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Date: 2008/0530 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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SF Chronicle紙が「The new cult wines: 10 wineries to watch」という記事で,「カルト・ワイン」になる可能性がある注目のワイナリを10個挙げています。

名前とコンタクトだけ並べると
Buccella ; (707) 944-1000
DR Stephens ; (707) 963-2908
Futo ; (707) 944-9333
Ghost Block ; (707) 945-1213
Jonata ; (805) 564-8581
Keefer Ranch ; (707) 829-5950
Leviathan No contact info
Levy & McClellan ; (707) 963-1282 (fax)
Salinia Wine Co.
Tor Kenward Family Wines ; (707) 963-3100

大部分はナパのカベルネ系で100ドルを超えるようなワインなので,恐らくこのブログの読者で買いたいと思う人はあまりいないのではないかと思うのですが,興味深いところもいくつかあります。Keefer RanchはKosta BrowneやFreemanなどがブドウを購入している畑ですが,ワイナリとしては2006年が初ヴィンテージで,FreemanやAugust WestでおなじみのEd Kurtzmanがワインメーカーをしているそうです。Saliniaも以前Keefer Ranchのワインを作っており,このブログ内で紹介したことがあります

Leviathanというのもちょっと面白く,Screaming EagleのワインメーカーであるAndy Ericksonのワイナリです。シラーとカベルネなどのブレンドで価格が50ドル以下と,ちょっと面白い線を狙っています。

なお,第2グループとしては以下のワイナリが挙がっています。
A.P. Vin.
Cavus.
Dancing Hares.
Eric Kent Wine Cellars.
Herb Lamb Vineyards.
Kamen Estate Wines.
Lindstrom.
Maybach.
Rhys Vineyards.
Seven Stones Winery.
Zepaltas Wines.
Date: 2008/0530 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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太陽光発電を部分的,あるいは全面的に取り入れるワイナリは年々増えています。2007年正月にソノマのClineがシャープのテレビCMで取り上げられたのは覚えている方も多いでしょう。

SF Chronicleの記事によると「太陽光発電」の先進地域でもあるナパ,ソノマでまた新しい試みが始まりました。Far Nienteによる「電池舟」発電です。灌漑用の池に130艘の平底舟を並べ,そこに944枚の太陽電池パネルを設定します。陸上にも306枚,合わせて1250枚のパネルを発電に使います。

発電量は最大377kW。これはFar Nienteのワイナリやテイスティング・ルーム,クラシックカー・コレクション(Far Nienteはこれで有名です),ケイブなどで必要になる電気の容量を超えているとのこと。

ただし,コストは相当かかっています。ブドウ畑が一つ買えるほどだとも。Larry McGuire社長は次のように述べています。
If you're just trying to deal with profitability, certainly short-term profitability, you probably wouldn't make this decision. But if you're thinking about long-term profitability - and with a social conscience - that's where you'll probably come to the conclusion that this is a good thing.

Far Nienteは株式を公開しておらず,オーナーたちから了承が得られたというのも大きなポイントですが,PG&E(電気とガスを提供する会社)から200万ドルのキャッシュ・リベートを得られることなど,見返りもあります。こういった再生産可能なエネルギー利用については,これからも続々と採用が進みそうです。

なお,元記事には大きな写真もあります。ぜひご覧ください。
Date: 2008/0528 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Robert Mondaviが亡くなったときは旅行中だったというGary Vaynerchukが彼に捧げるショーを公開しました(Robert Mondavi Tribute Show - Episode #472)。いつもより短く5分36秒ですので,時間があまりない方もどうぞ。

Robert Mondaviは言うならばカリフォルニアワインを無の状態から1の状態にまで引き上げました。Robert ParkerやWine Spectatorも明らかにその世代のものです。一方,Gary VaynerchukやCrushpadは次の世代。これら「Wine 2.0」はRobert Mondaviが成し遂げたほどの革命を引き起こせるのでしょうか。Robertが亡くなったことは一時代の終わりを告げるものであり,今後がますます興味深くなってきたとも言えると思います。

“You, with a little bit of me, are changing the wine world”というのはGary Vaynerchukのお決まりのせりふですが,もしかしたらRobertも40年前,同じようなことを言っていたかもしれないなあ,なんて思いました。

