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Date: 2010/0929 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Rolling Stonesのミック・ジャガーが監修したというワインが発売されました。現在こちらのページから予約できます。明日9月30日が締め切り。

これ紹介しようかどうか迷っていたのですが値段が1万5000円と高いことと情報がほかになくて躊躇していました。ようやく作っているワイナリ(ワインはナパですがワイナリはLake Countyにあるようです)などが分かったので書くことにしました。

で,ちょっとびっくりしたのですが,米国ではアイスワイン2種も発売しているのです(販売サイト)。で,Satisfactionはこのサイトではなく小売店で売るようなのですが,そこがなかなか見つかりません。ようやく発見したのはカナダのワインショップ

さらにびっくりしたのは値段は47.25カナダドル。日本円にすると4000円を切ります。日本の値段さすがにちょっと高すぎます…

それでも買おうという方は多分このサイトは見ないと思いますが…
Date: 2010/0929 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Decanter誌のWebサイトに今年のナパの収穫についての記事が載っていました(Napa 2010: long cool summer promises )。

例年に比べてとても涼しいと言われている今年,アルコール度が低いワインができそうだとのこと。また,8月末の熱波によって収穫が大幅に減るそうです。

Shaferでは今週Merlotの収穫を始め,次にシャルドネ,来週Cabernet Sauvignonを収穫する予定だそうです。涼しいシーズにしてはCabernet Sauvignonの収穫などちょっと早めかと思ったのですが,いわゆる「green harvest」によって早めに余計な果実を落とし,一つの枝について1房しか残らないようにしたとのこと。区画によっては収穫量が半分になってしまったそうです。これで「Shaferクオリティ」を維持するとのことです。

Alpha Omegaのワインメーカーは「既に白ワインについては完熟して素晴らしいビンテージになった。今の乾いた気候が続けば『世紀のビンテージ』になるかもしれない」と言っているとか。収量は少ないものの品質はポジティブな意見が多いようです。
Date: 2010/0927 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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読売オンラインに「フェッツァーの女主人が死去 : ワインニュース : ドリンク&ワイン : グルメ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)」という記事が出ていたのでありますが…

なんか紛らわしい記事です。Fetzerファミリーがビオディナミに精を出しているのは事実ですが,僕の知る限りではそれはCeagoというFetzer Vineyads売却後に始めたワイナリにおける話です。

日本で目にするFetzerは「Sustainable」ではあるもののビオディナミとはどこにも書いてありません。

創業者がワイナリを売却してしまうと,往々にしてブランド名で話をしているのか,その人の話なのかわかりにくくなってしまいますが,きっとこれもその例なのでは。この記事読んだ人は,おそらくFetzerのブランドをイメージすると思うので,ミスリーディングな感じがします。
Date: 2010/0926 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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アトランタのBone'sというステーキハウスでワインリストにiPadを導入したところ,わずか2週間でセールスが11%上がったそうです(New York Timesの記事)。これを分析する記事がGizmodoのオーストラリアに出ていました(Why iPads Increase Wine Sales In Restaurants? | Gizmodo Australia)。

これらによると,iPadでワインセールスが向上したのは何も物珍しさではなく,食事に来た人によりよい情報が与えられたからだとのこと。ワインリストにRobert Parkerなどの評論家によるレビューを加えたことで,客は高いワインでも注文しやすくなったとのこと。

確かに,レストランのワインリストは大多数の客にとってはほとんどが知らないワインでしょう。そこで値段以外に選ぶ理由を付けるというのは大事なことだと思います。

でもiPadじゃなくても紙にレビューを印刷すればいいのでは,という話もないわけではありませんが,逆にレストランにとってはワインリストを日々維持更新するのはかなりの手間なこと。iPadだとそれが軽減できるので情報を加える余地もできるということのようです。
Date: 2010/0923 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアの大学でワインというとUC Davis(カリフォルニア大学デーヴィス校)が有名ですが,ソノマ州立大もワインのプログラムに力を入れ始めているそうです。
"California’s wine industry has shown strong support for Sonoma State University’s evolving wine program, according to Ray Johnson, who took the helm as director of the SSU Wine Business Institute (WBI) last month."
Wines & Vines - Wine Industry News Headlines - Sonoma State

