参加するインポーターは、ilovecalwine、モカルト、ミライズ。ilovecalwineでは今回ワイナリーが全焼してしまったシニョレッロが作る、トリム、エッジ、フューズという3部作のカベルネ・ソーヴィニヨンを扱っています。
【日時】 11月11日(土) 19:00~21:30
【会場】 赤坂あじる亭カリフォルニア
東京都港区赤坂4-2-3ディアシティ赤坂・一ツ木館2F
【会費】 お1人さま¥10,000(ドリンクチケット4000円分付)
無料でお飲み頂けるワインも沢山ご用意しております。
【人数】 30名様まで
*店内に椅子のご用意もございますが基本立食となります
*満席になり次第受付を終了させて頂きます
ilovecalwineのワインでは上記3つは無料で飲め、このほかポール・ラトーのワインが有料(ドリンクチケット対象)で提供されます。
モカルトはジンファンデル2種が無料対象。有料(ドリンクチケット対象)はカベルネ・ソーヴィニヨン3種となります。
ミライズは先日紹介したポートフォリオとトカドを輸入するインポーター。さすがにポートフォリオは有料(ドリンクチケット対象)になりますが、トカドは無料で飲めます。
ワイン売上の半分は寄付になるとのこと。
申込みはFacebookで
Pray for Californiaワイン会
から「参加予定」にするか、直接各インポーターにご連絡ください。会費は当日直接会場での支払いになります。
ただバランス重視というのはニュー・カリフォルニアワインの1つの側面であって、それ以外にも土着品種の見直しなど、ニュー・カリフォルニアワインには多様な要素があります。結果として今回の試飲会はIPOBの試飲会と比べてもさまざまなカリフォルニアワインの姿が出ていたように思います。
前置きが長くなりましたが、4社(中川ワイン、富士インダストリーズ、布袋ワインズ、ワイン・イン・スタイル)の中から中川ワインと富士インダストリーズのワインをまず紹介しましょう。
オー・ボン・クリマは90年代に堀賢一さんが、ブラインド・テイスティングで多くのソムリエがオー・ボン・クリマのピノ・ノワール「イザベル」をロマネ・コンティと間違えたというエピソードを披露したことから、すごい人気を博しました。近年は昔ほど話題には上りませんが、良質なワイン作りを続けています。シャルドネ「ニュイ・ブランシェ」はかつては、「果実味たっぷりで樽を効かせた」スタイルでしたが、現在はバランスが取れたワイン作りになっています。とはいえ、新樽もある程度(以前聞いたときは60%という話でした)使っていますし、マロラクティック発酵もしているクラシックなシャルドネのスタイルですが、やり過ぎにならないところがすごくいいワインだと思います。もっと評価されていいワインだといつも感じます。
IPOBの中心メンバーだったワイナリー。IPOBの試飲会では、確かにワインはバランスが取れておいしいのですが、逆にアルコール度数や果実味を抑える方向にワインの焦点がいってしまっていて、複数試飲していると単調に感じられてしまうこともなきにしもあらずでした。このシャルドネ「エステロ ロシアン・リバー・ヴァレー2014」は、そこに陥らず、果実味を含んだ様々な要素が現れていると思います。ピノ・ノワールの「ラグーナ ソノマ・コースト2013」もお手本的においしいワインでした。
リースのシャルドネ「アルパイン・ヴィンヤード2014」は、いわゆるミネラルっぽい味わいを持ったワイン。果実味もあるのですが、それ以外の味わいが重厚さ(味が重いということではなく)を出しています。ピノ・ノワールの「ホースシュー・ヴィンヤード2014」も果実味以外の、落ち葉やなめし革のような味わいをしっかりと持ったワイン。熟成が楽しみなタイプのピノ・ノワールです。
マウント・エデンのシャルドネ、ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨンはどれもハイレベルで長熟が可能なスタイル。今回は特に山カベスタイルのカベルネ・ソーヴィニヨンがいい感じでした。
リースとマウント・エデンはともにサンタ・クルーズ・マウンテンズのワイナリー。この地域にはほかに長熟なカベルネ・ソーヴィニヨンで知られるリッジもありますし、今はこの地域を去ってしまいましたが高品質なシャルドネやピノ・ノワールでIPOBのメンバーだったヴァーナーもありました。ニュー・カリフォルニアワインとこの地域との相性がいいのか、気になるところです。
ここからは富士インダストリーズのワインです。中川ワインがシャルドネやピノ・ノワールを中心としたある意味トラディショナルなセレクションだったのに対し、ここのワインはもっととんがっています。
今回、日本に届いたばかりというのがラ・クラリーヌ・ファームのワイン。シエラ・フットヒルズにあるこのワイナリーは日本の「自然農法」提唱者である福岡正信の影響を受けた農法を実践しています。一時はバイオダイナミクスの認証まで受けましたが、「プレパレーション」を多用したその方法はむしろ自然ではないということで、この農法に行き着いたとか。ワインはスペイン系の品種を使ったものが多いようです。「モマ(Mo-Ma)」というこのワインは赤ワインを作るムールヴェードルと白ワインを作るマルサンヌの頭文字を2文字ずつ取ったもの。収穫後に一緒にプラスティック製タンクに入れて天然酵母で発酵、そのまま熟成して瓶詰めしているとのこと。色はロゼというより薄い赤で、「うすうま」という言葉がよく似合うワイン。癖になりそうな味わいです。
