米国では9つの州とワシントンDCで許可されているマリファナの娯楽使用。1980年代から2000年台初頭生まれのミレニアル世代では既にアルコールよりもマリファナを好む人が多くなっているというデータも出ています(Why millennials prefer cannabis to booze: ‘Zero enjoyment out of drinking’ - MarketWatch)。
マリファナ使用が許される州が増えていることによって、規制も緩んできているということもありそうです。イリノイ州では医療用のマリファナだけが解禁されていますが、シカゴでは1グラム18ドルほどで入手が可能とのこと(これは米国の中ではかなり高価なようです)。記事に出てきた若者はそれまで週に数回、30ドルから50ドルお酒に使ってきたのが、マリファナ派に転向した今では1カ月に30ドル以下で済んでいるとのこと。
ワイン業界の中には、ミレニアル世代の多くが学生ローンによる借金を抱えており、生活が苦しいことがワインのような高額な酒に向かわない理由として分析する向きもありますが、若者に言わせるとお酒は退屈で、二日酔いもあることなどが避ける理由になっているようです。マリファナも一人で吸うよりも友人たちと吸うソーシャライズのためのものになっており、お酒の役割は減りつつあるようです。
このほか、ミレニアル世代はスターバックスコーヒーのように、自分だけのカスタマイズができるものを好むという説もあります。大量生産のビールであったり、「パーカーが高得点を付けたワイン」といった一種画一的なものを「退屈」とみなす傾向は多分にありそうです。
日本ではマリファナが解禁になることはまだまだ遠い先でしょうが、アルコール業界全体にとって、もはや避けては通れない問題になりつつあります。
マリファナ使用が許される州が増えていることによって、規制も緩んできているということもありそうです。イリノイ州では医療用のマリファナだけが解禁されていますが、シカゴでは1グラム18ドルほどで入手が可能とのこと(これは米国の中ではかなり高価なようです)。記事に出てきた若者はそれまで週に数回、30ドルから50ドルお酒に使ってきたのが、マリファナ派に転向した今では1カ月に30ドル以下で済んでいるとのこと。
ワイン業界の中には、ミレニアル世代の多くが学生ローンによる借金を抱えており、生活が苦しいことがワインのような高額な酒に向かわない理由として分析する向きもありますが、若者に言わせるとお酒は退屈で、二日酔いもあることなどが避ける理由になっているようです。マリファナも一人で吸うよりも友人たちと吸うソーシャライズのためのものになっており、お酒の役割は減りつつあるようです。
このほか、ミレニアル世代はスターバックスコーヒーのように、自分だけのカスタマイズができるものを好むという説もあります。大量生産のビールであったり、「パーカーが高得点を付けたワイン」といった一種画一的なものを「退屈」とみなす傾向は多分にありそうです。
日本ではマリファナが解禁になることはまだまだ遠い先でしょうが、アルコール業界全体にとって、もはや避けては通れない問題になりつつあります。
ゴールデンウイーク中は、多くのネットショップで配送がストップしていますが、そういうときに便利なのがアマゾン。プライム会員であれば多くの商品が翌日には配達されるので、店に買いに行くより早くて楽なことが多いです。
プライムで買えるワインの種類はそこまで多くないですが、品質的には確かなものがそろっています。
ボックスタイプのワインでは高級で、米国では毎年10%以上出荷が伸びている「ボタ・ボックス」。フルボトル2本分にあたる500ml3本で2500円はいいですね。
ナパ・カベの定番的存在フランシスカン。先日も書いたようにガロへの売却で畑が使えなくなるため、数年後には今の品質は保てないかもしれません。
ベリンジャーのカベルネの中でコスパ王といえばナイツ・ヴァレー。この地域のパイオニアでもあります。
モントレー地域のピノ・ノワールの今や代表的存在になったハーン。ここのはどれを飲んでも満足感があります。
安っぽいラベルはどうなのよ、と思ってしまうワインですが、ジンファンデル美味しいです。BBQとかにも合うと思います。
マイケル・デイビッドのセブン・デッドリー・ジンズは米国で一番人気のジンファンデル。これもブランド売却されたので、今後がどうなるかちょっと気になるワインです。意外とエレガントさもあるいいジンファンデルです。
こちらの689も大人気ブランド。カリフォルニアらしい果実味あふれる味わい。
マイケル・デイビッドのプティ・シラーです。濃厚な味わい。プティ・シラーって意外と飲む機会が少ないような気がしますが、カリフォルニアらしい味わいで個人的には好きです。特に近年は面白いものがまた増えている感じがします。これもその一つ。
プライムで買えるワインの種類はそこまで多くないですが、品質的には確かなものがそろっています。
ボックスタイプのワインでは高級で、米国では毎年10%以上出荷が伸びている「ボタ・ボックス」。フルボトル2本分にあたる500ml3本で2500円はいいですね。
ナパ・カベの定番的存在フランシスカン。先日も書いたようにガロへの売却で畑が使えなくなるため、数年後には今の品質は保てないかもしれません。
ベリンジャーのカベルネの中でコスパ王といえばナイツ・ヴァレー。この地域のパイオニアでもあります。
モントレー地域のピノ・ノワールの今や代表的存在になったハーン。ここのはどれを飲んでも満足感があります。
安っぽいラベルはどうなのよ、と思ってしまうワインですが、ジンファンデル美味しいです。BBQとかにも合うと思います。
マイケル・デイビッドのセブン・デッドリー・ジンズは米国で一番人気のジンファンデル。これもブランド売却されたので、今後がどうなるかちょっと気になるワインです。意外とエレガントさもあるいいジンファンデルです。
こちらの689も大人気ブランド。カリフォルニアらしい果実味あふれる味わい。
マイケル・デイビッドのプティ・シラーです。濃厚な味わい。プティ・シラーって意外と飲む機会が少ないような気がしますが、カリフォルニアらしい味わいで個人的には好きです。特に近年は面白いものがまた増えている感じがします。これもその一つ。
ワインライフ株式会社の試飲会に参加しました。ここは「シャトー・イガイタカハ」として、グレッグ・ブリュワーやポール・ラトーなどカリフォルニアの著名なワインメーカーの協力によって作るワインのほか、グレッグ・ブリュワーの作るダイアトムおよびブリュワー・クリフトンのワインを輸入販売しています。今回はグレッグ・ブリュワーの来日に伴う試飲会で、セミナーも開かれましたが時間の都合でセミナーは参加できず、試飲会のみでした。
最初はダイアトムのワインです。ダイアトムはグレッグ・ブリュワーが樽を使わないシャルドネを作りたいということで始めたブランドです。ワインライフの杉本さんが2006年にグレッグに頼んで作ってもらった「Samurai Beauty」というシャルドネにロバート・パーカーが95点を付けたのが、その後「侍」などの漢字ラベルのワインに発展し(当時は「神の雫」に取り上げられたことも)、さらにシャトー・イガイタカハの漢字ラベルのワインに移行したという、ある意味シャトー・イガイタカハの礎になったワインの一つでもあります。
今回試飲したのはシャルドネ サンタマリア キャサリン・ヴィンヤード2017(7000円)。樽を使っていないワインとしては驚くほどのパワフルさ。香りも素晴らしく濃厚かつピュアな味わい。ブドウ自体のポテンシャルの高さを感じます。
次はシャトー・イガイタカハの花偲(はなしのぶ)シャルドネ2014(6000円)。これも樽を使っていないシャルドネですが、熟成によるものかやわらかく、とても旨味を感じます。和食の出汁にも共通するようなコクのあるワイン。
シャトー・イガイタカハのフラッグシップのシャルドネ「侍(さむらい)」(8000円)。今回は2014からニュー・リリースの2017まで4ヴィンテージを試飲しました。ミネラルを強く感じる2014年、酸がきれいな2015年、濃厚ながらまろやかな2016年、蜜のような華やかさと甘さを感じる2017年。どれもレベル高いですが、2017年のとろけるような味わいは特に女性に受けそうな気がします。
ワイン・スペクテーターで年間8位に選ばれたこともあるブリュワー・クリフトンのピノ・ノワール サンタ・リタ・ヒルズ2015(8000円)。やわらかさと豊かな果実味が魅力的です。
JALのファーストクラスのワインとしても採用されているシャトー・イガイタカハのフラッグシップのピノ・ノワール「園(その)」(1万円)。今回は2016年とニュー・リリースの2017年を試飲しましたが、どちらも素晴らしいワイン。果実味と複雑さ、酸のバランスが際立っています。今飲むのなら2016年の方がやわらかく、美味しいと思いますが、ワイン自体のレベルは両ヴィンテージ甲乙つけがたいところです。サンタバーバラのみならず、カリフォルニアのトップクラスのピノ・ノワールの一つと言っていいと思います。
シャトー・イガイタカハの「家紋」シリーズ(グレッグ以外のワインメーカーによるワイン)の「エレガント・ハート」ソーヴィニヨン・ブラン2016(4000円)。香りの良さで知られるソーヴィニヨン・ムスクを着かており果実味豊かでてても美味しいソーヴィニヨン・ブラン。ある意味今回一番驚いたワインの一つです。
シャトー・イガイタカハ「タイガー・ジョー」シラー2015年(5000円)。ユニークな名前の多いここのワインですが、基本的には家族の名前の漢字を英語で表しています。こちらは杉本さんの次女のご主人の名前から。
このシラーはカリフォルニアのシラーとしては珍しいほど酸が豊かで旨味もあるワイン。シラーでこういう表現の仕方があるのだなと感心しました。多分99%の人が思うカリフォルニアのシラーとは全然違う美味しさのワイン。
シャトー・イガイタカハ「ドラゴン・ビューティ」カベルネ・ソーヴィニョン2016(1万5000円)。果実のふくよかさとストラクチャのあるワイン。
グレッグにも再会できてよかったです。
シャトー・イガイタカハ、飲んだことない人は、ぜひ園と侍は試してみてほしいです。特にキスラーのAVAものに大枚はたくなら、こちらの方がレベルも上だと思います。
最初はダイアトムのワインです。ダイアトムはグレッグ・ブリュワーが樽を使わないシャルドネを作りたいということで始めたブランドです。ワインライフの杉本さんが2006年にグレッグに頼んで作ってもらった「Samurai Beauty」というシャルドネにロバート・パーカーが95点を付けたのが、その後「侍」などの漢字ラベルのワインに発展し(当時は「神の雫」に取り上げられたことも)、さらにシャトー・イガイタカハの漢字ラベルのワインに移行したという、ある意味シャトー・イガイタカハの礎になったワインの一つでもあります。
今回試飲したのはシャルドネ サンタマリア キャサリン・ヴィンヤード2017(7000円)。樽を使っていないワインとしては驚くほどのパワフルさ。香りも素晴らしく濃厚かつピュアな味わい。ブドウ自体のポテンシャルの高さを感じます。
次はシャトー・イガイタカハの花偲(はなしのぶ)シャルドネ2014(6000円)。これも樽を使っていないシャルドネですが、熟成によるものかやわらかく、とても旨味を感じます。和食の出汁にも共通するようなコクのあるワイン。
