カリフォルニアワインあらかるとにトニー・ソーターのロゼのスパークリングが入荷しています。ソーターのピノと同じく「ビーコン・ヒル」のブドウを使ったこのロゼ,Wine Advocate誌のJay Millerは92点という高得点を与えています。
と,「ドンペリ」や「クリスタル」のロゼよりはるかに安いけど,その代替になりえるという評価です。先日紹介した,Iron HorseのWedding Cuveeの3倍近い値段ですが,クリスマスなのでちょっと高級な泡を,というのならこれもありでしょう。
The 2004 Beacon Hill Brut Rose is salmon pink-colored with a persistent stream of tiny bubbles, an attractive mousse, and aromas of rose petals and strawberries. Crisp, lively, and concentrated, this flavorful bubbly should drink well for several years.
If our economic doldrums have caused you to forego Dom Perignon Rose and Roederer Cristal Rose, keep in mind that for the price of one bottle of those stellar Champagnes, you could purchase an entire case of Tony Soter’s Beacon Hill Brut Rose.
と,「ドンペリ」や「クリスタル」のロゼよりはるかに安いけど,その代替になりえるという評価です。先日紹介した,Iron HorseのWedding Cuveeの3倍近い値段ですが,クリスマスなのでちょっと高級な泡を,というのならこれもありでしょう。
故Robert Mondaviの次男Tim Mondaviの新しいワイナリContinuum(コンティニュアム)のデビュー・ヴィンテージが日本に入ってきました(過去記事1,過去記事2)。米国で最安120ドル弱なのが約2万円なのでちょっと高いですが,やっぱりOpus One価格なのでしょうか?
評論家の評価は高く,Robert Parkerは95+というレイティングを付けています。
これを下に示すOpus Oneへのコメント(最新は2002年ヴィンテージに対するもの)と比べると熱の入り方が全然違うのがよく分かります。
故Robert Mondaviの二人の息子のうち,もう一方の兄Michaelもこの秋に新しいブランド「M」を立ち上げたはず。こちらがどうなのかも気になるところではありますが,過去記事に示したように,Continuumは生前のRobertも参加していたということで,よりMondavi直系と言えるでしょう。
評論家の評価は高く,Robert Parkerは95+というレイティングを付けています。
this 2005 exhibits a dense ruby/purple color followed by a beautiful nose of lead pencil shavings intermixed with creme de cassis, subtle wood smoke, and hints of bay leaves as well as spring flowers. Full-bodied with lovely purity, nicely integrated wood, tannin, acidity, and alcohol, and a long finish reminiscent of a classic Bordeaux Pauillac, while accessible, it should age effortlessly for 15 or more years.
これを下に示すOpus Oneへのコメント(最新は2002年ヴィンテージに対するもの)と比べると熱の入り方が全然違うのがよく分かります。
it is excellent, possibly outstanding, but remains significantly over-priced vis a vis the finest wines in this price range.
故Robert Mondaviの二人の息子のうち,もう一方の兄Michaelもこの秋に新しいブランド「M」を立ち上げたはず。こちらがどうなのかも気になるところではありますが,過去記事に示したように,Continuumは生前のRobertも参加していたということで,よりMondavi直系と言えるでしょう。
The Cork Boardに,COPIAの記事が載っていました。これによるとNapa Valley Register(なぜかアクセスできません)に元従業員のコメントが書き込まれていたそうです。以下がその内容。
これによると,少なくともこれまでの形のCOPIAは事実上終了,今後は建物を買い取ってくれる相手を探し,そこ(かあるいはナパの別の場所)を借りて運営をしたいということのようです。
…I’ve talked to several employees that were impacted and some ex employees that were laid off in Sept. Copia as it exists now is done. They were told Friday Copia was closed permenantly through the rest of the year. They have a small crew of Management, Wine, and Maintenance employees, about 10, standing by to maintain building for prospective buyers and inventory assests. Copia’s board is looking to lease a space in downtown Napa to continue operations. This is what Copia’s upper management doesn’t want out to the public. All Copia employee’s are being paid wages and vacation time owed…
これによると,少なくともこれまでの形のCOPIAは事実上終了,今後は建物を買い取ってくれる相手を探し,そこ(かあるいはナパの別の場所)を借りて運営をしたいということのようです。
家庭でワインを作るためのキット「WinePod」は2年以上前に記事に書いたことがあります。その後4499ドルという価格も明らかになり,「面白いけど売れないだろうなあ」と思っていたのですが,意外とがんばっているようです。
上に示したのはGaragiste by WinePodという廉価版。1999ドルとオリジナルの半額以下です。温度センサーや自動温度制御,温度とBrixの自動記録機能などが省かれています。その代わり保温カバーを使って温度変化を最小限にとどめられます。1回にできるワインはオリジナルと同様4ケース。
また,Crush ClubというCrushpadのようにカスタムでワインを造るサービスも始めています。1ケース499ドルからとお手ごろ価格です。冷凍したブドウを使うため,秋以外でもワイン作りがはじめられます。
さらに,ナパのGustavo Thrace Wineryも,4ケース単位で顧客の注文を聞いてWinePodを使ってワインを作るサービスを始めています。
上に示したのはGaragiste by WinePodという廉価版。1999ドルとオリジナルの半額以下です。温度センサーや自動温度制御,温度とBrixの自動記録機能などが省かれています。その代わり保温カバーを使って温度変化を最小限にとどめられます。1回にできるワインはオリジナルと同様4ケース。