リキッド・ファームはサンタ・リタ・ヒルズのワイナリーで、自然なワイン作りを志しています。「ホワイトヒル シャルドネ2014」はシャブリを意識しているといいますが、オレンジやクリームの味わいもあり、おいしいシャルドネ。もう1つの「ゴールデンスロープ シャルドネ2014」はとても旨味を感じるシャルドネ。どちらもおいしいです。
アーバン・ワイナリーとして何回か紹介したブロック・セラーズはカリフォルニア各地の知られざる畑からワインを作っています。古い畑や急斜面など、非常にユニークな環境のものが大多数。「スパークリング・シュナン・ブラン2016」はパソ・ロブレスにあるシェル・クリーク・ヴィンヤードという有機栽培の畑のもの。植樹は1972年というからかなり古い畑です。やわらかな酸でクリーミーなスパークリング・ワイン。
ブロック・セラーズからあと2本紹介します。ラブ・ホワイトはここの入門的ワイン。オレンジの風味。とても飲みやすいワイン。ここのワインが好きになるかどうか気になる人は、まずラブ・ホワイトとラブ・ロゼを飲んでみるのがいいと思います。もう1つのジンファンデルはジンファンデルとしてはかなり酸が強く、うまみのしっかりしたワイン。いわゆるジンファンデルの概念を改めるようなワインです。好き嫌い分かれるところかもしれませんが。
理由はコルクの欠陥。2017年5月にボトル詰めしたときに、コルクの欠陥によるパラフィンのかけらに気づき、すぐいボトル詰めをやめてコルクメーカーに問い合わせました。するとコルクメーカーは問題を認識していて、次のロットでは大丈夫だと請け負ったそうです。
しかし、ボトル詰め後、新しいコルクを使ったワインにパラフィンなどを発見。検査したところすべてのワインが汚染されていたとのこと。汚染されたワインの中にはフラッグシップのバイオニック・フロッグやカユーヴ・ヴィンヤードなどが含まれていたそうです。
汚染されたワインは3000ケース。300万ドルにもなると言われています。
良い知らせとしては、畑は無事だったこと。また、これも被害の大きかったソノマのケンウッドにもう一つのテイスティングルームを持っていたのですが、それが無事だったことが判明しました。このテイスティングルームについては、だいじよという話と、焼け落ちたという噂が混在し、現地に行くこともできずやきもきしていたそうですが、避難解除でようやく無事が確認されました。
オーナーがいま心配しているのは、旅行者がソノマに来ないこと。ほとんどのワイナリーは無事に再開していますから、旅行者が来て、ワインを飲んでくれることが、現地にとっての1番の応援です。
パラダイスリッジのワインもまだ日本にありますからぜひ飲んであげてください。先日、ジンファンデルを試飲しましたが、バランスよくいいワインでしたよ。
2本セット パラダイス・リッジ カナエ・ザ・グレープ・キング シャルドネ[2014] ジンファンデル[2013]PARADISE RIDGE Kanaye The Grape King Chardonnay Zinfandel Sonoma |
パラダイスリッジ カナエ ザ・グレープ・キング シャルドネ 14 |
パラダイス・リッジ カナエ・ザ・グレープ・キング ジンファンデル [2013]赤ワイン アメリカ カリフォルニア |
パラダイス・リッジ・シャルドネ・カナエ・ザ・グレープ・キング2015 |
【ふるさと納税】鼎(カナエ)・ザ・グレープキング 赤・白 ワイン 2本セット |
日時: 2017年11月12日(日) 17:00~
会場: リビエラ青山 2F ザ・パーチ
〒107-0062 東京都港区南青山 3-3-3 TEL.03-5411-1140
会費:15,000円(税込) 当日現金でお支払ください。
今回は会場費、食費を除いたすべてを寄付するとのこと。寄付先は以前も触れた「CAWineStrong」です。
立食形式で食事はビュッフェ、ワインは中川ワインが今回の被災地となった、ナパ、ソノマ、メンドシーノのものから提供します。ボンド、ルイス、ダックホーン、ホーニッグ、シュグ、ノリア、ベッドロック、ゴールデンアイなど15種類ほどを予定しています。ボンドとかルイスとかが出るなんて、さすが中川さんです。ベッドロックやノリアも嬉しい。
このほか、有料試飲として、ハーラン・エステート、スケアクロウ、シュレーダーをそれぞれ1本ずつ、グラス1杯5000円(50ml)で提供する予定です。この売上はすべてチャリティに回されます。チャリティ・オークションも行い、その売上もすべて寄付に回されます。
申し込み方法は次の3種類のいずれかです。
① 中川ワインにお電話でお申込みください。 TEL 03―3631-7979 (受付時間:平日 10 時から 17 時迄)
② 申込書にご記入の上、FAX 下さい。 FAX 03-3161-7980
申込書のダウンロードはこちら(PDF)
③ お名前、ご連絡先、参加人数を記載の上、contact@nakagawa-wine.co.jp へメール下さい。
人数は100人限定です。お早めにどうぞ。
Youtubeより