シャトー・イガイタカハのフラッグシップのシャルドネ「侍(さむらい)」(8000円)。今回は2014からニュー・リリースの2017まで4ヴィンテージを試飲しました。ミネラルを強く感じる2014年、酸がきれいな2015年、濃厚ながらまろやかな2016年、蜜のような華やかさと甘さを感じる2017年。どれもレベル高いですが、2017年のとろけるような味わいは特に女性に受けそうな気がします。
ワイン・スペクテーターで年間8位に選ばれたこともあるブリュワー・クリフトンのピノ・ノワール サンタ・リタ・ヒルズ2015(8000円)。やわらかさと豊かな果実味が魅力的です。
JALのファーストクラスのワインとしても採用されているシャトー・イガイタカハのフラッグシップのピノ・ノワール「園(その)」(1万円)。今回は2016年とニュー・リリースの2017年を試飲しましたが、どちらも素晴らしいワイン。果実味と複雑さ、酸のバランスが際立っています。今飲むのなら2016年の方がやわらかく、美味しいと思いますが、ワイン自体のレベルは両ヴィンテージ甲乙つけがたいところです。サンタバーバラのみならず、カリフォルニアのトップクラスのピノ・ノワールの一つと言っていいと思います。
シャトー・イガイタカハの「家紋」シリーズ(グレッグ以外のワインメーカーによるワイン)の「エレガント・ハート」ソーヴィニヨン・ブラン2016(4000円)。香りの良さで知られるソーヴィニヨン・ムスクを着かており果実味豊かでてても美味しいソーヴィニヨン・ブラン。ある意味今回一番驚いたワインの一つです。
シャトー・イガイタカハ「タイガー・ジョー」シラー2015年(5000円)。ユニークな名前の多いここのワインですが、基本的には家族の名前の漢字を英語で表しています。こちらは杉本さんの次女のご主人の名前から。
このシラーはカリフォルニアのシラーとしては珍しいほど酸が豊かで旨味もあるワイン。シラーでこういう表現の仕方があるのだなと感心しました。多分99%の人が思うカリフォルニアのシラーとは全然違う美味しさのワイン。
シャトー・イガイタカハ「ドラゴン・ビューティ」カベルネ・ソーヴィニョン2016(1万5000円)。果実のふくよかさとストラクチャのあるワイン。
グレッグにも再会できてよかったです。
シャトー・イガイタカハ、飲んだことない人は、ぜひ園と侍は試してみてほしいです。特にキスラーのAVAものに大枚はたくなら、こちらの方がレベルも上だと思います。
ソノマの人気ワイナリー「レイヴェンズウッド」がテイスティングルームを閉鎖することが判明しました(‘End of an era’: Sonoma’s Ravenswood tasting room to close)
サイト上ではまだ何も出ていません。
レイヴェンズウッドは今月、コンステレーションブランズからガロに売却されたブランドの一つ。売却内容にはブランドが含まれていますが、畑やワイナリー設備などは含まれていなかったため、当初から懸念されていたことでした。
つまり、依然として建物の持ち主コンステレーションブランズですが、ワイナリーやテイスティングルームを維持する意味がなくなったので閉鎖するということです。
既にワイナリーのスタッフには解雇が伝えられており、創設者のジョエル・ピーターソンも去ります。
うえの写真はガロへの売却が決まったあと、息子のモーガンがインスタグラムにアップした写真。右がジョエル・ピーターソン。哀愁が漂っています。
ジンファンデルで一時代を築いたワイナリーの末路としては寂しいものがあります。また、ガロはレイヴェンズウッドのブランドがポートフォリオにうまくはまらないことからブランドごと廃止するという噂もあります。
なお、同じようにガロに売却されたワイナリーとしてはシミ(Simi)もあります。こちらのテイスティングルームがどうなるのかも心配です。
サイト上ではまだ何も出ていません。
レイヴェンズウッドは今月、コンステレーションブランズからガロに売却されたブランドの一つ。売却内容にはブランドが含まれていますが、畑やワイナリー設備などは含まれていなかったため、当初から懸念されていたことでした。
つまり、依然として建物の持ち主コンステレーションブランズですが、ワイナリーやテイスティングルームを維持する意味がなくなったので閉鎖するということです。
既にワイナリーのスタッフには解雇が伝えられており、創設者のジョエル・ピーターソンも去ります。
うえの写真はガロへの売却が決まったあと、息子のモーガンがインスタグラムにアップした写真。右がジョエル・ピーターソン。哀愁が漂っています。
ジンファンデルで一時代を築いたワイナリーの末路としては寂しいものがあります。また、ガロはレイヴェンズウッドのブランドがポートフォリオにうまくはまらないことからブランドごと廃止するという噂もあります。
なお、同じようにガロに売却されたワイナリーとしてはシミ(Simi)もあります。こちらのテイスティングルームがどうなるのかも心配です。
先日、米国のワイン輸出の2018年分の統計が発表されました。ワイン輸出の90%以上はカリフォルニアワインなので、実質的にはカリフォルニアワインの統計といってもいいでしょう。
日本はEU、カナダ、香港についで4番めの輸出先で、この順位はここ数年変わっていません。2018年の日本への輸出額は前年から微減の9304万9851ドルとなりました。中国への輸出は24.66%減と、貿易摩擦の影響を大きく受けましたが、香港への輸出が10%近く増えており、中国への輸出減の半分ほどをカバーしています。おそらく香港経由で中国本土に入っているワインも少なからずあるのではないかと思います。
グラフにはアジアの主要輸出先4カ所を示しました。
トータルの輸出額は4.8%減少しています。減少は2年連続。中国との貿易摩擦などがある中では、減少を最低限に抑えた格好です。なお、注目の輸出先としてナイジェリアへの輸出が急増しています。2018年は1513万ドルと前年の約2.5倍になっています。
一方で輸出量は全体で1.2%の減少ですが、日本への輸出量を見ると22%も減少しており、1233万2002リットルとなっています。
750ミリリットルあたりの輸出額を計算すると下のグラフのようになります。
日本に輸入されるカリフォルニアワインは従来からバルクで輸出する安いワイン(代表的なものではフランジアなどがあります)が中心となっていましたが、チリとの貿易協定に加え、EUとの貿易協定、TPPと多くの国との貿易で関税が大幅に引き下げられるかゼロになるかになり、対米は取り残された格好。安ワインの減少はその打撃をくらったのでしょう。
とはいえ、周辺の国と比べるとまだ価格的に追いついたところなので、この傾向はこれからさらに進むのではないかと思います。
日本はEU、カナダ、香港についで4番めの輸出先で、この順位はここ数年変わっていません。2018年の日本への輸出額は前年から微減の9304万9851ドルとなりました。中国への輸出は24.66%減と、貿易摩擦の影響を大きく受けましたが、香港への輸出が10%近く増えており、中国への輸出減の半分ほどをカバーしています。おそらく香港経由で中国本土に入っているワインも少なからずあるのではないかと思います。
グラフにはアジアの主要輸出先4カ所を示しました。
トータルの輸出額は4.8%減少しています。減少は2年連続。中国との貿易摩擦などがある中では、減少を最低限に抑えた格好です。なお、注目の輸出先としてナイジェリアへの輸出が急増しています。2018年は1513万ドルと前年の約2.5倍になっています。
一方で輸出量は全体で1.2%の減少ですが、日本への輸出量を見ると22%も減少しており、1233万2002リットルとなっています。
750ミリリットルあたりの輸出額を計算すると下のグラフのようになります。
日本に輸入されるカリフォルニアワインは従来からバルクで輸出する安いワイン(代表的なものではフランジアなどがあります)が中心となっていましたが、チリとの貿易協定に加え、EUとの貿易協定、TPPと多くの国との貿易で関税が大幅に引き下げられるかゼロになるかになり、対米は取り残された格好。安ワインの減少はその打撃をくらったのでしょう。
とはいえ、周辺の国と比べるとまだ価格的に追いついたところなので、この傾向はこれからさらに進むのではないかと思います。
ナパの人気ワイナリー、ルイス・セラーズ(Lewis Cellars)の創設者ランディ・ルイス(Randy Lewis)と、現社長でランディの亡き妻デビーの子であるデニス・ベルが来日しました。ルイスは、2016年にワイン・スペクテーターのワイン・オブ・ザ・イヤーを取得しており、いかにもカリフォルニアらしい果実味豊かなワインを作っています。
――ランディさんはレーシングカー・ドライバーから転身されましたが、その理由は。
ランディ ワイン造りを手伝ってほしいと言われたのがきっかけだった。ルイス・セラーズは92年に妻のデビーと始めた。レーシングカー・ドライバーとワイナリーでは大きく違うが、共通することもある。レーシングカーでは一番いいクルマが必要なように、ワイナリーでは一番いいブドウが必要だ。いいチームがいないと成り立たないのも同じだ。
――家族経営で、跡継ぎに困って手放すワイナリーも多くありますが、うまくやっているように見えます。
ランディ 10~20年同じチームで続けている。ワインを売っているのは自分とデニスだけで、あとはみなワイン造りにかかわっている。デニスの息子も、ワイナリーに興味を持っており、あと数年したら加わるだろう。
――最初のワインメーカーはだれだったのですか。
ランディ 最初はジョー・カファーロという人がワインメーカーだった。とてもいい人物で、ワイン造りについていろいろ学ぶのに役立った。ただ彼は品質を突き詰めるタイプではなく、我々が期待するレベルのワインは作ってくれなかった。そこで1996年にヘレン・ターリーをコンサルタントとして雇った。彼女は94年や95年のワインをファインチューンしてくれ、96年のワインを作ってくれた。すべては畑におけるブドウの出来にかかっていること、できたブドウからすべてを抽出すること、といったルイスのフィロソフィーはそのときにヘレン・ターリーに教わったことであり、今も変わらずに続けている。その後はポール・ホブズなどもワインメーカーを努めていたことがあった。
――ワイン・オブ・ザ・イヤーの反響はどうでしたか。
ランディ すごかった。我々が一番いいカベルネの一つを作っていることが認められたと思う。デビーは当時もうガンで病床についていたがとても喜んでくれた。彼女がルイスのハートでありソウルなんだ。ちなみにワイン・スペクテーターには広告を出したりはしていないよ。
――ルイスはスペクテーターでは、コンスタントに高評価を得ていますが、アドヴォケイトやヴィナスではほとんどレビューもされていません。なぜでしょうか。
ランディ スペクテーターでカリフォルニアを担当していたジム・ロビー(Jim Laube)はルイスに最初に来た人だったんだ。それでいろいろ話をして友達になった。それでコンスタントにレビューされるようになった。発行人であるマーヴィン・シャンケンにも彼が紹介してくれた。我々はいいレビューを得るためにワインのサンプルを送るといったことはしていない。ジムとは個人的につながっているが、われわれをよく知らなかったり、気にもしていないような人にワインを送ってレビューしてもらおうとは思わない。ワイン造りは人とのつながりが大事なパーソナルなビジネスなのだ。ちなみに、ジェブ・ダナックは我々のコロラドのディストリビュータと仲がよく、最近サンプルを送付したよ。
デニス スコアを見てワインを買う人はほとんどいない。スコアを通じて我々のワインに興味を持って顧客になるケースはあるが。顧客は我々のブランドを知っていて、一貫して同じスタイルであることをわかっていて買っている。
