ナパ・ツアーに戻ります。順番はいったりきたりするかもしれませんがご容赦を。
さて、ナパの2日め、プリチャード・ヒルのオーヴィッドを見学した後は、カリストガのアミーチ・セラーズ(Amici Cellars)です。ここでは50ドル以下のリーズナブルな価格帯を中心としたワインとバーベキューのランチをあわせます。
まずはワイナリーに入り、ソーヴィニヨン・ブランで乾杯です。
この日はとても暑く、カリストガの気温は30℃を大幅に上回っていたようです。プリチャード・ヒルのオーヴィッドでは日差しが強いものの、流れる風は心地よかったのに対し、ここでは風が吹いても熱風。ナパで一番暑いカリストガの洗礼をいきなり受けることになりました。ちなみにオーヴィッドによると、谷の下と比べて3~5℃くらい涼しいと言っていました。
広い庭にはピクニック・テーブルが並んでおり、奥の木陰でワイン・テイスティングです。
ワインはアミーチだけでなく、サン・スペリー(St. Supery)、セコイア・グローブ(Sequoia Grove)、ルナ(Luna)も提供しています。
アミーチのソーヴィニヨン・ブランはドライで緻密な味わい。それに対してサン・スペリーのソーヴィニヨン・ブランはアロマティックで開放的。同じソーヴィニヨン・ブランでも随分味わいが違います。
サン・スペリーではダラーハイドのカベルネ・ソーヴィニヨンが印象的。スパイシーでリッチ、きめ細かなタンニンがなめらかな味わいを作っています。これ、5000円以下だったらかなりいいんじゃないでしょうか。
アミーチのカベルネ・ソーヴィニヨンやサン・スペリーのメルローはやわらかな味わい。親しみやすさがナパらしいです。
ルナはサンジョベーゼなどイタリア系の品種に力を入れているワイナリー。かつてはジョン・コングスガードがワインを作っていたことでも知られています。ナパのイタリア系品種としては最大規模だそうです。
ルナのサンジョベーゼも良かったのですが、それ以上に印象的だったのがサンジョベーゼのロゼ。白ワインのように皮とジュースを分けて醸造して、後から皮を入れて色付けをするという手法で作っています。
さて、そうこうしているうちにランチの準備もできました。ハイライトはなんといっても「肉」です。
この肉は、下の写真のようなスモーカーで調理されたもの。
右下のところに炭を入れ、煙突を通ってそのスモークが本体の方に来ます。スパイスを付けた骨付き肉をそれで14時間かけて調理したとのこと。美味しくないはずがありません。ちなみに、本来、アメリカ南部のバーベキューとはこういうものだそうです(真の「アメリカン・バーベキュー」。 - Hole In The Wall)。
骨が多いので手で持ってしゃぶりつくしかないのですが、個人的にはとても気に入り、一人で6~7本は食べてしまいました。
先ほどのルナのロゼはこのバーベキューにもよく合いました。本来は赤ワインの方が合うんでしょうが、何分暑いので、赤よりもロゼの方が飲みたい気分でした。
さて、ナパの2日め、プリチャード・ヒルのオーヴィッドを見学した後は、カリストガのアミーチ・セラーズ(Amici Cellars)です。ここでは50ドル以下のリーズナブルな価格帯を中心としたワインとバーベキューのランチをあわせます。
まずはワイナリーに入り、ソーヴィニヨン・ブランで乾杯です。
この日はとても暑く、カリストガの気温は30℃を大幅に上回っていたようです。プリチャード・ヒルのオーヴィッドでは日差しが強いものの、流れる風は心地よかったのに対し、ここでは風が吹いても熱風。ナパで一番暑いカリストガの洗礼をいきなり受けることになりました。ちなみにオーヴィッドによると、谷の下と比べて3~5℃くらい涼しいと言っていました。
広い庭にはピクニック・テーブルが並んでおり、奥の木陰でワイン・テイスティングです。
ワインはアミーチだけでなく、サン・スペリー(St. Supery)、セコイア・グローブ(Sequoia Grove)、ルナ(Luna)も提供しています。
アミーチのソーヴィニヨン・ブランはドライで緻密な味わい。それに対してサン・スペリーのソーヴィニヨン・ブランはアロマティックで開放的。同じソーヴィニヨン・ブランでも随分味わいが違います。
サン・スペリーではダラーハイドのカベルネ・ソーヴィニヨンが印象的。スパイシーでリッチ、きめ細かなタンニンがなめらかな味わいを作っています。これ、5000円以下だったらかなりいいんじゃないでしょうか。
アミーチのカベルネ・ソーヴィニヨンやサン・スペリーのメルローはやわらかな味わい。親しみやすさがナパらしいです。
ルナはサンジョベーゼなどイタリア系の品種に力を入れているワイナリー。かつてはジョン・コングスガードがワインを作っていたことでも知られています。ナパのイタリア系品種としては最大規模だそうです。
ルナのサンジョベーゼも良かったのですが、それ以上に印象的だったのがサンジョベーゼのロゼ。白ワインのように皮とジュースを分けて醸造して、後から皮を入れて色付けをするという手法で作っています。
さて、そうこうしているうちにランチの準備もできました。ハイライトはなんといっても「肉」です。
この肉は、下の写真のようなスモーカーで調理されたもの。
右下のところに炭を入れ、煙突を通ってそのスモークが本体の方に来ます。スパイスを付けた骨付き肉をそれで14時間かけて調理したとのこと。美味しくないはずがありません。ちなみに、本来、アメリカ南部のバーベキューとはこういうものだそうです(真の「アメリカン・バーベキュー」。 - Hole In The Wall)。
骨が多いので手で持ってしゃぶりつくしかないのですが、個人的にはとても気に入り、一人で6~7本は食べてしまいました。
先ほどのルナのロゼはこのバーベキューにもよく合いました。本来は赤ワインの方が合うんでしょうが、何分暑いので、赤よりもロゼの方が飲みたい気分でした。
リッジのCEO兼ワインメーカーであるポール・ドレーパーが2016年6月末をもって引退を発表しました(paul-draper-ridge-ceo-winemaker-retire/)。今後も会長としてリッジにとどまるものの、仕事は基本的にはすべて移譲する形になります。
併せて発表された引き継ぎプランによると、社長兼COOだったマーク・バーノンがCEOに、モンテベッロのワインメーカーで副社長だったエリック・バウアーがモンテベッロのワインメーカー兼COOに、リットン・スプリングスのワインメーカー兼副社長だったジョン・オルニーがリットン・スプリングスのワインメーカー兼COOになります。
また、畑管理の副社長だったデビッド・ゲイツが畑管理の上級副社長に昇格します。
ポール・ドレーパーは「エリックとジョンは、私のガイダンスの下、それぞれのワイナリーを長い間率いてきた。大事な決定は一緒にやってきたが、過去10年、ワイナリーの日々の運営を司ってきたのは彼らだ。もう、私のワインではなく、彼らのワインだ。そして、リッジの50年の歴史の中で、この10年が最も安定していいワインを作っているのだ」と移行への不安がないことを強調しています。実際、デビッド・ゲイツは1989年、エリック・バウアーは1994年、ジョン・オルニーが1996年にリッジに入社しており、いずれも20年以上のキャリアを積み重ねています。
ポール・ドレーパーはスタンフォード大学で哲学を学んだ後、イタリアやフランスに行き、その後チリで3年間ワイン作りをしました。1969年にカリフォルニアに戻ってリッジのワインメーカーに抜擢。以来、リッジの顔として活躍してきました。
今年40周年記念を迎えたパリ・テイスティングには唯一ナパ以外の赤ワインとして名を連ねており、2006年に行われた30周年記念で、同じヴィンテージのワインを使った試飲では見事1位となって、その高い熟成能力を示しました。
ポール・ドレーパーの引退はとても寂しく、残念ではあります。しかし、後継をしっかり育て上げ、後の憂いなく、これまでの伝統を引き継ぐことを宣言した今回の引退宣言もポール・ドレーパーらしく、改めて尊敬の念を強くしました。
併せて発表された引き継ぎプランによると、社長兼COOだったマーク・バーノンがCEOに、モンテベッロのワインメーカーで副社長だったエリック・バウアーがモンテベッロのワインメーカー兼COOに、リットン・スプリングスのワインメーカー兼副社長だったジョン・オルニーがリットン・スプリングスのワインメーカー兼COOになります。
また、畑管理の副社長だったデビッド・ゲイツが畑管理の上級副社長に昇格します。
ポール・ドレーパーは「エリックとジョンは、私のガイダンスの下、それぞれのワイナリーを長い間率いてきた。大事な決定は一緒にやってきたが、過去10年、ワイナリーの日々の運営を司ってきたのは彼らだ。もう、私のワインではなく、彼らのワインだ。そして、リッジの50年の歴史の中で、この10年が最も安定していいワインを作っているのだ」と移行への不安がないことを強調しています。実際、デビッド・ゲイツは1989年、エリック・バウアーは1994年、ジョン・オルニーが1996年にリッジに入社しており、いずれも20年以上のキャリアを積み重ねています。
ポール・ドレーパーはスタンフォード大学で哲学を学んだ後、イタリアやフランスに行き、その後チリで3年間ワイン作りをしました。1969年にカリフォルニアに戻ってリッジのワインメーカーに抜擢。以来、リッジの顔として活躍してきました。
今年40周年記念を迎えたパリ・テイスティングには唯一ナパ以外の赤ワインとして名を連ねており、2006年に行われた30周年記念で、同じヴィンテージのワインを使った試飲では見事1位となって、その高い熟成能力を示しました。
ポール・ドレーパーの引退はとても寂しく、残念ではあります。しかし、後継をしっかり育て上げ、後の憂いなく、これまでの伝統を引き継ぐことを宣言した今回の引退宣言もポール・ドレーパーらしく、改めて尊敬の念を強くしました。
ワインライフ株式会社の杉本隆英さんがプロデュースする「シャトー・イガイタカハ」。グレッグ・ブリュワーがワインメーカーを勤める漢字シリーズ(ラベルに漢字をあしらったもの)が有名ですが、それ以外に、ワイナリー名の元となった家紋「違い鷹羽」を使った「家紋」シリーズもあります。
家紋シリーズはさまざまなワインメーカーに依頼して作っていますが、その新作「Tokimeki」はなんとポール・ラトー(Paul Lato)作。家紋シリーズの大部分は白地をベースにしていますが、これは黒地。黒地のものは漢字シリーズと並ぶフラグシップの位置付けだそうです。
今やグレッグ・ブリュワーと並んでサンタ・リタ・ヒルズ、あるいはセントラル・コーストを代表するワインメーカーになったと言っても過言ではないポール・ラトー。これまで、自身のワイナリー以外にはヒリアード・ブルース(Hiliard Bruce)を手がけていましたが、現在は離れてしまったようです。
今は、それ以外にソーヴィニョン・ブラン専業のGrimm's Bluffというワイナリーや、2、3のレストラン向けにワインを作っているようですが、日本で買えるのはポール・ラトーブランド以外はこれだけになります。
これまでもポール・ラトーでは杉本さんとのコラボで「心」ワインを作って来ましたが(参考:Paul Latoの新作は「心」、シャルドネとピノ・ノワールを試飲、ポール・ラトーの「心」に新ヴィンテージ、ソーヴィニヨン・ブランとロゼを追加)、今回は一歩進んでシャトー・イガイタカハ名義でのワインになったわけです。
さて、今回のTokimekiはシャルドネとピノ・ノワールでどちらもヴィンテージは2014年。シャルドネが、シエラ・マードレ(Sierra Madre)とマシャド(Machado)、ピノ・ノワールがジョン・セバスティアーノ(John Sebastiano)とゾトヴィッチ(Zotovich)の畑のブドウを使っています。どちらもニュートラルフレンチオークで16カ月樽熟しています。
このうちマシャドはブリュワー・クリフトンの自社畑で、ポール・ラトーとしてはおそらく初めての扱いです(参考:漢字ワインはエモーショナルなんです――グレッグ・ブリュワー インタビュー後編)。それ以外は、これまでポール・ラトーの単一畑ものとして作られていたり、シエラ・マードレとゾトヴィッチは「心」でも使われていたりします。
出荷は2016年7月1日からでシャルドネが8000円、ピノ・ノワールが1万円。現在、予約特価になっています(Ch.igai Takaha / Tokimeki)。ポール・ラトーのシャルドネ/ピノ・ノワールとしては、安価ですので、この機会に買われることをおすすめします。
