コンステレーション・ブランズが以前から噂されていた「トカロン」の名を冠したワイナリーをはじめました(Announcing the Launch of To Kalon Vineyard Company)。
ロバート・モンダヴィの親会社であるコンステレーション・ブランズはカリフォルニアで最高のカベルネ・ソーヴィニヨンの畑と言われている「トカロン・ヴィンヤード」の最大の地主でもあります。また、「トカロン」の商標も持っています。
ワイナリーの名前は「トカロン・ヴィンヤード・カンパニー」。ワインメーカーはスクリーミング・イーグルやダラ・ヴァレなどでワインメーカーを努めていたアンディ・エリクソン。
ラベルには「ト・カロン」というギリシャ語の英語での意味である「Highest Beauty」という文字が書かれています。
最初のヴィンテージは2016年で、2019年9月に発売予定。価格は200ドル。Webサイトからメーリング・リストへの登録が可能です。
ロバート・モンダヴィの親会社であるコンステレーション・ブランズはカリフォルニアで最高のカベルネ・ソーヴィニヨンの畑と言われている「トカロン・ヴィンヤード」の最大の地主でもあります。また、「トカロン」の商標も持っています。
ワイナリーの名前は「トカロン・ヴィンヤード・カンパニー」。ワインメーカーはスクリーミング・イーグルやダラ・ヴァレなどでワインメーカーを努めていたアンディ・エリクソン。
ラベルには「ト・カロン」というギリシャ語の英語での意味である「Highest Beauty」という文字が書かれています。
最初のヴィンテージは2016年で、2019年9月に発売予定。価格は200ドル。Webサイトからメーリング・リストへの登録が可能です。
リース(Rhys)セミナーの後編です。
前編は「カリピノを極めた? リース(Rhys)高品質の秘訣を探る」。
まずはシャルドネ2種類。2015年のアルパインとホースシューです。
ワインの造りについてサザーン氏から解説がありました。
この2つの畑のシャルドネは作りも畑の植え方もほとんど同じで、気温や天気もほとんど同じです。土壌の違いだけが味の違いになっています。オーナーのケヴィンさんは「グラスを覗くと畑が見える」といいます。
ワインの造りではシャルドネをホールクラスターで優しくプレスするのが特徴です。この段階で酸素と触れさせ1回酸化させてしまいます。その後の醸造過程では酸素に極力触れないようにすることで、醸造途中に酸化が起こることでの品質の低下を防いでいます。
樽は20%ほど新樽を使います。樽は特別なもので、ブルゴーニュのドメーヌ・ド・モンティーユとのつながりからダミー(Damy)というメーカーにリース専用に作ってもらっています。特別なオークを使い、木の乾燥期間を通常より50%長くしています。
発酵は樽を使います。温度を低く保ち、半年ほどもかけてゆっくりと発酵させます。1~2週間で発酵を終わらすワイナリーが多い中で、これはかなりの長さです。発酵が進まないということはその間、果汁の変質の危険や発酵が止まってしまう恐れもあるので通常はある程度温度を上げて、発酵を進ませるのです。
マロラクティック発酵も自然に行います。この間、バトナージュも行いません。
樽発酵と樽熟成の後、ステンレススティールのタンクに入れてさらに熟成させますが、そのときに澱も一緒に入れます。その間に澱も大部分がワインに溶け込んでしまいます。ここでは全く酸素に触れないようにすることが大事です。
ホースシューとアルパインを比べるとホースシューの方がややクリーミーでリッチな味わい。ただ、果実の繊細さや味わいの複雑さ、酸の伸びといった点ではアルパインに軍配が上がります。また、酸のきれいさや全体としてのピュアな味わいは特筆できるレベル。どちらも非常にレベルの高いシャルドネです。参考までにワイン・アドヴォケイトではアルパインが95+でホースシューが94。レビュアーは元デカンターのウィリアム・ケリーなので、リッチなホースシューより繊細なアルパインが高く評価されたのかもしれません。
ピノ・ノワールは小さなステンレススティールのタンクをいくつも使って発酵させます。一つのタンクにはブドウが1トンくらいしか入りません。ホールクラスター(除梗なしのブドウ)をどれだけ使うかは畑やヴィンテージによって違います。
発酵時に固まった果房をつぶすのは人間の足を使います。それが優しい抽出につながります。発酵が終わった後10~14日くらい放置し、それからフリーフローとバスケットプレスによる優しいプレスで絞ります。1トンのブドウから50リットルくらいしか取れないとのことで、非常に優しいプレスであることがわかります(通常は80リットルくらいとのこと)。
熟成用の樽はフランソワ・フレールです。4年間乾燥した木で作った特別なものです。樽で1年ほど熟成した後、タンクに移して半年ほど熟成し、もう一度樽で半年ほど熟成させます。SO2はボトリングの前に少しだけ加えます。新樽率も畑によって変えています。
ピノ・ノワールの試飲はベアワローの2015、ファミリー・ファームとホースシューの2013、アルパインの2015です。
ベアワローは10%くらいホールクラスターを使います。リースの中では比較的リッチなピノ・ノワールでタンニンも比較的強く感じます。シルキーなテクスチャと、きれいな赤い果実の味わいが美味しいです。
ファミリーファームは北向きの斜面で日当たりが比較的少ない畑えす。2013年は47%ホールクラスター。新樽率は30%。すっきりした香りとピュアな旨味があります。
ホースシューは香りはおだやかで、きれいな味わい。後からスパイスが出てきて、非常に複雑さも感じるようになります。2013年は32%ホールクラスターですが、2015年はゼロだったとのこと。新樽率は51%。カリフォルニアのピノ・ノワールとしてはこれだけ果実味に頼らない味わいは異例とも思いますが、非常にハイレベル。個人的には4つのピノ・ノワールのうちのベストです。
アルパインの2015年は10%ホールクラスターで新樽率50%。シャルドネはアルパインよりホースシューがリッチでしたが、ピノ・ノワールではアルパインの方がややリッチ。ヴィンテージの違いもあるのかもしれません。比較的カリピノらしい果実味の強さもあります。
サザーン氏によるとホースシューとアルパインは常に比較される間柄で、好みも分かれるとのこと。セミナー会場で今回のピノ・ノワールについてどちらが好きか聞いたときもほぼ半々で分かれました。
どのワインも非常にピュアな味わいで複雑さもかなりのレベル。熟成させる価値のあるワインだと思います。
前編は「カリピノを極めた? リース(Rhys)高品質の秘訣を探る」。
まずはシャルドネ2種類。2015年のアルパインとホースシューです。
ワインの造りについてサザーン氏から解説がありました。
この2つの畑のシャルドネは作りも畑の植え方もほとんど同じで、気温や天気もほとんど同じです。土壌の違いだけが味の違いになっています。オーナーのケヴィンさんは「グラスを覗くと畑が見える」といいます。
ワインの造りではシャルドネをホールクラスターで優しくプレスするのが特徴です。この段階で酸素と触れさせ1回酸化させてしまいます。その後の醸造過程では酸素に極力触れないようにすることで、醸造途中に酸化が起こることでの品質の低下を防いでいます。
樽は20%ほど新樽を使います。樽は特別なもので、ブルゴーニュのドメーヌ・ド・モンティーユとのつながりからダミー(Damy)というメーカーにリース専用に作ってもらっています。特別なオークを使い、木の乾燥期間を通常より50%長くしています。
発酵は樽を使います。温度を低く保ち、半年ほどもかけてゆっくりと発酵させます。1~2週間で発酵を終わらすワイナリーが多い中で、これはかなりの長さです。発酵が進まないということはその間、果汁の変質の危険や発酵が止まってしまう恐れもあるので通常はある程度温度を上げて、発酵を進ませるのです。
マロラクティック発酵も自然に行います。この間、バトナージュも行いません。
樽発酵と樽熟成の後、ステンレススティールのタンクに入れてさらに熟成させますが、そのときに澱も一緒に入れます。その間に澱も大部分がワインに溶け込んでしまいます。ここでは全く酸素に触れないようにすることが大事です。
ホースシューとアルパインを比べるとホースシューの方がややクリーミーでリッチな味わい。ただ、果実の繊細さや味わいの複雑さ、酸の伸びといった点ではアルパインに軍配が上がります。また、酸のきれいさや全体としてのピュアな味わいは特筆できるレベル。どちらも非常にレベルの高いシャルドネです。参考までにワイン・アドヴォケイトではアルパインが95+でホースシューが94。レビュアーは元デカンターのウィリアム・ケリーなので、リッチなホースシューより繊細なアルパインが高く評価されたのかもしれません。
ピノ・ノワールは小さなステンレススティールのタンクをいくつも使って発酵させます。一つのタンクにはブドウが1トンくらいしか入りません。ホールクラスター(除梗なしのブドウ)をどれだけ使うかは畑やヴィンテージによって違います。
発酵時に固まった果房をつぶすのは人間の足を使います。それが優しい抽出につながります。発酵が終わった後10~14日くらい放置し、それからフリーフローとバスケットプレスによる優しいプレスで絞ります。1トンのブドウから50リットルくらいしか取れないとのことで、非常に優しいプレスであることがわかります(通常は80リットルくらいとのこと)。
熟成用の樽はフランソワ・フレールです。4年間乾燥した木で作った特別なものです。樽で1年ほど熟成した後、タンクに移して半年ほど熟成し、もう一度樽で半年ほど熟成させます。SO2はボトリングの前に少しだけ加えます。新樽率も畑によって変えています。
ピノ・ノワールの試飲はベアワローの2015、ファミリー・ファームとホースシューの2013、アルパインの2015です。
ベアワローは10%くらいホールクラスターを使います。リースの中では比較的リッチなピノ・ノワールでタンニンも比較的強く感じます。シルキーなテクスチャと、きれいな赤い果実の味わいが美味しいです。
ファミリーファームは北向きの斜面で日当たりが比較的少ない畑えす。2013年は47%ホールクラスター。新樽率は30%。すっきりした香りとピュアな旨味があります。
