アイダホ州にあるコルターズ・クリーク・ワイナリー(Colter’s Creek Winery)が山火事で焼失しました(Idaho’s Colter’s Creek Winery destroyed by fire - Northwest Wine Report)。
コルターズ・クリーク・ワイナリーはルイス・クラーク・ヴァレー(Lewis-Clark Valley)というAVAに入っています。ルイス・クラーク・ヴァレーはワシントン州とアイダホ州にまたがるAVAです。現在8個のワイナリーが地域のアライアンスに加盟していますが、うち7個はアイダホに所属しています。
7月25日に雷の後に発生したGwen Fireという山火事が20000エーカーを焼き、コルターズ・クリーク・ワイナリーのあるジュリエッタという町(人口634人)は避難命令が出ました。
その火事によりワイナリーの醸造設備やテイスティングルーム、ワインの倉庫などが焼失。今年1月には寒波によって畑が大きなダメージを受けており、ワイナリーのオーナーは「白旗を上げた」と、廃業を表明しています。
今後はわずかに残った在庫を売って、従業員に配るとのことです。
土用の丑の日に、うなぎのかば焼きに合わせてカルディでセール中のローゼンブラムのジンファンデル「ヴィントナーズ・キュベ ロット42」を飲みました。
米国で14ドル程度で売っているこのワイン。カルディで1400円そこそこですからかなり安いです。しかもRosenblumといえば、かつてはジンファンデルの「3R」の一角として活躍したジンファンデルの名門。否が応でも期待が高まります。
ただ、カルディにときどき登場するこういった特売もの、今まで何回か買いましたが、「値段相応」と思ってしまうことも多くどこまで期待していいのかちょっと悩ましいところもありました。さらに、いち早く買って飲んだ人からは「薄い」とか「メルローみたい」といった声も聞こえており、期待と不安の入り混じったところでした。
土用の丑の日に開けたのは、うなぎのかば焼きのタレの甘さにジンファンデルの甘やかさがあるだろうと思ったから。
ワインを飲んでみると、エレガントさが目立ちます。
ワインの裏ラベルにはこのように「Go Big」と大きく書いてありますが、そういうタイプのワインではありません。プラムの甘酸っぱさが優しく感じられます。そういえば、以前はジンファンデルの特徴というと「プラムの香り」と思っていましたが、最近のジンファンデルはプラムっぽさを感じないことが多いです。このワイン、ジンファンデル80%にプティ・シラーを20%ブレンドしているそうですが、プティ・シラーっぽさもあまりなかったように思います。ミディアム・ボディで酸もしっかりあり、なかなかバランスよく美味しいです。
時間がたつとだんだん甘やかさがでてきて、よりジンファンデルらしさが出てきます。甘やかさが出ても、品は良く、好印象です。1000円台のジンファンデルやレッドブレンドにあるような甘さを強調したタイプではないのでちょっとおとなしく感じられるかもしれませんが、いいジンファンデルだと思います。
ところで、うなぎはスーパーで1尾1280円くらいの中国産のかば焼きを買ったのですが、ネットで「市販のかば焼きを美味しく食べる方法」を検索し、たれを一回洗い流してからお酒をかけてアルミホイルでくるんでオーブントースターで温めて食べました。安いうなぎってたれの味が悪目立ちする感じがありますが、こうすることでふくよかで上品になります。普通に温めて食べたら、このジンファンデルは負けてしまったかもしれませんが、いい感じで合って良かったです。
米国で14ドル程度で売っているこのワイン。カルディで1400円そこそこですからかなり安いです。しかもRosenblumといえば、かつてはジンファンデルの「3R」の一角として活躍したジンファンデルの名門。否が応でも期待が高まります。
ただ、カルディにときどき登場するこういった特売もの、今まで何回か買いましたが、「値段相応」と思ってしまうことも多くどこまで期待していいのかちょっと悩ましいところもありました。さらに、いち早く買って飲んだ人からは「薄い」とか「メルローみたい」といった声も聞こえており、期待と不安の入り混じったところでした。
土用の丑の日に開けたのは、うなぎのかば焼きのタレの甘さにジンファンデルの甘やかさがあるだろうと思ったから。
ワインを飲んでみると、エレガントさが目立ちます。
ワインの裏ラベルにはこのように「Go Big」と大きく書いてありますが、そういうタイプのワインではありません。プラムの甘酸っぱさが優しく感じられます。そういえば、以前はジンファンデルの特徴というと「プラムの香り」と思っていましたが、最近のジンファンデルはプラムっぽさを感じないことが多いです。このワイン、ジンファンデル80%にプティ・シラーを20%ブレンドしているそうですが、プティ・シラーっぽさもあまりなかったように思います。ミディアム・ボディで酸もしっかりあり、なかなかバランスよく美味しいです。
時間がたつとだんだん甘やかさがでてきて、よりジンファンデルらしさが出てきます。甘やかさが出ても、品は良く、好印象です。1000円台のジンファンデルやレッドブレンドにあるような甘さを強調したタイプではないのでちょっとおとなしく感じられるかもしれませんが、いいジンファンデルだと思います。
ところで、うなぎはスーパーで1尾1280円くらいの中国産のかば焼きを買ったのですが、ネットで「市販のかば焼きを美味しく食べる方法」を検索し、たれを一回洗い流してからお酒をかけてアルミホイルでくるんでオーブントースターで温めて食べました。安いうなぎってたれの味が悪目立ちする感じがありますが、こうすることでふくよかで上品になります。普通に温めて食べたら、このジンファンデルは負けてしまったかもしれませんが、いい感じで合って良かったです。
ナパのビーヴァン・セラーズ(Bevan Cellars)のラッセル・ビーヴァン氏が初来日し、そのセミナーに参加してきました。写真のシャツが「一番地味」だという破天荒なラッセルですが、長年の熱烈なワインファンで、ワイン好きをこじらせてワイン造りを始めてしまったという、まさにマニアの夢をかなえた人でもあります。それで様々な評論家から累計38回もの100点を得ているという、トーマス・リヴァース・ブラウン並みの実績を持つのですから、驚きです。自ら「地球上で一番幸せな人間」だという彼のワイン造りのこだわりを聞きました。
彼がワインになじみ始めたのは12歳のときというから、これもまた驚きです。家族が日曜日に何本かワインを開けるときに、彼はバーテンダー役としてワインをサーブし、残ったワインを1週間かけて自分で飲んでしまっていたそうです。その後、大学生のときにE&Jガロで営業をし、さらにワインを飲むようになりました。28歳のときにはシカゴ・トリビュート紙でワイン評論を始めたというから、すでに相当のマニア度だったのでしょう。「普通の人が車や家に使う以上のお金をワインに使ってきた」といいます。
また、彼の信念の一つは「品質が良くないものは市場には出さない」ということ。ナパが火事で煙害を受けた2017年と2020年はほとんどワインを造りませんでした。経営的には厳しく、破産しそうになったこともありますが、それでも信念を曲げずに続けています。「今出しているものは最高のクオリティだと保証する」とラッセル。
生産量も少なく、輸出をする気はなかったそうですが、知り合いのワインショップから、輸出をすることを薦められ、日本は重要な輸出先で、中でも中川ワインが一番重要だと諭されて、中川に輸出することにしたそうです。