また,Crush ClubというCrushpadのようにカスタムでワインを造るサービスも始めています。1ケース499ドルからとお手ごろ価格です。冷凍したブドウを使うため,秋以外でもワイン作りがはじめられます。
さらに,ナパのGustavo Thrace Wineryも,4ケース単位で顧客の注文を聞いてWinePodを使ってワインを作るサービスを始めています。
どうにもならないほど長いタイトルだが原題は「The Billionaire's Vinegar」,億万長者のヴィネガーといったものだ。これじゃあなんだか分からないよということで,このタイトルになったのだろう。“ジェファーソン”,“世界一高いワイン”といったキーワードにサブタイトルまで付けて,ちょっとやり過ぎ感はあるが「酔えない事情」とまとめた辺りはいいと思う。
ジェファーソンとは米国第3代大統領トーマス・ジェファーソン。ワイン界ではホワイトハウスの地下にワインセラーを築き,2万本ものワインを購入した人として知られている。このジェファーソンが購入して頭文字の刻印を入れたというワインが本書のテーマ。1985年12月,このワイン「1787年のラフィット」はマイケル・ブロードベント率いるクリスティーズのオークションで10万5000ポンド,約3000万円という価格でフォーブズ家によって落札された。今なお,一番高いワインという称号を維持している。
話が怪しくなるのはここからだ。1本限りかと思われたジェファーソン・ボトルは,最初にこれを発見したというドイツ人のコレクター,ハーディ・ローデンストックによって次から次へとオークションに出されていく。また,トーマス・ジェファーソンの研究をしているモンティチェロからは,ボトルの真贋について疑義が呈される。
さらに,スノビズムの極致とも言える,コレクターによる大テイスティング会やパーカーやジャンシス・ロビンソンといった評論家がこれに絡むことにより,話は醜悪さを増していく。
事実は小説より奇なりというが,本書における「事実」はどこにあるのか。少なくとも「現実」は奇怪そのものである。
本書は丹念な取材によって,この複雑怪奇な話をしっかりとまとめ上げている。ワイン好きにとっては興味深い本だろう。ただ,ワインが嫌いな人に読ませたら,ワイン好きへの偏見を持つことになりそうだ。ジェファーソン・ボトルと同様,取り扱い注意の本である。
ジェファーソンとは米国第3代大統領トーマス・ジェファーソン。ワイン界ではホワイトハウスの地下にワインセラーを築き,2万本ものワインを購入した人として知られている。このジェファーソンが購入して頭文字の刻印を入れたというワインが本書のテーマ。1985年12月,このワイン「1787年のラフィット」はマイケル・ブロードベント率いるクリスティーズのオークションで10万5000ポンド,約3000万円という価格でフォーブズ家によって落札された。今なお,一番高いワインという称号を維持している。
話が怪しくなるのはここからだ。1本限りかと思われたジェファーソン・ボトルは,最初にこれを発見したというドイツ人のコレクター,ハーディ・ローデンストックによって次から次へとオークションに出されていく。また,トーマス・ジェファーソンの研究をしているモンティチェロからは,ボトルの真贋について疑義が呈される。
さらに,スノビズムの極致とも言える,コレクターによる大テイスティング会やパーカーやジャンシス・ロビンソンといった評論家がこれに絡むことにより,話は醜悪さを増していく。
事実は小説より奇なりというが,本書における「事実」はどこにあるのか。少なくとも「現実」は奇怪そのものである。
本書は丹念な取材によって,この複雑怪奇な話をしっかりとまとめ上げている。ワイン好きにとっては興味深い本だろう。ただ,ワインが嫌いな人に読ませたら,ワイン好きへの偏見を持つことになりそうだ。ジェファーソン・ボトルと同様,取り扱い注意の本である。
ナパにWine, Food&Arts Centerとして作られたCopiaが金曜日,予告なしに一時閉館しました。Napa Valley Registerの記事によるとドアに「Copia is temporarily closed. Please visit our website at www.copia.org for updates and information」と書かれていたそうです。現在のところCopiaのWebサイトには何も掲示されていません。
CopiaといえばRobert Mondaviの肝いりで作られた施設であり,Mondaviの財政が傾いた一因とも言われています。当初から客の入りが悪いなど赤字体質を続けており,先日は建物だけを売却するというニュースが流れていました。今後はどうなるのでしょうか。
【追記】Decanter誌によると,12月1日に再オープンするそうです。今は7800万ドルにおよぶ借金を今後どうするか交渉中で,それが大詰めの段階だということです。
CopiaといえばRobert Mondaviの肝いりで作られた施設であり,Mondaviの財政が傾いた一因とも言われています。当初から客の入りが悪いなど赤字体質を続けており,先日は建物だけを売却するというニュースが流れていました。今後はどうなるのでしょうか。
【追記】Decanter誌によると,12月1日に再オープンするそうです。今は7800万ドルにおよぶ借金を今後どうするか交渉中で,それが大詰めの段階だということです。
柳屋ネタが続いて申し訳ないですが,めったに日本に入荷しないLoring Wine Companyのピノ。2004年のGarys'とRosella'sが追加されています。まあマニア向けですが…
今更の紹介ですが,クリスマス用のスパークリング・ワインを買っていないなら,今月中に柳屋でアイアン・ホースのウェディング・キュベ買うのがお勧めです。米国で安いところが30ドルを少し切る程度,40ドル近くで売っているところもありますからぜい抜き3500円はほぼ現地価格でしょう。
このスパークリング,このサイトを見ている人にはもう説明は要らないだろうと思いますが,通りすがりの人もいるかもしれないので一応ちゃんと書いておきます。シャンパーニュと同じ製法で作られ,3年間熟成してから出荷されます。ピノが約9割と主体で,ほのかなピンク色が付いているのが特徴。ロゼほどではありませんが,華やかな雰囲気を味わえます。料理も軽めの肉料理まで,かなり幅広くあうでしょう。とにかくするする飲めておいしいスパークリングです。
また,アーベンワインショップではクラシック・ヴィンテージ・ブリュットが3000円台。これもお買い得です。こちらはピノが2/3くらい入っており,4年の熟成を経て出荷されます。こちらの方が重厚なイメージがあります。
このスパークリング,このサイトを見ている人にはもう説明は要らないだろうと思いますが,通りすがりの人もいるかもしれないので一応ちゃんと書いておきます。シャンパーニュと同じ製法で作られ,3年間熟成してから出荷されます。ピノが約9割と主体で,ほのかなピンク色が付いているのが特徴。ロゼほどではありませんが,華やかな雰囲気を味わえます。料理も軽めの肉料理まで,かなり幅広くあうでしょう。とにかくするする飲めておいしいスパークリングです。
また,アーベンワインショップではクラシック・ヴィンテージ・ブリュットが3000円台。これもお買い得です。こちらはピノが2/3くらい入っており,4年の熟成を経て出荷されます。こちらの方が重厚なイメージがあります。
ミシュランガイド東京2009が出版されましたが,星の数は合計227。世界一星の数が多い都市なんだそうです。
このミシュランガイド,昨年の2008には出版後,いろいろな批判も出ましたが,ミシュランの本場欧州の人は東京のガイドをどう見ているでしょうか。
Grand Jury Europeen(GJE)は1996年に設立された団体で,パーカーなどの評論家とは独立したワインの評価や普及活動をしています。GJEのメンバーが4月に来日して星付きレストランを食べ歩いた(読売新聞の記事)のですが,このほど,その結果をまとめられたので紹介します。なお,これはGJEを主催するフランソワ・モース氏から直接いただいて掲載許可をもらった文章で,現時点ではほかに公開されていません。日本語でいただいたものに改行を加えたくらいでそのまま掲載していますので,少々読みにくいですが,下手にいじらないでおきます。