UC Davisはワインの醸造関係を教えており,その分野では世界的にも有名ですが,こちらはテイスティング・ルームの管理とかワインによる起業とかを教えているのが面白いところ。ワインメーカーだけではワイナリはできないわけですから,こういう教育も必要なわけですね。ちょっと興味を持ちました。
Date: 2010/0919 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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世の中にワインの本はたくさんあるが,ワインをタイトルに掲げる小説は案外少ない。というわけだけで手にとったこの本,まずは主人公であるウィルバーフォース氏が,1982年のペトリュスを飲むためにあるレストランを訪問するところから始まる。

10万本のワインを所有するというウィルバーフォース氏,支払い能力を危ぶんだ給仕長に,大量の札束を渡して,そこから支払うというなどかなりの太っ腹であり,またワインマニアっぷりも只者ではない感じを受ける。

…しかし,このディナー,ペトリュス1982年を飲みきってしまい,このワインのこのレストランの最後の1本までオーダーしてしまうあたりからなにやら不穏な様相を見せ始める。そして,結局は酔いつぶれたウィルバーフォース氏は昏倒してしまう。

そう,実はウィルバーフォース氏はかなりのアルコール依存症であり,それ以外の問題も数多く抱えていることが次第に明らかになる。ウィルバーフォース氏,復活はあるのか――。

と,思いきや,実はこの小説,この2006年の章から次第に遡っていくという構成になっている。読み進めるほどに,ウィルバーフォース氏がどうしてそういう抜き差しならない状況に陥っていったかが分かってくるのである。最後,ワインを飲み始める前の氏の姿を読むのはいささか居た堪れないものがあった。

というわけで,ワイン好きにとって決して楽しい小説というわけではないが,なかなか面白い小説だった。ワインうんぬんは置いておいてお勧め。
Date: 2010/0913 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Robert Parkerがローヌでの2週間にわたるマラソン・テイスティングの様子をつづった掲示板の書き込み(会員オンリー)から,これまで30年間続けてきた8つのルールをTwitterに書き込んでいます。

日本語訳のアカウントの投稿もあるので,並べてお伝えします。ルールはシンプルですが,実行するのは大変。やっぱりパーカーは大した人だと思います。

Date: 2010/0912 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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以前に記事を書いたPatz & HallのDonald Patzさんを迎えたワイン会に行ってきました。このワイン会,Donald Patzさんが旧知のKanaさんのために,ということで帰国を1日ずらして開いてもらったとのことでした。

ワインリストは
Argyle Brut 2006 Oregon
Patz & Hall Chardonnay ZioTony Ranch 2005*1
Patz & Hall Chardonnay Dutton Ranch 2008
(Patz & Hall Pinot Noir Alder Springs 2005)
Patz & Hall Chardonnay Hyde Vineyard
Patz & Hall Pinot Noir Jenkins Ranch 2005*1
Patz & Hall Pinot Noir Jenkins Ranch 2008
Patz & Hall Pinot Noir Pisoni Vineyard 2007
*1 Donald Patzさんの個人セラーから持ってきていただいたもの。

(前の記事も長かったので,以下は続きに)

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Date: 2010/0907 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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MelvilleのVerna's VineyardはMelvilleの中でもコスト・パフォーマンスの高さで知られる畑です。米国での実売価格が20ドル前後という安さにもかかわらず,Wine Advocate誌では90点台を連発。実際,この畑でこれまでレビューされている19のワイン(Chardonnay,Pinot Noir,Syrah,Viognier)の中で90点を切っているのはわずか2本だけです。

その中でも95点という高得点を得たのが2008年のSyrah。このワインがカリフォルニアワインあらかるとで税抜き2000円台で出ています。元々コスト・パフォーマンスの高さから日本にはほとんど入ってこない畑であり,今回もおそらく現品限りだと思います。購入はお早めに。