ワイン造りの正式な教育を受けたことがないラッセルですが、栽培にも醸造にも数々のこだわりを持ってやっています。どこでワイン造りや栽培のことを学んだのかを聞くと、様々なワインメーカーからだとのこと。マニアとして多くのワインメーカーの知己を得、彼らを質問責めにして様々なことを学んできたのだそうです。フィリップ・トーニなどが、特によく話を聞く相手だとのこと。また、化学的知識についてはGreg La Follette(グレッグ・ラ・フォレット)に教わったそうです。
試飲に入ります。
最初のワインは2022年のソーヴィニヨン・ブラン(希望小売価格税別7900円、以下同)。ソノマのベネット・ヴァレーにあるドライ・スタック・ヴィンヤードという畑のソーヴィニヨン・ブランを100%使っています。この畑のブドウを使うのは、自宅がベネット・ヴァレーにあって畑のオーナーと友達だということもあるようですが、素晴らしい畑だそうです。ソーヴィニヨン・ブランのクローンはイタリアン・クローンというもの、プリティでリッチネスと華やかさがあるクローンだとのこと。
ソーヴィニヨン・ブランの栽培では、フランスのロワールの有名生産者、故ディディエ・ダグノーが始めたという、房の周りの葉を取って太陽光を直接ブドウに当てる方法を使っています。これによってブドウの皮が赤っぽい色になり、ピラジンがなくなってより熟したブドウができるとのことです。冷涼な年には地面にアルミフォイルを敷いて、反射光を当てることまでしています。ビーヴァンのワインのほとんどは契約畑のブドウを使っていますが、このように栽培面でも多くのこだわりを持ち、それを栽培家と共有しながらブドウを作ってもらっています。
醸造ではステンレススチールタンクで発酵し、一部はフランソワ・フレールの樽で発酵・熟成してブレンドしています。これによってタンニンを和らげるとのこと。
2022年は、9月頭に気温43度を超えるような高温が1週間近く続きました。1988年以来の熱波だったそうで、多くのワインメーカーが対策に苦慮しました。この熱波の後はフレーバーの蓄積が進まず、糖分だけが上がっていって難しい年でした。
ここのソーヴィニヨン・ブランは以前に飲んだことがありますが、ちょっと濁りがあって色もかなり濃いものでした。濁りがあるのはフィルターをかけないためで、フィルターを使わないことには絶対的なこだわりがあります。
飲んでみると、さわやかな柑橘に、リッチなグアバのフレーバー。そこはかとなく感じるハーブやミネラル感が味わいを引き締めています。樽から来ると思われるブリオッシュ。特筆すべきなのはテクスチャの厚みで、さらっとしたソーヴィニヨン・ブランとは対極的です。リッチで熟成も楽しめそうな味わい。
2番目のワインはソノマのロシアンリバー・ヴァレーのリッチー・ヴィンヤード(Ritchie Vineyard)シャルドネ 2019(12000円)。リッチー・ヴィンヤードはオーベールやレイミー、デュモルといったシャルドネの名手たちがこぞってブドウを調達する銘醸畑。100%新樽で発酵・熟成しています。マロラクティック発酵は100%行います。これもフィルタを使わないために厳守しているやり方です。
2019年は数年間続いた干ばつが一段落し、比較的雨の多かった年。水が多かったため樹勢が強くなり、カバークロップを2回植えることで、ストレスを与えたとのこと。例年はグリーン・ハーヴェストといって、ブドウの実が小さい段階で不要な実を落とす作業をするのですが、この年は逆に樹勢を使わせるためにグリーンハーヴェストせず、樹も伸ばすだけ伸ばしたそうです。余計なブドウの実はヴェレゾンが始まる直前になってようやく落としたとのこと。
香りはそこまで濃厚ではなく、白い花や、軽いヴァニラ、洋ナシ。味わいはやはりリッチで白桃やオレンジ。濡れた石や酸。これもテクスチャはクリーミー。リッチだけど上品さも目立ちます。
3本目はピノ・ノワール 2021(14500)。ペタルマ・ギャップのブドウを使っています。ソノマ・マウンテンの山麓にある太平洋が見えるような場所の畑畑(ソノマ・マウンテンAVAには入っていません)3つからブドウを調達。カレラ・クローンと828クローンを使っています。どちらも「ミーティ(肉っぽい)なニュアンスが出る」クローンだとのこと。すべて除梗し、ステンレススチールタンクで発酵、数種の樽で熟成しています。ビーヴァンのメーリング・リスト・メンバーはカベルネ・ソーヴィニヨン好きがほとんどなため、カベルネ・ファンが飲みたいと思うピノ・ノワールに仕上げています。
ダークなフルーツのトーン。色も濃く、ボルドー系かと思うほど。柔らかなテクスチャと少し舌に残るタンニン。酸はやや低めで、確かにカベルネ好きな人が飲みそうなピノ・ノワールです。
4本目からは、いよいよカベルネ・ソーヴィニョンです。
カベルネ系でもブドウに日照を確保することを大事にしています。特にカベルネフランは開花して受粉する前から完全に葉を除きます。酵素の働きが活発になってタンニンがやわらかくなり、ピラジンが減って野菜感がなくなります。温暖化によって収穫時期が早くなっており、かえってピラジンが出やすくなっていますが、それでも野菜感が出ないようにしています。
VSPは25年前はスタンダードでしたが、今ではみなそれをやめてキャノピーを広くしています。ラッセルは特に早い時期からブドウに日を当てることを大事にしています。ハーランも収穫を早くしていますし、スーパープレミアムなワイナリーになるほど収穫を早くし、それに伴って栽培管理も変化してきているとのこと。これは中堅以下のワイナリーではまだ理解していないところが多いとラッセルの弁。
ビーヴァンの醸造でユニークなのはタンニンをソフトにするためにポンプオーバーをほとんど行わないこと。ラッセルによると種から出るタンニンはきついので、種からはタンニンを抽出せず、皮からのタンニンだけが出るように優しく抽出をするためとのこと。「マクロバブル」と呼んでいる泡を使って抽出しているそうです。ワシントンのクィルシーダ・クリークが使っている方法だとのこと。
また、発酵タンクの中に、樽の木材と特別なイーストを入れるということをしています(3トンに対し新樽一つ)。イーストがフリーラディカルやたんぱく質を吸着し、タンニンの抽出を柔らかくするためとのこと。調整が難しく、あまりやられていない方法だそうです。
4本目はオントジェニー プロプライエタリー・レッド・ワイン 2019(20000円)。75%カベルネ・ソーヴィニヨン、20%カベルネ・フラン、5%メルロー。スミレの花、カシス、コーヒー。バランスいいワイン。タンニンはしっかりしていますが、しなやかでとげとげしさはありません。すごく何かが突出したワインではないのですが、バランスよくトータルで高品質なワインです。コスパ高い。
オントジェニーは価格的にはビーヴァンのエントリーであり、一般的にはセカンドワイン的位置付けですが、ファーストで使わなかったワインをブレンドして作っているわけではありません。逆に、単一畑のワインをボトル詰めする前に、オントジェニーのブレンドを決めています。そうすることでヴィンテージごとの味わいの一貫性を保っています。200ほどある樽すべてを試飲してブレンドを決めますが、2021年は最終的なブレンドを決めるまで、16回も試作を繰り返したそうです。今回の2019年は比較的決めやすく5回ほどで決まったとのこと。
想像以上にちゃんと作っているし、いいワインです。オントジェニーに限らず、近年はセカンド的なワインの高品質化が顕著に進んでいます。おそらくファーストはプレミアム化が進んでいて、量は少なくても厳選されたワインになっているため、セカンドにより高品質なワインが回っているのでしょう。オントジェニーは一般的なセカンドの作り方とは違いますが、高品質という点では共通しています。
最後の2本はオークヴィルのテンチ(Tench)ヴィンヤードのカベルネ・ソーヴィニョンの2019年(39000円)と2018年。