ランディ ワインはとても個人の結びつきを大事にした商売なんだ。カリフォルニアでは、うちはディストリビュータを使っておらず、500軒のワインショップと直接契約して取引している。うちは小さな家族経営のワイナリーで、それで生計が立っている。特に大儲けしようなどとは考えずこのままの形で続けていきたい。
――自社の畑を持っていないのはなぜですか。
ランディ 生産者とも長期的な関係を築いている。60~70%の畑は昔から使っており、そもそも我々のために畑を作ってもらったという経緯がある。ルートストックからスペーシングから剪定から、すべて我々が思う通りにしている。ヴィンヤード・マネージャーがすべて管理しており、灌漑や葉の落とし方、実の残し方なども決めている。
――これからのプランを教えてください
ランディ いい畑はいつでも探している。ワインの生産量を増やすつもりはないが、少しずついろんな畑を使っていきたい。
試飲のワインは2017年のシャルドネ、2016年のカベルネ・ソーヴィニョン。2016年のアレックス・ブレンドだ。
シャルドネはレモンなどの果実味が豊かできれい。ヴァニラの風味もここちよい。酸がとてもいい感じであり、クリームシチューのようなテクスチャもいい感じです。
ランディ シャルドネはオークノールの畑を多く使っている。カーネロスはうちが求めるスタイルにはちょっと涼しすぎる。オークノールがちょうどいい感じなのだ。ワインは樽発酵、樽熟成で天然酵母を使っている。
――樽発酵させる理由は何ですか。
ランディ ステンレスのタンクを使った方が温度調節も簡単であり、チェックするのも楽だ。一つずつ樽の状態を確認するのは大変な作業だ。また、ステンレスのタンクで発酵し、樽で熟成する方が樽香がつきやすい。我々は樽香ぷんぷんのワインを作りたいのではない。樽発酵の方が味がインテグレートされるのだ。
次はカベルネ・ソーヴィニョンです。
スモーキーでタニック。カシスやブラックベリーの風味。酸は控えめ。かなりタニックなワインだが、タンニンはスムーズであり、ワインに溶け込んだ感じがします。
――カベルネ・ソーヴィニョンの畑はどこですか。
ランディ これも多くがオークノールだ。オークノールに3つの畑がある。西側と東のベンチランド、ヴァレー・フロアにもある。標高が上がることで太陽が一日中あたるようになる。カベルネ・ソーヴィニョンの畑はカリストガなどにもあり、ヴァレーの南北から取っています。これによって天候が不順な年もめるrこ
最後はシラーとメルローのアレックス・ブレンドです。
とにかく香りがすばらしいワイン。タンニンもかなりあり、しっかりとしたストラクチャ。おいしいです。
ランディ このワインにはちょっとしたエピソードがある。最初はともかく余ったワインを混ぜたものをアレックス・ブレンドとしたんだ。アレックはデニスの息子の名前なんだが、ちょっと申し訳ないね。今はメルローもシラーもそれぞれ単独の品種のワインとして出しているのと同じレベルのブドウをまぜている。
デニス 私は社長ですが、名刺を交換するときに、アレックの父親です、というのが一番受けるのです(笑)。
――ランディさんはレーシングカー・ドライバーから転身されましたが、その理由は。
ランディ ワイン造りを手伝ってほしいと言われたのがきっかけだった。ルイス・セラーズは92年に妻のデビーと始めた。レーシングカー・ドライバーとワイナリーでは大きく違うが、共通することもある。レーシングカーでは一番いいクルマが必要なように、ワイナリーでは一番いいブドウが必要だ。いいチームがいないと成り立たないのも同じだ。
――家族経営で、跡継ぎに困って手放すワイナリーも多くありますが、うまくやっているように見えます。
ランディ 10~20年同じチームで続けている。ワインを売っているのは自分とデニスだけで、あとはみなワイン造りにかかわっている。デニスの息子も、ワイナリーに興味を持っており、あと数年したら加わるだろう。
――最初のワインメーカーはだれだったのですか。
ランディ 最初はジョー・カファーロという人がワインメーカーだった。とてもいい人物で、ワイン造りについていろいろ学ぶのに役立った。ただ彼は品質を突き詰めるタイプではなく、我々が期待するレベルのワインは作ってくれなかった。そこで1996年にヘレン・ターリーをコンサルタントとして雇った。彼女は94年や95年のワインをファインチューンしてくれ、96年のワインを作ってくれた。すべては畑におけるブドウの出来にかかっていること、できたブドウからすべてを抽出すること、といったルイスのフィロソフィーはそのときにヘレン・ターリーに教わったことであり、今も変わらずに続けている。その後はポール・ホブズなどもワインメーカーを努めていたことがあった。
――ワイン・オブ・ザ・イヤーの反響はどうでしたか。
ランディ すごかった。我々が一番いいカベルネの一つを作っていることが認められたと思う。デビーは当時もうガンで病床についていたがとても喜んでくれた。彼女がルイスのハートでありソウルなんだ。ちなみにワイン・スペクテーターには広告を出したりはしていないよ。
――ルイスはスペクテーターでは、コンスタントに高評価を得ていますが、アドヴォケイトやヴィナスではほとんどレビューもされていません。なぜでしょうか。
ランディ スペクテーターでカリフォルニアを担当していたジム・ロビー(Jim Laube)はルイスに最初に来た人だったんだ。それでいろいろ話をして友達になった。それでコンスタントにレビューされるようになった。発行人であるマーヴィン・シャンケンにも彼が紹介してくれた。我々はいいレビューを得るためにワインのサンプルを送るといったことはしていない。ジムとは個人的につながっているが、われわれをよく知らなかったり、気にもしていないような人にワインを送ってレビューしてもらおうとは思わない。ワイン造りは人とのつながりが大事なパーソナルなビジネスなのだ。ちなみに、ジェブ・ダナックは我々のコロラドのディストリビュータと仲がよく、最近サンプルを送付したよ。
デニス スコアを見てワインを買う人はほとんどいない。スコアを通じて我々のワインに興味を持って顧客になるケースはあるが。顧客は我々のブランドを知っていて、一貫して同じスタイルであることをわかっていて買っている。
ランディ ワインはとても個人の結びつきを大事にした商売なんだ。カリフォルニアでは、うちはディストリビュータを使っておらず、500軒のワインショップと直接契約して取引している。うちは小さな家族経営のワイナリーで、それで生計が立っている。特に大儲けしようなどとは考えずこのままの形で続けていきたい。
――自社の畑を持っていないのはなぜですか。
ランディ 生産者とも長期的な関係を築いている。60~70%の畑は昔から使っており、そもそも我々のために畑を作ってもらったという経緯がある。ルートストックからスペーシングから剪定から、すべて我々が思う通りにしている。ヴィンヤード・マネージャーがすべて管理しており、灌漑や葉の落とし方、実の残し方なども決めている。
――これからのプランを教えてください
ランディ いい畑はいつでも探している。ワインの生産量を増やすつもりはないが、少しずついろんな畑を使っていきたい。
試飲のワインは2017年のシャルドネ、2016年のカベルネ・ソーヴィニョン。2016年のアレックス・ブレンドだ。
シャルドネはレモンなどの果実味が豊かできれい。ヴァニラの風味もここちよい。酸がとてもいい感じであり、クリームシチューのようなテクスチャもいい感じです。
ランディ シャルドネはオークノールの畑を多く使っている。カーネロスはうちが求めるスタイルにはちょっと涼しすぎる。オークノールがちょうどいい感じなのだ。ワインは樽発酵、樽熟成で天然酵母を使っている。
――樽発酵させる理由は何ですか。
ランディ ステンレスのタンクを使った方が温度調節も簡単であり、チェックするのも楽だ。一つずつ樽の状態を確認するのは大変な作業だ。また、ステンレスのタンクで発酵し、樽で熟成する方が樽香がつきやすい。我々は樽香ぷんぷんのワインを作りたいのではない。樽発酵の方が味がインテグレートされるのだ。
次はカベルネ・ソーヴィニョンです。
スモーキーでタニック。カシスやブラックベリーの風味。酸は控えめ。かなりタニックなワインだが、タンニンはスムーズであり、ワインに溶け込んだ感じがします。
――カベルネ・ソーヴィニョンの畑はどこですか。
ランディ これも多くがオークノールだ。オークノールに3つの畑がある。西側と東のベンチランド、ヴァレー・フロアにもある。標高が上がることで太陽が一日中あたるようになる。カベルネ・ソーヴィニョンの畑はカリストガなどにもあり、ヴァレーの南北から取っています。これによって天候が不順な年もめるrこ
最後はシラーとメルローのアレックス・ブレンドです。
とにかく香りがすばらしいワイン。タンニンもかなりあり、しっかりとしたストラクチャ。おいしいです。
ランディ このワインにはちょっとしたエピソードがある。最初はともかく余ったワインを混ぜたものをアレックス・ブレンドとしたんだ。アレックはデニスの息子の名前なんだが、ちょっと申し訳ないね。今はメルローもシラーもそれぞれ単独の品種のワインとして出しているのと同じレベルのブドウをまぜている。
デニス 私は社長ですが、名刺を交換するときに、アレックの父親です、というのが一番受けるのです(笑)。
ワイン・サーチャーの品種別トップ10の3つ目はピノ・ノワール(The World's Most Wanted Pinot Noir)。シャルドネ同様ブルゴーニュ抜きのリストです。ブルゴーニュを入れるとトップ100中96本をブルゴーニュになるとか。早速リストを見ていきましょう。
1. Domaine de la Cote Bloom's Field Pinot Noir, Sta Rita Hills
2. Ata Rangi Pinot Noir, Martinborough
3. Marcassin Vineyard Pinot Noir, Sonoma Coast
4. Meiomi Pinot Noir, California
5. Sea Smoke Southing Pinot Noir, Sta Rita Hills
6. Weingut Daniel & Marta Gantenbein Pinot Noir, Graubunden
7. Sea Smoke Ten Pinot Noir, Sta Rita Hills
8. Domaine Serene Evenstad Reserve Pinot Noir, Willamette Valley
9. Colene Clemens Dopp Creek Pinot Noir, Willamette Valley
10. Belle Glos Las Alturas Pinot Noir, Santa Lucia Highlands
さすがにトップ10中で8本はカリフォルニアです。
ソノマが強いかと思いきや、サンタ・リタ・ヒルズが3つと気を吐きました。その中でも1位のドメーヌ・ド・ラ・コートはちょっと意外でした。そこまでメジャーなワインだとは思っていなかったので。品質はとてもいいですが、なにかで取り上げられたのでしょうかね。。
ソノマでは3位のマーカッシンだけがトップ10入り。キスラーとかオーベールとか入ってこなかったのは意外でした。
4位になったのはメイオミのピノ・ノワールでした。いわゆるナショナルブランドはこれ1本だけでした。これもやや意外な結果でした。