ホースシューは香りはおだやかで、きれいな味わい。後からスパイスが出てきて、非常に複雑さも感じるようになります。2013年は32%ホールクラスターですが、2015年はゼロだったとのこと。新樽率は51%。カリフォルニアのピノ・ノワールとしてはこれだけ果実味に頼らない味わいは異例とも思いますが、非常にハイレベル。個人的には4つのピノ・ノワールのうちのベストです。
アルパインの2015年は10%ホールクラスターで新樽率50%。シャルドネはアルパインよりホースシューがリッチでしたが、ピノ・ノワールではアルパインの方がややリッチ。ヴィンテージの違いもあるのかもしれません。比較的カリピノらしい果実味の強さもあります。
サザーン氏によるとホースシューとアルパインは常に比較される間柄で、好みも分かれるとのこと。セミナー会場で今回のピノ・ノワールについてどちらが好きか聞いたときもほぼ半々で分かれました。
どのワインも非常にピュアな味わいで複雑さもかなりのレベル。熟成させる価値のあるワインだと思います。
ヴィナスのアントニオ・ガッローニが「見つけたら迷わず手に入れてほしい」と語るほどの高品質のピノ・ノワールやシャルドネを作っているのがリース(Rhys)。サンタ・クルーズ・マウンテンズというややマイナーなAVAにあることや、知名度の高いワインメーカーやコンサルタントを雇っていないこと、市場に出回る数の少なさから、日本ではそれほど名前は知られていませんが、ブルゴーニュ・スタイルのピノ・ノワールやシャルドネが好きな人やリトライなどの自然派のワイナリーに興味がある人ならば、チェックするべきワイナリーです。リーンなスタイルのピノ・ノワールとしては、リトライと並んでカリフォルニアの最高峰の一つといっていいのではないかと個人的には思っています。
今回はそのリースからセールス・ディレクターのエリック・サザーン氏が初来日、セミナーを開きました。サザーン氏はリースではまだ3年くらいの経験ですが、それまでロバート・シンスキーやボニー・ドゥーンなどさまざまなワイナリーで働いてきた人です。
リースのオーナーであるケヴィン・ハーヴェイは元々IT業界の人。アップルのClarisWorksの元となったソフトの開発者であり、ベンチャー・キャピタルのベンチマークの創設者でもあります。要は大変なお金持ちです。リースは彼のミドルネームです。
ケヴィンはブルゴーニュのワインのファンでもあり、有数のコレクターでもあります。デュジャックのジャック・セイスなどブルゴーニュのトップ生産者とも親しく、ブルゴーニュのトップクラスの畑でさまざまなデータを取らせてもらい、土壌や気候など、何が重要なのかをデータから分析していったといいます。
そして、その基準に合ったところをカリフォルニアで探しました。候補となる土地でも1年間データを取って、実際に目標となる数値になるかどうか調べてから契約しているそうです。最初は主にサンタ・クルーズ・マウンテンズで探し、その後は他の地域にも増やしていっています。
ユニークなのはリースで畑の管理を担当するハビエール・タビアがワイナリーのCFO(最高財務責任者)でもあること。投資に見合うかどうかを見極めて開発をしています。
その結果として、比較的標高の高いところで、密植栽培をし、灌漑なしのドライ・ファーミングを行うといったスタイルで畑を開発していっています。現在はサンタ・クルーズ・マウンテンズに6つの自社畑があるほか、アンダーソン・ヴァレーにも一つの自社畑があります。このほか、メンドシーノのアルダー・スプリングスの近くにも2016年から開発している畑があります。畑はすべて一から開発しており、化学肥料などを使わず、認証は得ていないものの有機栽培やビオディナミのメソッドで育てています。それまで耕作されていない土地なので、「一度も化学肥料が入っていない」畑ばかりだそうです。
ワイン造りも基本的にはナチュラルなスタイル。天然酵母で発酵し、補酸や補水など行わず、フィルターも清澄もなし、SO2の添加は最小限にとどめています。
サンタ・クルーズ・マウンテンズには「サン・アンドレアス断層」というプレートの境界があります。海側は太平洋プレートで、非常に浅い表土で岩が多い土壌で、リースの畑の多くはその境界付近の太平洋側にあります。サンタ・クルーズ・マウンテンズには250ヘクタールほどピノ・ノワールが植わっていますが、その10分の1くらいがリースの畑だそうです。
苗木については、特定のクローンの苗木を買ってくるのではなく、「マサル・セレクション」と呼ばれる畑の中で品質のいい木を選んで接ぎ木する方法を使っています。シャルドネではオールド・ウェンテなど古くからカリフォルニアで使われているクローンの中でもいいものを選んで接ぎ木しています。なお、オールド・ウェンテは、よく使われている「ウェンテ」あるいはニュー・ウェンテ(別名UCD4)とは大きく違うそうです。ニュー・ウェンテはとてもブドウの房が大きくなりますが、オールド・ウェンテはこぶし大で、しかも実がまばらで空気がよく通るそうです。
ピノ・ノワールもマサル・セレクションで一つはオーナーがブルゴーニュから持ってきたと言われていますが、どこかは明らかにしていません。もう一つはカリフォルニアで古くから使われているものとのこと。
畑の紹介をしていきます。
アルパインはサン・アンドレアス断層の海側で非常に急斜面にある畑です。周りに何もないところで、作業する人のための宿泊所があるくらいです。土壌はシェールで握ると崩れてしまうくらい柔らかく、水はけがよくなっています。岩がゴロゴロしており、ほとんど表土がないところもあります。このような痩せた土地で密植するため根が深く伸びるといいます。ロマネ・コンティと同等の1ヘクタールあたり8000~9000本の密植をしています。リースを代表する畑の一つです。
スカイライン・ヴィンヤードは60cm×90cmくらいの密植で1ヘクタールあたり9000本程度と、アルパイン以上の密植だそうです。表土も非常に薄く、10~15cm程度。アルパインよりも断層に近いところです。このため、ぶどうの樹が太く育たないという特徴があります。植えてから相応の年数を経ていますが、それでもぶどうの樹はかなり細いままです。リースのセラーのあるところからすぐ近くの畑です。
ホーム・ヴィンヤードとファミリー・ファーム・ヴィンヤードは若干標高が低く、従来サンタ・クルーズ・マウンテンズのAVAからわずかにはずれていましたが、2017年からAVAに加わったとのこと。表土は1mくらいとやや厚く、水の保持力が大きい粘土質のところもあります。
ベアワロー・ヴィンヤードはアンダーソン・ヴァレーにある畑です。ほとんどがピノ・ノワールでシャルドネがわずかだけうわっています。サンタ・クルーズ・マウンテンズの畑は1.5トン/エーカーくらいと非常に収量が低いのですが、ベアワローは少し多く、3トン/エーカーくらいになっています。
アンダーソン・ヴァレーは内陸に入るとどんどん気温が上がるのですが、ベアワローは一番太平洋に近いところにあります。14ヘクタールくらいあって、比較的大きな畑です。収量も3トン/エーカーくらいあります。ベアワローというのはここの土壌の名前で、かなり複雑な構成です。シェールを中心に砂や岩が混じっています。
後編では試飲結果を紹介します。
今回はそのリースからセールス・ディレクターのエリック・サザーン氏が初来日、セミナーを開きました。サザーン氏はリースではまだ3年くらいの経験ですが、それまでロバート・シンスキーやボニー・ドゥーンなどさまざまなワイナリーで働いてきた人です。
リースのオーナーであるケヴィン・ハーヴェイは元々IT業界の人。アップルのClarisWorksの元となったソフトの開発者であり、ベンチャー・キャピタルのベンチマークの創設者でもあります。要は大変なお金持ちです。リースは彼のミドルネームです。
ケヴィンはブルゴーニュのワインのファンでもあり、有数のコレクターでもあります。デュジャックのジャック・セイスなどブルゴーニュのトップ生産者とも親しく、ブルゴーニュのトップクラスの畑でさまざまなデータを取らせてもらい、土壌や気候など、何が重要なのかをデータから分析していったといいます。
そして、その基準に合ったところをカリフォルニアで探しました。候補となる土地でも1年間データを取って、実際に目標となる数値になるかどうか調べてから契約しているそうです。最初は主にサンタ・クルーズ・マウンテンズで探し、その後は他の地域にも増やしていっています。
ユニークなのはリースで畑の管理を担当するハビエール・タビアがワイナリーのCFO(最高財務責任者)でもあること。投資に見合うかどうかを見極めて開発をしています。
その結果として、比較的標高の高いところで、密植栽培をし、灌漑なしのドライ・ファーミングを行うといったスタイルで畑を開発していっています。現在はサンタ・クルーズ・マウンテンズに6つの自社畑があるほか、アンダーソン・ヴァレーにも一つの自社畑があります。このほか、メンドシーノのアルダー・スプリングスの近くにも2016年から開発している畑があります。畑はすべて一から開発しており、化学肥料などを使わず、認証は得ていないものの有機栽培やビオディナミのメソッドで育てています。それまで耕作されていない土地なので、「一度も化学肥料が入っていない」畑ばかりだそうです。
ワイン造りも基本的にはナチュラルなスタイル。天然酵母で発酵し、補酸や補水など行わず、フィルターも清澄もなし、SO2の添加は最小限にとどめています。
サンタ・クルーズ・マウンテンズには「サン・アンドレアス断層」というプレートの境界があります。海側は太平洋プレートで、非常に浅い表土で岩が多い土壌で、リースの畑の多くはその境界付近の太平洋側にあります。サンタ・クルーズ・マウンテンズには250ヘクタールほどピノ・ノワールが植わっていますが、その10分の1くらいがリースの畑だそうです。
苗木については、特定のクローンの苗木を買ってくるのではなく、「マサル・セレクション」と呼ばれる畑の中で品質のいい木を選んで接ぎ木する方法を使っています。シャルドネではオールド・ウェンテなど古くからカリフォルニアで使われているクローンの中でもいいものを選んで接ぎ木しています。なお、オールド・ウェンテは、よく使われている「ウェンテ」あるいはニュー・ウェンテ(別名UCD4)とは大きく違うそうです。ニュー・ウェンテはとてもブドウの房が大きくなりますが、オールド・ウェンテはこぶし大で、しかも実がまばらで空気がよく通るそうです。
