先日、恵比寿のWINE MARKET PARTYで購入したのがこのワイン。店内のPOPには「果実味タップリのグラマラスなスタイルのピノ・ノワール」と書いてあったので、ブレッド&バターのピノ・ノワールとかメイオミのピノ・ノワールのような甘みの強いタイプかと想像したのですが、意外にもしっかり酸もあってバランス良く美味しいピノ・ノワールでした。
ジェームズ・ブライアント・ヒルというのはゴールドラッシュのころにモントレーにやってきて畑を開墾した人だそうです。その畑の場所にブドウ畑を作ったのでゆかりの名前を付けたということのよう。あまり情報がないのですが、モントレーでサスティナブルな自社畑のブドウでワインを作っているということで閃きました。「モントレーのコスパ王」と個人的に呼んでいるシャイド・ファミリー傘下のワイナリーではないかと。
実際、シャイドのブランドの一つであることも確認できました。いや、さすがですね。意外にもモントレーにベースがあるのに、これまでシャイドのピノ・ノワールはほとんど飲んだことなかったのです。
1000円台のピノ・ノワールは、これまでマックマニスくらいしか飲んだことなかったですが、これくらい気軽に飲めて美味しいワインがあるといいですね。
毎年恒例のカリフォルニアワインのバイザグラス・プロモーション。コロナ禍で中止や時期変更などありましたが、今年は例年通り4月5月の2カ月間で開催されます。
2020年度からは「テーマ産地」も設けられています。20年の「ナパ」、21年の「ソノマ」に続いて22年は「ローダイ(Lodi)」。ナパやソノマほどの知名度はありませんが、生産量は非常に多く、ジンファンデルの古木の畑も多数残っている地域です。コスト・パフォーマンスが高いワインが多いので、レストランとしても使いやすいのではないかと思います。ちなみにカリフォルニアワインの父と呼ばれるロバート・モンダヴィの一家がミネソタ州からカリフォルニアに引っ越してきたときに住み着いた場所がローダイ。現在もモンダヴィ傘下のウッドブリッジはローダイにあります。
バイザグラス・プロモーションでは、参加店舗はカリフォルニアワインをグラスで提供しています。
店舗リストはこちらから。店舗によって参加日程が違うところもあるので、そちらも確認の上訪問してください。
参加店一覧|カリフォルニアワイン・バイザグラス・プロモーション2022
2020年度からは「テーマ産地」も設けられています。20年の「ナパ」、21年の「ソノマ」に続いて22年は「ローダイ(Lodi)」。ナパやソノマほどの知名度はありませんが、生産量は非常に多く、ジンファンデルの古木の畑も多数残っている地域です。コスト・パフォーマンスが高いワインが多いので、レストランとしても使いやすいのではないかと思います。ちなみにカリフォルニアワインの父と呼ばれるロバート・モンダヴィの一家がミネソタ州からカリフォルニアに引っ越してきたときに住み着いた場所がローダイ。現在もモンダヴィ傘下のウッドブリッジはローダイにあります。
バイザグラス・プロモーションでは、参加店舗はカリフォルニアワインをグラスで提供しています。
店舗リストはこちらから。店舗によって参加日程が違うところもあるので、そちらも確認の上訪問してください。
参加店一覧|カリフォルニアワイン・バイザグラス・プロモーション2022
ワインメーカーは総勢8人、しかもランディ・ダンやフィリップ・メルカ、ミシェル・ロランといった高名揃い。そんなワイナリーは想像できないと思いますが、実際にそれをやっているのがワシントンのロング・シャドウズ(Long Shadows)です。
創設者のアレン・シャウプが考えたのはワシントンのワールドクラスのブドウを使って世界の一流ワインメーカーがワインを作ったらどうなるだろうか、ということ。そこで、このワイナリーではワインメーカーごとに自分のワインを造るということを始めたのです。例えばランディ・ダンが造るのは「Feather」という超熟型のカベルネ・ソーヴィニヨン、ミシェル・ロランは「Pedestal」というメルローベースのワイン。フィリップ・メルカは「Pirouette」というボルドーブレンドを作っています。
造るワインごとに発酵槽も熟成槽もワイン造りも違うため、ワイナリー側はとても大変だそうですが、面白いプロジェクトですね。ワインメーカーによってどういうワインができ、どう違うのか。また同じワインメーカーのカリフォルニアとワシントンの違いなど低スティグしたら楽しそうです。
ランディ・ダン
フィリップ・メルカ
ミシェル・ロラン
ジョン・デュヴァル(グランジのワインメーカー)
アンブロージオ・フォロナーリとジョバンニ・フィオナーリ
創設者のアレン・シャウプが考えたのはワシントンのワールドクラスのブドウを使って世界の一流ワインメーカーがワインを作ったらどうなるだろうか、ということ。そこで、このワイナリーではワインメーカーごとに自分のワインを造るということを始めたのです。例えばランディ・ダンが造るのは「Feather」という超熟型のカベルネ・ソーヴィニヨン、ミシェル・ロランは「Pedestal」というメルローベースのワイン。フィリップ・メルカは「Pirouette」というボルドーブレンドを作っています。
造るワインごとに発酵槽も熟成槽もワイン造りも違うため、ワイナリー側はとても大変だそうですが、面白いプロジェクトですね。ワインメーカーによってどういうワインができ、どう違うのか。また同じワインメーカーのカリフォルニアとワシントンの違いなど低スティグしたら楽しそうです。
ランディ・ダン
フィリップ・メルカ
ミシェル・ロラン
ジョン・デュヴァル(グランジのワインメーカー)
アンブロージオ・フォロナーリとジョバンニ・フィオナーリ
カリフォルニアのワイナリーの中でも一流と認められたワイナリーのリスト「ザ・カリフォルニア・リスト」が英国で誕生しました。カリフォルニアワイン協会の英国担当が中心となりジャンシス・ロビンソン、マーク・アンドリュー、サラ・ノウルズ(以上3人はマスター・オブ・ワイン)、ローナン・セイバーン(マスターソムリエ)、そして多くのカリフォルニアの著書を持つステファン・ブルックの5人が選者となって選びました。
The California List
選択基準は品質・英国における入手性・インパクト。品質を15点、入手性を5点、インパクトを5点として採点しました。インパクトというのは選者の主観によるものでカリフォルニアワインの中でその生産者がどれくらい重要かによって点を付けています。英国における入手性という項目が入っているので、全世界に向けたリストではなく、英国向けであることがわかります。
200以上のワイナリーを審査し、最終的に51のワイナリーがリストに入りました。以下にそのワイナリーを挙げます。なお、実際のリストはアルファベット順に羅列しており、ここではわかりやすくするために、私がいくつかのジャンルに分けています。
●カベルネ/ボルドーブレンド中心
Bond
Cain
Cardinale
Caymus
Chateau Montelena
Colgin
Corison
Dalla Valle
Diamond Creek
Dominus
Dunn
Eisele
Frog’s Leap
Harlan
Heitz Cellars
Inglenook
Joseph Phelps
Mayacamas
Opus One
Robert Mondavi
Screaming Eagle
Shafer
Silver Oak
Spottswoode
Stag’s Leap Wine Cellars
Staglin
Vérité
●ピノ・ノワール/シャルドネ
Au Bon Climat
Chanin
Domaine de la Côte
Hirsch
Kistler
Kutch
Littorai
Radio Coteau
Sandhi
Williams Selyem
●シラー/ローヌ系
Sine Qua Non
Tablas Creek
●ジンファンデル
Seghesio
Turley
●スパークリング
Roederer Estate
Schramsberg
●ニューカリフォルニア
Arnot-Roberts
Matthiasson
●その他
Hyde de Villaine(シャルドネ、ボルドーブレンドなど)
Kongsgaard(シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラーなど)
Mount Eden(シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール)
Peter Michael(シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール)
Ramey(シャルドネなど)
Ridge(カベルネ・ソーヴィニヨン、ジンファンデルなど)
過半数の27ワイナリーがカベルネ・ソーヴィニヨン中心で、そのうちソノマのVéritéを除いた26ワイナリーがナパにあります。世界的に見てもナパのカベルネ・ソーヴィニヨン系ワインはトップクラスを占めていますから、妥当なところでしょう。また、Hundred AcreやSchrader、Realm、Bevanといった新興のワイナリーは含まれず20世紀に造られたワイナリーで占められているのも特徴です。
