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Date: 2013/0531 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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Girard(ジラード)は、ナパでは珍しくコスト・パフォーマンスの高いワインを作っています。中でも個人的にお薦めなのはジンファンデルとソヴィニョン・ブラン。ジンファンデルは日本において3000円台で買えるものとしては、ベストの1つだと思います。何度もリピート買いしているワインです。最大の難点は、買えるときに買っておかないと、手に入らないことでしょうか。

ここのジンファンデルの特徴はバランスの良さ。ジンファンデルらしいふくよかさを感じる一方で、酸がしっかりと味を引き締めておりだれた感じがありません。日本の家庭料理にも合いやすいワインだと思います。

柳屋では6月2日までの限定で税抜き価格ですが2000円台というありがたい価格。6月2日は楽天でスーパーセールがありますから、その日に買うのが、ポイント面ではベストかと思います。まずは下記リンクから楽天スーパーセールの登録をしておきましょう(ポイントアップは登録が必要です)。ポイント気にしない人は、売り切れる前に買うのが吉です。

楽天スーパーセールはこちら

Date: 2013/0530 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Kendall-Jacksonを中心とするJackson Family Winesが、La Cremaブランドを拡大するそうです(Jackson Family Wines Eyes Luxury Pinot Noir, Extends La Crema | Shanken News Daily)。

La CremaはJackson Familyの中ではKendall-Jacksonに次ぐ規模のワイナリ。とはいってもKendall-Jacksonが2012年に310万ケースも生産しているのに対して、La Cremaは85万ケースですから大きな開きがあります。

La Cremaの強みは20ドルを超える価格帯のワインを中心としながら、近年の不況に耐えて成長してきたこと。2012年は2011年よりちょっと減ったものの、2008年に比べればそれでも20%増えているそうです。

同ブランドの今後の動きとしては、オレゴンのピノ・ノワールとモントレーのピノ・グリを出していくことが決まっています。Jackson Familyはここ数ヶ月でオレゴンの畑を積極的に購入しているそうで、La Crema以外のブランドでもオレゴン・ピノをやる可能性があるのかもしれません。

一方、ピノ・グリはカリフォルニアでは現在シャルドネに次ぐ2番目の生産量の白ワインとなっており、その動きに合わせたものと思われます。
Date: 2013/0529 Category: 音楽系
Posted by: Andy
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サントラは買うか買わないかまだ迷い中ですが、NHKから出ているムックは買いました。新品の最後の1冊。ラッキーでした。

あとは『潮騒のメモリー』出ないのかなあ? とりあえずYouTubeに上がっているのを聞いています。これ、2日に分けて放映されたのをわざわざつなげてアップしてくれた労作。






Date: 2013/0528 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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Wassy's傘下のパシフィックワインセラーズでラベル不良ワインの30%割引セールをやっています。

30%オフセールはこちら

オーストラリアものが多いですが、スーヴェランのシャルドネやヘンドリーのアンオークト・シャルドネ、個人的に大好きなFoxgloveのシャルドネと、シャルドネはカリフォルニアの出物がいろいろ。




Foxgloveではジンファンデルもあります。これは飲んだことないけど興味津々。



ほかにもいろいろありますのでチェックしてみてください。
Date: 2013/0526 Category: グルメ
Posted by: Andy
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昔は漬物系はあまり得意ではなかったのですが、年とともに美味しさがわかるようになってきたようです。
水茄子

今日はたまたま買ったばかりの漬物が2種類あったので、両方出してちょっと豪華な晩御飯。写真はないけどおかずで作った牛肉と大根の煮物も意外と?好評でした。

漬物の1つは水茄子。関東ではあまり見かけませんが、関西では人気のなすです。浅漬の瑞々しいのにちょっと醤油と七味を付けて食べると美味しい(そのままでも十分美味しいですが)。なぜだかワインショップで売っていたものです。



もう1つの漬物はキムチ。ごく普通の白菜キムチですが、以前テレビで見たことがある川崎の「慶」という店のもの。

食べてみると、最初に軽い甘味を感じますが、後からじわっと辛さが来ます。旨味たっぷりで本当においしいキムチです。普段家で食べている生活クラブのキムチもかなり美味しいですが、それよりも甘味がある分、万人向けの味になっています。値段は少々高いですが、人気が頷けます。