テンチの畑はオークヴィルの東側、スクリーミング・イーグルの隣という素晴らしいロケーション。ビーヴァンはこの畑の中で一番東側の20列を使っています。テンチの畑の中でも東寄りの部分はヴァカ山脈由来の水はけのよく、石がごろごろした鉄分の多い土壌が中心。より東側にあるダラ・ヴァレやピーター・マイケルのオー・パラディの畑、さらにはプリチャードヒルとも共通する土壌になっています。
テンチは自社畑ではありませんが、ビーヴァンとは非常に密接な関係で、ビーヴァンのワイナリーもテンチのすぐ横にあります。醸造では100%新樽で熟成。また、ステンレススチールタンクから樽に移す段階では少し糖を残します。そして、残りの発酵は樽の中で行うというユニークな方法を取っています。こうすることによって、より樽の風味がワインに溶け込むのだといいます。
2019年は色非常に濃く、ほぼ紫。グラスのエッジまでほとんど色が変わりません。黒系果実の濃厚な味わいにインクや黒鉛、生肉、エスプレッソ。パワフルで余韻の長いワインです。素晴らしい。
一方、2018年は2019年より赤系の色合い。特にエッジ部分に少しグラデーションが見られるのが2019年との大きな違い。香りも2019年が黒果実に鉱物系の硬い香りを感じたのに対し、2018年は赤系の果実の香りや杉や腐葉土など植物系の少し柔らかい香りが入ります。甘草の甘やかさがバランスを取ってこれもいい。パワフルなワインが好きな人は2019年がいいでしょうし、私は少しエレガント系が入った方が好きなので2018年がより好印象でした。
テンチのカベルネ・ソーヴィニョンは15%を超えるアルコール度数ですが、そのような重さを感じません。ラッセルによると、ワインの中の揮発酸の割合が関係するとのこと。揮発酸が多いとアルコール度数を強く感じるので、それを抑えることが重要で、そのためにはワイナリーをできるだけ清潔な状態に保つ必要があるのだそうです。掃除は徹底して行うのが彼のやり方です。
栽培においても醸造においても自身のスタイルに徹底的にこだわる。これがビーヴァンのやり方であり、学校で教わる教科書的知識とは少し違うかもしれませんが、数多くのワインメーカーからの集合知が彼の源泉になっています。
ちなみに、ビーヴァンが現在契約している畑はなんと140もあります。1日に10個ほどの畑を見回り、約2週間に1回はどの畑にも通っています。栽培上のこだわりは、そのときに伝えて、次に確認するということを続けているそうです。
140もの畑の見回りを考えると気が遠くなりそうですが、それをこなすことが世界中で一番幸せだというのですから、やはりオタク中のオタクなのでしょう。
ワイン検定のブロンズクラスの講師を初めてやってみることにしました。アカデミー・デュ・ヴァンでは、これまでワイン検定用に教室を貸し出すことはやっていなかった(ワイン検定は日本ソムリエ協会主催となります)のですが、今回初めて貸し出しに応じるということで、アカデミー・デュ・ヴァン青山校の教室を使わせていただきます。
試験会場・お問合せ先 - 一般社団法人日本ソムリエ協会 ワイン検定
ワイン検定の教室一覧のところは名前が入っておらず、教室名だけなのですが、一覧に表示するのは本名のみとのことであえてはずしています。
日程は教室の都合で9月4日(水)のみですが、受講いただけたら嬉しいです。必ず合格できるようにサポートしていきます。
また、オプションになりますが、試験後に同じ教室で簡単なテイスティング講座も行います。ワイン検定の授業ではワインは飲めないので、ここで習ったワインを飲んでいただく形になります。
ぜひぜひよろしくお願いいたします。
ワイン・スペクテーターの記事によるとソノマのカーライル(Carlisle)ワイナリーが2024年ヴィンテージを最後に廃業するとのことです(Sonoma's Carlisle Winery Calls it Quits)。
カーライルはベッドロックやターリー、リメリック・レーン、ロバート・バイアルなどと並ぶ古木のジンファンデルの代表的プロデューサー。1920年代に植樹された自身のカーライル・ヴィンヤードや、ベッドロック、テルデスキなどソノマを中心とした古木の畑から数多くの単一畑のワインを造っています。
廃業する理由は引退のため。オーナーのマイク・オフィサーと妻のケンドール、ワインメーカーのジェイ・マドックスのいずれも60代で70前には引退したいと考えていました。ワイナリーを売却しようとしたこともありましたが、カーライルの古木の畑へのこだわりやパッションなどを受け継ぐ買い手が現れず、廃業することになったそうです。
マイク・オフィサーは1987年に趣味としてワイン造りを始め、1991年にソノマに引っ越し。1998年からプロになりました。ワイン・スペクテーターで最高98点を取るなど、高評価のワインを数多く作っていました。生産量は全部で8000ケースと少量。家族経営を貫いてきました。
2024年は五つの畑から2700ケースくらいだけを作ります。来年以降もエステートの畑だけは作るかもしれないとのこと。しばらくは在庫の管理などもあるので、すぐに完全な廃業というわけではないようです。
中川ワインのミニ試飲会から美味しかったワインを紹介します。一部は「輸入復活シニョレッロ、米国のワイナリーも「復活」」で紹介しているのでここではそれ以外のワインを取り上げます。
この日は気温35℃くらいの相当暑い日でしたが30種類の試飲アイテムのうち25アイテムはカベルネ・ソーヴィニヨンなどボルドー系品種のワイン。かなり濃いワインが続きました。ときおりの白ワインがさわやかで、ついつい高評価を与えがちになってしまったのはちょっと反省です。
新入荷のブリオン(Brion)というワイナリーからは4種類のカベルネソーヴィニヨンが出ていました。クームズヴィルのカルドウェル・ヴィンヤード、ヨントヴィルのスリーピング・レディ・ヴィンヤード、オークヴィルのオークヴィル・ランチ・ヴィンヤード、そしてソノマのムーン・マウンテンAVAです。どれもそのAVAらしさもあり素晴らしいカベルネソーヴィニヨン(価格はいずれも5万8000円、税別希望小売価格、以下同)。中でもこのオークヴィルのものはバランスが完璧。リッチでシルキー。ナパのカベルネソーヴィニヨンに求められているものが詰まっています。
パソ・ロブレスの大人気ワイナリー「ダオ(Daou)」の手がける高級ブランド「パトリモニー(Patrimony)」の白です。値段はちょっとびっくりの8万5000円。同じワイナリーの赤より高価格です。ボルドースタイルのソーヴィニヨン・ブランとセミヨンのブレンドで、しなやかな味わいにきれいな樽感。何というか値段を見なくても高級感が漂ってきます。
パトリモニーの赤もどれも素晴らしい。価格はいずれも6万円とナパの超一流並みですが、品質的にもナパの最上級のものに引けを取りません。写真の右からメルロー、カベルネソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、レッドブレンド(カベルネソーヴィニヨンとカベルネ・フラン)の「カーヴ・デ・ライオンズ」。カベルネソーヴィニヨンだけ試飲ボトルがハーフですが、実際の販売はフルボトルです。
メルローはリッチでチョコレート感があります。カベルネ・ソーヴィニョンは超パワフル。カベルネ・フランもリッチで濃厚ですが、酸の豊かさがバランスを取ります。カーヴ・デ・ライオンズは一番ソフトな味わい。バランスよく口当たりがいい。
ナパのワイナリー「ラッド(Rudd)」の廉価版クロスローズのソーヴィニヨン・ブラン(7800円)。これは暑さ効果を抜きにしても素晴らしい。ボルドースタイルのソーヴィニヨン・ブランで、リッチ感とさわやかさが共存しています。これが1万円切るのは安いと思います。
ラッドの「サマンサズ・カベルネ・ソーヴィニヨン2018」(2万8000円)。しなやかな味わい、ストラクチャーもありテクスチャーがすばらしい。美味しいです。
