Napa Valleyで旅客サービス用に鉄道を使うという案が持ち上がっています(Wines & Vines - Wine Industry News Headlines - Napa)。既存のWine Trainのレールを使うということで、協議が始まりました。
Highway29の渋滞の軽減やワイナリ観光促進という点ではメリットの大きなこの案、実は当初はNapa Valley Wine Trainも目指していたものでした。そのときは、観光に列車を使うのは、よくないという意見が大勢であり、Wine Trainは乗客を途中で降ろさないという条件でようやく始められたのでした。
今回の案、遅きに失した感は否めませんが、ぜひ実現してほしいと思います。さらに、現状、公共交通機関が乏しいSonomaも、何とかしてほしいようにも感じます。
Highway29の渋滞の軽減やワイナリ観光促進という点ではメリットの大きなこの案、実は当初はNapa Valley Wine Trainも目指していたものでした。そのときは、観光に列車を使うのは、よくないという意見が大勢であり、Wine Trainは乗客を途中で降ろさないという条件でようやく始められたのでした。
今回の案、遅きに失した感は否めませんが、ぜひ実現してほしいと思います。さらに、現状、公共交通機関が乏しいSonomaも、何とかしてほしいようにも感じます。
カリフォルニアワインあらかるとでMelvilleのVerna's Chardonnay/同Pinot Noirが2000円台で出ています。Verna'sというのはSanta BarbaraのLos Alamos ValleyにあるMelville所有の畑名。すなわちこの安さですが、完全に「Estate」の単一畑です。元々コスト・パフォーマンスの高さでは定評があるワイン。これはお勧めです。
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ここまで紹介しているのは歴史の章ですが、実際には本の大部分はワイナリの紹介になる予定です。最低でも100、できたら200くらいのワイナリを紹介したいと思っています。
当然、「訪問する」ワイナリだけでなく、「飲む」ためのワイナリ紹介も兼ねるのですが、そこで悩んでいるのが訪問できないワイナリをどこで紹介するかということ。
例えばハーランみたいなワイナリは、カリフォルニアのカベルネみたいな項目を作って紹介するのがいいのか、ナパのところで書くのがいいのか、さらにブレークダウンしてOakvilleにするのがいいのか。
また、紹介するワイナリ数が多すぎると今度は初心者ガイド的な面が薄れてしまいます。初心者でも見やすく、マニアも満足という、このサイトの初心を貫くためにはどういう構成がいいのか、悩みは尽きません。
ご意見・ご要望お寄せ下さい。
当然、「訪問する」ワイナリだけでなく、「飲む」ためのワイナリ紹介も兼ねるのですが、そこで悩んでいるのが訪問できないワイナリをどこで紹介するかということ。
例えばハーランみたいなワイナリは、カリフォルニアのカベルネみたいな項目を作って紹介するのがいいのか、ナパのところで書くのがいいのか、さらにブレークダウンしてOakvilleにするのがいいのか。
また、紹介するワイナリ数が多すぎると今度は初心者ガイド的な面が薄れてしまいます。初心者でも見やすく、マニアも満足という、このサイトの初心を貫くためにはどういう構成がいいのか、悩みは尽きません。
ご意見・ご要望お寄せ下さい。
友人の「かもしだ」さんからお誘いを受けて、注文から届くまで6年かかるという幻のコロッケをいただいてきました。
このコロッケ、血統書付きの神戸牛の肉と、肥料に牛糞しか使っていないジャガイモでできているという逸品(神戸ビーフコロッケ「極み」)。
肉はひき肉ではなく細切れのもの。ジャガイモは甘みが強く、確かに普通のコロッケとは一線を画していました。
もちろん、ただコロッケを食べただけではなく、ワインも飲んでいます。今回は私の持参したシャルドネと、かもしださん宅のシャルドネとカリフォルニアのシャルドネを2本いただきました。
まずはBrewer-CliftonのMt. Carmelのシャルドネ2007年です。色はかなり濃い目の黄金色。柑橘系の効いたシャープなシャルドネです。さすがのきれいな味わい。
つぎは近年絶賛売り出し中のNeely。Holly's Cuveeの2008年です。これもきれいなシャルドネ。B-Cに比べると、若干トロピカルフルーツ的な味わいがありますが、それ以上に酸が伸びてくる印象。甲乙付けがたいおいしいシャルドネですが、あえてどちらかというなら、こちらの方が味の広がりが大きかったような。
最近、あらためてシャルドネおいしいなあと思っているのですが、どちらも大満足のワインでした。どちらもレアでなかなか買えないのだけが問題。
このコロッケ、血統書付きの神戸牛の肉と、肥料に牛糞しか使っていないジャガイモでできているという逸品(神戸ビーフコロッケ「極み」)。
肉はひき肉ではなく細切れのもの。ジャガイモは甘みが強く、確かに普通のコロッケとは一線を画していました。
もちろん、ただコロッケを食べただけではなく、ワインも飲んでいます。今回は私の持参したシャルドネと、かもしださん宅のシャルドネとカリフォルニアのシャルドネを2本いただきました。
まずはBrewer-CliftonのMt. Carmelのシャルドネ2007年です。色はかなり濃い目の黄金色。柑橘系の効いたシャープなシャルドネです。さすがのきれいな味わい。
つぎは近年絶賛売り出し中のNeely。Holly's Cuveeの2008年です。これもきれいなシャルドネ。B-Cに比べると、若干トロピカルフルーツ的な味わいがありますが、それ以上に酸が伸びてくる印象。甲乙付けがたいおいしいシャルドネですが、あえてどちらかというなら、こちらの方が味の広がりが大きかったような。
最近、あらためてシャルドネおいしいなあと思っているのですが、どちらも大満足のワインでした。どちらもレアでなかなか買えないのだけが問題。
1990年代末にカルト・ワインと呼ばれるワインのブームが起こりました。カルト・ワインは生産量が数百ケースと少なく、ワイナリのメーリング・リストに入って直接購入するか、オークションで買うくらいしか入手方法がありません。例えば100ドルのワインが1000ドル以上になる、といったことが珍しくありませんでした。金に糸目を付けずに買う人が多く出たことから、まるでそのワインの熱狂的信者がいるようであるという意味でカルトと付けられたのでしょう。
2000年にWine Spectatorが出したカルトワイン特集で取り上げられたのは、Araujo(アラウホ)、Bryant Family(ブライアント・ファミリー)、Colgin(コルギン)、Dalla Valle(ダラ・ヴァッレ)、Grace Family(グレイス・ファミリー)、Harlan Estate(ハーラン・エステート)、Screaming Eagle(スクリーミング・イーグル)、Shafer(シェイファー)、そしてMarcassin(マーカッサン)。MarcassinがChardonnayとPinot Noirを作っていることを除くと、いずれもCabernet Sauvignonなど、ボルドー系の品種を主とするワイナリです。また、Marcassin以外はナパのワイナリです。
カルトワインのブームと共に、スター・ワインメーカーにも脚光が当たりました。Araujo、Dalla Valle、Shaferなどに携わったTony Soter(トニー・ソーター)、Marcassinのオーナーであり、Bryant FamilyやColginなどでもワインメーカーをしたHelen Turley(ヘレン・ターリー)、Dalla Valleの立ち上げを手伝い、その後Grace FamilyやScreaming EagleのワインメーカーになったHeidi Peterson Barrett (ハイジ・ピーターソン・バレット)などがその代表です。中でもHelen Turleyは「ワインの女神」と呼ばれるほど神格化されました。
AraujoやHarlanなどでコンサルタントをするフランス人のMichelle Rolland(ミシェル・ローラン)や、畑の管理者として名を馳せたDavid Abreu(デイビッド・エイブリュー)にも注目が集まりました。
カルトワインのブームは、2001年にインターネット・バブルが崩壊したことによって終わりました。その後、第二のカルトと言われるようなワインは様々登場したものの、一時のように、オークションで価格が急騰するようなことは、なくなりました。また、Bryant家とHelen Turleyが喧嘩別れして、その後訴訟になるなど、醜い面も表面化しました。
この間に、ナパではワインの価格が大きく上昇しました。1990年代には定価100ドルを超えるワインは稀でしたが、多くのワイナリがプレミアムのワインを100ドル超の価格で売り出しました。カルトブームの後遺症は今も残っています。
2000年にWine Spectatorが出したカルトワイン特集で取り上げられたのは、Araujo(アラウホ)、Bryant Family(ブライアント・ファミリー)、Colgin(コルギン)、Dalla Valle(ダラ・ヴァッレ)、Grace Family(グレイス・ファミリー)、Harlan Estate(ハーラン・エステート)、Screaming Eagle(スクリーミング・イーグル)、Shafer(シェイファー)、そしてMarcassin(マーカッサン)。MarcassinがChardonnayとPinot Noirを作っていることを除くと、いずれもCabernet Sauvignonなど、ボルドー系の品種を主とするワイナリです。また、Marcassin以外はナパのワイナリです。
カルトワインのブームと共に、スター・ワインメーカーにも脚光が当たりました。Araujo、Dalla Valle、Shaferなどに携わったTony Soter(トニー・ソーター)、Marcassinのオーナーであり、Bryant FamilyやColginなどでもワインメーカーをしたHelen Turley(ヘレン・ターリー)、Dalla Valleの立ち上げを手伝い、その後Grace FamilyやScreaming EagleのワインメーカーになったHeidi Peterson Barrett (ハイジ・ピーターソン・バレット)などがその代表です。中でもHelen Turleyは「ワインの女神」と呼ばれるほど神格化されました。
AraujoやHarlanなどでコンサルタントをするフランス人のMichelle Rolland(ミシェル・ローラン)や、畑の管理者として名を馳せたDavid Abreu(デイビッド・エイブリュー)にも注目が集まりました。
カルトワインのブームは、2001年にインターネット・バブルが崩壊したことによって終わりました。その後、第二のカルトと言われるようなワインは様々登場したものの、一時のように、オークションで価格が急騰するようなことは、なくなりました。また、Bryant家とHelen Turleyが喧嘩別れして、その後訴訟になるなど、醜い面も表面化しました。
この間に、ナパではワインの価格が大きく上昇しました。1990年代には定価100ドルを超えるワインは稀でしたが、多くのワイナリがプレミアムのワインを100ドル超の価格で売り出しました。カルトブームの後遺症は今も残っています。
映画「ヒトラー 〜最期の12日間〜」のパロディで、ヒトラーが色々なものを怒っている字幕を付けた動画がいろいろとあります。例えば、
日本だけで流行っているのかと思ったら、ロバート・パーカーがWine Advocate誌のカリフォルニア担当を降りてしまったことにショックを受けるワイナリの人たちといったやり取りにしたものが出ていました。
最後はおいおい、といった感じで結構笑えました。
日本だけで流行っているのかと思ったら、ロバート・パーカーがWine Advocate誌のカリフォルニア担当を降りてしまったことにショックを受けるワイナリの人たちといったやり取りにしたものが出ていました。
最後はおいおい、といった感じで結構笑えました。
RyoAnnaさんの企画に便乗して、久しぶりにiPhoneネタで書きます。
僕がiPhoneを買ったのは2009年の4月。「iPhone for Everybody」(でしたっけ?)のキャンペーンが始まって少したったころでした。ブログ仲間では既に何人か使っていたので、出遅れ感もありましたが、今から考えれば、まだ早めに使い始めたほうだったのかもしれません。
