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Date: 2014/0226 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパでまた1つ、新しいプレミアムなワイナリが誕生しました。名称は「Kata」。日本語の「型」から取った名前です。アントニオ・ガッローニが紹介しています(Kata: An Exciting Debut From Napa Valley (Feb 2014) | Vinous - Explore All Things Wine)。

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ワイナリのオーナーはDavid Beckstoffer(デイビッド・ベクストファー)。ナパの歴史で必ず登場するAndy Beckstofferの長男で、ナパ最大の畑のオーナーであるBeckstoffer Vineyardsの社長です。同社の所有する畑には、100点ワインを輩出しているBeckstoffer To-Kalonなどがあります。

「型」で使っているのはセント・ヘレナにあるBournという畑。カベルネ・ソヴィニョンに加えて、古くから植わっているプチ・シラーがあります。

ワインは、この2種の混醸によるワイン1つ。ワイナリ価格は165ドルというからかなり強気です。

ワインメーカーはボルドー出身のBenoit Touquette。ミシェル・ロラン、アンディ・エリクソンに師事し、Realm、Magrez、Hartwellなどでワインを作っていたそうです。

ナパのプレミアムなワイナリというだけだと、今や数えきれないくらいあるので、その中で独自の立ち位置を築けるのか注目です。
Date: 2014/0226 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2014年2月18日~21日に、ナパのMeadowood Resortで「The Symposium for Professional Wine Writers」というプロのワインライターのイベントが行われました(A healthy dose of Mr. Parker | Decant This! ... the wine blog of Bill Ward)。

プロのワインライターといっても、ピンからキリまであるわけですが、今年の基調講演に登壇したのはプロのライターのトップ中のトップ、ロバート・パーカー・ジュニアでした。

引用した記事はパーカーの講演から気になったフレーズを抜き出したもの。なかなか面白いですが、カリフォルニアワインファンとしては次のフレーズを選ばないわけにはいきません。

California is making more world-class wines than it ever has. I see chards and cabs that can rival France’s best. And I don’t think that story is told enough.


カリフォルニアのシャルドネとカベルネ・ソヴィニョンはフランスの最上のものと並んでおり、これまで最高のワールドクラスのワインを作っている。それについてはまだ十分に語られたとは言えないと思う。とのことです。

Lion in Winter: Robert Parker Addresses Wine Writers | RJonWine.com」の記事にはより詳しいやり取りが書かれています。それによるとIPOBの先鋒であるSFクロニクル紙のJon Bonné氏が低アルコールワインについてパーカーが否定的であることについての質問をしています。

パーカーは、ただ単にアルコール度を低くするためだけに収穫時期を早めることについてはこれまでと同様、否定的な見解を示しました。そして、逆の例として、スティーブ・キスラーの新プロジェクトOccidentalのワインを取り上げています。Occidentalのピノ・ノワールはアルコール度を12.5%~13%に抑えながら、マイクロクライメットとワイン作りの技術によって凝縮した味わいも達成しているとのことです。

このあたりは宗教論争的な部分もあるので1つの結論を出すのは難しいように感じました。

まあとにかく、カリフォルニアワインについてのいい話は、どんどん語ってほしいものです。
Date: 2014/0225 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カーネロスで今一番ホットなワイナリといっても過言ではないDonum Estate(ドナム)のワインが日本で販売始まりました(ワイナリについては「The Donum Estate: カーネロスの注目株となったピノ専門の新進ワイナリ」は参照のこと)。

しかも、ごく少量しか作っていないシャルドネも入っています。

Date: 2014/0225 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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アントニオ・ガッローニが、これから伸びてきそうなカリフォルニアのワイナリをまとめています(The Undiscovered California (Feb 2014) | Vinous - Explore All Things Wine)。

取り上げられているのは以下のワイナリです。
Ancillary Cellars
Apsara
Banshee
Cirq
Comptche Ridge Vineyards
Idlewild Wines
Patiné
RPM
Sandlands
Wayfarer
Wilde Farm Wines
Wren Hop
Zacherle