定番中の定番ですが、ダックホーンのメルロー「スリー・パームス2020」(1万5500円)。メルローはカベルネ・ソーヴィニヨンほど価格が高騰していないので、コスパが高くなっています。これはチョコレート感とエレガントさが共存。酸も高くカリフォルニアのメルローの代表格と言っていいでしょう。とはいえ、米国で100ドル超えるワインですから、この価格がいつまで維持できるかもわかりませんが。
最後はハーラン系の末っ子「マスコット」の2019年。ちょっと甘やかさがあり、酸とのバランスがよくリッチで美味。サードワインの位置づけですが、以前のセカンドと同レベルのクオリティがあります。
この日は気温35℃くらいの相当暑い日でしたが30種類の試飲アイテムのうち25アイテムはカベルネ・ソーヴィニヨンなどボルドー系品種のワイン。かなり濃いワインが続きました。ときおりの白ワインがさわやかで、ついつい高評価を与えがちになってしまったのはちょっと反省です。
新入荷のブリオン(Brion)というワイナリーからは4種類のカベルネソーヴィニヨンが出ていました。クームズヴィルのカルドウェル・ヴィンヤード、ヨントヴィルのスリーピング・レディ・ヴィンヤード、オークヴィルのオークヴィル・ランチ・ヴィンヤード、そしてソノマのムーン・マウンテンAVAです。どれもそのAVAらしさもあり素晴らしいカベルネソーヴィニヨン(価格はいずれも5万8000円、税別希望小売価格、以下同)。中でもこのオークヴィルのものはバランスが完璧。リッチでシルキー。ナパのカベルネソーヴィニヨンに求められているものが詰まっています。
パソ・ロブレスの大人気ワイナリー「ダオ(Daou)」の手がける高級ブランド「パトリモニー(Patrimony)」の白です。値段はちょっとびっくりの8万5000円。同じワイナリーの赤より高価格です。ボルドースタイルのソーヴィニヨン・ブランとセミヨンのブレンドで、しなやかな味わいにきれいな樽感。何というか値段を見なくても高級感が漂ってきます。
パトリモニーの赤もどれも素晴らしい。価格はいずれも6万円とナパの超一流並みですが、品質的にもナパの最上級のものに引けを取りません。写真の右からメルロー、カベルネソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、レッドブレンド(カベルネソーヴィニヨンとカベルネ・フラン)の「カーヴ・デ・ライオンズ」。カベルネソーヴィニヨンだけ試飲ボトルがハーフですが、実際の販売はフルボトルです。
メルローはリッチでチョコレート感があります。カベルネ・ソーヴィニョンは超パワフル。カベルネ・フランもリッチで濃厚ですが、酸の豊かさがバランスを取ります。カーヴ・デ・ライオンズは一番ソフトな味わい。バランスよく口当たりがいい。
ナパのワイナリー「ラッド(Rudd)」の廉価版クロスローズのソーヴィニヨン・ブラン(7800円)。これは暑さ効果を抜きにしても素晴らしい。ボルドースタイルのソーヴィニヨン・ブランで、リッチ感とさわやかさが共存しています。これが1万円切るのは安いと思います。
ラッドの「サマンサズ・カベルネ・ソーヴィニヨン2018」(2万8000円)。しなやかな味わい、ストラクチャーもありテクスチャーがすばらしい。美味しいです。
定番中の定番ですが、ダックホーンのメルロー「スリー・パームス2020」(1万5500円)。メルローはカベルネ・ソーヴィニヨンほど価格が高騰していないので、コスパが高くなっています。これはチョコレート感とエレガントさが共存。酸も高くカリフォルニアのメルローの代表格と言っていいでしょう。とはいえ、米国で100ドル超えるワインですから、この価格がいつまで維持できるかもわかりませんが。
最後はハーラン系の末っ子「マスコット」の2019年。ちょっと甘やかさがあり、酸とのバランスがよくリッチで美味。サードワインの位置づけですが、以前のセカンドと同レベルのクオリティがあります。
ナパのワイナリー「ダリオッシュ(Darioush)」がヨントヴィルに畑を購入しました。ナパの東側を南北に走るシルヴァラード・トレイルの近くでRoccaFamilyがこれまで保有していた20エーカーの畑です。価格は1000万ドル程度と郡の記録には書かれています。
ダリオッシュはこれまでオーク・ノールやスプリング・マウンテン、マウント・ヴィーダーなどに65エーカーの畑を持っていました。
今回の畑にはカベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロー、シラーが植わっています。今後どのワインに漬かっていくかは未定とのことです。
ロブ・レポートにナパの次のカルトワインとして「サイン・オブ・ザ・ドーヴ」というワイナリーの記事が出ていました(Sign of the Dove Is Napa Valley's Next Great Cult Winery)。
私も初耳のこのワイナリーですが、ワインメーカーがジェシー・カッツと聞けばもしかしたら「なるほど」と思う人もいるかもしれません。
私がこの人のことを初めて知ったのは「1本100万ドル、オークションで落札新記録 ソノマの無名ワインがなぜ?」のときでした。この1本100万ドルという史上最高額で落札されたワインを造っていたのがジェシー・カッツです。
さらに、同年(時期的にはこちらが先ですが)、ソノマのアレキサンダー・ヴァレーにあるデヴィル・プルーフというワイナリーでマルベックがワイン・アドヴォケイトの100点を取得。カリフォルニアとしては初のマルベックの100点となりました。このデヴィル・プルーフのオーナーがジェシー・カッツ(とその父親)なのでした。
サイン・オブ・ザ・ドーヴのオーナーはジェイク・トーブとその父のマーク・トーブ。ジェイクが自身がほれこんだベクストファー・ミズーリ・ホッパーとベクストファー・ジョージIIIのブドウを確保して、5年ほど前からの知り合いだったジェシー・カッツに醸造を依頼したという流れです。
ベクストファー・ミズーリ・ホッパーはオークヴィル西側の南端。西にヴァイン・ヒル・ランチ、北にドミナスのユリシーズの畑があるという好立地です。ベクストファー・ジョージIIIはラザフォードの東より、南の方にあるかなり大きい畑。ケイマスの畑などに隣接しています。ジェシー・カッツは自らのコネクションも利用して、最もいいブロックのブドウを得られるようになったとのことです。
さらに、ジェシー・カッツは、自身がソノマで行っているのと同じスタイルで剪定するようベクストファーに依頼し、ブドウに最適な日陰を作って成熟をゆっくり行うような形にしているとのことです。
ワイナリーでは手で3回選果したあと、さらに光学式の選果機で選果。発酵はステンレスタンクとコンクリートタンクを使用。発酵温度を変えて違ったニュアンスが出るようにしています。樽は「ミディアム・ロング」のトーストのものを注意深く選択しています(以上はベクストファー・ジョージIIIの説明にあったものなので、もしかしたらミズーリ・ホッパーは違うかもしれません)。
最初のヴィンテージは2021年。ベクストファー・ミズーリ・ホッパー・カベルネ・ソーヴィニヨン2021は100%カベルネ・ソーヴィニヨン。100%フレンチオークの新樽で22カ月熟成しています。ジェシー・カッツは「ベクストファー・ミズーリ・ホッパー・ヴィンヤードの驚くほど複雑なカベルネは、ブルーベリー、ボイセンベリー、ダークチェリー、カシスの魅惑的なノーズを示しています。 洗練されたシルキーな味わいで、月桂樹、シガーボックス、タバコのノートが層になり、鮮やかな酸味によって引き上げられています」と語っています。
ベクストファー・ジョージIII カベルネ・ソーヴィニヨンは100%カベルネ・ソーヴィニヨンで熟成はフレンチオークの新樽を80%使っています。ジェシー・カッツは「ナパの豊かなデカダンスとバランスを取るために、これらの世界クラスの土地のエレガンスとフィネスを引き出すことで、見事なテクスチャーと緊張感を持つワインが生まれました」と語っています。