与太話はさておき、いろいろな意味で影響を受けたアプリ5本、紹介します。
iPhoneアプリ紹介サイトのAppBankさんとは、今でも交流させていただいていますが、そのきっかけになったのがこのアプリでした。
AppBankさんがこのアプリを紹介したときに、あまりにも気に入ったので他の人にも使ってほしいと、ギフト券をプレゼントしていたのに当たったのです。今ではAppBankのキャンペーン、応募してもまず当たりませんが、当時はまだ応募する人も少なかったのでしょうね。その関係で、このサイトでも初のアプリレビューを書いています。また、今でもデフォルトの英和辞典アプリとして大いに利用させていただいています。
次はちょっと悩んだのですがTwitterアプリのTwittelator Pro。何と悩んだかというとEchofonです。最初に使ったTwitterアプリはEchofonの前身のTwitterfonで、これでTwitterを使うことが、それまでよりも何倍も増えました。その後、より機能が豊富なものを探して行って行き着いたのがTwittelator Pro。多分もう2年くらいデフォルトのTwitterアプリとして使っています。
最近はTweetlogixも人気だとのことで、入れてみましたが、今のところまだ、Twittelatorを置き換えるところまでは、来ていません(今、まっさらな状態でどちらか選ぶならTweetlogixを選ぶかもしれませんが)。お世話になった度合いということでは、圧倒的に大きなのがこのアプリです。
ゲーマーではない、というかゲームは基本的に苦手なのですが、それでもPCゲームの時代から気になっていたのがMadden NFL。NFLの実在の選手データを使ったアメフトのゲームの超定番です。iPhoneをきっかけに、初めて購入してやってみましたが、さすがの完成度で随分楽しませてもらいました。
ただ、このアプリの難点は、毎年別のソフトとして出てくるのでその都度購入しないといけないこと。2012年版はレビューの評判が芳しくないので、まだ躊躇しています。有料でいいから昨年のアプリに今年のメンバー情報を入れられるといいのですがねえ。
次はユーティリティ系で。このアプリは最寄り駅の次に出る電車の時間をカウントダウンで教えてくれます。役に立つ度や技術的な難易度でいうと「乗換案内」の方が上だと思うのですが、「乗換案内」が、だれでも思いつくような便利アプリなのに対し、駅.Lockyはこういうやり方もあるのだなと、すごく感心させられました。
使っていて何か可愛く感じるアプリでもあります。
最後はアプリではなくWebサイト。せっかくなのでワイン系で何か入れようと思ったのですが、残念ながら決め手がなく。以前レビューした「My Parker」は機能的にはいいのですが、残念ながら本家のRobert Parkerのサイトとはアカウントが別。両方のアカウントを保持するのは、もったいないので、今はUSアカウントだけです。このサイトはそこの検索機能。結局今はこれが一番役に立っています。CellarTrackerがアプリになったら会員登録して使ってみてもいいかなあ、とは思っているのですが。
ワインSNSも色々出ましたが、ちょっと停滞気味ですかねえ。逆に言えば、この市場、まだ開拓の余地はありそうです。
僕がiPhoneを買ったのは2009年の4月。「iPhone for Everybody」(でしたっけ?)のキャンペーンが始まって少したったころでした。ブログ仲間では既に何人か使っていたので、出遅れ感もありましたが、今から考えれば、まだ早めに使い始めたほうだったのかもしれません。
与太話はさておき、いろいろな意味で影響を受けたアプリ5本、紹介します。
1. ウィズダム英和・和英辞典
iPhoneアプリ紹介サイトのAppBankさんとは、今でも交流させていただいていますが、そのきっかけになったのがこのアプリでした。
AppBankさんがこのアプリを紹介したときに、あまりにも気に入ったので他の人にも使ってほしいと、ギフト券をプレゼントしていたのに当たったのです。今ではAppBankのキャンペーン、応募してもまず当たりませんが、当時はまだ応募する人も少なかったのでしょうね。その関係で、このサイトでも初のアプリレビューを書いています。また、今でもデフォルトの英和辞典アプリとして大いに利用させていただいています。
2. Twittelator Pro
次はちょっと悩んだのですがTwitterアプリのTwittelator Pro。何と悩んだかというとEchofonです。最初に使ったTwitterアプリはEchofonの前身のTwitterfonで、これでTwitterを使うことが、それまでよりも何倍も増えました。その後、より機能が豊富なものを探して行って行き着いたのがTwittelator Pro。多分もう2年くらいデフォルトのTwitterアプリとして使っています。
最近はTweetlogixも人気だとのことで、入れてみましたが、今のところまだ、Twittelatorを置き換えるところまでは、来ていません(今、まっさらな状態でどちらか選ぶならTweetlogixを選ぶかもしれませんが)。お世話になった度合いということでは、圧倒的に大きなのがこのアプリです。
3. Madden NFL
ゲーマーではない、というかゲームは基本的に苦手なのですが、それでもPCゲームの時代から気になっていたのがMadden NFL。NFLの実在の選手データを使ったアメフトのゲームの超定番です。iPhoneをきっかけに、初めて購入してやってみましたが、さすがの完成度で随分楽しませてもらいました。
ただ、このアプリの難点は、毎年別のソフトとして出てくるのでその都度購入しないといけないこと。2012年版はレビューの評判が芳しくないので、まだ躊躇しています。有料でいいから昨年のアプリに今年のメンバー情報を入れられるといいのですがねえ。
4. 駅.Locky
次はユーティリティ系で。このアプリは最寄り駅の次に出る電車の時間をカウントダウンで教えてくれます。役に立つ度や技術的な難易度でいうと「乗換案内」の方が上だと思うのですが、「乗換案内」が、だれでも思いつくような便利アプリなのに対し、駅.Lockyはこういうやり方もあるのだなと、すごく感心させられました。
使っていて何か可愛く感じるアプリでもあります。
5. eRobertParker.mobi
最後はアプリではなくWebサイト。せっかくなのでワイン系で何か入れようと思ったのですが、残念ながら決め手がなく。以前レビューした「My Parker」は機能的にはいいのですが、残念ながら本家のRobert Parkerのサイトとはアカウントが別。両方のアカウントを保持するのは、もったいないので、今はUSアカウントだけです。このサイトはそこの検索機能。結局今はこれが一番役に立っています。CellarTrackerがアプリになったら会員登録して使ってみてもいいかなあ、とは思っているのですが。
ワインSNSも色々出ましたが、ちょっと停滞気味ですかねえ。逆に言えば、この市場、まだ開拓の余地はありそうです。
1966年のRobert Mondavi Winery設立に始まった世界に通用するワインを作ろうという動きは1970年代のブティック・ワイナリの繚乱、1976年パリ・テイスティングを経て、1980年代にいよいよ花を咲かせました。
前述のOpus Oneは1984年に最初のヴィンテージを発売。50ドルという価格は、当時最も高いものでしたが、あっという間に売り切れました。「ウルトラプレミアムワイン」という新しい領域のワインが誕生したのでした。これをきっかけに、前述のDominusなど、高価格帯のワインが続々と登場しました。
ナパでは1988年に「Wine Train(ワイン・トレイン)」の運行が始まりました。環境汚染を心配する地元の反対などから、難航したプロジェクトでしたが、ナパを南北に往復する列車は観光の一つの目玉になりました。
一方で、コンシューマーにもワインはだんだん根付いて行きました。1983 年にKendall-Jackson(ケンダル・ジャクソン)が発売したシャルドネはその端的な例です。1本2ドル前後の安いジャグワインと1本10 ドルを超えるような高いブティック・ワインの両極端だった時代に、このワインは5ドルという中間的な価格で提供。それでいてシャルドネを樽発酵させるという、高級ワインの作りを志向、さらに味わいは豊かな果実味とちょっとだけ甘さを残したものでした。
ナパ・ソノマ以外にもワイン作りは広がっていきました。Santa Cruz Mountains(サンタ・クルーズ・マウンテンズ)は既に1960年代からRidge(リッジ)などのワイナリがあり、1970年代にはMonterey(モントレー)近くに、Chalone(シャローン)やCalera(カレラ)ができました。さらに南のSanta Barbara(サンタ・バーバラ)ではSanford(サンフォード)が1970年代にオープン。日本でも人気があるAu Bon Climat(オー・ボン・クリマ)は1982年に始まっています。
前述のOpus Oneは1984年に最初のヴィンテージを発売。50ドルという価格は、当時最も高いものでしたが、あっという間に売り切れました。「ウルトラプレミアムワイン」という新しい領域のワインが誕生したのでした。これをきっかけに、前述のDominusなど、高価格帯のワインが続々と登場しました。
ナパでは1988年に「Wine Train(ワイン・トレイン)」の運行が始まりました。環境汚染を心配する地元の反対などから、難航したプロジェクトでしたが、ナパを南北に往復する列車は観光の一つの目玉になりました。
一方で、コンシューマーにもワインはだんだん根付いて行きました。1983 年にKendall-Jackson(ケンダル・ジャクソン)が発売したシャルドネはその端的な例です。1本2ドル前後の安いジャグワインと1本10 ドルを超えるような高いブティック・ワインの両極端だった時代に、このワインは5ドルという中間的な価格で提供。それでいてシャルドネを樽発酵させるという、高級ワインの作りを志向、さらに味わいは豊かな果実味とちょっとだけ甘さを残したものでした。
ナパ・ソノマ以外にもワイン作りは広がっていきました。Santa Cruz Mountains(サンタ・クルーズ・マウンテンズ)は既に1960年代からRidge(リッジ)などのワイナリがあり、1970年代にはMonterey(モントレー)近くに、Chalone(シャローン)やCalera(カレラ)ができました。さらに南のSanta Barbara(サンタ・バーバラ)ではSanford(サンフォード)が1970年代にオープン。日本でも人気があるAu Bon Climat(オー・ボン・クリマ)は1982年に始まっています。
9月20日17時59分までの限定ですが、確かに安いです。カリフォルニアものを挙げておきます。
今、1000円台前半のカリフォルニアワインで一番なのは、多分マックマニスでしょう。1300円台で売られていることが多いですが、竹澤で1220円と、ちょっと安めです。10500円以上で送料無料なので、1ケースくらいまとめ買いするのがお勧めです。ヴィオニエとかピノ・ノワールといった、安ワインでは難しい品種も案外うまくまとめています。
かじわら酒店でCalera Jensen 2008が1万円を切っています。Wine Advocate誌のAntonio Galloniのレビューでは94+で、Caleraのラインナップ中最高点。レビューコメントは以下のようになっています。
Caleraの様々な畑の中でJensenの特徴は、のびのびした味わいと、バランスの良さかなあと思っています。SelleckやReedがちょっとひねくれた感じがあるのに対し、Jensenはストレートなおいしさ。Galloniのコメントもうなずけるものだと思います。ちなみに2008年は春先の霜で生産量がいつもの半分位に落ちています。気づいたら無くなっていたということもありえますのでお早めに。
Calera Jensen 2008
The 2008 Pinot Noir Jensen Vineyard bursts onto the palate with a rush of intensely perfumed fruit. It shows fabulous balance of fruit, structure and acidity as it covers the palate with dazzling purity and breathtaking sense of balance. A soft, caressing finish rounds things out in style.