この中でSandlandsはTurley Wine CellarsのLarry Turleyの元で畑の管理とワインメーカーをしていたTegan Passalacquaという人のワイナリ。PatinéとAncillary CellarsはThomas Rivers Brownの下で働き、現在はMark Carterのワインを作っているMike Smithという人のワイナリ。また、ApsaraはMike Smithの助手のRobin Akhurstのワイナリ。

このほかCirqはKosta BrowneのMichael Browneが手がける自社栽培のピノ・ノワールのプロジェクト。RPMはIPOBを最初に始めたRajat Parrによるワイナリ。

どれも今後が期待できそうです。
Date: 2014/0224 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパで毎春恒例のPremiere Napa Valleyオークションが開催されました。落札総額は590万ドルと2012年の310万ドルを大幅に超えた記録を打ち立てました(Premiere Napa Valley Crushes Record Raising Nearly $6 Million)。
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ワイン業界の景気が良くなってきている、特に高額ワインの販売が持ち直している上に、大豊作で質的にも良かったとされる2012年のワインが今回の大半を占めていたことが、好結果につながったようです。

ワイン業界向けに開催されるこのオークション(夏のAuction Napa Valleyは一般向け)では出品者はこのイベント専用に作ったワインを提供する必要があり、1ロットは60本以上240本以下と決まっています。今回の結果はワイン1本当たりの平均でも283ドルという高さでした。

中でも最高額ロットとなったのはScarecrowの26万ドル。過去最高だった12万5000ドルの倍以上の落札額でした。

日本の輸入業者である中川ワインも例年通り高額落札者に名を連ねています。
Date: 2014/0223 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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シャトー・イガイ・タカハの新作ワインをグレッグ・ブリュワーが解説(前編)」の続きです。

セミナーは、サンタ・リタ・ヒルズの特徴の説明から始まりました。

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カリフォルニアは暖かいところというイメージが強いですが、意外と緯度は高く、サンタ・リタ・ヒルズの緯度は日本で言うと仙台と同じくらい。北になる分、夏場の日照時間は長くなります。

サンタ・リタ・ヒルズをカリフォルニアの中でも特別な地域にしている最大の理由が山脈の向きです。ナパとソノマを隔てるマヤカマス山脈に代表されるように、カリフォルニアのほとんどの地域で山脈は海岸と平行、すなわち南北に向かいます。ところが、ここは海岸線が折れ曲がることによって山脈が東西に走っています(下の図で赤いのがサンタ・バーバラ郡でサンタ・リタ・ヒルズはこの中にあります)。
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その結果、海からの風や霧が非常に入り込みやすく、涼しい気候になります。特に海からの風はすさまじく、この地のブドウの木は全部東側に傾いて生えているのだそうです。

また土壌も海の砂と海からの珪藻土が主体(グレッグの元のワイナリDiatomは珪藻の意)。ちょっと塩っぽいような海のニュアンスがワインにも現れます。グレッグは、これが海に囲まれた日本と似たところがあるとしていました。

ワイン作りでは日本の思想に影響を受け、ミニマリズム的な考えを持っています。

一般的なワイン作りでは、収穫したブドウに樽やバトナージュ(発酵中にワインと澱を混ぜること)、マロラクティック発酵、さらにシャンパーニュではドサージュ(瓶内の澱を抜いたあとにワインやシロップを加えること)といった、味わいを付加する方向に様々な手を加えます。

これに対して、グレッグはブドウをしっかり熟した状態で収穫し、そこに味を加えるのではなく、むしろ引き算によって味わいを引き出していくことを志向しています。「引き算の料理」と言われる日本食とグレッグのワインに共通するところです。
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試飲は3つのシャルドネから始まりました。「波紋」はブドウ畑にかかる霧のイメージから、「美夜」はブドウ畑に行ったときに月がきれいだったところから名付けたと、杉本さんから説明がありました。また、美夜の畑はSweeney Canyonのクローン、波紋の畑はSea Smokeのクローン、侍の畑はClone4とHydeのクローンが植わっているとのことでした。