ピノ・ノワールもマサル・セレクションで一つはオーナーがブルゴーニュから持ってきたと言われていますが、どこかは明らかにしていません。もう一つはカリフォルニアで古くから使われているものとのこと。
畑の紹介をしていきます。
アルパインはサン・アンドレアス断層の海側で非常に急斜面にある畑です。周りに何もないところで、作業する人のための宿泊所があるくらいです。土壌はシェールで握ると崩れてしまうくらい柔らかく、水はけがよくなっています。岩がゴロゴロしており、ほとんど表土がないところもあります。このような痩せた土地で密植するため根が深く伸びるといいます。ロマネ・コンティと同等の1ヘクタールあたり8000~9000本の密植をしています。リースを代表する畑の一つです。
スカイライン・ヴィンヤードは60cm×90cmくらいの密植で1ヘクタールあたり9000本程度と、アルパイン以上の密植だそうです。表土も非常に薄く、10~15cm程度。アルパインよりも断層に近いところです。このため、ぶどうの樹が太く育たないという特徴があります。植えてから相応の年数を経ていますが、それでもぶどうの樹はかなり細いままです。リースのセラーのあるところからすぐ近くの畑です。
ホーム・ヴィンヤードとファミリー・ファーム・ヴィンヤードは若干標高が低く、従来サンタ・クルーズ・マウンテンズのAVAからわずかにはずれていましたが、2017年からAVAに加わったとのこと。表土は1mくらいとやや厚く、水の保持力が大きい粘土質のところもあります。
ベアワロー・ヴィンヤードはアンダーソン・ヴァレーにある畑です。ほとんどがピノ・ノワールでシャルドネがわずかだけうわっています。サンタ・クルーズ・マウンテンズの畑は1.5トン/エーカーくらいと非常に収量が低いのですが、ベアワローは少し多く、3トン/エーカーくらいになっています。
アンダーソン・ヴァレーは内陸に入るとどんどん気温が上がるのですが、ベアワローは一番太平洋に近いところにあります。14ヘクタールくらいあって、比較的大きな畑です。収量も3トン/エーカーくらいあります。ベアワローというのはここの土壌の名前で、かなり複雑な構成です。シェールを中心に砂や岩が混じっています。
後編では試飲結果を紹介します。
ワイン・サーチャーの最も検索されているホニャララシリーズのジンファンデルの記事が出ていました(The World's Most Wanted Zinfandels )。今回はプリミティーボも入り、かなりバラエティに富んだリストになりました。
1 Ridge Vineyards Geyserville Zinfandel
2 Sula Vineyards Zinfandel
3 Cantine-Feudi di San Marzano 60 Sessantanni Old Vines Primitivo di Manduria
4 Turley Wine Cellars Juvenile Zinfandel
5 Venge Vineyards Scout's Honor Proprietary Red
6 Seghesio Family Vineyards Zinfandel
7 The Prisoner Wine Co. Saldo Zinfandel
8 Turley Old Vines Zinfandel
9 Cantine Due Palme Pillastro Primitivo Puglia IGT
10 Black Saint Peter Old Vine Zinfandel
1位は前回に引き続き、リッジのガイザーヴィル。リットンがリストにないのはジンファンデルではないという扱いなのでしょうね。
2位はちょっと驚き。インドのジンファンデルです。ここのワイナリーのワインはインド料理屋で飲んだことありますが、結構よかったです。冬に栽培して春に収穫することで暑さを避けています。
3位はイタリアのプリミティーボ。
4位は前回2位だったターリーのジュヴナイル。人気が高く、春の一時期にしか入手できないワインです。
5位のヴェンジは前回4位。日本では知られていないワインです。
6位はセゲシオのソノマ・カウンティ。定番の一つです。
7位はプリズナーのジンファンデル。さすがのマーケティング力といった感じです。
8位は2つ目のターリー。これも以前はもっと日本でも買いやすかった気がします。
9位は再びイタリアのプリミティーボ。
10位はロウダイのジンファンデル。ロウダイというと7デッドリー・ジンズが有名ですが、以外にもリストから漏れています。メジャーすぎて検索されないということでしょうか。
1 Ridge Vineyards Geyserville Zinfandel
2 Sula Vineyards Zinfandel
3 Cantine-Feudi di San Marzano 60 Sessantanni Old Vines Primitivo di Manduria
4 Turley Wine Cellars Juvenile Zinfandel
5 Venge Vineyards Scout's Honor Proprietary Red
6 Seghesio Family Vineyards Zinfandel
7 The Prisoner Wine Co. Saldo Zinfandel
8 Turley Old Vines Zinfandel
9 Cantine Due Palme Pillastro Primitivo Puglia IGT
10 Black Saint Peter Old Vine Zinfandel
1位は前回に引き続き、リッジのガイザーヴィル。リットンがリストにないのはジンファンデルではないという扱いなのでしょうね。
2位はちょっと驚き。インドのジンファンデルです。ここのワイナリーのワインはインド料理屋で飲んだことありますが、結構よかったです。冬に栽培して春に収穫することで暑さを避けています。
3位はイタリアのプリミティーボ。
4位は前回2位だったターリーのジュヴナイル。人気が高く、春の一時期にしか入手できないワインです。
5位のヴェンジは前回4位。日本では知られていないワインです。
6位はセゲシオのソノマ・カウンティ。定番の一つです。
7位はプリズナーのジンファンデル。さすがのマーケティング力といった感じです。
8位は2つ目のターリー。これも以前はもっと日本でも買いやすかった気がします。
9位は再びイタリアのプリミティーボ。
10位はロウダイのジンファンデル。ロウダイというと7デッドリー・ジンズが有名ですが、以外にもリストから漏れています。メジャーすぎて検索されないということでしょうか。
カレラの蔵出しバック・ヴィンテージのワインがいくつかのショップに入荷しています。カレラの在庫整理として出てきたようですが、そろそろその整理も終わりではないかなどとも言われています。いつまでも出てくるものではないのは確かですので、ほしいと思ったら買っておいた方がいいと思われます。
ショップによって入っているヴィンテージも異なりますが、一番人気のジェンセンの場合、一番の狙い目はパーカー97点の2009年でしょう。カレラの場合、10年以上熟成した方がよくなるのが普通ですので、ちょうど飲み頃的にもいいと思います。次はパーカー96点の2012年。ただ、熟成を望むなら数年セラーに寝かせた方がベターだと思います。
次に人気のセレックは、より熟成が必要なタイプ。2006年、2009年、2011年などが出ていますが、一番古い2006年はやめておいた方が無難です。パーカーは87点、ヴィナスでもそのヴィンテージはスキップされており、やや当たり外れのあるカレラの中でははずれになる恐れが高いです。
2009年はパーカー95、2011年は94。ヴィナスだと93、92+なので2009年の方がやや評価は高くなっています。熟成的にもそちらがお薦めでしょう。ただ、セレックだったら15年くらいは熟成させた方がいいと思うので、同じヴィンテージならジェンセンがいいかもしれません。
ジェンセン、セレック以外でのお薦めはド・ヴィリエ。ジェンセンの隣に畑があり、酒質も一番似ています。ヴィンテージ的には2009年がパーカー96+。値段もジェンセン2本買う価格で3本買えるのでかなりお得です。この畑はタンニンが強く、それをコントロールするのに苦労したため、より遅く植樹したライアンよりも初ヴィンテージが遅くなったといういわくつきの畑。熟成力もかなりあると思います。
ショップによって入っているヴィンテージも異なりますが、一番人気のジェンセンの場合、一番の狙い目はパーカー97点の2009年でしょう。カレラの場合、10年以上熟成した方がよくなるのが普通ですので、ちょうど飲み頃的にもいいと思います。次はパーカー96点の2012年。ただ、熟成を望むなら数年セラーに寝かせた方がベターだと思います。
次に人気のセレックは、より熟成が必要なタイプ。2006年、2009年、2011年などが出ていますが、一番古い2006年はやめておいた方が無難です。パーカーは87点、ヴィナスでもそのヴィンテージはスキップされており、やや当たり外れのあるカレラの中でははずれになる恐れが高いです。
2009年はパーカー95、2011年は94。ヴィナスだと93、92+なので2009年の方がやや評価は高くなっています。熟成的にもそちらがお薦めでしょう。ただ、セレックだったら15年くらいは熟成させた方がいいと思うので、同じヴィンテージならジェンセンがいいかもしれません。
ジェンセン、セレック以外でのお薦めはド・ヴィリエ。ジェンセンの隣に畑があり、酒質も一番似ています。ヴィンテージ的には2009年がパーカー96+。値段もジェンセン2本買う価格で3本買えるのでかなりお得です。この畑はタンニンが強く、それをコントロールするのに苦労したため、より遅く植樹したライアンよりも初ヴィンテージが遅くなったといういわくつきの畑。熟成力もかなりあると思います。
フランシスカンの上級キュベ「マグニフィカ」が2015年から輸入元価格が15%ほども値上がりしてしまうそうです。とはいえ、現在は安いところで税込み4000円台。ワイン・サーチャーの平均価格の税抜き48ドルと比べても安くなっています。2014年は輸入元は完売であり店頭在庫だけの状態だそうです。