Caleraの様々な畑の中でJensenの特徴は、のびのびした味わいと、バランスの良さかなあと思っています。SelleckやReedがちょっとひねくれた感じがあるのに対し、Jensenはストレートなおいしさ。Galloniのコメントもうなずけるものだと思います。ちなみに2008年は春先の霜で生産量がいつもの半分位に落ちています。気づいたら無くなっていたということもありえますのでお早めに。
Calera Jensen 2008
ナパで一番古いワイナリであるCharles Krugが創設から150年を迎え、記念イベントを開きました(Peter Mondavi leads Krug’s 150th anniversary celebration)。
Charles Krugというと、その名前を担ったオーナーの時代よりも、Robert Mondavi一家がナパに足場を築いたワイナリとして歴史に名を刻んでいます。記事では1943年にMondavi家がここを買ったときの様子をRobertの弟であるPeterが振り返っています。
Robertと仲違いして分かれたPeter。その後、訴訟に負けて苦しい時代を過ごすなど、歴史的にはRobertの引き立て役になってしまいました。しかしRobertが大成功もしたものの、最後はワイナリを手放して、息子二人も喧嘩別れ。Peterはいまだに家族で、このワイナリを経営しています。どちらが幸せだったのだろうと思うと不思議な感じになります。
Charles Krugというと、その名前を担ったオーナーの時代よりも、Robert Mondavi一家がナパに足場を築いたワイナリとして歴史に名を刻んでいます。記事では1943年にMondavi家がここを買ったときの様子をRobertの弟であるPeterが振り返っています。
“My brother and I, along with my dad and Paul Alexander, the local banker, went to San Francisco to meet Mr. Moffit, who owned the property,” he said. “The price was $75,000 … of course, God knows what the value is today.”
After some “back and forth” between his father, Cesare, and Krug owner James Moffit, Mondavi said that Moffit interrupted the meeting to take a phone call. After a few minutes, Moffit hung up the phone, turned to the three Mondavis and said “It’s yours.”
“Just like that,” Mondavi recalled. “That was really a surprise!”
Robertと仲違いして分かれたPeter。その後、訴訟に負けて苦しい時代を過ごすなど、歴史的にはRobertの引き立て役になってしまいました。しかしRobertが大成功もしたものの、最後はワイナリを手放して、息子二人も喧嘩別れ。Peterはいまだに家族で、このワイナリを経営しています。どちらが幸せだったのだろうと思うと不思議な感じになります。
Decanter誌の記事によると、1930年代や40年代の貴重なInglenookのワインが9月24日、ニューヨークのクリスティーズでオークションにかけられるそうです(Rare Inglenook wines up for auction)。
このワイン、Inglenookの現オーナーであるFrancisco Ford Coppola監督がワイナリを買ったときに付いてきたもの。すなわち、Inglenookに60~70年間保存されていたまさに蔵出しのワインです。Wine Spectator誌のJames Laubeが「これまで作られてきた中で最も偉大なワインの一つ」と評した1941年のワインも2本含まれるとか。これの落札は8000ドル~1万2000ドルを見込んでいるようです。
Inglenookは、歴史のところでも紹介したように、この時代には稀有といっていい、品質にこだわり抜いたワイナリでした。個人的にも生まれ年のInglenook、いつか飲んでみたいなあ、などと思っております。
このワイン、Inglenookの現オーナーであるFrancisco Ford Coppola監督がワイナリを買ったときに付いてきたもの。すなわち、Inglenookに60~70年間保存されていたまさに蔵出しのワインです。Wine Spectator誌のJames Laubeが「これまで作られてきた中で最も偉大なワインの一つ」と評した1941年のワインも2本含まれるとか。これの落札は8000ドル~1万2000ドルを見込んでいるようです。
Inglenookは、歴史のところでも紹介したように、この時代には稀有といっていい、品質にこだわり抜いたワイナリでした。個人的にも生まれ年のInglenook、いつか飲んでみたいなあ、などと思っております。
パリ・テイスティングでの勝利によって、欧州とくにフランスのワイナリがカリフォルニアに注目するようになりました。直接・間接的な形でカリフォルニアに進出するフランスの名門が続々と登場したのです。
その代表がRobert MondaviとChateau Mouton Rothschild(シャトー・ムートン・ロートシルト)が作ったOpus Oneです。1978年に両ワイナリによって調印され、当時としては斬新なデザインのワイナリを建築しました。ラベルにはRobert Mondaviとムートンの当主だったBaron Philippe de Rothschildのサインと横顔のシルエットが入っている、これも画期的なものでした(左のかぎ鼻がRobert Mondaviです)。ぶどう品種を名乗らない「proprietary」(プロプライエタリ)なワインの走りでもあります。
Opus OneにはRobert Mondaviとムートンがちょうど半々ずつ出資しました。名実ともに両者が対等の立場で作ったわけです。イタリア移民の2世であるRobert Mondaviにとって、名門であるRothschild家と対等に並んだというのは極めて名誉なことでした。
シャンパーニュのメーカーもこぞって、カリフォルニアにやってきました。トップを切ったのはChandon(シャンドン)で、パリ・テイスティングに先立つ1973年にDomaine Chandon(ドメーン・シャンドン)を作りました。1980年にはPiper-HeidsieckがPiper-Sonoma(パイパーソノマ)を、1982年にはLuis RoedererがRoederer Estate(ロデレール・エステート)を設立。1985年にはMumm(マム)、1987年にはTaittinger(テタンジェ)がDomaine Carneros(ドメーン・カーネロス)を設立しました。
ボルドーからはChateu Lafite-Rothschild(シャトー・ラフィット・ロートシルト)が一番早く、テクニカルディレクターの息子だったBernard Portet(ベルナール・ポルテ)が1970年にカリフォルニアに渡り、Clos du Val(クロ・デュ・ヴァル)を設立しています。Chateau Petrus(シャトー・ペトリュス)を持つMoueix(ムエックス)家は、1981年に旧InglenookのオーナーJohn Daniel Jr.の娘Robin LailらとDominus(ドミナス)を設立、1995年からはMoueix家が100%所有するようになっています。
その代表がRobert MondaviとChateau Mouton Rothschild(シャトー・ムートン・ロートシルト)が作ったOpus Oneです。1978年に両ワイナリによって調印され、当時としては斬新なデザインのワイナリを建築しました。ラベルにはRobert Mondaviとムートンの当主だったBaron Philippe de Rothschildのサインと横顔のシルエットが入っている、これも画期的なものでした(左のかぎ鼻がRobert Mondaviです)。ぶどう品種を名乗らない「proprietary」(プロプライエタリ)なワインの走りでもあります。
Opus OneにはRobert Mondaviとムートンがちょうど半々ずつ出資しました。名実ともに両者が対等の立場で作ったわけです。イタリア移民の2世であるRobert Mondaviにとって、名門であるRothschild家と対等に並んだというのは極めて名誉なことでした。
シャンパーニュのメーカーもこぞって、カリフォルニアにやってきました。トップを切ったのはChandon(シャンドン)で、パリ・テイスティングに先立つ1973年にDomaine Chandon(ドメーン・シャンドン)を作りました。1980年にはPiper-HeidsieckがPiper-Sonoma(パイパーソノマ)を、1982年にはLuis RoedererがRoederer Estate(ロデレール・エステート)を設立。1985年にはMumm(マム)、1987年にはTaittinger(テタンジェ)がDomaine Carneros(ドメーン・カーネロス)を設立しました。
ボルドーからはChateu Lafite-Rothschild(シャトー・ラフィット・ロートシルト)が一番早く、テクニカルディレクターの息子だったBernard Portet(ベルナール・ポルテ)が1970年にカリフォルニアに渡り、Clos du Val(クロ・デュ・ヴァル)を設立しています。Chateau Petrus(シャトー・ペトリュス)を持つMoueix(ムエックス)家は、1981年に旧InglenookのオーナーJohn Daniel Jr.の娘Robin LailらとDominus(ドミナス)を設立、1995年からはMoueix家が100%所有するようになっています。
カリフォルニアのデザートワイン、最高峰が何か一つだけ挙げろと言われたら、意見がわかれるかもしれませんが、二つならまず衆目が一致するでしょう。一つはRobert Parker絶賛のSine Qua Non。もう一つがDolce(ドルチェ)です。
DolceはFar Niente、Nickel & Nickel、およびソノマのEnRouteとオーナーが共通の兄弟ワイナリ。イタリア語で「甘いもの」を意味するワイナリ名そのとおりのデザートワイン専門ワイナリです。セミヨン主体の貴腐ワインで、フランスのソーテルヌのデザートワインとお内じような作りといっていいでしょう。稀少性でもSine Qua Non以上かもしれません。
DolceはFar Niente、Nickel & Nickel、およびソノマのEnRouteとオーナーが共通の兄弟ワイナリ。イタリア語で「甘いもの」を意味するワイナリ名そのとおりのデザートワイン専門ワイナリです。セミヨン主体の貴腐ワインで、フランスのソーテルヌのデザートワインとお内じような作りといっていいでしょう。稀少性でもSine Qua Non以上かもしれません。
