現状を見ておきましょう。
まず、今はファミリーからは離れてしまいましたが、ロバート・モンダヴィのカベルネ・ソーヴィニヨン・リザーブとオーパス・ワンは、どちらもトカロンのブドウを使っています。
オーパス・ワン2012年は3万5000円から。モンダヴィのリザーブは1万円台と比較的リーズナブルです。
マイケル・モンダヴィ・ファミリー・エステートのフラグシップ「M by Michael Mondavi」も1万円台でありますが、2009年までしか国内には入ってきていないようです。
ティム・モンダヴィのコンティニュアムは2012年、2013年ともに入ってきています。2012年のWine Advocate誌での評価は96。高品質を伴っています。
個人的には、今買うならコンティニュアムかなあと思います。オーパス・ワンより安いですし、評価では負けていません。
まず、今はファミリーからは離れてしまいましたが、ロバート・モンダヴィのカベルネ・ソーヴィニヨン・リザーブとオーパス・ワンは、どちらもトカロンのブドウを使っています。
オーパス・ワン2012年は3万5000円から。モンダヴィのリザーブは1万円台と比較的リーズナブルです。
マイケル・モンダヴィ・ファミリー・エステートのフラグシップ「M by Michael Mondavi」も1万円台でありますが、2009年までしか国内には入ってきていないようです。
ティム・モンダヴィのコンティニュアムは2012年、2013年ともに入ってきています。2012年のWine Advocate誌での評価は96。高品質を伴っています。
個人的には、今買うならコンティニュアムかなあと思います。オーパス・ワンより安いですし、評価では負けていません。
今年はロバート・モンダヴィ・ワイナリーの開設から50年。ロバート・モンダヴィの父チェザーレがイタリアからアメリカのミネソタ州に移住した1906年からは110年経ち、今は四世たちが活躍する時代に入っています。いろいろなワイナリーが派生的に誕生し、だいぶ複雑なことになってきたので、その系譜を整理しておきたいと思います。
ミネソタで食料品店を営んでいたチェザーレがカリフォルニアに移住したのは禁酒法の時代。禁酒法の下でも、家庭で自家用の酒を作ることは許されていました。そこで、自家用ワインを作るためのブドウをカリフォルニアから運ぶという仕事をするためでした。当時、その拠点となっていたのがロウダイで、彼等もそこに住みつきました。
1933年に禁酒法が明けた後、より本格的にワインビジネスに参入することを考え、ナパでサニー・セント・ヘレナ(Sunny St. Helena)というワイナリーに出資します。現在のメリヴェール(Merryale)です。その後、1943年にナパ最古のワイナリーであるチャールズ・クリュッグ(Charles Krug)が売りに出ていることを知り、清水の舞台から飛び下りる覚悟で、そこを購入します。
しかし、ロバート・モンダヴィはチャールズ・クリュッグでも満足できず、世界に通用するワイナリーにしたいという思いを募らせます。1959年にチェザーレが亡くなった後、地道路線のピーターとの仲違いが次第に広がり、ロバートは母親から勘当されてしまいます。
そうして1966年にオープンしたのがロバート・モンダヴィ(Robert Mondavi)です。1970年代末には、ボルドーのシャトー・ムートン・ロートシルトとの共同出資でオーパス・ワン(Opue One)もオープンします。しかし、ワイナリーの拡大路線は2000年を過ぎてITバブルがはじけた後につまずき、2005年にはコンステレーション・ブランズにワイナリーを売却してしまうことになりました。
この間、長男のマイケルがCEOに、次男のティムがワインメーカーになっていましたが、この二人の間もギクシャクしてしまいました。
ロバートが付いたのは次男のティムの側。ロバートとティム、ティムの姉のマーシャと3人でコンティニュアム(Continuum)を設立します。当初は、モンダヴィのトカロンの畑からブドウを得たものの、その後、プリチャード・ヒルのクラウド・ビュー・ワイナリーを買収して、そこに新しい拠点を築き、現在に至ります。コンティニュアムはオーパス・ワンのように、プレミアムワイン1本で勝負するワイナリー。品質もオーパス・ワンに負けず劣らずの評価を得ています。
