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Date: 2016/1231 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2016年のワイン業界を振り返る記事がサンタ・ローザの新聞プレス・デモクラットに載っていました(Berger: Wine trends of 2016 to remember | The Press Democrat)。

一番目に取り上げられているのがピノ・ノワール。もうサイドウェイズも遠い話になりましたが、あれから10年を超えてピノ・ノワールの成長は続いています。特に2015年にコンステレーション・ブランズがケイマスで知られるワグナー家からピノ・ノワールの人気ブランド「メイオミ」を買ったことで、それまでのマニア中心のピノ・ノワール市場からメインストリームになった感があるようです。3億ドルを超える巨額買収でしたが、メイオミの2016年の販売は60万ケース。目論見通りに進んでいるようです。

2016年は大手がピノ・ノワールを買い漁ったことで、長年畑と契約しているワイナリーでも十分な量が手にはいらないといったことが起こったようです。

人気上昇に伴い、価格も上昇傾向。ちょっと前なら50ドルのピノ・ノワールなら高級品の位置づけでしたが、今では当たり前の値段になりつつあります。

次のトレンドは辛口白ワインにおける酸の上昇。5~15ドル程度の白ワインでは以前として残糖が少しあるようなタイプの人気が高いようですが、それより上のランクの白ワインではこれまでよりも酸味が強いものの人気が高まっています。IPOBの影響もあるのでしょうか。

これと並行して、アルコール度数もこれまでと比べると抑えめになってきています。元々米国の法律では14度より高いか低いかだけが意味があり、実際には16度くらいのアルコール度数のものが14%台と表示されているようなこともありましたが、最近は消費者がアルコール度数を気にするようになってきているとか。もしかするとこのあたりもIPOBの影響があるのかもしれません。

最後に、高すぎる価格のワインについては反動がついに起こっているとか。特にナパのワインなどで90ドルのものが60ドルくらいで売られているというケースが珍しくなくなってきているようです。

さてさて、2017年はどういう年になるでしょうか。皆様よいお年をお迎えください。


Date: 2016/1229 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニアワインの中でも、「カルト」的な位置づけに古くからあり、カベルネ・ソーヴィニヨンの「テロワール」を表現したワインとしても知られているのがダイアモンド・クリークです。

Diamond Creek

ヴォルカニック・ヒル、レッド・ロック・テラス、グラヴェリー・メドウという3つの畑が中心ですが、図の左端にあるように、実はもう1つレイクというとても小さな畑があります。ブドウの実が熟すのにとても時間がかかる畑で、十分に熟さない年はワインが作られないため、1972年以降16回しか作られていません。3年に1回程度です。さらに畑の小ささから、レア度は極めて高いワインです。ラベルも通常のものと違うようですが、どうしてでしょう。40周年の2012年に作られなかったからなのかな?

ともかくとてもレアです。値段もすごいですが。


ウメムラには2014年のマグナム3本セットという、これまたレアなセット(木箱入り)もあります。


ダイアモンド・クリークはカリフォルニアワインの中でも長熟型で知られていますから、コレクター的な要素にこだわるのでなければ、古いヴィンテージを探す方が賢いかもしれません。価格も新しいものとほぼ同等です。

Date: 2016/1228 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパ・ヴァレーの10余りの生産者が1月に来日し、様々なイベントが行われます。一般の方が参加できるワインメーカーズ・ディナーも開催されます。

東京では西麻布のミシュラン2つ星レストラン「レフェルヴェソンス」で、レフェルヴェソンスのシェフと京都の老舗料亭「瓢亭」の15代目主人高橋氏のコラボによる豪華ディナー。ワイナリーはダリオッシュ、ガーギッチ・ヒルズ、ロング・メドー・ランチ、シュラムスバーグ、シルバー・オーク、トゥーミーが参加します。1月17日の19時~、会費は3万円(税・サ込み、以下同)と、レフェルヴェソンスで普通に食事をしてワインを飲むよりも安いレベル。

と、東京だけでもすごいのですが、大阪・京都ではなんと4回も開かれます。場所は大阪聘珍樓、ウルフギャング・ステーキハウス大阪店、清和荘、菊乃井本店、といずれも名店ばかり。ウルフギャング・ステーキハウスは既に満席になっているので、他の3回について概要を記します。

大阪聘珍樓は説明の必要ないと思いますが、広東料理の名店「聘珍樓」の大阪店。開催は1月19日の19時~
ガーギッチ・ヒルズ、イングルヌック、シュラムスバーグ、シルバー・オーク、サン・スペリー、トゥーミー、ケークブレッドが参加。会費は1万8000円。