シャルドネ3種はどれも柑橘系の酸味を強く感じました。一番女性的な味わいだという美夜はミネラルっぽさを比較的強く感じ、一番丸い味わいだという波紋はハーブや完熟していないパイナップルのような味わいを感じました。侍は柑橘系の中でもレモンよりもオレンジっぽい感じ。温度が上がるとトロピカルフルーツのような味わいも出てきました。

ピノ・ノワールでは除梗について解説がありました。

グレッグが作るワインの中でBrewer-Cliftonでは100%除梗なし(全房発酵)、Melvilleでは1/3除梗なしにしているとのこと。サンタ・リタ・ヒルズではとてもよく熟したピノ・ノワールが収穫できますが、完全に除梗して作るとブルーベリーなど青系の果実のイメージになるといいます。除梗しないことによって青系の果実味がラズベリーなど赤系の果実味になり、ワインがフレッシュな味わいになるとのことです。シャトー・イガイ・タカハのピノ・ノワールでは「園」だけ除梗なしで作られています。

このほか、収穫するときの酸はやや低めになりますが、マロラクティック発酵をしないことで酸味を維持しているとのことでした。

ピノ・ノワール3種では全房発酵の「園」が一番タニック。イチゴやラズベリーに加え、海苔のような海を思わせるフレーバーを感じました。「風音」もややタンニンを強く感じました(若いせいもあるのでしょう)。赤系の果実に加えてミネラルっぽさを感じました。「鼓動」は一番丸い感じ。赤系の果実に加えてブルーベリーっぽさもあり、いちごジャムのようなフレーバーもありました。

個人的には、今飲むなら「波紋」「鼓動」。熟成を楽しむなら「美夜」「園」かなあと思いました。

最後にグレッグと通訳を務めた香奈さん。
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Date: 2014/0222 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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「カリフォルニアワインのファンクラブ」(CWFC)会長だったナパさんこと杉本さんがカリフォルニアで作るシャトー・イガイ・タカハ。実際には数人のワインメーカーに作ってもらう形になっていますが、中でもフラグシップ的位置付けにあるのが、サンタ・バーバラでGreg Brewer(グレッグ・ブリュワー)が作る「漢字」シリーズ・ラベルのシャルドネやピノ・ノワールです。

漢字ラベルのワインにも、元々イガイ・タカハ用に作っていたもの、グレッグのDiatomから移管したものとあり、少々複雑なことになっています。簡単におさらいしておきましょう。

グレッグはMelvilleやBrewer-Cliftonのワインメーカーとしてサンタ・バーバラのサンタ・リタ・ヒルズを代表するワインを作ってきました。2000年代なかばに、自身のプロジェクトとしてDiatomを始め、樽を全く使わないシャルドネを作りました。

そこへ、かねてから懇意だった杉本さんが、グレッグに古樽を使ったシャルドネをリクエストして作ってもらったのが2006年のシャトー・イガイ・タカハ サムライ・ビューティでした。

このワイン、ロバート・パーカーが95点を付けたできばえでした。当時の表記はアルファベットでSamurai Beautyとしていましたが、現在は「侍」という漢字ラベルのワインとして残っています。

一方、グレッグはDiatomのワインに日本的な思想を取り入れ、2010年から畑名を名乗らずに漢字のラベルを付けるようになりました。それが「波紋」「美夜」「風音」「鼓動」の4つのシャルドネです。漫画「神の雫」で大きく取り上げられて日本でも大人気になりました。

グレッグは個人的な事情でDiatomをやめることになりましたが、そのときに漢字ラベルのワインをシャトー・イガイ・タカハに移管することになりました。その最初のヴィンテージが2012年で、昨年秋に「波紋」と「美夜」および「侍」の3つのシャルドネがリリースされました。そしてこの2月には新たにピノ・ノワールとして作られるようになった「風音」と「鼓動」および、2010年からシャトー・イガイ・タカハのピノとしてグレッグが作っていた「園」がリリースされました。