↑今ページ見たら6月から1パック500gを400gに減らす実質値上げだそうです。円安のせいだとか。
Date: 2013/0525 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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Melville、Brewer-Clifton、Diatomと押しも押されぬワイナリでワインを作るGreg Brewerが、より親しみやすい価格でワインを提供したいとして始めた新プロジェクト。以前の記事で紹介しましたが、国内でも販売が始まりました。

日本では、Gregが懇意にしている杉本氏のCh. Igai Takahaブランドの1つとしてCrossed Wingという名前になります。ブドウはHappy Canyonの畑から提供を受けるソヴィニョン・ブランです。

Date: 2013/0523 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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乙武洋匡さんが銀座のイタリアンレストランで入店拒否されたことが話題になっています(当初のTwitterのやり取りなどをまとめた記事「【Twitterで激白】乙武洋匡氏が車椅子を理由にレストランで入店拒否されたと告白 / レストランは謝罪と弁明」乙武さんがブログに書いた記事「イタリアン入店拒否について」)。

乙武さんが怒った理由は、入店を断られたことそのものよりも、店側の対応の悪さによるものだと思いますが、そもそも店として車椅子のお客さんにどこまで対応するか、というのはなかなか難しい問題だと思います。特に、都心では地下や2Fで階段しかアクセスがなく、スタッフもほとんどいない、といった店はありふれていますし。

では、これが米国だったらどうでしょう。

米国では父ブッシュの時代にできたAmericans with Disabilities Act(ADA)という法律があります。ここでは雇用や公共施設などで身体障害者差別を禁じることが記されており、レストランもTitle III—Public accommodations (and commercial facilities) に含まれています。

それによると、この法律よりも後に作られる建物では「アクセシビリティ・ガイドライン」を満たさないといけないほか、既存の建物でも、障害を取り除くことが“大きな困難でない”(原文は“easily accomplished without much difficulty or expense”)場合は、対応しないといけないことになっています。

今回の乙武さんのケースではビルにエレベーターがあるもののレストランがある2Fには止まらない形になっていたとのこと。おそらく米国であれば店側に非があるという判断になったのではないかと思います。

米国は、人種差別問題が大きな問題であったことからか、差別の撤廃を法律的に定める傾向が強く、人種・宗教・性別などで賃金の差別をしてはいけないなど、かなり多くの決まりがあります。障害者についても法律的に守られ、実際の社会でも日本より不自由が少なく暮らせるようになっている感じがあります。

ただ、訴訟大国の米国では、こういった決まりを逆手に取ろうという輩も登場します。Jarek Molskiという人は1985年にオートバイの事故で障害が残ったのですが、カリフォルニアで障害者用の駐車場の不備や手すりの不備など400以上もの訴訟を起こしました。

彼が相手にするのは中小の事業所だけ。前述の“大きな困難でない”という部分の曖昧さを突いたものでした。大きな会社にとっては“大きな困難でなく”できる解決策も中小にとっては大変であるということを逆手に取ったのでした。

最終的には、彼は裁判所で「ゆすり」であるとされ、それ以上の訴訟ができなくなったのですが、既にそれまでに大半が和解に持ち込まれており、232件の弁護を担当した弁護士の報酬だけでも1000万ドルを超えたと推測されています。

実は、彼の訴訟の対象にはワイナリも含まれていました。カリフォルニアワイン・インスティテュートの堀賢一さんによると、「『玄関にスロープが付いていない』『車いす用のトイレがない』『車いすでトイレに入ったら、トイレットペーパに手が届かず、不快な思いをした』等の理由で20以上のワイナリーに対して訴訟を起こし、膨大な慰謝料を手に入れ」たとのこと。

ある、ソノマのワイナリのオーナーは「裁判所経由の訴状で知らせるのではなく、訪問時に『車いすからではトイレットペーパーに手が届かないので、設置位置をかえてほしい』といってくれれば、すぐ変えるのに」と言っていたそうです。

こういうことがあるため、小規模のワイナリは、テイスティング・ルームを設けて一般に公開するのに及び腰になってしまっているそうです。一部のワイナリでメーリング・リスト・メンバーだけに公開を限っているところがあるのは、こういう問題があるからかもしれません(この場合は一般公開ではないのでADAの適用範囲ではなくなります)。