このミシュランガイド,昨年の2008には出版後,いろいろな批判も出ましたが,ミシュランの本場欧州の人は東京のガイドをどう見ているでしょうか。
Grand Jury Europeen(GJE)は1996年に設立された団体で,パーカーなどの評論家とは独立したワインの評価や普及活動をしています。GJEのメンバーが4月に来日して星付きレストランを食べ歩いた(読売新聞の記事)のですが,このほど,その結果をまとめられたので紹介します。なお,これはGJEを主催するフランソワ・モース氏から直接いただいて掲載許可をもらった文章で,現時点ではほかに公開されていません。日本語でいただいたものに改行を加えたくらいでそのまま掲載していますので,少々読みにくいですが,下手にいじらないでおきます。
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妙ないわくが付いてしまったdancyuピノ・ノワール大賞(5000円以下)のワインを飲みました。ヴィノラム輸入でRyanバージョン,ガラス栓ではなくコルクでした(ガラス栓が良かったのに~)。
香りはそれほど強くないですが,味わいは赤系の果実味を中心にエキスたっぷり,口当たりはシルキー。かなりおいしいです。若干タンニンはありますが,全体のふくよかさがそれを覆い隠します。三日間かけて飲みましたが,味・香りとも落ちませんでした。
カレラは以前メランジュという,やはりエステートの畑のブドウをブレンドしたワインを作ったことがありましたが,メランジュが格落ち感ありありだったのに対し,今回のマウント・ハーラン・キュベはしっかりエステートっぽさが出ています。もう少し酸があるとさらにバランスが良くなっただろうというのがちょっと惜しいところですが,この価格帯なら十分納得です。
あとはJensen入りの方の味わいが気になります。家の近所のやまやはRyanの方でした。楽天のワインショップを見てみると,
ここは実は今回買ったところですが,サイトにはファースト・ロットの比率が書いてあったので,購入後に申し入れてRyan入りになっていることを書いてもらいました。
これらは比率の記載なし。
はファースト・ロットの比率。
に書いてあるのは2005年の比率。
これらはなんと2003年の数字。生産量も今は1stロットだけで3000ケース以上です。
いい加減なショップが多いことはよく分かりました(^_^;)
香りはそれほど強くないですが,味わいは赤系の果実味を中心にエキスたっぷり,口当たりはシルキー。かなりおいしいです。若干タンニンはありますが,全体のふくよかさがそれを覆い隠します。三日間かけて飲みましたが,味・香りとも落ちませんでした。
カレラは以前メランジュという,やはりエステートの畑のブドウをブレンドしたワインを作ったことがありましたが,メランジュが格落ち感ありありだったのに対し,今回のマウント・ハーラン・キュベはしっかりエステートっぽさが出ています。もう少し酸があるとさらにバランスが良くなっただろうというのがちょっと惜しいところですが,この価格帯なら十分納得です。
あとはJensen入りの方の味わいが気になります。家の近所のやまやはRyanの方でした。楽天のワインショップを見てみると,
ここは実は今回買ったところですが,サイトにはファースト・ロットの比率が書いてあったので,購入後に申し入れてRyan入りになっていることを書いてもらいました。
これらは比率の記載なし。
はファースト・ロットの比率。
に書いてあるのは2005年の比率。
これらはなんと2003年の数字。生産量も今は1stロットだけで3000ケース以上です。
いい加減なショップが多いことはよく分かりました(^_^;)
スポッツウッド(Spottswoode)のカベルネはナパの高級カベルネの中でも,比較的値上がりをせず,また日本でもリーズナブルな価格で入手できるワインです。それでいて,Wine Advocate誌では高評価を続けています。1999年以降のレイティングは90,91,95,97,94,91,96。96点を取った2005は,2006年の評価(91-94)を2007年に上方修正しています。コメントは
ピュアな果実と深み,バレリーナの優雅さというのはマルゴーに似ている(2006年のレビューでパーカーは「resemble a good vintage of Chateau Margaux」と書いています)というイメージと重なります。
前置きが長くなりましたが,米国での実売が130ドルくらいなのが柳屋は税抜き1万3800円。同等の高い評価を受けている他のカベルネと比べたらかなり安いと思います。
The prodigious 2005 Cabernet Sauvignon Estate may be Spottswoode’s strongest effort since their superb 2002 and 2001. A deep ruby/purple color is accompanied by a classic bouquet of violets, graphite, blueberries, and creme de cassis with hints of licorice and cedar. Stunningly pure and elegant as well as substantial and authoritatively flavored, this is a long, rich, concentrated wine with the grace of a ballerina. Give it 2-3 years of bottle age and consume it over the following 20-25+ years.
ピュアな果実と深み,バレリーナの優雅さというのはマルゴーに似ている(2006年のレビューでパーカーは「resemble a good vintage of Chateau Margaux」と書いています)というイメージと重なります。
前置きが長くなりましたが,米国での実売が130ドルくらいなのが柳屋は税抜き1万3800円。同等の高い評価を受けている他のカベルネと比べたらかなり安いと思います。
パシフィックワインセラーズでマルティネッリ(Martinelli)のピノが安いです。Zio Tony Ranchと7 Mulesがどちらも税込みで6750円。現地価格でもZio Tony Ranchは95ドル,7 Mulesは62ドルしますから,実質それより安いです。しかも送料無料で,今週21日9:59分までは楽天のポイントが10%付きますから実質6000円程度になります。はっきりいってこれはかなり安いです。
いつも書いていますがMartinelliのピノは全般に力強く濃いタイプ。好きな人はとても好きですが,繊細なピノや酸味の強いピノが好きな人にはあまり向きません。Zio Tony Ranchのパーカーのレビューは以下のよう。
また,パーカーは90点を付けていますが「ボトル詰め後すぐにテイスティングしたので,レイティングの点数はやや控えめになっているかもしれない」と書いています。ご参考まで。
いつも書いていますがMartinelliのピノは全般に力強く濃いタイプ。好きな人はとても好きですが,繊細なピノや酸味の強いピノが好きな人にはあまり向きません。Zio Tony Ranchのパーカーのレビューは以下のよう。
The 2004 Pinot Noir Zio Tony Ranch shows plenty of raspberry, soy, and fig notes along with hints of pomegranate and cherry. This spicy, full-bodied Pinot reveals nicely integrated oak, a savory, expansive palate, and a heady finish.