撒かれた難燃材の量は260万ガロン、約1万立方メートルにも達したそうです(More than 2.6 million gallons of fire retardant dropped)。
この難燃材、かなりベトベトしたものだとのこと。口に入っても害はありませんが、これが着いたブドウなどを食べるのは推奨しないそうです(そりゃそうだ)。
畑のブドウの樹に影響ないかも気になりますが、そもそも畑の上にはほとんど撒かれていないようです。
今回の火事でブドウ畑はどちらかというと、火災の広がりを抑える防火林的な働きが目立ったそうです。なので、敢えてそこに難燃材を撒く必要はなかったようです。
ヴィノスやまざきさんが、11月に上野の「パルコヤ」(パルコが松坂屋併設でオープンする新店舗)に店舗を開くのを機会に開いたワインメーカーズディナーに参加しました。
サンタ・ルシア・ハイランズのパライソからはマイク・ファイン氏。パライソは元々ナパなどのワイナリーにブドウを売っていたのを、自社でもワインを作るようになってきたとのこと。ヴィノスやまざきにはパライソ・ブランドのワインのほか、ヴィノスやまざき専用に作っている「ディアリッチ」を卸しています。ちなみにディアリッチ(DearRich)はヴィノスやまざきの社長が、パライソの当主だったリチャードさんに送った手紙の冒頭「Dear Richard」から取った名前だとのこと。ラベルにもそのときの手紙の文が描かれています。
ディアリッチのシャルドネ2016はさわやかな香りと酸味に、ヴァニラやオレンジ、はちみつの風味が豊かなワイン。リッチさと軽さのバランスがよくできています。2780円という価格としては非常にいいできのワイン。
ちなみに会場は東京アメリカンクラブ。料理もおいしいです。
次はナパのウォーターストーンからブレント・ショートリッジ氏。ウォーターストーンは畑も醸造設備も持たないワイナリー。テイスティング・ルームも構えず、コストを抑えてワインを作っています。今回の火事の被害も特にはなかったようです。現在のワインメーカーはベリンジャーから来たモーリーさんという女性。
「スタジオ」の白はオレンジの風味。おだやかな酸味にカスタードやヴァニラ、メロンなどリッチな味わい。ヴィオニエとマルサンヌ、ルーサンヌのブレンドとのこと。ワインの酸が苦手という人が喜びそうなワイン。2980円はかなりのコスパ。
写真を撮り忘れましたが、次は各種チーズに合わせてディアリッチのピノ・ノワール。ピノ・ノワールはコストが厳しいという理由でこのところなかったのをなんとか作ってもらったとのこと。濃いめのピノ・ノワールで樽がしっかり利いています。酸味が苦手だったり、パワフルなピノ・ノワールが好きな方に向くワイン。クローン7種をブレンドすることで複雑さを出しているとのこと。これも2980円ですからがんばってますね。
次はウォーターストーンの「スタジオ」の赤。これはカベルネ・ソーヴィニヨンにプティ・シラーなどをブレンドしています。タニックでスパイシー、カシスや鉛筆の芯のような風味。樽もかなり利いています。赤ワインはガツンとこなきゃ、という人に向きそう。3980円でこの凝縮感は立派でしょう。
サーロインステーキ。
ステーキに合わせて、両ワイナリーから特別なワインが。
アレキサンダー・スミスのシラーは赤系の果実にスパイス、タニック。パワフルですが、おもすぎずおいしいワイン。
ウォーターストーンからはカベルネ・ソーヴィニヨンのリザーブ2012年。こちらはミディアムボディのカベルネ・ソーヴィニヨン。なかなかおいしいです。
ヴィノスやまざきのワイン、ものすごく高級だったりマニア向けだったりはしないですが、多くの人が喜びそうな味わいをそこそこの価格で実現しているのは立派だと思います。どちらのワイナリーのワインも普段使いプラスアルファ的にはとても優れていると感じました。
利益はすべて、以前紹介した「CAWineStrong」を通じてワインカントリーに寄付される予定です。
今のところワインセットは4種類。
ガーギッチ ヒルズ / ジンファンデル & ヒュメ ブラン 12800円【送料無料】
シルヴァラード / カベルネ ソーヴィニヨン & シャルドネ 11300円【送料無料】
ブロック セラーズ / ジンファンデル & カリニャン 9200円【送料無料】
ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズなどの声明でも、ワインカントリーに来たり、そこのワインを飲んだりすることが一番の応援になると言っています。ワイン飲みましょうね。
David Girard Vineyards
このワイン、その名の通り「おけいさん」という日本人にちなんで作られたもの。ではこのおけいさんとはどのような人物だったのでしょう。
長沢鼎が薩摩から英国に渡った3年後の1868年、戊辰戦争で敗れた会津から米国に移民として渡った人たちがいました。グループを率いていたのはジョン・ヘンリー・スネルという人。武器の商人として会津藩と関係を持ち、最後は平松武兵衛という名で軍事顧問まで勤めました。スネルには日本人の妻がおり、その子の乳母として渡ったのが当時弱冠17歳だった「おけい」でした。
彼らはエルドラド郡ゴールドヒルに入植し、「若松コロニー」と名をつけました。茶や絹を作ろうと奮闘しましたが、失敗し、スネルは資金調達のため日本に行くといったきり行方知らずに。グループもいつしか崩壊してしまいました。