次いで多かったのがピノ・ノワールとシャルドネをメインとするブルゴーニュ系品種のワイナリーで10ワイナリーが選ばれています。サンタ・バーバラから4つのワイナリー(Au Bon Climat、Chanin、Domaine de la Côte、Sandhi)が選ばれており、しかもうち2つ(Domaine de la CôteとSandhi)はラジャ・パーとサシ・ムーアマンによるワイナリーというところがちょっと意外でした。個人的にはサンディを入れるよりはCaleraとかサンタ・ルシア・ハイランズのPisoniではないかという気もしますが、このあたりは英国での入手性によるものかもしれません。Chaninのような若いワイナリー(ご存知ない方は「弱冠26歳にして2つ目のワイナリを手に入れるGavin Chaninとはどういう男か」をご覧になってください)が選ばれているのもカベルネ・ソーヴィニヨン系と対称的で興味深いです。あとの6ワイナリーはいずれもソノマ・コースト(ロシアン・リバー・ヴァレーも含む)をメインとするワイナリーで、ちょっと場所は偏り気味です。MarcassinやAubertのような濃厚系は入らずバランス重視型のワイナリーが選ばれているのも興味深いところ。
ジンファンデル系では、個人的にはBedrockは入ってほしかったですが、これも入手性が関係するのかもしれません。
ニューカリフォルニア系でArnot-RobertsとMatthiasonが入りました。このジャンルから選ぶならこの2ワイナリーというのは妥当な感じがします。
ローヌ系はSine Qua NonとTablas Creek。AlbanとかSaxumとかも入って良さそうな気もしますが、Tablas Creekが選ばれたのは歴史的重要性などが評価された面もあるのかもしれません。
スパークリングのSchramsbergとRoederer Estateは妥当なところ。
以上の分類に当てはまらなかったワイナリーは「その他」にしましたが、面白いのはここに分類したワイナリーの中でRidge以外は一番のワインがシャルドネであること。カリフォルニアというとカベルネ・ソーヴィニヨンなど赤ワインのイメージが強いかもしれませんが、シャルドネも本当にいいと思うんですよね。そういう意味ではこのセレクションも納得するところがあります。
さて、これは英国向けのリストですから日本向けのリストができてもいいということだと思います。日本のカリフォルニアワイン協会もぜひリストを作ってください。
先日行われたカリフォルニアワインの試飲会で美味しかったワインの一つとして記録しておいたのがシニョレッロ(Signorello)の新作カベルネ・ソーヴィニヨン「S」。
シニョレッロとして作っているワインはナパの自社畑からのエステート・ワインのみ。自社畑はナパの中ではかなり南の方、オーク・ノールをわずかに東にはずれたところにあります。一方、この「S」はセント・ヘレナやハウエル・マウンテンなどナパの他地域のブドウを使って仕上げたもので、高級カベルネらしい凝縮感やしなやかなタンニンを持ちながら、非常にバランスのよい作りになっています。
シニョレッロには、ソノマのアレキサンダー・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンを使った「エッジ(Edge)」やより安価な「トリム(Trim)」もありますが、こちらはより飲みやすい作り。高級感という意味では「S」の方がかなり上手です。ジャンシス・ロビンソンのサイトへのレギュラー寄稿者であるアルダー・ヤローは10点満点で9~9.5としています。
Sは昨秋デビューしたばかりのワインで、最初のヴィンテージが日本にも入ってきています。米国で75ドルが8000円台は円安の今は、現地価格以下。かなりお買い得で魅力的なワインです。シンプルなデザインもおしゃれ。
エッジの新ヴィンテージも入っています。
シニョレッロとして作っているワインはナパの自社畑からのエステート・ワインのみ。自社畑はナパの中ではかなり南の方、オーク・ノールをわずかに東にはずれたところにあります。一方、この「S」はセント・ヘレナやハウエル・マウンテンなどナパの他地域のブドウを使って仕上げたもので、高級カベルネらしい凝縮感やしなやかなタンニンを持ちながら、非常にバランスのよい作りになっています。
シニョレッロには、ソノマのアレキサンダー・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンを使った「エッジ(Edge)」やより安価な「トリム(Trim)」もありますが、こちらはより飲みやすい作り。高級感という意味では「S」の方がかなり上手です。ジャンシス・ロビンソンのサイトへのレギュラー寄稿者であるアルダー・ヤローは10点満点で9~9.5としています。
Sは昨秋デビューしたばかりのワインで、最初のヴィンテージが日本にも入ってきています。米国で75ドルが8000円台は円安の今は、現地価格以下。かなりお買い得で魅力的なワインです。シンプルなデザインもおしゃれ。
エッジの新ヴィンテージも入っています。
ドルーアンといえば、ブルゴーニュからオレゴンにワイナリーを作った先駆者として知られています。そのドメーヌ・ドルーアンはオレゴンで最初に開拓されたダンディー・ヒルズにありますが、2013年にエオラ・アミティ・ヒルズに新しい畑ローズロックを購入し、「ローズロック・ドルーアン・オレゴン」というブランドを構築しました。
エオラ・アミティ・ヒルズはイヴニングランドやリングア・フランカなどがある、オレゴンの中でもホットな地域。西側に海岸山脈のギャップがあり、太平洋からの冷たい空気が直接入ってくるため、オレゴンの中でも冷涼な地域になります。WANDSマガジンの記事によると「ダンディー・ヒルズのピノ・ノワールがエレガントなシャンボール・ミュジニーならば、エオラ・アミティ・ヒルズはストラクチャーのあるジュヴレ・シャンベルタンだ」とのこと。
このローズロックの2019年が大変な高評価になっています。ワイン・アドヴォケイトではスタンダードのピノ・ノワールとゼフィリーヌ(Zephirine)というポジティブ・セレクションのピノ・ノワールがともに97点、シャルドネはマリゴールド(Marigold)というポジティブ・セレクションが97点で、なんとスタンダードのシャルドネが99点。ワイン・スペクテーターでもスタンダードのピノ・ノワールが95点、ジェームズ・サックリングもスタンダードのピノ・ノワールに94点を付けています。
国内にはピノ・ノワールが入荷しています。税別なら4000円台というのは評価を考えたらかなり格安。ワイナリー価格の35ドルは普通なら6000円くらいになりますから、その面でも格安。この高評価を考えると早々に売り切れそうです。シャルドネはそもそも入荷してくるかどうか…
エオラ・アミティ・ヒルズはイヴニングランドやリングア・フランカなどがある、オレゴンの中でもホットな地域。西側に海岸山脈のギャップがあり、太平洋からの冷たい空気が直接入ってくるため、オレゴンの中でも冷涼な地域になります。WANDSマガジンの記事によると「ダンディー・ヒルズのピノ・ノワールがエレガントなシャンボール・ミュジニーならば、エオラ・アミティ・ヒルズはストラクチャーのあるジュヴレ・シャンベルタンだ」とのこと。
このローズロックの2019年が大変な高評価になっています。ワイン・アドヴォケイトではスタンダードのピノ・ノワールとゼフィリーヌ(Zephirine)というポジティブ・セレクションのピノ・ノワールがともに97点、シャルドネはマリゴールド(Marigold)というポジティブ・セレクションが97点で、なんとスタンダードのシャルドネが99点。ワイン・スペクテーターでもスタンダードのピノ・ノワールが95点、ジェームズ・サックリングもスタンダードのピノ・ノワールに94点を付けています。
国内にはピノ・ノワールが入荷しています。税別なら4000円台というのは評価を考えたらかなり格安。ワイナリー価格の35ドルは普通なら6000円くらいになりますから、その面でも格安。この高評価を考えると早々に売り切れそうです。シャルドネはそもそも入荷してくるかどうか…
毎年6月に開催されていたオークション・ナパヴァレーはその収益を地元の慈善活動にすべて寄付していました。コロナ禍でオークション・ナパヴァレーがなくなり、その後継として新たに始まったプログラムが「コレクティブ・ナパヴァレー」です。会員制で、無料会員と年間1000ドルの「エンスージアスト」、年間5000ドルの「プレミアム・エンスージアスト」の3レベルからなります。
そのコレクティブ・ナパヴァレーの最初のイベントが3月24日午後5時半(日本時間の25日午前9時半)から開催されます。今回は無料会員も対象になっています。
今回のイベントは「SOMM TV」や20人のオールスター・ワインメーカーと協力したライブ・ブロードキャストで、カーネロスからカリストガまでのヴァーチャル・トリップなどを予定しているそうです。
コレクティブ・ナパヴァレーの会員は1000人を超え、寄付金も100万ドルに達しています。