ティムの4人の子どもたちも、コンティニュアムに携わっていますが、カルロとダンテの2人は、ソノマ・コーストにレイン(Raen)というワイナリーを設立。冷涼な地域のブドウを使って、アルコール度数12%台と抑えたピノ・ノワールを作っています。
一方、兄のマイケルは、まだロバート・モンダヴィ・ワイナリーに在籍していた1990年代にアトラス・ピークにあるアニモ(Animo)というワイナリーを買収し、マイケル・モンダヴィ・ファミリー・エステートを設立します。現在はこの中でいくつものブランドを持っています。Mバイ・マイケル・モンダヴィ(M by Michael Mondavi)がここのフラグシップ・ワイン。アニモのブドウの最良のものを使っており、高い評価を得ています。
また、図にはありませんがフォリオ(Folio)という流通事業の会社も設立。ワインの輸入なども行っています。
また、マイケルの子供のロバートJr.はマイケル・モンダヴィ・ファミリー・エステートのほか、スペルバウンド(Spellbound)というワイナリーでもワインを作っています。こちらは10ドル台という普及価格のワインです。また、またはとこのアンジェリーナとフォースリーフ(Forth Leaf)というワインも作っています(後述)。
一方、チャールズ・クリュッグを引き継いだピーターは、その後CKモンダヴィと名前を変えて、家族経営を続け、2016年惜しまれつつ亡くなりました。
長男のマーク(Marc)は、CKモンダヴィのほかに、趣味的なディバイニング・ロッド(Divining Rod)というワインを作っていたり、娘のアリシアとエイロフト(Aloft)というワイナリーをやっていたりします。エイロフトはプレミアムなカベルネ・ソーヴィニヨンを作るワイナリーで、畑の管理がジム・バーバー、ワインメーカーがトーマス・リバース・ブラウンと当代きってのメンバーを集めています。
このほか、マークの4人の娘は他の仕事もしながら、ダーク・マターというワインを一緒に作っています。こちらはカベルネ・ソーヴィニヨンとジンファンデル。生産量は非常に少ないワインです。
そして、前述のように長女のアンジェリーナはマイケルの息子のロバートJr.とフォース・リーフというワインを作っています。これは元々、モートンズというステーキハウスが、CKモンダヴィとコンティニュアム、フォリオのワインを持ち寄って1つのワインを作るという企画を立て、誰も乗り気でないところで手を挙げたのがこの二人だったというものです。第4世代ということでフォース・リーフと名付けたようです。その企画だけで終わったのかと思いきや、その後も引き続いてワインを作っているようです。ただし、こちらも生産量はかなり限定したものになっているようです。
とりあえず、調べた範囲では、こんなところです。見落としなどがあったら教えて下さい。
【2018年3月追記】
CKモンダヴィは、マークとピーターJr.の兄弟から、それぞれの子ども計6人に経営を譲る形になりました。下の図のようになります。
1990年代半ばまでのストーリーは、こちらの自伝が詳しく、参考になります。ロバートがどれだけパイオニアだったかも分かると思います。
ミネソタで食料品店を営んでいたチェザーレがカリフォルニアに移住したのは禁酒法の時代。禁酒法の下でも、家庭で自家用の酒を作ることは許されていました。そこで、自家用ワインを作るためのブドウをカリフォルニアから運ぶという仕事をするためでした。当時、その拠点となっていたのがロウダイで、彼等もそこに住みつきました。
1933年に禁酒法が明けた後、より本格的にワインビジネスに参入することを考え、ナパでサニー・セント・ヘレナ(Sunny St. Helena)というワイナリーに出資します。現在のメリヴェール(Merryale)です。その後、1943年にナパ最古のワイナリーであるチャールズ・クリュッグ(Charles Krug)が売りに出ていることを知り、清水の舞台から飛び下りる覚悟で、そこを購入します。