なお、杉本さんは、グレッグ・ブリュワーとポール・ラトーのワイン作りについて、以下のようにコメントしています。ご参考まで。
家紋シリーズはさまざまなワインメーカーに依頼して作っていますが、その新作「Tokimeki」はなんとポール・ラトー(Paul Lato)作。家紋シリーズの大部分は白地をベースにしていますが、これは黒地。黒地のものは漢字シリーズと並ぶフラグシップの位置付けだそうです。
今やグレッグ・ブリュワーと並んでサンタ・リタ・ヒルズ、あるいはセントラル・コーストを代表するワインメーカーになったと言っても過言ではないポール・ラトー。これまで、自身のワイナリー以外にはヒリアード・ブルース(Hiliard Bruce)を手がけていましたが、現在は離れてしまったようです。
今は、それ以外にソーヴィニョン・ブラン専業のGrimm's Bluffというワイナリーや、2、3のレストラン向けにワインを作っているようですが、日本で買えるのはポール・ラトーブランド以外はこれだけになります。
これまでもポール・ラトーでは杉本さんとのコラボで「心」ワインを作って来ましたが(参考:Paul Latoの新作は「心」、シャルドネとピノ・ノワールを試飲、ポール・ラトーの「心」に新ヴィンテージ、ソーヴィニヨン・ブランとロゼを追加)、今回は一歩進んでシャトー・イガイタカハ名義でのワインになったわけです。
さて、今回のTokimekiはシャルドネとピノ・ノワールでどちらもヴィンテージは2014年。シャルドネが、シエラ・マードレ(Sierra Madre)とマシャド(Machado)、ピノ・ノワールがジョン・セバスティアーノ(John Sebastiano)とゾトヴィッチ(Zotovich)の畑のブドウを使っています。どちらもニュートラルフレンチオークで16カ月樽熟しています。
このうちマシャドはブリュワー・クリフトンの自社畑で、ポール・ラトーとしてはおそらく初めての扱いです(参考:漢字ワインはエモーショナルなんです――グレッグ・ブリュワー インタビュー後編)。それ以外は、これまでポール・ラトーの単一畑ものとして作られていたり、シエラ・マードレとゾトヴィッチは「心」でも使われていたりします。
出荷は2016年7月1日からでシャルドネが8000円、ピノ・ノワールが1万円。現在、予約特価になっています(Ch.igai Takaha / Tokimeki)。ポール・ラトーのシャルドネ/ピノ・ノワールとしては、安価ですので、この機会に買われることをおすすめします。
なお、杉本さんは、グレッグ・ブリュワーとポール・ラトーのワイン作りについて、以下のようにコメントしています。ご参考まで。
『漢字ワイン』を手掛けるGreg Brewer氏が『何もしない事をする引き算のワインメイク』とするならば、『TOKIMEKI』を手掛けるPaul Lato氏は『出来る限りの事をする施しのワインメイク』と言えるでしょう。
ナパの最終日はカーネロスにあるクヴェゾン(Cuvaison)です。以前はナパの北部のカリストガにあったワイナリーですが、力を入れているのはシャルドネとピノ・ノワール。5年ほど前に自社畑のあるカーネロスにテイスティング・ルームを作り、カリストガは引き払ってしまいました。ピノ・ノワールの畑を望むとてもきれいなテイスティング・ルームがあります。
社長のジェイさん。
ワインメーカーのスティーブさん。畑仕事からワイン作りまで、ワイン作りの実務の大半を仕切っています。
テイスティング・ルームの目の前にあるピノ・ノワールの畑。
実は、この畑は数年前にユータイパという一種のカビの害にやられてしまい、3年前に幹を切ってしまったそう。接ぎ木したところから出てくる枝の一つを改めて幹として成長させている過程だと説明していました。以前は1エーカーあたり1トンも収穫がないという低収量の畑だったので収量もこれから改善を見込んでいるそうです。
カーネロスというと、うねうねと緩やかな丘が広がる景色が特徴です。クヴェゾンの畑も例外ではなく、大小いくつもの丘に畑があります。畑全体を44個のブロックに分けてブロックごとに醸造しています。細かな気候の違いなどでブロックを分けているので、わずか2、3列のブロックもあれば、かなり広いブロックもあるとのこと。
シャルドネとピノを試飲しながら畑を回ります。クヴェゾンのワインは、シャルドネもピノ・ノワールも穏やかな味わい。こういうワインはほっとします。
また、ピノノワールは斜面が適しているので、丘に植え、シャルドネは気温が低い低地を中心に植えています。
これはインセクト・トラップという装置。害虫がどれくらい発生しているかを調べるために使います。
ところで、今回のナパでは一回も霧を見ることがなく、いつもならかなり涼しいカーネロスも日が差して暖かでした。南の方で生じた熱波によって、高温の空気がドーム状になり、霧が入ってこれない状況が続いていたそうです。
また、近年収穫が早まっていますが、今年について聞いてみたところ、平年より3週間くらい早く、これまでで一番早いと言われていた昨年よりも早くなりそうだとのことでした。旱魃の影響で冬が暖かく、芽がでる時期も早くなっているのが大きな原因のようです。
畑の後はワイナリーに行ってシングルブロックのピノノワールと、シャルドネを、2015年(樽からのサンプル)と、2013年のワインで比べました。
ところで、ナパでは2年前に大きな地震がありました。震源は海に近いあたりで、カーネロスも大きく揺れました。社長がそのときの写真を見せてくれました。
樽はスチールのラックを使って積み重ねていましたが、このラックは地震に弱いことがわかりました。今後はより揺れに強いプラスチック製のラックに変更していくそうです。
ボトリングのラインも稼働中でした(ワインは別のワイナリーのもの)。
ナパの最後のワイナリー見学は、こうして無事に終わりました。
社長のジェイさん。
ワインメーカーのスティーブさん。畑仕事からワイン作りまで、ワイン作りの実務の大半を仕切っています。
テイスティング・ルームの目の前にあるピノ・ノワールの畑。
実は、この畑は数年前にユータイパという一種のカビの害にやられてしまい、3年前に幹を切ってしまったそう。接ぎ木したところから出てくる枝の一つを改めて幹として成長させている過程だと説明していました。以前は1エーカーあたり1トンも収穫がないという低収量の畑だったので収量もこれから改善を見込んでいるそうです。
カーネロスというと、うねうねと緩やかな丘が広がる景色が特徴です。クヴェゾンの畑も例外ではなく、大小いくつもの丘に畑があります。畑全体を44個のブロックに分けてブロックごとに醸造しています。細かな気候の違いなどでブロックを分けているので、わずか2、3列のブロックもあれば、かなり広いブロックもあるとのこと。
シャルドネとピノを試飲しながら畑を回ります。クヴェゾンのワインは、シャルドネもピノ・ノワールも穏やかな味わい。こういうワインはほっとします。
また、ピノノワールは斜面が適しているので、丘に植え、シャルドネは気温が低い低地を中心に植えています。
これはインセクト・トラップという装置。害虫がどれくらい発生しているかを調べるために使います。
ところで、今回のナパでは一回も霧を見ることがなく、いつもならかなり涼しいカーネロスも日が差して暖かでした。南の方で生じた熱波によって、高温の空気がドーム状になり、霧が入ってこれない状況が続いていたそうです。
また、近年収穫が早まっていますが、今年について聞いてみたところ、平年より3週間くらい早く、これまでで一番早いと言われていた昨年よりも早くなりそうだとのことでした。旱魃の影響で冬が暖かく、芽がでる時期も早くなっているのが大きな原因のようです。
畑の後はワイナリーに行ってシングルブロックのピノノワールと、シャルドネを、2015年(樽からのサンプル)と、2013年のワインで比べました。
ところで、ナパでは2年前に大きな地震がありました。震源は海に近いあたりで、カーネロスも大きく揺れました。社長がそのときの写真を見せてくれました。
樽はスチールのラックを使って積み重ねていましたが、このラックは地震に弱いことがわかりました。今後はより揺れに強いプラスチック製のラックに変更していくそうです。
ボトリングのラインも稼働中でした(ワインは別のワイナリーのもの)。
ナパの最後のワイナリー見学は、こうして無事に終わりました。
ナパのレポートはまだまだありますが、世界を揺るがす大事件となった、英国のEU離脱について、ワイン市場にどういう影響を与えるかをみてみましょう。
まず、間違いなく起こるのが(既に起こっていますが)為替の変動です。特に、英国のポンドは価値が急落します。上のグラフはユーロと英国ポンド
それで、どういうことが起こるかということですが、EUのワイン、例えばフランスのワインの英国への輸入は減るでしょう。ボルドーのプリムール市場に壊滅的な影響を与えるという予測もあります(Reaction: How Brexit vote could affect wine lovers)。
英国では、フランスやイタリア、スペインなどのワインの価格が上がることにより、それ以外のワインを求める動きが大きくなるかもしれません。例えば、近年スパークリング・ワインの評価が上がっている、英国製のワインが売れるようになるかもしれません(Brexit: A good day for English wine?)。
一方で、英国ワインの輸出には大きな打撃となるでしょうから、英国製ワインにとってこれが本当に歓迎すべきことなのかどうかは不明です(What would Brexit mean for wine lovers? | Articles | JancisRobinson.com)。
また、南アフリカや、オーストラリア、ニュージーランドなどのワイン(米国も含むかどうかはわかりませんが)、にとっては英国市場への販売が相対的にやりやすくなるかもしれません。
日本やカリフォルニアのワインにとっては、これよりもTPPの影響の方が大きいかもしれませんが、いずれにしろ、これがきっかけとなって、ワイン市場も大きな変化が出てくるのでしょう。
まず、間違いなく起こるのが(既に起こっていますが)為替の変動です。特に、英国のポンドは価値が急落します。上のグラフはユーロと英国ポンド
それで、どういうことが起こるかということですが、EUのワイン、例えばフランスのワインの英国への輸入は減るでしょう。ボルドーのプリムール市場に壊滅的な影響を与えるという予測もあります(Reaction: How Brexit vote could affect wine lovers)。
英国では、フランスやイタリア、スペインなどのワインの価格が上がることにより、それ以外のワインを求める動きが大きくなるかもしれません。例えば、近年スパークリング・ワインの評価が上がっている、英国製のワインが売れるようになるかもしれません(Brexit: A good day for English wine?)。
一方で、英国ワインの輸出には大きな打撃となるでしょうから、英国製ワインにとってこれが本当に歓迎すべきことなのかどうかは不明です(What would Brexit mean for wine lovers? | Articles | JancisRobinson.com)。
また、南アフリカや、オーストラリア、ニュージーランドなどのワイン(米国も含むかどうかはわかりませんが)、にとっては英国市場への販売が相対的にやりやすくなるかもしれません。
日本やカリフォルニアのワインにとっては、これよりもTPPの影響の方が大きいかもしれませんが、いずれにしろ、これがきっかけとなって、ワイン市場も大きな変化が出てくるのでしょう。
ナパ・ツアーもいよいよ大詰めに近づいてきました。この日のハイライトの一つが料理の鉄人で知られている森本正治さんのレストラン「Morimoto Napa」での食事とワインのペアリングです。
Morimotoに着くと、すでにワインはすべて用意されています。
料理は5種類。それぞれにワイン2種類を合わせます。つまりワインは10種。
こちらがメニューです、
シャフのイチロウさん。和食のテクニックにオリジナルな要素を加えています。
料理はこれと、あとたこ焼きです。
横からも撮ってみました。なんとなく雰囲気出たかな?