Date: 2008/0528 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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フランスで人造湖の水深60mのところにワイン276瓶を沈めて保存する実験が始まったそうです。
"このワインは20年間水中に保存された後、通常の状態で同じ期間保存されたワインと比較される。この実験は、水の中に保存することでワインに変化がみられるかどうかを試験するために行われている。"
水深60メートルにワイン沈め、品質変化の実験

もうちょっときちんと書いてくれないと,何も分かりませんね。「通常の状態」ってなんなのか。それが分からないと比較のしようもないと思うのですが。そもそも水中に入れることによる,どういう影響を見ようとしているのでしょう。空気がないことによる影響? 7気圧の水圧による影響? 温度の影響?(水深60mの温度ってどれくらいでしょうね? 通常のセラーよりは大分低そうに思えますが)

水中にロマンを求めるのはその人の勝手ですが,結論として人に納得させようということを考えているのなら,科学的アプローチをちゃんとしてほしいものです。

個人的にはキャップが20年持つかどうかが一番の課題のように思えます。
Date: 2008/0528 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパの夏の風物詩,Auction Napa Valleyのオンライン・オークションが始まりました。オークション終了は日本時間で6月6日の午後2時。

88個オークション・ロットが出ていますが,現時点で一番低いのはI'M WinesRutherford Hillの550ドル。一番高いのはDomaine Chandonの1万2500ドルです。Chandonのは12人のディナー・パーティ。米国内ならどこでも開催してくれるそうです。いいなあ。

ちなみにI'M Winesは故Robert Mondaviの長男,Michael Mondaviの奥さんIsabel Mondaviのワイナリです。
Date: 2008/0524 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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UC Davisが毎年開催している「Big Bang! Business Plan Competition」で「breathing screw cap」と呼ぶ新しいワインの栓が優勝しました。賞金は1万5000ドル。この次の段階としては西海岸の同じような優勝チームが5月にパロアルトに集まる「Draper Fisher Jurvetson Venture Challenge」に出場するそうです。これでトップになるとベンチャー育成の資金として25万ドルを獲得することになるとか。
"The team's design, a "breathing screw cap," has small vent holes and is fitted with a liner made of alternating layers of thin metal and a porous polymer. The liner can be customized to allow optimal oxidation for specific varietals, something that is impossible with bark corks. A patent is pending for the design."

UC Davis News & Information :: High-tech Wine Cap Design Wins $15,000

この新しい栓はスクリューキャップと異なり,小さな空気穴によって空気の出入りが多少あるということ。これによってコルクと同様の熟成が可能になると主張しています。全く「呼吸がない」スクリューキャップで起こりがちな硫黄臭も防げるそうな。
価格は1個あたり20セントで,スクリューキャップよりは5セントほど高くなりますが,コルクとフォイルに比べると10~11セント安くて済むそうです。

果たして実際に採用するところは出てくるのでしょうか。
Date: 2008/0523 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのHowell MountainのふもとにあるVenge Vineyardsが移転するそうです。移転の理由は設備の売却。飼い主はWilliam Foley。
"Now to the moving news. We noticed that the barrels were being shuffled about and when we asked our host David why, he reported that the property had been sold to Bill Foley of the Foley Wine Group. Bill Foley is the retired CEO of Fidelity Financial and he owns several wineries and vineyards. This includes Foley Estate, Lincourt Vineyards, and the recently acquired Firestone Vineyards in Santa Barbara."

Venge Vineyards property sold to Bill Foley | Napa Valley Wine Blog
Foleyといえば昨年以来,サンタバーバラ地域で矢継ぎ早の買収を行い,Sea SmokeのワインメーカーだったChris Currenの獲得や,ナパのMerusの買収と派手に動き回った人です。確かMerusの買収時に,新しいプロパティの購入を示唆していました。今回のプロパティ購入はそのためのものでしょうか。
Date: 2008/0523 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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サンフランシスコにあるCRUSHPADでオープンハウスが行われます。
"Happy Anniversary! Crushpad is celebrating 5 years of making wine in San Francisco. Join us."