次の高評価ワインを探している人は調べる価値があるかもしれません。
ちなみに「サイン・オブ・ザ・ドーヴ=鳩の印」とはキリスト教で精霊を表しています。イエス・キリストがヨルダン川でヨハネに洗礼を受けた際、天が開け、神の霊が鳩のように下ってきたと記されています。
私も初耳のこのワイナリーですが、ワインメーカーがジェシー・カッツと聞けばもしかしたら「なるほど」と思う人もいるかもしれません。
私がこの人のことを初めて知ったのは「1本100万ドル、オークションで落札新記録 ソノマの無名ワインがなぜ?」のときでした。この1本100万ドルという史上最高額で落札されたワインを造っていたのがジェシー・カッツです。
さらに、同年(時期的にはこちらが先ですが)、ソノマのアレキサンダー・ヴァレーにあるデヴィル・プルーフというワイナリーでマルベックがワイン・アドヴォケイトの100点を取得。カリフォルニアとしては初のマルベックの100点となりました。このデヴィル・プルーフのオーナーがジェシー・カッツ(とその父親)なのでした。
サイン・オブ・ザ・ドーヴのオーナーはジェイク・トーブとその父のマーク・トーブ。ジェイクが自身がほれこんだベクストファー・ミズーリ・ホッパーとベクストファー・ジョージIIIのブドウを確保して、5年ほど前からの知り合いだったジェシー・カッツに醸造を依頼したという流れです。
ベクストファー・ミズーリ・ホッパーはオークヴィル西側の南端。西にヴァイン・ヒル・ランチ、北にドミナスのユリシーズの畑があるという好立地です。ベクストファー・ジョージIIIはラザフォードの東より、南の方にあるかなり大きい畑。ケイマスの畑などに隣接しています。ジェシー・カッツは自らのコネクションも利用して、最もいいブロックのブドウを得られるようになったとのことです。
さらに、ジェシー・カッツは、自身がソノマで行っているのと同じスタイルで剪定するようベクストファーに依頼し、ブドウに最適な日陰を作って成熟をゆっくり行うような形にしているとのことです。
ワイナリーでは手で3回選果したあと、さらに光学式の選果機で選果。発酵はステンレスタンクとコンクリートタンクを使用。発酵温度を変えて違ったニュアンスが出るようにしています。樽は「ミディアム・ロング」のトーストのものを注意深く選択しています(以上はベクストファー・ジョージIIIの説明にあったものなので、もしかしたらミズーリ・ホッパーは違うかもしれません)。
最初のヴィンテージは2021年。ベクストファー・ミズーリ・ホッパー・カベルネ・ソーヴィニヨン2021は100%カベルネ・ソーヴィニヨン。100%フレンチオークの新樽で22カ月熟成しています。ジェシー・カッツは「ベクストファー・ミズーリ・ホッパー・ヴィンヤードの驚くほど複雑なカベルネは、ブルーベリー、ボイセンベリー、ダークチェリー、カシスの魅惑的なノーズを示しています。 洗練されたシルキーな味わいで、月桂樹、シガーボックス、タバコのノートが層になり、鮮やかな酸味によって引き上げられています」と語っています。
ベクストファー・ジョージIII カベルネ・ソーヴィニヨンは100%カベルネ・ソーヴィニヨンで熟成はフレンチオークの新樽を80%使っています。ジェシー・カッツは「ナパの豊かなデカダンスとバランスを取るために、これらの世界クラスの土地のエレガンスとフィネスを引き出すことで、見事なテクスチャーと緊張感を持つワインが生まれました」と語っています。
次の高評価ワインを探している人は調べる価値があるかもしれません。
ちなみに「サイン・オブ・ザ・ドーヴ=鳩の印」とはキリスト教で精霊を表しています。イエス・キリストがヨルダン川でヨハネに洗礼を受けた際、天が開け、神の霊が鳩のように下ってきたと記されています。
昨年、ilovecalwineの海老原社長が亡くなってから輸入が途絶えていたナパのシニョレッロのワインを中川ワインが輸入し始めています。試飲会で新ヴィンテージを試してきました。
シニョレッロのナパのワイナリーは2017年の火事で焼失していましたが、そちらもこの6月に再オープンしており、米国のワイナリーも復活を祝っています。
シニョレッロは畑の管理にスティーブ・マサイアソン、コンサルティング・ワインメーカーにセリア・ウェルチと超豪華なメンバーでワインを造っています。ワインメーカーはプリヤンカ・フレンチが務めていましたが、こちらも先月マイケル・コストリーという新しいワインメーカーにバトンタッチしたところです。
試飲したワインの中でも特に印象に残ったのが「Trim(トリム)」ブランドのシャルドネと「Edge(エッジ)」ブランドのカベルネ・ソーヴィニヨン。
トリムのシャルドネ2022(希望小売価格3000円、以下同)は非常にバランスがよく、きれいな酸が印象的なワイン。この価格帯ではベストの一つでしょう。
トリムより一つ高級ラインのエッジのカベルネ・ソーヴィニヨン2021(5500円)はソノマのアレキサンダー・ヴァレーのブドウを中心にしています。カベルネ・ソーヴィニヨンのほかにプティ・シラーなどをブレンドしているのがユニークなところ。リッチでフルボディ。凝縮感を味わいたい人にお薦めです。
ほかのワインについても簡単にコメントしていきます。
トリムのカベルネ・ソーヴィニヨン(3000円)は、ちょっと甘やかさがあり、ボディは抑え目。スムーズな飲み口が特徴です。
「エスby レイ・シニョレッロ」はちょっと高級なカベルネ・ソーヴィニヨン(17000円)。非常にストラクチャーが強く、くっきりとしたタンニンが印象的なワイン。がっしりとしたワインが好きな人に向くでしょう。
一番高級なシニョレッロ・エステートからはシャルドネ「ホープス・キュベ」(18000円)とカベルネ・ソーヴィニヨン「パドローネ」(4万円)。 シャルドネ「ホープス・キュベ」2021は、柔らかな味わいが印象的。ほどよい樽感でリッチな印象です。カベルネ・ソーヴィニヨン「パドローネ」2019はゴージャスながらパワフルで固いワイン。もう少し時間が経つとほぐれて美味しくなりそうです。
ショップはオンラインWassy’sです。
シニョレッロのナパのワイナリーは2017年の火事で焼失していましたが、そちらもこの6月に再オープンしており、米国のワイナリーも復活を祝っています。
シニョレッロは畑の管理にスティーブ・マサイアソン、コンサルティング・ワインメーカーにセリア・ウェルチと超豪華なメンバーでワインを造っています。ワインメーカーはプリヤンカ・フレンチが務めていましたが、こちらも先月マイケル・コストリーという新しいワインメーカーにバトンタッチしたところです。
試飲したワインの中でも特に印象に残ったのが「Trim(トリム)」ブランドのシャルドネと「Edge(エッジ)」ブランドのカベルネ・ソーヴィニヨン。
トリムのシャルドネ2022(希望小売価格3000円、以下同)は非常にバランスがよく、きれいな酸が印象的なワイン。この価格帯ではベストの一つでしょう。
トリムより一つ高級ラインのエッジのカベルネ・ソーヴィニヨン2021(5500円)はソノマのアレキサンダー・ヴァレーのブドウを中心にしています。カベルネ・ソーヴィニヨンのほかにプティ・シラーなどをブレンドしているのがユニークなところ。リッチでフルボディ。凝縮感を味わいたい人にお薦めです。
ほかのワインについても簡単にコメントしていきます。
トリムのカベルネ・ソーヴィニヨン(3000円)は、ちょっと甘やかさがあり、ボディは抑え目。スムーズな飲み口が特徴です。
「エスby レイ・シニョレッロ」はちょっと高級なカベルネ・ソーヴィニヨン(17000円)。非常にストラクチャーが強く、くっきりとしたタンニンが印象的なワイン。がっしりとしたワインが好きな人に向くでしょう。