買うなら今、の銘柄です。なお、2014年はワイン・アドヴォケイトで89点。点数はそれほど高くありませんがロバート・パーカーは「ジューシーで丸く、蠱惑的。現時点ではそれほど複雑ではなくフィニッシュもやや短いが、控えめにいって、エクセレントなワインだ」としています。
あと、おまけでもうひとつ紹介しておきます。最近は「瞬殺」銘柄になっているダックホーンのメルロー「スリー・パームス」が再入荷しています。こちらもお早めにどうぞ。
買うなら今、の銘柄です。なお、2014年はワイン・アドヴォケイトで89点。点数はそれほど高くありませんがロバート・パーカーは「ジューシーで丸く、蠱惑的。現時点ではそれほど複雑ではなくフィニッシュもやや短いが、控えめにいって、エクセレントなワインだ」としています。
あと、おまけでもうひとつ紹介しておきます。最近は「瞬殺」銘柄になっているダックホーンのメルロー「スリー・パームス」が再入荷しています。こちらもお早めにどうぞ。
ソノマのカスタム・クラッシュ「ラック・アンド・リドル」がスパークリング・ワインの生産量を大幅に引き上げます(Rack & Riddle Announces Major Upgrade to Sparkling Wine Production ...)。
これまでは半自動化されたラインで最大年間35万ケースのスパークリング・ワインを製造できましたが、今回完全自動のラインを追加。年間55万ケースの製造ができるとのこと。全体の生産量も75万ケースまで増やしたいとのこと。
ラック・アンド・リドルはソノマでは唯一のスパークリング・ワインに対応したカスタム・クラッシュ。近年、スパークリング・ワインの人気で特に少量生産のワイナリーがスパークリング・ワインをラインアップに入れたいというニーズが増えており、それに対応します。
これまでは半自動化されたラインで最大年間35万ケースのスパークリング・ワインを製造できましたが、今回完全自動のラインを追加。年間55万ケースの製造ができるとのこと。全体の生産量も75万ケースまで増やしたいとのこと。
ラック・アンド・リドルはソノマでは唯一のスパークリング・ワインに対応したカスタム・クラッシュ。近年、スパークリング・ワインの人気で特に少量生産のワイナリーがスパークリング・ワインをラインアップに入れたいというニーズが増えており、それに対応します。
缶入りワインの急成長が続いています。2018年の米国における缶入りワインの売上は6900万ドルで2017年からなんと69%も上昇しました(Canned Wine Comes of Age | Wine Spectator)。2012年にはわずか200万ドルの市場だったことを考えたらすごい伸びです。
それに伴い、缶入りワインを作るワイナリーも増えています。「バター・シャルドネ」などで人気のジャム・セラーズ(JaM Cellars)もその一つ。バター・シャルドネと「キャンディ・ロゼ」を缶で提供しています。
缶入りワインで有名な「Underwood」の場合、55%が既に缶になっているとのこと。2018年は24万4000ケース(のボトル)に相当する缶を作っていましたが、今年は倍増する予定だとか。
缶の成長に伴い、飲まれるシーンも広がっています。これまでは春から夏のアウトドアで飲まれるのがほとんどでしたが、都会の若者が日常的に飲んでいるなども増えています。
それに伴い、缶入りワインを作るワイナリーも増えています。「バター・シャルドネ」などで人気のジャム・セラーズ(JaM Cellars)もその一つ。バター・シャルドネと「キャンディ・ロゼ」を缶で提供しています。
缶入りワインで有名な「Underwood」の場合、55%が既に缶になっているとのこと。2018年は24万4000ケース(のボトル)に相当する缶を作っていましたが、今年は倍増する予定だとか。
缶の成長に伴い、飲まれるシーンも広がっています。これまでは春から夏のアウトドアで飲まれるのがほとんどでしたが、都会の若者が日常的に飲んでいるなども増えています。
ナパの人気ワイナリー「ジラード(Girard)」の創設者であるスティーブとキャロルのジラード夫妻。彼らが次に目指したのは美味しいピノが作れるところ、というわけでオレゴンのウィラメット・ヴァレーにベントン・レーン(Benton-Lane)を設立しました。
ここの高評価ピノ・ノワールが決算セールで現地価格よりも安くなっています。
ワインはベントン・レーン「ファーストクラス」ピノ・ノワール2012年。いわゆる「リザーブ」タイプの高級ラインです。すべて自社畑のぶどうで作られています。現行ヴィンテージの2015年だとワイナリー価格で65ドル。2012年のものもリリース時の価格は60ドルでした。それが税抜き4780円(税込み5162円)となっています。ワイン・サーチャーでの最安の税抜き47ドル98セントよりも大幅に安い価格です。
ワイン自体の評価も高く、ワイン・スペクテーターでは92点、ヴィナスでは91点。唯一の問題点は在庫限りの価格であること。記事執筆時点では残り12本です。
ここの高評価ピノ・ノワールが決算セールで現地価格よりも安くなっています。
ワインはベントン・レーン「ファーストクラス」ピノ・ノワール2012年。いわゆる「リザーブ」タイプの高級ラインです。すべて自社畑のぶどうで作られています。現行ヴィンテージの2015年だとワイナリー価格で65ドル。2012年のものもリリース時の価格は60ドルでした。それが税抜き4780円(税込み5162円)となっています。ワイン・サーチャーでの最安の税抜き47ドル98セントよりも大幅に安い価格です。
ワイン自体の評価も高く、ワイン・スペクテーターでは92点、ヴィナスでは91点。唯一の問題点は在庫限りの価格であること。記事執筆時点では残り12本です。
故ロバート・モンダヴィの長男であるマイケル・モンダヴィ。その長男のロバート・モンダヴィ・ジュニアはモンダヴィ一族の中でも活発に活動している一人です。
父親の「マイケル・モンダヴィ・ファミリー・エステート」もちろんのこと、X JapanのYoshikiと共同で開発する「Y by Yoshiki」でもワインメーカーを務めています。また、ロバート・モンダヴィの弟ピーターの孫アンジェリーナ(ロバート・ジュニアから見たらはとこ)と「フォース・リーフ」というワイナリーもやっています。
さらに普及価格帯のワインを作っているのが「スペルバウンド」。良質でコスト・パフォーマンスの高いワインです。このスペルバウンドに新たにピノ・ノワールが登場しました(ワイナリーのサイトには未掲載)。
ほかのワインがすべて14ドル99セントですから、これも同程度の価格でしょう。日本の価格の税込みで2000円前後はかなりがんばっています。そもそも2000円前後で良質のピノ・ノワールを見つけるのはなかなか困難です。期待したいワインです。
父親の「マイケル・モンダヴィ・ファミリー・エステート」もちろんのこと、X JapanのYoshikiと共同で開発する「Y by Yoshiki」でもワインメーカーを務めています。また、ロバート・モンダヴィの弟ピーターの孫アンジェリーナ(ロバート・ジュニアから見たらはとこ)と「フォース・リーフ」というワイナリーもやっています。
さらに普及価格帯のワインを作っているのが「スペルバウンド」。良質でコスト・パフォーマンスの高いワインです。このスペルバウンドに新たにピノ・ノワールが登場しました(ワイナリーのサイトには未掲載)。
ほかのワインがすべて14ドル99セントですから、これも同程度の価格でしょう。日本の価格の税込みで2000円前後はかなりがんばっています。そもそも2000円前後で良質のピノ・ノワールを見つけるのはなかなか困難です。期待したいワインです。
ブドウの生育シーズンに通常はほとんど雨の降らないカリフォルニアですが、ナパやソノマなど北カリフォルニアで季節外れの大雨が降りました(Rain in May could mean big problems for North Bay winemakers - Story | KTVU)。
既に、シャルドネやピノ・ノワールなど開花時期の早い品種では開花が始まっています。この時期の雨は結実に影響する可能性があるとのこと。品質面での悪影響はありませんが、収穫は多少減るかもしれません。
既に、シャルドネやピノ・ノワールなど開花時期の早い品種では開花が始まっています。この時期の雨は結実に影響する可能性があるとのこと。品質面での悪影響はありませんが、収穫は多少減るかもしれません。
ナパのブドウ栽培家として知られるスティーブ・マサイアソンがワイナリー拡張計画を郡から認められました(Napa Planning Commission Approves Matthiasson Winery Expansion)。
現在年間5000ガロンの生産量を1万8000ガロンに増やすほか、1日17人までのゲストを入れられる、年間4回までのマーケティング的なイベント(ゲスト最大30人)を開催できる、従業員を現在の2人から7人にまで増やせるなど、かなり事細かに決まっています。
ワイナリーの拡張計画、近隣の住民から反対されることが多いのですが、今回は住民からも賛成意見が相次いだとのこと。スティーブ・マサイアソンが住民からも信頼されていることが伺えます。
ワインの誠実な味わいにもつながっているのでしょうか。
現在年間5000ガロンの生産量を1万8000ガロンに増やすほか、1日17人までのゲストを入れられる、年間4回までのマーケティング的なイベント(ゲスト最大30人)を開催できる、従業員を現在の2人から7人にまで増やせるなど、かなり事細かに決まっています。
ワイナリーの拡張計画、近隣の住民から反対されることが多いのですが、今回は住民からも賛成意見が相次いだとのこと。スティーブ・マサイアソンが住民からも信頼されていることが伺えます。
ワインの誠実な味わいにもつながっているのでしょうか。
柳屋でサンタ・バーバラのアルタ・マリアのワインが半額セールになっています。輸入元の在庫限りの限定です。
ワイナリー価格18ドル(税別)のソーヴィニヨン・ブランが税込み1804円、同じく28ドルのピノ・ノワールとシャルドネが2570円と3つともワイナリー価格以下。ピノ・ノワールはワインアンドスピリッツ誌で90点のベストバイに選ばれています。ワイン・アドヴォケイトでも90点。シャルドネは88点。
