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Date: 2008/1230 Category: テイスティング・ノート
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コストコ(Costco)で買ったソヴィニョン・ブランを飲みました。House of Nobiloというのはニュージーランドではかなり大きなワイナリのようです。コンステレーション傘下で,コンステレーション・ジャパンが扱っています。リージョナル・コレクションという安価なシリーズはいくつかのオンライン・ショップで見かけました(いずれも売り切れでしたが)。
Nobilo Icon

Iconというのは上級のシリーズで,Sauvignon Blancは割と高く評価されているようです。上級とはいえ,現地の価格は1500円程度。コストコでは1847円でした。リージョナル・コレクションが2300円くらいで売っていることを考えたら大分安いです。

味わいはさわやかキリリ系。グレープフルーツっぽい苦味もちょっとあります。冬よりも夏に合う感じですが,案外鍋なんかにもいいかもしれません。おいしかったけど,突出しているというほどではなかったかな。値段も違いますがドッグ・ポイントの方が好印象でした。まあ,でも1000円台なのでまた買うと思います。
Date: 2008/1222 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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●Ravenswood Vintner's Blend Zinfandel
コストコ(Costco)でいつも買っていたRancho Zabacoがなくなってしまったので,1000円前後の代替品として買ってみました。うーん,やっぱり安ジンファンデルの味。まずくはないし,価格相応ではありますが,同じ値段ならCabernetの方が良さそうかな。もう1個ランクが上がると全然違うと思うのですが。

●August West Syrah Rosella's Vineyard 2005
ピノを飲もうと思って引っ張り出したらSyrahだったのでちょっとびっくり。多分,これが最初のヴィンテージでしょう。2007年が過去最多の生産量で90ケースって書いてあったから,多分これは50ケース以下。1樽か2樽の世界です。

1日目はちょっとぴんとこない味でしたが,2日目からはスパイシーさだとかシラー特有のむんむんとした感じだとかがでてきておいしいです。あまり濃すぎず飲みやすいのもポイント高いところ。

ブログ調べたら去年は12月にAugust WestのChardonnayを飲んでいました。ちょっと変わったものを選ぶ月?

●Calera Pinot Noir Mt. Harlan Cuvee 2006
dancyuワイン大賞のワイン2回目です。これも1日目は香りが立たず,ややさびしい味わい。二日目は打って変わっていい香りです。味わいもアップ。まるで違うワインのようです。これで3000円台は安いですね。
Date: 2008/1119 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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妙ないわくが付いてしまったdancyuピノ・ノワール大賞(5000円以下)のワインを飲みました。ヴィノラム輸入でRyanバージョン,ガラス栓ではなくコルクでした(ガラス栓が良かったのに~)。

香りはそれほど強くないですが,味わいは赤系の果実味を中心にエキスたっぷり,口当たりはシルキー。かなりおいしいです。若干タンニンはありますが,全体のふくよかさがそれを覆い隠します。三日間かけて飲みましたが,味・香りとも落ちませんでした。

カレラは以前メランジュという,やはりエステートの畑のブドウをブレンドしたワインを作ったことがありましたが,メランジュが格落ち感ありありだったのに対し,今回のマウント・ハーラン・キュベはしっかりエステートっぽさが出ています。もう少し酸があるとさらにバランスが良くなっただろうというのがちょっと惜しいところですが,この価格帯なら十分納得です。

あとはJensen入りの方の味わいが気になります。家の近所のやまやはRyanの方でした。楽天のワインショップを見てみると,

ここは実は今回買ったところですが,サイトにはファースト・ロットの比率が書いてあったので,購入後に申し入れてRyan入りになっていることを書いてもらいました。


これらは比率の記載なし。


はファースト・ロットの比率。


に書いてあるのは2005年の比率


これらはなんと2003年の数字。生産量も今は1stロットだけで3000ケース以上です。

いい加減なショップが多いことはよく分かりました(^_^;)
Date: 2008/1027 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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「ワイン飲んでいない」と書きながら,ちょっとずつは飲むこともあり,忘れきらないうちに書いておきます。ピノ2種とソヴィニョン・ブラン1種ですが,カリフォルニアは一つもなく,ニュージーランドが二つとオレゴンが一つ。

まだ暑かったころ飲んだのがニュージーランドはイザベル(Isabel)のソヴィニョン・ブラン。ソヴィニョン・ブランとしては比較的リッチは味わい。樽香も少しですが感じられます。悪くはないんだけど,ソヴィニョン・ブランに僕が求めているものとはちょっと方向性が違う感じ。これが好きって人もいると思います。あくまでも趣味の問題。

ちなみに↑で紹介したピノノワール・オンライン(Wassy'sの別館の一つ)は送料無料で10月中はポイント10倍。お徳です。

次はオレゴンのA to Z(エイ・トゥ・ゼット)のピノ2006。これはFood&Wine誌で20ドル以下のピノノワールとしてベストになったワインです。
味わいはやや薄め。タンニンが意外と強く,ちょっといがらっぽい感じがありました。個人的にはもうちょっと果実味がしっかりしている方が好みです。


最後はニュージーランドのLawson's Dry Hills(ローソンズ・ドライ・ヒルズ)のピノ2005。巷ではWine Advocate誌で94点(レビュアはRobert ParkerではなくNeal Martinです。お間違いのないように)を取ったパリサーが人気のようですが,ローソンズ・ドライ・ヒルズも90点です。Neal Martinのコメントは
The 2005 Pinot Noir has a very fragrant, well-defined nose with floral notes: rose petals, cherry, wild strawberry and hedgerow. The palate is medium-bodied with good acidity, just a faint touch of astringency but overall this is well-balanced, taut, harmonious with lovely crunchy cherry and plum on the finish. Excellent.