CRUSHPAD™- Make Your Own Custom Wine With Our Luxury Wine Making Service

とあるように,もう5周年なんですね。本サイトではCRUSHPADができたころから記事を書いてきましたが,当初想像した以上に人気が高く,しかも高品質のワインを生み出しています。しっかり軌道に乗ったのではないかと思います。

僕もいつになるかは分かりませんが,「いつかは」と思い続けています。

もっと近々に作りたいと考えている人は,このような機会に直接CRUSHPADに触れてみるのがいいのではないでしょうか。要予約ですが,無料のようです。ワインメーカーにも会えます。
Date: 2008/0521 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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最初に感じたちょっと不快な香りが消え,むしろ香りは凝縮されてきました。一方,味わいはやや酸が強くなったかなという感じ。珍しく二日で飲み切りましたが特に酔った感じがしなかったのはアルコール度が低かったのでしょうか。ラベルがカビで読めなかったためアルコール度は不明です。

こういうワインを飲むとカベルネもいいなあと思います。
Date: 2008/0520 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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彼の一生を振り返るとともに,その功績を紹介したいと思います。

イタリアからの移民2世として生まれたRobert Mondaviは1933年までの禁酒法時代に自家製ワイン製造用のブドウを東海岸まで送るといった事業からワインに入っていきます。当時住んでいた Lodiが今Woodbridgeがあるところです。禁酒法が終わってから本格的にワインの道をこころざし,1940年代に親を説き伏せてナパの名門だったCharles Krugワイナリを買収しました(同ワイナリは今でもRobertの弟Peterの家族が経営しています)。

しかし,父親の死後,「世界に通じる高品質なワインを作りたい。そのためにワインをおいしい食事や芸術などと一緒に楽しむ文化をアメリカに作りたい」という高い志を持つRobertと,家族の結束を重視する弟Peterの確執が表面化しました。例えば,Robertは「一番いいものを知らないといけない」という考えからフランスに旅行に行き,高級レストランで食事をし,そのために豪華な服を買い,といった形で湯水のようにお金を使い,それが他の家族に嫌われたのです。

母親もPeterの側に付いたことから,1965年にRobertは52歳にして一家から勘当されます。そして1966年,53歳でRobert Mondavi Wineryを作りました。なお,Peterとの確執はその後,提訴といった形になり(Robertが勝訴),後年まで響きます。

Robertは新しいワイナリで世界レベルを目指します。具体的にはオークの小樽を使った熟成を積極的に取り入れ,作る品種もカベルネなど世界レベルで評価を受けられるものに限定しました。初期の代表作にSauvignon Blancに樽香を効かせたFume Blancがあり,一時代を築きました。

彼の志の元に,当時の気鋭の若者たちが集まり,育っていきました。例えばその中には1976年のパリ・テイスティングで赤ワイン1位に輝いた Stag's Leap Wine Cellarsを作ったWarren Winiarski,白ワイン1位に輝いたCh. MontelenaのChardonnayを作ったMike Grgichなどがいます。この後もRobert Mondaviはナパのリーダーとして活動を続けます。「パリスの審判」によると,パリ・テイスティングのときには既にMondaviは老舗的な存在であり,彼から育った「ブティック・ワイナリ」が,品質面ではリードし始めていたようです。

Mondaviはほかにも,温度管理が容易なステンレスタンクの導入や,フランスのブドウ畑にならった樹の密植など,ナパの先駆者として様々な新しい技術に取り組みます。

また,それ以上に力を入れたのは,世界におけるカリフォルニアワインの「ブランド」を高めようとしたことでしょう。Ch. MoutonのRothchild家と提携してOpus Oneを作ったのはその代表的な一つ。50%,50%という出資比率にこだわったことに,その思いが表れています。また,LuceでFrescobaldi家と提携したことには「イタリア移民」として格別な思いがあったようです。

晩年はナパにCopiaというワインセンターを作るのに協力したり,UC Davisに多額の寄付をするなど,さらにワインを取り巻く環境の充実に力を尽くしました。ただ,それは最終的に財政難という形でワイナリに降りかかり, 2004年にRobert Mondavi家はRobert Mondavi WineryやOpus Oneを含むRobert Mondavi Corp.を売却する憂き目に会いました。