サンタ・ルシア・ハイランズで唯一入ったのはベル・グロス。これもちょっとびっくり。ここを切り開いたピゾーニとか、コスパ最高のハーンとかではないのですね。
1. Domaine de la Cote Bloom's Field Pinot Noir, Sta Rita Hills
2. Ata Rangi Pinot Noir, Martinborough
3. Marcassin Vineyard Pinot Noir, Sonoma Coast
4. Meiomi Pinot Noir, California
5. Sea Smoke Southing Pinot Noir, Sta Rita Hills
6. Weingut Daniel & Marta Gantenbein Pinot Noir, Graubunden
7. Sea Smoke Ten Pinot Noir, Sta Rita Hills
8. Domaine Serene Evenstad Reserve Pinot Noir, Willamette Valley
9. Colene Clemens Dopp Creek Pinot Noir, Willamette Valley
10. Belle Glos Las Alturas Pinot Noir, Santa Lucia Highlands
さすがにトップ10中で8本はカリフォルニアです。
ソノマが強いかと思いきや、サンタ・リタ・ヒルズが3つと気を吐きました。その中でも1位のドメーヌ・ド・ラ・コートはちょっと意外でした。そこまでメジャーなワインだとは思っていなかったので。品質はとてもいいですが、なにかで取り上げられたのでしょうかね。。
ソノマでは3位のマーカッシンだけがトップ10入り。キスラーとかオーベールとか入ってこなかったのは意外でした。
4位になったのはメイオミのピノ・ノワールでした。いわゆるナショナルブランドはこれ1本だけでした。これもやや意外な結果でした。
サンタ・ルシア・ハイランズで唯一入ったのはベル・グロス。これもちょっとびっくり。ここを切り開いたピゾーニとか、コスパ最高のハーンとかではないのですね。
土曜日は、西馬込のイルドコリンヌでワイン会を開きました。場所は便利とは言えませんが、料理は美味しいし、お店のワイン代プラス持ち込み料でワインを開けられる貴重な店なので重宝します。今回もあらかじめお願いして取り置いてもらったワインと持ち込みワインでのワイン会でした。
泡で始めるのが普通だと思いますが、今回はロゼで始めてみました。ナパのワイナリーフープラ(Hoopla)のロゼ。カベルネ・ベースなので、色合い以上にしっかりした味があり、バランスもいいロゼです。
次はシダーヴィルのヴィオニエ2016。サクラアワードでダイヤモンドトロフィーを受賞したワイン。香りよく白桃のような味わい。女性陣に大人気でした。「買いたい」という希望も何人かからいただいたのですが、残念ながら、人気で売り切れ。次のヴィンテージの入荷待ちになっています。
次は、持ち込みのレイルのソーヴィニヨン・ブラン「ジョージア」。カリフォルニアのソーヴィニヨン・ブランの最高峰の一つです。クリスプですが蜜のような味わいもあってさすが。すばらしいワインです。
写真を撮るのを忘れましたが、白の最後はフリーマンの「涼風」シャルドネ。こちらもさすが、とても品のよいシャルドネ。きれいな酸と豊かな果実味のバランスが非常にいいです。こんな素晴らしいワインを日本人が作っているといのは誇りに思うべきでしょう。
赤の最初は桃井さんの「アーサーセラーズ」のピノ・ノワール。フリーマンのアキコさんと同様、エド・カーツマンの教え子です。エドのワインと共通するのはその親しみやすさ。するすると気持ちよくあっという間に飲んでしまいました。「日本で飲もう最高のワイン」品評会に於いて4年連続でプラチナ賞は伊達ではありません。
次はシダーヴィルのシラー。こちらはとてもスパイシーなシラー。カリフォルニアのシラーというととてもふくよかな味わいのものが多く、それはそれで美味しいですが、このように引き締まった味のシラーもいいですね。
次はベッドロックのジンファンデル「オールド・ヴァイン」。これは大好きなワインなので解説に熱弁をふるってしまいました。この価格でこのレベルの味わいは本当にすばらしい。ジンファンデルの本格派です。
最後はハーランのメイデン。これはさすがに濃厚でパワフル。2014年と若いのでタンニンもかなり強くあります。20年くらい熟成させたらまた別の味わいが出てくるでしょうが、若くてもおいしいワイン。メイデンはメルロー比率が高いので、もう少しやわらかいイメージがあったのですが、これはかなりストラクチャーもあってがっしりしたワインでした。
最後にもう1本。オレゴンのドメーヌ・セリーヌのピノ・ノワール。これは同じピノ・ノワールといっても桃井さんの親しみやすさとはだいぶ違うピノ・ノワール。果実味で押すタイプではありませんが複雑味があります。
今回も楽しく飲めていいワイン会でした。次はいつかな?
泡で始めるのが普通だと思いますが、今回はロゼで始めてみました。ナパのワイナリーフープラ(Hoopla)のロゼ。カベルネ・ベースなので、色合い以上にしっかりした味があり、バランスもいいロゼです。
次はシダーヴィルのヴィオニエ2016。サクラアワードでダイヤモンドトロフィーを受賞したワイン。香りよく白桃のような味わい。女性陣に大人気でした。「買いたい」という希望も何人かからいただいたのですが、残念ながら、人気で売り切れ。次のヴィンテージの入荷待ちになっています。
次は、持ち込みのレイルのソーヴィニヨン・ブラン「ジョージア」。カリフォルニアのソーヴィニヨン・ブランの最高峰の一つです。クリスプですが蜜のような味わいもあってさすが。すばらしいワインです。
写真を撮るのを忘れましたが、白の最後はフリーマンの「涼風」シャルドネ。こちらもさすが、とても品のよいシャルドネ。きれいな酸と豊かな果実味のバランスが非常にいいです。こんな素晴らしいワインを日本人が作っているといのは誇りに思うべきでしょう。
赤の最初は桃井さんの「アーサーセラーズ」のピノ・ノワール。フリーマンのアキコさんと同様、エド・カーツマンの教え子です。エドのワインと共通するのはその親しみやすさ。するすると気持ちよくあっという間に飲んでしまいました。「日本で飲もう最高のワイン」品評会に於いて4年連続でプラチナ賞は伊達ではありません。
次はシダーヴィルのシラー。こちらはとてもスパイシーなシラー。カリフォルニアのシラーというととてもふくよかな味わいのものが多く、それはそれで美味しいですが、このように引き締まった味のシラーもいいですね。
次はベッドロックのジンファンデル「オールド・ヴァイン」。これは大好きなワインなので解説に熱弁をふるってしまいました。この価格でこのレベルの味わいは本当にすばらしい。ジンファンデルの本格派です。
最後はハーランのメイデン。これはさすがに濃厚でパワフル。2014年と若いのでタンニンもかなり強くあります。20年くらい熟成させたらまた別の味わいが出てくるでしょうが、若くてもおいしいワイン。メイデンはメルロー比率が高いので、もう少しやわらかいイメージがあったのですが、これはかなりストラクチャーもあってがっしりしたワインでした。
最後にもう1本。オレゴンのドメーヌ・セリーヌのピノ・ノワール。これは同じピノ・ノワールといっても桃井さんの親しみやすさとはだいぶ違うピノ・ノワール。果実味で押すタイプではありませんが複雑味があります。
今回も楽しく飲めていいワイン会でした。次はいつかな?
ワイン・サーチャーで「最も検索されている…は?」のシリーズが始まっています。といってもこの手のって、だいたい上位は固定されてしまうので、1回めは興味深くても2回めからはつまらなくなってしまうんですよね。というわけで、今回のシリーズでは「ただし…を除く」とメジャーな地域のワインを覗いた結果を出しています。
最初のシャルドネでは「ただしブルゴーニュを除く」だったのですが、結果的にはカリフォルニアばかりになり、しかもマーカッサンとかコングスガード、オーベールといったビッグネームがやはり上位になっていて、あまり面白みはありませんでした。ということで、そちらの紹介はスキップして、2回めのカベルネ・ソーヴィニヨン(ただし、ナパ除く)を紹介します。あと、明記されていませんがボルドーも入っていません。
とりあえずトップ10を紹介しちゃいましょう。
1. Penfolds Bin 707 Cabernet Sauvignon, South Australia
2. Penfolds Bin 407 Cabernet Sauvignon, South Australia
3. Concha y Toro Don Melchor Cabernet Sauvignon, Puenta Alto, Chile
4. Quilceda Creek Cabernet Sauvignon, Columbia Valley
5. Motto Backbone Cabernet Sauvignon, California
6. Austin Hope Winery Cabernet Sauvignon, Paso Robles
7. Wynn's Black label Cabernet Sauvignon, Coonawarra
8. Beringer Knight's Valley Cabernet Sauvignon, Sonoma County
9. Torres Mas La Plana Cabernet Sauvignon, Penedes
10. Los Vascos Cabernet Sauvignon, Colchagua Valley
いきなり上位2つがペンフォールズというのはちょっとびっくりでしたが、5位以下はかなりコスパ系が入ってきて面白いです。
5位はワシントンのサン・ミッシェルがカリフォルニアで作るワインで、ノラ・ジョーンズがこれを好きだといったので有名になりました。パターンとしては明石家さんまさん効果で日本で売れた「ナパ・ハイランズ」と同じような感じですね。かなりコスパは高いワインだと思います。
6位のオースティン・ホープは注目株です。パソ・ロブレスのグロワーですが、カベルネ・ソーヴィニヨンはまだ3ヴィンテージくらいしか作っていません。ワイン・エンスージアストでいきなり97点を取りました。米国の価格は50ドルくらいです。
8位のベリンジャー・ナイツ・ヴァレーはコスパの高さで昔から知られるワイン。ナイツ・ヴァレーのパイオニアでもあります。米国の価格は30ドルくらい。日本では通常5000円台ですが、下のリンクのはむちゃくちゃ安いです。
10位のチリワインも10ドルですから、かなりのコスパ系。日本ではファミリーマートで500mlのボトルが980円と安く売っています。
最初のシャルドネでは「ただしブルゴーニュを除く」だったのですが、結果的にはカリフォルニアばかりになり、しかもマーカッサンとかコングスガード、オーベールといったビッグネームがやはり上位になっていて、あまり面白みはありませんでした。ということで、そちらの紹介はスキップして、2回めのカベルネ・ソーヴィニヨン(ただし、ナパ除く)を紹介します。あと、明記されていませんがボルドーも入っていません。
とりあえずトップ10を紹介しちゃいましょう。
1. Penfolds Bin 707 Cabernet Sauvignon, South Australia
2. Penfolds Bin 407 Cabernet Sauvignon, South Australia