これは,おいしいです。香りが華やかで果実味もあり,適度な酸が全体を支えます。「安旨」で紹介したデルタやカリーなどとは明らかに一線を画す出来。お勧めです。
Date: 2008/0916 Category: テイスティング・ノート
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ジラードのシャルドネの話題が出たからというわけではありませんがジラードのソヴィニョン・ブランを飲みました。

このソヴィニョン・ブラン,やっぱりおいしいです。鮮烈な酸味に果実味のふくよかさ。以前,NZのドッグポイント ソヴィニョン・ブランの感想
アサヒ・スーパードライのCMに「コクがあるのにキレがある」というコピーがありましたが,このワインもまさにそれ。鋭い酸で飲み口は極めてさわやかですが,香りや味わいは薄っぺらでなくしっかりしています。

と書きましたが,これもタイプは同じです。味わい的にも甲乙付けがたいところ。国内の価格は2500円くらいですからドッグポイントよりも安いです。

実はワインインスタイルのアウトレット・セールで買ったので,ラベルはゆがんでますが,今回の購入価格は1500円以下。これなら大もうけです。

Date: 2008/0831 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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日本のワインがよくなってきたという話はよく聞きますが,正直に言ってなかなか飲む機会がないものです。今年亡くなった富永敬俊教授が携わってできたこのワイン,実は百貨店で駐車料金をただにするために買ったものでした。

国産ワインでしばしば不満に感じるのは,甘く緩んだ味わいに思えてしまうところ。しかし,このワインは酸がはっきりくっきり主張しており,味わいがシャープです。かといって酸っぱいだけのワインでもなく果実味もあります。

これで2000円強なら十分です。また買おう。

Date: 2008/0813 Category: テイスティング・ノート
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NZソヴィニョン・ブランでも高品質で知られるDog Pointを飲みました。3000円程度で買えるレギュラーのキュベです。

アサヒ・スーパードライのCMに「コクがあるのにキレがある」というコピーがありましたが,このワインもまさにそれ。鋭い酸で飲み口は極めてさわやかですが,香りや味わいは薄っぺらでなくしっかりしています。

これは夏向きのワインですね。デイリーに飲むにはちょっと高いのだけが難点。これで後1000円安ければ言うことないのですが,欲張りすぎでしょうか。

Date: 2008/0808 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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最近飲んだワインからワイン・イン・スタイルのセールで買った2本を報告します。

リトル・レベル・ピノノワールはオーストラリアのピノ。オーストラリアのピノはたぶん初めてです。イチゴやチェリーなどの味わいのかわいい系ピノ。気軽に飲むタイプのワインです。2000円弱の値段は昨今では貴重ですが,昨年までよく飲んでいたレックス・ゴライアスが1300円くらいだったのと比べると,ちょっとコスト・パフォーマンスが低く感じます。ただ,ジャミーではないのでジャミーなピノが苦手な人でも大丈夫だと思います。



一方,いまやサンタ・リタ・ヒルズを代表するワイナリの一つになったメルヴィルのエステート・ピノノワール2006。スミレなどの花の香りがかなりいいです。味わいはややタンニンが強く,苦味を感じますが,後から果実味のやわらかさがやってきます。甘みは少なく,おそらくこれを飲んでカリフォルニアだと思う人は少ないのでは。高級なピノの迫力はありませんが,バランスの取れたいいピノだと思います。今回は2000円台という破格の値段だったので大満足。

Date: 2008/0714 Category: テイスティング・ノート
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日曜日の夕食は初挑戦のピザ。生地から自分で作っています。トマトソースももちろん作りました。チーズが苦手な上の子も食べやすいように,チーズは癖の少ないモッツァレラをスライスして。バジルはなかったので,大葉で代用です。このほかミートソースとエリンギを乗せたものやナスとアスパラを乗せたものなどを作りました。一枚ずつしか焼けないので結構時間かかりましたが評判は上々でした。

pizza

合わせて飲んだワインが表題のスパイ・ヴァレー・ソヴィニョン・ブラン。ニュージーランドです。1000円台のソヴィニョン・ブランは微甘でちょっとしまりがないこともあるのですが,これはクリスプ。引き締まっていておいしいワインです。欲を言えばもうちょっと複雑さがあるといいような気はしますが,それは欲張りすぎでしょう。リピートしてもいいかなと思うワインです。

Date: 2008/0706 Category: テイスティング・ノート
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先日紹介したオーボンクリマの1999年のピノを飲みました。ところが,これが大失敗。といってもワインが悪かったわけではありません。

開けたのは金曜日。下の子が調子を崩し,妻がはずせない用事があったので,会社を休んで家で仕事をしていました。それで,夕飯にこれを開けたのですが,一口飲んだところで,この日は上の子を塾に迎えに行かなければいけなかったのを思い出して,以降は断念せざるを得ませんでした。

土曜日に続きを飲んだのですが,もともと10年近く経ってかなり熟成も進んでいた上,デリケートな味わいのワイン。香りも味もほとんどなくなってしまいました。完全に開ける日を間違えた自分のミスです。

ちなみに初日はおいしかったですよ。ただ,良く言えばデリケート,悪く言えば弱々しい味です。柳屋は前にもこういうタイプのピノを絶賛していましたから,店長さんの趣味なのかもしれません。もちろん悪くないのですが,僕のように1本飲むのに3日かかるタイプにはあまり向いていないワインです。
Date: 2008/0630 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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NZピノでも評論家の評価が高いリッポン ピノ・ノワール 2004を飲んでみました。Wine Advocate誌(レビュアはNeal Martin)では95点がついています。

色は薄め,かなり透明度が高く,カリフォルニアのピノに慣れた身からすると,ちょっとびっくりするほど。香りは高く,グラスに花を近付けるだけで,スミレやバラの花のような香りが漂ってきます。味わいも決して水っぽかったりするわけではなく,チェリーなどのピュアな果実味が感じられます。非常にきれいなワイン。95点というのは正直ちょっとあげすぎな感じもしますが,いいワインであることは間違いないです。熟成するとこれがどう変わるのかは僕には分かりません。イメージ的にはカリフォルニアよりブルゴーニュに近いワインのような気はするのですが。

ちなみに,Neal Martinのレビューは
It is graced with a beautiful, sophisticated nose with light red cherries, rose petals and even a touch of musk. A caressing mouthfeel and with an effortless quality to it, this is a serious Pinot Noir that rekindled memories of those glorious Burgundy 2005’s!