Wine Advocate誌で過去4回も100点を取っているHarlan Estate(ハーラン・エステート)。ここのオーナーのBill Harlan氏がワイン業界に身をおくようになってからの初来日を果たしており、記念のセミナーが開かれました。
今回は兄弟プロジェクトのBondの責任者であるPaul Roberts氏も来日しており、HarlanとBondの両方が試飲に登場しました。これも初のことだそうです。
セミナーの内容は、かなり濃いものでしたが、強引にまとめてしまうと、とにかく「選別が重要」ということと「忍耐が必要」ということです。
選別と一口に言っても、レベルがたくさんあり、まずはHarlanの畑を選ぶまでの選別がありました。ワイナリを作る前にボルドーなどの超一流のワイナリを見学し、すばらしいワインはどこも斜面の畑でできていることを知ってOakbilleのBenchと呼ばれる山に近い斜面の土地を選んだそうです。特に、日照の多いナパでは、ボルドーなどと異なり、日差しが強すぎないことが、よいワインを作る条件になります。斜面は空気の流れを確保し、ミネラルやフレッシュさを出すのに役立つそうです。
選別の二つ目は畑の選別。自社畑のワインを作る前に1982年以降、70もの畑と契約してブドウを購入してワインを作っていたそうです(Harlanの最初のヴィンテージは1990年です)。ここから選びに選び抜いた5つの畑が現在Bondで使っている畑だとのこと。
3つ目の選別は収穫したブドウの選別。収穫したブドウは、一粒ずつよりわけてワインの質を落とすものを排除します。また、Harlanの畑は約40エーカーですが、これを斜面の向きや品種、ルートストックなどで分類して40の区画に分け、それぞれ最適な収穫時期に収穫します。半日ずれただけでも味が変わってしまうとのことでした。
一方の、忍耐というのは、このように畑を選ぶところから、売り物になるワインを作れるようになるまでの長さです。Harlanの畑のブドウでワインを作り始めたのは1987年でしたが、実際に販売したのは90年のものからですし、購入したブドウで作るワインにいたってはBondができるまで12年間はお金にならなかったといいます。元々Bill Harlan氏は不動産業で稼いでいたので、こういった我慢ができたわけですが、普通ではなかなかできないことです。
さて、肝心の試飲については、続きで。
今回は兄弟プロジェクトのBondの責任者であるPaul Roberts氏も来日しており、HarlanとBondの両方が試飲に登場しました。これも初のことだそうです。
セミナーの内容は、かなり濃いものでしたが、強引にまとめてしまうと、とにかく「選別が重要」ということと「忍耐が必要」ということです。
選別と一口に言っても、レベルがたくさんあり、まずはHarlanの畑を選ぶまでの選別がありました。ワイナリを作る前にボルドーなどの超一流のワイナリを見学し、すばらしいワインはどこも斜面の畑でできていることを知ってOakbilleのBenchと呼ばれる山に近い斜面の土地を選んだそうです。特に、日照の多いナパでは、ボルドーなどと異なり、日差しが強すぎないことが、よいワインを作る条件になります。斜面は空気の流れを確保し、ミネラルやフレッシュさを出すのに役立つそうです。
選別の二つ目は畑の選別。自社畑のワインを作る前に1982年以降、70もの畑と契約してブドウを購入してワインを作っていたそうです(Harlanの最初のヴィンテージは1990年です)。ここから選びに選び抜いた5つの畑が現在Bondで使っている畑だとのこと。
3つ目の選別は収穫したブドウの選別。収穫したブドウは、一粒ずつよりわけてワインの質を落とすものを排除します。また、Harlanの畑は約40エーカーですが、これを斜面の向きや品種、ルートストックなどで分類して40の区画に分け、それぞれ最適な収穫時期に収穫します。半日ずれただけでも味が変わってしまうとのことでした。
一方の、忍耐というのは、このように畑を選ぶところから、売り物になるワインを作れるようになるまでの長さです。Harlanの畑のブドウでワインを作り始めたのは1987年でしたが、実際に販売したのは90年のものからですし、購入したブドウで作るワインにいたってはBondができるまで12年間はお金にならなかったといいます。元々Bill Harlan氏は不動産業で稼いでいたので、こういった我慢ができたわけですが、普通ではなかなかできないことです。
さて、肝心の試飲については、続きで。
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カリフォルニアワインの歴史は後5回で終了しますが、今日はちょっと一休みで電子書籍制作周りをちょっと書いておきます。
電子書籍を作るのはもちろん初めてなので、まずはオンラインで編集ができて、電子書籍の標準フォーマットと言えるEPUBとPDFへの書き出しができ、さらには販売するプラットフォームもある「ブクログのパブー」をまずは使うことにしました。
ここはEPUBの知識はおろか、HTMLも知らない人でも電子書籍が作れるのですが、使っているうちにだんだん不満が出てきました。
最大の不満は標準のスタイルを定義できないこと。ゴシック体のフォントを使うためには書いた文章を選んで、ゴシック体の指定をいちいちしないといけません。さらに、スタイルをHTML中にすべてインラインで書いていくためソースが汚く読みにくいこと。標準のWYSIWYGのツールで提供されている以外のこと、例えば表を作ろうとしたら、すごい手間になるだろうな、と。さらには適用されているスタイルが何か、ソースを見ないと分からないのもフラストレーションでした。
そんなとき、EPUB専門の電子書籍プラットフォーム文楽というのができたのを知り、そちらに乗り換えてもいいかと思ったわけです。EPUBのオーサリング・ツールはFUSEeというソフトのベータ版が無償で利用できるようになっていたので、今はそれを使っています。検索機能があったらな、など、機能面の期待はいろいろありますが、まずはこれで作れるところまで作ってみようという感じです。
あと、ちょっと困っているのが写真関係。表紙の画像は購入しましたが、そんなに毎回購入できないので、無償利用できるものを探しています。Flickrでクリエイティブ・コモンズのものなどを検索していますが、人の写真、例えばRobert Mondaviとかはないんですよね。どこかいいサイトがあったら教えて下さい
電子書籍を作るのはもちろん初めてなので、まずはオンラインで編集ができて、電子書籍の標準フォーマットと言えるEPUBとPDFへの書き出しができ、さらには販売するプラットフォームもある「ブクログのパブー」をまずは使うことにしました。
ここはEPUBの知識はおろか、HTMLも知らない人でも電子書籍が作れるのですが、使っているうちにだんだん不満が出てきました。
最大の不満は標準のスタイルを定義できないこと。ゴシック体のフォントを使うためには書いた文章を選んで、ゴシック体の指定をいちいちしないといけません。さらに、スタイルをHTML中にすべてインラインで書いていくためソースが汚く読みにくいこと。標準のWYSIWYGのツールで提供されている以外のこと、例えば表を作ろうとしたら、すごい手間になるだろうな、と。さらには適用されているスタイルが何か、ソースを見ないと分からないのもフラストレーションでした。
そんなとき、EPUB専門の電子書籍プラットフォーム文楽というのができたのを知り、そちらに乗り換えてもいいかと思ったわけです。EPUBのオーサリング・ツールはFUSEeというソフトのベータ版が無償で利用できるようになっていたので、今はそれを使っています。検索機能があったらな、など、機能面の期待はいろいろありますが、まずはこれで作れるところまで作ってみようという感じです。
あと、ちょっと困っているのが写真関係。表紙の画像は購入しましたが、そんなに毎回購入できないので、無償利用できるものを探しています。Flickrでクリエイティブ・コモンズのものなどを検索していますが、人の写真、例えばRobert Mondaviとかはないんですよね。どこかいいサイトがあったら教えて下さい
柳屋にGirardのOld Vine Zinfandel 2009が入荷しています。2009はまだ飲んでいませんが、毎年一押しのジンファンデルです。ふくよかだけどたるんでいない、お手本のようなジンファンデル。
ワイナリの紹介ページによると、ナパのMt.VacaにあるBlue RidgeとMorganという畑、CalistogaにあるGodwardという畑のブドウをブレンドしているそうです。いくつかの畑は樹齢100年を超えているとのこと。おそらく山のブドウと平地のブドウのブレンドによって、このバランスが生まれているのでしょう。
Zinfandel好きという人にも、Zinfandelはちょっと、という人にも飲んで欲しいワインです。
ワイナリの紹介ページによると、ナパのMt.VacaにあるBlue RidgeとMorganという畑、CalistogaにあるGodwardという畑のブドウをブレンドしているそうです。いくつかの畑は樹齢100年を超えているとのこと。おそらく山のブドウと平地のブドウのブレンドによって、このバランスが生まれているのでしょう。
Zinfandel好きという人にも、Zinfandelはちょっと、という人にも飲んで欲しいワインです。
パリ・テイスティングの主役となったのは、Warren Winiarski(ウォレン・ウィニアスキ)のStag's Leap Wine Cellars(スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ)や、James Barrett(ジェイムズ・バレット)のChateau Montelena(シャトー・モンテレーナ)(ワインメーカーはMike Grgich(マイク・ガーギッチ))といった、それまでと違うワイナリでした。いずれも1960年代末から1970年代に設立したワイナリです。
それまでナパを代表するワイナリであったBeaulieu(ボーリュー)や、リーダーになりつつあったRobert Mondavi(ロバート・モンダヴィ)は、プレミアムなワインを作る一方で、バルクワインと呼ばれるような低品質で安価なワインも同時に作っていました。実際、ワイナリの経営的にはバルクワインの方が重要だったわけです。
それに対して、これら新しく登場してきたワイナリは、バルクワインを作らず、高品質なワインだけを最初から志向していました。このようなワイナリを「ブティック・ワイナリ」と言います。Robert Mondaviで修行した若者が、新たにワイナリを作る、そういうエコシステムができつつありました。いくつかの例外を除けば、カリフォルニアワインが「品質」に目覚めた最初の時期と言えるでしょう。例えばHeitz Cellars(ハイツ・セラーズ)は初の単一畑のCabernet Sauvignonを作り始めました。この「Martha's(マーサズ) Vineyard」のカベルネは1970年代に大ヒットしました。
一方で、1970年代にはWhite Zinfandel(ホワイト・ジンファンデル)の誕生という、エポックもありました。White Zinfandelは1972年、ナパのSutter Home(サター・ホーム)でZinfandelをより濃く・重くするために、フリーランと呼ばれるワインを搾った最初の果汁を分けてしまうことで誕生しました。この余った果汁を使って白ワインを作ったのですが、最初はあまり売れませんでした。転機になったのは1975年。原因不明のアクシデントで発酵が途中で止まってしまい、その結果ピンク色でほのかに甘いワインになったのです。意外なことにこれが大ヒットし、作っても作っても売り切れてしまうほどの人気を博しました。