しかし、ロバート・モンダヴィはチャールズ・クリュッグでも満足できず、世界に通用するワイナリーにしたいという思いを募らせます。1959年にチェザーレが亡くなった後、地道路線のピーターとの仲違いが次第に広がり、ロバートは母親から勘当されてしまいます。
そうして1966年にオープンしたのがロバート・モンダヴィ(Robert Mondavi)です。1970年代末には、ボルドーのシャトー・ムートン・ロートシルトとの共同出資でオーパス・ワン(Opue One)もオープンします。しかし、ワイナリーの拡大路線は2000年を過ぎてITバブルがはじけた後につまずき、2005年にはコンステレーション・ブランズにワイナリーを売却してしまうことになりました。
この間、長男のマイケルがCEOに、次男のティムがワインメーカーになっていましたが、この二人の間もギクシャクしてしまいました。
ロバートが付いたのは次男のティムの側。ロバートとティム、ティムの姉のマーシャと3人でコンティニュアム(Continuum)を設立します。当初は、モンダヴィのトカロンの畑からブドウを得たものの、その後、プリチャード・ヒルのクラウド・ビュー・ワイナリーを買収して、そこに新しい拠点を築き、現在に至ります。コンティニュアムはオーパス・ワンのように、プレミアムワイン1本で勝負するワイナリー。品質もオーパス・ワンに負けず劣らずの評価を得ています。
ティムの4人の子どもたちも、コンティニュアムに携わっていますが、カルロとダンテの2人は、ソノマ・コーストにレイン(Raen)というワイナリーを設立。冷涼な地域のブドウを使って、アルコール度数12%台と抑えたピノ・ノワールを作っています。
一方、兄のマイケルは、まだロバート・モンダヴィ・ワイナリーに在籍していた1990年代にアトラス・ピークにあるアニモ(Animo)というワイナリーを買収し、マイケル・モンダヴィ・ファミリー・エステートを設立します。現在はこの中でいくつものブランドを持っています。Mバイ・マイケル・モンダヴィ(M by Michael Mondavi)がここのフラグシップ・ワイン。アニモのブドウの最良のものを使っており、高い評価を得ています。
また、図にはありませんがフォリオ(Folio)という流通事業の会社も設立。ワインの輸入なども行っています。
また、マイケルの子供のロバートJr.はマイケル・モンダヴィ・ファミリー・エステートのほか、スペルバウンド(Spellbound)というワイナリーでもワインを作っています。こちらは10ドル台という普及価格のワインです。また、またはとこのアンジェリーナとフォースリーフ(Forth Leaf)というワインも作っています(後述)。
一方、チャールズ・クリュッグを引き継いだピーターは、その後CKモンダヴィと名前を変えて、家族経営を続け、2016年惜しまれつつ亡くなりました。
長男のマーク(Marc)は、CKモンダヴィのほかに、趣味的なディバイニング・ロッド(Divining Rod)というワインを作っていたり、娘のアリシアとエイロフト(Aloft)というワイナリーをやっていたりします。エイロフトはプレミアムなカベルネ・ソーヴィニヨンを作るワイナリーで、畑の管理がジム・バーバー、ワインメーカーがトーマス・リバース・ブラウンと当代きってのメンバーを集めています。
このほか、マークの4人の娘は他の仕事もしながら、ダーク・マターというワインを一緒に作っています。こちらはカベルネ・ソーヴィニヨンとジンファンデル。生産量は非常に少ないワインです。
そして、前述のように長女のアンジェリーナはマイケルの息子のロバートJr.とフォース・リーフというワインを作っています。これは元々、モートンズというステーキハウスが、CKモンダヴィとコンティニュアム、フォリオのワインを持ち寄って1つのワインを作るという企画を立て、誰も乗り気でないところで手を挙げたのがこの二人だったというものです。第4世代ということでフォース・リーフと名付けたようです。その企画だけで終わったのかと思いきや、その後も引き続いてワインを作っているようです。ただし、こちらも生産量はかなり限定したものになっているようです。