一番高級なシニョレッロ・エステートからはシャルドネ「ホープス・キュベ」(18000円)とカベルネ・ソーヴィニヨン「パドローネ」(4万円)。 シャルドネ「ホープス・キュベ」2021は、柔らかな味わいが印象的。ほどよい樽感でリッチな印象です。カベルネ・ソーヴィニヨン「パドローネ」2019はゴージャスながらパワフルで固いワイン。もう少し時間が経つとほぐれて美味しくなりそうです。
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サンタ・バーバラで「レイク・ファイヤー(Lake Fire)」と呼ぶ山火事が発生しており、7月8日時点では20320エーカーが燃えて最大の山火事となっています。コンテイン率は8%と低く、まだ燃え広がる可能性があります。
場所はサンタ・イネズ・ヴァレーAVAの北側になります。避難命令や避難警告が出ているエリアもあります。
カリフォルニアは熱波に襲われていて、デス・ヴァレーでは華氏129度(摂氏53.9度)というこれまでの最高記録に並ぶ高温を記録し、隣のネヴァダ州ラスベガスでも120度(摂氏48.9度)という史上最高気温を記録しています。沿岸部でも100度(摂氏37.8度)前後が各地で記録されています。これによって山火事も多発しており、7月8日時点では20以上の山火事が存在しています。
現在のところ、火事は北方面に広がっていっており、産地への直接の影響は大きくないと見られていますが、予断を許さない状況です。
場所はサンタ・イネズ・ヴァレーAVAの北側になります。避難命令や避難警告が出ているエリアもあります。
カリフォルニアは熱波に襲われていて、デス・ヴァレーでは華氏129度(摂氏53.9度)というこれまでの最高記録に並ぶ高温を記録し、隣のネヴァダ州ラスベガスでも120度(摂氏48.9度)という史上最高気温を記録しています。沿岸部でも100度(摂氏37.8度)前後が各地で記録されています。これによって山火事も多発しており、7月8日時点では20以上の山火事が存在しています。
現在のところ、火事は北方面に広がっていっており、産地への直接の影響は大きくないと見られていますが、予断を許さない状況です。
ナパのカリストガでソーヴィニヨン・ブランを得意とするユニークなワイナリー「コクレル(Coquerel)」のオーナーやワインメーカーなどが来日し、セミナーを開きました。東京の吉兆など和食の店で採用されているワインです。
春に開催されるプルミエ・ナパヴァレー・オークションはプロ向けで、このオークション専用に作った選りすぐりのワインを各ワイナリーが出展します。ほとんどがカベルネ・ソーヴィニヨンなど赤ワインを出展する中で、白、しかもソーヴィニヨン・ブランを出展するワインは全体の1~2%しかありません。そんなワイナリーの一つがコクレルで、中川ワインではこれまで3回コクレルのワインを落札しています。
これは中川ワインが2022年の同オークションで落札したワインの一覧。コクレルは上から2番目です。
右からオーナーのクレイ・コクレルさん、娘のリリー・コクレルさん(テキサス担当)、オーナーのブレンダ・コクレルさん、ワインメーカーのクリスティーヌ・バーブさん、営業部長のステイシー・ピトルースキーさん。
オーナー夫妻は元々ワインのコレクターで、2005年にカリストガでWalnut Washヴィンヤードを購入し、ワイナリーを始めました。ここはカリストガの中でも北西部でソノマに近いところに位置しています。太平洋からの風が入ってくる場所なので、カリストガの中では涼しい場所になります。粘土にごろごろとした石が混じった土壌で25エーカーのうち17エーカーに植樹しています。植えている品種はソーヴィニヨン・ブランのほかヴェルデホ、プティ・シラー、テンプラニーリョ、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン。ソーヴィニヨン・ブランが4割を占め、次に多いのはカベルネ・ソーヴィニヨンの27%だそうです。
ワインメーカーのクリスティーンはボルドーの出身で、ソーヴィニヨン・ブランを得意とするシャトー・カルボーニュなどで働いた経験を持ちます。ボルドー大学で化学と醸造の博士号を取られたという優秀な方です。1996年にナパに来て、ガロやトリンチェロ、モンダヴィなど大きなワイナリーで働いた後、コクレルでワインメーカーになりました。コクレルではラボや畑の管理も自ら行っています。
メインとなるソーヴィニヨン・ブランは夜間に収穫。一晩マセレーションしてからプレスして発酵に移ります。酸化を防ぐためにマセレーションやプレス時にはドライアイスを使っています。
最初のワインは生産量の半分を占めるというスタンダードのソーヴィニヨン・ブラン「Le Petit Coquerel(ル・プティ・コクレル) Sauvignon Blan 2023」です。
香り高くリッチ。ボリューム感あり酸も豊か。グレープフルーツや草のニュアンスといったソーヴィニヨン・ブランらしさに、グアバなどのトロピカルなフルーツの味わい。ちょっと塩味を感じます。樽の風味を感じたように思ったのですが、熟成もステンレスタンク。シュールリーで週1回バトナージュをしているということで、風味のリッチさが出ているようです。スタンダードといってもレベルが高いソーヴィニヨン・ブランです。
次は上級版のソーヴィニョン・ブラン「Terroir Coquerel(テロワール・コクレル)Sauvignon Blanc 2022」です。こちらは樽発酵樽熟成しています。クローン1というクローンを使っているとのこと。
色濃く、深みがある香り。味わいも深みと複雑さを感じます。ヴァニラやグアバなどリッチ系の味わいですが、ぐいぐい出てくるような味わいではなく、柔らかさを感じます。クリーミーなテクスチャ。76ケースという貴重なワイン。
3つめのワインは「Terroir Coquerel Cabernet Sauvignon Estate 2021」。
杉や森の下草といったフルーツ以外の要素が第一印象。それからカシスなどの青黒果実が出てきます。タンニンはかなりしっかりしていますが溶け込んでいます。酸も比較的あり、ナパのカベルネというよりもボルドー的なイメージが近いかもしれません。
ソーヴィニヨン・ブランとカベルネ・ソーヴィニヨンでは畑の樹の間隔を変えています。ソーヴィニヨン・ブランは果実が大きくても良く、カベルネ・ソーヴィニヨンは小さい果実にしたいため、カベルネ・ソーヴィニヨンは3フィートと5フィート間隔とソーヴィニヨン・ブランの5フィートと8フィート間隔よりもだいぶ狭くしています。抑制されたスタイルを目指していて、9月末には収穫。新樽25%で20カ月熟成しています。エステートのカベルネ・ソーヴィニヨンで希望小売価格が1万円を切る(税抜き9000円)はいまどき貴重かもしれません。
4本目と5本目は今回の来日のために特別に輸入したワインです。
4本目はクームズヴィルにあるBennett's Vineyardのカベルネ・フラン。ヴィンテージは2021年。
カベルネ・フランは意外にパワフルでスパイシー。第一印象に胡椒を感じます。赤系果実の味わいはカベルネ・フランらしいところですが、黒系果実に杉や血液なども感じ、タンニンもカベルネ・ソーヴィニヨン以上に感じます。ブラインドで飲んだらカベルネ・フランと思わないかもしれません。
最後のワインはデザートワインでLa Douce Revanche Late Harvest Sauvignon Blanc 2012。
デザートワインは2008年が最初のヴィンテージで2012年が2回目。これ以降は作っていませんが、また在庫がなくなったら作るかもしれないとのこと。
残糖4gでそれほど甘さは強くありません。ナッツや蜜、花、複雑な香り、エレガントなデザートワインです。