ソムリエのエデュアルドさんが、どうしてその料理にそのワインを合わせて見たのか説明します。
ペアリングは1つの料理について2種類のワインを飲みながら、どちらが合うと思うか投票する形で進みました。
最初は一番左のサバの寿司です。エデュアルドさんからシェフへのリクエストはコハダだったそうなのですが、いいのが入荷せず、サバに変更したそうです。
これには前の日に行ったレイモンドのリザーブ・ソーヴィニヨン・ブランとファレラ(Farella)のソーヴィニヨン・ブランをあわせました。レイモンドは爽やかな印象のソーヴィニヨン・ブラン、ファレラはトロピカルフルーツのフレーバーを感じます。食べる前はレイモンドのほうが合うかと思ったのですが、合わせて見ると意外とファレラがいいかなと思いました。票は結構割れていました。
次はハマチのパストラミで、ブラウンシュガーと塩で絞めたハマチに七味が付いています。
ワインはガーギッチ・ヒルズのシャルドネとロンバウアーのシャルドネ。ロンバウアーはカリフォルニアらしいリッチなスタイルで、ガーギッチ・ヒルズはバランスがいいスタイル。
これはハマチの周りの七味が曲者で、ガーギッチ・ヒルズのシャルドネは七味に負けてしまうように感じました。七味がなければガーギッチ・ヒルズを選びたいところでしたが、この料理にはロンバウアーが合いました。
次はベジタブルかにみそで、人参、セロリ、きゅうり、大根を小さく切ったものに、かにみそとにんにくをミルクで煮たもの、ロースト・ガーリック、出汁、白醤油を混ぜたものを和えています。
ワインはピノ・ノワール。これが一見一番大胆な組み合わせです。セインツベリーのピノ・ノワールは味わいがしっかりしてフォーカスの定まったワイン。単体で飲んで美味しいワイン。もうひとつはセハ(Ceja)。こちらはかなり軽めのピノ・ノワールです。
個人的にはこれはセハを合わせたく思いました。かにみそといっても意外とその味は強くなく、出汁のあじなどが結構効いています。それとはセハの方が合う気がしました。
次はたこ焼きです。
Morimotoではたこ焼きは完成度の高い料理と見ていて、各地(世界で13軒あるそうです)でそこの食材を使ったたこ焼きを作っているようです。例えばニューヨークはロブスター、ハワイはアワビ。ナパは普段はフォアグラだそうですが、今日はアワビです。3時間酒蒸しにしたとのこと。
ワインはカベルネ・ソーヴィニヨンでクリフ・レーディ(Cliff Lede)のものと、コリソン(Corison)です。クリフ・レーディはリッチで芳醇。とてもきれいな味わいもあり、非常にナパらしくおいしいカベルネです。一方、コリソンはナパのワインとしてはとてもエレガント。花の香りが印象的です。
これは個人的にはクリフ・レーディの勝ち。このたこ焼きは、かなり出汁が効いており、また下にハーブバターのソースが敷いてあります。これらのリッチな味わいにはクリフ・レーディの力強さが合うように思いました。ちなみに、このたこ焼き、外がカリカリで本当に美味しかったです。
最後はちょっとインド風に辛く仕上げたアングリーチキン串焼き(+ししとうがらし)。ワインはトゥーミ(Twomey)のメルローと、ロバート・ビアーレ(Robert Biale)のジンファンデルです。
これだけは品種が違うワインでしたが、ジンファンデルのスパイシーさ(ビアーレはそれほどスパイシーじゃなかったので、もっとスパイシーなワインを合わせたい感じがしました)が合うと思いました。
と、こんな感じで、料理とワインのペアを試すのはとてもおもしろく、勉強になりました。和食でも調理の仕方でいろいろなワインに合うこともよくわかりました。また、ナパのワインといっても一様ではなく、いろいろなスタイルがあることもわかると思います。
ちなみに、この日は森本シェフは不在でしたが、森本シェフはガーギッチ・ヒルズのワインのファンだそうです。先日のオークション・ナパ・ヴァレーのときはガーギッチ・ヒルズでプライベートのスシ・ディナーを開催したとのこと。
後ろのタコの写真がいかにもアメリカという感じですが、実はスイーツを作っています。
というわけでとても楽しく勉強になる経験でした。
Morimotoに着くと、すでにワインはすべて用意されています。
料理は5種類。それぞれにワイン2種類を合わせます。つまりワインは10種。
こちらがメニューです、
シャフのイチロウさん。和食のテクニックにオリジナルな要素を加えています。
料理はこれと、あとたこ焼きです。
横からも撮ってみました。なんとなく雰囲気出たかな?
ソムリエのエデュアルドさんが、どうしてその料理にそのワインを合わせて見たのか説明します。
ペアリングは1つの料理について2種類のワインを飲みながら、どちらが合うと思うか投票する形で進みました。
最初は一番左のサバの寿司です。エデュアルドさんからシェフへのリクエストはコハダだったそうなのですが、いいのが入荷せず、サバに変更したそうです。
これには前の日に行ったレイモンドのリザーブ・ソーヴィニヨン・ブランとファレラ(Farella)のソーヴィニヨン・ブランをあわせました。レイモンドは爽やかな印象のソーヴィニヨン・ブラン、ファレラはトロピカルフルーツのフレーバーを感じます。食べる前はレイモンドのほうが合うかと思ったのですが、合わせて見ると意外とファレラがいいかなと思いました。票は結構割れていました。
次はハマチのパストラミで、ブラウンシュガーと塩で絞めたハマチに七味が付いています。
ワインはガーギッチ・ヒルズのシャルドネとロンバウアーのシャルドネ。ロンバウアーはカリフォルニアらしいリッチなスタイルで、ガーギッチ・ヒルズはバランスがいいスタイル。
これはハマチの周りの七味が曲者で、ガーギッチ・ヒルズのシャルドネは七味に負けてしまうように感じました。七味がなければガーギッチ・ヒルズを選びたいところでしたが、この料理にはロンバウアーが合いました。
次はベジタブルかにみそで、人参、セロリ、きゅうり、大根を小さく切ったものに、かにみそとにんにくをミルクで煮たもの、ロースト・ガーリック、出汁、白醤油を混ぜたものを和えています。
ワインはピノ・ノワール。これが一見一番大胆な組み合わせです。セインツベリーのピノ・ノワールは味わいがしっかりしてフォーカスの定まったワイン。単体で飲んで美味しいワイン。もうひとつはセハ(Ceja)。こちらはかなり軽めのピノ・ノワールです。
個人的にはこれはセハを合わせたく思いました。かにみそといっても意外とその味は強くなく、出汁のあじなどが結構効いています。それとはセハの方が合う気がしました。
次はたこ焼きです。
Morimotoではたこ焼きは完成度の高い料理と見ていて、各地(世界で13軒あるそうです)でそこの食材を使ったたこ焼きを作っているようです。例えばニューヨークはロブスター、ハワイはアワビ。ナパは普段はフォアグラだそうですが、今日はアワビです。3時間酒蒸しにしたとのこと。
ワインはカベルネ・ソーヴィニヨンでクリフ・レーディ(Cliff Lede)のものと、コリソン(Corison)です。クリフ・レーディはリッチで芳醇。とてもきれいな味わいもあり、非常にナパらしくおいしいカベルネです。一方、コリソンはナパのワインとしてはとてもエレガント。花の香りが印象的です。
これは個人的にはクリフ・レーディの勝ち。このたこ焼きは、かなり出汁が効いており、また下にハーブバターのソースが敷いてあります。これらのリッチな味わいにはクリフ・レーディの力強さが合うように思いました。ちなみに、このたこ焼き、外がカリカリで本当に美味しかったです。
最後はちょっとインド風に辛く仕上げたアングリーチキン串焼き(+ししとうがらし)。ワインはトゥーミ(Twomey)のメルローと、ロバート・ビアーレ(Robert Biale)のジンファンデルです。
これだけは品種が違うワインでしたが、ジンファンデルのスパイシーさ(ビアーレはそれほどスパイシーじゃなかったので、もっとスパイシーなワインを合わせたい感じがしました)が合うと思いました。
と、こんな感じで、料理とワインのペアを試すのはとてもおもしろく、勉強になりました。和食でも調理の仕方でいろいろなワインに合うこともよくわかりました。また、ナパのワインといっても一様ではなく、いろいろなスタイルがあることもわかると思います。
ちなみに、この日は森本シェフは不在でしたが、森本シェフはガーギッチ・ヒルズのワインのファンだそうです。先日のオークション・ナパ・ヴァレーのときはガーギッチ・ヒルズでプライベートのスシ・ディナーを開催したとのこと。
後ろのタコの写真がいかにもアメリカという感じですが、実はスイーツを作っています。
というわけでとても楽しく勉強になる経験でした。
毎日盛りだくさんのスケジュールで、Ovidの後を書こうか、次の日を書こうか迷ったのですが、順を追っていくといつまでたっても終わらずにリアルタイム感がなくなってしまうので、とりあえず毎日1トピックアップしていこうと思います。
というわけで3日めはDarioushの見学からワイントレイン、ブレンディングセミナー、Raymondの見学とタコストラックのディナーというこれも充実した内容でしたが、そこからワイントレインをお届けします。
ナパに何度も行ったことがある人も意外とワイントレインに乗ったことがない人は多いと思います。例えばランチのワイントレインに乗ると、戻ってくるのは3時過ぎ。ワイナリーは5時には大体しまってしまうから、ほかのワイナリーに行く時間はほとんどなくなってしまいます。
今回乗ってみて思ったのは、とても贅沢な時間であるということ。確かに寸暇を惜しんで一つでも多くのワイナリーに行きたいという人には向かないと思います。でもゆっくりと食事をしながら、ナパの雰囲気を味わうのにこれほどのものもありません。
また、夏場であればディナーを食べるサンセットトレインに乗るのもありでしょう。サンセットトレインは6時半に出発して9時半に戻ってきます。5月後半から8月前半なら日没は8時台。日が沈んでもすぐ暗くなるわけではないですから、8時半ころまでは十分外の景色が楽しめると思います。
さて、能書きはこれくらいにして、実際のワイントレインのツアーを見ていきましょう。駅はナパのダウンタウンのはずれ、ナパリバー沿いにあります。今回泊まっているNapa River Innからは歩いていける距離です。
かなり広い待合室があります。右奥がチェックインカウンター。
おみやげ屋が充実しています。こちらは主にアパレル系を置いています。
ワインショップやワインの小物などを置いてある店がもうひとつ。ワインショップはナパ以外のワインも結構あります。例えばピノだとBrewer-CliftonやCalera、Hirschなどマニアでも楽しくなるような品揃えです。もちろんナパのワインも充実しています。
こんなのも置いてあります。線路の廃材で作っているのでしょうか。すべて鉄ですからかなり重いです。値段も300ドル~と結構します。
待合室でもワインは飲めます。
チケットカウンターにあったワイントレインの模型です。よくできています。これはちょっと欲しくなった(売り物ではないです)。
待合室からトレインに行く通路はラブ・ロック・ブリッジといって、南京錠がたくさんかかっています。これは恋人たちが名前や日付を書いて、ここに付けて、鍵は捨ててしまうのだそうです。
ワイントレインです。10両以上連結されており、思った以上に長いです。
改札の人です。にこやかに迎えていただきました。
乗車します。