法律で守られているが、やや行き過ぎの面も出てしまう米国と、今の日本、どちらもいい面、悪い面がありますが、日本では「優しい心」を持っていたいと思います。
Date: 2013/0523 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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LAタイムズの記事によると、マーカッサンが2008年のピノ・ノワールのボトル詰めをあきらめたそうです(LA Times - Marcassin will not release 2008 Pinot Noirs; winery blames wildfires)。

20130408-marcassin.jpg

2008年の夏にはワイナリから35マイル北に離れたAnderson Valleyで129件もの山火事があり、そこからの煙が約2ヶ月も北カリフォルニアに広がったという記録があります。

マーカッサンのピノ・ノワールは、分析結果こそ煙の影響は見られなかったものの、香りにはごまかしようがなく煙の影響があり、ボトル詰めをあきらめたとのこと。「『痛い』というしかない」とジョン・ウェットローファー(ワイナリオーナーの一人であり、ヘレン・ターリーの夫)は述べています。

なお、発酵時にブドウの皮を使わない白ワインでは煙の影響は少なかったようです。

ところで、より煙の元に近かったAnderson Valleyはどうなっているかというと、精製やフィルターを使うことで、なんとか影響を減らしたりしたようですが、バルクワインとして売ってしまったワイナリもかなりあったようです。

カリフォルニアは山火事多いので、こういう影響も出るのですね。
Date: 2013/0522 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Advocate誌をやめたAntonio Galloniの新サイトVinousがオープンしました。会員制で年間120ドルというのはWine Advocate誌の99ドルよりも高い、かなり強気の設定。
Vinous

カリフォルニアではナパの2010年のワインを中心とした総括記事とレビューが公開されていますが、記事、レビュー、レイティングどれもWine Advocate誌の204号で公開された内容と同じなようです。

なお、期間限定なのかどうかよく分かりませんが、現在のところ登録なしでもレビューなど見られる状態になっています。

個人的には、ちょっと微妙かなという価格です。既にWine Advocate、Wine Spectator、Pinot Reportと有料登録してますしねえ。
Date: 2013/0521 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニアワインあらかるとにポール・ラトーのヒリアード・ブルース「アレグリア」2011が入荷しています。

ポール・ラトーはピノ・ノワールとシャルドネ、シラーを専門とするワイナリで、契約した畑からいくつもの単一畑のワインを作っています。有名なPisoniの畑のブドウを使った「ランスロット」では2008年のものがWine Advocate誌で96点、シラーではBien Nacidoの2007年が98点、シャルドネでも最高95点と、高得点のオンパレード。今最も注目されている生産者の1つです。日本には、ピノの目利きでは随一と思われるilovecalwine社が輸入しています。

ヒリアード・ブルースはサンタ・リタ・ヒルズにある畑。2010年の同ワインはWine Advocate誌で92点。ポール・ラトーのラインナップの中では一番早飲み型のワインのようです。生産量はごくわずかなので、入手はお早めに。



「ランスロット」は以前、試飲したことがありますが、ピゾーニのパワーとエレガンスを兼ね備えたとてもいいワインでした。これも期待できます。
Date: 2013/0521 Category: ワイン本
Posted by: Andy
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Kindleショップで売っている『無敵のカリフォルニアワイン講座《ナパ編》 』に新しいレビューが付いているのに気づきました。見るとこんなことが書かれていました。
(前略)
"Andy氏のこの本は、目から鱗な事が多すぎてメモりきれない。
今後何度もくり返し読むことになるだろうし、内容をアレンジして使わせて貰いたいとも思うw
この本の中で、特に勉強になったのが、ワイナリーを取り巻く、醸造家や栽培家の相関だ。グスタフ・ニーバムのInglenookをひとつとってみても 歴史と共に様々な形でInglenookに関わる 人々のドラマと繋がりをこの本から学びとれた。
そういった事が、この本には山の様にある!"
(後略)

Amazon.co.jp: 無敵のカリフォルニアワイン講座《ナパ編》の Caveweb担当さんのレビュー


いや、本当に嬉しいです。励みになります。ただ単に、こういうワインがあります、ということではなく、人を描きたいと思って書いているので、力不足の部分も多々ありますが、こういうふうに読んでもらえたら本望です。