また,パーカーは90点を付けていますが「ボトル詰め後すぐにテイスティングしたので,レイティングの点数はやや控えめになっているかもしれない」と書いています。ご参考まで。
柳屋ではPisoniのPisoni,カリフォルニアワインあらかるとではフラワーズのキャンプ・ミーティング・リッジと,どちらもレアもののピノが出ています。Pisoniは2000年とヴィンテージ的にもレア。個人的にはどちらかというとPisoniを取りたい感じです。どちらも少量なので買いたいかたはお早めに。
ちなみに2000年はナパのカベルネはここ10年でおそらく最低だった年ですが,かなり離れているPisoniは,悪い年ではありません。WAではPisoniのPisoniは評価されていませんが,Arcadianが87,Testarossaが89,Patz & Hallが92,SiduriとOjaiが93点です。過去にWAにおけるSLHの畑のレイティングをまとめた記事がありますのでご参考にしてください。
ちなみに2000年はナパのカベルネはここ10年でおそらく最低だった年ですが,かなり離れているPisoniは,悪い年ではありません。WAではPisoniのPisoniは評価されていませんが,Arcadianが87,Testarossaが89,Patz & Hallが92,SiduriとOjaiが93点です。過去にWAにおけるSLHの畑のレイティングをまとめた記事がありますのでご参考にしてください。
第44代米国大統領になるバラク・オバマ氏の自伝。とはいえ本書が書かれたのは1990年代前半。描かれているのは1961年に氏が生まれてから1988年に初めてケニアを訪れるまでだ。大統領はおろか,議員にも弁護士にもなる前の青春時代のバラク・オバマであり,本書の基調をなすのは自分探し,父親探しの旅だ。
今の彼を見ると,若き成功者に見えるが,本書を読むとアイデンティティを確立するのに悩んでいたことがよく分かる。アフリカ系アメリカ人とはいえ,奴隷の末裔ではなく,父親はケニアからの留学生,母親はカンザス州出身の中産階級の白人。父親は小さいときに離婚してケニヤに帰国。母親と母方の祖父母という白人家庭に育てられている。
わずか40数年前であるが,氏が生まれたのは米国で公民権運動が盛んだった時期。つまり,黒人はバスに乗れないなど実質的な差別を数多く受けていた時代である。したがって,生い立ちにも差別との出会いが重要なテーマになっている。また,祖父母には「バス停で黒人にお金をせびられて怖い思いをした」といった具合に差別主義ではないものの,白人の立場からの黒人との体験がある。黒人であること,何が差別で何が差別でないかなど,その青春時代は黒人としてのアイデンティティを模索する日々であった。
そして,その次にやってくるのがほとんどあったことがない父親の問題だ。彼にとって父親はケニアにおけるエリートであり,一種のヒーローだったのだが,次第に父親の苦悩や没落についても知るようになり,自身の中での父親の位置付けに苦慮するようになる。本書の最終章でありクライマックスになるケニア編では,ついにケニアを訪れたことにより,自分探し父親探しの旅を完結させることが描かれる。
バラク・オバマの演説のうまさにヒトラーになぞらえる人もいるが,本書を読めば,彼がどのように,考え悩んだ上に今の境地にたどり着いたのかが想像できるような気がする。その姿はヒトラーとはほど遠い。
最後に,dan kogai氏も書いているように,邦題の「マイ・ドリーム」はよくない。原題のDreams from My Fatherの方がはるかに内容にあっている。また,氏がDreamという言葉を使うとき,やはりそこにはキング牧師の「I have a dream」がどこかで奏でられているような気がする。
今の彼を見ると,若き成功者に見えるが,本書を読むとアイデンティティを確立するのに悩んでいたことがよく分かる。アフリカ系アメリカ人とはいえ,奴隷の末裔ではなく,父親はケニアからの留学生,母親はカンザス州出身の中産階級の白人。父親は小さいときに離婚してケニヤに帰国。母親と母方の祖父母という白人家庭に育てられている。
わずか40数年前であるが,氏が生まれたのは米国で公民権運動が盛んだった時期。つまり,黒人はバスに乗れないなど実質的な差別を数多く受けていた時代である。したがって,生い立ちにも差別との出会いが重要なテーマになっている。また,祖父母には「バス停で黒人にお金をせびられて怖い思いをした」といった具合に差別主義ではないものの,白人の立場からの黒人との体験がある。黒人であること,何が差別で何が差別でないかなど,その青春時代は黒人としてのアイデンティティを模索する日々であった。
そして,その次にやってくるのがほとんどあったことがない父親の問題だ。彼にとって父親はケニアにおけるエリートであり,一種のヒーローだったのだが,次第に父親の苦悩や没落についても知るようになり,自身の中での父親の位置付けに苦慮するようになる。本書の最終章でありクライマックスになるケニア編では,ついにケニアを訪れたことにより,自分探し父親探しの旅を完結させることが描かれる。
バラク・オバマの演説のうまさにヒトラーになぞらえる人もいるが,本書を読めば,彼がどのように,考え悩んだ上に今の境地にたどり着いたのかが想像できるような気がする。その姿はヒトラーとはほど遠い。
最後に,dan kogai氏も書いているように,邦題の「マイ・ドリーム」はよくない。原題のDreams from My Fatherの方がはるかに内容にあっている。また,氏がDreamという言葉を使うとき,やはりそこにはキング牧師の「I have a dream」がどこかで奏でられているような気がする。
先日紹介した,雑誌dancyuで5000円以下のピノ・ノワール大賞に輝いた「カレラ ピノ・ノワール マウント・ハーラン・キュベ 2006」。実はこのワインには2種類あることが判明しました。
CaleraのWebサイトにテクニカルシートとして掲載されているのは
Jensen Vineyard 8%
Mills Vineyard 42%
Reed Vineyard 3%
Assorted younger vines 47%
と,人気のジェンセンを含んだブレンド。ところが,所沢市在住ののりこさんが買ったボトルの裏ラベルには
Ryan Vineyard 69%
Assorted younger vines 31%
という全く違う比率が記載されていました。
ワイナリに問い合わせたところ,テクニカルシートに書かれているのは2007年9月~10月にボトル詰めされたもので3239ケース作られたとのこと。一方,のりこさんが買ったのは2008年3月に追加でボトル詰めしたもので1122ケース作られたそうです。ブレンドは異なるものの「味わいや香りはほとんど最初のと変わらない」とCaleraのDoraさんは言っています。
発見したのりこさんは「これってどういうことでしょう。比率が違うんだったら表ラベルでもちゃんと違いが分かるようにするべきではないかしら。安い○○○で買ったのが失敗だったかなあ」と少々おかんむり。また「ピノ大賞に選んだdancyuさんには本当に同じ味だか検証してほしい」とのこと。確かにdancyuで賞を取ったのがどちらのボトルかも気になるところです。
あなたのボトルはどちらでしょう?