テーブルにはメニューがあり日本語も書かれています。ちなみにこれはVista Dome Carというちょっと高い車両です。
src="//embedr.flickr.com/assets/client-code.js" charset="utf-8">
こんな感じにちょっと景色が見やすくなっています。また、この車両だけは2階建てになっていて、下に厨房があります。ほかの車両の食事は、キッチンカーが別についており、そちらで調理しています(写真は後で)。
ロバート・モンダヴィです。トカロンと書かれているのを見ると気持ちが上がります。
ガーギッチ・ヒルズ。実は今回ガーギッチ・ヒルズの方が同じテーブルだったのですが、写真を撮り忘れました。
ひときわ目立つHall Wineryの入り口にある巨大なウサギのオブジェです。
Vista Dome Carのメニューは3皿のコースで前菜、スープまたはサラダ、メインディッシュ、それにデザートです。スパークリングワインが1杯ついてきます。
前菜はマグロのスパイスのたたきを選びました。ガーギッチ・ヒルズのフュメ・ブランによく合います。
これは隣の人の前菜(トリュフ入りリコッタチーズのラビオリ)。これもフュメ・ブランとよく合います。
ガーギッチ・ヒルズのフュメ・ブランはほどよい酸味と、嫌味じゃないクリーミーさがあり、食事に合わせやすいワイン。ガーギッチ・ヒルズでは特に食事に合わせることを意識してワインを作っているとのことです。
本日のスープです。ポルチーニが入っているのでしょうか。かなり濃厚です。これはしっかりとしたシャルドネによく合いました(今回はカモミとオショネシーのシャルドネ)。
メインディッシュです。シルバーオークのカベルネ、ロバート・ビアーレのジンファンデルに合わせました。
デザート。これは定番だそうです。今回はガーギッチ・ヒルズのデザートワインもいただきました。これがなかなか美味でびっくり。ソーヴィニヨン・ブランにリースリング、ゲヴェルツトラミネールが入っているそうです。
さて、ほかの車両も見に行きました。
Vista Dome Car以外は基本的に行きか帰りのどちらかが食事で、どちらかがアペタイザーやデザートになります。食事は食事用の車両で取り、終点のセントヘレナでラウンジの車両に乗り換える形です。
景色は、Vista Dome Carじゃなくても十分にいいかなと思いました。どちらを選ぶかは食事の内容で決めるのがいいかもしれません。
キッチンカーは狭いところで大勢の食事を作っており、戦場のような忙しさでした。ちょっと邪魔してしまったかもしれません。ごめんなさい。
車両の一番後ろにも出られます。開放感があって気持ちいいです。
こちらはVista Dome Carの厨房。サーブする人数は少ないですが、狭くて大変そうです。特に一番奥のグリルがあるところは、暑さとの戦いになりそうです。
シェフです。
同席した生産者の写真を全然撮っていませんでした。すみません~。後で誰かからもらうことにします。
というわけで、充実した3時間を過ごしたワイントレインでした。乗ったことない人も一度は乗る価値があるのではないかと思います。
というわけで3日めはDarioushの見学からワイントレイン、ブレンディングセミナー、Raymondの見学とタコストラックのディナーというこれも充実した内容でしたが、そこからワイントレインをお届けします。
ナパに何度も行ったことがある人も意外とワイントレインに乗ったことがない人は多いと思います。例えばランチのワイントレインに乗ると、戻ってくるのは3時過ぎ。ワイナリーは5時には大体しまってしまうから、ほかのワイナリーに行く時間はほとんどなくなってしまいます。
今回乗ってみて思ったのは、とても贅沢な時間であるということ。確かに寸暇を惜しんで一つでも多くのワイナリーに行きたいという人には向かないと思います。でもゆっくりと食事をしながら、ナパの雰囲気を味わうのにこれほどのものもありません。
また、夏場であればディナーを食べるサンセットトレインに乗るのもありでしょう。サンセットトレインは6時半に出発して9時半に戻ってきます。5月後半から8月前半なら日没は8時台。日が沈んでもすぐ暗くなるわけではないですから、8時半ころまでは十分外の景色が楽しめると思います。
さて、能書きはこれくらいにして、実際のワイントレインのツアーを見ていきましょう。駅はナパのダウンタウンのはずれ、ナパリバー沿いにあります。今回泊まっているNapa River Innからは歩いていける距離です。
かなり広い待合室があります。右奥がチェックインカウンター。
おみやげ屋が充実しています。こちらは主にアパレル系を置いています。
ワインショップやワインの小物などを置いてある店がもうひとつ。ワインショップはナパ以外のワインも結構あります。例えばピノだとBrewer-CliftonやCalera、Hirschなどマニアでも楽しくなるような品揃えです。もちろんナパのワインも充実しています。
こんなのも置いてあります。線路の廃材で作っているのでしょうか。すべて鉄ですからかなり重いです。値段も300ドル~と結構します。
待合室でもワインは飲めます。
チケットカウンターにあったワイントレインの模型です。よくできています。これはちょっと欲しくなった(売り物ではないです)。
待合室からトレインに行く通路はラブ・ロック・ブリッジといって、南京錠がたくさんかかっています。これは恋人たちが名前や日付を書いて、ここに付けて、鍵は捨ててしまうのだそうです。
ワイントレインです。10両以上連結されており、思った以上に長いです。
改札の人です。にこやかに迎えていただきました。
乗車します。
テーブルにはメニューがあり日本語も書かれています。ちなみにこれはVista Dome Carというちょっと高い車両です。
src="//embedr.flickr.com/assets/client-code.js" charset="utf-8">
こんな感じにちょっと景色が見やすくなっています。また、この車両だけは2階建てになっていて、下に厨房があります。ほかの車両の食事は、キッチンカーが別についており、そちらで調理しています(写真は後で)。
ロバート・モンダヴィです。トカロンと書かれているのを見ると気持ちが上がります。
ガーギッチ・ヒルズ。実は今回ガーギッチ・ヒルズの方が同じテーブルだったのですが、写真を撮り忘れました。
ひときわ目立つHall Wineryの入り口にある巨大なウサギのオブジェです。
Vista Dome Carのメニューは3皿のコースで前菜、スープまたはサラダ、メインディッシュ、それにデザートです。スパークリングワインが1杯ついてきます。
前菜はマグロのスパイスのたたきを選びました。ガーギッチ・ヒルズのフュメ・ブランによく合います。
これは隣の人の前菜(トリュフ入りリコッタチーズのラビオリ)。これもフュメ・ブランとよく合います。
ガーギッチ・ヒルズのフュメ・ブランはほどよい酸味と、嫌味じゃないクリーミーさがあり、食事に合わせやすいワイン。ガーギッチ・ヒルズでは特に食事に合わせることを意識してワインを作っているとのことです。
本日のスープです。ポルチーニが入っているのでしょうか。かなり濃厚です。これはしっかりとしたシャルドネによく合いました(今回はカモミとオショネシーのシャルドネ)。
メインディッシュです。シルバーオークのカベルネ、ロバート・ビアーレのジンファンデルに合わせました。
デザート。これは定番だそうです。今回はガーギッチ・ヒルズのデザートワインもいただきました。これがなかなか美味でびっくり。ソーヴィニヨン・ブランにリースリング、ゲヴェルツトラミネールが入っているそうです。
さて、ほかの車両も見に行きました。
Vista Dome Car以外は基本的に行きか帰りのどちらかが食事で、どちらかがアペタイザーやデザートになります。食事は食事用の車両で取り、終点のセントヘレナでラウンジの車両に乗り換える形です。
景色は、Vista Dome Carじゃなくても十分にいいかなと思いました。どちらを選ぶかは食事の内容で決めるのがいいかもしれません。
キッチンカーは狭いところで大勢の食事を作っており、戦場のような忙しさでした。ちょっと邪魔してしまったかもしれません。ごめんなさい。
車両の一番後ろにも出られます。開放感があって気持ちいいです。
こちらはVista Dome Carの厨房。サーブする人数は少ないですが、狭くて大変そうです。特に一番奥のグリルがあるところは、暑さとの戦いになりそうです。
シェフです。
同席した生産者の写真を全然撮っていませんでした。すみません~。後で誰かからもらうことにします。
というわけで、充実した3時間を過ごしたワイントレインでした。乗ったことない人も一度は乗る価値があるのではないかと思います。
ナパ2日めの午前はプリチャードヒルにあるオーヴィッド(Ovid)の見学です。実は今回のツアーで、行きたいところとして、プリチャードヒルをリクエストしており、その願いがかなったのです。
プリチャードヒルは、名前の使用権を持っているシャペレーに始まり、コルギンやブライアント、コンティニュアム、デビッド・アーサーなどそうそうたるワイナリーがある地域です。しかし、一般の客に門戸を開いているワイナリーとなるとなかなかありません。貴重な機会なのです。
レイク・ヘネシーの脇を通り、山道を上がっていきます。レイク・ヘネシーはナパの重要な貯水池。旱魃のひどかった昨年はかなり干上がったそうですが、今年はまだ水がしっかりとあります。
オーヴィッドに到着です。
できのいい年にしか作らないというカベルネ・フランのHexameter 2012を試飲しました。
テラスからはナパ・ヴァレーの絶景が見えます。
畑はストライプ状に品種が分けて植えられています。カベルネ・フランは緑色のところ。
プリチャードヒルの特徴の一つが、火山性の石がたくさんあること。Ovidを作るときも1万5000個もの石を取り除いたそうです。石の山がヴァレーの向かい側からも分かったとのこと。そういえば以前コルギンに話を聞いたときも石が大変だった話をしていました。
今でも畑に結構石がゴロゴロしています。
なお、畑を作ったのは有名なデビッド・エイブリューです。
石の層の上に薄い表土の層があります。ブドウにとっては水を得るのもなかなか困難なところです。そのため、ブドウの木は比較的小さめに剪定し、木と木の間隔も狭めになっています。1エーカーあたり2200本の木があるとのこと。剪定作業がかなり大変そうな畑で、手間暇かけて作っていることがよくわかります。
暑い日だったので、水に加えて日傘も用意されていました。ありがたや。
いろいろな技術も使っています。これは樹の中を流れる水の量の測定に使っている機械の一部。このデータを使って必要最低限の灌漑をするようにしています。
畑の何ヶ所かにあるウェザーステーション。気温や雨量などを15分に1回測定して伝えています。
栽培はオーガニックで行っています。これは害獣を退治してくれるふくろうの巣箱。このほか鷹なども住んでいます。
ワインはこのほか2015年のカベルネ・フランをバレル・サンプルでいただきました。まだ1年も経っていないワインですが、もうこれだけで売ってもおかしくないほどしっかりした味わい。ただし、今回は全部ブレンドに使うことになりそうだそうです。
とても貴重なプリチャードヒルの見学でした。ここだけでプリチャードヒルを一般化して語ることはできませんが、石の多い土壌などは共通していると思います。
このあと、昼から午後も盛りだくさんのツアーです。