ちなみに会員費は、慈善活動への寄贈という形になるので、日本のふるさと納税などと同様、米国では所得税の削減に役立ちます。おそらくイベントを通じてワインなどを購入した場合も同じ扱いになるのでしょう。そういう意味では税金対策として有効なのですが、日本からだとそういったメリットを見つけにくいのがちょっと難点ではあります。
韓国のガールズグループTwiceのメンバーのナヨンとツウィがワインを飲んでいる動画が公開されています。動画内でも本人たちが「ワインを飲むところを公開するのは初めてだよね」と言っていました。
メンバー内で一番年下のツウィは1999年6月14日生まれ。2015年10月20日にTwiceがデビューしたときはまだ16歳の高校生でしたから、大人になったんだなあと、感無量です。Twiceの中ではおとなしく控えめな性格のツウィが陽キャ代表格のナヨンとデートという組み合わせも意外で、個人的には面白い動画でした。
飲んでいるワインのラベルは小さくてよくわからなかったのですが、Twitterで質問したところ教えていただけました。
「Potel Aviron Juliénas Vieilles Vignes」。フランスはボージョレの古木のブドウによるワインです。映像で色合いからピノ・ノワールかと思いましたがガメイでした。Potel Avironというブランドはブルゴーニュのニコラ・ポテルが、ステファン・アヴィロンという人と組んで始めたもので、最高のボージョレを目指しているとか。Juliénasという畑は「クリュ・デュ・ボージョレ」と呼ばれる特級畑だそうです。
ラベル中央の絵は動画で見たときは「ニワトリ?」と思いましたが、古木をデザインしたものですね。ただ、このワインを調べていると絵のないラベルもあるようです。下のリンク先のもそうですね。
飲んでいるワインのラベルは小さくてよくわからなかったのですが、Twitterで質問したところ教えていただけました。
「Potel Aviron Juliénas Vieilles Vignes」。フランスはボージョレの古木のブドウによるワインです。映像で色合いからピノ・ノワールかと思いましたがガメイでした。Potel Avironというブランドはブルゴーニュのニコラ・ポテルが、ステファン・アヴィロンという人と組んで始めたもので、最高のボージョレを目指しているとか。Juliénasという畑は「クリュ・デュ・ボージョレ」と呼ばれる特級畑だそうです。
ラベル中央の絵は動画で見たときは「ニワトリ?」と思いましたが、古木をデザインしたものですね。ただ、このワインを調べていると絵のないラベルもあるようです。下のリンク先のもそうですね。
マルシェ・ドゥ・シャンパーニュ東京2022というシャンパーニュだけの試飲会に行ってきました。プロ向けの試飲会というわけではなく、一般の方が試飲して、その場で割引価格で購入できるというものです。インポーター32社が187種のシャンパーニュを提供していました(一部は有料試飲)。
カリフォルニアワインしか知らない私にとってはだいぶ敷居が高い感じもしましたが、スパークリングワインを理解には、シャンパーニュを知らないと始まらないので勉強と思って参加しました。
まずはグラスを受け取りましたが、スピット用の紙コップやバケツがないのに驚きました。紙コップは後から提供されましたが、使っている人はごくわずかだったようです。私はそれほどアルコールに強いわけではないので、スピットなしで1ブース試飲しただけで「これはきつい」と思い、紙コップが来るのを待って試飲を進めました。
というわけで、以下はシャンパーニュ素人の感想なので、そう思って読んでいただけるとありがたいです。
感想その1 シャンパーニュはやっぱり高い
この試飲会に出ていたシャンパーニュだと、安いものでも5000円以上。もちろん市販品で3000円程度のものなどあるのは知っていますが、ボリュームラインがこのあたりからだとすると、やはりかなりの高級品感があります。ただ、1万円を超えるものはあまり多くなく、価格レンジは5000~10000円にかなり集まっていました。これはこの試飲会の特性なのかもしれませんが。
感想その2 スタンダードなものは美味しい
有名どころが全部出ていたわけではありませんが、例えばポメリーのブリュット・ロワイヤル、ルイ・ロデレールのコレクション242、243(新入荷らしいです。ハーフボトルのみでした)あたりは非常にバランス良く、誰もが美味しいと感じそうな味わい。さすがと思いました。
感想その3 ムニエが多い
なんとなくシャンパーニュというとシャルドネとピノ・ノワールがメインでムニエは補助的な役割みたいなイメージを持っていたのですが、ムニエ100%だったりムニエ主体のものがかなりたくさんありました。少し柔らかな味わいで親しみやすさがある作りのものが多かった感じがします。これもこの試飲会固有のことなのか全体の傾向なのかまではわかりませんが。
感想その4 自然派系のものが美味しかった
スタンダード品以外で、印象に残った美味しかったものとしては自然派系のものがありました。自然派を選んだというわけではなく、たまたま印象に残ったものが結果的にそうだったということです。
これはシャヴォスト・ブラン・ダッサンブラージュ・ビオというシャンパーニュ、シャルドネ47%、ピノ・ノワール6%、ムニエ47%。有機農法でSO2無添加、ドザージュゼロという作りです。旨味やミネラル感のある味わい。
自然派ではないですが、同じインポーターのブールーデル・ガロワというムニエに特化した造り手のドザージュゼロのものもよかったです。
こちらはアントワーヌ ブヴェという造り手で、こちらも有機農法のシャンパーニュです。インポーターには「ワイン造りでは、人が手をくわえることを極力おさえて、ワインにワイン造りを任せることを大切にしています。補糖、酵素添加はせず、ブドウの果皮についている天然酵母のみを利用して発酵させます。マロラクティック発酵も自然に任せ、フィルターによるろ過をせず、自然冷却して、澱熟成させます。この間、できる限りポンプ等の使用に頼ることなく重力を利用して作業します。ブドウは、畑の区画毎、村毎、セパージュ毎に醸造します。澱を瓶口に集めるためのルミュアージュ(動瓶)は、今でも木製の台(ピュピートル)を使用して手作業で行われています。また、ドザージュに使われるリキュールは、アントワーヌブヴェの自家製です」と書かれています。左が2015年のヴィンテージものでシャルドネとピノ・ノワールが半々、右はピノ・ノワール100%で2016年のものです。
これはサリマ & アラン コルドイユのオリジンというシャンパーニュ。2012年のヴィンテージものです。有機農法でドザージュゼロ。
余談ですが、シャヴォストの写真を撮りに行ったときに(写真のできがひどすぎですが)、アカデミー・デュ・ヴァンのA先生とばったり出会いました。先生もこのシャンパーニュ気に入ったそうで、また上記のアントワーヌ・プヴェなどを輸入しているindigoブースも目星を付けているとのことで、私の感想もそれほど的外れではなさそうかと思いました。
感想その5 残糖は…
シャンパーニュやスパークリングワインの勉強をすると残糖が12g/リットル未満だとBrutなど、残糖による呼び名の違いを学びますが、この試飲会で出ていたものでSec以上のものはなかったのではないかと思います。甘いものはかなり減っているということなのでしょうか。
カリフォルニアワインしか知らない私にとってはだいぶ敷居が高い感じもしましたが、スパークリングワインを理解には、シャンパーニュを知らないと始まらないので勉強と思って参加しました。
まずはグラスを受け取りましたが、スピット用の紙コップやバケツがないのに驚きました。紙コップは後から提供されましたが、使っている人はごくわずかだったようです。私はそれほどアルコールに強いわけではないので、スピットなしで1ブース試飲しただけで「これはきつい」と思い、紙コップが来るのを待って試飲を進めました。
というわけで、以下はシャンパーニュ素人の感想なので、そう思って読んでいただけるとありがたいです。
感想その1 シャンパーニュはやっぱり高い
この試飲会に出ていたシャンパーニュだと、安いものでも5000円以上。もちろん市販品で3000円程度のものなどあるのは知っていますが、ボリュームラインがこのあたりからだとすると、やはりかなりの高級品感があります。ただ、1万円を超えるものはあまり多くなく、価格レンジは5000~10000円にかなり集まっていました。これはこの試飲会の特性なのかもしれませんが。
感想その2 スタンダードなものは美味しい
有名どころが全部出ていたわけではありませんが、例えばポメリーのブリュット・ロワイヤル、ルイ・ロデレールのコレクション242、243(新入荷らしいです。ハーフボトルのみでした)あたりは非常にバランス良く、誰もが美味しいと感じそうな味わい。さすがと思いました。
感想その3 ムニエが多い
なんとなくシャンパーニュというとシャルドネとピノ・ノワールがメインでムニエは補助的な役割みたいなイメージを持っていたのですが、ムニエ100%だったりムニエ主体のものがかなりたくさんありました。少し柔らかな味わいで親しみやすさがある作りのものが多かった感じがします。これもこの試飲会固有のことなのか全体の傾向なのかまではわかりませんが。
感想その4 自然派系のものが美味しかった