3. Concha y Toro Don Melchor Cabernet Sauvignon, Puenta Alto, Chile
4. Quilceda Creek Cabernet Sauvignon, Columbia Valley
5. Motto Backbone Cabernet Sauvignon, California
6. Austin Hope Winery Cabernet Sauvignon, Paso Robles
7. Wynn's Black label Cabernet Sauvignon, Coonawarra
8. Beringer Knight's Valley Cabernet Sauvignon, Sonoma County
9. Torres Mas La Plana Cabernet Sauvignon, Penedes
10. Los Vascos Cabernet Sauvignon, Colchagua Valley
いきなり上位2つがペンフォールズというのはちょっとびっくりでしたが、5位以下はかなりコスパ系が入ってきて面白いです。
5位はワシントンのサン・ミッシェルがカリフォルニアで作るワインで、ノラ・ジョーンズがこれを好きだといったので有名になりました。パターンとしては明石家さんまさん効果で日本で売れた「ナパ・ハイランズ」と同じような感じですね。かなりコスパは高いワインだと思います。
6位のオースティン・ホープは注目株です。パソ・ロブレスのグロワーですが、カベルネ・ソーヴィニヨンはまだ3ヴィンテージくらいしか作っていません。ワイン・エンスージアストでいきなり97点を取りました。米国の価格は50ドルくらいです。
8位のベリンジャー・ナイツ・ヴァレーはコスパの高さで昔から知られるワイン。ナイツ・ヴァレーのパイオニアでもあります。米国の価格は30ドルくらい。日本では通常5000円台ですが、下のリンクのはむちゃくちゃ安いです。
10位のチリワインも10ドルですから、かなりのコスパ系。日本ではファミリーマートで500mlのボトルが980円と安く売っています。
カレラのピノ・ノワール単一畑の最新ヴィンテージは2015。ヴィナスの評価で見ると実は人気のジェンセンは91+と一番低い評価。おそらくは質が低いのではなく試飲したときが閉じている状態だったのではないかと思いますが(レビュアーのアントニオ・ガッローニも閉じているのだろうとコメントしています)。
逆に評価が高いのはリードとド・ヴィリエの94点。
先日、アカデミー・デュ・ヴァンでのセミナーのときもヴィンテージは違いますが、ド・ヴィリエは一番人気。畑の場所はジェンセンの隣で、味わい的にもダークなフルーツの風味がしっかりしているところなど、ジェンセンに共通する雰囲気があります。
ただ、この畑はタンニンがあまりにも強く、それで後から植樹したライアンよりもワインとして出せるのが遅くなったという経緯があり、ときにタニックになりすぎるのがやや欠点。それがなければジェンセンの半額以下という価格はかなりのバーゲンです。
しあわせワイン倶楽部では古いヴィンテージも入荷しています。ヴィナスでの評価は2009が92、2010が91、2013が95。95は同誌でのこのワインの最高評価です。ちなみにワイン・アドヴォケイトでは2009が96+というこのワインの最高評価。
逆に評価が高いのはリードとド・ヴィリエの94点。
先日、アカデミー・デュ・ヴァンでのセミナーのときもヴィンテージは違いますが、ド・ヴィリエは一番人気。畑の場所はジェンセンの隣で、味わい的にもダークなフルーツの風味がしっかりしているところなど、ジェンセンに共通する雰囲気があります。
ただ、この畑はタンニンがあまりにも強く、それで後から植樹したライアンよりもワインとして出せるのが遅くなったという経緯があり、ときにタニックになりすぎるのがやや欠点。それがなければジェンセンの半額以下という価格はかなりのバーゲンです。
しあわせワイン倶楽部では古いヴィンテージも入荷しています。ヴィナスでの評価は2009が92、2010が91、2013が95。95は同誌でのこのワインの最高評価です。ちなみにワイン・アドヴォケイトでは2009が96+というこのワインの最高評価。
カリフォルニア最初のプレミアム・ワインとして知られるボーリュー(BV)のジョルジュ・ドゥ・ラトゥール・プライベート・リザーブ・カベルネ・ソーヴィニヨン。今年の6月で誕生80年目を迎えます。ヴィナスでステファン・タンザーが、それを記念した記事と、1965年まで遡る垂直試飲を書いています(Beaulieu’s Georges de Latour Private Reserve: 1965–2016 (Apr 2019) | Vinous - Explore All Things Wine)。
ボーリューは19世紀最後の年1900年にナパのラザフォードに設立されました。創設者の名前がジョルジュ・ドゥ・ラトゥールです。禁酒法の時代をカトリックの教会向けのワインを作ることでむしろ生産量を増やして乗り切ります。
1938年にロシア生まれのアンドレ・チェリチェフをワインメーカーとして迎えます。チェリチェフは仕込み済みの1936年のカベルネ・ソーヴィニヨンを試飲し、それをフラッグシップとして売り出すことを提案。1940年に発売しました。それがジョルジュ・ドゥ・ラトゥール・プライベート・リザーブの誕生でした。
1969年に大資本のヒューブレインに売却されて以降、ボーリューも資本の波に巻き込まれます。ナビスコに買収され、ダイアジェオの手に渡り、2016年からはトレジャリー・ワイン・エステートの傘下になっています。この過程で持っていた畑の中でナンバー3、ナンバー4は売却されてしまいました。これらは現在はそれぞれベクストファー・ジョージIII、ベクストファー・ト・カロンとなっています。
1973年にアンドレ・チェリチェフがやめて以降、ワイナリーもやや低迷したこともありますが、近年はよりモダンなスタイルに生まれ変わってまた高品質なワインを作っています。
垂直試飲で最も評価が高かったのはアンドレ・チェリチェフ時代の1968年についた98点。アンドレ・チェリチェフ自身、このヴィンテージを彼の最高作と言っていたそうです。
多くのヴィンテージが90点台前半の点数ですが、2001年、2007年が95点。また、2014年から2016年は95、95、96と高い評価を続けています。2017年からの新しいワインメーカー、トレヴォー・ダーリング(Trevor Durling)はよりクラシックなワイン造りを志しており、さらなる品質向上が期待されます。
日本には長いこと正式輸入がありませんでしたが、1年ほど前から入ってきています。ジョルジュ・ド・ラトゥール・プライベート・リザーブの価格は1万6000円程度と、ワイナリー価格の150ドル程度と比べて遜色のないレベル。20年前も100ドルは超えていましたから、他のワインと比べると値上がりも少なくお買い得度は増しています。
国内最新ヴィンテージは2014年。今回のレビューでは95点です。ワイン・アドヴォケイトでも97点と高評価(同誌におけるこのワインの最高評価)。
2013年は今回のレビューでは92+。アドヴォケイトでは95点。
1985年のマグナムです。今回のレビューでは92点。アドヴォケイトでは87点。
1971年です。今回はレビューなし。アドヴォケイトでは75点。
ボーリューは19世紀最後の年1900年にナパのラザフォードに設立されました。創設者の名前がジョルジュ・ドゥ・ラトゥールです。禁酒法の時代をカトリックの教会向けのワインを作ることでむしろ生産量を増やして乗り切ります。
1938年にロシア生まれのアンドレ・チェリチェフをワインメーカーとして迎えます。チェリチェフは仕込み済みの1936年のカベルネ・ソーヴィニヨンを試飲し、それをフラッグシップとして売り出すことを提案。1940年に発売しました。それがジョルジュ・ドゥ・ラトゥール・プライベート・リザーブの誕生でした。
1969年に大資本のヒューブレインに売却されて以降、ボーリューも資本の波に巻き込まれます。ナビスコに買収され、ダイアジェオの手に渡り、2016年からはトレジャリー・ワイン・エステートの傘下になっています。この過程で持っていた畑の中でナンバー3、ナンバー4は売却されてしまいました。これらは現在はそれぞれベクストファー・ジョージIII、ベクストファー・ト・カロンとなっています。
1973年にアンドレ・チェリチェフがやめて以降、ワイナリーもやや低迷したこともありますが、近年はよりモダンなスタイルに生まれ変わってまた高品質なワインを作っています。
垂直試飲で最も評価が高かったのはアンドレ・チェリチェフ時代の1968年についた98点。アンドレ・チェリチェフ自身、このヴィンテージを彼の最高作と言っていたそうです。
多くのヴィンテージが90点台前半の点数ですが、2001年、2007年が95点。また、2014年から2016年は95、95、96と高い評価を続けています。2017年からの新しいワインメーカー、トレヴォー・ダーリング(Trevor Durling)はよりクラシックなワイン造りを志しており、さらなる品質向上が期待されます。
日本には長いこと正式輸入がありませんでしたが、1年ほど前から入ってきています。ジョルジュ・ド・ラトゥール・プライベート・リザーブの価格は1万6000円程度と、ワイナリー価格の150ドル程度と比べて遜色のないレベル。20年前も100ドルは超えていましたから、他のワインと比べると値上がりも少なくお買い得度は増しています。
国内最新ヴィンテージは2014年。今回のレビューでは95点です。ワイン・アドヴォケイトでも97点と高評価(同誌におけるこのワインの最高評価)。
2013年は今回のレビューでは92+。アドヴォケイトでは95点。
1985年のマグナムです。今回のレビューでは92点。アドヴォケイトでは87点。
1971年です。今回はレビューなし。アドヴォケイトでは75点。
カリフォルニア州のギャビン・ニューサム州知事はナパなど8つの郡に冬の雨で大きな被害が出たとして非常事態宣言を発令しました(Governor declares state of emergency in Napa following winter storms | Local News | napavalleyregister.com)。
また同時にトランプ大統領にあてて、大規模災害宣言を出すよう依頼しています。
今回宣言が出た中にはサンタ・クルーズ郡も含まれています。
すでに2月に25の郡について同様の宣言が出ており、58あるカリフォルニアの郡の中で過半数の郡に非常事態宣言が出たことになります。
非常事態宣言が出た郡の住民は、失業手当が即座に受けられたり、喪失した免許を無料で再発行でにるなどのメリットがあります。
また同時にトランプ大統領にあてて、大規模災害宣言を出すよう依頼しています。
今回宣言が出た中にはサンタ・クルーズ郡も含まれています。
すでに2月に25の郡について同様の宣言が出ており、58あるカリフォルニアの郡の中で過半数の郡に非常事態宣言が出たことになります。
非常事態宣言が出た郡の住民は、失業手当が即座に受けられたり、喪失した免許を無料で再発行でにるなどのメリットがあります。
ニューカリフォルニアと呼ばれる、マイナー品種への取り組みやSO2を極力排した作り、アルコール度数の低さなどを特徴とするワイナリーの中でもかなり先鋭的な2生産者、ブロック・セラーズとLo-Fi(ローファイ)ワインズが来日し、試飲会が開かれました。サンフランシスコの対岸バークレーの街中にあるブロック・セラーズ、南のサンタ・バーバラにあるLo-Fiと対象的なワイナリーです。