91点の2005年は
The 2005 Pinot Noir has a distinctive charcoal-tinged nose, the palate showing more concentration and weight than the 2004, the finish muted and more introverted.


再び95点の2006年は
The stunning 2006 Pinot Noir is a realization of everything I suspect Rolfe dreamt of when planting the first vines in the early 1980’s. Using 20% whole clusters and matured for 18 months in 30% new French oak, this wine is distinguished by its spine-tingling tension and tautness on the palate. Its ethereal balance and intensity of fruit suggest this could easily age over 10+ years.


Date: 2008/0623 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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先日「同梱用」として紹介したワインですが,さっそく開けてみました。Zinfandelとしては比較的軽めの酸味がやや勝ったタイプ。Zinfandelらしい杏のような甘酸っぱさに,やや収斂性のあるタンニンが骨格を添えます。足掛け4日かけて飲みましたが,最後まで印象は変わらず。やや低めの温度で飲んだほうがバランスがよく感じました。値段からすれば,十分なできのワインだと思います。

Date: 2008/0616 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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といっても,父の日で特別何かがあったわけではなく,食事も冷蔵庫整理の日で,4人別々のものを食べるという…まあ,父の日なんてそんなものです。

せめて,ワインくらいはデイリーものじゃないのにしよう(といっても2000円台ですが,笑)と,選んだのがGirardのZinfandel。ここ数年で飲んだZinfandelの中ではお気に入りの一つです。このZinfandel,ナパの東端にあるMt. Vacaという山やCalistogaの畑のブドウを使っており,100年を超えるブドウの樹がかなりあるそうです。

色は紫がかっており,かなり濃いです。ブルーベリーやプラムなど紫系の果実の味でやわらかく,ふくよかな味わい。まろやかなタンニンですが,締まるべきところは締まっている感じ。やっぱりこれはいいワインだと思いますねえ。あまり有名ではありませんが,お勧めできます。



ワインインスタイルのセール品にも入っています。


Japan Timesの記事にGirardのブランドが辿った数奇な経緯が載っています。これもお勧め。
Date: 2008/0601 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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先日買った表題のワインを飲んでみました。適度な酸味でバランスがよく,するする飲めてしまうワインです。値段からしたらかなりいいと思います。難を言えばやや特徴に欠けることでしょうか。先日飲んだデルタの方が(500円高いですが)味わいの鮮烈さでは大分上でした。どちらも対値段満足度で言えば十分でしょう。

Date: 2008/0527 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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デルタの三日目は二日目よりも少しまとまりがありました。とてもよくなっている,というほどではありませんが,いい感じで果実味が出ていました。やはり2000円のピノとしてはかなりレベルが高いと思います。

リッポン2004はWine Advocate誌でNeal Martin(しつこいようですが,ロバート・パーカーの評点ではありませんので誤解のないようお願いします)が95点を付けており,国内での販売も好調のようです。柳屋には「ニュージー総合/その他/赤部門1位の3冠!2週連続1位!:2007.5.5~5.18」と書いてあります。めずらしく,パーカーの掲示板にもこのワインについてのスレッドが立っています

いいワインだけど95点というのはちょっと上げすぎなんじゃないの,90~91点くらいでしょう,というのが大方の反応です。また,2005,2006についてはあまり好意的なコメントがありません。買っておくなら2004がよさそうです。きれいに熟成するワインのようなので,しばらく置いておくのが吉でしょう。

Date: 2008/0526 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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デルタ二日目は一日目の鮮烈な果実味からするとちょっと落ちた感じ。なんとなく要素がバラバラとした印象です。25度近くまで上がった部屋の中に置きっぱなしだったせいかもしれませんが,ここで報告しているほかのワインの場合も二日目以降の保管状況はさほど変わらないので,ちょっと落ちが早いような気もします。温度自体カリフォルニアのピノよりも少し低めの方があっているような気もします。

「デルタ買うんだったらカリー(Culley)も飲んでみたら」というお勧めもいただいたので,早速購入。これは税込みでも1000円台です。多分今度の週末に飲んでみます。ちなみにWine Advocateではレビューなしで87点が付いています。

Date: 2008/0525 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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先日購入報告をしたNZのDeltaのピノ2007を飲みました。

明るい色調。色は薄め。香りはストロベリー系。味わいも赤系のベリーの味が中心。果実味を楽しむワインでしょう。カリフォルニアのピノで言えば,Carnerosあたりのきれいに作ったレギュラータイプのピノに雰囲気が似ています。例えばAcaciaとかCarneros CreekとかShugとかのレギュラーのもの。SaitsburyもレギュラーかGarnetは似た傾向です。

熟成を楽しむようなワインではありませんが2000円というのは十分安い価格だと思います。



奇しくもshuzさんが同じ日に2006を飲まれています
Date: 2008/0518 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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モンダヴィ翁を悼んでモンダヴィのワインを飲もうかと思ったのですが,手持ちがOpus Oneしかなかったのでちょっと出し惜しみしてしまいました。そもそもナパのカベルネも在庫が減っていますが,その中でうちにあるものでは一番古いHess Collection Cabernet Sauvignon 1989 Mount Veederを開けました。