プリチャードヒルは、名前の使用権を持っているシャペレーに始まり、コルギンやブライアント、コンティニュアム、デビッド・アーサーなどそうそうたるワイナリーがある地域です。しかし、一般の客に門戸を開いているワイナリーとなるとなかなかありません。貴重な機会なのです。
レイク・ヘネシーの脇を通り、山道を上がっていきます。レイク・ヘネシーはナパの重要な貯水池。旱魃のひどかった昨年はかなり干上がったそうですが、今年はまだ水がしっかりとあります。
オーヴィッドに到着です。
できのいい年にしか作らないというカベルネ・フランのHexameter 2012を試飲しました。
テラスからはナパ・ヴァレーの絶景が見えます。
畑はストライプ状に品種が分けて植えられています。カベルネ・フランは緑色のところ。
プリチャードヒルの特徴の一つが、火山性の石がたくさんあること。Ovidを作るときも1万5000個もの石を取り除いたそうです。石の山がヴァレーの向かい側からも分かったとのこと。そういえば以前コルギンに話を聞いたときも石が大変だった話をしていました。
今でも畑に結構石がゴロゴロしています。
なお、畑を作ったのは有名なデビッド・エイブリューです。
石の層の上に薄い表土の層があります。ブドウにとっては水を得るのもなかなか困難なところです。そのため、ブドウの木は比較的小さめに剪定し、木と木の間隔も狭めになっています。1エーカーあたり2200本の木があるとのこと。剪定作業がかなり大変そうな畑で、手間暇かけて作っていることがよくわかります。
暑い日だったので、水に加えて日傘も用意されていました。ありがたや。
いろいろな技術も使っています。これは樹の中を流れる水の量の測定に使っている機械の一部。このデータを使って必要最低限の灌漑をするようにしています。
畑の何ヶ所かにあるウェザーステーション。気温や雨量などを15分に1回測定して伝えています。
栽培はオーガニックで行っています。これは害獣を退治してくれるふくろうの巣箱。このほか鷹なども住んでいます。
ワインはこのほか2015年のカベルネ・フランをバレル・サンプルでいただきました。まだ1年も経っていないワインですが、もうこれだけで売ってもおかしくないほどしっかりした味わい。ただし、今回は全部ブレンドに使うことになりそうだそうです。
とても貴重なプリチャードヒルの見学でした。ここだけでプリチャードヒルを一般化して語ることはできませんが、石の多い土壌などは共通していると思います。
このあと、昼から午後も盛りだくさんのツアーです。
ナパ研修旅行の初日は、サンフランシスコの人気スポット「フェリー・ビルディング」で、これもナパなどで大人気のハンバーガー屋「Gott's Burger」でのディナーです、ここはワイナリーでも有名なジョエル・ゴッツが経営しています。
まずは軽くフェリー・ビルディングを散策。ワインバーも気になります。
チーズの店もなんだかおしゃれ。
有名なブルーボトルコーヒーもあります。
目的の「Gott's」です。
テキサス・アボカド・バーガー。ハラペーニョが意外ときいています。
人気の「アヒ・バーガー」の中はなんと刺し身のマグロ。
オニオン・リングも美味しいです。ブルーチーズのソースをつけていただきます。
ワインは店からではなくNVVが提供です。
この中では抜群においしかったのがオショネシー。以前は日本に輸入されていましたが、いまは輸入されていないそうです。現在はピーロートが輸入しているそうです。
そうこうしている間に、夕焼けです(時間は8時半くらいです)。
ワイングラスと撮ってみたりして。
きれいな夕焼けでした。
明日からは1日勉強(とワイン)です。
まずは軽くフェリー・ビルディングを散策。ワインバーも気になります。
チーズの店もなんだかおしゃれ。
有名なブルーボトルコーヒーもあります。
目的の「Gott's」です。
テキサス・アボカド・バーガー。ハラペーニョが意外ときいています。
人気の「アヒ・バーガー」の中はなんと刺し身のマグロ。
オニオン・リングも美味しいです。ブルーチーズのソースをつけていただきます。
ワインは店からではなくNVVが提供です。
この中では抜群においしかったのがオショネシー。
そうこうしている間に、夕焼けです(時間は8時半くらいです)。
ワイングラスと撮ってみたりして。
きれいな夕焼けでした。
明日からは1日勉強(とワイン)です。
むちゃくちゃ久しぶりにナパに行ってきます。ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズの研修旅行です。
Wifiモデムをレンタルしていくので、もしかしたらリアルタイムでアップするものもあるかもしれません。Twitter、Facebookをご覧ください。
ブログもできるだけ毎日更新するつもりではありますが、更新時間はいつもと変わる可能性が大です。
てごろな大きさのスーツケースがなかったので、娘のを借りてきました。ちょっと恥ずかしい(笑)。
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ブログもできるだけ毎日更新するつもりではありますが、更新時間はいつもと変わる可能性が大です。
てごろな大きさのスーツケースがなかったので、娘のを借りてきました。ちょっと恥ずかしい(笑)。
ナパに比べてかなり広いソノマ。業界団体も地域のものなどさまざまありますが、Sonoma Winegrape Commissionというのは、ブドウの生産者による業界団体です。現在のトップは「カリッサ・クルーゼ(Karissa Kruse)」という女性。彼女が狙う物は何かという記事が出ていました(Head of Sonoma Winegrape Commission vows to raise visibility – and prices – for Sonoma grapes | Wine | napavalleyregister.com)。
(写真はSonoma Winegrape Commissionのサイトより)。
で、答えは何かというと、ブドウ価格の底上げを狙っています。ナパと比べると平均価格がかなり低く、それを上げたいようです。
そのために取り組んでいるのがブドウ畑の「サステイナビリティ」。
ナパでは数年前に始まったもので、ソノマは100%達成するとの宣言では先んじたものの、実際には後れを取っているようです。
ナパに比べると、意見を統一するだけでも相当の苦労があるものと思われます。
ライバル視されるナパとソノマですが、広報体勢などの面では、ナパが圧倒的に上回っています。もっとソノマにも頑張ってほしいところです。
(写真はSonoma Winegrape Commissionのサイトより)。
で、答えは何かというと、ブドウ価格の底上げを狙っています。ナパと比べると平均価格がかなり低く、それを上げたいようです。
そのために取り組んでいるのがブドウ畑の「サステイナビリティ」。
ナパでは数年前に始まったもので、ソノマは100%達成するとの宣言では先んじたものの、実際には後れを取っているようです。
ナパに比べると、意見を統一するだけでも相当の苦労があるものと思われます。
ライバル視されるナパとソノマですが、広報体勢などの面では、ナパが圧倒的に上回っています。もっとソノマにも頑張ってほしいところです。
新規ワイナリーの認可申請が数多くあるナパですが、昨今は認可を得るのが難しくなっています。慢性的な交通渋滞などにより、観光客を受け入れるワイナリーには客の上限があり、総量が膨れ上がらないようにしているからです。一方で、ワイナリーにとっては消費者への直接販売が占める割合が年ごとに高まっており、ワイナリーを訪れる観光客は極めて重要です。
この状況で、ビジターゼロで新規開設を申請したワイナリーが認可されました(Planners approve rare winery with no visitors | Local News | napavalleyregister.com)。申請を認可する委員会としては、こういった新規ワイナリー申請は歓迎する意向です。生産量約5000ケースの小さなワイナリーですが、どのように顧客を確保するのか気になるところです。
実は、このソダーニ・ワイナリーのオーナーは元インテルの重役。インテルといってもアモーレ長友のいるサッカーチームではないですよ。「インテル、入ってる」のインテルです(古いか?)。アービン・ソダーニといって、近年はインテルが運営するベンチャーキャピタル、インテル・キャピタルの社長だったそうです。
彼がインテル時代に築いた人脈によってワインを売っていく、そのコンタクト先は12600ほどもあるとのことです。
さすがの人脈ではありますが、5000ケースを12600人に売るとすると、だいたい2.5人に1人はケース買いしないといけない計算になります。果たして、そこまでうまくいくものなのでしょうか。
まあ、きっと失敗しても困らないくらいのお金は余裕で持っているのだと思いますが。
この状況で、ビジターゼロで新規開設を申請したワイナリーが認可されました(Planners approve rare winery with no visitors | Local News | napavalleyregister.com)。申請を認可する委員会としては、こういった新規ワイナリー申請は歓迎する意向です。生産量約5000ケースの小さなワイナリーですが、どのように顧客を確保するのか気になるところです。
実は、このソダーニ・ワイナリーのオーナーは元インテルの重役。インテルといってもアモーレ長友のいるサッカーチームではないですよ。「インテル、入ってる」のインテルです(古いか?)。アービン・ソダーニといって、近年はインテルが運営するベンチャーキャピタル、インテル・キャピタルの社長だったそうです。
彼がインテル時代に築いた人脈によってワインを売っていく、そのコンタクト先は12600ほどもあるとのことです。
さすがの人脈ではありますが、5000ケースを12600人に売るとすると、だいたい2.5人に1人はケース買いしないといけない計算になります。果たして、そこまでうまくいくものなのでしょうか。
まあ、きっと失敗しても困らないくらいのお金は余裕で持っているのだと思いますが。
ソノマのワイナリー、フリーマン(Freeman)が、ワイナリーのケイヴでのプライベート・テイスティングを受け入れるようになりました(Experience - Freeman Winery)。
時間は日曜日を除く10時から5時。予約が必要で、最大6人となっています。テイスティング以外に、ワイナリーの見学や隣接するGloria Vineyardの見学も含まれます。1人当たり30ドルです。
フリーマンはご存知の方が多いと思いますが、フリーマン夫妻によるワイナリー(Freeman Vineyard & Winery: アキコさんが作るデリケートなピノとシャルドネ)。ワインメーカーは奥さんのアキコさんです。おそらく、多くの場合、アキコさんが接客してくださるのではないかと思います。
フリーマンのシャルドネは安倍首相の米国訪問時にオバマ大統領による晩餐会で使われたワイン。ピノも高い評価を得ています。
ソノマに行かれる方はぜひ予約を取って訪問されてはいかがでしょうか。
時間は日曜日を除く10時から5時。予約が必要で、最大6人となっています。テイスティング以外に、ワイナリーの見学や隣接するGloria Vineyardの見学も含まれます。1人当たり30ドルです。