それまでナパを代表するワイナリであったBeaulieu(ボーリュー)や、リーダーになりつつあったRobert Mondavi(ロバート・モンダヴィ)は、プレミアムなワインを作る一方で、バルクワインと呼ばれるような低品質で安価なワインも同時に作っていました。実際、ワイナリの経営的にはバルクワインの方が重要だったわけです。
それに対して、これら新しく登場してきたワイナリは、バルクワインを作らず、高品質なワインだけを最初から志向していました。このようなワイナリを「ブティック・ワイナリ」と言います。Robert Mondaviで修行した若者が、新たにワイナリを作る、そういうエコシステムができつつありました。いくつかの例外を除けば、カリフォルニアワインが「品質」に目覚めた最初の時期と言えるでしょう。例えばHeitz Cellars(ハイツ・セラーズ)は初の単一畑のCabernet Sauvignonを作り始めました。この「Martha's(マーサズ) Vineyard」のカベルネは1970年代に大ヒットしました。
一方で、1970年代にはWhite Zinfandel(ホワイト・ジンファンデル)の誕生という、エポックもありました。White Zinfandelは1972年、ナパのSutter Home(サター・ホーム)でZinfandelをより濃く・重くするために、フリーランと呼ばれるワインを搾った最初の果汁を分けてしまうことで誕生しました。この余った果汁を使って白ワインを作ったのですが、最初はあまり売れませんでした。転機になったのは1975年。原因不明のアクシデントで発酵が途中で止まってしまい、その結果ピンク色でほのかに甘いワインになったのです。意外なことにこれが大ヒットし、作っても作っても売り切れてしまうほどの人気を博しました。
1976年5月24日、パリのInter-Continental Hotelである試飲会が開かれました。これは、パリのコンコルド広場近くで小さなワインショップを営んでいたステファン・スパリエという人が企画したもの。スパリエは数年前にナパを旅してカリフォルニアワインが意外にレベルが高いことに気付き、米国建国200周年にこの年に、フランスでももっとカリフォルニアワインを理解してもらおうと試飲会を企画したのでした。選ばれたワインはカリフォルニアからCabernet Sauvignon6種とChardonnay6種、ボルドーから赤ワイン4種、ブルゴーニュから白ワイン4種。これらを9人の審査員がブラインド・テイスティングで点数を付け、順位を決めるというものでした。
試飲に参加したのはフランス人で、いずれもワインのプロ。もちろんカリフォルニアワインなど眼中にありませんでした。ところが蓋を開けてみると、赤ワインではStag's Leap Wine Cellarsのものが、白ワインではChateau Montelenaのものがトップでした(試飲の順序は白が先)。
赤ワインのランキング
1 Stag's Leap Wine Cellars 1973 米国
2 Château Mouton-Rothschild 1970 フランス
3 Château Montrose 1970 フランス
4 Château Haut-Brion 1970 フランス
5 Ridge Vineyards Monte Bello 1971 米国
6 Château Leoville Las Cases 1971 フランス
7 Heitz Wine Cellars Martha's Vineyard 1970 米国
8 Clos Du Val Winery 1972 米国
9 Mayacamas Vineyards 1971 米国
10 Freemark Abbey Winery 1969 米国
白ワインのランキング
1 Chateau Montelena 1973 米国
2 Meursault Charmes Roulot 1973 フランス
3 Chalone Vineyard 1974 米国
4 Spring Mountain Vineyard 1973 米国
5 Beaune Clos des Mouches Joseph Drouhin 1973 フランス
6 Freemark Abbey Winery 1972 米国
7 Batard-Montrachet Ramonet-Prudhon 1973 フランス
8 Puligny-Montrachet Les Pucelles Domaine Leflaive 1972 フランス
9 Veedercrest Vineyards 1972 米国
10 David Bruce Winery 1973 米国
このイベントを取材したジャーナリストはジョージ・ティーバーというアメリカ人ただ一人。彼がTime誌に記事を書いたことで、この試飲会はパリ・テイスティングあるいはパリスの審判として後世にまで伝えられることになったのでした。
スパリエは、米国産ワインが健闘するだろうとは思っていたものの、まさか勝つとは想像していませんでした。ブラインド・テイスティングしたフランス人審判たちも、よもや1位を米国のワインに取られるとは思っていませんでした。逸話によると逆上した審判の一人が投票用紙を取り返そうとしたとのことです。
まだ若いワインだったからカリフォルニアの方が飲みやすかったのではないかとか、赤ワインの差はほとんどなかったなど、後付けの理由はいろいろ考えられますが、とにもかくにもカリフォルニアが一位だったことには変わりありません。
それまで、Robert Mondaviのように世界のトップになるんだと公言している人はいたものの、それを真面目に受け取る人はまだ少数でした。この結果がもたらしたものは、大きな自信でした。ナパが現在のように発展したことにもつながっているでしょう。
なお、30年後の2006年に行われた回顧イベントでは、当時のワイン(赤のみ)による試飲が行われ、今度はRidgeのMonte Bello1971が一位になりました。カリフォルニアワインは熟成能力でもフランスの一級品に負けていないことを改めて示した格好になりました。
1 Ridge Vineyards Monte Bello 1971 米国
2 Stag's Leap Wine Cellars 1973 米国
3 Mayacamas Vineyards 1971 (同点) 米国
4 Heitz Wine Cellars 'Martha's Vineyard' 1970 (同点) 米国
5 Clos Du Val Winery 1972 米国
6 Château Mouton-Rothschild 1970 フランス
7 Château Montrose 1970 フランス
8 Château Haut-Brion 1970 フランス
9 Château Leoville Las Cases 1971 フランス
10 Freemark Abbey Winery 1969 米国
試飲に参加したのはフランス人で、いずれもワインのプロ。もちろんカリフォルニアワインなど眼中にありませんでした。ところが蓋を開けてみると、赤ワインではStag's Leap Wine Cellarsのものが、白ワインではChateau Montelenaのものがトップでした(試飲の順序は白が先)。
赤ワインのランキング
1 Stag's Leap Wine Cellars 1973 米国
2 Château Mouton-Rothschild 1970 フランス
3 Château Montrose 1970 フランス
4 Château Haut-Brion 1970 フランス
5 Ridge Vineyards Monte Bello 1971 米国
6 Château Leoville Las Cases 1971 フランス
7 Heitz Wine Cellars Martha's Vineyard 1970 米国
8 Clos Du Val Winery 1972 米国
9 Mayacamas Vineyards 1971 米国
10 Freemark Abbey Winery 1969 米国
白ワインのランキング
1 Chateau Montelena 1973 米国
2 Meursault Charmes Roulot 1973 フランス
3 Chalone Vineyard 1974 米国
4 Spring Mountain Vineyard 1973 米国
5 Beaune Clos des Mouches Joseph Drouhin 1973 フランス
6 Freemark Abbey Winery 1972 米国
7 Batard-Montrachet Ramonet-Prudhon 1973 フランス
8 Puligny-Montrachet Les Pucelles Domaine Leflaive 1972 フランス
9 Veedercrest Vineyards 1972 米国
10 David Bruce Winery 1973 米国
このイベントを取材したジャーナリストはジョージ・ティーバーというアメリカ人ただ一人。彼がTime誌に記事を書いたことで、この試飲会はパリ・テイスティングあるいはパリスの審判として後世にまで伝えられることになったのでした。
スパリエは、米国産ワインが健闘するだろうとは思っていたものの、まさか勝つとは想像していませんでした。ブラインド・テイスティングしたフランス人審判たちも、よもや1位を米国のワインに取られるとは思っていませんでした。逸話によると逆上した審判の一人が投票用紙を取り返そうとしたとのことです。
まだ若いワインだったからカリフォルニアの方が飲みやすかったのではないかとか、赤ワインの差はほとんどなかったなど、後付けの理由はいろいろ考えられますが、とにもかくにもカリフォルニアが一位だったことには変わりありません。
それまで、Robert Mondaviのように世界のトップになるんだと公言している人はいたものの、それを真面目に受け取る人はまだ少数でした。この結果がもたらしたものは、大きな自信でした。ナパが現在のように発展したことにもつながっているでしょう。
なお、30年後の2006年に行われた回顧イベントでは、当時のワイン(赤のみ)による試飲が行われ、今度はRidgeのMonte Bello1971が一位になりました。カリフォルニアワインは熟成能力でもフランスの一級品に負けていないことを改めて示した格好になりました。
1 Ridge Vineyards Monte Bello 1971 米国
2 Stag's Leap Wine Cellars 1973 米国
3 Mayacamas Vineyards 1971 (同点) 米国
4 Heitz Wine Cellars 'Martha's Vineyard' 1970 (同点) 米国
5 Clos Du Val Winery 1972 米国
6 Château Mouton-Rothschild 1970 フランス
7 Château Montrose 1970 フランス
8 Château Haut-Brion 1970 フランス
