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Date: 2022/1030 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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今月開催された中川ワインの試飲会で最注目だった新入荷ワインが「アルマ・デ・カトレア」。すぐにでも紹介したかったのですが、まだ国内のショップ用入荷がなかったときだったので、入ってくるまで紹介を待っていました。

アルマ・デ・カトレアのワインメーカーはビビアナ・ゴンザレス・レーヴ。ウェイフェアラー(ナパの人気生産者パルメイヤーがソノマ・コーストで始めたワイナリーですが、今ではナパのワイナリーは売ってしまってこちらに専念しています)をソノマ・コーストのトップクラスのシャルドネとピノ・ノワールのプロデューサーにまで仕立て上げた立役者です。2015年にはSFクロニクルのワインメーカー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた実力者。

現在はウェイフェアラーはやめ、自身のブランドである「カトレア」(シャルドネとピノ・ノワール)、夫のジェフ・ピゾーニ(サンタ・ルシア・ハイランズの雄ピゾーニのワインメーカー)と作るソーヴィニヨン・ブラン専門の「シェアード・ノーツ」としてこの「アルマ・デ・カトレア」を作っています。ちなみにカトレアは彼女の母国であるコロンビアの国花です。ワインの文化のない国で生まれ、それでもワインを作りたくてお金をためてフランスに行って勉強し、カリフォルニアに渡った苦労人でもあります。

アルマ・デ・カトレアで手掛ける品種はシャルドネとピノ・ノワール、ソーヴィニヨン・ブランにシラー主体のレッド・ブレンド。カトレア+シェアードノーツ+αのコスパ系となります。希望小売価格で4500~6000円と、他の2ブランドと比べると試しやすくなっています。

ビビアナの作るワインはどれもエレガント。ソノマの冷涼な地域のブドウを使っています。

特にお薦めはソーヴィニヨン・ブラン。ムスケ・クローンも含んでおりとてもアロマティックでピュア。シェアード・ノーツではボルドータイプ、ロワールタイプの2つのソーヴィニヨン・ブランを作っていますが、その両者のいいとこ取りをしたようなワインです。

シャルドネもとてもきれいで、ミネラル感のあるワイン。ニュートラルな樽を使っているので樽感は強くありません。カトレアのシャルドネがすごく好きなのですが、やはりそれを彷彿させるところがあります。

ピノ・ノワールはチャーミングな味わい。柔らかい赤果実にスパイスなどがからまり複雑な味わい。

レッドワインはシラー64%、カベルネ・ソーヴィニヨン22%、メルロー14%。オーストラリアのシラーズではなく北ローヌのシラーに近い作りというか、もしかしたらそれよりも冷涼感が強いかもしれません。筋肉質な味わいにかなりしっかりとしたタンニンがバックボーンを作ります。

カリフォルニアワインあとりえにはレッド・ブレンド以外の3種が入荷しています。





Date: 2022/1029 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ザ・ペアリング(The Paring)は、スクリーミング・イーグルのオーナーがサンタ・バーバラで展開するザ・ヒルト(The Hilt、ピノ・ノワールとシャルドネ)、ホナタ(Jonata、ボルドー系とローヌ系)のセカンドにあたるブランドです。ザ・ヒルトとホナタはサンタ・バーバラでは既にトップクラスに入るブランド。ザ・ペアリングは非常にコスト・パフォーマンスの高いワインとなっています。

ザ・ペアリングのソーヴィニヨン・ブランは今春、NHKの番組「あてなよる」で激賞されていて、2ヵ月ほど品切れになっていた人気ワイン。個人的にはシラーもかなりいい出来だと思っています。

ウメムラの5本セットは1万6500円で送料無料。税抜き価格なら1本3000円相当です。ワイナリー価格の25ドルと比べてかなりお買い得。上記2品種のほかカベルネ中心のレッド、シャルドネ、ピノ・ノワールが入っています。

ただし、この価格は10月31日までの限定。11月1日には3割値上げすることが予告されています。買って損のないセット間違いなしです。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