スタンダード品以外で、印象に残った美味しかったものとしては自然派系のものがありました。自然派を選んだというわけではなく、たまたま印象に残ったものが結果的にそうだったということです。
これはシャヴォスト・ブラン・ダッサンブラージュ・ビオというシャンパーニュ、シャルドネ47%、ピノ・ノワール6%、ムニエ47%。有機農法でSO2無添加、ドザージュゼロという作りです。旨味やミネラル感のある味わい。
自然派ではないですが、同じインポーターのブールーデル・ガロワというムニエに特化した造り手のドザージュゼロのものもよかったです。
こちらはアントワーヌ ブヴェという造り手で、こちらも有機農法のシャンパーニュです。インポーターには「ワイン造りでは、人が手をくわえることを極力おさえて、ワインにワイン造りを任せることを大切にしています。補糖、酵素添加はせず、ブドウの果皮についている天然酵母のみを利用して発酵させます。マロラクティック発酵も自然に任せ、フィルターによるろ過をせず、自然冷却して、澱熟成させます。この間、できる限りポンプ等の使用に頼ることなく重力を利用して作業します。ブドウは、畑の区画毎、村毎、セパージュ毎に醸造します。澱を瓶口に集めるためのルミュアージュ(動瓶)は、今でも木製の台(ピュピートル)を使用して手作業で行われています。また、ドザージュに使われるリキュールは、アントワーヌブヴェの自家製です」と書かれています。左が2015年のヴィンテージものでシャルドネとピノ・ノワールが半々、右はピノ・ノワール100%で2016年のものです。
これはサリマ & アラン コルドイユのオリジンというシャンパーニュ。2012年のヴィンテージものです。有機農法でドザージュゼロ。
余談ですが、シャヴォストの写真を撮りに行ったときに(写真のできがひどすぎですが)、アカデミー・デュ・ヴァンのA先生とばったり出会いました。先生もこのシャンパーニュ気に入ったそうで、また上記のアントワーヌ・プヴェなどを輸入しているindigoブースも目星を付けているとのことで、私の感想もそれほど的外れではなさそうかと思いました。
感想その5 残糖は…
シャンパーニュやスパークリングワインの勉強をすると残糖が12g/リットル未満だとBrutなど、残糖による呼び名の違いを学びますが、この試飲会で出ていたものでSec以上のものはなかったのではないかと思います。甘いものはかなり減っているということなのでしょうか。
4本セット9999円という格安で買ったワインのうちの1本を開けました。実は単体だと7000円台ということで、むちゃくちゃお買い得だったのですが、そのあたりを調べずに開けてしまったのは少しもったいなかったかもしれません。ラベルがかなり派手なので、そんなにいいワインではないのではと先入観を持ってしまいました。
ブートレグ(Bootleg)というワイナリーはナパをベースにしていますが、このワインはソノマ産。シラー主体でプティ・シラーをブレンドしています。ジャクソン・ファミリー傘下のワイナリーです。ウェブサイトにはあまり詳しい情報はなく、2019年からはGabe Valenzuelaという人がワインメーカーをしていますが、このワインは2015年なのでそれよりも前です。
濃厚フルボディですが、重くなく意外なほどスルスルと飲めてしまうワイン。シラーらしいホワイト・ペッパーなどのスパイス感があります。余韻も上々。これは1本あたり2500円の味ではないなとさすがに思いました。ワイン・アドヴォケイトとジェブ・ダナックが93点をつけています。見かけによらず、凄いやつです。これは美味しい。
ナパのワイナリーKenzo Estateのワインメーカーを創設以来務めてきたハイジ・バレットが辞めたことが判明しました(California Cult Winemaker Walks Out on Winery | Wine-Searcher News & Features)。
ハイジ・バレットはスクリーミングイーグルやグレースファミリーなどのワインメーカーとして名を挙げ、ロバート・パーカーから「ナパのファーストレディ」と呼ばれた著名ワインメーカー。現在もアミューズ・ブーシュやラ・シレナ、ランボーン・ファミリーなどでワインメーカーを続けています。夫のボー・バレットはシャトー・モンテリーナのオーナー兼ワインメーカー。夫妻でバレット・アンド・バレットというワインも作っています。
今回の辞任は2020年のワインに関する意見のすれ違いによるもの。ハイジ・バレットは大規模な山火事で煙汚染の可能性のある2020年に関しては赤ワインを全く作らない方針でした。しかしワイナリー側からどうしても作れと言われたため、ワイナリーを去ることにしたとのこと。
Kenzo Estateの赤羽厚執行副社長は辞任の詳細については語らなかったものの、ワインメーカーは、実質的にマーク・ネインスというアシスタントがほとんど行っていて、ハイジ・バレットは最終ブレンドに立ち会うだけの(ミシェル・ロランが多くのワイナリーで務めているような)役割だったと述べています。
ただし、ハイジ側はブレンドだけでなくワインメーカーとして全責任を負ってきたとしており、ここでも意見のすれ違いが見られます。なお、ワイナリーのウェブサイトにはハイジ・バレットはワインメーカーとして記されています。
ヴィンテージを一つスキップするというのはワイナリーにとっては非常に重い決断になりますが、一流のワインメーカーを失うこととのどちらが重要だったのでしょうか。Kenzoのワインは設立当初はお金だけかけてと揶揄されることも多かったですが、近年は高く評価されるようになってきていました。例えばワイン・アドヴォケイトでは2019年のカベルネ・ソーヴィニヨン藍が95+などの高評価を得ています。今後がどうなっていくか、懸念されるところです。
ハイジ・バレットはスクリーミングイーグルやグレースファミリーなどのワインメーカーとして名を挙げ、ロバート・パーカーから「ナパのファーストレディ」と呼ばれた著名ワインメーカー。現在もアミューズ・ブーシュやラ・シレナ、ランボーン・ファミリーなどでワインメーカーを続けています。夫のボー・バレットはシャトー・モンテリーナのオーナー兼ワインメーカー。夫妻でバレット・アンド・バレットというワインも作っています。
今回の辞任は2020年のワインに関する意見のすれ違いによるもの。ハイジ・バレットは大規模な山火事で煙汚染の可能性のある2020年に関しては赤ワインを全く作らない方針でした。しかしワイナリー側からどうしても作れと言われたため、ワイナリーを去ることにしたとのこと。
Kenzo Estateの赤羽厚執行副社長は辞任の詳細については語らなかったものの、ワインメーカーは、実質的にマーク・ネインスというアシスタントがほとんど行っていて、ハイジ・バレットは最終ブレンドに立ち会うだけの(ミシェル・ロランが多くのワイナリーで務めているような)役割だったと述べています。
ただし、ハイジ側はブレンドだけでなくワインメーカーとして全責任を負ってきたとしており、ここでも意見のすれ違いが見られます。なお、ワイナリーのウェブサイトにはハイジ・バレットはワインメーカーとして記されています。
ヴィンテージを一つスキップするというのはワイナリーにとっては非常に重い決断になりますが、一流のワインメーカーを失うこととのどちらが重要だったのでしょうか。Kenzoのワインは設立当初はお金だけかけてと揶揄されることも多かったですが、近年は高く評価されるようになってきていました。例えばワイン・アドヴォケイトでは2019年のカベルネ・ソーヴィニヨン藍が95+などの高評価を得ています。今後がどうなっていくか、懸念されるところです。
ソノマのロシアン・リバーからの水を2022年はブドウの灌漑用に全く使えないおそれが出てきました(Sonoma Growers Face a Changeable Future | Wine-Searcher News & Features)。昨年は8月からだった取水制限が
、今年は早ければ4月にも発動される状況です。
ロシアン・リバーの水は飲水に使われるほか、他の農業にも使われています。ワイン以上に影響が大きいのが酪農です。牛乳などの乳製品はソノマではワインの次に重要な農産物となっていますが、オーガニックの指定を受けるためには120日間の屋外での飼育が必要となっています。しかし、草が生えないと他の飼料を与えなければならず、オーガニックに牛乳を売るために他の地域から牛乳を輸入してくるといった、本末転倒的なことも行われています。
このほか、サケ・マスのためにも水が必要です。今のままだとニジマスやギンザケの稚魚が川を下って海に出るための水がたりないとのことです。昨年はジャクソン・ファミリーが自身が持つ貯水池の水を提供してしのいだそうですが、今年はそういったプライベートな貯水池のオーナーにお願いしても、良い返事が得られていないとのこと。
干ばつ問題、かなり深刻な域に達してしまいそうです。
、今年は早ければ4月にも発動される状況です。
ロシアン・リバーの水は飲水に使われるほか、他の農業にも使われています。ワイン以上に影響が大きいのが酪農です。牛乳などの乳製品はソノマではワインの次に重要な農産物となっていますが、オーガニックの指定を受けるためには120日間の屋外での飼育が必要となっています。しかし、草が生えないと他の飼料を与えなければならず、オーガニックに牛乳を売るために他の地域から牛乳を輸入してくるといった、本末転倒的なことも行われています。