おけいは、コロニーの土地を管理していた人に雇われましたが、翌年病気で亡くなりました。まだ19歳でした。同じように引き取られていた日本人が彼女の墓を作り、それが数十年後に「発見」されて、若松コロニーの悲劇も知られるようになったとのことです。
会津では『八重の桜』の八重さんと同じくらい知られた話だとのことですが、私は全然知りませんでした。
長沢鼎のように華々しい経歴ではありませんが、彼女のためにワインを作ってくれたのはありがたいですね。
ワインから紹介しましょう。
1本目はサンタ・バーバラのワイナリー「デメトリア(Demetria)」のリースリング2016。ヴィナスのアントニオ・ガッローニが「カリフォルニアの隠れた宝石」と呼んだワイナリーです。
Demetria Estate
このリースリングは完全にドライ(残糖なし)のもの。千葉さんが甘いワインが苦手とのことで、このリースリングを選んだのだそうです。スミレのような香り、リンゴ、軽い酸味、アフターに軽い苦味。和食の出汁の味わいを消さない繊細さがあります。
2本めはソノマのワイナリー「エリック・ケント(Eric Kent)」のシャルドネ「サンジャコモ グリーン・エイカーズ・ヒル2013」。著名なサンジャコモ・ヴィンヤードの中から非常に古い木の区画のブドウを使ったワインです。ラベルのアーティストはMel Kadelという人。ここのワインは皆ラベルが素敵です。表ラベルには一切文字を入れず、必要な情報は裏ラベルに入れるという潔さもいいですね。
非常に柔らかな味わいのシャルドネ。ヴァニラの香り、ビロードのようななめらかさ。メロンやパイナップルなどの果物。ただ、フルーツ爆弾系ではなくもっと穏やかな味わい。おいしいです。
このワイン、樹が病気でやられてしまい、2016年のヴィンテージを最後になくなってしまうそうです。貴重なワイン。
3本目もエリック・ケント。2014年のロゼで64%ピノ・ノワール、36%シラー。アーティストはYellena James。
世界的なロゼブームでカリフォルニアでもいいロゼが次々と作られていますが、これもその1つといっていいでしょう。シラーが入ることで、非常にストラクチャーがしっかりしたロゼになっています。色もやや濃い目。味わいはラズベリーやストロベリーなど赤い果実系とうまみを感じます。料理のポン酢との相性もよかったです。
4本目はもう1つエリック・ケントからスティリング・ヴィンヤード ピノ・ノワール2013。ラベル・アーティストは Eliza Frye。ヴィナスで90点がついています。スティリングはロシアン・リバー・ヴァレーの畑です。
引き締まった味わいのピノ・ノワール。ラズベリーなど赤系果実に軽くスパイス。うまみがあります。これも出汁に合うワイン。
5本目は最初のワインと同じデメトリアで「パンセオン」2013。ちなみにデメトリアというのはオーナーの娘さんの名前からとっていますが、名前からわかるようにギリシャ系です。ワインにもギリシャ系の名前がついています。これはグルナッシュ62%、シラー28%、ムールヴェードル10%。
ブルーベリーなど青系の果実味に、スパイシーさ。結構パワフル。
最後はナパのワイナリー「ギブス(Gibbs)」のカベルネ・フラン。カベルネ・フランは個人的に好きな品種。青臭さが出やすいのが欠点と言われていますが、いいものはシルキーで、カベルネ・ソーヴィニヨンより少し軽い味わいがいろいろな料理に合わせやすいと思います。
2013年という強いヴィンテージだけあり、パワフルでタニックです。しかしそこに上品さがあるのがフランらしいところでしょうか。今日の料理にはカベルネ・ソーヴィニヨンより合うと思います。
最後に料理の写真を挙げておきます(Photo by Kentaro Ebisawa)。
こうなると気になるのが火事の煙がワインにどう影響するかです。ナパやソノマでは90%、メンドシーノでは75%ほど収穫が終わっているとの報告がありますが、残っているブドウの多くは、一番単価が高いカベルネ・ソーヴィニヨンでしょうから、金額的には影響もまたかなり気になるところです。
例えば、過去にはマーカッサンが煙の影響でピノ・ノワールを1年作るのをやめたことがありました。
マーカッサン、2008年のピノ・ノワールは中止
煙のワインへの影響については、まだそれほど多くの研究がされているわけではないようですが、UC Davisの研究者が現時点でわかっていることをまとめています。
Latest Information | Viticulture & Enology
これはかなり細かく書いてありますが、素人にとっては難しすぎるので、もっと紐解いて書いてある記事を見つけました(Six Misconceptions About Smoke Taint)。内容は上記のものをだいぶ踏まえているようです。
「煙汚染についての6つの誤解」というこの記事の内容をもう少し見ていきましょう。
●誤解1:煙の生育の後期におけるリスクは小さい
オーストラリアの研究によると、ヴェレゾンが始まって7日めくらいが一番影響が大きいとのことですが、収穫時期もやはり影響はかなりあります。煙に触れている期間ができるだけ短くなるよう、早く収穫することが大事です。