これはワイナリで購入したもの。ライブラリワインの中で,「どれがお勧めか」と聞いて買ったのですが,それから既に9年。また1989年というのは1988年と並んでコンディションがよくない年として知られています。また,我が家でずっとセラーに入っていたとはいえ,前のセールの不調時も経験しているので状態はちょっと不安があります。

コルクは順調に抜けるかと思ったのですが,残り1cmくらいのところで折れてしまいました。ちょっと噴いた後もあり(セラー不調時のものでしょう),濡れた新聞紙のような香り。不安はさらに増します。残りのコルクになんとかスクリューを刺そうとしたものの,ずるずる奥に入っていく危険な状態。フォークで止めようとしたら,こんどはそこだけ崩れます。

なんとかコルクが落ちるのは避けようと,ビンの口を下に向けてコルクが奥に入らないようにしながらフォークで刺してなんとか引き抜きました。10mlくらいワインがこぼれましたが,これくらいはいたしかたないでしょう。

さて,肝心のワインですが,19年経っているにもかかわらず,色は案外濃い目。逆さにしたりしたせいかちょっと濁りがあります。飲むと第一印象ではやはりちょっと不快な香りを伴いました。ですが,それは一時的なもので,後は問題なし。

ちょっとミンティーな香りにカシスの風味。若干オーク香がありますが嫌味ではなく上品なレベル。ミディアムボディ。おいしいです。

モンダヴィが目指した世界レベルのワインをナパで実現するというのは,確かに達成されていると思います。

ありがとう,ロバート・モンダヴィ。
Date: 2008/0512 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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家で普段飲むワインは概ね2000円以下のものが多い昨今ですが,意外と赤ワインよりも白ワインの方が,選択に苦慮することが多く,ちょこちょこといろんなものを試しています。その中から最近飲んだ2本の感想ですが,1本はNZワイン。このサイトでNZワインの感想を書くのは初めてかな(先日のワイン会のフェルトン・ロードを除く)。

一つは「ジョリエス シャルドネ "リザーヴ" カリフォルニア 2003」。

どうも状態があまりよくなかったのか,少しブショネだったのか,第一印象で,やや苦味を感じます。飲み進めるうちに落ち着いてきておいしくなってきました。軽いのですいすいなくなってしまいます。二日目は熟成が進んで紹興酒のような味わいに。こういった味わいが好きな人もいるでしょうが,あまり得意ではありません。とはいえ軽いせいか珍しく二日で空いてしまいました。

もう一つは「キム クロフォード ソーヴィニヨンブラン マールボロ 2007」。

このワインはWine Advocate誌にも載っています(レビュワーはNeal Martin)。88点。「The 2007 Marlborough Sauvignon Blanc was batch fermented at low temperatures and delivers a subtle, herbaceous nose with a lime-tinged entry, good acidity and citrus mid-palate with hints of passion fruit towards the spicy finish.」とのことです。

最初の印象は,ちょっと甘いかなあ,といったところ。青リンゴのようなやや緩めの酸と甘みを感じます。飲むうちに味が引き締まっておいしさも増してきました。これは4日間,まったく味わいが落ちずにむしろ最後の方がおいしく感じる1本でした。温度は多少低めの方がよさそうです。

ここは樽を使わない「すっぴん」タイプのシャルドネも作っています。日本で今売っているのは2004年ですが2007年はSB同様WAで88点です。Pinotの2006は87点。どれも値段が手ごろなのでまた試してみたいワインです。
Date: 2008/0502 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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先日紹介したChateau SouverainのCabernet 1998を飲みました(ショップは既に売り切れです)。カベルネを1本飲んだのは久しぶりのような気がします。「最近,カベルネの味が分からなくなった」と書きましたが,これ飲んだらやっぱりおいしかったです。濃い紫色で強烈そうなのですが,味わいのバランスがよく,1998年にありがちな青臭いところもありません。4日目まで全くへたらずに飲めました。やっぱりここのカベルネは僕に合っているようです。

最近のヴィンテージは飲んでいませんが今は2004年ものが3000円弱で出ています。ワイナリ価格が22ドルなので高くないです。パシフィックワインンセラーズは送料無料なので頼みやすいと思います。

多分この価格帯のライバルになるのはフランシスカンでしょうね。米国の実売価格はどちらも20ドル弱で同じくらいです。フランシスカンは「オーパスワンの隣」という売り文句があるのに対し,スーヴェランは「知る人ぞ知る」といったところがちょっと弱いでしょうか。

ちなみにWAではスーヴェラン2004は87点。パーカーは「The richly fruity, straightforward 2004 Cabernet Sauvignon Alexander Valley possesses spicy oak, elegant black currant fruit, tapenade, and underbrush characteristics. This tasty, fruit-forward, reasonably good value can be drunk over the next 7-8 years.」と書いています。フランシスカンは2002年までしかレビューがありません。2002年,2001年どちらも「reliable, but unexciting」と書かれてしまっているのがどうなのでしょうか。

というわけで個人的にはスーヴェランを応援させていただきます。
Date: 2008/0422 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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映画サイドウェイで重要な舞台として使われたレストランがヒッチング・ポスト(Hitching Post)。映画で取り上げられたハウスワインはハイライナーという上級版ですが,今回飲んだのはCork Dancerという安いほうのもの。昨年ワイン・イン・スタイルのセールで2000円台で購入しました。

色はかなり濃い目。香りはあまり強くありませんが,どちらかというとモワッとした妖艶なタイプです。味わいも同様。渋みは少なく,ジャミーな甘さを感じます。飲みやすく,親しみやすいワインですが,ちょっと味がやぼったいような。もう少し,締まるところが締まってメリハリが付くとすばらしいワインになりそうです。とはいえ,この値段でそこまで求めるのは酷でしょう。