コクレルのワイン、特に二つの対照的なソーヴィニヨン・ブランが印象に残りました。
春に開催されるプルミエ・ナパヴァレー・オークションはプロ向けで、このオークション専用に作った選りすぐりのワインを各ワイナリーが出展します。ほとんどがカベルネ・ソーヴィニヨンなど赤ワインを出展する中で、白、しかもソーヴィニヨン・ブランを出展するワインは全体の1~2%しかありません。そんなワイナリーの一つがコクレルで、中川ワインではこれまで3回コクレルのワインを落札しています。
これは中川ワインが2022年の同オークションで落札したワインの一覧。コクレルは上から2番目です。
右からオーナーのクレイ・コクレルさん、娘のリリー・コクレルさん(テキサス担当)、オーナーのブレンダ・コクレルさん、ワインメーカーのクリスティーヌ・バーブさん、営業部長のステイシー・ピトルースキーさん。
オーナー夫妻は元々ワインのコレクターで、2005年にカリストガでWalnut Washヴィンヤードを購入し、ワイナリーを始めました。ここはカリストガの中でも北西部でソノマに近いところに位置しています。太平洋からの風が入ってくる場所なので、カリストガの中では涼しい場所になります。粘土にごろごろとした石が混じった土壌で25エーカーのうち17エーカーに植樹しています。植えている品種はソーヴィニヨン・ブランのほかヴェルデホ、プティ・シラー、テンプラニーリョ、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン。ソーヴィニヨン・ブランが4割を占め、次に多いのはカベルネ・ソーヴィニヨンの27%だそうです。
ワインメーカーのクリスティーンはボルドーの出身で、ソーヴィニヨン・ブランを得意とするシャトー・カルボーニュなどで働いた経験を持ちます。ボルドー大学で化学と醸造の博士号を取られたという優秀な方です。1996年にナパに来て、ガロやトリンチェロ、モンダヴィなど大きなワイナリーで働いた後、コクレルでワインメーカーになりました。コクレルではラボや畑の管理も自ら行っています。
メインとなるソーヴィニヨン・ブランは夜間に収穫。一晩マセレーションしてからプレスして発酵に移ります。酸化を防ぐためにマセレーションやプレス時にはドライアイスを使っています。
最初のワインは生産量の半分を占めるというスタンダードのソーヴィニヨン・ブラン「Le Petit Coquerel(ル・プティ・コクレル) Sauvignon Blan 2023」です。
香り高くリッチ。ボリューム感あり酸も豊か。グレープフルーツや草のニュアンスといったソーヴィニヨン・ブランらしさに、グアバなどのトロピカルなフルーツの味わい。ちょっと塩味を感じます。樽の風味を感じたように思ったのですが、熟成もステンレスタンク。シュールリーで週1回バトナージュをしているということで、風味のリッチさが出ているようです。スタンダードといってもレベルが高いソーヴィニヨン・ブランです。
次は上級版のソーヴィニョン・ブラン「Terroir Coquerel(テロワール・コクレル)Sauvignon Blanc 2022」です。こちらは樽発酵樽熟成しています。クローン1というクローンを使っているとのこと。
色濃く、深みがある香り。味わいも深みと複雑さを感じます。ヴァニラやグアバなどリッチ系の味わいですが、ぐいぐい出てくるような味わいではなく、柔らかさを感じます。クリーミーなテクスチャ。76ケースという貴重なワイン。
3つめのワインは「Terroir Coquerel Cabernet Sauvignon Estate 2021」。
杉や森の下草といったフルーツ以外の要素が第一印象。それからカシスなどの青黒果実が出てきます。タンニンはかなりしっかりしていますが溶け込んでいます。酸も比較的あり、ナパのカベルネというよりもボルドー的なイメージが近いかもしれません。
ソーヴィニヨン・ブランとカベルネ・ソーヴィニヨンでは畑の樹の間隔を変えています。ソーヴィニヨン・ブランは果実が大きくても良く、カベルネ・ソーヴィニヨンは小さい果実にしたいため、カベルネ・ソーヴィニヨンは3フィートと5フィート間隔とソーヴィニヨン・ブランの5フィートと8フィート間隔よりもだいぶ狭くしています。抑制されたスタイルを目指していて、9月末には収穫。新樽25%で20カ月熟成しています。エステートのカベルネ・ソーヴィニヨンで希望小売価格が1万円を切る(税抜き9000円)はいまどき貴重かもしれません。
4本目と5本目は今回の来日のために特別に輸入したワインです。
4本目はクームズヴィルにあるBennett's Vineyardのカベルネ・フラン。ヴィンテージは2021年。
カベルネ・フランは意外にパワフルでスパイシー。第一印象に胡椒を感じます。赤系果実の味わいはカベルネ・フランらしいところですが、黒系果実に杉や血液なども感じ、タンニンもカベルネ・ソーヴィニヨン以上に感じます。ブラインドで飲んだらカベルネ・フランと思わないかもしれません。
最後のワインはデザートワインでLa Douce Revanche Late Harvest Sauvignon Blanc 2012。
デザートワインは2008年が最初のヴィンテージで2012年が2回目。これ以降は作っていませんが、また在庫がなくなったら作るかもしれないとのこと。
残糖4gでそれほど甘さは強くありません。ナッツや蜜、花、複雑な香り、エレガントなデザートワインです。
コクレルのワイン、特に二つの対照的なソーヴィニヨン・ブランが印象に残りました。
オレゴンでシャルドネの栽培が年々盛んになってきているという記事がRobb Reportに出ていました(Why Oregon Winemakers Are Trading Their Pinot Noir Vines for Chardonnay)。近年ではピノ・ノワールを植え替え(正確には接ぎ木を替えるので継げ替えでしょうか)する生産者も出てきているといいます。
オレゴンは元々白ワインではピノ・グリがメジャーでした。現在もピノ・ノワールが約6割と圧倒的で、次いでピノ・グリ、シャルドネは3番目ですがピノ・グリの半分にとどまっています。
とはいえ、現在明らかに勢いがあるのはシャルドネで、ピノ・グリを超すのは時間の問題と言っていいでしょう。
シャルドネが伸びた最大の理由はクローンだと言われています。以前オレゴンで植えられていたクローンはあまり質がよくなくオレゴンの土地にも合っていなかったようです。それがDijonクローンが使われるようになって、品質が急上昇したと言われています。
シャルドネの栽培面積は2020年に2610エーカーだったのが2021年に2724エーカー、2022年に3118エーカーになっています。わずか2年で2割も増えている計算です。
WillaKenzieというワイナリーでは2018年に2エーカーしかなかったシャルドネが現在では13エーカー。Clairiéreと呼んでいる涼しくて土壌が深いセクションをピノノワールからシャルドネに転換したのがうまくいき、その後もシャルドネが増えているといいます。Gran Moraineというワイナリーでは現在150エーカーがピノノワールで50エーカーがシャルドネですが、将来はそれが逆転する可能性もあると見ています。
個人的にも、オレゴンのシャルドネはもっと伸びる可能性があるように感じています。もちろん今はピノノワールが圧倒的に多いですが、「良い」から「とても良い」クオリティのものはたくさんあるものの「びっくりするほど良い」ものは案外見つかりにくい。シャルドネの方が「びっくりするほど良い」ものに出会うような気がしています。もちろん、私の経験が少ないだけかもしれませんが。
消費者としてはともかく「オレゴンのシャルドネは注目だよ」ということを覚えていただけるといいと思いますです。