とりあえず、調べた範囲では、こんなところです。見落としなどがあったら教えて下さい。
【2018年3月追記】
CKモンダヴィは、マークとピーターJr.の兄弟から、それぞれの子ども計6人に経営を譲る形になりました。下の図のようになります。
1990年代半ばまでのストーリーは、こちらの自伝が詳しく、参考になります。ロバートがどれだけパイオニアだったかも分かると思います。
人気の高いピノ・ノワールのプロデューサーであるコスタ・ブラウン(Kosta Browne)がメンドシーノのアンダーソン・ヴァレーにあるセリース(Cerise)を買収しました。
セリースは60エーカーの畑を持っており、ほとんどがピノ・ノワールとシャルドネが植えられています。リトライやセインツベリーなどがブドウを購入しています。
コスタ・ブラウンは今年で設立20年。当初はすべて購入したブドウを使ってピノ・ノワールを作っていましたが、2013年にロシアン・リバー・ヴァレーのキーファー・ランチを取得、その後、ソノマ・コーストのギャップス・クラウンと長期契約を結ぶなど、近年は畑の充実に力を入れています。
コスタ・ブラウンというと、シラーと見間違えるほどの濃いピノ・ノワールで人気を博しsましたが、リトライのセリースなどは全く逆の薄旨系。コスタ・ブラウンが作るとどういうワインになるのでしょうか。
セリースは60エーカーの畑を持っており、ほとんどがピノ・ノワールとシャルドネが植えられています。リトライやセインツベリーなどがブドウを購入しています。
コスタ・ブラウンは今年で設立20年。当初はすべて購入したブドウを使ってピノ・ノワールを作っていましたが、2013年にロシアン・リバー・ヴァレーのキーファー・ランチを取得、その後、ソノマ・コーストのギャップス・クラウンと長期契約を結ぶなど、近年は畑の充実に力を入れています。
コスタ・ブラウンというと、シラーと見間違えるほどの濃いピノ・ノワールで人気を博しsましたが、リトライのセリースなどは全く逆の薄旨系。コスタ・ブラウンが作るとどういうワインになるのでしょうか。
ナパに引き続き、ソノマでもブドウの収穫が始まりました(Following Napa, Sonoma County grape harvest begins | The Press Democrat)。
先陣を切ったのはロシアン・リバー・ヴァレーのJ。8月1日にピノ・グリとシャルドネの収穫を開始。引き続いて8月2日にカーネロスのグロリア・フェラーがピノ・ノワールの収穫を始めました。アイアンホースは8月4日。いずれもスパークリング・ワインに使うものだと思います。
2015年はこれより4日早い7月28日に収穫を始めていました。
今年の収穫量は平年をわずかに下回るものの、昨年よりは少なくなりそうです。
先陣を切ったのはロシアン・リバー・ヴァレーのJ。8月1日にピノ・グリとシャルドネの収穫を開始。引き続いて8月2日にカーネロスのグロリア・フェラーがピノ・ノワールの収穫を始めました。アイアンホースは8月4日。いずれもスパークリング・ワインに使うものだと思います。
2015年はこれより4日早い7月28日に収穫を始めていました。
今年の収穫量は平年をわずかに下回るものの、昨年よりは少なくなりそうです。
カリフォルニアワインの経済効果に関するレポートが発表されました(California Wine Shows Strength in Challenging Economy)。
それによると2015年はカリフォルニア州の経済には576億ドル、全米では1141億ドルの経済効果をもたらしたとのこと。例えば、雇用で見ると、カリフォルニア州内で32万5000のフルタイム労働者、全米では78万6000のフルタイム労働者の雇用を生み出しているそうです。
これらを7年前と比べるとカリフォルニアで17%、全米で19%増加しています。この間、リーマンショックで景気が停滞したこともあったことを考えると順調以上の成果と言えそうです。