というところで緊急アンケートを実施します。下のリンクからどうぞ。
【追記】dancyuに問い合わせたところ,「ボトルは廃棄してしまったので分からない。インポータに確認するのは難しい」とのことでした。
CaleraのWebサイトにテクニカルシートとして掲載されているのは
Jensen Vineyard 8%
Mills Vineyard 42%
Reed Vineyard 3%
Assorted younger vines 47%
と,人気のジェンセンを含んだブレンド。ところが,所沢市在住ののりこさんが買ったボトルの裏ラベルには
Ryan Vineyard 69%
Assorted younger vines 31%
という全く違う比率が記載されていました。
ワイナリに問い合わせたところ,テクニカルシートに書かれているのは2007年9月~10月にボトル詰めされたもので3239ケース作られたとのこと。一方,のりこさんが買ったのは2008年3月に追加でボトル詰めしたもので1122ケース作られたそうです。ブレンドは異なるものの「味わいや香りはほとんど最初のと変わらない」とCaleraのDoraさんは言っています。
Later, we decided to bottle a second batch of 2006 Mt. Harlan Cuvée that we felt was very, very similar in taste and aroma to the main batch
発見したのりこさんは「これってどういうことでしょう。比率が違うんだったら表ラベルでもちゃんと違いが分かるようにするべきではないかしら。安い○○○で買ったのが失敗だったかなあ」と少々おかんむり。また「ピノ大賞に選んだdancyuさんには本当に同じ味だか検証してほしい」とのこと。確かにdancyuで賞を取ったのがどちらのボトルかも気になるところです。
あなたのボトルはどちらでしょう?
というところで緊急アンケートを実施します。下のリンクからどうぞ。
【追記】dancyuに問い合わせたところ,「ボトルは廃棄してしまったので分からない。インポータに確認するのは難しい」とのことでした。
Loring(ローリング)のピノは,2~3年前にどこかのショップでちょっと扱ったことがあったような気がしますが,日本では入手困難です。ただし,ワイナリ価格は40ドルくらいだったと思うのでかなり高いです。
ワイナリから買う場合は最新ヴィンテージは2007。価格はどれも46ドル。秋リリースはBrosseau,Durell,Garys',Graham,Keefer Ranch,Naylor Dry Hole,Rosella's,Sheaです。ご連絡ください。
ところで,今LoringのMLメンバー向けWebページを見ていて気付いたのですが,2007年のヴィンテージからLoringとAugust WestでRosella'sのブロックを交換したそうです。Loringの667クローン1エーカーとAugust Westの828クローンの1エーカーを取り換えたとのことで,これが全体のどれだけに当たるのか分かりませんが,味にどう影響するのか興味深いところです。
ちなみに交換理由はAugust WestのEd Kurtzmanが828クローンは自分の好みよりビッグ過ぎるからということ。結果としてLoringのRosella'sは
になったということです。
ワイナリから買う場合は最新ヴィンテージは2007。価格はどれも46ドル。秋リリースはBrosseau,Durell,Garys',Graham,Keefer Ranch,Naylor Dry Hole,Rosella's,Sheaです。ご連絡ください。
ところで,今LoringのMLメンバー向けWebページを見ていて気付いたのですが,2007年のヴィンテージからLoringとAugust WestでRosella'sのブロックを交換したそうです。Loringの667クローン1エーカーとAugust Westの828クローンの1エーカーを取り換えたとのことで,これが全体のどれだけに当たるのか分かりませんが,味にどう影響するのか興味深いところです。
ちなみに交換理由はAugust WestのEd Kurtzmanが828クローンは自分の好みよりビッグ過ぎるからということ。結果としてLoringのRosella'sは
our 2007 Rosella's is definitely the biggest we've made in years. Super rich and plush, it's also more fruit forward than we've seen of Rosella's lately.
になったということです。
ナパのRutherford AVAに属するワイナリの団体であるRutherford Appellation Wineriesが初のパスポート・イベントを12月6日,7日の週末に開催します。
参加費は50ドル(日曜日だけなら40ドル)。オンラインでチケットを購入して,そのときに登録したワイナリで当日チケットを受け取ります。
参加ワイナリは
Alpha Omega
Beaulieu Vineyard
Honig Vineyard & Winery
Peju Province Winery
Piña Napa Valley
Provenance Vineyards
Rubicon Estate
Rutherford Hill Winery
Slaughterhouse Cellars
St. Supery Vineyards & Winery
Tres Sabores Winery
普段オープンしていないワイナリも参加していることや,ワイナリによってはバレル・サンプルの試飲,料理(おつまみ)の提供などがあります。ワイン購入時に割引があるワイナリも。詳しくは参加ワイナリ一覧を参考に。
参加費は50ドル(日曜日だけなら40ドル)。オンラインでチケットを購入して,そのときに登録したワイナリで当日チケットを受け取ります。
参加ワイナリは
Alpha Omega
Beaulieu Vineyard
Honig Vineyard & Winery
Peju Province Winery
Piña Napa Valley
Provenance Vineyards
Rubicon Estate
Rutherford Hill Winery
Slaughterhouse Cellars
St. Supery Vineyards & Winery
Tres Sabores Winery
普段オープンしていないワイナリも参加していることや,ワイナリによってはバレル・サンプルの試飲,料理(おつまみ)の提供などがあります。ワイン購入時に割引があるワイナリも。詳しくは参加ワイナリ一覧を参考に。
Wine Spectator誌の年間トップ100の発表が始まりました。現在,10位と9位が発表されています。
10位はSeghesio(セゲシオ)のZinfandel Sonoma County 2007。WSでは93点のレイティングです。24ドルという価格,6万8000ケースという生産量と,WSの基準に合ったワイン。ちなみに昨年のトップ100では2005年の同ワイン(WSで90点)が91位に入賞しています。なぜかWSで91点の2006年はスキップされてしまいました。
日本で現在売っているのは2005か2006で,2007はまだ入荷していないようです。Seghesioはワイナリで試飲をしたことがありますが,割と素直で普通のジンファンデルだったということしか記憶にありません。また飲んでみないといけないですね。
10位はSeghesio(セゲシオ)のZinfandel Sonoma County 2007。WSでは93点のレイティングです。24ドルという価格,6万8000ケースという生産量と,WSの基準に合ったワイン。ちなみに昨年のトップ100では2005年の同ワイン(WSで90点)が91位に入賞しています。なぜかWSで91点の2006年はスキップされてしまいました。
日本で現在売っているのは2005か2006で,2007はまだ入荷していないようです。Seghesioはワイナリで試飲をしたことがありますが,割と素直で普通のジンファンデルだったということしか記憶にありません。また飲んでみないといけないですね。
ソノマのSebastopolの近くにあるLittoraiが新しいワイナリを構築し,ビジターを受け入れるようになりました。
Littoraiではバイオダイナミックなブドウ作りを2001年からやっており,ワイナリもサスティナブル(持続可能)なものになっているとのこと。Littoraiとはラテン語で沿岸を意味する「litor」の複数形であり,涼しい沿岸の気候を利用したシャルドネとピノで知られています。日本でも一部のワインは売っていますが,米国でもかなり入手困難なワインであり,訪問する価値はありそうです。
こちらにはワイナリ構築中の写真があります。
訪問は予約のみ。707-823-9586に電話するかinfo@littorai.comにメールして予約します。
Littoraiではバイオダイナミックなブドウ作りを2001年からやっており,ワイナリもサスティナブル(持続可能)なものになっているとのこと。Littoraiとはラテン語で沿岸を意味する「litor」の複数形であり,涼しい沿岸の気候を利用したシャルドネとピノで知られています。日本でも一部のワインは売っていますが,米国でもかなり入手困難なワインであり,訪問する価値はありそうです。