フリーマンはご存知の方が多いと思いますが、フリーマン夫妻によるワイナリー(Freeman Vineyard & Winery: アキコさんが作るデリケートなピノとシャルドネ)。ワインメーカーは奥さんのアキコさんです。おそらく、多くの場合、アキコさんが接客してくださるのではないかと思います。
フリーマンのシャルドネは安倍首相の米国訪問時にオバマ大統領による晩餐会で使われたワイン。ピノも高い評価を得ています。
ソノマに行かれる方はぜひ予約を取って訪問されてはいかがでしょうか。
前回、ラジャ・パーのときに最終回と書きましたが、その後、サンディ/ドメーヌ・ドゥ・ラ・コート/ピエドロサシのサシ・ムーアマンからも返信が来たので追加します。
関連記事:
驚! IPOBが年内に活動を終了へ
IPOB解散――メンバーはどう受け止めたか(スティーブ・マサイアソン)
IPOB解散――メンバーはどう受け止めたか(ボブ・ヴァーナー、マット・リックライダー)
IPOB解散――メンバーはどう受け止めたか(ニック・ペイ)
IPOB解散――メンバーはどう受け止めたか(ジム・クレンデネン)
なぜ、このタイミングでIPOBをやめるのか(ジャスミン・ハーシュ)
なぜ、このタイミングでIPOBをやめるのか(ラジャ・パー)
――IPOBは失敗だったと思うか。
いや、IPOBは驚くほどの大成功だった。
どうしてかというと、ワインのレイティングからスタイルへと会話の内容が変わるのを手助けしたからだ。IPOBによって多くのコンシューマーが、成功するワインというのは必ずしも評論家のスコアだけで決まるのではなく、バランスのよさを生み出す念入りな選択によっても出てくるのだということを理解したはずだ。
――IPOBをやめる時期はこれが適切だと思うか。
そう思う。IPOBはミッションを果たした。IPOBが他のワインメーカーも、彼等が重要だと思うことでアライアンスを組むことにつながればいいと思う。
――この5年間でバランスが取れたワインを好む人は増えたか。
はい。
――IPOBに参加した目的は?
バランスが取れたワインをプロモートするのを手助けし、そのスタイルでさまざまなことなったワインを試せるような環境を作ること。
――その目的は達成できたか。
達成できた。IPOBは多くの取材を受け、カリフォルニアでバランスが取れたワインができることを知らしめた。
――日本でのツアーのあと、日本での認知は増えたと思うか。
わからない。そう思いたいが、その後日本を訪問していないので。おそらく、生産者は日本にいってバランスが取れたワインのプロモートを続ける必要があるだろう。
――IPOB後はどのように啓蒙活動を続けていくか。
われわれは、テロワールと気候を反映したスタイルのワインを作り続ける。アルコール度の低さはそれを実現するのに必要だ。ドメーヌ・ドゥ・ラ・コートは非常に複雑なテロワールを持っており、バランスが取れたワインを理解してもらうのに有利な点になると思う。
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なぜ、このタイミングでIPOBをやめるのか(ジャスミン・ハーシュ)
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――IPOBは失敗だったと思うか。
いや、IPOBは驚くほどの大成功だった。
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――IPOBをやめる時期はこれが適切だと思うか。
そう思う。IPOBはミッションを果たした。IPOBが他のワインメーカーも、彼等が重要だと思うことでアライアンスを組むことにつながればいいと思う。
――この5年間でバランスが取れたワインを好む人は増えたか。
はい。
――IPOBに参加した目的は?
バランスが取れたワインをプロモートするのを手助けし、そのスタイルでさまざまなことなったワインを試せるような環境を作ること。
――その目的は達成できたか。
達成できた。IPOBは多くの取材を受け、カリフォルニアでバランスが取れたワインができることを知らしめた。
――日本でのツアーのあと、日本での認知は増えたと思うか。
わからない。そう思いたいが、その後日本を訪問していないので。おそらく、生産者は日本にいってバランスが取れたワインのプロモートを続ける必要があるだろう。
――IPOB後はどのように啓蒙活動を続けていくか。
われわれは、テロワールと気候を反映したスタイルのワインを作り続ける。アルコール度の低さはそれを実現するのに必要だ。ドメーヌ・ドゥ・ラ・コートは非常に複雑なテロワールを持っており、バランスが取れたワインを理解してもらうのに有利な点になると思う。
E. J. ガロがナパの人気ワイナリー「オリン・スウィフト(Orin Swift)」を買収すると発表しました(E. & J. Gallo Winery Announces Acquisition Of Orin Swift)。金額は明らかになっていません。オリン・スウィフトの創設者であるデーブ・フィニーはワイナリーに残ります。
オリン・スウィフトは1998年に創設。ジンファンデルを中心にしたブレンドものの「プリズナー」で人気を博します。プリズナーは2010年にヒュネイアス・ヴィントナーズに売却、ヒュネイアスは今年、コンステレーション・ブランズにそれを売却しています(コンステレーションが「プリズナー」を300億円超で買収)。
オリン・スウィフトはプリズナー以外のワインも非常に高く評価されており、それぞれにユニークな名前と極めて個性的なラベルを付けることからシネ・クア・ノンになぞらえられることもしばしばあります。
オリン・スウィフトは1998年に創設。ジンファンデルを中心にしたブレンドものの「プリズナー」で人気を博します。プリズナーは2010年にヒュネイアス・ヴィントナーズに売却、ヒュネイアスは今年、コンステレーション・ブランズにそれを売却しています(コンステレーションが「プリズナー」を300億円超で買収)。
オリン・スウィフトはプリズナー以外のワインも非常に高く評価されており、それぞれにユニークな名前と極めて個性的なラベルを付けることからシネ・クア・ノンになぞらえられることもしばしばあります。
アントニオ・ガッローニが主宰するヴィナス(Vinous)がナパの畑の地図を作っています。現在、オークヴィルとプリチャード・ヒルが準備中。価格は印刷したものが一枚20ドル〜となっています。
上のマップはプリチャード・ヒルのもの(サイトより)。
これまでも似たような地図はありましたが、今回のものは畑のブロックやオーナーなど、これまでにない詳しさのものになるもようです。イタリアのバローロの地図などで名高いアレッサンドロ・マスナゲッティという人をメンバーに加え、詳しいだけでなく、分かりやすいものにするとのこと。例えば3D表示で地形が分かるようです。
ヴィナスの会員でなくても購入可能です。試しに、一番安い20ドル(折りたたんだ形で送られてくる、他にはロールになったものなど)のマップを2つ注文したところ、日本への送料は5ドルでした。
この夏には、ヨントヴィルとラザフォードも追加。その後も増やしていくとのこと。
詳しくはこちらから。
上のマップはプリチャード・ヒルのもの(サイトより)。
これまでも似たような地図はありましたが、今回のものは畑のブロックやオーナーなど、これまでにない詳しさのものになるもようです。イタリアのバローロの地図などで名高いアレッサンドロ・マスナゲッティという人をメンバーに加え、詳しいだけでなく、分かりやすいものにするとのこと。例えば3D表示で地形が分かるようです。
ヴィナスの会員でなくても購入可能です。試しに、一番安い20ドル(折りたたんだ形で送られてくる、他にはロールになったものなど)のマップを2つ注文したところ、日本への送料は5ドルでした。
この夏には、ヨントヴィルとラザフォードも追加。その後も増やしていくとのこと。
詳しくはこちらから。
オンラインWassy'sの受注担当Jさんが、カリフォルニアのワイナリー訪問にあたって、質問を募集していたので、ここぞとばかりにいろいろと質問を投げてしまいました。そうしたら、もったいないことに、Jさんからお礼として、ポロシャツが送られてきました。
ボーグルのポロシャツなので、せっかくですからボーグルのワインと一緒に写真を撮ってみました。
ボーグルへの質問とその回答は「受注J カリフォルニアワインツアーレポート(^○^)ボーグル編」に掲載されています。赤ブレンドのあたりなどが私の質問です。やっぱり赤ブレンドは若い世代に人気が高いのですね。勉強になりました。
ボーグルはいろいろなワインを作っていますが、今回飲んだのはJさんのお薦めであるピノ・ノワール。
2000円台前半という価格ですが、赤系の果実の味わいが可愛らしい、とても飲みやすいピノ・ノワールでした。
ボーグルのポロシャツなので、せっかくですからボーグルのワインと一緒に写真を撮ってみました。
ボーグルへの質問とその回答は「受注J カリフォルニアワインツアーレポート(^○^)ボーグル編」に掲載されています。赤ブレンドのあたりなどが私の質問です。やっぱり赤ブレンドは若い世代に人気が高いのですね。勉強になりました。
ボーグルはいろいろなワインを作っていますが、今回飲んだのはJさんのお薦めであるピノ・ノワール。
2000円台前半という価格ですが、赤系の果実の味わいが可愛らしい、とても飲みやすいピノ・ノワールでした。
ジム・ビンズ(Jim Binns)という人をご存知でしょうか。名前を聞いたことがなくても、シネ・クア・ノン(Sine Qua Non)のマンフレッド・クランクル(Manfred Krankl)の右腕と呼ばれているほどの人と聞けば、ただものではないことがわかると思います。
そのジム・ビンズが現在自身のワイナリーとして取り組んでいるのがアンドレミリ(Andremily)。この名前は二人の子供AndreとEmilyをくっつけたものです。
Andremilyでは今のところシラー・ベースのワイン1つだけを作っています。シネ・クア・ノンも契約しているホワイト・ホークなどの畑のブドウを使っており、もう1つのシネ・クア・ノンと呼んでもいいかもしれません。
最初のワインである2012年の「No.1」はWine Advocate誌で97点、次の2013年の「No.2」は99点。2013年のシネ・クア・ノンのシラー「♂」、グルナッシュ「♀」がどちらも98点であり、それを上回る評価をいきなり得ています。ただし、価格も250~300ドルと既にシネ・クア・ノンに匹敵するレベルになっています。
そのジム・ビンズが現在自身のワイナリーとして取り組んでいるのがアンドレミリ(Andremily)。この名前は二人の子供AndreとEmilyをくっつけたものです。
Andremilyでは今のところシラー・ベースのワイン1つだけを作っています。シネ・クア・ノンも契約しているホワイト・ホークなどの畑のブドウを使っており、もう1つのシネ・クア・ノンと呼んでもいいかもしれません。
最初のワインである2012年の「No.1」はWine Advocate誌で97点、次の2013年の「No.2」は99点。2013年のシネ・クア・ノンのシラー「♂」、グルナッシュ「♀」がどちらも98点であり、それを上回る評価をいきなり得ています。ただし、価格も250~300ドルと既にシネ・クア・ノンに匹敵するレベルになっています。