●誤解2:ブドウを洗浄すれば汚染は落ちる
灰を落とすことはできますが、煙によって生成された物質はブドウの中に入っていくので、洗ってもほとんど意味はないとのことです。
●誤解3:煙は翌年の収穫にも影響する
翌年以降の収穫の質には影響しません。
●誤解4:逆浸透膜法で汚染は完全に除去できる
逆浸透膜法によって一部の生成物を取り除くことは可能ですが、時間が経つと汚染が「戻ってきてしまう」そうです。「hydrolysis of glycoconjugated precursors」(上記Davisの記事に出ています、「複合糖質前駆体の加水分解」?)のためだそうです。
●誤解5:濾過によって汚染を取り除ける
濾過によって一部の煙汚染の生成物を取り除くことは可能です。ただ、濾過は特定の物質だけを取り除くことはできないので、取り除きたくないものまで取ってしまうことになります。高級なワインにとっては使いたくない方法です。
●誤解6:ワインが熟成すれば煙の影響はなくなる
逆に時間とともに影響は強くなっていきます。したがって早く飲んでしまうことがお薦めです。
思った以上に煙の汚染は難物のようです。影響が少なければいいのですが。
CA Wine Strong
ここに寄付をすると、3つの郡に分配してくれるとのこと。寄付は下のリンクから行えます。
CAWineStrong: Fire Relief Mendocino, Napa & Sonoma | Emergencies & Disasters - YouCaring
それぞれの郡に寄付したい場合は、次のリンクからどうぞ。
ナパ
Fire donation page
ソノマ
Sonoma County Resilience Fund | Community Foundation Sonoma County
メンドシーノ
Disaster Fund for Mendocino County | Community Foundation of Mendocino County (CFMC)
さて、先週はワイン・インスティチュートのカリフォルニアワイン試飲会がありました。火事で大変な中、来日してくれた生産者も多数おり、あらためてワインを飲むことが私達ができる一番の応援ではないかと思っています。
ということで、試飲会からおいしかったワインをいくつか紹介します。今回はあまり時間がなかったので、最近試飲しているワインは遠慮させていただいたものが多かったです。なので、ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズの試飲会の記事も合わせてご覧いただけるといいと思います。
ナパの試飲会で美味しかったワイン(2017年秋)(前編)
ナパの試飲会で美味しかったワイン(2017年秋)(後編)
ロスのシャルドネとピノ・ノワールは、ジューシー、チューイーなおいしさ。マニア向けというより大多数が喜ぶタイプ。
ファイアーストーンのソーヴィニヨン・ブランはとても香りよし。これで2200円はコスパが光ります。
パリ(Pali)のシャルドネはフレッシュでジューシーな味わい。これも3350円という価格に見合わないおいしさ。
タワー15の「ザ・スウェル(The Swell)」はカベルネ・ソーヴィニヨン中心のブレンド。樽の香りが嫌味でなく、飲みたい気持ちをそそります。
サマーウッド(SummerWood)のグルナッシュ・ブラン。最近少しずつ増えてきている品種がグルナッシュ・ブラン。穏やかな酸味はヴィオニエあたりと共通するものを感じますが、ヴィオニエよりもくどくなりにくいのがいいところのように感じます。これもなかなかいいワイン。
日本で見るのはかなり久しぶりのローリング「Loring」。2000年代のピノ・ノワールブームを牽引したワイナリーの1つで、かなり濃い目のピノ・ノワールで知られていましたが、やはり時代の変化か以前よりもバランスの取れた作りに変わってきているようです。ただ変わらないのはそのおいしさ。思わず「おいしい」と口に出てしまうような果実味などは昔のままとも思いました。最近、日本で見ることが減ったサンタ・ルシア・ハイランズの銘醸畑「ゲイリーズ」や「ロゼラズ」などを相変わらずラインアップに入れているのもうれしいところ。
トルシャードは実はナパの試飲会でも紹介しているのですが再掲。ブドウの大部分をフロッグズ・リープなど他のワイナリーに卸しているというところですが、非常にコスパ高いです。自社畑のあるカーネロスでカベルネ・ソーヴィニヨンやジンファンデルまでも作っているのも面白いところ。これがまた意外においしいのです。
スタンダードな品種のワインが多いなか、異彩を放っていたのがブロック・セラーズ。ここのワインは以前「「ニューカリフォルニア」の注目株、ブロック・セラーズの魅力」でも紹介しているので、それ以外のもので面白かったのを紹介しましょう。写真中央はなんと「ミッション」種のワイン。ミッション種はスペイン人の宣教師がカリフォルニアに伝道にきたときに植えた品種で、カリフォルニアワインの一番最初のものとなりますが、今ではほとんどなくなってしまっています。それを「発見」して作ったワイン。その左の「ククー・カベルネ・フラン」も普通のカベルネ・フランのイメージとは大分違いますが、意外においしいワインでした。普通のワインで飽き足らない人は、ぜひ試してみてください。面白いワインが多数あります。どれもすいすい飲めるおいしさです。