【送料無料】ザ・ペアリング 飲み比べ 紅白5本セット
価格:16500円(税込、送料無料) (2022/10/29時点)


Date: 2022/1026 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ワイン・エンスージアストで2022年のベストバイ100が公開されています(Top 100 Best Buys of 2022 | Wine Enthusiast)。

ラックリドル
5位に入ったのはソノマのスパークリング・ワイン専業メーカー「ラック・アンド・リドル」のブリュット。ラック・アンド・リドルといえば、ソノマ唯一のスパークリング・ワインのカスタム・クラッシュであり、多くのワイナリーから醸造を委託されています。そこが自ら作るスパークリングですからうまくないはずがありませんし、コスパも抜群です。ブリュットはその中でもオールマイティなタイプ。

しあわせワイン倶楽部です


OZV
10位に入ったのはローダイのOZVオールド・ヴァイン・ジンファンデル2020。いかにもローダイのジンファンデルといった、少し甘やかさのあるジンファンデル。「酸っぱいワインじゃないと嫌!」という人はやめておいた方がいいですが、とても飲みやすく美味しいジンファンデルです。実売では1000円台のところもあるのでかなりお買い得です。

なお、OZVを作っているオーク・リッジには、もう少し安価なブランドとしてINTOやTNTもあり、どれも果実実豊かなワインになっています。

ショップはフェリシティ



Date: 2022/1022 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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アルダー・スプリングス(Alder Springs)という畑をご存知でしょうか。どこにあるかまで大体わかっていたら、かなりのカリフォルニアワイン・マニアだと思います。個人的にはカリフォルニアでグラン・クリュの畑を選ぶとしたらそこに入れたい畑の一つです。

アルダー・スプリングス

畑の場所はメンドシーノ郡。メンドシーノというと有名なAVAではアンダーソン・ヴァレーがありますが、アンダーソン・ヴァレーがソノマのすぐ北にあるのに対し、アルダー・スプリングスはそれよりももっと北の方にあります。これだけの畑なのにAVAの指定されていないところです(アルダー・スプリングスがAVA申請すれば通ると思いますが)。

サンフランシスコから150マイルあるというから約240km。太平洋からはわずか18kmしかありません。6000エーカー(東京ドーム500個分以上)という広大な土地に140エーカーだけがブドウ畑になっています。標高は1700フィートから2700フィートとかなり高く、冬になると雪も積もります。

Stu
この土地を開拓したのはスチュアート・ビューリー(Stuart Bewley)という人。UCデーヴィスを卒業し、彼の理想にあったブドウ畑の土地を探して1980年代末からカリフォルニアの各地を回りました。1991年にメンドシーノの田舎に見つけたのがここ。元牛舎だった土地が売りに出ていたのを期待せずに調べたら、理想通りの土壌でそこを購入。1993年からぶどう作りを始めました。

ここを有名にしたのはパッツ&ホールでしょう。1990年代からシャルドネとピノ・ノワールを作っています。以前、元パッツ&ホールのドナルド・パッツさんが来日したときのワイン会で彼が言っていたのは「アルダー・スプリングスのワインは果実味を感じない。それが大きな特徴だ」ということ。もちろん果実味が本当にないわけではないのですが、それ以上にミネラル感や様々な複雑な味わいを強く感じるワインになります。パッツ&ホールのワインの中でも長熟タイプになります。

今ではパッツ&ホールのほか、リース(Rhys)、ベッドロック(Bedrock)、パックス(Pax)、クルーズ・ワイン(Cruse Wine)、アルノー・ロバーツ(Arnot-Roberts)、ケスナー(Kesner)といったそうそうたるワイナリーが、アルダー・スプリングスのブドウでワインを作っています。また、アルダー・スプリングス自身のワイナリーもあり、ワインメーカーはバイロン・コスゲ(Byron Kosuge)。日系人で元セインツベリーのワインメーカーです。
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さて、このような輝かしいアルダー・スプリングスのワインに、日本人作のものが加わりました。平林園枝さんが作るシックス・クローヴズのピノ・ノワールです。