最後には「Andy氏の続編に期待します!」と。

ハードル上がっちゃいましたね。頑張ります。

なお、Kindle版はiPhoneやAndroidでも読めますので、「Kindle持っていないから」といった遠慮はご無用です(笑)。

Date: 2013/0520 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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2007年のドミナスが日本に入って来ています。既に売り切れてしまった柳屋のページによるとわずか25ケースの入荷とのことで、あっという間になくなる可能性が高そうです。

Wine Advocate誌では98点。2002年の99点以来の高得点です(ちなみに2008年は99点!)。レイティングを付けたロバート・パーカーによると、この得点差はスタイルの違いというだけであり、2007年はエレガント、2008年は力強い作りになっているとのことです。

どちらにしても、これだけのワインが1万5000円台というのは破格の値段。ナパのカベルネ系で日本で安く買えるものというと、スポッツウッドとドミナス、そしてシェイファーのヒルサイドセレクトの3つを思い浮かべますが、スポッツウッドの輸入量が激減してしまった今、ナパのカベルネ・ファンであれば、これは手に入れておくべきワインでしょう。

また、パーカーに言わせると、ドミナスはナパとボルドー、しかもポーリアックとポムロールをブレンドしたような味わいだとのこと。ボルドー派にもお薦めできるワインです。


Date: 2013/0520 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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楽天で6月~8月の3カ月、国内の送料分をポイントで還元するキャンペーンが始まっています。先着1500名、キャンペーンの申し込みに975円かかりますが、月に数回使うユーザーなら入って損はないでしょう。限定数なのでお早めに。

申し込みページ
Date: 2013/0520 Category: 読書感想
Posted by: Andy
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ITジャーナリストの松村太郎さんのユニット茶太郎豆央(ちゃたろう・まめお)による米国西海岸の最新コーヒー事情をまとめた本「サードウェーブ」を読みました。



サードウェーブとは、スターバックスを代表とする「セカンドウェーブ」へのアンチテーゼとして起こった動き。元々、米国でコーヒーというと、いわゆる「アメリカンコーヒー」のような薄くて味気ないものばかりだったわけですが、そこに「グルメ」なコーヒーの楽しみ方を持ち込んだのがスターバックスや、本書でセカンドウェーブの発祥として取り上げているピーツ・コーヒーなどでした。

スターバックスは米国のコーヒー文化を大きく変えましたが、「大量生産・大量消費」という構造は残ったため、フェアトレードの動きに対応が遅れるなど、欠点も現れるようになってきました。

そこで2000年過ぎから起こったのが「サードウェーブ」です。

サードウェーブの特徴を端的にまとめると「コーヒー豆」へのこだわりということになりそうです。

例えば、コーヒーはブレンドせず1つの産地、1つの種類の豆を使うとか、店で焙煎をして、1杯ずつドリップするとか、煎り方は浅煎りが基本とか、いずれもコーヒー豆の特徴を引き出すことを狙っているようです。

バークレーで始まったこの動き、店では「カッピング」といってコーヒー豆の評価をするためのイベントを提供しているところもあるそうで、ワイナリにおけるワインの試飲のようだな、と思いました。

そもそも、コーヒー文化の発展過程も米国のワインの進化と似ているところがあるように感じました。スターバックスやピーツ以前のファーストウェーブの時代というのは、ワインでいうとGalloのHearty Burgandyなど、なんのブドウなのかも分からない、いわゆる「ジェネリック・ワイン」と似ています。

スターバックスなどのセカンドウェーブは、ロバート・モンダヴィなどが出てきて、ブドウ品種を明確にした「ヴァラエタル・ワイン」が広がった1970年代以降に相当します。

そして、サードウェーブは、より繊細な味わいを中心とするピノ・ノワールが流行り、単一畑の個性を引き出すワイナリが増えた2000年以降のカリフォルニア・ワインによく似ています。呼応しているとまでは言いませんが、何かしら空気感の共有があるように思います。

僕は、この本を読むまではコーヒーのサードウェーブについては知らなかったのですが、やはり同じ西海岸での動きだけあって、親近感を持って読むことができました。日本でもこういうコーヒー屋が出てくると面白いと思います。

(そういえばピーツ・コーヒーは一時期日本にも店があったのだけど、知っている人はどれだけいるだろう?)