ロックウッドのシャルドネ。これも2500円という安さにびっくりする本格派のシャルドネです。
懐かしい「シュグ」も出ていました。ウォルター・シュグさんが亡くなった後、娘さんがドイツから帰国してマーケティングを担当しているそうです。安定のおいしさは昔と変わりません。
ロドニー・ストロングも懐かしい名前。ジンファンデル「ノッティ・ヴァインズ」は昔ながらの濃厚な味わいのジンファンデル。昨今のバランスを重視した味わいのワインもいいですが、久しぶりにこういうスタイルのジンファンデルを飲むと、懐かしいと同時に、やっぱりカリフォルニアのよさはこういうところにあるのではないか、とも思うのです。
皆さん、カリフォルニアワイン飲みましょうね。
「the love in the air is thicker than the smoke」という言葉を書いたポスターが、ソノマの被災地域などに数多く貼られています。作者不詳のこの標語、ナパやソノマを元気づける言葉として広く使われ始めています。
Twitterやインスタグラムのハッシュタグでも、#napastrongなど、被災地を元気づけようとするものがだんだん増えています。
ナパヴァレーヴィントナーズでは数年前の地震のときに作った募金の仕組みを再活用して、今回の火事への募金を集めています。下のリンクからPayPalなどを使って募金可能です。
Napa Valley Community Foundation | Napa Valley Community Disaster Relief Fund
アトラス・ファイアーとタブズ・ファイアーは鎮火率が40%台にまで上がっています。不眠不休で働く消防士さんたちには頭が下がります。
Firefighters struggle with fatigue as NorCal is battered by wildfires that are nowhere near over. https://t.co/TWBLWXHQ7b via Sebastopol FD pic.twitter.com/8W2SCXMt1S
— NBC Bay Area (@nbcbayarea) 2017年10月13日
また、ブログFermentationでは、隠れたヒーローとして、ソノマ在住のワインライター、サラ・スターチさんを取り上げています。ソノマ・ヴァレーに大きな被害をもたらしているナンズ・ファイアーについて、火災発生直後からTwitterで発信を続けています。情報が錯綜する中、現地で正しい情報を送る彼女のツイートに数多くの人が助けられています。
Sarah Stierch(@Sarah_Stierch)さん | Twitter
一方、悲しいお知らせとしては、亡くなった方は35人に達しました。
ワイナリーではナパにあるパラス・エステート(Paras Estate)、プリド・ウォーカー(Pulido-Walker)、シル・ファミリー(Sill Family)が新たに大きな被害を受けたことが判明しました。
金曜日の晩はまた高温、強風の危険な条件になりそうとのことで、気が休まりませんが、今日はちょっと気を休めたいと思います。
日本からできることは限られていますが、まずはこれ以上被害が広がらないことを祈りましょう。追ってまた紹介しますが、日本から可能な募金もあります。また、ナパやソノマ、メンドシーノのワインを買ったり飲んだりしてあげるのが、現地の人への1番の応援になるのではないかとも思っています。
未亡人で博物館館長も務めるジーン・シュルツさんは夜中の2時に家を脱出して無事だとのこと。いまは義理の息子のサンタ・バーバラの家に滞在しているそうです。
California Wildfires Take Charles Schulz’s Home; Museum Safe https://t.co/WhvxEujPYi pic.twitter.com/5U8cwovoVg
— Ray Pride (@RayPride) 2017年10月13日
亡くなった方は26名。ただ行方不明者がソノマだけで460人以上いると伝えられています。
ワイナリーの被害ではアトラス・ファイアーでナパのロイ・エステート(Roy Estate)が破壊されたとのこと。フィリップ・メルカがワインメーカーでロバート・パーカーが最高96+を付けている高級ワインのワイナリーです。アトラス・ファイアーではパットランドという小さなワイナリーも焼失しました。ステージコーチの近くだとのことですが、ステージコーチに被害があるかどうかは判明していません。レッドウッド・ヴァレーではバックボーン・ヴィンヤーズが破壊。ワイナリーは全焼、過去5年分のワインも失われました。
ナパのカリストガとマウント・ヴィーダーには強制避難命令が出ました。シャトー・
モントレーナなどの被害が懸念されます。
残念ながらまだ、いいニュースはほとんどありません。あ、サンタローザのスヌーピーの博物館は無事なようですよ。
【追記】しかしながら故チャールズ・シュルツさんの自宅は燃えてしまったとのこと。未亡人は無事だそうです。
ナパ、ソノマで山火事による緊急事態宣言発令! 長沢鼎ゆかりの建物も消失!?