このリリースと杉本さんの還暦祝いを兼ねてグレッグが来日し、アカデミー・デュ・ヴァンで、これら6種類の漢字ラベルワインを試飲できるセミナーを開催しました。それが、この記事の本題です。
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というわけで、やっと前置きが終わりましたが、長くなったので肝心のセミナーについては別記事にします。
Date: 2014/0219 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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サンタ・バーバラでのピノ・ノワールの開拓者として知られるAu Bon Climat(オー・ボン・クリマ)。1990年代には日本での「カリ・ピノ」の人気をカレラと2分していました。

そのAu Bon Climat(略してABC)のトップキュヴェがイザベルというピノ・ノワール。一番いい樽のものを選んでブレンドすることによって作られています。イザベルというのがオーナーであるジム・クレンデネン氏の娘さんの名前で、さらに長男の名前を付けたノックスというピノ・ノワールがあることも多くの人がご存知でしょう。

実は、イザベル・クレンデネン嬢、しばらく日本にいました。オー・ボン・クリマの輸入元である中川ワインでインターンとして働いていたのです。まだ19歳なのでワインは飲めないのですけど…

そのイザベル嬢にイザベル注いでいただきました。

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ボトルは彼女のサイン入りです。

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19歳といってもさすがに堂々としたもの。マンガが大好きだという彼女、明るくていい子でした。

久しぶりに飲んだイザベルは、以前の印象よりももっとエレガントになっていました。前は濃厚タイプの印象だったノックスも大分エレガント寄り、かつては新樽を効かせていたニュイ・ブランシュも穏やかな樽の使い方になっていました。エレガント・ワイン派にはABCとてもいいと思います。

さらに、このほど輸入元定価を値下げとのこと(対象はブルーラベルが付いたイザベル、ノックス、ニュイ・ブランシュ、ヒルデガード)。イザベルは7000円から5800円、ノックスは6600円から5500円、ニュイ・ブランシュとヒルデガードは5000円から4500円へと値下げです。

円安時代にこれは嬉しいですね。
Date: 2014/0218 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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最近飲んだワインから2本紹介します。

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1つはダイアトムからシャトー・イガイ・タカハにワイナリが変更した漢字シリーズのシャルドネ「美夜」(みや)。2012年のワインで、最初はちょっと暴れた印象がありましたが、2日目、3日目とだんだん落ち着いておいしくなってきました。
鮮烈な酸味にハーブのようなニュアンス、とても力強さを感じるワインです。濃厚な味わいのサンマの糠漬け焼きとよく合いました。

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もう1つは僕が3000円台のベストシラーではないかと思っているコパンのトゥス・アンサンブル。
これは濃すぎずバランスのよさがうかがえるシラー。お薦めです。


Date: 2014/0216 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパ・ソノマなどノース・コーストでようやく雨がふりました(Heavy Rains Ease California Drought--Slightly - Wines & Vines - Wine Industry News Headlines)。

まだ水不足状態から抜け出すほどのレベルではありませんが、何はともあれ一息付いたようです。

Date: 2014/0215 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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オレゴンのファイアースティードは、どちらかというとコスト・パフォーマンスの高いワインを作ることで定評があるワイナリです。

ただ、そこのCitation(サイテーション)というフラグシップのワインだけは別物。ピノ・ノワールでは16カ月の樽熟成に加えて、84カ月の瓶熟成と、計100カ月すなわち8年強の熟成を経て出荷されます。しかも良年にしか作られません。

ワイナリ価格が70ドルでわずか375ケース(4500本)ということで、商売というよりも、ほとんど趣味で作っているような感じがします。

熟成したオレゴン・ピノって全然経験ありませんが、興味深いワインです。

Date: 2014/0213 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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Wine SpectatorのWine of the Year 2013で第3位に入ったのがオレゴンにあるドメーヌ・セリーヌのエヴァンスタッド・リザーブ2010年でした(同誌のレイティングでは95点)。