【メルヴィル】 シラー "ヴェルナズ" エステイト [2008]


Date: 2010/0905 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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「ナパヴァレーの風に吹かれて♪ : Sauvignon Blan Tasting @ St.Helena Star紙」に最近ナパで流行っているソヴィニョン・ブランのスタイルが載っていました。それによると

1.樽の使用を控え、ステンレスティールで醸造をし、酸のすっきり感と果実の風味(レモン、ライム、グレープフルーツ 時にはトロピカル系等)の豊かさを活かした仕上がり。

2.香りの豊かさを求めて、ヴィオニエを少しブレンドすることで知られる造り手。 Turn Bull はその先がけでしょうか。。

3.香りが豊かなソーヴィニヨン・ブランのクローンとして知られる
ソーヴィニヨン・ムスクをブレンドする造り手。(ソノマのメリエドワード女史の畑では、ピノ・ノワールの生産を削減このSBの植樹を増加させるほど、ソーヴィニヨン・ムスクは人気です)

4.樽の風味をきかし、セミヨン品種をブレンドし、奥行きとふくよかさのあるボルドースタイルを意識して仕上げる造り手など。。(50ドル以上の高級価格帯に目立つスタイル)


ということで,Sauvignon Blancの産地としては温暖なナパの気候を生かして香り豊かなワインに仕上げる動きが出てきているようです。

個人的に気になったのは「ソヴィニョン・ムスク(Sauvignon Musque)」というクローン。調べてみるとDry CreekFortressなど,名前にMusqueといれているところもいくつかあるようです(どちらもソノマですが)。また,ナパを代表するSauvignon Blancの一つであるSpottswoodeでも,自社畑やHyde VineyardのSauvignon Musqueを1/3程度ブレンドしているとのことです。

なお,Musqueはフランス語だとMusquéと最後にアクセントが入っているのでミュスケと読むのが正しいのでしょうか。いわゆるマスカットのことです。ワインの名前としては日本ではミュスカで通じているようなので,ここではそうしました。

Date: 2010/0903 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カレラに続いて,セントラルコーストのワインで高評価を連発したのがPisoni系です。Pisoni系とはSanta Lucia HighlandsのPisoni,Garys',Rosella'sの三つの畑のこと。Pisoniの畑を所有するGary PisoniのPisoniとLucia,Garys’をGary Pisoniと共有するGary FranscioniのRoarが,その本家というわけです。

Wine Advocate誌の190号ではPisoni本家のPisoni Vineyard 2008が98点というのを頂点とし,その弟分的位置付けのLucia Garys' 2008とRoarのPisoniが96点,RoarのRosalla's Chardonnayも96点でした。

PisoniのEstateは2003年以降のヴィンテージで94, 95, 93+, 95+, 96, 98とひときわ抜きん出た位置付け。2008年はパーカーのコメントによるとフィニッシュが50秒も続くとか。

RoarのPisoniも2004,2006,2008年と一年おきに96点と高く評価されています。パーカーは「Like all of these wines, there is a seamless integration of acidity, wood, and tannin, all of it present in subtle and measured dosages.」と書いており,これらさまざまな要素がうまく溶け込んでいるのがRoarの特徴と言えそうです。

ところで,Santa Lucia Highlandsは「サンタルシアハイランズ」と読むのが正しいようですが,日本ではLuciaはルチアと書かれています。これも本来はルシアではないかと…



本数少ないのでお早めにどうぞ。
Date: 2010/0901 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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もはや100点取っても驚きもなんにもありませんが,4たびの100点というのは唯一無二? ここのメーリング・リストを落としてしまったのはやっぱりもったいなかったかな。

ちなみに同時発表のカリフォルニア・ローヌ・レンジャーではSine Qua Non,Albanに100点が,Saxumなどに99点というこれも例年通りの高得点連発。そのわりにはシラーの人気は上がらないのだよね… Melville Syrah Donna'sの34ドルで98点というのもすごいのだけど,これは輸入されてないだろうなあ。


【クウィルシーダ クリーク】 カベルネ・ソーヴィニヨン [2007]