なお、この本はKindle用になっています。Kindle端末を持っていなくても、iPhoneやAndroid端末で読めます。


こちらもよろしくお願いします。
Date: 2013/0517 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Merry Edwardsは女性ワインメーカーの草分けであり、ソノマのRussian River Valleyを代表するワインメーカーの一人でもあります。ピノ・ノワールが有名ですが、彼女の隠れた実力作がソヴィニョン・ブラン。最初にワインメーカーの職を得たMatanzas Creek以来、得意品種としています。

中でも2007年のソヴィニョン・ブランはWine Spectator誌で96点。ソヴィニョン・ブランとしては同誌で唯一96点以上を取ったワインになりました。2009年の年間9位という輝かしい結果を残しました。

今回は最新ヴィンテージのソヴィニョン・ブランです。

Date: 2013/0516 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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先日、日本橋高島屋で開催していたワインフェアに行ったとき、インポーターのデプトプランニングさんに試飲させてもらって気に入って買ったワインです。

C.G.ディアーリ(C.G. Di Arie)というワイナリは全く知りませんでしたが、シエラ・フットヒルズにあるワイナリ。「浸水キャップ式発酵タンク」という方式を自ら開発して醸造しているワインです。

通常、ワインを作るとき発酵中の液体とブドウの果皮などをよく接触させて味わいを引き出すために、「パンチダウン」といって浮いている果皮を沈める作業をします。

これはアロマを引き出したりするのに役に立つ一方で、繊細さを奪ってしまう部分もあります。そこで、タンクの底から液体を静かに抜き取りタンクの上から優しく入れることでパンチダウンと同じ効果と繊細さの共存を狙ったのが「浸水キャップ式発酵タンク」です。

前置きが長くなりましたが、このジンファンデル、確かに繊細。おそらくブラインドでジンファンデルだと思う人は半分もいないでしょう。香りも色もピノ・ノワール、しかも冷涼なオレゴンのピノ・ノワールかと思うような感じです。味わってみると、かすかな梅っぽさで、あ、もしかしてジンファンデルと思いますが、やはりデリケートな味わい。

これで2000円台というのはかなり秀逸。濃い系ジンファンデルが好きな人よりも、冷涼系ピノ・ノワールが好きな人に飲んでほしいワインです。

Date: 2013/0515 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Rupert Murdock
写真提供: Disney ABC Television Group
メディア王として知られるNews社のルパート・マードックがロスアンゼルスのワイナリMoragaを購入しました(Media Mogul Rupert Murdoch Buys California’s Moraga Vineyards)。

購入金額は公表されていませんが、数カ月前に不動産市場において売却意向が明らかになったときは2950万ドルの値段がついていました。

Moragaはビバリーヒルズの近くにあるベル・エアーのワイナリ。世界でも最も地価が高いところにあるワイナリとして知られています。ソヴィニョン・ブランとボルドーブレンドの赤ワインを作っています。

マードックの狙いは定かではありませんが、まずはワイン・ビジネスについて学ぼうとしているようです。
Date: 2013/0513 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ちょっと前の記事ですが、ウォールストリート・ジャーナルに、ワイン・コンサルタントについて書かれたものがありました(What Winemaking Consultants Really Do | On Wine by Lettie Teague - WSJ.com)。

ワイン・コンサルタントというと圧倒的に有名なのがミシェル・ロラン。この記事が書かれたきっかけもボルドーのシャトー・フィジャックがミシェル・ロランをコンサルタントとして雇ったことでした。それが明らかになったときに、多くの人がフィジャックのワインが「ロラナイズド」されることを懸念したのですが、コンサルタントに本当にそんなパワーがあるのかどうか、ということを調べたかったとのことです。

ミシェル・ロランが契約しているワイナリの数は200とも言われています。ロラン自身へのインタビューによると、ブラインド・テイスティングでロランのワインと他のワインを並べてテイスティングしたときに、100%違うと思われた方がロランのワインだったという例があるように、「ロラナイズド」されたワインについては否定的でした。