それによると2015年はカリフォルニア州の経済には576億ドル、全米では1141億ドルの経済効果をもたらしたとのこと。例えば、雇用で見ると、カリフォルニア州内で32万5000のフルタイム労働者、全米では78万6000のフルタイム労働者の雇用を生み出しているそうです。
これらを7年前と比べるとカリフォルニアで17%、全米で19%増加しています。この間、リーマンショックで景気が停滞したこともあったことを考えると順調以上の成果と言えそうです。
ナパのオークヴィルにあるシルバー・オークが世界標準の環境評価ツールの1つであるLEEDの「existing building」カテゴリーで最高レベルのプラチナ認定を受けました(Silver Oak Earns First LEED Platinum Certification for Eco-Friendly Winery | News | News & Features | Wine Spectator)。商用ワイナリーとしては初のプラチナ認定です(ほかにUC Davisの研究用ワイナリーがプラチナ認定を受けています)。プラチナ認定を受けるには110点満点の認定プログラム評価で80点以上を取る必要があります。
きっかけとなったのは2006年に起こったワイナリーの火事(参考:Silver Oakが火事で200万ドルの損失)。その後、ワイナリーとテイスティングルームを立て直すにあたって、自然光や夜間の外気による冷却、発酵用タンクにカバーを被せるなどの機能を取り入れました。
ワイナリーは2008年の収穫時期までに作る必要があり、タイムリミットは19カ月。CEOのデビッド・ダンカンは、そこで「シエラ・ネヴァダ・ブリューイング」というブリュワリーがLEEDプラチナ認定を受けたことを知り、シルバー・オークもプラチナを目指す方針を立てました。
そのためには年間100万ガロンの水を節約しなければいけないなど、非常に多くのハードルがありました。自然芝から人工芝への移行や、従業員への教育など、1つひとつ努力を積み重ねました。
実はLEEDの規定は都会のビルを想定したものになっており、従業員に公共交通機関や自転車などでの通勤を求めるといった項目があります。ナパの「一番近いバス停から3km」といった環境では非常にハードルが高いわけですが、これらも乗り越えてプラチナ認定に漕ぎつけました。
シルバー・オークはソノマのアレキサンダー・ヴァレーにもワイナリーがありますが、既に新しい土地を購入しており、そこを新たなソノマ側のホームにする予定です。そちらでもプラチナ認定を得るのが今後の目標です。
きっかけとなったのは2006年に起こったワイナリーの火事(参考:Silver Oakが火事で200万ドルの損失)。その後、ワイナリーとテイスティングルームを立て直すにあたって、自然光や夜間の外気による冷却、発酵用タンクにカバーを被せるなどの機能を取り入れました。
ワイナリーは2008年の収穫時期までに作る必要があり、タイムリミットは19カ月。CEOのデビッド・ダンカンは、そこで「シエラ・ネヴァダ・ブリューイング」というブリュワリーがLEEDプラチナ認定を受けたことを知り、シルバー・オークもプラチナを目指す方針を立てました。
そのためには年間100万ガロンの水を節約しなければいけないなど、非常に多くのハードルがありました。自然芝から人工芝への移行や、従業員への教育など、1つひとつ努力を積み重ねました。
実はLEEDの規定は都会のビルを想定したものになっており、従業員に公共交通機関や自転車などでの通勤を求めるといった項目があります。ナパの「一番近いバス停から3km」といった環境では非常にハードルが高いわけですが、これらも乗り越えてプラチナ認定に漕ぎつけました。
シルバー・オークはソノマのアレキサンダー・ヴァレーにもワイナリーがありますが、既に新しい土地を購入しており、そこを新たなソノマ側のホームにする予定です。そちらでもプラチナ認定を得るのが今後の目標です。