前述のように、アルダー・スプリングスのワインはミネラル感が非常に強いので、若いときはかなり固く感じられることがしばしばあります。しかし、これは2021年ヴィンテージと、まだ1年しか経っていないにもかかわらず、柔らかさがあります。同時に非常に奥深い味わいも。普通のカリフォルニアワインのように果実を楽しむのではなく、時間をかけて変化を追ったり、少しずつその奥深さを味わうなど、ゆっくり・じっくり飲んでいきたいワインになっていました。

今月末には国内入荷されてくるということなので、そのときには改めて紹介したいと思います。




Date: 2022/1021 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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数年前、明石家さんまさんがテレビ番組の中で、愛飲していると発言してベストセラーというか、瞬時に市場から消え去ったのがナパ・ハイランズのカベルネ・ソーヴィニヨン。

私もその半年か1年くらい前に初めて試飲して、これは美味しいとお薦めしたワインでもあるのですが、残念ながら私のお薦めの何千倍もさんまさん効果は大きかったようです。

その後、半年くらいは次の入荷もなかったため、「次のナパ・ハイランズ」を狙うワインが続々と入ってきました。4000円台カベルネというのは、一つのジャンルになったと言ってもいいでしょう。

先日の中川ワインの試飲会ではナパ・ハイランズを含む、その価格帯のカベルネをまとめていくつか試飲できました。

で、その感想はといえば「やっぱりナパ・ハイランズうまい」と、なりました。どれも果実味華やかで、ストラクチャーもあり、よくできたワインなのですが、その中でもバランスの良さは格別。赤系果実の風味も少し入って明るく、かといって軽くもなく適度なタンニンがあり、畑のセレクション(ヨントヴィル、オークヴィル、ラザフォードのブドウをブレンド)もワインの作りも上手だなあとうならされました。何人か話をした知り合いも同じ感想だったようです。


ちなみにメルローもなかなか秀逸でしたが、メルローは別のお薦めもあるのでそれはまた今度ということで。

このセットは送料込みで1本4000円切ります。お薦め。しあわせワイン倶楽部です。



ココスです。6本以上買うと送料無料枠に達します。

Date: 2022/1018 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ヴィオニエは白い花の香りなど、魅力的な品種ですが、なかなか美味しいのに出会わない品種とも感じています。特に安ワインではちょっとだるい感じのワインになりがちです。中川ワインの試飲会で希望小売価格1980円と、この品種にしては安価なマックマニスのヴィオニエを試飲しました。はたしてその実力は?


温暖なセントラル・ヴァレーのワインなので、やはり酸は弱めです。でも香りはとてもいい。ブラインドで飲んでも、多分多くの人がヴィオニエだと思うでしょう。素晴らしいとまではいえませんが、この価格帯では秀逸で魅力のあるヴィオニエだと思います。特に、酸っぱいのが苦手と思っている人にはいいと思います。スーパー「オリンピック」のバイヤーさんもお薦めとのこと。



実力的に言えば段違いなのはこちらのヴィオニエ。ワシントンのグラマシー・セラーズです。希望小売価格5800円と価格も3倍しますが、米国産のヴィオニエの中では個人的にはトップ3に入るワイン。果実の厚みもありますが、すごくきれいでエレガントなワイン。同じヴィオニエといってもだいぶタイプも違いますが、それぞれ良さはあります。

しあわせワイン倶楽部です。


ココスです。


これ、すごく安いですね。ショップはトスカニーです。


Date: 2022/1015 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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先日の「ト・カロンのワインが6本、夢のようなセミナー」ではト・カロンの素晴らしいワインを試飲しましたが、唯一の問題はト・カロンのワインは値段が高くてなかなか手に入りにくいこと。白のフュメ・ブラン リザーブが想定小売価格で1万5890円、赤の中で一番安いロバート・モンダヴィのト・カロン カベルネ・ソーヴィニヨン リザーブで3万3280円となっています。