最初にごくごく個人的な好みを打ち明けると、ブロック・セラーズのワインはかなり好きなのですが、Lo-Fiはなぜかもう一つ好みにあったことがありません。世間的な評価で見ると両者の差がそれほどあるとは思えないのですが、こればっかりは好みだとしか言えません。
今回も、ブロック・セラーズのワインの紹介の方がかなり多くなってしまいました。
パソ・ロブレスのシェル・クリークという畑のブドウを使ったシュナン・ブランです(5000円)。オレンジの風味。とても複雑な味わい。これまで飲んだシュナン・ブランと比べてもその複雑な味わいはかなりのレベルです。
ヴァルディギエ(ガメイ・ノワール)を使ったロゼのペティアンです(5000円)。一見あっさりしているのですが、実は奥に複雑味があります。
ヴァルディギエ、ジンファンデル。トゥルソーを使ったロゼ。3400円という価格も優しい。飲んで楽しくなるロゼです。
クノワースという品種はこれまで飲んだことなかったかもしれません。ナパのマヤカマス山中にある小さな畑からです。ちょっとタニックで、旨味がすごくあります。
ジンファンデルはここの定番中の定番。2017年ヴィンテージになりました。ジューシーな味わい。
このカリニャンも旨味がすごいです。
最後に1本だけLo-Fiです。SO2を使っていないというワイン。これはおいしいです。
最初にごくごく個人的な好みを打ち明けると、ブロック・セラーズのワインはかなり好きなのですが、Lo-Fiはなぜかもう一つ好みにあったことがありません。世間的な評価で見ると両者の差がそれほどあるとは思えないのですが、こればっかりは好みだとしか言えません。
今回も、ブロック・セラーズのワインの紹介の方がかなり多くなってしまいました。
パソ・ロブレスのシェル・クリークという畑のブドウを使ったシュナン・ブランです(5000円)。オレンジの風味。とても複雑な味わい。これまで飲んだシュナン・ブランと比べてもその複雑な味わいはかなりのレベルです。
ヴァルディギエ(ガメイ・ノワール)を使ったロゼのペティアンです(5000円)。一見あっさりしているのですが、実は奥に複雑味があります。
ヴァルディギエ、ジンファンデル。トゥルソーを使ったロゼ。3400円という価格も優しい。飲んで楽しくなるロゼです。
クノワースという品種はこれまで飲んだことなかったかもしれません。ナパのマヤカマス山中にある小さな畑からです。ちょっとタニックで、旨味がすごくあります。
ジンファンデルはここの定番中の定番。2017年ヴィンテージになりました。ジューシーな味わい。
このカリニャンも旨味がすごいです。
最後に1本だけLo-Fiです。SO2を使っていないというワイン。これはおいしいです。
2000円台から3000円台のカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネの定番的存在なのがナパのフランシスカン(Franciscan)とソノマのシミ(Simi)。フランシスカンはオーパスワンの隣に畑があるというのが「売り」で、シミもシルバーオークなどと同じアレキサンダーヴァレーなどに畑を持っています。
実はこのブランド、2つとも先日、コンステレーションブランズ社からE.J.ガロに売却されました。それで心配されるのがクオリティの維持。
今回の売却対象はブランドと一部の生産設備で、畑は含まれていないのです。今後も同じ畑を使い続けられるのか、かなり危ぶまれる事態です。
今すぐに品質が変わるわけではありませんが、ここ1、2年の間に買いためておいた方がいいのかもしれません。
実はこのブランド、2つとも先日、コンステレーションブランズ社からE.J.ガロに売却されました。それで心配されるのがクオリティの維持。
今回の売却対象はブランドと一部の生産設備で、畑は含まれていないのです。今後も同じ畑を使い続けられるのか、かなり危ぶまれる事態です。
今すぐに品質が変わるわけではありませんが、ここ1、2年の間に買いためておいた方がいいのかもしれません。
明石家さんまがテレビで紹介して一瞬にして市場から消え去ったナパ・ハイランズと、ワイン・スペクテーターの年間1位に選ばれてから、入荷のたびにあっという間に売り切れていくダックホーンのメルロー「スリーパームス・ヴィンヤード」の人気の2ワインの新ヴィンテージが入荷してきています。
どちらもヴィンテージは2016。2013年から2016年はどれも素晴らしいヴィンテージですが、その中でもはずれがないとまで言われているのが2016年。
また、どちらも試飲会に登場しにくいアイテムになってしまったので未試飲ですが、優良銘柄の優良ヴィンテージなので、よもや問題はないでしょう。
どちらもヴィンテージは2016。2013年から2016年はどれも素晴らしいヴィンテージですが、その中でもはずれがないとまで言われているのが2016年。
また、どちらも試飲会に登場しにくいアイテムになってしまったので未試飲ですが、優良銘柄の優良ヴィンテージなので、よもや問題はないでしょう。
カリフォルニアの2018年のクラッシュ・レポート(収穫量のレポート)が発表されました。例年は2月に暫定レポートが出て4月に最終報告があるのですが、今年はトランプ政権のメキシコ国境の壁問題で政府の仕事が止まり、暫定レポートなしで最終報告となりました。
過去の報告:
2017年の収穫量は2016年から微増
2年ぶりに400万トンを超えた2016年の収穫
総収穫量は450万7000トンで、2013年の470万トンに次ぐ豊作でした。ワイン用のブドウで見ると428万2000トンで過去最高。3年連続の400万トン超えとなりました。
価格も赤ワイン用を中心に上昇傾向にあります。赤ワイン用のブドウでは初めて1トンあたり1000ドルを超えました。日本では生食用のブドウが高く売られる傾向がありますが、米国では明らかにワイン用ブドウの方が高価です。
品種別の収穫量ではシャルドネが依然としてトップをキープ。2017年の14.5%から1.3ポイントアップしました。カベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネの差は2017年は0.3ポイントでしたが、2018年は0.7ポイントに広がっています。ただ、カベルネ・ソーヴィニヨンも増えているので、ますます2強状態が進んでいると言ったほうがいいのかもしれません。
このほかピノ・ノワールの収穫量も増えています。前年の6.2%から7.0%へと0.8ポイント上がり、順位もジンファンデルに次ぐ4位に上っています。
地域別に見るとナパのカベルネ・ソーヴィニヨンの値上がりがさらに進んでいます。1トンあたりの平均価格は7926ドルに達しました。
ソノマではカベルネ・ソーヴィニヨンとピノ・ノワールの収穫が大幅に増えました。カベルネ・ソーヴィニヨンが4万3000トンから6万トン、ピノ・ノワールが4万3000トンから5万7000トンに上がっています。ただ、ピノ・ノワールの平均価格は少し下がり3802ドルでした。
過去の報告:
2017年の収穫量は2016年から微増
2年ぶりに400万トンを超えた2016年の収穫
総収穫量は450万7000トンで、2013年の470万トンに次ぐ豊作でした。ワイン用のブドウで見ると428万2000トンで過去最高。3年連続の400万トン超えとなりました。
価格も赤ワイン用を中心に上昇傾向にあります。赤ワイン用のブドウでは初めて1トンあたり1000ドルを超えました。日本では生食用のブドウが高く売られる傾向がありますが、米国では明らかにワイン用ブドウの方が高価です。
品種別の収穫量ではシャルドネが依然としてトップをキープ。2017年の14.5%から1.3ポイントアップしました。カベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネの差は2017年は0.3ポイントでしたが、2018年は0.7ポイントに広がっています。ただ、カベルネ・ソーヴィニヨンも増えているので、ますます2強状態が進んでいると言ったほうがいいのかもしれません。
このほかピノ・ノワールの収穫量も増えています。前年の6.2%から7.0%へと0.8ポイント上がり、順位もジンファンデルに次ぐ4位に上っています。
地域別に見るとナパのカベルネ・ソーヴィニヨンの値上がりがさらに進んでいます。1トンあたりの平均価格は7926ドルに達しました。
ソノマではカベルネ・ソーヴィニヨンとピノ・ノワールの収穫が大幅に増えました。カベルネ・ソーヴィニヨンが4万3000トンから6万トン、ピノ・ノワールが4万3000トンから5万7000トンに上がっています。ただ、ピノ・ノワールの平均価格は少し下がり3802ドルでした。
1989年に設立されたタブラス・クリーク(Tablas Creek)は、パソ・ロブレスの開拓者の一つであり、ローヌ系品種のパイオニアでもあります。フランスのシャトーヌフ・デュ・パプにある有名ワイナリーシャトー・ド・ボーカステルのオーナーであるペラン家が米国のインポーター「ヴィンヤード・ブランズ」のハース家と設立しました。このワイナリーが30年間を振り返り、正解だった5個のポイントと不正解だった5個のポイントを取り上げています(Tablas Creek Vineyard Blog: 30 Years of Tablas Creek: 10 Things We Got Right (and Wrong))
不正解1:パソロブレスは暑くて乾燥しており、赤ワインしかできない
確かに昼間は暑くて乾燥していますが、夜は涼しく、冬は寒くて降水量も多く、平均気温はボーカステルを下回ります。当初は9割赤ワインでしたが、現在では赤が50%、白が35%、ロゼが15%を目標にしています。
正解1:メジャーじゃない品種がうまくいくかも
当初植えたブドウはシラーやグルナッシュが中心でしたが、グルナッシュ・ブランやクノワーズといったややマイナーな品種もありました。これは非常にうまく言っています。
以下はタイトルだけです。
不正解2:赤と白1つずつだけを作ろう
正解2:新しいブドウ品種を輸入するのはコストに見合う価値がある
不正解3:畑とワイナリーでの経験は苗木屋をやるのに十分
正解3:有機栽培はうまういく
不正解4:テイスティング・ルーム、ワインクラブ? そんなの誰がいるの?
正解4:正しいチームを作って(保つ)ことが重要
不正解5:うちのワインを買ってくれるのは「ボーカステル」だからだ
正解5:基本的にこの場所はブドウのために最高
さすがワインブログアワードを何回も受賞しているブログらしく、面白く上手にまとめています。
不正解1:パソロブレスは暑くて乾燥しており、赤ワインしかできない
確かに昼間は暑くて乾燥していますが、夜は涼しく、冬は寒くて降水量も多く、平均気温はボーカステルを下回ります。当初は9割赤ワインでしたが、現在では赤が50%、白が35%、ロゼが15%を目標にしています。
正解1:メジャーじゃない品種がうまくいくかも
当初植えたブドウはシラーやグルナッシュが中心でしたが、グルナッシュ・ブランやクノワーズといったややマイナーな品種もありました。これは非常にうまく言っています。
以下はタイトルだけです。
不正解2:赤と白1つずつだけを作ろう
正解2:新しいブドウ品種を輸入するのはコストに見合う価値がある
不正解3:畑とワイナリーでの経験は苗木屋をやるのに十分
正解3:有機栽培はうまういく
不正解4:テイスティング・ルーム、ワインクラブ? そんなの誰がいるの?