カリフォルニアのポール・ホブズ(南半球など40近くのクライアントがいます)は「クライアントと地域を反映したワインを作りたい」とやはり特定のスタイルを持つことには否定的でした。

このほか、キホーテやフィッシャー、ジェリコ・キャニオンなどのアーロン・ポット、フィリップ・メルカなども登場し、なかなか興味深い記事になっています。

一番多くの人の関心を引きそうなのは報酬についてでしょう。記事によるとロランの報酬は年間10万ドルから25万ドル(一部はタダとの話も)。アーロン・ポットは月額1万ドル、フィリップ・メルカは月額8000ドル。それだけの価値があるのだとすれば、やはりすごいことです。ちなみに評論家から高い得点を得るとボーナスがもらえることもあるそうですが、以前は92点以上だったのが今は95点以上になっているとか。

コンサルタント志望の若者は多いそうですが、確かにうまくいけばおいしいビジネスなのかもしれません。
Date: 2013/0512 Category: ワイン本
Posted by: Andy
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Kindle Direct Publishingで本を販売すると、通常販売価格の35%、KDPセレクトを使えば70%のロイヤリティ収入が得られます。日本の口座を登録すれば、1000円以上で入金してくれますので、「無敵のカリフォルニアワイン講座《ナパ編》」でも細々ながら収入が上がってくる状態です。

ただ、何も考えないで手続きをすると米国での源泉徴収で30%も引かれてしまいます。35%のはずのロイヤリティが実質24.5%まで落ちてしまうのですから結構大問題です。

これを避けるには、米国の納税者番号を取得して、アマゾンに提出します。先日重い腰を上げて手続きしたところ、なんだかんだで1ヶ月くらいかかりました。手間を惜しまず早めにやっておくのがいいと思います。

手続きはちょっと面倒ではありますが、アマゾンのサイトに書いてあるのに従っていけば大丈夫です。

» 続きを読む

Date: 2013/0512 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2013年5月23日、大阪の「ザ・リッツ・カールトン大阪」でAmerican Wine Dayというイベントが開かれます(American Wine Day)。

150種類以上の米国産ワインが試飲できるというこのイベント、一般向けは19時からで5000円。試飲代のほか軽食や抽選会のエントリーも付いています。

また、昼間には業界向けの試飲会も開かれるとのこと。こちらも参加者を募集中だそうです。

うまくいったら関東でも開かれる可能性があるとのことで、関西方面の方、ぜひ参加をお願いします。
Date: 2013/0510 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ロバート・パーカーが自身の掲示板に、現在のワイン市場における問題点を挙げています。「お前が言うか」という向きもあるでしょうが、どんなことが挙げられているのかひと通り訳しておきます。

  1. 25ドルを超える価格のワインは相変わらず売れない
  2. コストパフォーマンスの高いワインはいろいろなところで作られる。しかし、主として南米、スペイン、南仏、南イタリア、東欧(ブルガリアに気をつけなさい)、南オーストラリア、南アフリカが依然として牽引役である
  3. ワインの販売と流通を仕切るのは依然としてワイン業界、特に議会に影響力を持つ卸売業者だ
  4. ワインのレイティングやスコアはこれまで以上に重要だ。しかし評点があふれる中で影響力を持つのは、わずかなソースに限られる
  5. ボルドーのフューチャーは次の偉大なヴィンテージが出てくるまで瀕死の状態だろう
  6. ワインを長期間セラー熟成させて楽しむ人達は絶滅の危機に瀕している。果実味を重視し、早くから楽しめるワインへと好みが移っているからだ
  7. 二酸化硫黄無添加ワインなどの馬鹿げたものをありがたがる風潮は自然消滅しつつある
  8. ワイン業界で力を持つものへの一極集中はこれまで以上に危険なレベルに達している
  9. ワインの劣化は依然として流通過程で起こる。低温輸送や倉庫の費用を無駄と思う流通業者のためだ
  10. 若い世代はクラフトビールなどを飲むようになり、ワインは勉強して楽しむに値しないと考えつつある


1番に関してはだいぶ情勢が変わりつつあるような気がします。後はそれなりに当たっているようにも思いますが、みなさんの意見はどうでしょうか?
Date: 2013/0508 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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サンタ・ルシア・ハイランズ(Santa Lucia Highlands)を代表するワイナリの1つがRoar(ロアー)です。