栽培家のジェームス・オンティヴェロスは9代続く農家で、「Native9」というワイナリーもやっています(以前、IPOBで来日したこともありました)。ワインメーカーのポール・ウィルキンスも2015年まではNative9もやっており、2011年にはSFクロニクルの注目のワインメーカーに二人で選ばれているほどです。
しかも6本以上買うと送料無料です。
ぜひ売り切れる前にどうぞ。
ワイナリー価格18ドル(税別)のソーヴィニヨン・ブランが税込み1804円、同じく28ドルのピノ・ノワールとシャルドネが2570円と3つともワイナリー価格以下。ピノ・ノワールはワインアンドスピリッツ誌で90点のベストバイに選ばれています。ワイン・アドヴォケイトでも90点。シャルドネは88点。
栽培家のジェームス・オンティヴェロスは9代続く農家で、「Native9」というワイナリーもやっています(以前、IPOBで来日したこともありました)。ワインメーカーのポール・ウィルキンスも2015年まではNative9もやっており、2011年にはSFクロニクルの注目のワインメーカーに二人で選ばれているほどです。
しかも6本以上買うと送料無料です。
ぜひ売り切れる前にどうぞ。
ワイン・アドヴォケイト編集長のリサ・ペロッティ・ブラウンは5月16日、ロバート・パーカーがワイン批評の仕事から引退することを発表しまし
た(Robert Parker: The Wine Advocate)
今後についてや、健康上の問題があるかどうかといったことは書かれていません。
既にワイン・アドヴォケイトでの担当地域のレビューはリサを初めとした他のレビュワーに引き継がれているので大きな問題はないと思います。
もちろん、今後の影響力は下がっていくことが予想されますが。
個人的には、現在ワイン・アドヴォケイトのほか、ヴィナスとスペクテーターは有料会員になっていますが、古くからのデータがあることやレビューの一貫性という点では、やはりアドヴォケイトが一番参考になると感じています。セミナーでもよくその数字(特に古くからの時系列データ)は使わせていただいています。
ワイン評論家不要論みたいな話は出ては消えとなっており、昨今はまた不要論が増えていますが、経験値や一貫性を考えるとまだまだ有用ではないかと思っています。
何はともあれ、ワイン業界に一時代を築いた偉人の引退、お疲れ様でした。
た(Robert Parker: The Wine Advocate)
The father of modern wine criticism, our publication’s founder and namesake, my greatest mentor and a dear friend, it is with mixed feelings that I announce that Robert M. Parker Jr. will, as of today, be formally hanging up his wine criticism boots and retiring from Robert Parker Wine Advocate.
今後についてや、健康上の問題があるかどうかといったことは書かれていません。
既にワイン・アドヴォケイトでの担当地域のレビューはリサを初めとした他のレビュワーに引き継がれているので大きな問題はないと思います。
もちろん、今後の影響力は下がっていくことが予想されますが。
個人的には、現在ワイン・アドヴォケイトのほか、ヴィナスとスペクテーターは有料会員になっていますが、古くからのデータがあることやレビューの一貫性という点では、やはりアドヴォケイトが一番参考になると感じています。セミナーでもよくその数字(特に古くからの時系列データ)は使わせていただいています。
ワイン評論家不要論みたいな話は出ては消えとなっており、昨今はまた不要論が増えていますが、経験値や一貫性を考えるとまだまだ有用ではないかと思っています。
何はともあれ、ワイン業界に一時代を築いた偉人の引退、お疲れ様でした。
アカデミー・デュ・ヴァンの続・カリフォルニアの名門ワイナリー、第2回のセミナーがありました。今回のテーマはシェーファー(Shafer)。
ここは行ったこともあるし、現社長のダグ・シェーファーさんとは前回来日時に会っているし、本も読んでいるので、準備は比較的スムーズでした。
スタッグス・リープ・ディストリクトの紹介ではVinousのヴィンヤードマップや、ナパの3Dマップも活用しました。実は先日バッグを新調したのですが、新しいバッグは3Dマップがちょうど入るサイズでうまく使えてよかったです。
シェーファーはワイン5種類しか作っていないので、現行ヴィンテージをすべて試飲というわかりやすさ。しかも白はシャルドネのみです。
赤の4種はブラインドで、どれがどれだか当ててもらうのと、どれが一番好きだったかを聞きました。
シラーはすぐにわかるかと思ったら、ここのシラーはかなり筋肉質で果実味はむしろ感じず、意外と難しかったです。
ブラックペッパーなどのスパイシーな風味を頼りにすると、少しわかりやすかったかと。
当てた人が多かったのはTD-9とヒルサイド・セレクト。ヒルサイド・セレクトはさすがに味の厚みが全然違います。「美味しいのはどれ?」と思って探せば見つかりやすかったかもしれません。
スタッグス・リープ・ディストリクトは、ナパの中では比較的南にありますが、西向き斜面で日当たりがよく、ブドウがきれいに熟すのが特徴。そのため、カベルネ・ソーヴィニヨンもブレンドせずに作られることが多いです。ヒルサイド・セレクトもその代表。普段カリフォルニアワインはあまり飲まない、という方はカベルネ・ソーヴィニヨン100%でこの味わいということに驚いていました。
ここは行ったこともあるし、現社長のダグ・シェーファーさんとは前回来日時に会っているし、本も読んでいるので、準備は比較的スムーズでした。
スタッグス・リープ・ディストリクトの紹介ではVinousのヴィンヤードマップや、ナパの3Dマップも活用しました。実は先日バッグを新調したのですが、新しいバッグは3Dマップがちょうど入るサイズでうまく使えてよかったです。
シェーファーはワイン5種類しか作っていないので、現行ヴィンテージをすべて試飲というわかりやすさ。しかも白はシャルドネのみです。
赤の4種はブラインドで、どれがどれだか当ててもらうのと、どれが一番好きだったかを聞きました。
シラーはすぐにわかるかと思ったら、ここのシラーはかなり筋肉質で果実味はむしろ感じず、意外と難しかったです。
ブラックペッパーなどのスパイシーな風味を頼りにすると、少しわかりやすかったかと。
当てた人が多かったのはTD-9とヒルサイド・セレクト。ヒルサイド・セレクトはさすがに味の厚みが全然違います。「美味しいのはどれ?」と思って探せば見つかりやすかったかもしれません。
スタッグス・リープ・ディストリクトは、ナパの中では比較的南にありますが、西向き斜面で日当たりがよく、ブドウがきれいに熟すのが特徴。そのため、カベルネ・ソーヴィニヨンもブレンドせずに作られることが多いです。ヒルサイド・セレクトもその代表。普段カリフォルニアワインはあまり飲まない、という方はカベルネ・ソーヴィニヨン100%でこの味わいということに驚いていました。
トランプ政権の中国製品への新関税措置に報復して、中国も関税アップを明らかにしました。6月1日から有効になります(Trump’s trade war with China hurting U.S. wine industry’s bid to increase sales there)。
ワインはさらに15%分関税が上がり、昨年4月から合計で40%関税が加算されたことになります。以前の関税と合わせると54%という重い税金。さらに他の税金を含めると輸入価格に対して98%の税金がかかる計算になります。つまり輸入した価格に対して最低でも倍になってしまうということ。
2018年の米国から中国へのワインの輸出は2割程度減ってしまっていましたが、この報復関税によって、さらに中国向け輸出は難しくなりそうです。
ワインはさらに15%分関税が上がり、昨年4月から合計で40%関税が加算されたことになります。以前の関税と合わせると54%という重い税金。さらに他の税金を含めると輸入価格に対して98%の税金がかかる計算になります。つまり輸入した価格に対して最低でも倍になってしまうということ。
2018年の米国から中国へのワインの輸出は2割程度減ってしまっていましたが、この報復関税によって、さらに中国向け輸出は難しくなりそうです。
カリフォルニアで、多くのワインメーカーから尊敬を受けるデビッド・レイミー。彼の作る単一畑シャルドネのバックヴィンテージが国内入荷しています。もちろん、数は極めて少なく、追加もまずあり得ないので、早いもの勝ちです。
上の2つは同じショップです。
カリフォルニアでワインを最初に作り始めたのはキリスト教の伝道師たち。「ミッション」と呼ばれる伝導所の周りにブドウ畑を作ってワインにしていました。そのときに持ち込まれた品種「ミッション」が今再びLAで人気だそうです(The Mission grape is cool in L.A. again, thanks to the natural wine movement - Los Angeles Times)。
ミッション種のワインはテキーラのような香りがして、ハイビスカスや鉄の風味があります。人によっては「血の味がする」とも。あるワインメーカーは「無機力で芯がない」と酷評します。
それでもミッション種のワインが売れるのは、それが「クール」だから。
ミッション種のワインは主に自然派のストアで売られています。そこでは、カベルネ・ソーヴィニヨンなど誰もが知っていて、味わいも想像できるものよりも、全然知らなかったり、ストーリーがあるものの方がもてはやされます。ミッション種はまさに、その範疇に収まるのです。
ミッション種は南米では「パイス」という名で庶民的なワインに使われており、近年はパイスをより本格的なワインに仕上げようという動きもあります。
カリフォルニアのミッション種のワインもわずかではありますが、日本に輸入されています。
実際、どんな味だか気になりませんか?