正解4:正しいチームを作って(保つ)ことが重要
不正解5:うちのワインを買ってくれるのは「ボーカステル」だからだ
正解5:基本的にこの場所はブドウのために最高
さすがワインブログアワードを何回も受賞しているブログらしく、面白く上手にまとめています。
ナパの最初の「カルト・ワイン」として知られるグレース・ファミリー(Grace Family)が売却されました(Grace Family Vineyards Sold)。ワイナリーや畑、在庫、ブランドなどすべてが売却されました。購入したのはキャスリン・グリーンという人。サンフランシスコで戦略コンサルタントをする傍ら、ナパでブドウ畑も持っていたそうです。
キャスリン・グリーンはブドウをグレース・ファミリーに卸したときにオーナーのグレース夫妻に会ったとのこと。グレース夫妻はグレース・ファミリーを40ヴィンテージ作った後、引き継いでくれる人を探していたそうです。
ワインメーカーのヘレン・ケプリンガーや畑のチームなどはそのままで、グレース夫妻もそのまま住み続けるとのこと。基本的には何も変えないこと以外に新しいプランはないそうです。
キャスリン・グリーンはブドウをグレース・ファミリーに卸したときにオーナーのグレース夫妻に会ったとのこと。グレース夫妻はグレース・ファミリーを40ヴィンテージ作った後、引き継いでくれる人を探していたそうです。
ワインメーカーのヘレン・ケプリンガーや畑のチームなどはそのままで、グレース夫妻もそのまま住み続けるとのこと。基本的には何も変えないこと以外に新しいプランはないそうです。
先日、カリフォルニアワイン協会の試飲会で、コスパに優れたお薦めワインとして紹介した、ウェンテ(Wente)のシャルドネ「モーニング・フォグ」が柳屋でセールになっています。税込みでも2000円切り。
カリフォルニアのシャルドネの源流と言っても過言ではないこのワイナリー。ピーターマイケルは、ウェンテ・クローンだけを使った特別なシャルドネを作っているくらいです。
すべて自社畑のブドウを使いながら、価格も手頃。味わいは、樽も効かせながら、コテコテにはならないバランスの良さを持っています。2000円前後のシャルドネの中ではベストの一つだと思います。
カリフォルニアのシャルドネの源流と言っても過言ではないこのワイナリー。ピーターマイケルは、ウェンテ・クローンだけを使った特別なシャルドネを作っているくらいです。
すべて自社畑のブドウを使いながら、価格も手頃。味わいは、樽も効かせながら、コテコテにはならないバランスの良さを持っています。2000円前後のシャルドネの中ではベストの一つだと思います。
水曜日は2期目となる「カリフォルニアの名門ワイナリー」の初回でした。今回は知り合いの生徒さんもいないので、前回とは別の意味での緊張感があります。講義自体は内容大体同じなので多少こなれたし、ていねいに説明できたかと思います。前回はキャンセル待ちで何人か入れたようでしたが今回はほとんどキャンセルなかったようでお待たせしていた方は申し訳ありません。
試飲のワインはこちら。
カベルネ系3種はブラインドで。6組中一組が完全正解。コンティニュアムとモンダヴィ・リザーブよ判断は難しいですね。モンダヴィは谷カベとしてはエレガントな造り。コンティニュアムもカベルネ・フランの比率が高いので凝縮感だけでなく少し軽やかな感じもあります。決め手となるのはタンニンの量でしょうか。コンティニュアムはきめ細かいタンニンですが、かなりしっかりあります。標高だけでなくプティ・ヴェルドの比率の高さもあると思います。
一番人気がモンダヴィ・リザーブだったのも面白かったです。前回もモンダヴィの方が人気だったかな。僕はコンティニュアム派ですが。
この2つと比べると見劣りしてしまうのはしょうがないですが、モンダヴィ・ナパも5000円のカベルネ・ソーヴィニヨンとしてはとてもいい出来です。ナパのカベルネ・ソーヴィニヨンの良さを伝える代表的なワインだと思います。
そしてフュメ・ブランのリザーブはリッチで美味しいです。あまりソーヴィニヨン・ブランぽくはありませんが。価格もちょっと高いですけどね。
来週は「続・カリフォルニアの名門ワイナリー」の第一回。鋭意資料作成中です。
試飲のワインはこちら。
カベルネ系3種はブラインドで。6組中一組が完全正解。コンティニュアムとモンダヴィ・リザーブよ判断は難しいですね。モンダヴィは谷カベとしてはエレガントな造り。コンティニュアムもカベルネ・フランの比率が高いので凝縮感だけでなく少し軽やかな感じもあります。決め手となるのはタンニンの量でしょうか。コンティニュアムはきめ細かいタンニンですが、かなりしっかりあります。標高だけでなくプティ・ヴェルドの比率の高さもあると思います。
一番人気がモンダヴィ・リザーブだったのも面白かったです。前回もモンダヴィの方が人気だったかな。僕はコンティニュアム派ですが。
この2つと比べると見劣りしてしまうのはしょうがないですが、モンダヴィ・ナパも5000円のカベルネ・ソーヴィニヨンとしてはとてもいい出来です。ナパのカベルネ・ソーヴィニヨンの良さを伝える代表的なワインだと思います。
そしてフュメ・ブランのリザーブはリッチで美味しいです。あまりソーヴィニヨン・ブランぽくはありませんが。価格もちょっと高いですけどね。
来週は「続・カリフォルニアの名門ワイナリー」の第一回。鋭意資料作成中です。
大きな話題となっている「ガロ、コンステレーションからフランシスカン、レイヴェンズウッドなど30以上のブランドを取得」の件。売却額などの情報が出てきました(Constellation Sells Budget Wine Brands to Gallo | Wine-Searcher News & Features)。
売却額は17億ドルで、これによってガロはワイン市場の22%分を手に入れたことになるそうです。今年頭に発表されたデータによると、ガロが全米ナンバーワンワイナリーでコンステレーション・ブランズは3番めだったのですが、これでコンステレーション・ブランズは4位に落ちます。
売却したブランドの中にはかなりメジャーなものも含まれていますが、ワインの平均価格は11ドルとローエンドとまではいいませんが、低価格なものが中心。コンステレーション・ブランズは利益率の高いプレミアムなワインに注力します。
興味深いのは今回の売却はブランドと生産設備(計6ヶ所)で、畑が含まれていないこと。フランシスカンなどは、オークヴィルの一等地に畑を持っているのが「売り」なわけですが、今後はどうなるのでしょうか。
なお、コンステレーションに残るブランドとしてはプリズナーや、シュレーダー、ニュージーランドのキム・クロフォード、ロバート・モンダヴィ、マウント・ヴィーダーなどがあります。
売却額は17億ドルで、これによってガロはワイン市場の22%分を手に入れたことになるそうです。今年頭に発表されたデータによると、ガロが全米ナンバーワンワイナリーでコンステレーション・ブランズは3番めだったのですが、これでコンステレーション・ブランズは4位に落ちます。
売却したブランドの中にはかなりメジャーなものも含まれていますが、ワインの平均価格は11ドルとローエンドとまではいいませんが、低価格なものが中心。コンステレーション・ブランズは利益率の高いプレミアムなワインに注力します。
興味深いのは今回の売却はブランドと生産設備(計6ヶ所)で、畑が含まれていないこと。フランシスカンなどは、オークヴィルの一等地に畑を持っているのが「売り」なわけですが、今後はどうなるのでしょうか。
なお、コンステレーションに残るブランドとしてはプリズナーや、シュレーダー、ニュージーランドのキム・クロフォード、ロバート・モンダヴィ、マウント・ヴィーダーなどがあります。
コンステレーション・ブランズが、かねてから噂されていたワインブランドのE.J.ガロへの売却を発表しました(E. & J. Gallo Winery Announces Deal With Constellation Brands)。売却したブランドは30以上に上ります。
コンステレーション・ブランズのワインは高価格帯では好調なものの、低価格帯では競争力が弱くなっていると指摘されており、低価格帯を得意とするガロへ売却するのではないかと言われていました。
売却されたブランドはクロ・デュ・ボワ、エスタンシア、ワイルドホース、フランシスカン、レイヴェンズウッドなど。近年伸びていた高級ボックスワインのブラック・ボックスも含まれています。また、ワシントンのホーグ・セラーズ、ニューヨークのカナンダイグアも売却されました。
コンステレーション・ブランズのワインは高価格帯では好調なものの、低価格帯では競争力が弱くなっていると指摘されており、低価格帯を得意とするガロへ売却するのではないかと言われていました。
売却されたブランドはクロ・デュ・ボワ、エスタンシア、ワイルドホース、フランシスカン、レイヴェンズウッドなど。近年伸びていた高級ボックスワインのブラック・ボックスも含まれています。また、ワシントンのホーグ・セラーズ、ニューヨークのカナンダイグアも売却されました。
先日、カリフォルニアワイン協会の試飲会でコスパワインとして紹介した「オッド・ロット」。大人気で早くもインポーター品切れで次の入荷待ちになっているそうです。しばらくは店頭在庫だけになります。キュートなラベルに目が行きますが、ワイン自体も魅力的です。価格も安いですし、ぜひお試しください。
SFクロニクルに興味深いワイナリーのストーリーが掲載されていたので紹介します(Dirty & Rowdy’s Unfamiliar Mourvedre is a wine that reflects a family’s tragedy — and attempts to heal it - SFChronicle.com)。
ダーティ・アンド・ラウディ(Dirty & Rowdy)はナパにあるムールヴェードルを得意とするワイナリーです。特に自然派と名乗っているわけではありませんが、天然酵母でSO2の使用は最小限などいわゆる自然派の作りで、自然派のワインショップなどで主に売られています。
このワイナリーが悲劇に見舞われたのが2017年のことでした。発端はワインメーカーのハーディ・ウォレスがモントレーのブロソー・ヴィンヤードに畑の様子を見に行った帰り道のドライブ中に起こりました。
猛烈な目の乾きを感じ、薬局で目薬を買うも改善せず、家に着く頃にはほとんど目が見えなくなってしまいました。
急いで病院にいったところ、角膜が帯状疱疹のようなウイルスに冒されているとのこと。有効な手当はなく、医者からのアドバイスは「時間が経ってウイルスが抜けるのを待ちなさい」でした。
折しも、9月の頭で天気予報では熱波が来ることが予想されていました。ワインメーカーにとっては多少未熟でも熱波の前に収穫してしまうか、我慢して熱波が過ぎ去るのを待つか、難しい選択肢が迫っていました。しかし、ほとんど何も見えない状態ではブドウの状況も分かりません。
さらに、ウイルスが脊髄に達し、ウォレスは完全に視力を失ってしまいました。
そこで、彼を手伝いにくると、オレゴンに日蝕の観察にきていた妻の兄弟が申し出てくれました。彼の到着を心待ちにしていたウォレスですが、待てど暮せど着きません。実はオレゴンから南下の途中、交通事故で亡くなってしまっていたのでした。
近隣の人たちの助けを受け、何とかその年の醸造を進め、10月に入ると視力も少しずつ戻ってきました。妻と娘が東海岸で行われた兄弟の葬儀から戻った日、次の惨事が訪れました。ナパやソノマを中心に多大な被害をもたらした山火事です。
ウォレスの家やワイナリーは直接の被害を免れましたが、まる一週間、ホテル住まいを余儀なくされました。