この地域を一躍有名にした畑がPisoniであることは、たびたび紹介していますが、Pisoniの畑を作ったGary Pisoniの幼なじみがGary Franscioni(ゲイリー・フランシオーニ)。彼のワイナリがRoarです。Pisoniの兄弟的位置付けの畑であるGarys'(二人のゲイニーによることが由来)、Rosella(ゲイリー・フランシオーニの奥さんの名前)の二つの畑でRoarだけでなく、多くのワイナリから人気のピノ・ノワールを産み出しています。

2007年にはSiduriのAdam LeeからAugust WestのEd Kurtzmanへとワインメーカーが代わり、人気もますます高まっています。

というわけで、米国での人気により日本への入荷数はどんどん減っていっているのが実情です。今回はピノ・ノワールはSanta Lucia HighlandsのAVA名義のもの(といっても中身はGarys'とRosella'sとSierra Mar)と、シャルドネがSierra Marだけという事態に陥っています。追加の入荷も期待薄なので、買うなら「今でしょ!」状態です。

なお、このSierra Marというのは2007年に植えた比較的新しい畑ですが、標高が高く風が強いところで、元Wine Advocate誌のAntonio Galloniによると「ジェームズ・ボンドの映画のオープニングに登場しそう」なドラマチックな畑だそうです。
Date: 2013/0507 Category: グルメ
Posted by: Andy
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自宅の家電製品の中で一番古かったオーブン・レンジがついに壊れてしまい、買い換えることになりました。

選択基準は主に下の3つ。
・これまでオーブン・レンジが入っていた食器棚内のスペースに収まる(奥行き42cm以内が必要)
・オーブンと電子レンジを比べたら電子レンジを使う頻度の方が圧倒的に多いので、そちらの機能を重視
・でも、スチーム・オーブンもはやりなので欲しい
・価格は2万円台~3万円台

電気屋に行っていろいろ見たところ、電子レンジ機能はパナソニックと日立が比較的良さそうでした。他の機能と併せて選んだのは日立のMRO-LS8。白と赤があって赤が欲しかったのですが、入荷が1ヶ月先とのことで、結局ネットで購入しました。



過熱水蒸気によるオーブン機能で唐揚げもできるということだったので、さっそく試してみました。結果としては、唐揚げとは違うけど似たようなものが出来上がり(笑)

・粉をつけすぎると白く残る、少なすぎると唐揚げっぽくならないので加減が難しい
・鶏の胸肉を使ったが、油が落ちて身がしまるので、固くなりがち。もも肉の方が向いているだろう
・皮の部分はカリッとなって美味
・油で揚げるのよりあっさりめの味になるので、下味はしっかり付けた方が美味しい。
・オーブンに入れたら、出来上がるまで手が空くのでかなり楽できる

メニューにはもも肉のハーブ焼きみたいなのもあったので、そちらの方が向いているかもしれません。まだ全然使いこなせていませんが、少なくとも電子レンジ機能は期待通りのものがありそうです。
Date: 2013/0506 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニアのピノ・ノワールの畑の中でも人気が高いのがピゾーニです。ブドウの提供先が一流のワイナリに限定されているのがその理由の1つ。ピゾーニ創設者のGary Pisoniは、品質が気に入らないワイナリには供給を止めてしまうほど品質保持を徹底しています。

日本にもピゾーニの畑のワインはいろいろ入ってきていますが、比較的入手困難なものの1つがキャピオー(Capiaux)。創設者のSean Capiauxは、Pine Ridge、Peter Michaelなどで働きながら1994年にピノ・ノワール専門のブランドCapiauxを立ち上げた人。現在はCapiauxのほかナパのハウエル・マウンテンにあるO'Shaughnessy Estateのワインメーカーをしています。

柳屋にそのキャピオーのピゾーニ2010年が入荷しています。キャピオーの説明には「ピノではかの英雄サー・ピーター・マイケルの元で、ピゾーニからの 『ムーラン・ルージュ』 を完成させ」とありますが、Moulin Rougeは1997年が最初のヴィンテージ。Sean Capiauxは1996年から2000年まではニューヨークに住みながらCapiauxとニューヨークのいくつかのワイナリでワインを作っていたので、ちょっと外れていそうな気がします。