Kicking off Spring Break w/ homemade bolognese & tagliatelle... & some incredible Syrahs. Happy Friday all! pic.twitter.com/3NdvdxyTHq
— Jeb Dunnuck (@jebdunnuck) 2016年3月19日
2016年のオークション・ナパ・ヴァレーが6月1日~5日にかけて開かれました(Auction Napa Valley news)。各種オークションの落札総額は1430万ドル。2014年の1840万ドル、2013年の1690万ドル、2015年の1580万ドルに次ぐ過去4番めの落札額となりました。
メイン・イベントとなる土曜日のライブ・オークションで最大の落札総額となったのは「Fund-a-Need」というロットで、100人の落札で計210万ドル。2番めはスタッグリン・ファミリーのロットで2組で70万ドルの落札だったところを3組に拡張して105万ドルでした。
また、金曜日に開かれたバレル・オークションでは、メルカ・ワインズが6万2100ドルで一番の落札額、2番めはシェーファーで6万50ドルでした。
また、世界中から入札可能なEオークションではガーギッヂ・ヒルズのロットが1万7550ドルで最高額でした。
メイン・イベントとなる土曜日のライブ・オークションで最大の落札総額となったのは「Fund-a-Need」というロットで、100人の落札で計210万ドル。2番めはスタッグリン・ファミリーのロットで2組で70万ドルの落札だったところを3組に拡張して105万ドルでした。
また、金曜日に開かれたバレル・オークションでは、メルカ・ワインズが6万2100ドルで一番の落札額、2番めはシェーファーで6万50ドルでした。
また、世界中から入札可能なEオークションではガーギッヂ・ヒルズのロットが1万7550ドルで最高額でした。
このシリーズ、最終回はIPOBコア・メンバーの一人、ラジャ・パーです。
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なぜ、このタイミングでIPOBをやめるのか(ジャスミン・ハーシュ)
――IPOBは成功だったと思うか。
IPOBは大いなる成功を収めたと思う。私たちは議論を始め、ほかの人達がついてこれるように道を整備した。同じように私達の先人たちも道を整備したが、1990年代にその道を選ぶ人はほとんどいなかった。IPOBは、その道を再構築し、今や多くの人がそこを通るようになったと思う。
――どうして今がIPOBをやめるタイミングだと思ったのでしょうか。
頂上にいるときにやめるのがベストだと常に信じている。IPOBは議論であって、議題ではない。議論を開始し、あとはそれが業界内を流れるのに任せたい。
――この5年間にバランスが取れたワインを飲む人は増えたのでしょうか。
はい、増えました。多くの新しい生産者がいる。ピノ・ノワールとシャルドネだけでなく、他の品種でもそれが起こっている。
――IPOBに参加した目的は達成できたか。
IPOBを始めたのは何がバランスであるかを議論する手段としてだった。まだ、その正確な解が出ているわけではないが、すべての土地とワイン・グロワ―が彼等自身のバランスを見つけなければいけない。バランスというのは絶対値があるものではないのだ!
――昨年の日本のIPOBツアーのあと、日本での認知は進みましたか。
昨年のイベントがカリフォルニア・ワイン全体への注目を増すのに役立ってほしいと思っている。カリフォルニアで作られるワインが完熟で甘く、オークの香りが付いているものだけではないということを誌sって欲しい。
――IPOBがなくなったあとは「バランス」ついての議論はどこで進めるのがいいのでしょうか。
そういった教育は、ここのワイナリーに続けていってほしい。道は作ったのだから、あとはお願いいたい。
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――IPOBは成功だったと思うか。
IPOBは大いなる成功を収めたと思う。私たちは議論を始め、ほかの人達がついてこれるように道を整備した。同じように私達の先人たちも道を整備したが、1990年代にその道を選ぶ人はほとんどいなかった。IPOBは、その道を再構築し、今や多くの人がそこを通るようになったと思う。
――どうして今がIPOBをやめるタイミングだと思ったのでしょうか。
頂上にいるときにやめるのがベストだと常に信じている。IPOBは議論であって、議題ではない。議論を開始し、あとはそれが業界内を流れるのに任せたい。
――この5年間にバランスが取れたワインを飲む人は増えたのでしょうか。
はい、増えました。多くの新しい生産者がいる。ピノ・ノワールとシャルドネだけでなく、他の品種でもそれが起こっている。
――IPOBに参加した目的は達成できたか。
IPOBを始めたのは何がバランスであるかを議論する手段としてだった。まだ、その正確な解が出ているわけではないが、すべての土地とワイン・グロワ―が彼等自身のバランスを見つけなければいけない。バランスというのは絶対値があるものではないのだ!
――昨年の日本のIPOBツアーのあと、日本での認知は進みましたか。
昨年のイベントがカリフォルニア・ワイン全体への注目を増すのに役立ってほしいと思っている。カリフォルニアで作られるワインが完熟で甘く、オークの香りが付いているものだけではないということを誌sって欲しい。
――IPOBがなくなったあとは「バランス」ついての議論はどこで進めるのがいいのでしょうか。
そういった教育は、ここのワイナリーに続けていってほしい。道は作ったのだから、あとはお願いいたい。
最後は、IPOBのコア・メンバーだったジャスミン・ハーシュと、ラジャ・パーからの回答です。
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――IPOBが解散すると聞いて、日本のカリフォルニア・ワインファンの中には、驚き、がっかりした人もいる。IPOBは失敗だったと思った人もいる。
それはとても残念だ。私たちはとても前向きに決定をしたのだが、それが誤解されてしまった結果だと思う。
――私自身はIPOBが失敗だったとは思わないが、やめるのは早過ぎるのではないかと感じている。「バランス」についての議論はまだ始まったばかりだ。
議論がまだ進行中であるという点については同意する。しかし、私たちはこの議論を別の形で続けていく潮時だろうと信じている。
――IPOBは成功したと言えるか。
人々が買い、飲むワインの傾向に変化が起きた。その一部はIPOBの活動の成果ではないかと思う。もちろん、ほかにも要因はあるし、何よりもワイナリーが作るワインが変わって来ていることが最も重要ではあるが。
――どうして今がIPOBをやめるタイミングだと考えたのか。
IPOBを始めたときは、バランスについて広く一般的に議論するといったことは起こってなかった。バランスやワイン作りのスタイルについての議論をワイン・コミュニティの最前線に持ち込んだということで、意図したことは達成できた。この議論はカリフォルニアだけでなく世界で続くであろうし、終わることはない。私たちは調子がいい間に終了したかったし、ここ1年で行った世界でのIPOBのイベントのインパクトは私達のメッセージが業界内だけでなく、消費者にも届いてきたことを示している。バランスやワインが生まれた土地について、ディナーの席で語り合うことは世界中のカリフォルニアワインについての議論の中で共通になってきている。
――この5年の間に、「バランス」が取れたワインを飲む人は増えたか
間違いなく。
――あなたにとってIPOBの目的は何だったか。
IPOBによってカリフォルニアワインにおけるバランスの意味と重要性について議論を変えていくことだった。IPOBによってそれはとてもいい方向に変わったと信じている。
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――IPOBが解散すると聞いて、日本のカリフォルニア・ワインファンの中には、驚き、がっかりした人もいる。IPOBは失敗だったと思った人もいる。
それはとても残念だ。私たちはとても前向きに決定をしたのだが、それが誤解されてしまった結果だと思う。
――私自身はIPOBが失敗だったとは思わないが、やめるのは早過ぎるのではないかと感じている。「バランス」についての議論はまだ始まったばかりだ。
議論がまだ進行中であるという点については同意する。しかし、私たちはこの議論を別の形で続けていく潮時だろうと信じている。
――IPOBは成功したと言えるか。
人々が買い、飲むワインの傾向に変化が起きた。その一部はIPOBの活動の成果ではないかと思う。もちろん、ほかにも要因はあるし、何よりもワイナリーが作るワインが変わって来ていることが最も重要ではあるが。
――どうして今がIPOBをやめるタイミングだと考えたのか。
IPOBを始めたときは、バランスについて広く一般的に議論するといったことは起こってなかった。バランスやワイン作りのスタイルについての議論をワイン・コミュニティの最前線に持ち込んだということで、意図したことは達成できた。この議論はカリフォルニアだけでなく世界で続くであろうし、終わることはない。私たちは調子がいい間に終了したかったし、ここ1年で行った世界でのIPOBのイベントのインパクトは私達のメッセージが業界内だけでなく、消費者にも届いてきたことを示している。バランスやワインが生まれた土地について、ディナーの席で語り合うことは世界中のカリフォルニアワインについての議論の中で共通になってきている。
――この5年の間に、「バランス」が取れたワインを飲む人は増えたか
間違いなく。
――あなたにとってIPOBの目的は何だったか。
IPOBによってカリフォルニアワインにおけるバランスの意味と重要性について議論を変えていくことだった。IPOBによってそれはとてもいい方向に変わったと信じている。
オー・ボン・クリマのジム・クレンデネンからも回答をいただきました。
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オー・ボン・クリマのラベルはなぜ三角形なのか
IPOBが最後のイベントを行うプレスリリースを読めば、IPOBが成功の頂点で幕を下ろそうとしていることが明らかにわかるだろう。なぜ、カリフォルニアワインのファンがIPOB解散のニュースで困惑してしまうのか。われわれは3つの大陸で10回以上の試飲会をしてきた。ニューヨークでは1日で1000人もの人が来た。
これは、1つの中心的な概念に基づくセミナー・グループだ、欧州的なエレガントで伝統的なストラクチャーを持ったバランスのことだ。われわれのワインがその視点で提示できたなら、我々は次のトピック、品質やテロワール、スタイル、偉大さに移っていけるのだ。
米国の評論家は重くて、フラットで下品なピノを賞賛する。英国や日本ではそういったスタイルを好む人はごく少数だ。私自身はバランスが取れたワインを35年間作ってきた。私は米国の重要な評論家の好みには合っていないが、ビジネスはとてもうまくいっており、輸出も好調だ。35年間充分によく売ってきているのだから、私にとってはIPOBはセールス・ツールではない。イデオロギーの表現だったのだ。