こちらにはワイナリ構築中の写真があります。
訪問は予約のみ。707-823-9586に電話するかinfo@littorai.comにメールして予約します。
前記事のコメントでナパさんが紹介してくださった「Merlove」(Merlot愛好者による,Sidewaysへの返歌的なドキュメンタリー)の監督Rudy McClainが,Twitterに撮影の隠し撮り?を載せていました。
小日向文世さんと鈴木京香さんが見えますね。写真が見づらい場合は,画像のリンク先のページで「Rotate Right」してください。
小日向文世さんと鈴木京香さんが見えますね。写真が見づらい場合は,画像のリンク先のページで「Rotate Right」してください。
ナパで日本映画の撮影をしているという記事を前に書きましたが,米国で2004年に公開(日本では2005年)され,2005年にアカデミー賞の脚色賞を受賞した「サイドウェイ」(Sideways)の日本版だということが判明しました。
リンク先の記事によると小日向文世がマイルズに相当する役,生瀬勝久がジャックに相当する役になるようです。また,舞台はサンタバーバラではなくナパ・ヴァレーになります。
Sidewaysにおける哀愁が,スノビッシュなナパとはちょっと合わないような気もするのですが,どういう感じになるんでしょうね。公開は2009年秋だそうです。楽しみです。
"菊地凛子、鈴木京香らが、2005年公開『サイドウェイ』新バージョンに出演"ニュース ニュース詳細:チケットぴあ[電子チケットぴあ|チケット情報・販売]
リンク先の記事によると小日向文世がマイルズに相当する役,生瀬勝久がジャックに相当する役になるようです。また,舞台はサンタバーバラではなくナパ・ヴァレーになります。
Sidewaysにおける哀愁が,スノビッシュなナパとはちょっと合わないような気もするのですが,どういう感じになるんでしょうね。公開は2009年秋だそうです。楽しみです。
【注】このワイン,2種類あることが分かりました。詳しくはこちらを。
dancyuの2008年12月号は「ワイン大賞」の特集でした。力が入っているようではありましたが,あまり琴線に触れる部分はなく…
その中でピノ・ノワール大賞5000円以下部門で優勝したのがカレラのマウント・ハーラン・キュベ2006。単一畑のブレンドで早飲みできるものを目指しています。ワイナリ価格が30ドルなのに対し,日本では安いところでは3000円台。格下のセントラル・コーストでも4000円台が普通であることを考えると,かなり割安です。
元々人気のカレラですし,安いところはすぐ売り切れると思うのでお早めに。
dancyuの2008年12月号は「ワイン大賞」の特集でした。力が入っているようではありましたが,あまり琴線に触れる部分はなく…
その中でピノ・ノワール大賞5000円以下部門で優勝したのがカレラのマウント・ハーラン・キュベ2006。単一畑のブレンドで早飲みできるものを目指しています。ワイナリ価格が30ドルなのに対し,日本では安いところでは3000円台。格下のセントラル・コーストでも4000円台が普通であることを考えると,かなり割安です。
元々人気のカレラですし,安いところはすぐ売り切れると思うのでお早めに。
昨日,買収する側のCos d'Estournel(コス・デストゥルネル)のインタビューを紹介したばかりですが,同じ11月5日付でなんとMontelena(モンテリーナ)のBarrettファミリーが売却のキャンセルを発表していました。
Reybier InvestmentsというのがCosのオーナーですが,契約条件に課せられた義務を果たせなかったということです。どういった契約条件だったのか明らかになっていませんが,一体何があったのでしょう。ただ一方で
と喧嘩別れではないことを匂わせています。社交辞令的な感じもしないでもないですけどね。
というわけで,昨日「買収した」と書いたのは間違いでした。訂正しておきます。なお,個人的には昨日のインタビューでちょっとげんなりしていた部分もあったので,「ほっとした」というのが正直なところです。
"Chateau Montelena Winery announced today it has terminated its sale agreement with Michel Reybier for the acquisition of the 127 year old Estate as Reybier Investments has been unable to meet its obligations under its contract with the Barrett family, who will retain ownership and not offer the winery for sale."Chateau Montelena Announces Termination of Sale Agreement With Reybier Investments
Reybier InvestmentsというのがCosのオーナーですが,契約条件に課せられた義務を果たせなかったということです。どういった契約条件だったのか明らかになっていませんが,一体何があったのでしょう。ただ一方で
"The process that just ended did not result in the outcome we or Mr. Reybier desired. However, we find ourselves energized by the enthusiasm and vision expressed by all the parties who bid for ownership of Chateau Montelena. We now embark on a pursuit with which we are familiar and uniquely capable -- to realize the full potential of this unique and special property,"
と喧嘩別れではないことを匂わせています。社交辞令的な感じもしないでもないですけどね。
というわけで,昨日「買収した」と書いたのは間違いでした。訂正しておきます。なお,個人的には昨日のインタビューでちょっとげんなりしていた部分もあったので,「ほっとした」というのが正直なところです。
Newton(ニュートン)というと数年前にブームになったシャルドネに代表される「Unfiltered」のラインが有名(シャルドネのほか,カベルネ・ソヴィニョン,メルローがある)ですが,その上にランクするPuzzle(パズル)というボルドーブレンドがあります。畑を112個の区画に分けて,それぞれ最適なときに収穫して小ロット専用の区画で別々に発酵,熟成させ,ここから最適なブレンドを決定するという凝ったワイン。パズルのようにブレンドを決め,できたものがそれぞれのパーツよりも良くなっているということからその名が付いたようです。
このワイン,2004年はWine Advocate誌で94-96点という過去最高の評価。パーカーは
と書いています。他のニュートンのワインと同様,飲むのはしばらく我慢した方が良さそうです。
米国での価格は65~100ドル。これがカリフォルニアワインあらかるとでは6000円台(税抜き),ワインダールでは「取り寄せ」扱いですがなんと5000円台と,現地価格より安くなっています。
特に後者は「激安」といっても過言ではないでしょう。この値段のうちに買っておいたほうが良さそうです。
【追記】柳屋にも入っていたので追加しました。
このワイン,2004年はWine Advocate誌で94-96点という過去最高の評価。パーカーは
The proprietary Bordeaux blend, the 2004 The Puzzle (70% Cabernet Sauvignon, 17% Merlot, and the rest Cabernet Franc) is a brilliant 1,000-case cuvee, showing the fabulous mountain terroir of the Newton Vineyard. This wine was still not in bottle when I tasted it, but by the time this report comes out, it will have been bottled unfiltered. Deep ruby/purple to the rim, with an exuberant display of aromatics consisting of black tea, creme de cassis, charcoal, incense, and again some truffle notes, the wine is full-bodied, with nicely integrated acidity, wood, tannin, and the influence of barriques kept well in the background. This is a big but impressively well-balanced wine that should come into its own in 3-4 years and last for 20-25 years.