そこで、セミナーではもっと安価に飲める「ト・カロン入り」のワインも別途試飲できるようになっていたので紹介します。

ロバート・モンダヴィからは写真の3本。ソーヴィニヨン・ブラン2019(このヴィンテージからフュメ・ブランではなくソーヴィニヨン・ブラン名称になりました)。6260円。樽発酵で6カ月シュール・リーで熟成しているとのことで、穏やかな樽の風味とシュール・リーによるパンのような酵母の風味がリッチさを与え、ソーヴィニヨン・ブランらしいグレープフルーツやちょっと草のような風味に高級感を与えてくれます。32%がト・カロンで68%はスタッグス・リープの畑です。

カベルネ・ソーヴィニヨンはナパ・ヴァレー(これはト・カロンは入っていません)とオークヴィル(なんと97%ト・カロン)です。想定小売価格はそれぞれ9400円、15890円。ナパ・ヴァレーはちょっと甘やかさがあります。リッチだけどストラクチャーもあって美味しいです。1万円切りではかなりのレベルの高さです。オークヴィルは黒鉛のようなしっかりとした風味があり、やっぱりストラクチャーのレベルが違います。ただ、きれいでバランスもよく非常によくできています。


一方、シュレーダーからはダブル・ダイヤモンド2019(1万2800円)。これはモンダヴィのト・カロンだけでなくベクストファー・ト・カロンのブドウも入っています。このほかオークヴィルの別の畑からの買いブドウもあります。パワフルさはこの4本の中でも格別で、ちょっと甘やかな風味はシュレーダーに通じるところもあります。これもさすがトーマス・リヴァース・ブラウンというワインです。







おまけ
2009年のフュメ・ブラン・リザーブのようです。安いですね。

「訳あり」ものですが安いですね。

Date: 2022/1013 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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アイコニック ワイン・ジャパンはカリフォルニアワインのインポーターの中でもパソ・ロブレスなどセントラル・コーストのワインを得意としており、3000円台くらいの面白いワインを数多く持っています。先日の試飲会では、特に自然派志向の新興ワイナリーのワインが気になりました。

あえて自然派志向と書いたのは、100%オーガニックだったり、SO2無添加といった定義を満たしているかどうかより、ワイナリーの姿勢としてナチュラルなワイン造りやテロワールの発現を志向しているといった意味です。

フィールド・レコーディングスはその名前が示すように、様々な畑の個性を記録していくようなワイナリー。ワインメーカーのアンドリュー・ジョーンズはブドウの苗木を売るナーサリーで働き、多くの畑を知り、そこからワインを作るようになりました。畑の75%はオーガニック、残りもサスティナブルになっています。

「スキンズ」は米国で一番売れているオレンジワイン。シュナン・ブランやピノ・グリ、アルバリーニョなどのブレンドです。フレッシュですが旨味もとてもあって美味しいワイン。
隣の「サラダ・デイズ」はオーガニックなブドウを使ったスパークリングワイン。さっぱりさわやかな味わいです。


カベルネ・フラン100%の「フラン」はかなりエレガントな作り。タンニンも意外としっかりあってグリップが効いています。

ファブリストはフィールド・レコーディングスのアンドリュー・ジョーンズがサン・リューズ/グラウンドワーク(これもアイコニック扱い)のカート・シャクリンが共同で作るブランドです。イソップ寓話からインスピレーションを得たというラベルがユニークです。ここも契約した畑のブドウを使っています。ワインの多くはヴィーガンで作られており、SO2も最低限になっています。


アルバリーニョは微発泡でフレッシュな味わい。きれいな果実味もあってスイスイ飲めてしまうワインです。


ジンファンデルは昨年の日本デビュー時にあっという間に売り切れてしまったワイン。エレガントで旨味もあります。むちゃくちゃ美味しい。


カベルネ・ソーヴィニヨンもエレガントで旨味たっぷり。


新入荷のユニオン・サクレはフランス出身のザビエル・アルノ―ダンと、独学でデザインを学んだミシガン州出身のフィリップ・マジーによるワイナリー。アルザス地方で多く造られているリースリングを中心に単一畑、単一種のワインに特化して生産しています。アルノーダンはファブリストのカート・シャクリンの下で働いていたこともあります。ゲヴェルツトラミネールは薄ピンクがきれいで、味わいもチャーミング。美味しいです。