このほど、このワインが日本に入荷されてきています。7000円台というのは、トップクラスのピノ・ノワールとしてはかなり安い価格。前ヴィンテージの2008年より500円ほど高くなっていますが、世界3位で引く手あまたなことを考えれば、十分御の字でしょう。

エヴァンスタッドはドメーヌ・セリーヌのオーナー夫妻の苗字。様々な畑のブドウからいいものを集めて作ったリザーブです。カリフォルニアで言えばオー・ボン・クリマのイザベルのようなものです(全く余談ですが、イザベルちゃんは現在日本のあるインポーターでインターン修行中です)。

オレゴンのトップ・ピノと言われているドメーヌ・セリーヌの中でもまさにお墨付きワイン。個人的にもかなり気になっております。

Date: 2014/0211 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2013年のカリフォルニアのワイン用ブドウの収穫について第一報が出ています(Crush Report: 4.23 Million Tons Crushed, Average Price Per Ton Drops 5 Percent for Reds)。

それによると、2013年の収穫は423万トン。2012年の401トンを上回り、過去最高となりました。レーズンや生食用を加えた収穫も468万5000トンと過去最高でした。

収穫量が一番多い品種はシャルドネで16.1%の構成比。2番目はカベルネ・ソヴィニョンで11.1%、3番目はジンファンデルで10%でした。

一方で、価格は2012年より下がって1トン当たり772.56ドルから746.49ドルになりました。価格の下落は赤ワインで顕著で、白ワインは前年から横ばいもしくは上がっています。
Date: 2014/0210 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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Diatomで一世を風靡した漢字ラベルのシャルドネシリーズ。Diatom生産終了に伴い、シャトー・イガイ・タカハから売られるようになっています。既にいくつかのワインが発売されていましたが、このほど「風音」と「鼓動」の2つが柳屋で発売になっています。

この2つは今回よりシャルドネでなくピノ・ノワールに。いずれもサンタ・リタ・ヒルズのブドウでGreg Brewerによって作られています。畑は明らかになっていませんが、Brewer-Cliftonと同等のところではないかと思われます。

また、従来からシャトー・イガイ・タカハのピノ・ノワールとしてGreg Brewerによって作られていた「園」も、今回からシリーズの1つに組み込まれました。畑は以前と違っているようです。柳屋では「メルヴィル」ではないかと想像していますが、どうなのでしょう…

なお、2月18日には青山のアカデミー・デュ・ヴァンでこれらピノ・ノワール3種とシャルドネ3種がテイスティングできるセミナーが開かれます。なんと、講師はGreg Brewer本人とシャトー・イガイ・タカハの杉本さん。残席僅少です。

Date: 2014/0208 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Kistlerのスティーブ・キスラーが新しいワイナリを始めるらしいという記事(キスラー謎のオーナー変更とスティーブ・キスラーの新ワイナリ)と、その続報(スティーブ・キスラーの新ワイナリは、ちょっとガセっぽかった)を先月書きました。

Kistlerのサイトを見たら、アントニオ・ガッローニのVinousに載った記事が転載されており、そこにこのプロジェクト「Occidental」についてより詳しく書かれていました。Kistler自身による発表ではないですが、わざわざ貼っているのですから、意向に沿ったものと考えていいのでしょう。

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これによると、新プロジェクトはスティーブ・キスラーが将来2人の娘に後を継いでもらうことを考えて作ったものだとのこと。ワイン名のCuvee Catherine(キュベ・キャサリン)とCuvee Elizabeth(キュベ・エリザベス)に、その名前が入っています。

スティーブ・キスラーはこのプロジェクトのためにソノマ・コーストのBodegaにワイナリを建築中。そこには現在20エーカーのピノ・ノワールの畑があり、将来はさらに60エーカーを追加する予定です。