このほか、サケ・マスのためにも水が必要です。今のままだとニジマスやギンザケの稚魚が川を下って海に出るための水がたりないとのことです。昨年はジャクソン・ファミリーが自身が持つ貯水池の水を提供してしのいだそうですが、今年はそういったプライベートな貯水池のオーナーにお願いしても、良い返事が得られていないとのこと。
干ばつ問題、かなり深刻な域に達してしまいそうです。
国際環境アクションワイナリー(IWCA)というワイナリー団体が、カリフォルニアワイン協会の試飲会に合わせてセミナーを開催しました。この団体は2019年にスペインのトーレスとカリフォルニアのジャクソン・ファミリーが設立したもの。カーボンフットプリントの削減を目指しており、2019年のワインエンスージアストの賞を受けています。カリフォルニアからはほかにスポッツウッドやシルバーオーク、リッジなどのワイナリーが参加しています。
いわゆる「自然派ワイン」と比べると、直接ワインの品質に関わるわけではないのでわかりにくいですが、私はワイナリーが「よりよい企業」になるための活動と捉えています。そういう意味では消費者が、どのワイナリーがそういった活動をより積極的に行っているかを知ることが大事だと思います。
今回のセミナーに登壇(オンライン)したジャクソン・ファミリー、シルバーオーク、スポッツウッドはIWCAの中でも主導的なワイナリーであり。非常に環境活動に熱心に取り組んでいるワイナリーです。
さて、今回はゼロ・エミッションやカーボン・ニュートラルと呼ばれる二酸化炭素の排出をプラスマイナスゼロにするための活動がテーマでした。
IWCAは昨年11月、ワイン業界の排出をCEOに向けて、ゼロ・エミッションへの活動を低減しています。提言の内容は、科学的根拠に基づく取り組みを推進すること。2050年までに排出をゼロにすること、IWCAが開発したカーボンフットプリント(二酸化炭素排出量)の計算メソッドを普及させること、です。小さなワイナリーでも無理なく測定ができるようにしています。
ジャクソン・ファミリーのケイティ・ジャクソンCSR担当上席副社長からはカーボンフットプリントの測定などについて説明がありました。同社では2009年に初めての測定を行い、2015年に徹底的に見直しをしました。さらにそれ以降17.8%の削減を達成しています。
主な取り組みとしてはボトルの重量を減らしたこと。また太陽光発電を大規模に導入しています。ボトルの軽量化では、最も⽣産量の多い4つのボトル⾦型でボトル重量を5%削減したことで、⾃社の排出量を年間2〜3%削減しました。また、年間約100万ドルのガラスコストと年間約50万ドルの燃料コストを削減しました。
なお、缶や箱といったガラスボトル以外のパッケージングの採用について質問したところ、さまざまなものを調べているとのこと。熟成能力もある程度必要と考えて選びたいとのことでした。
スポッツウッドのモリ―・シェパード エデュケーショナル・ワインメーカー兼サスティナビリティからはカバークロップについて、シルバーオークのネイト・ワイス醸造担当副社長からは土壌耕起の削減やコンポスト、生け垣と原生林の活用などについての話がありました。いずれも炭素隔離の実践事例となります。
カバークロップは有機物の増加や窒素保持、線虫抑制などさまざまな効果があります。ただ、カバークロップ自体、植物ですから水を必要とします。昨今の干ばつの状況ではカバークロップを使うのがいいのかどうかは難しい判断になりそうです。
土壌耕起削減という話は今回初めて聞きましたが、土壌の質感が二酸化炭素の排出にかかわっているそうで、土壌の中の粘土とシルトの比率が高いと排出量が減るとのこと。耕起(土地を耕すこと)を減らすことで植物が抱え込む二酸化炭素が増え、排出量が減ることになるそうです。ただ、全く耕起しないよりは少し耕起したほうがいいそうで、そのあたりの理屈はまだわかっていません。
セミナーではワインの試飲もありました。ジャクソン・ファミリーからはケンドール・ジャクソンのヴィントナーズ・リザーブ・シャルドネ2019。30年間米国での売上トップをほこるシャルドネです。
このワイン、95%樽発酵を使っており、樽の風味とマロラクティック発酵によるバターの風味でまろやかな味わい。酸が非常にしっかりしているのであまやかさよりもバランスの良さを感じます。
樽は洗浄が大変で、サスティナビリティの面では難しいところもあるのですが、ジャクソン・ファミリーでは洗浄の水を3回まで再利用するシステムを入れて水の利用を抑えています。また、前述のようにボトルを軽量化しており、再生ガラスも55%使っています。
同じくジャクソン・ファミリーからのカンブリア ジュリアズ・ヴィンヤード ピノ・ノワール2015はサンタ・バーバラのピノ・ノワール。ザクロやクランベリーなどやや甘やかな果実味にベーキング・スパイスやシナモンのスパイス風味が美味しいピノ・ノワール。酸もしっかりしています。
スポッツウッドからはカベルネ・ソーヴィニヨン2018。ナパを代表するカベルネ・ソーヴィニヨンの一つです。カシスやブラックベリーの風味、コーヒー、トースト、皮革。フルボディで非常に長い余韻。ナパのワインとしては酸もしっかりしています。タンニンがまだ結構強いので、こなれるまで少しかかりそうでした。
シルバーオークからはアレキサンダー・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨン2017とタイムレス 2018。タイムレスというのはシルバーオークがナパのソーダ・キャニオンに持つメインの畑の単一畑ものです。アレキサンダー・ヴァレーがミディアムボディーでまろやかなタンニン、非常に飲みやすいワインであるのに対し、タイムレスはストラクチャーがしっかりしており、タンニンも強固な山系を感じさせるワイン。20年以上の熟成が期待できそうです。
セミナーの内容はかなり難しいところもありましたが、今後はワイナリーを選ぶ基準としてもその取組を注視していきたいと思います。
いわゆる「自然派ワイン」と比べると、直接ワインの品質に関わるわけではないのでわかりにくいですが、私はワイナリーが「よりよい企業」になるための活動と捉えています。そういう意味では消費者が、どのワイナリーがそういった活動をより積極的に行っているかを知ることが大事だと思います。
今回のセミナーに登壇(オンライン)したジャクソン・ファミリー、シルバーオーク、スポッツウッドはIWCAの中でも主導的なワイナリーであり。非常に環境活動に熱心に取り組んでいるワイナリーです。
さて、今回はゼロ・エミッションやカーボン・ニュートラルと呼ばれる二酸化炭素の排出をプラスマイナスゼロにするための活動がテーマでした。
IWCAは昨年11月、ワイン業界の排出をCEOに向けて、ゼロ・エミッションへの活動を低減しています。提言の内容は、科学的根拠に基づく取り組みを推進すること。2050年までに排出をゼロにすること、IWCAが開発したカーボンフットプリント(二酸化炭素排出量)の計算メソッドを普及させること、です。小さなワイナリーでも無理なく測定ができるようにしています。
ジャクソン・ファミリーのケイティ・ジャクソンCSR担当上席副社長からはカーボンフットプリントの測定などについて説明がありました。同社では2009年に初めての測定を行い、2015年に徹底的に見直しをしました。さらにそれ以降17.8%の削減を達成しています。
主な取り組みとしてはボトルの重量を減らしたこと。また太陽光発電を大規模に導入しています。ボトルの軽量化では、最も⽣産量の多い4つのボトル⾦型でボトル重量を5%削減したことで、⾃社の排出量を年間2〜3%削減しました。また、年間約100万ドルのガラスコストと年間約50万ドルの燃料コストを削減しました。
なお、缶や箱といったガラスボトル以外のパッケージングの採用について質問したところ、さまざまなものを調べているとのこと。熟成能力もある程度必要と考えて選びたいとのことでした。
スポッツウッドのモリ―・シェパード エデュケーショナル・ワインメーカー兼サスティナビリティからはカバークロップについて、シルバーオークのネイト・ワイス醸造担当副社長からは土壌耕起の削減やコンポスト、生け垣と原生林の活用などについての話がありました。いずれも炭素隔離の実践事例となります。
カバークロップは有機物の増加や窒素保持、線虫抑制などさまざまな効果があります。ただ、カバークロップ自体、植物ですから水を必要とします。昨今の干ばつの状況ではカバークロップを使うのがいいのかどうかは難しい判断になりそうです。
土壌耕起削減という話は今回初めて聞きましたが、土壌の質感が二酸化炭素の排出にかかわっているそうで、土壌の中の粘土とシルトの比率が高いと排出量が減るとのこと。耕起(土地を耕すこと)を減らすことで植物が抱え込む二酸化炭素が増え、排出量が減ることになるそうです。ただ、全く耕起しないよりは少し耕起したほうがいいそうで、そのあたりの理屈はまだわかっていません。
セミナーではワインの試飲もありました。ジャクソン・ファミリーからはケンドール・ジャクソンのヴィントナーズ・リザーブ・シャルドネ2019。30年間米国での売上トップをほこるシャルドネです。