私の日本のマーケットは25年間、よく成長してきている。IPOBで日本に行ったのは、新規参入する仲間たちを手助けするためだ。IPOBは楽しかった。だが、いまは我々は前進する。ラジャ・パーとジャスミン・ハーシュはとてもいい仕事をした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さすがジム・クレンデネンですね。これまでの実績が何よりものをいいます。
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オー・ボン・クリマのラベルはなぜ三角形なのか
IPOBが最後のイベントを行うプレスリリースを読めば、IPOBが成功の頂点で幕を下ろそうとしていることが明らかにわかるだろう。なぜ、カリフォルニアワインのファンがIPOB解散のニュースで困惑してしまうのか。われわれは3つの大陸で10回以上の試飲会をしてきた。ニューヨークでは1日で1000人もの人が来た。
これは、1つの中心的な概念に基づくセミナー・グループだ、欧州的なエレガントで伝統的なストラクチャーを持ったバランスのことだ。われわれのワインがその視点で提示できたなら、我々は次のトピック、品質やテロワール、スタイル、偉大さに移っていけるのだ。
米国の評論家は重くて、フラットで下品なピノを賞賛する。英国や日本ではそういったスタイルを好む人はごく少数だ。私自身はバランスが取れたワインを35年間作ってきた。私は米国の重要な評論家の好みには合っていないが、ビジネスはとてもうまくいっており、輸出も好調だ。35年間充分によく売ってきているのだから、私にとってはIPOBはセールス・ツールではない。イデオロギーの表現だったのだ。
私の日本のマーケットは25年間、よく成長してきている。IPOBで日本に行ったのは、新規参入する仲間たちを手助けするためだ。IPOBは楽しかった。だが、いまは我々は前進する。ラジャ・パーとジャスミン・ハーシュはとてもいい仕事をした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さすがジム・クレンデネンですね。これまでの実績が何よりものをいいます。
アラウホ(Araujo)がアイズリー・ヴィンヤード・エステート(Eisele Vineyard Estate)と改名しました。既にWebサイトはアイズリー・ヴィンヤードの表記に変更されています。
アラウホの現在のオーナーはアルテミス・グループ。ボルドーのシャトー・ラトゥールなどを保有しています。2013年にアラウホ夫妻からワイナリーを買収後(「シャトー・ラトゥールのオーナー会社がアラウホを買収」を参照)、3年で改名になりました。
関連記事:
Araujo Estate Wines: 銘醸Eisele畑を引き継ぐ
アラウホ夫妻の新たなる挑戦
アラウホの現在のオーナーはアルテミス・グループ。ボルドーのシャトー・ラトゥールなどを保有しています。2013年にアラウホ夫妻からワイナリーを買収後(「シャトー・ラトゥールのオーナー会社がアラウホを買収」を参照)、3年で改名になりました。
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アラウホ夫妻の新たなる挑戦
ペイ・ヴィンヤーズのニック・ペイからは、個々の質問に答えるのではなく、総括的にご返事いただきました。
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IPOB解散――メンバーはどう受け止めたか(ボブ・ヴァーナー、マット・リックライダー)
一言でまとめるならば、IPOBは素晴らしいタイミングだった。ワイン通の間に議論を巻き起こしたと言ったらちょっと言い過ぎかもしれないが。
日本におけるイベントが日本人の意見を変えたのだとしたら、さらに重要だっただろう。米国においては評論家のレビューは以前より影響力がなくなっており、代わってソムリエが影響力を持つようになってきている。一般的にはソムリエはバランスが取れたワインを探している。そのレストランの料理に合うワインを提供するのが仕事だからだ。ソムリエの台頭と、ソーシャルメディアによって、専門性がより広範に分散するようになった。
このように、米国ではシフトが起こっている。そして、IPOBはそのシフトの一部だった。もし、IPOBを失敗と位置付けるのであれば、それはIPOBが変化を主張し、その変化が起こらなかったからだろう。
試飲会はワイン好きの皆さんにとっては重要なサービスなのだと思う。一か所で、トップクオリティのワインをまとめて飲めるのだから。IPOBがそれを続けるべきだったかと言えばそうだろう。しかし、このようなロードショーはかなりお金がかかる、特に日本やロンドンのような遠い地では。私の想像では、IPOBのコア・メンバーにとってはお金がかかり過ぎだったのかもしれない。
ワイン通の好みは明らかにエレガントさと微妙な味わいに寄っている。彼らは偉大なワインは熟成によっておいしくなると昔から考えており、評論家の評価が高い熟し過ぎのワインを買ってみても、結局はうまく熟成しないという結果に終わってしまう。最初は魅惑的で豊かな味わいだが食事には合わせ辛く、熟成すると、シロップのようになり、味わいがバラバラで刺々しく、まとめて言えば美味しくないのだ。
私たちはピノ・ノワールに興味を持つ人が少なかった1994年に始めたときから、スタイルについてのビジョンがあった。サイドウェイでピノ・ノワールの人気が高まり、過熟的なスタイルが人気になっても、理想を変えなかった。高級ワインはワイン全体の消費の中ではごく一部であり、わたしたちを含め、うまくいっている会社は自分たちのスタイルを好んでくれるニッチなファンを見つける必要がある。IPOBはそのためのメッセージ発信としてとてもいいときに一緒にできた。今は、熱狂はピノを超えていってしまったように思える。といっても「次にホットなもの」を私に聞かれても答えられないが。
確かに、ブランドに対する消費者の認知を上げるのに役立つ業界のグループを持つことは常にいいことではある。そして、私たちはこの地域、ファー・ソノマ・コースト(Far Sonoma Coast)をプロモートしている。私の弟アンディとリトライのテッド・レモン、レッド・カーのキャロル・ケンプは4、5年前にウエスト・ソノマ・コースト・ヴィントナーズを始めた。そこには、この地域のIPOBメンバーは全員入っており(ハーシュ、コブ、ファイラ、セリタスなど)、それ以外のメンバーもいる。このグループは米国のいくつかの大都市では試飲会を開いているが、残念ながらまだ日本で試飲会を開く予定は聞いたことがない。
日本のIPOB試飲会でペイ・ヴィンヤーズへの評価が変わったのかどうかは、インポーター(中川ワイン)に聞いてもらうのがいいだろう。私の受けた感じでは、とてもよく受け入れられたし、印象も変わったと思う。
日本旅行はとても楽しく、また行って多くの人に私たちのワインを知ってほしいと思っていた。鶏と卵になってしまうが、もっとワインが売れれば、行く機会も増えるだろうし、行けば、もっとワインも売れるだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
昨年のインタビューのときも思いましたが、ニック・ペイさん、とてもいい人です。ワインの味にもそれが現れている(ワインメーカーは奥さんのヴァネッサ・ウォンさんですが)気がします。また、日本に来る機会がありますように(中川ワインさん、がんばって!)。
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一言でまとめるならば、IPOBは素晴らしいタイミングだった。ワイン通の間に議論を巻き起こしたと言ったらちょっと言い過ぎかもしれないが。
日本におけるイベントが日本人の意見を変えたのだとしたら、さらに重要だっただろう。米国においては評論家のレビューは以前より影響力がなくなっており、代わってソムリエが影響力を持つようになってきている。一般的にはソムリエはバランスが取れたワインを探している。そのレストランの料理に合うワインを提供するのが仕事だからだ。ソムリエの台頭と、ソーシャルメディアによって、専門性がより広範に分散するようになった。
このように、米国ではシフトが起こっている。そして、IPOBはそのシフトの一部だった。もし、IPOBを失敗と位置付けるのであれば、それはIPOBが変化を主張し、その変化が起こらなかったからだろう。
試飲会はワイン好きの皆さんにとっては重要なサービスなのだと思う。一か所で、トップクオリティのワインをまとめて飲めるのだから。IPOBがそれを続けるべきだったかと言えばそうだろう。しかし、このようなロードショーはかなりお金がかかる、特に日本やロンドンのような遠い地では。私の想像では、IPOBのコア・メンバーにとってはお金がかかり過ぎだったのかもしれない。
ワイン通の好みは明らかにエレガントさと微妙な味わいに寄っている。彼らは偉大なワインは熟成によっておいしくなると昔から考えており、評論家の評価が高い熟し過ぎのワインを買ってみても、結局はうまく熟成しないという結果に終わってしまう。最初は魅惑的で豊かな味わいだが食事には合わせ辛く、熟成すると、シロップのようになり、味わいがバラバラで刺々しく、まとめて言えば美味しくないのだ。
私たちはピノ・ノワールに興味を持つ人が少なかった1994年に始めたときから、スタイルについてのビジョンがあった。サイドウェイでピノ・ノワールの人気が高まり、過熟的なスタイルが人気になっても、理想を変えなかった。高級ワインはワイン全体の消費の中ではごく一部であり、わたしたちを含め、うまくいっている会社は自分たちのスタイルを好んでくれるニッチなファンを見つける必要がある。IPOBはそのためのメッセージ発信としてとてもいいときに一緒にできた。今は、熱狂はピノを超えていってしまったように思える。といっても「次にホットなもの」を私に聞かれても答えられないが。
確かに、ブランドに対する消費者の認知を上げるのに役立つ業界のグループを持つことは常にいいことではある。そして、私たちはこの地域、ファー・ソノマ・コースト(Far Sonoma Coast)をプロモートしている。私の弟アンディとリトライのテッド・レモン、レッド・カーのキャロル・ケンプは4、5年前にウエスト・ソノマ・コースト・ヴィントナーズを始めた。そこには、この地域のIPOBメンバーは全員入っており(ハーシュ、コブ、ファイラ、セリタスなど)、それ以外のメンバーもいる。このグループは米国のいくつかの大都市では試飲会を開いているが、残念ながらまだ日本で試飲会を開く予定は聞いたことがない。
日本のIPOB試飲会でペイ・ヴィンヤーズへの評価が変わったのかどうかは、インポーター(中川ワイン)に聞いてもらうのがいいだろう。私の受けた感じでは、とてもよく受け入れられたし、印象も変わったと思う。
日本旅行はとても楽しく、また行って多くの人に私たちのワインを知ってほしいと思っていた。鶏と卵になってしまうが、もっとワインが売れれば、行く機会も増えるだろうし、行けば、もっとワインも売れるだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
昨年のインタビューのときも思いましたが、ニック・ペイさん、とてもいい人です。ワインの味にもそれが現れている(ワインメーカーは奥さんのヴァネッサ・ウォンさんですが)気がします。また、日本に来る機会がありますように(中川ワインさん、がんばって!)。