Occidentalは、今後2、3年はKistlerのメーリング・リストで販売しますが、その後は完全に独立したワイナリになります。ピノ・ノワール専業です。

前の記事で書いたようにスティーブ・キスラーはKistlerのCEOとして残っていますが、Occidentalが完全に立ち上がったら、現在のKistlerからは手を引くことも十分にありえるように感じました。
Date: 2014/0206 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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説明書く時間がないので、ジョージというだけでピンとくる人だけ見てください。売り切れゴメン。

Date: 2014/0205 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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前回の続きです。

試飲ではラジャ・パーのSandhi、Domaine de la Côteのほか、マット・リックライダー(Matt Licklider)のLiocoのワインを味わいました。いずれもIPOBです。

また、IPOBのワインは食事に合わせることを主眼としているので、今回は銀座「逸喜優」の寿司と合わせていただいています。逸喜優は寿司とワインとのマリアージュを目指しているとのことで、干瓢巻きにオリーブオイルを付けていただくなど、ユニークな試みをしています。普段、試飲会ではなるべく飲まずに吐き出すようにしているのですが、今回は全部飲んでしまいました。

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IPOBのシャルドネは、酸がかなり強く、先にそれを味わうと麻痺してしまうとのことで、ピノ・ノワールが先、シャルドネが後で試飲しました。これも珍しいパターンです。

Liocoのピノ・ノワールはソノマ・コーストのLagunaというブレンドものの2012年とHirschの単一畑2011年を試飲しました。ここではピノ・ノワールは70%除梗、新樽15%で15カ月樽熟成しています。酵母は天然酵母のみ。新樽の比率については「シェフが塩加減するようなもの」と言っていたのが印象的でした。

Lagunaは赤系の果実味に加えておしろいやマシュマロのような風味があり、酸がしっかりしているのも印象的でした。この年は豊作でLagunaにHirschを少しブレンドしているといいます。一方でHirschはミネラルを強く感じるワイン。これはとてもいいです。先日Hirschのピノ・ノワールを飲みましたが、ミネラルなどは共通項として感じられました。Liocoはさらに溌剌とした感じが強くありました。

もう1つのピノ・ノワールはDomaine de la CôteのBloom's Field 2011。Domaine de la CoteはSta. Rita Hillsの自社畑のブドウによるワインです。20カ月の樽熟成の後、タンクで2カ月さらに寝かせてから瓶詰めしたといいます。発酵中はSO2を全く添加していないとのこと。新樽はなし。潮風のような香りとミネラルの風味が特徴的。Liocoのワインと比べると、やや濃くて黒系の果実を少し感じます。ちなみにCôteとはフランス語で海岸の意味。

シャルドネはLiocoのRussian River Valley 2011から。RRVでは一番涼しいところにある畑で、アルコール度数は12.8%とこの日試飲したワインの中でも一番低い値でした。2/3は古い樽、1/3はステンレスで熟成しています。青リンゴのような爽やかさを感じます。

Liocoには、もっと安いNorth CoastやSonoma Countyのシャルドネもありますが、実はどちらも、このRRVと同等のレベル。非常にコスト・パフォーマンスの高いシャルドネです。

SandhiはSta. Rita HillsのシャルドネとRita's Crownのシャルドネ。どちらも2011年。シャルドネは破砕・プレスして樽に入れて発酵するだけという極めてシンプルな作り方。新樽20%。発酵時にはSO2は加えないとのこと。ときどき空気に触れさせ、最初に果汁が茶色く酸化させてしまい、それから発酵させるという方法を取っています。こうすると、発酵中に還元によって色が戻り、再び酸化することはないそうです。

Sta. Rita Hillsのシャルドネは、この日のシャルドネの中では一番甘味を感じるもの。同時にミネラルも感じました。Rita's CrownとBentrockという畑のブドウを使っています。

一方で単一畑のRita's Crownは芳醇。果実味を強く感じます。この日のワインの中では一番アルコール度数が高く13.9%。

IPOBのワイン、単独で飲むよりもやはり食事と合わせることで本領を発揮するように思います。試飲しながらいつの間にか寿司もなくなっていました。どれも素直に美味しかったです。