2007年にはカリフォルニアの名誉の殿堂の第2回にスティーブ・ジョブズ,タイガー・ウッズなどと並んで選ばれ,ワイン作りの名誉の殿堂の初回にも選ばれました。

ロバート・モンダヴィを「カリフォルニアワインの父」と呼ぶことにはちょっと抵抗がありますが,カリフォルニアワインを世界に知らしめることにおいてロバート・モンダヴィほどの功績はだれにもありません。Opus Oneがカリフォルニアワインの代名詞的存在であるのも,やはり彼の功績です。個人的には,日本のワイン愛好者たちもそこから先に進んでほしいとは思いますが,ロバート・モンダヴィがいなかったら,そこまでもたどり着いていなかったのでしょう。

また,個人的には53歳にして新しいワイナリを作って成功させたということに,いつも勇気付けられています。自分もまだまだできると思いたい。



PS. 肝心なことを書き忘れていました。ワイナリを旅行者のアトラクションにして,ワイナリ・ツアーやテイスティング・ルームをオープンにするというのもRobert Mondaviが発案したことです。つまり彼がいなかったら,このサイトも存在しなかったでしょう。改めて深い感謝を捧げたいと思います。
Date: 2008/0518 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Robert Parkerも自身の掲示板で哀悼の意を表しています。飲むワインは90と91のCabernet Reserveだとか。

Date: 2008/0517 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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本サイトの現存するモンダヴィ関係の記事のまとめをしておきます。買収当時の記事が消えてしまったのが悲しいところ。

2006/07/18: Robert Mondavi Winery設立40周年
2007/01/30: ロバート・モンダヴィの新ブランドが明らかに
2007/02/13: カリフォルニア・ワインの名誉の殿堂にRobert Mondaviほか8人選出
2007/02/16: 名誉の殿堂クイズ:解答編
2007/05/13: 読書:「パリスの審判 カリフォルニア・ワインVSフランス・ワイン」
2007/06/16: 今明かされる,モンダヴィ凋落の秘密
2007/09/03: 目出度いめでたい
2007/12/07: 衰えたRobert Mondaviにため息をつく
2008/01/09: モンダヴィ夫人がロイターのインタビューに登場
2008/01/18: 2008年のカリフォルニアワイン名誉の殿堂が決定
2008/05/07: がんばる「もう一つのモンダヴィ」
2008/05/17: ロバート・モンダヴィ逝去

モンダヴィのワインを代表するのはやはりカベルネ・ソヴィニョン。続いて,独自のスタイルで一時代を築いたフュメ・ブランでしょうか。1996年のカベルネ・リザーブなどは1万円台前半で入手できますが,これはかなりお買い得だと思います。そろそろ飲み頃でしょう。

そしてモンダヴィ家時代最後の作となった2004年はWine Spectator誌では1994年に並ぶ95点を獲得。年間トップ9に入っています。ワイナリ価格の125ドルと同程度で買えるのもありがたいところ。

フュメ・ブランならこちら
Date: 2008/0517 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Napa Valleyを世界に名だたるワイン産地に育てた偉人Robert Mondaviが94歳で亡くなりました。最晩年はワイナリを売却せざるを得なくなるなど,不幸なこともありましたが,彼の偉業は他に比較する人がいないほどのすばらしいものだと思います。

謹んでご冥福をお祈りいたします。

Napa Valley Registerの記事
SF Chronicleの記事
Date: 2008/0516 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Santa Rita Hillsのワイナリでオープンハウスが開かれます。二日間のパスポートは75ドル。

土曜日は2007年のヴィンテージとバレル・サンプル,日曜日はライブラリ・ワインと現行リリースに焦点を置くということで,同じワイナリに2回来させようという魂胆です。

Alma Rosa
Ampelos
Arcadian(土のみ)
Babcock
Cargasacchi
Clos Pepe
Demetria
Dragonette
Flying Goat(日のみ)
Ken Brown
Longoria(日のみ)
Loring
Melville
Pali
Prodigal(土のみ)
が参加ワイナリ。
ワインメーカーディナーもあります。
Date: 2008/0515 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2年くらい前に話題になったことがある大阪市が「ワインミュージアム」に展示していたワイン。未だに行き先が決まらず,保管を続けているそうです。
"「食品の安全が問われる中、品質を確認しないままでは……」(担当者)と売却には慎重な姿勢を示す。"