2000円台なら◎,3000円台なら○といったところだと思います。

Date: 2008/0419 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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毎年この時期に開かれるTaste Napa Valley試飲会に参加してきました。今年はいつもより参加ワイナリが少なめ,会場も人が少し少なかったような感じ。ちょっとさびしかったです。半面,割と落ち着いてテイスティングできたため,出ていたワインの大部分を試すことができました。

全体的な感想を先に書くと「カベルネの味が分からなくなっている…」。ここ2,3年ほど飲むワインにカベルネが占める割合がぐんと減り,赤だとピノ,シラー,ジンファンデルといったところが中心になってきています。そのためかカベルネを飲んでおいしいと感じることが減ってしまったように思えます。特に今回はやや青臭く感じられることがしばしばありました。おそらくは,ワイン自体が変わったのではなく,私が変わってしまったのでしょう。そのあたりは割り引いてみていただけたらと思います。

参加した22(DuckhornとParaduxxを別と考えると)のワイナリの中でカベルネやカベルネ系のブレンドを出していなかったのはSaintsburyとSchramsbergだけ。一方でピノはArtesa,Clos du Val,Saintsburyの三つだけ,Syrah系はDarioush,Shaferだけといった風にナパなのでカベルネ系にかなり偏って出ています。

その中でCabernet Sauvignon系ではJoseph PhelpsとHeitzのMartha's,BondのMelburyはひとつ抜けていた感じがしました。ChappelletのSignature,Cain Fiveがそれに続くところ。

一方で今回はMerlotにおいしいものが多く思えました。Darioush,Duckhornはかなりおいしく,BlackbirdというMerlot中心のブレンドも結構よかったです。数が少ないですが上記二つのシラー(DarioushとShafer),Zinfandelとカベルネ系のブレンドParaduxxもよかったです。ピノはSaintsburyはよかったですが,後の二つはいまいち。

白ワインではSt. SuperyのSauvignon Blanc,TrefethenのDry Rieslingが意外とよく,ChardonnayではGrgich Hills,Saintsburyが印象的でした。ShaferのRed Shoulder Ranchは好きなChardonnayなのですが,今回(2006)はあまりよく感じませんでした,ちょっと残念。

米国では昨年,Merlotの盛り返しという話がありましたが,Pinotにとられた分を取り返したというよりも,Cabernetから移っていっているのかなあ,といったことをちょっと想像しました。正直に言ってカベルネは値段を考えるとあまり魅力的には思えなかったのが残念でした。カリフォルニアのワイン,また勢力図が変わっていくかもしれません。

Date: 2008/0407 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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柳屋で「2008年、恐らくコストパフォーマンスにおいて、これを上回るカリピノは現れないことでしょう」と書かれたワインです。旨安ピノというとRex-Goliathがこれまででは最強だったと思うのですが,それを上回ることができるかどうか。

香りはチェリー系で,かなりよく匂います。この時点で好感度10%アップ。色はやや薄めのクリアな感じ。味わいは,うーん,やっぱりチェリー系が強いでしょうか。やや甘さを感じます。

アメリカ人のテイスティング・ノートを見ているとキャンディとか咳止めシロップといった表現によく出くわしますが,このワインについては僕も「あ,これが咳止めだ」と思いました。日本人にはなじみないと思いますが,米国で子供用の薬でよく使われるチェリー味に似ているのです。

このワイン,この(やや不自然な感じがしないでもない)甘さをどうとらえるかで評価が大きく変わりそうです。個人的にはややマイナス。レックス・ゴライアスの方が好きですが,柳屋が誇大宣伝ということではなく,あくまでも個人の好みでということで。もうちょっとうまく酸が入ると評価が上がりそうです。

Date: 2008/0402 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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ワイナリ価格55ドルなのに日本では3000円台で入手できるRodney Strong Symmetryを試してみました。ヴィンテージは2002。結論から言うと,3000円台なら十分お買い得と思えるいいワインでした。ただし飲み方には注意が必要です。

初日,はっきり言って失敗したと思いました。味わいが平べったく,薄っぺら。ふくよかさも複雑さも欠けていました。55ドルは論外,3000円でも高いなと思うほど。

二日目,よくなりました。これならOK。55ドルはちょっと微妙だけど,3000円はお買い得でしょう。骨格もしっかりし,目覚めた感じです。

三日目…はワインを飲まず四日目。断然すばらしい。これなら55ドルでも十分。深みもありふくよかささえ出てきました。濃縮感も強くなったような。濃いだけではないので,「カリカベはちょっと」という人でも納得すると思います。これほど変わるというのはどういうことでしょう?

ということで,今飲むなら三日前に抜栓するか(笑),デカンタして十分時間を置いたほうがいいと思います。ゆめゆめ抜栓してすぐ飲むことなかれ。

納得できたので,安心してお勧めできます。

Date: 2008/0317 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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青葉台ワイン会というのは元々「青葉台ニュース」というワインサイトを主宰していたかもしださんを中心にしたワイン会で,私も10年近く前からお邪魔させてもらっています。最初は地元中心だったのですが,なんとなく広がったり縮んだりして,ここ数年は多くのメンバーが子育てモードに入っていることもあって,年に1回程度不定期に集まっているといった感じ。今回もメンバーのお子さん誕生祝と新居祝いを兼ねたほぼ1年ぶりのワイン会でした。場所は三軒茶屋の「のみ山」さん。ワインの名前などはshuzさんのページから引用させてもらっています。