9 Château Leoville Las Cases 1971 フランス
10 Freemark Abbey Winery 1969 米国
Robert Mondaviの父Cesare Mondavi(チェザーレ・モンダヴィ)は1906年にイタリアから米国に移住してきました。当初はミネソタの鉱山で働き、1920年代にカリフォルニアのLodi(ロウダイ)に移ってきました。禁酒法の間、ブドウを東部に運んで売るビジネスを手がけ、禁酒法が開けてからは、ナパのSt. HelenaにあるSunny St. Helena(サニー・セント・ヘレナ)というバルクワインのワイナリに出資しました。
長男のRobertはスタンフォード大学を卒業後、Sunny St. Helenaで働き、1943年にナパの老舗ワイナリCharles Krug(チャールズ・クリュッグ)が売りに出ていることを知りました。両親が出した条件は兄弟が仲良く携わること。弟のPeterがワイン作り、Robertがセールスを担当する形で一家のワイナリが本格的にスタートしました。
1959年にCesareが亡くなり、兄弟の亀裂が次第に明らかになっていきました。Robertは常に拡大志向、上昇志向であり、質の向上のためには金に糸目を付けないところがありました。一方Peterは堅実で、投資には慎重でした。1965年11月、二人は大げんかをし、母親のRosaはPeterに付いたため、Robertは勘当されました。
翌1966年、RobertはRobert Mondavi Wineryを作り、世界トップのワインを作るという夢の実現に向かって進み始めました。
Robert Mondaviは、アメリカ人にワインの文化を根付かせることを考えていました。そのためには、ワインだけでなくそれに合う料理も必要です。その楽しさを伝えることも大事です。そこで、ワイナリを観光の目的地にすることを考え、ワインに合った食事を広げることを考えました。ワイナリの見学ツアーを始めたり、料理番組で有名なJulia Child(ジュリア・チャイルド)や、カリフォルニア料理の生みの親でサンフランシスコ近郊のバークレーにレストランChez Panisse(シェ・パニース)を開いたAlice Waters(アリス・ウォーターズ)と協力して、料理を伝えたりしました。
ワインでは、それまで甘口のワインにしか使われていなかったSauvignon Blancを樽仕立てで発酵させたFume Blanc(フュメ・ブラン)を作ってヒットさせました。
地道ながら着実に高級ワイン作りへと進んでいったMondaviと対照的に、Galloは「ワイン業界のキャンベル・スープ」を目指して、あくまでも一般大衆を相手にビジネスを広げて行きました。当初は作ったワインをボトル詰め業者に売るだけだったのが、自社ブランドでワインを作るようになり、どんどんビジネスを拡大しました。
1957年には酒精強化ワインのThunderbird(サンダーバード)を発売。これが大ヒットしたことで大メーカーの仲間入りを果たしました。Thundebirdはアルコール度数21%の酒精強化ワインにレモンジュースで香りを付けたもの。町の酒屋を観察して酒精強化ワインとレモンジュースを一緒に買う人が多いのに気づいて作ったものでした。高級なワインではなく「アルコール」を求める人が多かった当時の風潮にぴったりと合う製品でした。そのあとも、ユーザーニーズに合った低価格な製品を次々と生み出してGalloは拡大していきました。
Galloの本社は今でもModesto(モデスト)という、カリフォルニアのセントラル・ヴァレーの町にあります。広大なセントラル・ヴァレーは暑すぎるため高級ワインには向かない土地ですが、大量にブドウを作るためには最適なところです。Galloがソノマで高級ワインづくりを始めるのは1980年代末になってからでした。
長男のRobertはスタンフォード大学を卒業後、Sunny St. Helenaで働き、1943年にナパの老舗ワイナリCharles Krug(チャールズ・クリュッグ)が売りに出ていることを知りました。両親が出した条件は兄弟が仲良く携わること。弟のPeterがワイン作り、Robertがセールスを担当する形で一家のワイナリが本格的にスタートしました。
1959年にCesareが亡くなり、兄弟の亀裂が次第に明らかになっていきました。Robertは常に拡大志向、上昇志向であり、質の向上のためには金に糸目を付けないところがありました。一方Peterは堅実で、投資には慎重でした。1965年11月、二人は大げんかをし、母親のRosaはPeterに付いたため、Robertは勘当されました。
翌1966年、RobertはRobert Mondavi Wineryを作り、世界トップのワインを作るという夢の実現に向かって進み始めました。
Robert Mondaviは、アメリカ人にワインの文化を根付かせることを考えていました。そのためには、ワインだけでなくそれに合う料理も必要です。その楽しさを伝えることも大事です。そこで、ワイナリを観光の目的地にすることを考え、ワインに合った食事を広げることを考えました。ワイナリの見学ツアーを始めたり、料理番組で有名なJulia Child(ジュリア・チャイルド)や、カリフォルニア料理の生みの親でサンフランシスコ近郊のバークレーにレストランChez Panisse(シェ・パニース)を開いたAlice Waters(アリス・ウォーターズ)と協力して、料理を伝えたりしました。
ワインでは、それまで甘口のワインにしか使われていなかったSauvignon Blancを樽仕立てで発酵させたFume Blanc(フュメ・ブラン)を作ってヒットさせました。
地道ながら着実に高級ワイン作りへと進んでいったMondaviと対照的に、Galloは「ワイン業界のキャンベル・スープ」を目指して、あくまでも一般大衆を相手にビジネスを広げて行きました。当初は作ったワインをボトル詰め業者に売るだけだったのが、自社ブランドでワインを作るようになり、どんどんビジネスを拡大しました。
1957年には酒精強化ワインのThunderbird(サンダーバード)を発売。これが大ヒットしたことで大メーカーの仲間入りを果たしました。Thundebirdはアルコール度数21%の酒精強化ワインにレモンジュースで香りを付けたもの。町の酒屋を観察して酒精強化ワインとレモンジュースを一緒に買う人が多いのに気づいて作ったものでした。高級なワインではなく「アルコール」を求める人が多かった当時の風潮にぴったりと合う製品でした。そのあとも、ユーザーニーズに合った低価格な製品を次々と生み出してGalloは拡大していきました。
Galloの本社は今でもModesto(モデスト)という、カリフォルニアのセントラル・ヴァレーの町にあります。広大なセントラル・ヴァレーは暑すぎるため高級ワインには向かない土地ですが、大量にブドウを作るためには最適なところです。Galloがソノマで高級ワインづくりを始めるのは1980年代末になってからでした。
禁酒法後の米国は、ワイン作りも、ワイン市場も、ほぼゼロに近いところからの再出発でした。手探りで進む中、ワイン作りの推進役となったのカリフォルニア大学Davis(デーヴィス)校、通称UC Davisです。
例えば、最初のうちは、どのブドウをどこに植えるのがいいのか、といったことも分かっていませんでした。例えば、Pinot Noirは涼しいところがよく、Zinfandelは比較的暑いところを好むといった、今では常識的な知識もなかったのです。UC Davisの研究者だったMaynard Amerine(メイナード・アメリン)はWinkler(ウィンクラー)とともに、広範囲における実験から、温度が最も重要であるということに気付き、1944年に「積算温度」による「気候区分」を考案しました。
積算温度とはブドウが生育する4月~10月の日中の平均気温(華氏)から50を引き(華氏50°=摂氏10°)、その総和を求めたものです。これが2500未満だとリージョンIで、後は500単位でリージョンII~リージョンVまでを決めています。これが気候区分です。AmerineはリージョンIではChardonnay、Pinot Noir、Gewurztraminer、リージョンIIではCabernet Sauvignon、Merlot、Sauvignon Blanc、リージョンIIIではZinfandelなどが向いていることも見つけました。カリフォルニアをリージョンで分けた地図も作りました。
現在では積算温度のモデルはあまりにもシンプルすぎるという意見はありますが、ゼロから実験によって発見したことを考えると、その功績は大きいと思います。
ワイナリもUC Davisの研究を積極的に取り入れてワインを作るようになりました。後年、それは「技術偏重」として非難されることもあるのですが、未熟だったワイン業界が、ワインをきちんと作れるようになるためには必要なステップだったのです。
例えば、最初のうちは、どのブドウをどこに植えるのがいいのか、といったことも分かっていませんでした。例えば、Pinot Noirは涼しいところがよく、Zinfandelは比較的暑いところを好むといった、今では常識的な知識もなかったのです。UC Davisの研究者だったMaynard Amerine(メイナード・アメリン)はWinkler(ウィンクラー)とともに、広範囲における実験から、温度が最も重要であるということに気付き、1944年に「積算温度」による「気候区分」を考案しました。
積算温度とはブドウが生育する4月~10月の日中の平均気温(華氏)から50を引き(華氏50°=摂氏10°)、その総和を求めたものです。これが2500未満だとリージョンIで、後は500単位でリージョンII~リージョンVまでを決めています。これが気候区分です。AmerineはリージョンIではChardonnay、Pinot Noir、Gewurztraminer、リージョンIIではCabernet Sauvignon、Merlot、Sauvignon Blanc、リージョンIIIではZinfandelなどが向いていることも見つけました。カリフォルニアをリージョンで分けた地図も作りました。
現在では積算温度のモデルはあまりにもシンプルすぎるという意見はありますが、ゼロから実験によって発見したことを考えると、その功績は大きいと思います。
ワイナリもUC Davisの研究を積極的に取り入れてワインを作るようになりました。後年、それは「技術偏重」として非難されることもあるのですが、未熟だったワイン業界が、ワインをきちんと作れるようになるためには必要なステップだったのです。
Jancis Robinsonのページに少し情報がありました(MWs now number 300 | Tasting Notes & Wine Reviews from Jancis Robinson)。
それによると
ということなので、元々金融系の方のようです。論文のテーマもワイン・ファンド関連。現在はフリーランスのワイン・コンサルタントということですが、おそらくファンド関係なのでしょうね。
それによると
Formerly with the Financial Services Authority in London, Mai is now a freelance wine consultant. She is the first Japanese MW.