このワイン、95%樽発酵を使っており、樽の風味とマロラクティック発酵によるバターの風味でまろやかな味わい。酸が非常にしっかりしているのであまやかさよりもバランスの良さを感じます。
樽は洗浄が大変で、サスティナビリティの面では難しいところもあるのですが、ジャクソン・ファミリーでは洗浄の水を3回まで再利用するシステムを入れて水の利用を抑えています。また、前述のようにボトルを軽量化しており、再生ガラスも55%使っています。
同じくジャクソン・ファミリーからのカンブリア ジュリアズ・ヴィンヤード ピノ・ノワール2015はサンタ・バーバラのピノ・ノワール。ザクロやクランベリーなどやや甘やかな果実味にベーキング・スパイスやシナモンのスパイス風味が美味しいピノ・ノワール。酸もしっかりしています。
スポッツウッドからはカベルネ・ソーヴィニヨン2018。ナパを代表するカベルネ・ソーヴィニヨンの一つです。カシスやブラックベリーの風味、コーヒー、トースト、皮革。フルボディで非常に長い余韻。ナパのワインとしては酸もしっかりしています。タンニンがまだ結構強いので、こなれるまで少しかかりそうでした。
シルバーオークからはアレキサンダー・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨン2017とタイムレス 2018。タイムレスというのはシルバーオークがナパのソーダ・キャニオンに持つメインの畑の単一畑ものです。アレキサンダー・ヴァレーがミディアムボディーでまろやかなタンニン、非常に飲みやすいワインであるのに対し、タイムレスはストラクチャーがしっかりしており、タンニンも強固な山系を感じさせるワイン。20年以上の熟成が期待できそうです。
セミナーの内容はかなり難しいところもありましたが、今後はワイナリーを選ぶ基準としてもその取組を注視していきたいと思います。
ナパのヨントヴィルにあるミシュラン三つ星レストラン「フレンチ・ランドリー」。その創設者であるサリー・シュミットが3月5日にメンドシーノのファイロにある自宅でなくなっていたことが判明しました。90歳でした。
その後、夫妻はかつてフランスのスチームランドリー(兼バーと寄宿舎)だった石造りの建物を購入。予約のみのレストラン「フレンチ・ランドリー」を1978年にオープンしました。
プリフィックス・メニューにローカルな食材を使ったメニューを提供していましたが1994年にトーマス・ケラーに売却。その後はナパで最も予約の取れないレストランとして人気を博し、2006年にミシュラン・レストラン・ガイドのサンフランシスコ版が出たときから三つ星を続けています。
シュミット夫妻はその後、ファイロでアップル・ファームを経営。サリーは料理教室なども手掛けていました。
ご冥福をお祈りします。
By Peter Merholz - Flickr, CC BY-SA 2.0, Link
その後、夫妻はかつてフランスのスチームランドリー(兼バーと寄宿舎)だった石造りの建物を購入。予約のみのレストラン「フレンチ・ランドリー」を1978年にオープンしました。
プリフィックス・メニューにローカルな食材を使ったメニューを提供していましたが1994年にトーマス・ケラーに売却。その後はナパで最も予約の取れないレストランとして人気を博し、2006年にミシュラン・レストラン・ガイドのサンフランシスコ版が出たときから三つ星を続けています。
シュミット夫妻はその後、ファイロでアップル・ファームを経営。サリーは料理教室なども手掛けていました。
ご冥福をお祈りします。
木曜日は東京・目黒の雅叙園でカリフォルニアワインの試飲会でした。午前中はセミナー、午後は3時過ぎまで試飲でバタバタと。終わってかなり遅いランチを食べて(さすがにやっている店が少なくだいぶうろうろしました)、あとは帰るだけというところで、目黒で知り合いのワインバーがあるのを思い出して、実は行ったことがなかったので、まだやっていないだろうと思いつつ場所だけ確認して帰ろうとしました。
と、ビルを出る前にそのオーナーの江藤愛さんに遭遇。開店前の仕込みで忙しいところ、ちょっとお邪魔させていただきました。
店内の写真も取り忘れましたが、カウンター8席程度のこじんまりとした店です。
ワインのメニューを見せてもらいましたが、グラスワインがかなり豊富。コラヴァンも使っていろいろなワインをグラスで出せるようにしているようです。価格も1杯1000円程度のものがかなりたくさんあります。もちろんボトルワインもありますが、グラスでいろいろ試すのが楽しそうです。
まずグラスでいただいたのはサブミッションのロゼです。優しい味でほっとします。試飲会で気に入ったワインの一つでもありました。ただ、試飲会では1アイテム数十秒くらいでどんどん次のものを試飲しないといけないし、飲み込んでいたら酔っ払ってしまうので基本スピットしますから、試飲会のあとでこうやってゆっくりワインを飲むのはすごく贅沢な気分になります。
すぐ帰ろうと思っていましたが、もう1杯。アリシアンのピノ・ノワールです。ロシアン・リバー・ヴァレーらしい暖かみのあるピノ・ノワール。
せっかくなのでちょっと料理もいただきました。野菜がたくさんでこれも嬉しい。自分で普段料理をしていると、こうやって素材がたくさん使われているのがどれだけ贅沢なことかよくわかります。そしてどれも新鮮で素材の味がしっかりします。軽くドレッシングは添えられていますがほぼ素材の味わいを生かしたものになっています。「生ハムと何か」とお願いしたのですが、こんなに素敵な料理がいただけると思っておらず、感動しました。
愛さんとは、いつも試飲会でお会いしますが、挨拶するだけでなかなかゆっくり合うことはなかったので、お店に伺えてよかったです。今度はもっとちゃんと料理をいただきたいです。
aizbar
東京都品川区上大崎2-26-5 メグロードビル2F
03-5434-0117
(現在は18:00~21:00の短縮営業、前日までの予約のみになっています)
と、ビルを出る前にそのオーナーの江藤愛さんに遭遇。開店前の仕込みで忙しいところ、ちょっとお邪魔させていただきました。
店内の写真も取り忘れましたが、カウンター8席程度のこじんまりとした店です。
ワインのメニューを見せてもらいましたが、グラスワインがかなり豊富。コラヴァンも使っていろいろなワインをグラスで出せるようにしているようです。価格も1杯1000円程度のものがかなりたくさんあります。もちろんボトルワインもありますが、グラスでいろいろ試すのが楽しそうです。
まずグラスでいただいたのはサブミッションのロゼです。優しい味でほっとします。試飲会で気に入ったワインの一つでもありました。ただ、試飲会では1アイテム数十秒くらいでどんどん次のものを試飲しないといけないし、飲み込んでいたら酔っ払ってしまうので基本スピットしますから、試飲会のあとでこうやってゆっくりワインを飲むのはすごく贅沢な気分になります。
すぐ帰ろうと思っていましたが、もう1杯。アリシアンのピノ・ノワールです。ロシアン・リバー・ヴァレーらしい暖かみのあるピノ・ノワール。
せっかくなのでちょっと料理もいただきました。野菜がたくさんでこれも嬉しい。自分で普段料理をしていると、こうやって素材がたくさん使われているのがどれだけ贅沢なことかよくわかります。そしてどれも新鮮で素材の味がしっかりします。軽くドレッシングは添えられていますがほぼ素材の味わいを生かしたものになっています。「生ハムと何か」とお願いしたのですが、こんなに素敵な料理がいただけると思っておらず、感動しました。
愛さんとは、いつも試飲会でお会いしますが、挨拶するだけでなかなかゆっくり合うことはなかったので、お店に伺えてよかったです。今度はもっとちゃんと料理をいただきたいです。
aizbar
東京都品川区上大崎2-26-5 メグロードビル2F
03-5434-0117
(現在は18:00~21:00の短縮営業、前日までの予約のみになっています)
米国のアルコール・タバコ税および貿易局(TTB)は2022年3月9日、新しいAVAとして「サン・ルイス・オビスポ・コースト(San Louis Obispo Coast、SLO Coast)」を認定しました。4月8日から有効になります。
SLOコーストは、既存のエドナ・ヴァレー(Edna Valley)とアロヨ・グランデ・ヴァレー(Arroyo Grande Valley)を含んでおり、サン・ルイス・オビスポ郡の沿岸地域全体をカバーしています。太平洋に近く非常に冷涼、また緯度が低いため太陽の日照時間は非常に長いといった特徴があり、シャルドネやピノ・ノワールの名産地です。
この2つのAVA、以前セミナーで「不遇の冷涼産地」と紹介したことがあります。潜在的な力はすぐ南にあるサンタ・バーバラに負けず、特に海に近い冷涼さという点では、サンタ・バーバラ以上の面があるにも関わらず、カリフォルニアの中でも知る人ぞ知るといった位置づけになっていました。その理由の一つとして、エドナ・ヴァレーとアロヨ・グランデ・ヴァレーをまとめた呼び名がないというところがあったので、今回のSLOコーストAVA策定によって、メジャー産地になっていく可能性が上がったのではないかと思います。