まず1本目はジャドのシュバリエ・モンラッシェ・ド・モワゼル1988。
Jadot
黄色といってもいいほどの濃い色調。香りはちょっとひねた感じもありますが,味わいはまだまだ健在。20年近く経っているとは思えないほど。特に1時間ほど経つとかなりおいしくなっていました。すばらしい。
チキンのオレンジマヨネーズ和え
これにあわせた料理がチキンのオレンジマヨネーズ和え(名前は適当です,以下も)。マヨネーズは苦手なのですが,このオレンジマヨネーズはとてもおいしい。ドライトマトもいい効果を出しています。

次は,ピノの競演。Felton RoadのBlock 5 2004とMartinelliのBlue Slide Ridge 2002です。ブルー・スライド・リッジはRP95。同年のMarcassinのブルー・スライド・リッジと同得点です。
フェルトン・ロード
マルティネッリ

フェルトン・ロードはすばらしい香り。のびのびした屈託のない味わい。初めて飲みましたがおいしいですねえ。
一方,マルティネッリ(私が持参)はアルコール度14.9%あり,最初はアルコールの熱をちょっと感じます。香りはフェルトン・ロードよりむんむん系。味わいもこちらの方が濃いです。密度が濃い感じ。30分くらい経ってアルコールの熱が冷めてくると,レベルが1個上がった感じがしました。
ホワイトアスパラ
料理はホワイトアスパラのソテー。上にかかっているのは何だか分かりません。←茄子のタプナードだそうです。春を感じる品でした。

フォアグラ
料理はフォアグラをソテーして温かいイチゴとバルサミコ酢で絡めたもの。濃い目のピノ狙いの一品だそうですが,組み合わせが最高。むちゃくちゃおいしいです。なくなるのがもったいないくらい。

クロ・ド・タール
次のワインはもう一本ピノ(ブルゴーニュ)。クロ・ド・タール1995です。抑制の効いた味わいで,派手目の前2本と比べるとちょっとおとなしく感じられたのはやや気の毒な感じ。

トマト
料理はトマトにモツァレラチーズにバジルの定番的組み合わせ。意外性はありませんが,素直においしかったです。

パヴィ・マッカン
次はボルドーでシャトー・パヴィ・マッカン2005。WA96-100です。さすがに若いのは否めませんが,すばらしいボルドーでした。

イベリコ
料理はイベリコ豚(だったと思いますが,だんだん記憶が怪しくなってきています)。ボリュームもありおいしいです。

Dunn
もう結構酔っ払っていましたが,のへさんが持ってこられた2本目のDunn Cabernet Sauvignon 1991も開けてしまいました。こちらも17年経っているとは思えないような若々しいワイン。さすがです。おいしいですが,ちょっと僕が容量オーバー。5人で6本は大変でした。

おいしいワインを持参してくださったみなさん,すばらしい料理を作ってくださったのみ山さんありがとうございました。
Date: 2008/0311 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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GirasoleはMendocinoのRedwood Valleyにあるワイナリ。有機栽培のブドウを使った,日本で言うところの「自然派」ワイナリです。自然派にも,バイオダイナミクス(ビオディナミ)などいろいろな流儀(宗派?)がありますが,ここはCCOF (California Certified Organic Farmers)というカリフォルニア州の規定に沿って作っており,ラベルに「Made With Organic Grapes」と記載することが許されています。SO2は100ppm未満,許可されており,ここのワインは多くの場合45-65ppmのSO2を含んでいます。

肝心のワインの味ですが,チャーミングでおいしいピノです。濃さもいい感じ。決して弱弱しい味でも,いわゆる「ビオ臭」もなく,万人向け。2680円というのはデイリーにするにはちょっと高いですが(ワイナリ価格は15ドル),少なくとも先日のコストコのピノよりは満足度が高かったです。



ショップのコメントにある「“濃い目”や“木の香り”が苦手な方に大推奨です♪」は同感です。
Date: 2008/0310 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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Loring Wine Companyはピノノワール専業のワイナリ。オーナー/ワインメーカーのBrian Loringはパーカー掲示板などの常連でもあり,気さくな人柄と,すばやいレスポンスで多くのファンを作っています。ワインは近年はやっている「シラーみたいな濃いピノ」の典型例ともいえるでしょう。スタイル的には好き嫌い分かれるところでもあります。

Loringではいろいろな畑のピノを作っていますが,「Llama」の名前が入ったものはブレンド品。どこの畑をブレンドしているかは明らかにしていません。また,この2005年のHungry Like the Llama以降はLlamaブレンドは作られていないようです。

季節的に鼻が詰まり気味で香りに関してはあまりコメントできません。比較的明るい色調でワイン自体も明るい感じ。Loringの濃いイメージよりも,赤系の果実を中心としたクリアなピノのイメージ。「感動」にはいたりませんでしたが,なかなかおいしいピノでした。

なお,このワインの名前はかつてのヒット曲Duran Duranの「Hungry Like the Wolf」から取ったものだというのは以前zoukさんが教えてくれました。曲聴いたら僕でも知っている有名なものです。

Date: 2008/0226 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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オハイオ州Dayton(ライト兄弟で有名なところ,一回だけ行ったことがあります)界隈のワイン・コレクターが1991年~2004年というAraujo全ヴィンテージの垂直試飲会を開きました。その様子がブログ「Uncorked」に記されています。
"Three Dayton-area wine enthusiasts who taste wines together started comparing notes on their partial Araujo collections and discovered that together, they had a full vertical - at least one bottle from every vintage from the label’s inception in 1991 through 2004. They often threatened to combine forces for a full retrospective tasting, but frankly, that’s the kind of tasting that is talked about but often never comes about."