Dissertation topic: To assess whether regulation of wine investment funds would better protect investors and enhance business opportunities for fund providers in the UK.
ということなので、元々金融系の方のようです。論文のテーマもワイン・ファンド関連。現在はフリーランスのワイン・コンサルタントということですが、おそらくファンド関係なのでしょうね。
ワイン業界で最大の資格とされているのが英国のThe Institute of Masters of Wineが選ぶマスター・オブ・ワイン(MW)。全世界で約300人しかいません。今年の合格者わずか11人の中に初めて日本人が入っていました(11 New Masters of Wine Announced)。
ただ、この方についてはこれ以外にほとんど情報がありません。唯一見つけたのがSarah Ahmedという人のワイン学校の生徒だったらしいというだけ。
どんな方なんでしょうね?
Mai Tanaka MW (Japanese living in UK)
ただ、この方についてはこれ以外にほとんど情報がありません。唯一見つけたのがSarah Ahmedという人のワイン学校の生徒だったらしいというだけ。
どんな方なんでしょうね?
1920年に禁酒法が施行され、カリフォルニアワインは暗黒時代を迎えます。教会や、家庭での限られた量の醸造だけが認められましたが、基本的にはワイン作りはできなくなりました。教会向けにワインを作ったり、ブドウを家庭醸造用に、販売したところだけが生き残るといった状況でした。1933年に禁酒法が解除されましたが、1920年以前には1000を超えていたワイナリが全米で150程度、カリフォルニアでは約130にまで減ってしまっていたといいます(数字はAmerican Vintage、Paul Lukacsによるもの。Wikipediaには2500から100と書かれています)。
禁酒法が終了してからも、カリフォルニアワインの苦難の道は続きました。 消費者は質の高いワインよりも、単にアルコールを欲していたからです。また、禁酒法時代に、ブドウを売るビジネスが流行ったことも影響しました。ワイナリよりもブドウ畑の方がビジネス上優位になったのです。Cabernet Sauvignonのような高級なワインを作るブドウも、そうでないブドウも価格はほとんど同じでした。畑のオーナーにとっては、ワイン用にブドウを植え替えることなど意味がなかったのです。
逆風の中、質の高いワインを作ろうとしていたワイナリもわずかながらありました。一つがBeaulieu Vineyard(ボーリュー、略称BV)。1938年にロシア人のワインメーカーAndre Tchelistcheff(アンドレ・チェリチェフ)を迎えて、ナパをリードするワイナリになりました。Tchelistcheffは1936年のCabernet Sauvignonを試飲して、そのポテンシャルに気付き創設者の名前を取ったGeorge de Latour Private Reserve(ジョルジュ・ドゥ・ラトゥール・プライベート・リザーブ)と名付けて売り出しました。その後、このワインはナパの高級ワインの代名詞的存在になりました。また、Andre Tchelistcheffはナパの多くのワインメーカーの指南役として大きな影響を与えました。
Tchelistcheffを師と仰ぐ一人がJohn Daniel Jr.(ジョン・ダニエル・ジュニア)。Inglenookを設立したGustave Niebaumの夫人の甥の子供で、Gustave Niebaumの死後、ワイナリを相続した夫人が1937年に亡くなって、Inglenookを引き継ぎました。John Daniel Jr. はGustave Niebaumに倣い、良質のワインをだけを作るポリシーを持っていました。Beaulieuがオーナーの意向で質より量を重視したワインも作っていたのに対し、Inglenookは高級ワインしか作らないという点で徹底していました。1964年にJohn Daniel Jr.がワイナリを手放すまで、ナパで最良のワイナリの一つとして君臨しました。
禁酒法が終了してからも、カリフォルニアワインの苦難の道は続きました。 消費者は質の高いワインよりも、単にアルコールを欲していたからです。また、禁酒法時代に、ブドウを売るビジネスが流行ったことも影響しました。ワイナリよりもブドウ畑の方がビジネス上優位になったのです。Cabernet Sauvignonのような高級なワインを作るブドウも、そうでないブドウも価格はほとんど同じでした。畑のオーナーにとっては、ワイン用にブドウを植え替えることなど意味がなかったのです。
逆風の中、質の高いワインを作ろうとしていたワイナリもわずかながらありました。一つがBeaulieu Vineyard(ボーリュー、略称BV)。1938年にロシア人のワインメーカーAndre Tchelistcheff(アンドレ・チェリチェフ)を迎えて、ナパをリードするワイナリになりました。Tchelistcheffは1936年のCabernet Sauvignonを試飲して、そのポテンシャルに気付き創設者の名前を取ったGeorge de Latour Private Reserve(ジョルジュ・ドゥ・ラトゥール・プライベート・リザーブ)と名付けて売り出しました。その後、このワインはナパの高級ワインの代名詞的存在になりました。また、Andre Tchelistcheffはナパの多くのワインメーカーの指南役として大きな影響を与えました。
Tchelistcheffを師と仰ぐ一人がJohn Daniel Jr.(ジョン・ダニエル・ジュニア)。Inglenookを設立したGustave Niebaumの夫人の甥の子供で、Gustave Niebaumの死後、ワイナリを相続した夫人が1937年に亡くなって、Inglenookを引き継ぎました。John Daniel Jr. はGustave Niebaumに倣い、良質のワインをだけを作るポリシーを持っていました。Beaulieuがオーナーの意向で質より量を重視したワインも作っていたのに対し、Inglenookは高級ワインしか作らないという点で徹底していました。1964年にJohn Daniel Jr.がワイナリを手放すまで、ナパで最良のワイナリの一つとして君臨しました。
今日から十数回、執筆中のカリフォルニアワイン本から歴史の章を転載していきます。ご意見・ご感想、お願いします。
カリフォルニアにおけるワイン作りはキリスト教とともに広がりました。最初のワイン畑は17世紀にできたそうですが、ワイナリを最初に作ったのはスペインからの修道士Junipero Serra(フニペロ・セラ)です。18世紀末にMission San Juan Capistranoという教会に併設してブドウ畑とワイナリを作りました。ほかにも8つのミッションにワイナリを作り、「カリフォルニアワインの父」とも言われています。
19世紀になるとワイン作りも広がります。カリフォルニアで最初のビジネスとしたのワイナリと言われているのがソノマのBuena Vista(ブエナ・ビスタ)です。ハンガリー人のAgoston Haraszthy(アゴストン・ハラツィ)が1857年に設立しました。続いて、1858年には今でも家族経営のワイナリとして続いているGundlach Bundschu(ガンロック・バンチュー)が設立。ソノマに2つのワイナリができました。
Agoston Haraszthyは「カリフォルニアの近代的ワイン作りの父」とも呼ばれており、ヨーロッパからぶどうの樹のカッティング(枝を切ったもの)を10万本注文する(実際に持ち帰ったのは一部らしい)などの功績を残しました。ただ、この人は話上手で大言壮語を使って人を引き込むのは得意だったようですが、事業を運営するのは苦手。いろいろと大きなことをやろうとしては失敗する、といったことを続けました。最後はニカラグアに砂糖のプランテーションを作りに行き、ワニに食べられて亡くなったと言われています。
ナパでは1861年にCharles Krug(チャールズ・クリュッグ)が最初のワイナリとして設立されました。この後、1876年にはBeringer、1879年にはInglenook、1900年にはBeaulieu Vineyardができました。
Inglenookはフィンランド人のGustave Niebaum(グスタフ・ニーバウム)が設立したワイナリで、プレミアムワインを志向した最初のワイナリになりました。
カリフォルニアにおけるワイン作りはキリスト教とともに広がりました。最初のワイン畑は17世紀にできたそうですが、ワイナリを最初に作ったのはスペインからの修道士Junipero Serra(フニペロ・セラ)です。18世紀末にMission San Juan Capistranoという教会に併設してブドウ畑とワイナリを作りました。ほかにも8つのミッションにワイナリを作り、「カリフォルニアワインの父」とも言われています。
19世紀になるとワイン作りも広がります。カリフォルニアで最初のビジネスとしたのワイナリと言われているのがソノマのBuena Vista(ブエナ・ビスタ)です。ハンガリー人のAgoston Haraszthy(アゴストン・ハラツィ)が1857年に設立しました。続いて、1858年には今でも家族経営のワイナリとして続いているGundlach Bundschu(ガンロック・バンチュー)が設立。ソノマに2つのワイナリができました。
Agoston Haraszthyは「カリフォルニアの近代的ワイン作りの父」とも呼ばれており、ヨーロッパからぶどうの樹のカッティング(枝を切ったもの)を10万本注文する(実際に持ち帰ったのは一部らしい)などの功績を残しました。ただ、この人は話上手で大言壮語を使って人を引き込むのは得意だったようですが、事業を運営するのは苦手。いろいろと大きなことをやろうとしては失敗する、といったことを続けました。最後はニカラグアに砂糖のプランテーションを作りに行き、ワニに食べられて亡くなったと言われています。
ナパでは1861年にCharles Krug(チャールズ・クリュッグ)が最初のワイナリとして設立されました。この後、1876年にはBeringer、1879年にはInglenook、1900年にはBeaulieu Vineyardができました。
Inglenookはフィンランド人のGustave Niebaum(グスタフ・ニーバウム)が設立したワイナリで、プレミアムワインを志向した最初のワイナリになりました。
カレラのロゼが税込みでも2400円切りと、ますます安くなっています。2010年も先日発行されたWine Advocate誌で90点の高評価。レビュアーのAntonio Galloniは「気品と個性があり、ゴージャスで魅力的なロゼ」と言っております。個人的にも、リピートで買っているワインの一つです。
この季節、サンマの塩焼きと合わせて飲んだら合いそうな気がします。いかがでしょう?