ミッション種のワインはテキーラのような香りがして、ハイビスカスや鉄の風味があります。人によっては「血の味がする」とも。あるワインメーカーは「無機力で芯がない」と酷評します。
それでもミッション種のワインが売れるのは、それが「クール」だから。
ミッション種のワインは主に自然派のストアで売られています。そこでは、カベルネ・ソーヴィニヨンなど誰もが知っていて、味わいも想像できるものよりも、全然知らなかったり、ストーリーがあるものの方がもてはやされます。ミッション種はまさに、その範疇に収まるのです。
ミッション種は南米では「パイス」という名で庶民的なワインに使われており、近年はパイスをより本格的なワインに仕上げようという動きもあります。
カリフォルニアのミッション種のワインもわずかではありますが、日本に輸入されています。
実際、どんな味だか気になりませんか?
ソノマで2019年5月3日、第5回目となるバレル・オークションが開催されました。落札額の合計は64万5000ドル。これは初回の46万1700ドルに次ぐ低い落札額でした(Sonoma County Barrel Auction raises $645,000 for vintner group)。
昨年は、大火事の後の救済のためのロットなどもあり、90万ドル近くの落札額でしたが、かなりの急落です。
一方で、比較的リーズナブルな価格で落札できることから、販売用に購入する業者もだんだん定着しているようです。
お祭り的雰囲気の濃いナパのオークションとは大分違う雰囲気のようですが、こちらはこちらで続いていってほしいと思います。
昨年は、大火事の後の救済のためのロットなどもあり、90万ドル近くの落札額でしたが、かなりの急落です。
一方で、比較的リーズナブルな価格で落札できることから、販売用に購入する業者もだんだん定着しているようです。
お祭り的雰囲気の濃いナパのオークションとは大分違う雰囲気のようですが、こちらはこちらで続いていってほしいと思います。
ナパの観光をプロモートしているビジット・ナパ・ヴァレーは2018年の観光状況を発表しました(Napa Valley’s Tourism Industry Continues to Provide a Significant Positive Impact)。
2018年にナパを訪れた観光客は385万人。2016年から年率4.45%で伸びています。そのうち80.8%が米国内の観光客、19.2%が海外からでした。
ナパを初めて訪れた観光客は48.6%。2回目以降は51.4%。驚くのはリピート回数で、平均3.6回と2016年の2.9回から大幅に増えました。
高学歴、高年収が多いのも特徴で、大学院を出た人が29%もいます。平均年収は17万595ドル。
観光はナパにとってワイン産業に次ぐビジネスになっています。その重要度はさらに増していると言えるでしょう。
2018年にナパを訪れた観光客は385万人。2016年から年率4.45%で伸びています。そのうち80.8%が米国内の観光客、19.2%が海外からでした。
ナパを初めて訪れた観光客は48.6%。2回目以降は51.4%。驚くのはリピート回数で、平均3.6回と2016年の2.9回から大幅に増えました。
高学歴、高年収が多いのも特徴で、大学院を出た人が29%もいます。平均年収は17万595ドル。
観光はナパにとってワイン産業に次ぐビジネスになっています。その重要度はさらに増していると言えるでしょう。
ソノマ・ヴァレーの業界団体ソノマ・ヴァレー・ヴィントナーズ&グロワーズ・アライアンスはソノマ・ヴァレーの1/4エーカーを超えるすべてのブドウ畑の地図を作るプロジェクトを始めたことを明らかにしました(Sonoma vintners trade group to map every Sonoma Valley vineyard)。
これはヴィナスのアントニオ・ガッローニなどと共同で行うもので、ヴィナスから出ているナパの各地域のブドウ畑地図と同様の体裁になる模様。単に二次元で畑の位置がわかるだけでなく、地形もある程度わかる形になります。
現在、約400の畑の情報が集まっており、最終的には700程度になる見込みだといいます。
5月16日に開催されるシグニチャー・ソノマ・ヴァレーのイベントで4枚作られるマップの一つが公開されるとのことです。
ロシアンリバーヴァレーとかソノマコーストのマップも欲しいです。作って欲しいなあ。
これはヴィナスのアントニオ・ガッローニなどと共同で行うもので、ヴィナスから出ているナパの各地域のブドウ畑地図と同様の体裁になる模様。単に二次元で畑の位置がわかるだけでなく、地形もある程度わかる形になります。
現在、約400の畑の情報が集まっており、最終的には700程度になる見込みだといいます。
5月16日に開催されるシグニチャー・ソノマ・ヴァレーのイベントで4枚作られるマップの一つが公開されるとのことです。
ロシアンリバーヴァレーとかソノマコーストのマップも欲しいです。作って欲しいなあ。
著名評論家のジェームズ・サックリングがナパの2016年のレポートを公開しています(Napa 2016 vintage: 5 consecutive years of fantastic wines - JamesSuckling.com)。
2012年から始まった優良ヴィンテージは2016年で5年連続となっています。特に2016年は他の評論家も激賞する中、ジェームズ・サックリングは当初懐疑的だったのだそうですが、1000種類以上を試飲する中で、やはり素晴らしいという結論に至ったとのこと。
特にこのヴィンテージで素晴らしいのは地域ごとの特徴がはっきり現れていることだと、著名ワインメーカー/コンサルタントのフィリップ・メルカは言っており、ジェームズ・サックリングもそれに同意しています。
2016ヴィンテージの100点ワインとしてはエイブリューのマドローナ・ランチ、ボンドのクエッラ、コルギンのナンバーナイン・エステート、ハーラン・エステート、スクリーミング・イーグル、シュレーダー・オールド・スパーキー、ダナ・エステート・ハウエルマウンテン・ハーシー・ヴィンヤード、グレース・ファミリーを挙げています。
なお、2017年はやや難しいヴィンテージと言われています。火事の影響よりも9月上旬の熱波が影響したと見られています。そして2018年は、もしかしたら2016年よりも上かもしれないというほどの優良ヴィンテージと言われています。
2012年から始まった優良ヴィンテージは2016年で5年連続となっています。特に2016年は他の評論家も激賞する中、ジェームズ・サックリングは当初懐疑的だったのだそうですが、1000種類以上を試飲する中で、やはり素晴らしいという結論に至ったとのこと。
特にこのヴィンテージで素晴らしいのは地域ごとの特徴がはっきり現れていることだと、著名ワインメーカー/コンサルタントのフィリップ・メルカは言っており、ジェームズ・サックリングもそれに同意しています。
2016ヴィンテージの100点ワインとしてはエイブリューのマドローナ・ランチ、ボンドのクエッラ、コルギンのナンバーナイン・エステート、ハーラン・エステート、スクリーミング・イーグル、シュレーダー・オールド・スパーキー、ダナ・エステート・ハウエルマウンテン・ハーシー・ヴィンヤード、グレース・ファミリーを挙げています。
なお、2017年はやや難しいヴィンテージと言われています。火事の影響よりも9月上旬の熱波が影響したと見られています。そして2018年は、もしかしたら2016年よりも上かもしれないというほどの優良ヴィンテージと言われています。
コルクを抜かずにグラスに注ぐことで、長期保存を可能にするグッズ「コラヴァン」の国内価格が改定されました(世界で唯一、コルクを抜かずにボトルのワインを注ぐツール「コラヴァン」 2019年5月1日より新色が加わり、最大約22% offに価格改訂! |株式会社シナジートレーディングのプレスリリース)。
最安価なモデル1は税抜き3万3880円と、米国の299ドルと遜色ないレベルまで下がりました。高級なモデル2のダークグラファイト仕上げも6万5000円から5万880円と大幅に下がりました。
国内で使用できなかったアルゴンガスも昨年、使用許可の方針が出ています。まだ国内製品は窒素ガスのままだと思いますが、そこが早く解決するともっと普及につながるのではないかと思います。
最安価なモデル1は税抜き3万3880円と、米国の299ドルと遜色ないレベルまで下がりました。高級なモデル2のダークグラファイト仕上げも6万5000円から5万880円と大幅に下がりました。
国内で使用できなかったアルゴンガスも昨年、使用許可の方針が出ています。まだ国内製品は窒素ガスのままだと思いますが、そこが早く解決するともっと普及につながるのではないかと思います。