そしてやっとワイナリーに戻ってみると、醸造途中のワインはどれも発酵が途中で止まってしまっていました。揮発酸のレベルも異常に上がり、異臭が漂っていました。
どうしようもない状況ですが、小さなワイナリーにとって1年分のワインを諦めてしまうことは、経済的に無理です。
そこでウォレスは決断しました。「自然派の作りは忘れて、とにかく飲めるものを作ろう」と。
そこで、彼は培養酵母を足して発酵を再開させ、揮発酸を除くために逆浸透膜法を使い、フィルターも使ってなんとか飲めるレベルのものに仕立て直しました。
ワインのリリース時になりました。いつもはダーティ・アンド・ラウディのワインは「ファミリア」と名付けるのですが、今回は「アンファミリア」としました。価格も従来より10ドル安い23ドル。1ケースあたり20ドルの損失です。
結果、ワインは売れました。まだ流通やレストランにはありますがワイナリーの在庫はなくなりました。価格を下げたことで、レストランのグラスワインに使ってもらえるという副産物もありました。
儲けはありませんが、宣伝効果は十分にありました。「このワインにはなくなった弟のアンガスの命が吹きこまれている」とウォレスは語りました。
ダーティ・アンド・ラウディ(Dirty & Rowdy)はナパにあるムールヴェードルを得意とするワイナリーです。特に自然派と名乗っているわけではありませんが、天然酵母でSO2の使用は最小限などいわゆる自然派の作りで、自然派のワインショップなどで主に売られています。
このワイナリーが悲劇に見舞われたのが2017年のことでした。発端はワインメーカーのハーディ・ウォレスがモントレーのブロソー・ヴィンヤードに畑の様子を見に行った帰り道のドライブ中に起こりました。
猛烈な目の乾きを感じ、薬局で目薬を買うも改善せず、家に着く頃にはほとんど目が見えなくなってしまいました。
急いで病院にいったところ、角膜が帯状疱疹のようなウイルスに冒されているとのこと。有効な手当はなく、医者からのアドバイスは「時間が経ってウイルスが抜けるのを待ちなさい」でした。
折しも、9月の頭で天気予報では熱波が来ることが予想されていました。ワインメーカーにとっては多少未熟でも熱波の前に収穫してしまうか、我慢して熱波が過ぎ去るのを待つか、難しい選択肢が迫っていました。しかし、ほとんど何も見えない状態ではブドウの状況も分かりません。
さらに、ウイルスが脊髄に達し、ウォレスは完全に視力を失ってしまいました。
そこで、彼を手伝いにくると、オレゴンに日蝕の観察にきていた妻の兄弟が申し出てくれました。彼の到着を心待ちにしていたウォレスですが、待てど暮せど着きません。実はオレゴンから南下の途中、交通事故で亡くなってしまっていたのでした。
近隣の人たちの助けを受け、何とかその年の醸造を進め、10月に入ると視力も少しずつ戻ってきました。妻と娘が東海岸で行われた兄弟の葬儀から戻った日、次の惨事が訪れました。ナパやソノマを中心に多大な被害をもたらした山火事です。
ウォレスの家やワイナリーは直接の被害を免れましたが、まる一週間、ホテル住まいを余儀なくされました。
そしてやっとワイナリーに戻ってみると、醸造途中のワインはどれも発酵が途中で止まってしまっていました。揮発酸のレベルも異常に上がり、異臭が漂っていました。
どうしようもない状況ですが、小さなワイナリーにとって1年分のワインを諦めてしまうことは、経済的に無理です。
そこでウォレスは決断しました。「自然派の作りは忘れて、とにかく飲めるものを作ろう」と。
そこで、彼は培養酵母を足して発酵を再開させ、揮発酸を除くために逆浸透膜法を使い、フィルターも使ってなんとか飲めるレベルのものに仕立て直しました。
ワインのリリース時になりました。いつもはダーティ・アンド・ラウディのワインは「ファミリア」と名付けるのですが、今回は「アンファミリア」としました。価格も従来より10ドル安い23ドル。1ケースあたり20ドルの損失です。
結果、ワインは売れました。まだ流通やレストランにはありますがワイナリーの在庫はなくなりました。価格を下げたことで、レストランのグラスワインに使ってもらえるという副産物もありました。
儲けはありませんが、宣伝効果は十分にありました。「このワインにはなくなった弟のアンガスの命が吹きこまれている」とウォレスは語りました。
ピノ・ノワールを得意とするインポーターilovecalwineの試飲会に行ってきました。ここは取扱いワインの種類は40本弱と厳選しており、試飲会にはさらにそこから9本だけが出ていました。ですので、どれが美味しかった、というよりもそれぞれのワインの感想を書いていきます。
1.ルリ(Luli)ソーヴィニヨン・ブラン2017(4200円)
サンタ・ルシア・ハイランズの雄ピゾーニ(Pisoni)が醸造を担当するワイン。ブドウは外部からの調達で、このソーヴィニヨン・ブランはアロヨ・セコのブドウを使っています。クリスプな味わいです。おいしい
2.ルーシー(Lucy)ロゼ2018(4000円)
ピゾーニが作るピゾーニ・ヴィンヤード以外のワインがルシア(Lucia)で、そのロゼ版がルーシーです。ピノ・ノワールのロゼできれいな作りです。ピゾーニのイメージとはだいぶ違うエレガントさが魅力です。
3.ロスト・アンド・ファウンド 「ナインズ」シャルドネ2017(6800円)
マスターソムリエのジェフ・クルースがプロデュースするワイン。酸がきれいでバランスがいいワイン。
4.ロスト・アンド・ファウンド RRVピノ・ノワール(9000円)
とてもエレガント、シャルドネと同様、バランスと酸のきれいさがとてもハイレベル。きれい系のピノ・ノワール好きな人ははまると思います。
後半は、エド・カーツマンが作るワインが続きます。自身のプライベートブランドであるサンドラーからはピノ・ノワールとシャルドネ2種。そしてカベルネ・ソーヴィニヨンでした。
5.キーファー・ランチ ピノ・ノワール2015(7000円)
エド・カーツマンの作るワインは親しみやすさが最大の魅力だと思います。人をひれ伏させるようなワインではなく、飲んでいて思わず笑みがこぼれるようなワイン。香りや果実味、バランスがとてもよく、これがきらいな人はいないだろうなと思います。このピノ・ノワールはその代表格。7000円はバーゲン価格だと思います。
6.ハインツ・ランチ シャルドネ2016(7000円)
近年評価がうなぎのぼりのチャールズ・ハインツの畑のブドウを使ったシャルドネ。これは高級感もあり、おいしいです。
7.サンタ・ルシア・ハイランズ シャルドネ2016(5200円)
コスト・パフォーマンスの高いシャルドネ。
8.ラザーレ・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン2016(8800円)
ナパのオーク・ノールAVAにある畑のブドウを使っています。オーク・ノールはナパではカーネロスに近い比較的涼しいところであり、濃厚さではなくバランスの良さが光るカベルネ・ソーヴィニヨンとなっています。
最後はエド・カーツマンがゲーリー・フランシオーニ、ハワード・グラハムと共同で営むオーガスト・ウエストのピノ・ノワール。個人的にも設立当初メーリング・リストで買っていたワイナリーであり懐かしく試飲しました。
9.オーガスト・ウエスト サンタ・ルシア・ハイランズ ピノ・ノワール2016(6000円)
サンドラーのピノ・ノワールと比べるとやや濃厚で、果実の強さを感じさせるピノ・ノワールです。
改めてエド・カーツマンの作るワインは魅力的だと思いました。特にサンドラーは価格的にもかなりお買い得だと思います。
1.ルリ(Luli)ソーヴィニヨン・ブラン2017(4200円)
サンタ・ルシア・ハイランズの雄ピゾーニ(Pisoni)が醸造を担当するワイン。ブドウは外部からの調達で、このソーヴィニヨン・ブランはアロヨ・セコのブドウを使っています。クリスプな味わいです。おいしい
2.ルーシー(Lucy)ロゼ2018(4000円)
ピゾーニが作るピゾーニ・ヴィンヤード以外のワインがルシア(Lucia)で、そのロゼ版がルーシーです。ピノ・ノワールのロゼできれいな作りです。ピゾーニのイメージとはだいぶ違うエレガントさが魅力です。
3.ロスト・アンド・ファウンド 「ナインズ」シャルドネ2017(6800円)
マスターソムリエのジェフ・クルースがプロデュースするワイン。酸がきれいでバランスがいいワイン。
4.ロスト・アンド・ファウンド RRVピノ・ノワール(9000円)
とてもエレガント、シャルドネと同様、バランスと酸のきれいさがとてもハイレベル。きれい系のピノ・ノワール好きな人ははまると思います。
後半は、エド・カーツマンが作るワインが続きます。自身のプライベートブランドであるサンドラーからはピノ・ノワールとシャルドネ2種。そしてカベルネ・ソーヴィニヨンでした。
5.キーファー・ランチ ピノ・ノワール2015(7000円)
エド・カーツマンの作るワインは親しみやすさが最大の魅力だと思います。人をひれ伏させるようなワインではなく、飲んでいて思わず笑みがこぼれるようなワイン。香りや果実味、バランスがとてもよく、これがきらいな人はいないだろうなと思います。このピノ・ノワールはその代表格。7000円はバーゲン価格だと思います。
6.ハインツ・ランチ シャルドネ2016(7000円)
近年評価がうなぎのぼりのチャールズ・ハインツの畑のブドウを使ったシャルドネ。これは高級感もあり、おいしいです。
7.サンタ・ルシア・ハイランズ シャルドネ2016(5200円)
コスト・パフォーマンスの高いシャルドネ。
8.ラザーレ・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン2016(8800円)
ナパのオーク・ノールAVAにある畑のブドウを使っています。オーク・ノールはナパではカーネロスに近い比較的涼しいところであり、濃厚さではなくバランスの良さが光るカベルネ・ソーヴィニヨンとなっています。
最後はエド・カーツマンがゲーリー・フランシオーニ、ハワード・グラハムと共同で営むオーガスト・ウエストのピノ・ノワール。個人的にも設立当初メーリング・リストで買っていたワイナリーであり懐かしく試飲しました。
9.オーガスト・ウエスト サンタ・ルシア・ハイランズ ピノ・ノワール2016(6000円)
サンドラーのピノ・ノワールと比べるとやや濃厚で、果実の強さを感じさせるピノ・ノワールです。
改めてエド・カーツマンの作るワインは魅力的だと思いました。特にサンドラーは価格的にもかなりお買い得だと思います。
ホールセールのチェーンとして有名なコストコを作ったシネガル家がナパのセント・ヘレナに作ったワイナリーがシネガル(Sinegal)です。
カベルネ・ソーヴィニヨンやカベルネ・フランなど、ナパらしい果実味と新鮮さを持ったワインで評論家からもこぞって高い評価を受けていますが、残念ながら日本では輸入停止になってしまいました。そこで、2015年のエステート・カベルネ・ソーヴィニヨンがセールになっています。税抜きで1万1000円程度の価格はワイナリー価格の90ドルと遜色ない値段。ヴィナスのアントニオ・ガッローニは94点を付けていますから、レギュラーのカベルネ・ソーヴィニヨンとしては非常に高い評価となっています。
カベルネ・ソーヴィニヨンやカベルネ・フランなど、ナパらしい果実味と新鮮さを持ったワインで評論家からもこぞって高い評価を受けていますが、残念ながら日本では輸入停止になってしまいました。そこで、2015年のエステート・カベルネ・ソーヴィニヨンがセールになっています。税抜きで1万1000円程度の価格はワイナリー価格の90ドルと遜色ない値段。ヴィナスのアントニオ・ガッローニは94点を付けていますから、レギュラーのカベルネ・ソーヴィニヨンとしては非常に高い評価となっています。