先日「ナパのワイナリーが「有機栽培」や「ビオディナミ」といった言葉を避ける理由」という記事を掲載しましたが、これと呼応するかのように、有機栽培のワインは実際に美味しいのだという記事が出ていました(It's Official – Organic California Wines Taste Better)。
これは、Wine Advocate、Wine Spectator、Wine Enthusiatの3媒体のワイン・レイティングからオーガニックなワインとそうでないもののレイティングを比べたもの。トータルで7万4000本ものワインのレイティングを調べています。オーガニックやビオディナミのワインはわずか1.1%しかありません(オーガニックの認定を受けている畑は2%の満たないので、この数字は当然のものです)。
これで、比較したところ、同じような地域やヴィンテージのワインと比べて、有機栽培のものの方が平均4点近く高い点数をとっているといいます。明らかに有機栽培の方がいい結果です。
これは、Wine Advocate、Wine Spectator、Wine Enthusiatの3媒体のワイン・レイティングからオーガニックなワインとそうでないもののレイティングを比べたもの。トータルで7万4000本ものワインのレイティングを調べています。オーガニックやビオディナミのワインはわずか1.1%しかありません(オーガニックの認定を受けている畑は2%の満たないので、この数字は当然のものです)。
これで、比較したところ、同じような地域やヴィンテージのワインと比べて、有機栽培のものの方が平均4点近く高い点数をとっているといいます。明らかに有機栽培の方がいい結果です。
モントレー郡のカーメルの近くで大規模な山火事が発生しています。既にカーメル付近のブドウ畑1つが実際に火事で焼かれてしまったほか、近隣の畑でも煙の影響が心配されます。
特に心配されるのがサンタ・ルシア・ハイランズ。モントレー郡で一番高品質なワインが作られるところであり、山火事から距離もそれほど離れていません。
幸運なことに、今のところ南風が吹いていて煙が北方に向かっているため、サンタ・ルシア・ハイランズには煙がかかっていないと思われますが、通常は西風のことが多く、それだともろに煙を被ってしまうかもしれません。
煙による影響は、最近だと2008年にAnderson Valleyで起こっています。マーカッサンも一部のワインを作るのをやめました。
なお、南風で北に流れた煙は遠くシリコンヴァレーまで届いていて、空気が淀んでいるそうです(naotoj氏のブログ)。
モントレーとシリコンヴァレーの間にはサンタ・クルーズ・マウンテンズがあり、そちらへの影響も気になります。
特に心配されるのがサンタ・ルシア・ハイランズ。モントレー郡で一番高品質なワインが作られるところであり、山火事から距離もそれほど離れていません。
幸運なことに、今のところ南風が吹いていて煙が北方に向かっているため、サンタ・ルシア・ハイランズには煙がかかっていないと思われますが、通常は西風のことが多く、それだともろに煙を被ってしまうかもしれません。
煙による影響は、最近だと2008年にAnderson Valleyで起こっています。マーカッサンも一部のワインを作るのをやめました。
なお、南風で北に流れた煙は遠くシリコンヴァレーまで届いていて、空気が淀んでいるそうです(naotoj氏のブログ)。
モントレーとシリコンヴァレーの間にはサンタ・クルーズ・マウンテンズがあり、そちらへの影響も気になります。
サンタ・バーバラのハッピーキャニオンにあるスターレーン。良質でコスト・パフォーマンスが高いカベルネ・ソーヴィニヨンで人気のワイナリーです。ワッシーズには以前もここの廉価版が独占入荷したことがありましたが(スターレーンに謎の廉価版? 超限定です)、今回はメルローが入っています。
ヴィンテージは良ヴィンテージとされている2013。ヴィナスでは92点と評価されているそうです。
スターレーンが作るメルローなら間違いはないだろうと思いますが、どうでしょうか。
ヴィンテージは良ヴィンテージとされている2013。ヴィナスでは92点と評価されているそうです。
スターレーンが作るメルローなら間違いはないだろうと思いますが、どうでしょうか。