ちょっとややこしいですが、その背景をさらに説明すると、実はサンタ・バーバラはカリフォルニアの「郡」の名前であって、AVAとしてサンタ・バーバラというのはありません。同様にソノマも郡の名前であってソノマ全域を束ねた形のAVAはありません(ナパはナパ・ヴァレーというAVAとナパ郡が一致した形になっていますが、これは例外的です)。モントレーも同様です。
ですから総称として郡の名前を使うというのは一般的であり、分かりやすくアピールもしやすいのです。ただ、エドナ・ヴァレーとアロヨ・グランデ・ヴァレーの場合は郡の名前がサン・ルイス・オビスポ(SLO)で、サン・ルイス・オビスポ郡の中にはパソ・ロブレスも含まれているのです。パソ・ロブレスはやや内陸に入っているため温暖で、カベルネ・ソーヴィニヨンやローヌ系品種などが主に造られており、エドナ・ヴァレーやアロヨ・グランデ・ヴァレーとは大きく性質がことなります。そのため、この2つのAVAの総称としてサン・ルイス・オビスポやSLOは使えなかったのです。
そこで、これまでも一部ではSLOの沿岸地域といった言い方はされていましたが、今回のAVA策定で大手を振って「SLOコースト」と呼べるようになりました。
これまではやや「2軍」的な位置づけになりがちで、他地域のワイナリーの低価格版をこの地域のブドウで造るといった形がやや多かった感がありますが、これからはメジャー産地の一つに成長してくれるのではないかと期待しています。
SLOコーストは、既存のエドナ・ヴァレー(Edna Valley)とアロヨ・グランデ・ヴァレー(Arroyo Grande Valley)を含んでおり、サン・ルイス・オビスポ郡の沿岸地域全体をカバーしています。太平洋に近く非常に冷涼、また緯度が低いため太陽の日照時間は非常に長いといった特徴があり、シャルドネやピノ・ノワールの名産地です。
この2つのAVA、以前セミナーで「不遇の冷涼産地」と紹介したことがあります。潜在的な力はすぐ南にあるサンタ・バーバラに負けず、特に海に近い冷涼さという点では、サンタ・バーバラ以上の面があるにも関わらず、カリフォルニアの中でも知る人ぞ知るといった位置づけになっていました。その理由の一つとして、エドナ・ヴァレーとアロヨ・グランデ・ヴァレーをまとめた呼び名がないというところがあったので、今回のSLOコーストAVA策定によって、メジャー産地になっていく可能性が上がったのではないかと思います。
ちょっとややこしいですが、その背景をさらに説明すると、実はサンタ・バーバラはカリフォルニアの「郡」の名前であって、AVAとしてサンタ・バーバラというのはありません。同様にソノマも郡の名前であってソノマ全域を束ねた形のAVAはありません(ナパはナパ・ヴァレーというAVAとナパ郡が一致した形になっていますが、これは例外的です)。モントレーも同様です。
ですから総称として郡の名前を使うというのは一般的であり、分かりやすくアピールもしやすいのです。ただ、エドナ・ヴァレーとアロヨ・グランデ・ヴァレーの場合は郡の名前がサン・ルイス・オビスポ(SLO)で、サン・ルイス・オビスポ郡の中にはパソ・ロブレスも含まれているのです。パソ・ロブレスはやや内陸に入っているため温暖で、カベルネ・ソーヴィニヨンやローヌ系品種などが主に造られており、エドナ・ヴァレーやアロヨ・グランデ・ヴァレーとは大きく性質がことなります。そのため、この2つのAVAの総称としてサン・ルイス・オビスポやSLOは使えなかったのです。
そこで、これまでも一部ではSLOの沿岸地域といった言い方はされていましたが、今回のAVA策定で大手を振って「SLOコースト」と呼べるようになりました。
これまではやや「2軍」的な位置づけになりがちで、他地域のワイナリーの低価格版をこの地域のブドウで造るといった形がやや多かった感がありますが、これからはメジャー産地の一つに成長してくれるのではないかと期待しています。
ナパのサスティナブル認証プログラムは2004年に策定された「Napa Green Land」と「Napa Green Winery」の構成となっていましたが、2022年1月から土地の認証の方が「Napa Green Vineyard」にアップグレードしました。既存の認証を受けているところは新しいプログラムへの移行に1年間の猶予期間があります。
2004年に策定されたプログラムの主眼はナパ・リヴァーの保全や、それに関連して山からの土砂の流出を防ぐところにありました。それに対してNapa Green Vineyardではカーボンフットプリントの削減や、再生農法、そして社会的公正の実現といったところを含むようになりました。より、現在のSDGsの流れに近いものになったとも言えると思います。
オーガニックやビオディナミの農法といったいわゆる自然派のワインは、ワイン自体の味わいに影響するため、消費者にとってもわかりやすいですが、サスティナブルは、例えば農薬の使用は完全に禁じられているわけではないなど、自然派的な見方からは緩かったり不完全だったりに感じられるかもしれません。そのあたりが、サスティナブルのわかりにくさにつながっているかと思っていますが、サスティナブルはSDGsと同様、ワイナリーが社会的に正しい方向に進む道を示しているのだと思います。消費者としても、もっとそこに関心を持って、ワインを選ぶときの判断材料の一つとして使えるようになるのが望ましいのではとも感じています。
ナパのワインとしては異例のコスパを誇るカモミ(Ca' Momi)。シャルマ方式(タンク内二次発酵)でコスパの高いスパークリングワインを造るイーター(Iter)、実売1000円切りもあり安旨のシャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンで早くも定番ワインの一角に名を連ねるようになったベンド(Bend)、ナパ中心の高品質ワインを2000円台で造るインディゴ・アイズ(Indigo Eyes)。
これらカリフォルニアの安旨ワインで有力なブランド、実はすべて同じワインメーカーが造っています。その凄腕がダリオ・ディ・コンティ(Dario di Conti)とステファーノ・ミゴット(Stefano Migotto)の二人。ステファーノは北イタリアで3代続くワイナリーの出身で1991年に「アメリカン・ドリームを夢見て」ナパに移住してきました。ダリオ・ディ・コンティもイタリアの出身で、14歳から「門前の小僧習わぬ経を読む」スタイルでワイン造りを学び始め、大学でも醸造を勉強しました。2003年に米国に移住し、ステファーノと共同でワインを作りはじめました(二人はイタリア時代から知り合いだったようです)。
二人が造るワイナリーは、調べられた範囲で以下の7つがあります。「Pra Vinera」以外は国内に入荷しています。実は大人気の「ブレッド・アンド・バター」の設立にもこの二人は携わっており、ブランド売却前はワインメーカーをしていました。安旨ワインの請負人と呼んでもいいかもしれません。
Adulation
Bend Cellars
Ca' Momi Winery
Indigo Eyes
Iter Cellars
ObscuRED
Pra Vinera Wines
この中でも、プレミアム寄りで力を入れていると言っていいのがカモミでしょう。ナパに自社畑を複数持ち、自社畑中心でワインを造っています。最近、カモミの中でも人気ワインだったレッド・ブレンド「ロッソ・ディ・カモミ」が生産中止という話が出ていますが、代わりに新たなブランドとして登場したのが上記の「ObscuRED(オブスキュアード)」です。このワイナリーではレッド・ブレンド1種類だけを造っています。
彼らの造るワインはどれも肩肘張らず、気楽に飲めるスタイルでわかりやすい美味しさを持っています。スパークリングで瓶内二次発酵の代わりにタンクでの二次発酵を使ったり、オブスキュアードで樽熟成の代わりに、オーク・ステーブと呼ぶ樫の木の板をタンクに入れて樽の風味を付けたり、と醸造でコストを削り、その分高品質なブドウの調達に注力しているようです。そういった点も安旨ワインのお手本といえそうです。
しあわせワイン倶楽部です
ココスです。
セラー専科です。
ココスです。
カリフォルニアワインあとりえです。
しあわせワイン倶楽部です。
これらカリフォルニアの安旨ワインで有力なブランド、実はすべて同じワインメーカーが造っています。その凄腕がダリオ・ディ・コンティ(Dario di Conti)とステファーノ・ミゴット(Stefano Migotto)の二人。ステファーノは北イタリアで3代続くワイナリーの出身で1991年に「アメリカン・ドリームを夢見て」ナパに移住してきました。ダリオ・ディ・コンティもイタリアの出身で、14歳から「門前の小僧習わぬ経を読む」スタイルでワイン造りを学び始め、大学でも醸造を勉強しました。2003年に米国に移住し、ステファーノと共同でワインを作りはじめました(二人はイタリア時代から知り合いだったようです)。
二人が造るワイナリーは、調べられた範囲で以下の7つがあります。「Pra Vinera」以外は国内に入荷しています。実は大人気の「ブレッド・アンド・バター」の設立にもこの二人は携わっており、ブランド売却前はワインメーカーをしていました。安旨ワインの請負人と呼んでもいいかもしれません。