ナパ、ソノマの山火事続報、ワイナリー3軒が焼失など
まず、全体の動向から見ると、亡くなった方は2名増えて17人に。ただ、まだ連絡がつかない人が数百人いるので、この数は今後増える可能性が高いです。
ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズのレポートによるとメンバーのうち5つのワイナリーが完全に焼失してしまったか、大幅なダメージを受けたとのこと(具体名は上がっていませんが、1つはこれまでにも報じられているシニョレッロ、もう1つは後述するホワイト・ロックだと思います)。
ナパの収穫は約90%終わっているそうです。ですが、今残っているのはおそらく一番高価なカベルネ・ソーヴィニヨンがほとんどでしょう。10%といえども被害が小さいとは言えなさそうです。煙がついてしまったブドウを醸造するとワインもスモーキーな味わいになってしまいます。日が経てば影響が減るのかどうかが気になるところです。
また、既に収穫が終わっていても、ナパの多くで停電しているため、醸造に影響が出ます。多くのワイナリーが使っているステンレスのタンクは冷やすのに電気が必要であり、さまざまな情報をモニターするのにも必要です。現在はほとんどのワイナリーの機械が電動ですから、停電が回復しないとワインにも影響が出てしまいそうです。
他の情報では1870年にできたナパでも古いワイナリーであるホワイト・ロック・ヴィンヤーズが全焼したと、従業員からの報告があったそうです。写真などはあがっていないようです。
ソノマではガンロック・バンシューからワイナリーは無事との報告がありましたが、家族が住む家は全焼してしまったとのこと。
ニコルソン・ランチは焼けたという噂がありましたが、火に包まれたものの無事だったそうです。メイヨー・ファミリーは自宅が全焼、ワイナリーは無事とのこと。シャトー・セント・ジーンは情報が錯綜していますが、オーナーが、いくつかの建物に被害があることを認めたそうです。
ソノマでは古木の畑にも大きな被害が出たという報告がありますが、具体的にどの畑なのかは分かりません。ワイン・サーチャーの記事には「オールド・ヒル」の名前が出ていましたが、被害は不明です。
メンドシーノではフレイ・ヴィンヤーズのほかオスター・ワイン・セラーズが大きな被害だったそうです。
火事は3日目に突入しましたが、まだまだ鎮火にはほど遠い状況です。
ナパの「アトラス・ファイアー」は42,349エーカーが延焼しており、まだ3%しか鎮火していません。
ソノマでも被害がひどいケンウッドあたりの「ナンズ・ファイアー」は7,626エーカーが延焼。鎮火は2%。
サンタ・ローザ周辺を焼き尽くした「タブズ・ファイアー」は28,000エーカー延焼。鎮火は不明です。
現地からは少し風がおさまったとか、湿度がちょっと上がったとかいう話も出ていますが、こちらも確認はできていません。
避難生活をしている人も相当数いるはずです。
早く元の生活が取り戻せますように。
前の記事:ナパ、ソノマで山火事による緊急事態宣言発令! 長沢鼎ゆかりの建物も消失!?
被害の状況としては、少なくとも15人が死亡、ワイナリー3軒が焼失、ホテル2軒が焼失など、非常に大きくなっています。
ソノマでは前の記事でも書きましたが、サンタ・ローザが大きな被害。特にパラダイス・リッジ・ワイナリー付近はひどく、ワイナリーが焼失した上、ファウンテングローブ・インというホテル、長沢鼎時代に作られた長沢ゆかりの歴史的建造物「Round Barn」などすべて燃えてしまいました。
写真はパラダイス・リッジのFacebookページから。
サンタ・ローザではヒルトンホテルも全焼してしまいました。
ソノマではソノマ・ヴァレーのケンウッドやグレン・エレン地域でも火事がひどく、シャトー・セント・ジーンも焼けたという噂がありましたが、いちおう建物は無事と見られています。
ナパではシルバラード・トレイルにあるシニョレッロのワイナリーが焼失。
同じくシルバラード・トレイル沿いのウイリアム・ヒルは、表の看板が焼け焦げたもののワイナリーの被害はないと伝えられています。
近隣にはダリオッシュ、スタッグス・リープ・ワイナリー、シェーファーなどがありますが、今のところ目立った被害の報告はありません。ただ、立ち入れてないところも多いので今後明らかになる被害があるかもしれません。
このほかメンドシーノでFrey Vineyardsが燃えたという情報があります。
同時並行でいくつかの火事が起こっているので事態が把握しづらいですが、ソノマではサンタ・ローザのあたりで火事が発生しています。長沢鼎ゆかりのファウンテン・グローヴあたりでも避難命令が出ており、長沢鼎時代に作られたとされている「round barn」が焼失してしまったもようです。
Devastation. #TubbsFire #SantaRosa @NorthBayNews @CAL_FIRE @SantaRosaFire pic.twitter.com/F0VGpqhEDt
— Kent Porter (@kentphotos) 2017年10月9日
Historic Round Barn burns in #SantaRosa #TubbsFire @NorthBayNews @CAL_FIRE @SantaRosaFire pic.twitter.com/T0V4a33pfq
— Kent Porter (@kentphotos) 2017年10月9日
一方、ナパではカリストガやアトラス・ピークのあたりで山火事が発生しており、こちらも各地で避難命令が出ているようです。現在、北東から強い風が吹いており、火事は急速に広がっているとのこと。
Napa wine country dealing with spreading forest fire. The site of many great memories and wonderful sips, sad to see. More on 6abc pic.twitter.com/pDR0tZDm7R
— Tamala Edwards (@TamEdwards6abc) 2017年10月9日
まだまだ事態は進行中で、被害の広がりが懸念されています。まだ収穫されていないブドウの場合は、煙による被害のおそれもかなりあります。9月以降、自然に振り回された今年の収穫ですが、まさかさらにこんなことが起こるとは。さまざまな被害が最小限にとどまることを祈りたいと思います。
続報はこちら
ナパ、ソノマの山火事続報、ワイナリー3軒が焼失など
17年6月にジェブ・ダナックがやめたあと、セントラル・コーストのレポートは編集長のリサ・ペロッティ・ブラウンが引き継ぐことになっていましたが、当初は10月と12月に掲載することになっていました。それを早めて9月と10月の掲載にしたようです。今回はパソ・ロブレス(215本)、サンタ・リタ・ヒルズ(151本)などが中心になっています。
参考:
Wine Advocateのジェブ・ダナック、個人メディアを立ち上げへ
Wine Advocateに新レビュアー、Wine Enthusiastから移籍
レイティング上位のワインを見ると、シネ・クア・ノン(Sine Qua Non)のシラー、グルナッシュ計5本(2013年のシラー「Le Supplement」、2013年のグルナッシュ「Jusqu' a l'os」、2014年のシラー「Piranha Waterdance」、2014年のグルナッシュ「Shakti」、2015年のシラー「Trouver L’Arene」)に満点が付くなど、ロバート・パーカー時代のセントラル・コーストのレポートと同様、シラー系に高い評価のものが目立ちました。