清和荘は京都伏見にある料亭。庭の風景が素晴らしそう。ここは1月20日19時~
ロング・メドー・ランチ、ロンバウアー、トレフェセン、シレナス、ケークブレッドが参加。1万5000円。

菊乃井本店もいわずとしれた老舗の料亭。清和荘と同じ20日の19時~
ワイナリーはガーギッチ・ヒルズ、シュラムスバーグ、シルバー・オーク、トゥーミー、ヴィアデル、ルナが参加。会費は3万5000円です。人数は16人までと少ないので、ご注意を。

どこも、そのレストランで普通に食事をするのに1万円を足したくらい(税・サ考えたらもっと安い)でナパの素晴らしいワインが飲めるのですから、とても格安です。

詳細、申込みはいずれも「Taste Napa Valley」から。
Taste Napa Valley
Date: 2016/1227 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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柳屋で毎年恒例の1万円福袋が出ています。

100セット限定、入っているワインは単体販売していないもの、となっています。中身は毎年違いますが、今年は

1.5年熟成ナパのカベルネ。希望小売価格3900円
2.パーカー90点のナパのシャルドネ。希望小売価格3980円
3.マールボロのピノ・ノワール。白で有名な作り手。希望小売価格2800円
4.これだけ過去に単体販売していたことがあるジンファンデル・ブレンド。希望小売価格2685円
5.南アフリカのシュナン・ブラン。希望小売価格2000円

となっています。カリフォルニアの3本は考えてみましたが、今年はほとんどわかりませんでした。昨年は赤3本はほぼわかったのですが…

まあ、そんなに期待はずれのものがくる心配はほとんどないと思います。お正月用のワインにいかがでしょうか。

Date: 2016/1226 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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河野酒店にロバート・モンダヴィのカベルネ・ソーヴィニヨン・リザーブ1993年が入荷しています。

河野酒店で2016年7月にオルネライア1992、ソシアンド・マレ1996/1990と飲み比べたときは参加者の一番人気だったというワイン。参考までにWine Advocate誌の評価(ロバート・パーカーによる)は93点。2000年~2025年が飲み頃となっているので、まさに今が一番いいころかもしれないですね。この評価をしたのは1995年と既に20年以上経っているのですが…

カリフォルニアワインは熟成が…なんていう意見もたまに聞きますが、やっぱりいいものはちゃんと熟成もすると思っています。1万円台という価格は新しいヴィンテージのものよりむしろ安いくらいで、お買い得と言ってもいいかもしれません。



こちらにもあります。
Date: 2016/1225 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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スパークリングワインの泡は細かいものが立ち上るのが一番いいと言われていますが、実は泡は大きい方がいいのだという研究結果が発表されています。

Lets cheers Happy new year 2009

研究を発表したのはランス大学のジェラール・リジェベレール教授。シャンパーニュの泡の研究の権威で、モエ・シャンドン社の研究開発部門の顧問も務めている人だ。

教授によるとスパークリングワインの泡の直径は0.4mm程度から4mm程度まであるが、直径3.4mmくらいのときに、一番泡によって空中に拡散される香り成分が多くなるとのこと。

一般的には泡が大きいのは安スパークリングワインで泡が細かいのが高級とされています。教授によると泡の大きさは液体の粘度などによって変わりますが、今回の結果を受けて、味わいを買えずに粘度を下げることができれば、より香り豊かなスパークリングワインができる可能性があるとのことです。
Date: 2016/1224 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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チキンではないですが、デカンター誌にクリスマスのターキーに合うワインは?という記事がありました(Wine with Christmas Turkey - Food Matching - Decanter)。

ターキーの方がチキンよりもあっさりしていると思いますが、味付けなどを考えれば、似たようなワインが合うのではないかと思います。鶏の中でも胸肉あたりは特にターキーと近い感じですね。

で、基本的には脂が少なめな肉なので、タンニンが少ないものを選んだ方がいいようです。ミディアム・ボディの赤やフルボディの白といったものが元記事では挙げられています。

ブルゴーニュのピノ・ノワールだと、あまりエレガント系に行きすぎないものがベター。カリフォルニアではソノマのピノ・ノワールが挙げられています。個人的にはソノマ・コーストやカーネロス、サンタ・クルーズ・マウンテンズ、サンタ・リタ・ヒルズなどのピノ・ノワールを合わせたいような気がします。