Adulation
Bend Cellars
Ca' Momi Winery
Indigo Eyes
Iter Cellars
ObscuRED
Pra Vinera Wines
この中でも、プレミアム寄りで力を入れていると言っていいのがカモミでしょう。ナパに自社畑を複数持ち、自社畑中心でワインを造っています。最近、カモミの中でも人気ワインだったレッド・ブレンド「ロッソ・ディ・カモミ」が生産中止という話が出ていますが、代わりに新たなブランドとして登場したのが上記の「ObscuRED(オブスキュアード)」です。このワイナリーではレッド・ブレンド1種類だけを造っています。
彼らの造るワインはどれも肩肘張らず、気楽に飲めるスタイルでわかりやすい美味しさを持っています。スパークリングで瓶内二次発酵の代わりにタンクでの二次発酵を使ったり、オブスキュアードで樽熟成の代わりに、オーク・ステーブと呼ぶ樫の木の板をタンクに入れて樽の風味を付けたり、と醸造でコストを削り、その分高品質なブドウの調達に注力しているようです。そういった点も安旨ワインのお手本といえそうです。
しあわせワイン倶楽部です
ココスです。
セラー専科です。
ココスです。
カリフォルニアワインあとりえです。
しあわせワイン倶楽部です。
Napa Valley Wine Growersは3月2日、カーネロスのシャルドネで芽吹きを確認したと発表しました。来週中にはナパ・ヴァレー中で芽吹きが始まるだろうとのことです。
新しい年の始まるを告げる芽吹きはうれしいものですが、半面霜の被害もしばらく気になるところです。霜を防ぐ手段としてはスプリンクラーや空気を循環させる装置などが有名ですが、畑のカバークロップを刈り取ってしまうことも効果があるそうです。その方が土壌が熱をため込めやすくなるとか。
「エレガントの極み、フリーマンの新作スパークリング」という記事で紹介したフリーマンの初めてのスパークリングワイン「20 Anniversary YU-KI ESTATE BLANC DE BLANCS Sonoma Coast 2019」の先行予約が始まりました。
先行予約はFacebookで「フリーマン・ワイン・クラブ」に「いいね」している人が対象となります。申込方法もそちらに記述されています。本数は限定36本で、それを超えた場合は抽選になります。
価格は税別1万500円。今回は以下の特典があります。
1.日本国内であれば、送料無料にてお届け
2.ご購入後、アキコ・フリーマンさんとのトークセッションにご招待※
3.ワイナリー限定のノベルティをプレゼント
※希望される方のみでご都合をすり合わせた上で、少人数制度グループトークとなります
本当に繊細でエレガントなワイン、フリーマンらしいスパークリングです。
しあわせワイン倶楽部にデビル・プルーフ(Devil Proof)のマルベック「フォロー・ランチ(Farrow Ranch)」2019が入荷しています。2018年の同ワインはワイン・アドヴォケイトでカリフォルニアのマルベックとしては初の100点を取ったワイン(ほかにアルゼンチンで3本の100点があります)。2019年の評価はまだ出ていませんが、2019年も良好なヴィンテージなので高い点が出る可能性はかなりあるでしょう。
デビル・プルーフのワインメーカーであるジェシー・カッツは昨年、1本100万ドルというワインのオークション落札金額トップのワインを造った人でもあり、注目のワインメーカーの一人です(1本100万ドル、オークションで落札新記録 ソノマの無名ワインがなぜ?)。
デビル・プルーフのワインメーカーであるジェシー・カッツは昨年、1本100万ドルというワインのオークション落札金額トップのワインを造った人でもあり、注目のワインメーカーの一人です(1本100万ドル、オークションで落札新記録 ソノマの無名ワインがなぜ?)。
ナパヴァレー・ベスト・ソムリエアンバサダーの富滿さんとベスト・エデュケーターの四家さんが紹介するナパヴァレーのワイン第2段としてシルヴァー・オーク(Silver Oak)が登場していました。
こういった老舗ワイナリーのワインは、あまりブログで取り上げる機会はないので、久しぶりに紹介させていただきます。
1972年にRaymond Twomey Duncan(レイ・ダンカン)とJustin Meyer(ジャスティン・メイヤー)が設立したワイナリーで「Life is a Cabernet」のキャッチフレーズで知られています。ナパとソノマのアレキサンダー・ヴァレーの2つのカベルネ・ソーヴィニヨンだけを作り続けています(他の品種のワインは2000年ころからTwomeyのブランドで造っています)。動画でも紹介していますが、熟成にアメリカン・オークの樽を使うのが大きな特徴で、樽の甘やかな風味があるワインです。また、他のワイナリーよりも出荷までの熟成期間が1~2年長く、リリース直後から飲み頃になっているのも特徴です。「最も素晴らしいワインというわけではないかもしれないが、飲みやすいワインなんだ」とレイ・ダンカンは言っています。ある意味、最もカリフォルニアらしいカベルネ・ソーヴィニヨンですが、それほどガツンとくる味わいではなく非常にバランスのいいのも特徴です。
近年はサスティナブルなワイン造りに非常に力を入れており、環境に気を使っていることではカリフォルニアの中でもトップのワイナリーと言ってもいいでしょう(ワイナリーとしては初のLEEDプラティナムの認証を受けていたり、カリフォルニア・グリーン・メダルのリーダー・アワードを受賞していたりします)。
こういった老舗ワイナリーのワインは、あまりブログで取り上げる機会はないので、久しぶりに紹介させていただきます。
1972年にRaymond Twomey Duncan(レイ・ダンカン)とJustin Meyer(ジャスティン・メイヤー)が設立したワイナリーで「Life is a Cabernet」のキャッチフレーズで知られています。ナパとソノマのアレキサンダー・ヴァレーの2つのカベルネ・ソーヴィニヨンだけを作り続けています(他の品種のワインは2000年ころからTwomeyのブランドで造っています)。動画でも紹介していますが、熟成にアメリカン・オークの樽を使うのが大きな特徴で、樽の甘やかな風味があるワインです。また、他のワイナリーよりも出荷までの熟成期間が1~2年長く、リリース直後から飲み頃になっているのも特徴です。「最も素晴らしいワインというわけではないかもしれないが、飲みやすいワインなんだ」とレイ・ダンカンは言っています。ある意味、最もカリフォルニアらしいカベルネ・ソーヴィニヨンですが、それほどガツンとくる味わいではなく非常にバランスのいいのも特徴です。
近年はサスティナブルなワイン造りに非常に力を入れており、環境に気を使っていることではカリフォルニアの中でもトップのワイナリーと言ってもいいでしょう(ワイナリーとしては初のLEEDプラティナムの認証を受けていたり、カリフォルニア・グリーン・メダルのリーダー・アワードを受賞していたりします)。
サザビーズとの全面協力になって初めて開催されたプルミエ・ナパ・ヴァレー・オークションが終了しました。ライブラリー・ワインのオークションを含めた落札総額は270万ドルを超えたとのこと。かつては600万ドルを超えた年もありましたが、コロナ禍でオンラインとの併用になった状況や、山火事の影響で品質が懸念されていた2020年のワインが出品されたことなどを考えると、かなり良い結果だったのではないかと思います。
その2020年ヴィンテージのワインですが、赤ワインの平均落札額が234ドルに達しました。ペブル・ビーチ・リゾートのウェンディ・ヘイルマンは「明るく、鮮やかで、本当に素晴らしい品質」だったと評しています。
また、1本当たりの落札額が一番高かったのはファヴィアとアワーグラス、ブエナビスタとチャールズクルッグ、レイノルズ・ファミリーとケイナードといずれもジョイントのワインで1本当たり325ドルでした。レイノルズとケイナードのものはカベルネ・フランで、カベルネ・ソーヴィニヨンが圧倒的に強いこのオークションで、カベルネ・フランのワインが上位に来るのはかなり珍しいと思います。
このほか白ワインの落札額も平均108ドルと100ドルを超えたこと、マルベックやネッビオーロ、リースリングやアルバリーニョなども出品され、いつになく多様化が目立つオークションとなりました。
その2020年ヴィンテージのワインですが、赤ワインの平均落札額が234ドルに達しました。ペブル・ビーチ・リゾートのウェンディ・ヘイルマンは「明るく、鮮やかで、本当に素晴らしい品質」だったと評しています。
また、1本当たりの落札額が一番高かったのはファヴィアとアワーグラス、ブエナビスタとチャールズクルッグ、レイノルズ・ファミリーとケイナードといずれもジョイントのワインで1本当たり325ドルでした。レイノルズとケイナードのものはカベルネ・フランで、カベルネ・ソーヴィニヨンが圧倒的に強いこのオークションで、カベルネ・フランのワインが上位に来るのはかなり珍しいと思います。
このほか白ワインの落札額も平均108ドルと100ドルを超えたこと、マルベックやネッビオーロ、リースリングやアルバリーニョなども出品され、いつになく多様化が目立つオークションとなりました。