と書いています。他のニュートンのワインと同様,飲むのはしばらく我慢した方が良さそうです。
米国での価格は65~100ドル。これがカリフォルニアワインあらかるとでは6000円台(税抜き),ワインダールでは「取り寄せ」扱いですがなんと5000円台と,現地価格より安くなっています。
特に後者は「激安」といっても過言ではないでしょう。この値段のうちに買っておいたほうが良さそうです。
【追記】柳屋にも入っていたので追加しました。
mixi日記でトモさんが「神の雫」の原作者である亜樹直さんのasahi.comの連載がもう少しどうにかならないかと,書いていたので読んでみました。10月21日に「世界初の缶ワインを飲んでみた」という記事があるのですが,私としては
またオーストラリアのバロークスが世界初の缶ワインかというと,それも間違っています。こちらの記事によると米国では古くは1936年から缶入りワインは作られていたとのこと。ただ,技術あるいはマーケティング的にうまくいったものはほとんどなく,成功例としてはBarokesが世界初なのかもしれません。
それから,どうせ缶ワインを飲むのならソフィア缶も試してみてほしかったところ。これ,中身はボトルのソフィアと同じだし,パッケージもおしゃれ。ピクニックなどに最適です。
ちなみにこの原作者,過去のインタビューでは
などと言っています。これが現在の現実と大きく違うのは図らずもコスの責任者のインタビューで明らかになっています。
ただし通気性のあるコルクと違って、アルミ缶は5年寝かせたとしても熟成はしない。念のため……というのに反応したくなります。奇しくもこの記事,本サイトの「コルクは呼吸などしない」と同じ日にアップされています。ぜひこちらを読んでから書いてほしかったものです。
またオーストラリアのバロークスが世界初の缶ワインかというと,それも間違っています。こちらの記事によると米国では古くは1936年から缶入りワインは作られていたとのこと。ただ,技術あるいはマーケティング的にうまくいったものはほとんどなく,成功例としてはBarokesが世界初なのかもしれません。
それから,どうせ缶ワインを飲むのならソフィア缶も試してみてほしかったところ。これ,中身はボトルのソフィアと同じだし,パッケージもおしゃれ。ピクニックなどに最適です。
ちなみにこの原作者,過去のインタビューでは
「アメリカワインは生産性、品質の均一性を重視する。100キロまでよく走るようにした自動車のようだといえばいいか。また雨やひょうが降ればぶどうにビニールをかぶせて保護する。一方、フランスでは自然状態そのままで栽培したぶどうで毎年違う味のワインを生産する。その分、自然環境そのもので深みもある」
などと言っています。これが現在の現実と大きく違うのは図らずもコスの責任者のインタビューで明らかになっています。
7月にChateau Montelenaを買収すると発表したボルドーのCos d'Estournelの経営責任者ジャン・ギョーム・プラッツが,日本で買収について語ったそうです。ユーロ高が背景にあったのは間違いのないところですが,それに加えて
そうです。また
とも語っています。
アメリカのワインを科学偏重の「ケミカル・ワイン」と呼んで馬鹿にしていたのはどこの誰だよと,ちょっと思いました。生産量を増やすことで質が下がらないことを願うばかりです。
"設備投資などの面で不足があり、コスデストゥルネルが購入することで、新しい何かをもたらせると考えた。コスデストゥルネル・プラッツ氏、モンテリーナ買収を語る : ワインニュース : ドリンク&ワイン : グルメ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
そうです。また
カリフォルニアで驚いたのは、ボルドーほど科学的なアプローチが進んでいないこと。人間の能力に重きが置かれている印象を受けた。1970~80年代のカリフォルニアは科学面で先行していたが、現在は遅れている。カリフォルニアのカルトワインは高品質だが、生産量が少なすぎる。我々は世界のグラン・クリュと認めてもらいたい。ボルドーのプリムール市場で売りに出す
とも語っています。
アメリカのワインを科学偏重の「ケミカル・ワイン」と呼んで馬鹿にしていたのはどこの誰だよと,ちょっと思いました。生産量を増やすことで質が下がらないことを願うばかりです。
先日の記事では見落としていましたが,St. InnocentのPinot Noir Shea Vineyard 2006が柳屋にありました。St. Innocentは日本にほとんど入っていないと思っていたので調べていませんでした。
それにしても,今回Sheaのワイン(Shea Wine Cellarsのものと他のワイナリが作るSheaのもの)は14本掲載されているのですが,そのうち13本は90点以上,5本は93点以上と,非常に高評価です。ちなみに93点以上は全部で40本。1/8を占めていることになります。その中でもSt. InnocentのものはJay Millerが
とSheaの中でもトップクラスの評価です。
それにしても,今回Sheaのワイン(Shea Wine Cellarsのものと他のワイナリが作るSheaのもの)は14本掲載されているのですが,そのうち13本は90点以上,5本は93点以上と,非常に高評価です。ちなみに93点以上は全部で40本。1/8を占めていることになります。その中でもSt. InnocentのものはJay Millerが
The 2006 Pinot Noir Shea Vineyard is a candidate for Shea of the vintage as well as my choice in this portfolio. It is the richest, most concentrated, and complex as well as the best balanced, nicely concealing enough structure to evolve for 4-5 years, about as much as one can expect from this vintage. It should be at its best from 2012 to 2021.