高いワインが美味しいのはある意味当たり前ですが、やはり知りたいのはコストパフォーマンスの高いワインですよね。そこで5000円までのおすすめワインを品種ごとに価格帯別に紹介していこうと思います。すべて自分で試飲して自信を持って薦められるワインです。
まずはカベルネ系というかボルドー系の品種のワインから。
●1000円以下
この価格帯では個人的にはカルディコーヒーファームで売っている「レッドウッド」のカベルネ・ソーヴィニヨンが一択です。実は令和になって最初に飲んだワインでもあります。さすがに凝縮感はありませんが、カシスの風味もあってカベルネ・ソーヴィニヨンらしい味わいはちゃんとあります。ミディアムボディで柔らかい味わい。飲みやすくはずさないワインです。
●1000円台
意外と難しいこの価格帯。2000円台になるとかなり本格的においしいワインも多いのですが、1000円台で1000円以下のものより明らかにレベルが上のものって見つけにくいのです。その中で、さすがだなと思わせてくれるのがスリー・シーヴスのカベルネ・ソーヴィニヨン。スリー・シーヴスは、人気ハンバーガー店「Gott's Roadside」やワインブランド「Joel Gott」で知られるジョエル・ゴットが二人のワイン業界の才人と組んでコストパフォーマンスの高いワインを作るプロジェクト。ミディアムボディですが、スパイシーな感じやタンニンなど、しっかりした味わいがあるのが1000円以下のワインと一線を画しています。
1000円台のカリフォルニアワインで、「これを買っておけば安心」なブランドがマックマニス。家族経営のワイナリーですが、非常にコストパフォーマンスの高いワインを作っています。カベルネ・ソーヴィニヨンもカベルネらしい味わいのワイン。
●2000円台
カリフォルニアワインではありませんが、この価格帯ではずせないのがワシントンの雄チャールズ・スミスが作るワイン・オブ・サブスタンスのカベルネ・ソーヴィニヨン。この価格帯ですべて天然酵母を使い、樽熟成という手間のかけかたもすごいですが出来上がったワインも驚くべきレベル。チャールズ・スミス本人が「この価格でこれほど美味しいワインが作れるようになるとは想像もしなかった」と自賛するワイン。2018年には米国の大手オンラインワインショップwine.comで年間で一番よく売れたワインに選ばれています。「カシスやブラックベリーの果実味に鉛筆の芯の風味など複雑さもあり、酸も豊かでバランスもすばらしい。一言で言えば非の打ち所がないワインです」というのは私のテイスティング・ノートより。
2000円台のカリフォルニアワインからはウルトラバイオレットのカベルネ・ソーヴィニヨンを紹介します。「ニュー・カリフォルニア」と呼ばれるエレガントなスタイルのカベルネ・ソーヴィニヨンですが、複雑さもありとてもレベルの高いワイン。ワインメーカーは注目の女性醸造家サマンサ・シーハン。
この価格帯でナパを代表するのがフランシスカン。オークヴィルの一等地の畑のブドウを使ってこの価格帯はがんばっています。ガロへのブランド移行で今後が心配ですが、少なくとも現状では間違いなくお薦めの一つ。
ダックホーンの作る一番安価なブランドがデコイ。といってもセカンド的な位置づけではなく、ソノマで一流の畑との契約ブドウで作っています。現地価格で25ドルが日本でも2000円台と、日本の価格自体がんばっています。ここはやはり紹介したいのはメルロー。ダックホーン系列だけあってメルローにはかなりのこだわりを持って作っているのだと思います。
●3000円台
ヴィノスやまざきが輸入するストーンヘッジの「メリタージュ」は、カリフォルニアらしい果実味の豊かさとふくよかさを十分に持ったワイン。同社の赤ワインでは一番の売上だというのが納得いくレベルの高さ。ちょっとだけ格上の「ヴィンテージ・セレクション」もあります。
ナパのフランシスカンに対し、ソノマからはシミ。フランシスカンと比べるとややエレガントなスタイルがソノマっぽさを表しているようです。これもブランドのガロへの移行で今後が心配なブランドです。
オールド・ヴィンテージの在庫発掘物なのでいつまであるかはわかりませんがトロワ・ヴォワイエルは安価で熟成ワインが楽しめる貴重なワイン。
●4000円台
群雄割拠する4000円台ですが、まずは逃せないのが明石家さんまさんがTV番組で紹介して大ヒットになった「ナパ・ハイランズ」。このブログでもそれより前から紹介しており、ナパらしい味わいをこの価格で提供していることにはかなり驚きました。
ナパ・ハイランズは売れすぎて常に品薄状態になり、各インポーターがこの価格帯で良質のワインをぶつけてきています。
ナパ・ハイランズの輸入元でもある中川ワインが輸入するのが「エクスペリエンス」。これも非常に良質のナパらしいカベルネ。
ブラックスミスのクラレットは布袋ワインズの輸入。これも秀逸な味わいです。
この価格帯のワインの多くはナパの契約畑のブドウを使っているのに対し、ホワイトホール・レーンは自社畑も数多く持っています。トレ・レオーニはカベルネ・ソーヴィニヨンを中心にメルロー、シラー、ジンファンデルをブレンドしたもの。やわらかくふくよかで非常にコストパフォーマンスの高いワインです。ラベルもいいです。
まずはカベルネ系というかボルドー系の品種のワインから。
●1000円以下
この価格帯では個人的にはカルディコーヒーファームで売っている「レッドウッド」のカベルネ・ソーヴィニヨンが一択です。実は令和になって最初に飲んだワインでもあります。さすがに凝縮感はありませんが、カシスの風味もあってカベルネ・ソーヴィニヨンらしい味わいはちゃんとあります。ミディアムボディで柔らかい味わい。飲みやすくはずさないワインです。
●1000円台
意外と難しいこの価格帯。2000円台になるとかなり本格的においしいワインも多いのですが、1000円台で1000円以下のものより明らかにレベルが上のものって見つけにくいのです。その中で、さすがだなと思わせてくれるのがスリー・シーヴスのカベルネ・ソーヴィニヨン。スリー・シーヴスは、人気ハンバーガー店「Gott's Roadside」やワインブランド「Joel Gott」で知られるジョエル・ゴットが二人のワイン業界の才人と組んでコストパフォーマンスの高いワインを作るプロジェクト。ミディアムボディですが、スパイシーな感じやタンニンなど、しっかりした味わいがあるのが1000円以下のワインと一線を画しています。
1000円台のカリフォルニアワインで、「これを買っておけば安心」なブランドがマックマニス。家族経営のワイナリーですが、非常にコストパフォーマンスの高いワインを作っています。カベルネ・ソーヴィニヨンもカベルネらしい味わいのワイン。
●2000円台
カリフォルニアワインではありませんが、この価格帯ではずせないのがワシントンの雄チャールズ・スミスが作るワイン・オブ・サブスタンスのカベルネ・ソーヴィニヨン。この価格帯ですべて天然酵母を使い、樽熟成という手間のかけかたもすごいですが出来上がったワインも驚くべきレベル。チャールズ・スミス本人が「この価格でこれほど美味しいワインが作れるようになるとは想像もしなかった」と自賛するワイン。2018年には米国の大手オンラインワインショップwine.comで年間で一番よく売れたワインに選ばれています。「カシスやブラックベリーの果実味に鉛筆の芯の風味など複雑さもあり、酸も豊かでバランスもすばらしい。一言で言えば非の打ち所がないワインです」というのは私のテイスティング・ノートより。
2000円台のカリフォルニアワインからはウルトラバイオレットのカベルネ・ソーヴィニヨンを紹介します。「ニュー・カリフォルニア」と呼ばれるエレガントなスタイルのカベルネ・ソーヴィニヨンですが、複雑さもありとてもレベルの高いワイン。ワインメーカーは注目の女性醸造家サマンサ・シーハン。
この価格帯でナパを代表するのがフランシスカン。オークヴィルの一等地の畑のブドウを使ってこの価格帯はがんばっています。ガロへのブランド移行で今後が心配ですが、少なくとも現状では間違いなくお薦めの一つ。
ダックホーンの作る一番安価なブランドがデコイ。といってもセカンド的な位置づけではなく、ソノマで一流の畑との契約ブドウで作っています。現地価格で25ドルが日本でも2000円台と、日本の価格自体がんばっています。ここはやはり紹介したいのはメルロー。ダックホーン系列だけあってメルローにはかなりのこだわりを持って作っているのだと思います。
●3000円台
ヴィノスやまざきが輸入するストーンヘッジの「メリタージュ」は、カリフォルニアらしい果実味の豊かさとふくよかさを十分に持ったワイン。同社の赤ワインでは一番の売上だというのが納得いくレベルの高さ。ちょっとだけ格上の「ヴィンテージ・セレクション」もあります。