オレゴンは元々白ワインではピノ・グリがメジャーでした。現在もピノ・ノワールが約6割と圧倒的で、次いでピノ・グリ、シャルドネは3番目ですがピノ・グリの半分にとどまっています。
とはいえ、現在明らかに勢いがあるのはシャルドネで、ピノ・グリを超すのは時間の問題と言っていいでしょう。
シャルドネが伸びた最大の理由はクローンだと言われています。以前オレゴンで植えられていたクローンはあまり質がよくなくオレゴンの土地にも合っていなかったようです。それがDijonクローンが使われるようになって、品質が急上昇したと言われています。
シャルドネの栽培面積は2020年に2610エーカーだったのが2021年に2724エーカー、2022年に3118エーカーになっています。わずか2年で2割も増えている計算です。
WillaKenzieというワイナリーでは2018年に2エーカーしかなかったシャルドネが現在では13エーカー。Clairiéreと呼んでいる涼しくて土壌が深いセクションをピノノワールからシャルドネに転換したのがうまくいき、その後もシャルドネが増えているといいます。Gran Moraineというワイナリーでは現在150エーカーがピノノワールで50エーカーがシャルドネですが、将来はそれが逆転する可能性もあると見ています。
個人的にも、オレゴンのシャルドネはもっと伸びる可能性があるように感じています。もちろん今はピノノワールが圧倒的に多いですが、「良い」から「とても良い」クオリティのものはたくさんあるものの「びっくりするほど良い」ものは案外見つかりにくい。シャルドネの方が「びっくりするほど良い」ものに出会うような気がしています。もちろん、私の経験が少ないだけかもしれませんが。
消費者としてはともかく「オレゴンのシャルドネは注目だよ」ということを覚えていただけるといいと思いますです。
ワシントン州の著名ワインメーカーであるチャールズ・スミスが立ち上げたサブスタンス・ワインズ(ワイン名はワインズ・オブ・サブスタンス)が、カリフォルニアのオニール・ヴィントナーズ・アンド・ディスティラーズに買収されました。売却額は明らかにしていません。
オニール・ヴィントナーズはソノマのラムズ・ゲートや、XTANT、Back House,Spur Ranchなどのブランドを持っています。珍しいのが、環境や社会に配慮した公益性の高い企業に与えられるB Corpという認証を取っていること。オレゴンではときどきこの認証を取っているワイナリーを聞きますが、カリフォルニアではかなり珍しいと思います。
ワインズ・オブ・サブスタンスは、品種名の略称などをラベルに描くのが特徴のワイナリー。カベルネ・ソーヴィニヨンは「Cs」、ピノ・ノワールは「Pn]などと書かれています。非常にコスト・パフォーマンスが高く、かなりの規模なのに樽発酵・樽熟成にこだわるなど、手間ひまかけたワイン造りをしています。
チャールズ・スミスは「当初からの私たちの目標は、最高級のワシントン・カベルネ・ソーヴィニヨンを驚くべき価格帯で造ることでした。テロワールとワイン造りのプロトコルを重視した結果、"サブスタンス "は飛躍的に成長しました。 持続可能性を重視するオニール・ヴィントナーズ&ディスティラーズは、このブランドを販売と流通において次のレベルに引き上げるでしょう。継続的な成功のために、このブランドは素晴らしい手に委ねられています」と語っています。
個人的にも、ワインズ・オブ・サブスタンスのワインのコスト・パフォーマンスの高さには舌を巻いていました。これからどう発展していくのかも楽しみです。
オニール・ヴィントナーズはソノマのラムズ・ゲートや、XTANT、Back House,Spur Ranchなどのブランドを持っています。珍しいのが、環境や社会に配慮した公益性の高い企業に与えられるB Corpという認証を取っていること。オレゴンではときどきこの認証を取っているワイナリーを聞きますが、カリフォルニアではかなり珍しいと思います。
ワインズ・オブ・サブスタンスは、品種名の略称などをラベルに描くのが特徴のワイナリー。カベルネ・ソーヴィニヨンは「Cs」、ピノ・ノワールは「Pn]などと書かれています。非常にコスト・パフォーマンスが高く、かなりの規模なのに樽発酵・樽熟成にこだわるなど、手間ひまかけたワイン造りをしています。
チャールズ・スミスは「当初からの私たちの目標は、最高級のワシントン・カベルネ・ソーヴィニヨンを驚くべき価格帯で造ることでした。テロワールとワイン造りのプロトコルを重視した結果、"サブスタンス "は飛躍的に成長しました。 持続可能性を重視するオニール・ヴィントナーズ&ディスティラーズは、このブランドを販売と流通において次のレベルに引き上げるでしょう。継続的な成功のために、このブランドは素晴らしい手に委ねられています」と語っています。
個人的にも、ワインズ・オブ・サブスタンスのワインのコスト・パフォーマンスの高さには舌を巻いていました。これからどう発展していくのかも楽しみです。
オレゴンのパイオニアの一人であるイーラス・ワイナリーのディック・イーラス(2023年に87歳で逝去)の畑だったプリンス・ヒル・ヴィンヤードをシルヴァー・オークに売却したのが2016年。その後、シルヴァー・オークの姉妹ワイナリーであるTwomey(トゥーミー)のピノ・ノワールとして作られていましたが、新たにプリンス・ヒル・ヴィンヤーズとして独立したブランドになりました。
プリンス・ヒル・ヴィンヤードはオレゴンのウィラメット・ヴァレー内、ダンディー・ヒルズAVAにあり、クローン95と呼ぶブルゴーニュのクロ・ヴージョ由来のクローンが初めて育てられた畑としても知られています。
ワインのリリースは9月。2022年のウィラメット・ヴァレー シャルドネ、ダンディー・ヒルズ ピノ・ノワール、プリンス・ヒル・ヴィンヤード ピノ・ノワールの3ワインの予定です。
プリンス・ヒル・ヴィンヤードはオレゴンのウィラメット・ヴァレー内、ダンディー・ヒルズAVAにあり、クローン95と呼ぶブルゴーニュのクロ・ヴージョ由来のクローンが初めて育てられた畑としても知られています。
ワインのリリースは9月。2022年のウィラメット・ヴァレー シャルドネ、ダンディー・ヒルズ ピノ・ノワール、プリンス・ヒル・ヴィンヤード ピノ・ノワールの3ワインの予定です。
しあわせワイン倶楽部で、マーティン・レイのナパ・カベルネ・ソーヴィニヨン32%割引の特価になっています。今年のサクラアワードではゴールドメダルに加え「すき焼きに合うワイン」「韓国料理に合うワイン」「焼き鳥に合うワイン」も受賞しています。ここのワインはニューヨークなど世界各地に約100店舗のレストランを展開する松下信幸氏のレストランNOBUのハウスワインとしても使われています。
ちなみに、マーティン・レイというのは、元々サンタ・クルーズ・マウンテンズにあったワイナリーで、現在のマウント・エデンにその場所が引き継がれています。今でいう自然派のワインメーカーで、SO2を添加しない独特のワイン造りは、失敗も多かったものの、信者も少なからずいたようです。
現在のマーティン・レイ・ワイナリーは彼に敬意を表して、そのブランドを買い取りワイン造りをしています。さすがにSO2不添加ではないですが、100%単一品種へのこだわりが共通しているようです。
ちなみに、マーティン・レイというのは、元々サンタ・クルーズ・マウンテンズにあったワイナリーで、現在のマウント・エデンにその場所が引き継がれています。今でいう自然派のワインメーカーで、SO2を添加しない独特のワイン造りは、失敗も多かったものの、信者も少なからずいたようです。
現在のマーティン・レイ・ワイナリーは彼に敬意を表して、そのブランドを買い取りワイン造りをしています。さすがにSO2不添加ではないですが、100%単一品種へのこだわりが共通しているようです。