Araujo vertical, 1991-2004: tasting every vintage of a cult wine | Uncorked | Wine advice and commentary - wine tastings and events around Dayton, Ohio

情報を交換していたら,全ヴィンテージ揃うことが分かって,では垂直試飲会をやろうかということになった,というのはありそうだけどなかなかすごい話です。

肝心の垂直試飲ですが,デビューの1991年がWON(Wine of the Night)の票を一番集めたそうです。うちには子供のBVである1997と2001は3本ずつありますが,どちらもかなりよさそう。彼らが成人するまでは十分持ちそうです。
>— 1997 Araujo Estate Eisele Vineyard Cabernet Sauvignon: Everything that the 1996 displayed, this ’97 exhibited as well, with perhaps a bit more toasty oak and tannin, but everything in the proper balance for a long life ahead. Showing remarkable complexity, perfect acidity, and a tremendously long finish that really struts its pedigree, this is what California cab was meant to be.
— 2001 Araujo Estate Eisele Vineyard Cabernet Sauvignon: Concentrated dark berry fruits dominate again, this time with a more chocolatey component adding interest. This wine had the most impressive density of the flight (00-01-02) and finished beautifully.
「this is what California cab was meant to be.」とか書かれるとくらっとしちゃいますね(笑)。

実は2002年を最後に買うのやめてしまったのですが,やっぱり惜しかったかなあという気もちょっと。ただ,2003,2004はアルコール度が高く試飲会ではあまりよくなかったようなので,それを気持ちの中での言い訳にしようかなという感じです。

なお,パーカーの掲示板にもほぼ同じ内容のテイスティング・ノートが掲載されています。それから参考までに,WAでの評価が高いのは2002年(98-100),2003年(98),2005年(98),1995年(98),2001年(97),1993年(96)。一番評価が低いのは2000年の91ですから,安定性の高さが際立っています。

Date: 2008/0225 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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先日紹介したメルローを飲んでみました。メルローを買うのも飲むのもずいぶん久しぶりのような気がします。



季節柄,鼻詰まり気味というのもありましたが,香りはかなり控えめ。一生懸命嗅ぐとようやくカシスっぽい香りが感じられてきました。色はかなりしっかりしていますが,ダークな感じではありません。味わいはミディアム・ボディ。余韻に若干青臭さを感じるのがメルローらしいところ。まあ,値段を考えたら悪くない味です。飲みやすいし。ただ,特筆する魅力があったわけではないので,リピートするかどうかは微妙です。カベルネ系が好きだけどあまり濃いのはちょっと,という人向きでしょう。

楽天のレビューでは「 大袈裟な宣伝文句に絆されて買ってはみたものの・・・」と,かなり酷評されていますが,まあこのショップの宣伝文句を鵜呑みにするのもどうかと。それから,残り本数もなくなるとすぐに追加されるのであまり信用しない方がよさそうです。mixiのワインコミュニティの「おすすめワインショップ」ではここを推薦する人が結構いたので一回使ってみようと思ったのですが,ワインに罪はないものの,ショップのせいで印象を落としているのは否めないです。

さて,最近飲んだもう1本はコスコ(コストコ)のプライベート・ブランドであるKirklandのPinot Noir Sonoma Coast 2006。値段は2000円強だったと思います。

ストロベリー系のかわいらしい感じのピノです。悪くはありませんが,もうちょっと魅力がほしいかな。1200円くらいだったらリピートしますが,2000円台ではちょっとリピートは難しそう。以前ちょっとだけ置いてあったBargettoの方がずっとよかったです。残念。

Kirklandもの,コストパフォーマンスに優れていることが多いですが,ワインはもう一つかもしれません。
Date: 2008/0210 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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たまにはちょっといいワインをと思って開けてみたのが標題のワイン。ワイナリの情報によると生産量わずか46ケース(552本)という貴重なワインです。Takuyaさんがワイン会で飲んだ情報はこちら

Takuyaさんの感想によると酸味が強いということだったのですが,それから1年数ヶ月たって,酸味の印象はほとんどなくなっています。

では何か。

このワイン,カリフォルニアのピノには珍しくブルゴーニュのような獣臭やなめし皮のような香りがします。といってもいやな感じではなく,むんむんと匂い立つ感じ。例えて言えばアントニオ・バンデラス。セクシー系の香りです。色もまだ収穫から3年ちょっとという割にはちょっと褐色が入っていて熟成を感じさせます。するする飲めるというより,なんだかせきたてられるように思わずどんどん飲んでしまいます。普段はせいぜい1/3ボトルなのが1/2ボトルまで飲んでしまったのが好例でしょう。

同じワインをまた手にする機会はないでしょうし,次のヴィンテージ以降はKeefer Ranchは作っていないようなので,ヴィンテージ違いでももう飲めない可能性が高いと思います。まさに一期一会。
Salinia
Date: 2008/0204 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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前に書いたLong Meadow RanchのRanch House Redを飲みました。

ワイナリのWebサイトには
LMR Ranch House Red is an "E-Z" drinking wine perfect for a gathering of family and friends. The label features one of our first Appaloosa horses, "E-Z", who also worked as Ted’s personal horse. We felt that his (the horse's) relaxed, good-natured temperament perfectly captured the spirit of this “easy” drinking red wine.