大阪市、”血税”565万円で購入ワイン、お蔵入り : ニュース : 関西発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

ということですが,オークションで売ればいいんでしょ。「品質の保証」なんてだれもできないのだから「保管状況の説明」ができればいいのだと思います。何か考え方が違うような。

ちなみに
ロマネ・コンティ            1921年
シャトー・ディケム           1921年
シャトー・モンローズ          1921年
シャトー・ラトゥール          1926年
シャトー・オー・ブリオン        1937年
シャトー・ムートン・ロートシルト    1945年
シャトー・ラフィット・ロートシルト   1947年
シャトー・オーゾンヌ          1949年
シャトー・ぺトリュス(マグナムボトル) 1949年
シャトー・ディケム(貴腐ワイン)    1949年
シャトー・シュヴァル・ブラン      1953年
などがあるそうです。

Date: 2008/0513 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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パーカーの掲示板で「神の雫」が話題になっています。パーカー自身もコメントを寄せています。
My daughter...born in Korea..told me about it yesterday...she is a huge anime fan......seems exceptionally proud of the old man for his part in this book...and more excited over this than talking to President Chirac back in 1999 at the Elysees Palace when he gave me the Legion of Honor....next week she gets a VIP tour of several top anime studios in Tokyo while I eat at Robuchon's joint and clean Tokyo out of Toro.....

最初にスレッドを立ち上げた人は中国語版を読んだそう。韓国で売れているという話は聞いたことがありますが,中国でも出ているんですね。

僕も何か書こうかと思いましたが,これに出てくるワインは僕の知らないものばかりなので,やめておこうかと。

ちなみに,パーカーの掲示板で今盛り上がっているスレッドの一つが「Romanee Conti: THE Greatest Wine in the World」というもの。1911,15,19,23,29,34,37,45などのロマネ・コンティを飲んできた人(NYの不動産屋らしい)が,これより上のワインはない,挑戦してみろと,挑発して,この掲示板には珍しくちょっと荒れています。読み物としてはなかなか楽しい。ParkerやNeal Martinもコメントを書いています。

Date: 2008/0509 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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週刊文春に「川島なお美をデヴィ夫人がパーティで一喝」したという記事が載っていました。記事によると,川島なお美が主催したあるパーティで,客に向かって「今日はワインが主役ですから」と言ったのに対して,デヴィ夫人が「主役は人でしょ」とたしなめたそうです。

CWFCの会員の方はご存知のように,CWFCのパーティでは必ず「主役は皆さんですから」ということをナパさんが言います。

当たり前のようなことではありますが,その気持ちを忘れてはいけませんね。
Date: 2008/0509 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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という過激な記事をLA Timesに書いたのはワイン評論家のアリス・フェアリング(Alice Fiering)。In Vino Veritasというブログでも知られており,「The Battle for Wine and Love: or How I Saved the World from Parkerization」といった本を出版予定です。
"When I first stopped drinking the Left Coast, it was because I was offended by the overuse of wood, boring flavors and lack of structure. The wines, many of which had plenty of edge and personality, seemed neutered to me. I soon learned that the other part of the story was that an arsenal of technology was deployed to make them that way: yeast, enzymes, tannin, oak and acid, as well as over-extracting techniques, micro-oxygenation, dialysis and reverse osmosis."

California wine? Down the drain - Los Angeles Times

彼女が主張しているのは,カリフォルニアワイン(引用文中ではLeft Coast=West Coastとさらに拡張しています)は評論家に高いレイティングを付けてもらうために人為的操作が加わりすぎている。というものです。一方,フランスワインにも屑はあるが「there is also an ever-expanding band of winemakers fiercely committed to working with, not against, nature」だと,その違いを言っています。また,カリフォルニアでもCathy CorisonやMike Dasheなどがそうでないワインを作っているがそれは「評論化には出せないもの」だと。

彼女の記事に対してWine Enthusiast誌のブログではカリフォルニアだけを画一的に捉えるのは正当ではないと反論。「なぜカリフォルニアだけがバッシングの対象になるのだろうか」と疑問を呈しています。