ピノ・ノワール以外ではキャンティやリオハのワインが挙げられています。

白ではブルゴーニュのピュリニー・モンラッシェやバタール・モンラッシェが挙げられており、カリフォルニアではソノマのシャルドネが取り上げられています。

記事にはスパークリング・ワインは出ていませんが、ピノ・ノワール比率が高いものの方が合わせやすい気がします。ロゼとかブラン・ド・ノワールが無難でしょうね。

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Date: 2016/1222 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニアワインあとりえにマイケル・クルーズのウルトラマリンが再入荷しています。ただし、現時点の在庫は1本限り。ということでブログで紹介する意味があるのかどうか悩みながらも、入荷記録として紹介しておきます。




ウルトラマリンが売り切れていたら、以下のワインはいかがでしょうか。

ジラードのオーナーが作るソノマのコスパ・スパークリングです。



このワインの実力で2000円台は安い。



Wine Advocate誌99点のスポッツウッド2013。オーパス・ワンと比べたら価格は6割。極めて完成度の高いカベルネ・ソーヴィニヨンです。

Date: 2016/1221 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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「逃げ恥」最終回を見て、百合ちゃんにときめいてしまいました。

というのはさておき、百合ちゃんと風見さんがワイン飲むシーンありましたよね。たのワインのラベルがブライアントファミリーを基にしているのではないかという説があります。




こちらがブライアントファミリーと並べてみた画像。枠の形、「Family Vineyard」の字体は似てますね。ただ、よく見るとFamily の「l」の字は少し違うようです。またヴィンテージ表記の上の部分は違っていますし、Cabernet Sauvignon の字体も違います。逃げ恥の方はNapa Valleyの文字が入っていますが、ブライアントファミリーにはありません。いくつかのラベルを合成したのかもしれませんが、ブライアントファミリーだけがモデルではないのかもしれません。

ほかにももっと似たラベルがあったような気がして、もやもやしているのですが、思い出せません。

実は僕も何のワインだろうと、一時停止にして目を凝らして見たのてわすが、うちのテレビでは文字まで判別できず諦めていました。ブライアントファミリーにちょっと似てるなとは思いましたが、よくあるラベルですしね。画像を撮っていただいた方、感謝です。少なくともナパのワインということは明示されていますのでそれだけでも嬉しいです。

というわけで、この部分はこれに似ているよ、という情報があったら教えてください。
Date: 2016/1221 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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宮城県の山元町にある山元いちご農園が新たに「やまもとワイナリー」をオープンしました。
いちごワイン

山元いちご農園は、東日本大震災のあと、いちご農家が集まって設立した会社。震災で津波に飲み込まれたところにいちご栽培のビニールハウスを作っています。大きな観光農園で12月から6月までいちご狩りが楽しめます。

やまもとワイナリーでは自社のいちごを使ったいちごワインを主力商品とし、そのほか地元のりんごやぶどうを使ったワインも作っていく予定です。

まずは、12月10日『苺夢(べりーむ)』というスパークリング・ワインを販売、その後、12月20日に『愛苺(まないちご)』を発売。その後『苺香(いちかおり)』を発売する予定です。ここのワインの説明は以下に記します。

『苺夢(べりーむ)』 
いちごの香りと味はそのままに、スパークリングワインとしました。
きめの細かい泡と一緒にいちごの香りが一層引き立ちます。
甘酸っぱい味にさわやかなキレが加わり、乾杯から食後まで幅広く楽しめます。
大切な人への贈りものや、華やかなシーンに最適です。
甘味果実酒(発泡性) アルコール分12% 500ml 希望小売価格2,280円(税抜)

『愛苺(まないちご)』 
いちごのフレッシュな香りを残しつつ、酸味と甘味をしっかりと味わうことができるワインです。
食事だけでなく、デザートと一緒に楽しめます。
甘味果実酒 アルコール分12% 720ml 希望小売価格2,580円(税抜)

『苺香(いちかおり)』
いちごのフレッシュな香りとすっきり甘酸っぱい味。アルコール度数が低めで、気軽に楽しめます。
女子会や身近な人とのパーティなどに。
果実酒 アルコール分6% 720ml 希望小売価格2,580円(税抜)


当面はワイナリーでのみ販売、来年にはネット販売も始める予定です。

ワインもいいですが、いちご狩りもいいですね。
Date: 2016/1220 Category: グルメ
Posted by: Andy
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茅乃舎(かやのや)のだし、おいしいですよね。うちもここ数年、ずっと使っていました。

味に不満があるわけではないのですが、最近は別のところで買っています。楽天の「くまもと風土」という店のだしパック。

はっきり言ってしまうと、あごだしをベースにしていますから、茅乃舎の味と似ています。で、十分おいしいです。そして、震災で被害に遭った熊本の応援にもなります。

その上に安いんです。

定価は8g×30袋で2000円と、茅乃舎とほぼ同じですが、茅乃舎の通販が初回のみ送料無料なのに対して、こちらはずっと送料無料。さらに、しばしばキャンペーンやクーポンがあります。