とSheaの中でもトップクラスの評価です。
10月は最近にしてはアップした記事が多く,全体のアクセスも多かったです。個別記事で見てみましょう。
1位はワインと全く関係ない「マカロン」でした。ちょうど日本橋店が開店した直後だったので,日本橋とラデュレとの組み合わせで検索した人が多かったようです。グルメ系のサイトはたくさんありますから,おそらく来月には検索順位も下がってアクセスも減るでしょう。
2位は先月まで3カ月連続で1位だった「ブショネのワインを救う方法」。3位の飛行機内へのワインボトル持ち込み,4位の「カレラ・ジェンセン」と並んで上位の常連です。
5位も常連ですが,これはカレーサイトに昔のブログへのリンクがあったのがここにリダイレクトされるもの。アクセス多くても,見た人はがっかりしているだろうと思うとちょっと気がかりです。
6位は先月8位だった別ブログの記事。過疎ブログの割にはこの記事だけはアクセスがあります。
7位は今月の記事。取り上げた三木香奈さんからもコメントをいただきました。
8位もトップ10の常連。
9位,10位は10月に書いた記事。10月21日公開と,今回ランクインした中では一番遅い記事ですが,珍しく「続きを読む」を使ったのがアクセスが増えた理由でしょう。10位の記事も「続きを読む」を使ったのがアクセスが多かった理由だと思います。
今回は10月執筆の記事が4本とまあまあのところ。うち2本がワインと無関係だというのがちょっと何ですが,そこは僕の力不足でしょう。
1. ラデュレ@日本橋三越のマカロン
2. 【保存版】ブショネのワインを救う方法
3. まとめ:飛行機内のワイン持込と箱について
4. カレラ ジェンセンあります
5. Ridge/Lytton Springs
6. Foodyn CMS開発日誌 - REST化についての考察(まとめ)
7. 祝・旨安大賞のハーン・カベルネ・ソヴィニョン2006
8. Robert Mondavi Winery
9. コルクは呼吸などしない
10. 三浦しをんと佐藤 多佳子
1位はワインと全く関係ない「マカロン」でした。ちょうど日本橋店が開店した直後だったので,日本橋とラデュレとの組み合わせで検索した人が多かったようです。グルメ系のサイトはたくさんありますから,おそらく来月には検索順位も下がってアクセスも減るでしょう。
2位は先月まで3カ月連続で1位だった「ブショネのワインを救う方法」。3位の飛行機内へのワインボトル持ち込み,4位の「カレラ・ジェンセン」と並んで上位の常連です。
5位も常連ですが,これはカレーサイトに昔のブログへのリンクがあったのがここにリダイレクトされるもの。アクセス多くても,見た人はがっかりしているだろうと思うとちょっと気がかりです。
6位は先月8位だった別ブログの記事。過疎ブログの割にはこの記事だけはアクセスがあります。
7位は今月の記事。取り上げた三木香奈さんからもコメントをいただきました。
8位もトップ10の常連。
9位,10位は10月に書いた記事。10月21日公開と,今回ランクインした中では一番遅い記事ですが,珍しく「続きを読む」を使ったのがアクセスが増えた理由でしょう。10位の記事も「続きを読む」を使ったのがアクセスが多かった理由だと思います。
今回は10月執筆の記事が4本とまあまあのところ。うち2本がワインと無関係だというのがちょっと何ですが,そこは僕の力不足でしょう。
Sea Smokeのピノはおととしまでは米国よりも日本の方が値段が安く入手も容易だったのですが,昨年から日本への入荷が激減してしまいました。おそらく米国内での需要が大きすぎて輸出に回す余地がなくなってしまったのでしょう。2005のSouthingは柳屋のサイトにも書いてあるようにオークションを除けば100ドル以上が実売。国内の方が安いという点だけは前の通りです。
Botella,Southing,Tenと並ぶ中でちょっと中途半端な位置づけのSouthingですが,今の状況だとSea Smoke好きな人は贅沢言わずに手に入るときに買っておいた方がよさそうです。
なお,2001年~2004年のWAのレイティングは90,92,92,90+と安定して高得点です。
Botella,Southing,Tenと並ぶ中でちょっと中途半端な位置づけのSouthingですが,今の状況だとSea Smoke好きな人は贅沢言わずに手に入るときに買っておいた方がよさそうです。
なお,2001年~2004年のWAのレイティングは90,92,92,90+と安定して高得点です。
Wine Advocate誌の179号が発表されました。アメリカ関係ではオレゴンのワインがレビューされています。レビュワはJay Miller。最高得点はBergstrom(ベルグストロム)のBergstrom Vineyard Pinot Noir 2006で95点。BergstromはほかにSheaやThe Whole Cluster Selectionというピノが94点になるなど,高得点のオンパレードでした。
日本市場に入っているワインを探したのですが,元々入っているワインが少ないことや,全ヴィンテージ入ってきていないことが多いため,なかなかマッチするものがありません。91点以上のもので見つけたのはShea(シェイ,シェア)のPinot Noir Pommard Clone 2006が93点,同じくSheaのPinot Noir East Hillが92点でした。
Pommard Cloneの方は
East Hillは柳屋がPinot Report(RPと紛らわしいですがPRと略しています)で97点とったとして宣伝していたワイン。Jay Millerは
と書いています。
日本市場に入っているワインを探したのですが,元々入っているワインが少ないことや,全ヴィンテージ入ってきていないことが多いため,なかなかマッチするものがありません。91点以上のもので見つけたのはShea(シェイ,シェア)のPinot Noir Pommard Clone 2006が93点,同じくSheaのPinot Noir East Hillが92点でした。
Pommard Cloneの方は
The 2006 Pinot Noir Pommard Clone has lots of spice, opulent fruit on the palate, serious richness, and a long, fruit-filled finish. It will be at its best from 2012 to 2021.
East Hillは柳屋がPinot Report(RPと紛らわしいですがPRと略しています)で97点とったとして宣伝していたワイン。Jay Millerは
The 2006 Pinot Noir East Hill has darker fruits, more density, serious depth and several years of aging potential. Savory, layered, and sweet, it will drink well from 2010 to 2018.
と書いています。