ピノ・ノワールもカリフォルニアとは思えないほどの冷涼感。


最後はストルプマンの「So Fresh」シリーズ。ストルプマンはシネ・クア・ノンにもブドウを卸していた優秀なシラーなどで知られるワイナリー。2022年には100%ビオディナミでブドウを作るようになりました。So Freshシリーズはボージョレ・ヌーボーと同じカルボニック・マセレーションを使って発酵させたワイン。ブドウのフレッシュな味わいを残しているのが特徴。

大人気のLove You Bunchesはサンジョベーゼ、Crunch Roastie Rainbowはシラーとヴィオニエ、GGTはグルナッシュとガメイとトゥルソー。



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Date: 2022/1007 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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大谷選手がついに打者の指定打席数、投手の規定投球回数の両方に到達しましたね。並の成績ならともかく、打者としても投手としてもトップクラスの成績なのですから一人で一流選手二人分の働きをしているわけで、控えめに言ってもすごすぎます。来季は移籍するんじゃないかと思っていましたが、1年契約で残留。移籍するにしても西海岸には残ってほしいなあと思っていたので、個人的にもほっとしています。

そんなこんなで大詰めのMLBですが、MLB公認のワインというのがあり、エンゼルスのワインもあります。


輸入元はワイン・トゥ・スタイルですが、今のカタログには掲載されていないので、今の在庫で最後かもしれません。
大谷選手の前代未聞の記録を祝うためにいかがでしょうか。

こんなセットもあります。


Date: 2022/1005 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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かのロマネ・コンティを有するDRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)はルロワ家とド・ヴィレーヌ家の共同所有となっています。そのド・ヴィレーヌ家の当主を長年勤め、今年引退したのがオベール・ド・ヴィレーヌです。この人は、かのパリスの審判で審査員の一人でもあったのですが、それは置いておいて、実は奥さんはアメリカ人で、ナパのハイド・ヴィンヤードを作ったラリー・ハイドのいとこです。

そういった縁で、ド・ヴィレーヌ家とハイド家の共同ワイナリーとして2000年に始まったのが「ハイド・ド・ヴィレーヌ(HdV)」です。

ハイド・ヴィンヤードはカリフォルニアでも最高級のシャルドネやピノ・ノワールの畑を有しています。しかも、そのピノ・ノワールは「カレラ・クローン」。DRCから持ってきたと言われているカレラのブドウからのカッティングです。好事家としては、カレラ(Calera)の代名詞でもある「カリフォルニアのロマネ・コンティ」のお株を奪う本家の「カリフォルニア版ロマネ・コンティ」を期待したわけですが、当初はピノ・ノワールは作らず、シャルドネとメルローなどのレッド・ブレンドを作っていました。

ようやく2012年に初めて作ったのが「イザベル(Ysabel)」というピノ・ノワール。実は「神の雫」(正確には「マリアージュ~神の雫最終章~」)でも取り上げられているワインです。


このピノ・ノワール、ソノマ・マウンテンにあるVan der Kamp(ファン・デル・カンプ)の畑のブドウを使っています。漫画のセリフに「ソノマ・マウンテンのハイド家」とあるのは、畑の場所がハイドだと思ってしまったのでしょうか。

ともかくHydeのブドウでなかったのはちょっと肩透かしでもありましたが、2014年にはジェームズ・サックリングが97点をつけるなど、品質は優れていました。

その後、本命とも言えるハイドのピノ・ノワール「Ygnacia」も作るようになり、結局「イザベル」は2018年で打ち切りとなってしまいました。

と、前置きが長くなりすぎましたが、イザベル打ち切りで、日本の輸入元が売りつくしに入っており、しあわせワイン倶楽部で2017年と2018年がセールになっています。輸入元希望価格の2万3650円が26%オフで1万7380円。昨今のブルゴーニュ高騰を考えたら、ド・ヴィレーヌが作るワインがこの値段というのは「安すぎる」といってもいいかもしれません。なお、ジェームズ・サックリングは2017年に96点、2018年に94点を付けています。