特に今は年末クーポンで12月22日までの注文で2000円→940円という半額以上の安さ。まとめて買うと「のり」のおまけもつきます。

ということで、いろいろメリットあって味もいいですので、まずはこの安いときに一度試されてみてはいかがでしょうか。


Date: 2016/1220 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマのピノ・ノワールで人気のシドゥーリが今年、ヒールズバーグにテイスティングルームを開きました(Siduri Wines takes the leap with a new Healdsburg tasting room | The Press Democrat)。

2015年にケンダル・ジャクソンなどを、擁するジャクソン・ファミリーにワイナリーを売却したシドゥーリ。以来、創業夫妻の夫アダム・リーはワイン造りに専念、妻のダイアナ・リーは基本的にはワイナリーから手を引いて家事育児に専念するという形で、生活面でのメリットが出ていますが、今回はさらにセールス面の向上を目指したものと、言えます。これまではサンタローザのワイナリーの片隅をテイスティングバーとしていたのと比べると、テイスティングルームがひしめき合うヒールズバーグへの進出は大きな一歩です。

小規模のワイナリーにとっては販売の6割を消費者への直接販売が占めるという数字もあり、テイスティングルームは消費者と接する最前線になるからです。ただ、ヒールズバーグのようなテイスティングルームが密集した形がいいのかどうかについては賛否が分かれるところでもあります。

サンタバーバラのロスオリボスやロンパックなど、確かに週末になると観光客でごった返すわけですが、地元の住民との軋轢は、常に問題になるところです。また、本当にセールスにつながるかどうかについても意見が分かれます。実際、シドゥーリの場合でも売り上げの面ではまだ、サンタローザの方が上回っているそうです。やはり、そこをわさわわざ探して訪れてくれるお客さんなわけですから、ロイヤリティには大きな違いがあることが容易に想像できます。また、おそらくテイスティングルームのスタッフが対応するのと、ワインメーカーのアダム・リーが直々に対応すろことの違いもあるのではないかと思います。

ともあれ、売却後、生産量が2万5000ケースから4万ケースに増えたシドゥーリにとって、販路拡大は重要なこと。新しいテイスティングルームがうまくいくことを期待します。
Date: 2016/1219 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ジェームズ・サックリングが100点評価で2016年のベストワインとしたことで話題を呼んだオーパス・ワン2013の国内向け出荷が始まっています。

参考:年間トップなど、高評価続くオーパス・ワン2013

評判の高いヴィンテージなので、世界的に引く手あまたな状態。

参考:オーパス・ワン2013の世界市場向け出荷が始まる 値上がりも激しい争奪戦

以前の記事では2013年の価格は2012年と同等の1本3万6000円台くらいからかと予想していましたが、実際には4万円くらいからのスタート。受給状況から見て、今後はだんだん上がっていく可能性が高いと思います。



2011年ならば大分安くなります。
Date: 2016/1218 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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スパークリング・ワインに関してはシャンパーニュがまだまだ上、といった意見も聞くのですが、個人的にはカリフォルニアのスパークリングも十分に美味しいのではないかと思っています(お前はまだ本当の泡を知らないんだ、といわれればそうなのかもしれません)。

とはいえ、これは僕の主観だけでなく、シュラムスバーグなどは頻繁にシャンパーニュとのブラインド・テイスティングを開催しており、聞いている話ではたいていシュラムスバーグの方が人気だとか。

このように、カリフォルニアのスパークリングをリードする存在と自負しているのがシュラムスバーグ。そのラインナップの中でもトップに位置するのがJシュラムです。中でもロゼは
1万円台後半という、かなりの値段。Wine Advocate誌で95点はカリフォルニアの泡の中ではトップの評価です。これは、相当レアで私もまだ試飲したことありません。


そのロゼより1点低い94点とカリフォルニアの泡で2番めの評価はロゼでないJシュラム。2013年に国内で開かれたブラインド・テイスティングではクリュッグなどを抑えてどうどうの1位だったそうです。


カリフォルニアの泡の中でも高く評価する人が多いのが、ルイ・ロデレール系列のロデレール・エステート。中でもトップのキュベはエルミタージュ。ロゼは30年間で4回しか作られていないかなりのレアものです。



テタンジェ系列のドメーヌ・カーネロスのトップ・キュベはル・レーヴ。ここも高く評価する人が多いです。米国で110ドルするのが、なぜか国内は6000円台。破格の安さです。