と紹介がありますが,この通りとにかく飲みやすいワインです。ミディアム・ボディで癖がなく,するすると飲んでしまいます。むちゃくちゃおいしいとか,「すごい」っていうワインではないですが,普段飲みにはいいワインです。

Date: 2008/0131 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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最近,1500円台とお安くなっているカレラのシャルドネ・セントラル・コーストを飲んでみました。

Mt. HarlanのAVA名が入ったワインと異なり,Central Coastのワインはほとんどが購入したブドウで作られています。裏ラベルに畑の名前も書いてありましたが,Santa Clara Countyの畑が半分近くというのがちょっと意外でした。Caleraの自社畑ブドウは1%だけ入っています。

まずびっくりしたのはキャップを取るときです。金属のキャップシールを切り取ると,その下から出てきたのはガラス栓。確かにガラス栓に変えたというのは聞いていましたが,実際に見ると結構驚きます。そして,ちょっと開けにくいです。栓がボトルと同じ太さなのですべりやすくて…ちょっとでも太く作ってくれると随分開けやすくなると思うのですが。

肝心のワインですが,色はやや濃い目。香りは割とストレートなトロピカル系。口に含むとハチミツを強く感じます。しかし決して甘いワインではなくきちんと引き締まった印象。おいしいです。締まるべきところは締まり,出るべきところは出たワイン。やや単調なのは否めませんが,この価格帯でそこまで期待するのは無理でしょう。

二日目はやや味がぼやけた感じ。三日目はそのまま落ちていくのかと思ったら,また意外にも香りがカムバックしてきていました。実は二日目だけは普段赤ワインに使っている大ぶりのグラス(リーデルVinumのCabernet用,昨年Pinot用を割ってしまったので今はこれしかないんです(T_T))を使ったのですが,そのせいもあるかもしれません。また,室内の涼しいところ(気温10度くらい?)においていたのですが,もうちょっと冷やした方が楽しめたかもしれません。

いずれにしても,値段を考えたら十二分に楽しめるワインでした。お勧めです。
Date: 2008/0123 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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このところ,安旨ワインというと必ず名前が出てくるワインの一つがCycles Gladiator。Rex-Goliath(レックス・ゴライアス)で一世を風靡した(同ブランドはConstellation Brandsに売却)Hahn Estateが始めたブランドです。SFクロニクルでも取り上げられたことは以前記事に書きました

最近,カベルネはあまり飲まないのですが,たまにはと思って買ってみました。

色は深いガーネット。ただ,向こう側が見えないような濃い色ではなくクリアです。香りはスミレなど意外に華やか。カベルネによくある濃いインクのニュアンスはかなり控えめです。味わいもバランスのよさが目立ちます。ミディアム・ボディで飲みやすいワインです。これだったらリピートしてもいいです。

二日目は香りが落ちて,味わいは甘みが前面に出てきていました。まずくはないですが,1日目よりはちょっと苦手な感じ。三日目はボディのふくらみが落ちて,味わいが全般に平板になってしまいました。ただ,このワイン,飲んでいるうちに結構ニュアンスが変わってきます。三日目も最後の方はよくなっていました。ただ,全体的に見たらできたら1日,長くても二日で飲んでしまった方がいいワインだと思います。

なお,SFクロニクルの記事では次のようなエピソードも披露されています(太字引用者)。

These are not charity picks. I like these wines. Recently, after tasting a couple dozen bargain reds in the morning, I had roast lamb for dinner. I opened two Pinot Noirs that cost more than $125 combined. After a few sips of each, I went into the kitchen for the best two bargain wines from that day (Hangtown Red and Cycles Gladiator Cabernet Sauvignon, see accompanying list) and drank those the rest of the night - they were just better.

合わせて125ドル以上するピノがその後どうなったのか気になりますが,とても飲みやすく,いいワインだと思います。

Date: 2008/0115 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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今年最初に飲んだワインは誕生日に開けたRoarでした。Roarについて一応説明しておきましょう。MontereyのSanta Lucia Highlands地域を90年代末に一躍有名したのがPisoniの畑。この畑のオーナーGary Pisoniの親友であり「もう一人のGary」とも呼ばれるGary Franscioniが持つのがGary Pisoniと共同所有するのが二人の名を付けたGarys',またGary Franscioni夫妻の畑が奥さんの名を付けたRosella's。Garys'の方はPisoniと同じく「La Tacheか」と言われる“スーツケース・クローン”(海外から荷物にまぎれて不法に持ち込む枝のこと)を植えており,Rosella'sの方はDijonクローンを中心にいくつかの種類を植えていると言われています。このFranscioni夫妻のワイナリがRoarです。

表ラベル  裏ラベル

Roarの名のいわれは上の裏ラベルを参照してください。吹き付ける風と,畑を二分する川の流れの音を「咆哮」に見立てたようです(ラベルにライオンの紋章が付いているのが分かるでしょう)。

さて,2001年から始めたこのワイナリ。今回飲んだ2002は2回目のヴィンテージということになります。Wine Spectatorで91点,PinotReportで93点などの評価を得ています。

色はピノにしてはやや濃い目ですが,最近のピノに比べればまだ少し明るい感じがします。香りはスミレ,イチゴなどを感じます。口に含むと意外にしっかりしたタンニンやスパイスを感じます。甘みは弱く,ひきしまった印象。Rosella'sにしては果実味は弱い方かもしれません。いいワインですが,これはもっとリリースに近い時期に飲んだ方がよかったかも。

ちなみに二日目,三日目とだんだんおいしくなっていきました。特に最後のちょっと澱が混じったような部分は果実味もしっかりしており,おいしかったです。

売り切れていますが参考までにリンクを置いておきます。購入時にはこんなに出していません。
Date: 2008/0103 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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ワインブログとして著名なVinographyが酒のレビューに力入れていたり,Wine Library TVで酒が取り上げられたり,日本酒も注目度が高まっています。

個人的には日本酒を飲むのは正月くらいで,テイスティング・ノートを書けるほど,分からないのですが,一応飲んだ報告として挙げておきます。

成城石井で出羽桜の日本酒を3種試飲していたので,そこから選択。選んだ理由は「燗」でもいけるから。正月は雰囲気的にとっくりで「燗」をして飲むことが多いので,あまりさらさらしたものより,味わいがしっかりしたものの方が好みです。あまり個性は強くないような気がしましたが,そこそこ旨みもあり,おいしくいただけました。



ちなみに大晦日は近所の蕎麦屋で年越しそばを食べ,「黒牛」というのを飲みました。これは冷やでしたが,甘すぎず,なかなかよかったです。