このほか、目立ったものだと、ポール・ラトーではシラー「イル・パドリーノ」2015が97、シャルドネ「イースト・オブ・エデン」2015が96+、ピノ・ノワール「ランスロット」と「ソロモン・ヒルズ」2015が95など高得点が続出。オー・ボン・クリマのイザベル2014が92+、シャルドネ「ニュイ・ブランシュ」2014が92。ロアーのピノ・ノワール「ロゼラズ」2015が93。サムサラのピノ・ノワール「カルガサキ」2014などが94+。ヒルト(Hilt)のピノ・ノワール「ヴァンガード」2015が94。ブリュワー・クリフトンのピノ・ノワール「ハプグッド」2015が95+、ピノ・ノワール「459」とシャルドネ「3D」の2015が95。ダイアトムのシャルドネ「サントス・ロード」2015が94、などなど。
既存のコラヴァンと組み合わせて使うようになっており、カートリッジからの不活性ガスを使ってワインを霧状に吹いて表面積を増やします。
価格は69ドル95セントだったそうです。
カーネロスの「Duke's Folly Wines」というワイナリーのワインメーカーであるジョー・ワイゼンホーンは、今年9月、キュヴェソンでピノ・ノワールのロゼのために、果汁の一部を別のステンレスの樽に入れて蓋をしておきました。いわゆるセニエ方式です。
この果汁が予想外に発酵してしまって、樽が膨れ上がってしまっていました。屋外に移して栓を取ったところ、ワイン(というか発酵しかけの果汁というか)が噴水のように吹き出しました。
時間にすれば十数秒だったそうですが、ワイゼンホーンはその様子をスローモーションの動画に収め、インスタグラムやワイナリーのFacebookページで公開したところ、Facebookだけで300万回近く再生されるといった、予想外の大ヒットになってしまったそうです。
実際の動画はこちらでご覧ください。
参考:
キスラー謎のオーナー変更とスティーブ・キスラーの新ワイナリ
Kosta Browneが出資者を変更
ニュースまとめ,Tim Mondavi復活,Kistler買収か,SFに二つ目のワイナリなど
ワインは当然、デュレルやギャップスクラウンのブドウを使ったものが中心。ほかにもロシアン・リバー・ヴァレーを中心にブドウを調達しています。
このほど、この2015年のヴィンテージから日本への輸入も始まりました。輸入量はごくわずかなようですが、今後が期待されるワイナリーです。
船橋の山城屋さんにはちょうど入荷したようです。
主に2016年のヴィンテージについて見ています。ガッローニによるおすすめのワイナリーは以下のもの。
Alma Rosa – Richard Sanford has gone through more ups and downs than most people could handle. It’s nice to see quality wines emerging from Alma Rosa.
Andremily – Jim Binns’ 2015s are gorgeous. It will be interesting to see what Binns does now that he can focus on his own wines exclusively.
Steve Beckmen’s 2015 Syrahs – The wines are rich, ample and strikingly beautiful.
Bien Nacido Estate – Trey Fletcher is making Chardonnays, Pinots and Syrahs of true distinction.
Brave & Maiden – This new project headed by winemaker Josh Klapper and consultant Paul Hobbs appears to be set to achieve great things.
Ryan Deovlet is making terrific wines under his own label at Refugio Ranch.
Chanin & Lutum – Gavin Chanin turned out a bevy of fabulous wines at both Chanin and Lutum.
Diatom – It’s great to see Greg Brewer’s Diatom back in action with terrific wines that are less severe than those of the past.
Dierberg & Star Lane – In just a few short years winemaker Tyler Thomas has catapulted both estates into California’s upper echelon. Readers will not want to miss the current releases.
Domaine de la Côte – The 2015 Pinots are the finest wines I have ever tasted from Rajat Parr and Sashi Moorman at their estate winery.
Dragonette – Sauvignon Blanc, Pinot Noir and Syrah are all superb.
Frequency – Zac Wasserman’s 2016s are stellar and full of potential.
The Hilt – Matt Dees and his team are doing brilliant work at The Hilt. Dees is arguably the single most talented and versatile young winemaker in Santa Barbara, and perhaps California, today.
Kimsey – For the first time, the Kimsey wines are about finesse and not just power.
Lieu Dit – The two Cabernet Francs and the Malbec are must-haves.
Piedrasassi – Sashi Moorman’s 2015 Syrahs are compelling.
Piro Wine Company – Marc Piro is one of Santa Barbara’s most promising young Pinot producers.
Presqu'ile – The Murphy family continues to step it up with the arrival of Domaine Dujac’s Jeremy Seysses as consultant.
Rancho Viñedo – Santa Maria Chardonnays of real distinction.
Storm – Ernst Storm killed it with his 2015 Pinots.
Tyler – Justin Willett’s bottled 2015 Pinots are every bit as thrilling as they were from barrel last year, while the Chardonnays are among the best of the vintage.
The 2016 Vintage – The wines I have tasted so far show quite a bit of energy, freshness and verve.
グレッグ・ブリュワーの復活ダイヤトムもほめられています。