この季節、サンマの塩焼きと合わせて飲んだら合いそうな気がします。いかがでしょう?
繰り返しになりますが、年に1度のセントラル・コースト特集。さらには、Wine Advocate誌のカリフォルニア担当がAntonio Galloniに代わって最初の特集でもあります。
100点が付いたワインはなく、98点がSine Qua Non Dangerous Birds Syrah 2007とSaxum James Berry Vineyard Proprietary Red 2009の2本でした。96点以上に入ったワイナリではRidge、Alban、Varner、Tablas Creekがほかにありました。日本でも最近評価が高いMount EdenのEstate Chardonnay 2008も95点となかなかの高得点。Neely Chardonnay Holly's Cuvee 2009も95点。
特筆するポイントは三つ。VarnerとRidge、それからAu Bon Climatです。
ちょっとわかりにくいのですが、VarnerとNeelyは同じワイナリで、ポジティブセレクションでいいものを選んだのがNeelyになっているとのことです。また、VarnerとNeelyが自社畑なのに対し、購入したブドウで作っている低価格なラインがFoxglove。こちらも今回カベルネ・ソヴィニョンの2009が89点、シャルドネの2010が90点と、高得点です。Antonio Galloniは「Foxgloveの2つのワインを試飲して吹き飛ばされた。Varnerは間違いなく魔法の手を持っている。これらはコスト・パフォーマンスのいいワインの中では世界でも最良だ」と言っています。Varner、Neely、Foxgloveは今後も注目高そうです。
RidgeではMonte Belloの2008年が97+だったのに加え、Lytton Springs 2009が95点、Geyserville 2009が94点、Chardonnay 2009とChardonney Monte Bello 2008が95点など、高得点が連発しました。Lytton Springs、Geyservilleともに飲み頃を2029年までと長熟型に評価したのも、Parker時代にはなかったこと(ParkerもLytton Springs 2008が2020年までなど、Zinfandel系としては異例に長熟型に評価していましたが)。なお、ChardonnayのMonte Belloは2009年は作られず、すべてのブドウがEstateに入ったとのこと。柳屋はこれを今回一番の目玉と評していました。
最後にAu Bon Climatは2008 Isabelleが93点。あまり高くなく思うかもしれませんが、Wine Advocate誌とは相性が悪いのか、これまでこのワインで90点以上ついたことはありませんでした。これもかすかな変化と思ったところ。
100点が付いたワインはなく、98点がSine Qua Non Dangerous Birds Syrah 2007とSaxum James Berry Vineyard Proprietary Red 2009の2本でした。96点以上に入ったワイナリではRidge、Alban、Varner、Tablas Creekがほかにありました。日本でも最近評価が高いMount EdenのEstate Chardonnay 2008も95点となかなかの高得点。Neely Chardonnay Holly's Cuvee 2009も95点。
特筆するポイントは三つ。VarnerとRidge、それからAu Bon Climatです。
ちょっとわかりにくいのですが、VarnerとNeelyは同じワイナリで、ポジティブセレクションでいいものを選んだのがNeelyになっているとのことです。また、VarnerとNeelyが自社畑なのに対し、購入したブドウで作っている低価格なラインがFoxglove。こちらも今回カベルネ・ソヴィニョンの2009が89点、シャルドネの2010が90点と、高得点です。Antonio Galloniは「Foxgloveの2つのワインを試飲して吹き飛ばされた。Varnerは間違いなく魔法の手を持っている。これらはコスト・パフォーマンスのいいワインの中では世界でも最良だ」と言っています。Varner、Neely、Foxgloveは今後も注目高そうです。
RidgeではMonte Belloの2008年が97+だったのに加え、Lytton Springs 2009が95点、Geyserville 2009が94点、Chardonnay 2009とChardonney Monte Bello 2008が95点など、高得点が連発しました。Lytton Springs、Geyservilleともに飲み頃を2029年までと長熟型に評価したのも、Parker時代にはなかったこと(ParkerもLytton Springs 2008が2020年までなど、Zinfandel系としては異例に長熟型に評価していましたが)。なお、ChardonnayのMonte Belloは2009年は作られず、すべてのブドウがEstateに入ったとのこと。柳屋はこれを今回一番の目玉と評していました。
最後にAu Bon Climatは2008 Isabelleが93点。あまり高くなく思うかもしれませんが、Wine Advocate誌とは相性が悪いのか、これまでこのワインで90点以上ついたことはありませんでした。これもかすかな変化と思ったところ。
もう7年連続になる「California Wine Month」が今年もやってきました。
なくなったら、ちょっと寂しいけど、何をやっているのか分からないこの月。とりあえずこちらからイベントでも追ってみるといいのではないかと、思いますよ。
なくなったら、ちょっと寂しいけど、何をやっているのか分からないこの月。とりあえずこちらからイベントでも追ってみるといいのではないかと、思いますよ。
Wine Advocate誌のカリフォルニア担当レビュアーがRobert ParkerからAntonio Galloniに変わって初のカリフォルニア特集(セントラルコースト)が入った196号が登場しました。
とはいえ、レイティング上位にはSine Qua NonやSaxumといった常連が入り、コメントも概ね似たような感じです。ちょっと珍しいところだと、Au Bon ClimatのIsabelleに93点という割と高い点がついているあたりでしょうか。
詳しくは今晩にでも。
とはいえ、レイティング上位にはSine Qua NonやSaxumといった常連が入り、コメントも概ね似たような感じです。ちょっと珍しいところだと、Au Bon ClimatのIsabelleに93点という割と高い点がついているあたりでしょうか。
詳しくは今晩にでも。
動画配信サービスHuluの日本でのサービスが始まったということで記念イベントに参加してきました。
Huluのサービスは、パソコンやiPad、iPhone、Android、さらにはテレビ(現状はパナソニックのVIERA Connect対応の機種のみ。今後ソニーにも対応予定)やブルーレイ・レコーダーといったもので利用できます。テレビで途中まで見たものの続きを外出先でiPhoneを使って見るといったことも可能です。
今後の動画サービスがこういう形になるというのは5年以上前から言っていたこと。まあ当時はNGNみたいなものがベースになるのではと考えていたわけで、それは大きな間違いでしたが、Huluにはびっくりするような機能はなく、まあ正常な進化を遂げているなという印象を受けました。
ただ、提供されるコンテンツは米国のものだけで、ちょっと魅力薄。月額1480円払って使い続ける人はどれだけいるのかなあ、というのが正直なところでした。米国ドラマファンならある程度楽しめるかもしれませんが…
イベントではそのあたりのビジョンが聞けるかと期待したのですが、米国のCEOがサービスを紹介しただけで、後はフリータイム。日本のオフィスのメンバーも小さな写真で紹介しただけ。派手なイベントをやっても中身が伴わなければなんにもならないよ、と思ってしまったのでした。
なお、Huluのサービスは1ヶ月無料。iPadやiPhoneのソフト紹介は既にAppBankさんに載っています。僕の戯言は気にせず、まずは無料体験でどんなものだか試してみることをお勧めします。
Huluのサービスは、パソコンやiPad、iPhone、Android、さらにはテレビ(現状はパナソニックのVIERA Connect対応の機種のみ。今後ソニーにも対応予定)やブルーレイ・レコーダーといったもので利用できます。テレビで途中まで見たものの続きを外出先でiPhoneを使って見るといったことも可能です。
今後の動画サービスがこういう形になるというのは5年以上前から言っていたこと。まあ当時はNGNみたいなものがベースになるのではと考えていたわけで、それは大きな間違いでしたが、Huluにはびっくりするような機能はなく、まあ正常な進化を遂げているなという印象を受けました。
ただ、提供されるコンテンツは米国のものだけで、ちょっと魅力薄。月額1480円払って使い続ける人はどれだけいるのかなあ、というのが正直なところでした。米国ドラマファンならある程度楽しめるかもしれませんが…
イベントではそのあたりのビジョンが聞けるかと期待したのですが、米国のCEOがサービスを紹介しただけで、後はフリータイム。日本のオフィスのメンバーも小さな写真で紹介しただけ。派手なイベントをやっても中身が伴わなければなんにもならないよ、と思ってしまったのでした。
なお、Huluのサービスは1ヶ月無料。iPadやiPhoneのソフト紹介は既にAppBankさんに載っています。僕の戯言は気にせず、まずは無料体験でどんなものだか試してみることをお勧めします。
Robert MondaviのワインメーカーであるGenevieve JanssensさんがTo Kalonの土壌について説明したビデオがあります。これによるとMayacamas山からの川によって場所ごとに土壌が大きく異なっているというのが、ここの特徴だとのこと。また5%程度のスロープになっていて水はけがいいことも、よいカベルネを作るのに役だっているとのことです。
カリフォルニアワインあらかるとにBrewer-CliftonとMelvilleのワインがいくつか入荷しています。目玉はCargasacchiのピノの6900円(税抜)。出来不出来のムラがやや大きなワインですが、2007年はWAで98点、2008年は96点と、当たればすごいワイン。
一方、同誌で2000年以降、上は96点下は93点と極めて安定しているのが同じBrewer-CliftonのMelvilleピノ。こちらは7680円です。
MelvilleのシャルドネInoxも入っています。
一方、同誌で2000年以降、上は96点下は93点と極めて安定しているのが同じBrewer-CliftonのMelvilleピノ。こちらは7680円です。
MelvilleのシャルドネInoxも入っています。