わずか269ケースの生産で、ワイナリでは売り切れのワイン。これを逃すとまず入手はできないでしょう。

Date: 2013/0506 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ポスター
ソノマのRussian River Valleyにおけるワインの歴史を当事者の証言で紐解くドキュメンタリーが6月にPassport of Pinotイベントで上映されます(Documentary about the Rise of the Russian River Valley Wine Region)。以下がその予告編。



この短い予告編だけでもJoe Rochioli Jr.(ロキオリ家で果樹園からブドウ畑への切り替えを推進し、ピノ・ノワールを植えた人)やDavis Bynum(RRVのピノの先駆者)、Burt Williams(Williams Selyemの創設者)などが登場しており、個人的にはとても気になる内容です。

というのも、このところワイナリ紹介ブログの方ではRochioliWilliams Selyemといったワイナリを書いており、RRVの歴史について、いろいろ思いを馳せていたところなのです。

上映は6月7日。場所はSanta RosaのVintner's Innです。詳しくはサイトで。

また、6月8~9日のPassport to Pinotイベントはこちらで。
Date: 2013/0504 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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castillodiamarosa.jpg
写真提供:jimg944

ナパ・ヴァレーのワイントレインがワイナリ見学を組み込んだツアーを追加しています(Napa Valley Wine Train launches tour to Castello di Amorosa : St. Helena Star)。

今回増えたのはCastillo di Amorosa(カスティーヨ・ディ・アモローサ)。ピクニック・エリアで人気のワイナリV. Sattuiのオーナーが作ったワイナリで、イタリアはトスカーナ地方のお城を模した建築がユニークなところです。

ツアーはランチ・トレインとセットになっており、ランチの後列車を降り、バスでツアーに向かい、ワイナリ見学後はバスでナパの駅まで戻ります。ナパ到着は16時なので、サンフランシスコから公的交通機関を使って日帰り可能です。

なお、現在提供されているワイントレインとセットのワイナリツアーは、これを含めて計6つ。他のツアーは
・Raymond(毎昼提供)
・Grgich Hills(毎昼提供)
・Domaine Chandon(金~日昼提供)
・RaymondとZD(月~木昼提供)
・Grgich Hills(土日の夜提供)
となっています。

詳しくはワイントレインのサイトで。
Date: 2013/0502 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニアワインあらかるとにCh. Igai Takahaのサムライ・ビューティ2011が入荷しています。これまでと同様、Greg Brewerの手によるシャルドネですが、名義上はこれまでのDiatomではなく、Brewer-Cliftonからということになります(樽を使っているので、樽を使わないDiatomの決まりから外れてしまうのが理由だそうです)。

1樽限りの醸造(約300本)なので、これを逃すと入手は難しいかもしれません。

また、同時に「オフクロ・ビューティ」も入荷。これはCh. Igai Takahaのナパさんこと杉本さんがご自身のお母様にプレゼントするために作ったワイン。Brewer-Clifton、PalminaのSteve Cliftonが醸造したピノ・ノワールです。畑はBrewer-CliftonやPaul Latoが単一畑のピノ・ノワールを作っているZotovich Vineyardですから、品質は折り紙つき。

Date: 2013/0502 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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19世紀に始まった老舗ワイナリMayacamas Vineyardsを、元スクリーミング・イーグルのオーナーであるCharles Banksが買収しました(Charles Banks and Partners Buy Mayacamas Vineyards)。

買収価格は公開されていません。

Charles Banksはもともと実業家でNFLのセントルイス・ラムズなどを持っていました。2006年にStanley Kroenkeと共にScreaming Eagleを買収、サンタ・バーバラのJonataも買い取りました。その後、2009年に両ワイナリかれ手を引いていました。

今回の買収後、ワインメーカーは元スクリーミング・イーグルのワインメーカーだったAndy Ericksonに変わる見込み。

老舗ながら地味なイメージが拭えないMayacamas Vineyards。ここのポテンシャルに何を見出したのか分かりませんが、スター・ワインメーカーを迎えてどのように変わっていくのか興味深いところです。