個人的にはLiocoのシャルドネの安いものは、日常的に飲むワインの中に入れたいと思いました。ピノでは逆に、LiocoのHirschやDomane de la Côteの高いものに魅力を感じました。

Date: 2014/0204 Category: イベント
Posted by: Andy
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あまりにも素晴らしすぎる写真がFacebookに上がっていたので許可を得て転載。合成でもなんでもなく、馬の頭を被っています。ちゃんと東北東を向いて恵方巻きを丸かぶりしようとしています。

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昨年、デイリーポータルZでハトのマスクを大勢が被っている写真を見たときもシュールだと思いましたが、ある意味こちらの方がインパクトがあるかもしれません。

そういえばデイリーポータルZのマスクも米国から取り寄せていましたが、米国ではこういったマスクの人気があるのでしょうか。

なお、今回の首謀者はこの方。ベイエリアでコスプレに情熱を傾けています。
Date: 2014/0203 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアで今一番注目されているワイナリのグループがIPOB(In Pursuit of Balance)です。その名の通り、バランスの取れたワインを作るワイナリの集まりで、年に2回サンフランシスコとニューヨークで試飲会を開催しています。表舞台に登場したのは2013年からといっていいほど新しい団体ですが、SFクロニクルのワイン担当Jon Bonne氏の後ろ盾もあり、その動きに皆が注目するようになってきました。

IPOBは「バランス」という、地域や品種で括った従来のワイナリ団体とは大きく異るくくり方をしています。その成り立ちやどうやってそれを評価しているのか、など不思議な点もいろいろあります。

先週、創設者のラジャ・パー(Rajat Parr)氏が来日し、IPOBについて説明しました。合わせてIPOBのワインとして、自身のSandhiおよびDomaine de la Côteのワイン、Liocoのワインの試飲も行われました。
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IPOBはRajat ParrとHirsch VineyardのJasmine Hirschが中心となって、2011年に友人たちと作ったグループでした。参加するワイナリも基本的には知りあいのところだけ。Rajat Parr自身が選定していました。

しかし、参加希望のワイナリが増えるに連れ、その体制には疑問の声も上がるようになったため、評論家やソムリエ、ワインメーカー、流通業者による審査員グループがワイナリを選定するような形になっています。ラジャ・パーは試飲には参加しますが、審査員としての意見は言わないそうです。

年に1回、新たに参加希望するワイナリのワイン(ピノ・ノワールとシャルドネ限定)を集め、完全にブラインドでテイスティングし、「バランスが取れているかどうか」という点に限って評価します。アルコール度数といった個々の要素は評価しません。そこで、バランスが取れているとされたワイナリがメンバーに加わります。

また、既にメンバーになっているワイナリも2年に1回は同じ審査を経ないといけません。

こうして、現在は30余りのワイナリがメンバーになっています。

IPOBのワインは、欧州志向が強いニューヨークのブルックリンにレストランでもワインリストに載るようになるなど、ソムリエなどに高く評価されています。入会希望も急増しているとか。

なお、イベントは多くの業界団体のイベントと異なり、スポンサーを取らずに入場料収入だけで運営しています。ワイナリにとっても手弁当での参加となるため、回数を増やすのはかなり難しいとのこと。それでも、2014年か2015年には東京でイベントを開催したいとのことです。

また、ピノ、シャルドネ以外の品種に対象を広げるのも現状では難しそうです。

IPOBのワインの試飲については記事を改めます。
Date: 2014/0201 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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クロ・デュ・ヴァルといえば、Stags Leap Districtの老舗の1つとして知られています。クリスマス用のエッチングボトルでも人気がありますが、バレンタインデー用にもハートマークのエッチングを入れたボトルを用意しています。

デザインはハートがどーんと浮き出たものと、キューピッドを描いたものと2種。中身もジンファンデルあるいはピノ・ノワールとユニークです。限定本数なのでお早めにどうぞ。