僕も彼女のバッシングがフェアなものだとは思いません。例えばArcadianのように,エレガントを重視したワイン作りをし,それを評論家にも評価してもらっているワイナリもありますし,reverse osmosisのような技術はカリフォルニアのトップクラスのワイナリよりもフランスのトップクラスのワイナリの方が多く使っていると思われます(堀賢一さんの「ワインの自由」などを読む限り)。

上述のような人為的操作は,どちらかというと低価格ワインで使われることが多いと思いますが,先日書いた記事にあるように,実は一般的なユーザーは高級ワインよりも,こういったやや人工的な味付けのワインの方を好む傾向があるわけです。消費者に受け入れられるワインを作ることの何がいけないのでしょう…

IT技術の世界では「キャズム」と呼ばれる大きな溝が,先駆的なユーザーと一般的なユーザーの間にあると言われています。ワインの世界にもこういったキャズムがあるのでしょう。したがってワイン自体もどちらをターゲットにするかによって作り方も変わってくるのだと思います。彼女のバッシングの仕方は自分向けでないものに非難を加えるような筋違いな部分がありそうです。
Date: 2008/0508 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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いにしえの「芸能人格付けチェック」の番組にもしばしばワインが使われたように,高いワインと安いワインを区別するのは案外難しいものです。これをまじめに研究している人もいます。

4月に公開された論文「Do more expensive wines taste better? Evidence from a large sample ob blind tasting」(リンク先はPDF)は,6000件を超えるデータ(被験者は506人)を使ってこれを調べたものです。

詳しい内容は統計学が分からないと理解できない(僕もあまり分かっていません)ので結果を簡単に紹介します。

被験者全体で見ると「高いワインよりも安いワインを高く評価する」という傾向が出ています。これは,以前の研究とも一致するそうです。ただし,被験者の12%に相当するソムリエコースなどでワインの訓練を受けた人では,高いワインを高く評価する,あるいは少なくとも低くは評価しない,という傾向が見られました。また,この結果から得られた一般人とエキスパートの近似直線は25ドル近辺で交差する,つまり25ドルくらいのワインはエキスパートも素人も同じ程度の評価になることが判明しました。実験に使ったワインは2ドル弱から150ドルのものまで。上下の極端なものを取っても同じ結果だったそうです。

普通の人は安いワインの方がおいしく感じるので,これからはワインに詳しくない人にワインをご馳走するときは安ワインにしましょう*1。僕もエキスパートでなくてよかったです(笑)。

*1 これはあくまでブラインドでの話。実際には,値段や評論家のレイティングといった要素が,味わいの評価にも影響するので,うんちくを語ってご馳走する方が評価はいいかもしれないです。
Date: 2008/0507 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Robert Mondaviは自身の名が付いたワイナリを手放すことになってしまいましたが,ナパではもう一つのモンダヴィががんばっています。Robertの弟Peterの一家が持つCharles Krugです。
"Mondavi is one of the biggest names on the wine aisle. Then there's Peter Mondavi Jr. and his family's little winery."

2 Mondavis strive to give a landmark winery a bigger place on the map - Los Angeles Times
ほとんどの方がご存知だと思いますが,Robert Mondaviの父親であるCesare Mondaviはイタリアからの移民。禁酒法が解けた後,ナパに小さなワイナリを購入し,1943年にかつての名門だったCharles Krugを買収しました(この買収を強力に進めたのがRobertでした)。Cesareの亡き後,「世界一」を目指すRobertと家族の結束を考えるPeterが対立してRobertが一家を出され,Robert Mondaviを築くわけです。一方でRobertはPeterを訴えて勝利し,これが基でRobert Mondaviは繁栄し,Charles Krugは低迷を余儀なくされてしまいました。

近年は目覚しい品質の向上を果たし,低価格なCK Mondaviラインも成功しました。現在はより観光客を惹き付けるためワイナリの改装に挑んでいるそうです。

Mondaviという名前を持つワイナリをMondaviが持っていないというのは不幸なことです。苦しみながらも名前を守ってきたPeter一家にはこれからも期待したいと思います。