ナパのフランシスカンに対し、ソノマからはシミ。フランシスカンと比べるとややエレガントなスタイルがソノマっぽさを表しているようです。これもブランドのガロへの移行で今後が心配なブランドです。
オールド・ヴィンテージの在庫発掘物なのでいつまであるかはわかりませんがトロワ・ヴォワイエルは安価で熟成ワインが楽しめる貴重なワイン。
●4000円台
群雄割拠する4000円台ですが、まずは逃せないのが明石家さんまさんがTV番組で紹介して大ヒットになった「ナパ・ハイランズ」。このブログでもそれより前から紹介しており、ナパらしい味わいをこの価格で提供していることにはかなり驚きました。
ナパ・ハイランズは売れすぎて常に品薄状態になり、各インポーターがこの価格帯で良質のワインをぶつけてきています。
ナパ・ハイランズの輸入元でもある中川ワインが輸入するのが「エクスペリエンス」。これも非常に良質のナパらしいカベルネ。
ブラックスミスのクラレットは布袋ワインズの輸入。これも秀逸な味わいです。
この価格帯のワインの多くはナパの契約畑のブドウを使っているのに対し、ホワイトホール・レーンは自社畑も数多く持っています。トレ・レオーニはカベルネ・ソーヴィニヨンを中心にメルロー、シラー、ジンファンデルをブレンドしたもの。やわらかくふくよかで非常にコストパフォーマンスの高いワインです。ラベルもいいです。
世界のワイン・ショップの価格をデータベースにしているワイン・サーチャーが国ごとのワイン価格を測る新たなインデックスを発表しました(Introducing Wine-Searcher's Moët Index)。
その名は「モエ・インデックス」。世界のどこででも売られていて、入手も難しくないワインとして、モエ・エ・シャンドンの「ブリュット・アンペリアル」の価格を指標にしたものです。
世界の平均価格は50ドル。米国は52ドルで英国は39ポンド。ドル換算すると51ドルで、ほぼ同等であると見なせます。
関税や輸送コストの面で有利なはずのフランスは45ユーロ。ドル換算すると50.50ドルとほとんど同じでした。
EU圏内の他国はもっと安く、ドイツはドル換算で46ドル。ギリシャは43.75ドル、スペインに至っては39ドルと大幅に安くなっています。
北欧は全般に高く、デンマークで56ドルなど。
アジアも高いところが多く、中国で58.20ドル、香港で56.85ドル、インドではなんと82.95ドルにもなります。
日本は50.50ドルと平均的な価格。
ただ、米国以外ではワイン・サーチャーにデータを提供しているショップの数が少ないので、数字がどこまで信用できるのかは疑問が残ります。
日本の場合、楽天で正規輸入品の価格を調べると安いところで3800円程度。中間値で5300円くらいでしょうか。ただし、これは税込みなので、税別でドル換算すると44ドルとなって世界的にもかなり安い部類に入りそうです。
その名は「モエ・インデックス」。世界のどこででも売られていて、入手も難しくないワインとして、モエ・エ・シャンドンの「ブリュット・アンペリアル」の価格を指標にしたものです。
世界の平均価格は50ドル。米国は52ドルで英国は39ポンド。ドル換算すると51ドルで、ほぼ同等であると見なせます。
関税や輸送コストの面で有利なはずのフランスは45ユーロ。ドル換算すると50.50ドルとほとんど同じでした。
EU圏内の他国はもっと安く、ドイツはドル換算で46ドル。ギリシャは43.75ドル、スペインに至っては39ドルと大幅に安くなっています。
北欧は全般に高く、デンマークで56ドルなど。
アジアも高いところが多く、中国で58.20ドル、香港で56.85ドル、インドではなんと82.95ドルにもなります。
日本は50.50ドルと平均的な価格。
ただ、米国以外ではワイン・サーチャーにデータを提供しているショップの数が少ないので、数字がどこまで信用できるのかは疑問が残ります。
日本の場合、楽天で正規輸入品の価格を調べると安いところで3800円程度。中間値で5300円くらいでしょうか。ただし、これは税込みなので、税別でドル換算すると44ドルとなって世界的にもかなり安い部類に入りそうです。
ワインスペクテーターにナパ最大の地主であるアンディ・ベクストファーのインタビュー記事が出ていました(Replanting To Kalon: A Napa Cabernet Renewal | Stirring the Lees with James Molesworth | Blogs | Wine Spectator)。
ベクストファーの持つ代表的な畑といえばベクストファー・トカロン。1993年にボーリュー(Beaulieu)から1エーカーあたり4万4000ドルという価格で手に入れました(現在は、ナパの一等地は1エーカー100万ドルと言われています)。
現在、ベクストファー・トカロンの一部は病気のため植え替えが必要になってきています。
トカロンは約20の生産者にブドウを提供していますが、植え替えに際しては、そのブロックのブドウを使っているかどうかにかかわらず、平等に割当を減らされるそうです。
また、新しく植え替えたブロックは、列の方向が従来の南北から、東西方向に変わっています。
午後の強い西日がブドウに直接当たるのを避けるためだそうです。
またトカロンの名称については、土地の一貫性のためにそこの土地の所有者が平等に名乗れるのが望ましいとしています(現在はコンステレーション・ブランズが商標を持っており、コンステレーション以外ではベクストファーだけが和解によって名乗ることができます)。例えば、トカロンに畑を持っているが現在はその名前を使えないマクドナルドもマクドナルド・トカロンと名乗れるべきとしています。
ベクストファーの持つ代表的な畑といえばベクストファー・トカロン。1993年にボーリュー(Beaulieu)から1エーカーあたり4万4000ドルという価格で手に入れました(現在は、ナパの一等地は1エーカー100万ドルと言われています)。
現在、ベクストファー・トカロンの一部は病気のため植え替えが必要になってきています。
トカロンは約20の生産者にブドウを提供していますが、植え替えに際しては、そのブロックのブドウを使っているかどうかにかかわらず、平等に割当を減らされるそうです。
また、新しく植え替えたブロックは、列の方向が従来の南北から、東西方向に変わっています。
午後の強い西日がブドウに直接当たるのを避けるためだそうです。
またトカロンの名称については、土地の一貫性のためにそこの土地の所有者が平等に名乗れるのが望ましいとしています(現在はコンステレーション・ブランズが商標を持っており、コンステレーション以外ではベクストファーだけが和解によって名乗ることができます)。例えば、トカロンに畑を持っているが現在はその名前を使えないマクドナルドもマクドナルド・トカロンと名乗れるべきとしています。
古木の畑で作るジンファンデルで知られるベッドロックですが、ごく少数ながら白ワインも醸造しています。もちろんこちらでも古木へのこだわりは忘れません。
現在日本に入ってきているベッドロックの白ワインは2種類。ゲヴェルツトラミネールやリースリングなどが混植された畑のブドウで作る「コンパーニポルティス」と、今年の来日時にショウカイされたリースリングです(ベッドロックではこのほかソーヴィニヨン・ブランも作っています)。
コンパーニポルティスは多品種を一緒くたにして醸造しており、そこから生まれる複雑さや柔らかい味わいが特徴。
一方、リースリングはカレラのすぐ近くの石灰岩を含む土壌に、1963年に自根で植えられたというレアにレアを積み重ねたような畑のブドウ。よくぞこんな畑が今まで残っていたと思ってしまいますが、これを完全にドライに仕上げたワインもとてもユニーク。花の香りやスパイスが特徴的。
どちらも唯一無二のワインと言っていいでしょう。以前行ったリースリングだけの試飲会でも、これに似たワインを試飲した記憶がありません。
現在日本に入ってきているベッドロックの白ワインは2種類。ゲヴェルツトラミネールやリースリングなどが混植された畑のブドウで作る「コンパーニポルティス」と、今年の来日時にショウカイされたリースリングです(ベッドロックではこのほかソーヴィニヨン・ブランも作っています)。
コンパーニポルティスは多品種を一緒くたにして醸造しており、そこから生まれる複雑さや柔らかい味わいが特徴。
一方、リースリングはカレラのすぐ近くの石灰岩を含む土壌に、1963年に自根で植えられたというレアにレアを積み重ねたような畑のブドウ。よくぞこんな畑が今まで残っていたと思ってしまいますが、これを完全にドライに仕上げたワインもとてもユニーク。花の香りやスパイスが特徴的。
どちらも唯一無二のワインと言っていいでしょう。以前行ったリースリングだけの試飲会でも、これに似たワインを試飲した記憶がありません。