グロリア・フェラーのカーネロス・キュベも、ワイナリー価格75ドルが5000円台という、これも不思議な値段。これに限らずグロリア・フェラーは日本と米国の値段が逆転しており、大変お買い得になっています。今回紹介したような、高価なキュベはちょっと、という人にはグロリア・フェラーのブラン・ド・ノワールあたりが1000円台で買えて、かなりの美味しさです。


最初に、Jシュラムのロゼが95点で、Wine Advocateのカリフォルニア・スパークリングでは一番上の評価と書きましたが、その次の94点を取っている泡には、従来からのスパークリング・ワインのワイナリーでないところがあります。それがアンダー・ザ・ワイヤー。ベッドロックのモーガン・ピーターソンが手がけるスパークリング・ワインのプロジェクトです。
Date: 2016/1218 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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70歳を迎えたジョエル・ピーターソンが、新しいプロジェクト「ワンス&フューチャー(Once & Future)」のメーリング・リストでようやく夢見ていたワイン作りができると語っています。

Joel Peterson
写真はワンス&フューチャーのWebサイトから

参考:レイヴンズウッドのジョエル・ピーターソン、原点に返って新ワイナリー設立

1972年のJoseph Swanの元でワイン作りを始め、1976年にRavenswoodを設立したジョエル・ピーターソン。最初は郵便によるメーリング・リスト販売が中心だったそうです。それから小売に広がり、ビジネスは拡大していったものの、ワイン作りとしては、キャッシュを得るためのもんもやらざるを得なかったのでしょう。その後、ワイナリーを売却して、財務的には安定したと思いますが、ワイン作りでは当然親会社の意向が入るわけですし…ロバート・パーカーは、買収以降ワインの品質は下がったと断定しています。

それに対して、新しいワンス&フューチャーでは、作りたいワインを作りたいように少量作り、それを主にネットのメーリング・リストで売ることで、商売としては成り立っているようです。「70歳にして、44年前から夢見て望んだワインの黄金時代の夜明けを見ている」と語っています。
It turns out that there are many more sophisticated and demanding wine drinkers now than when I was first starting out. With my Once & Future wine project I find myself in a position that I could only have dreamed of in1976; the opportunity to make wines simply, in a financially sustainable model that does not require a large size metric. Wines that bear the stamp of place and are appreciated by an enthusiastic audience with whom I can have a personal relationship.

In my 70th year I am seeing a glimmer of the golden age of wine that I had imagined and hoped for 44 years ago.


2017年1月には次のワインの申込みも始まります。
メーリング・リストへの登録は「Once & Future - Wine - Sonoma and Napa, California」から。
Date: 2016/1216 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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楽天のシャトー・イガイタカハのショップでシー・スモーク(Sea Smoke)のワインが送料無料で出ています。

シー・スモークといえば、ピノ・ノワールのブームとサイドウェイズによるサンタ・リタ・ヒルズのブームに乗って一時はカルト的人気があったワイナリーです。人気のあった女性ワインメーカーが他のワイナリーに移って以降、その人気もしりすぼみになった感がありましたが、近年はまた高く評価されています。例えば2013年のシャルドネや2012年のピノ・ノワール「テン」はどちらもWine Advocate誌で95点。特に2012年のテンについては「フレーバーにあふれているが、やりすぎのところはない。ほかのワイナリーにもこのスタイルを真似してほしい」とまでほめています。

レア物のスパークリングもあります。

Date: 2016/1216 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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布袋ワインのFacebookページに不定期掲載される立花峰夫さんのコラムで今回、メガパープルを取り上げていました(布袋ワインズ株式会社 / Hotei Wines K.K. - タイムライン)。

メガパープルとは、ワインの色を濃くするために使われる物質。具体的にはルビーレッドという品種の果汁を濃縮したものです。あまりにも濃いため、水に1滴垂らすだけで濃い紫になるほどだとか。色だけでなく、甘みや果実味もプラスされるので、安ワインには頻繁に使われているようです。また、実は高級ワインでも使われている、とか、使用が禁止されている欧州でも密かに使っているといった、怪しげな話がいろいろ転がっています。

一方で、メがパープルを使っているワイナリーでも、その事実を公表することはなく、なかばアンダーグラウンドのものであるかのように使われているようです。

立花さんのコラムでも引き合いにだしている記事「Mega Purple - an insidious additive that can ruin a wine - Great Northwest Wine」では、メガパープルのエキスパートであるエレン・ランディスさんという人にインタビューしています。

彼女は匂いでメガパープルが入っているかどうかわかるというのですが、安いピノ・ノワールでは顕著に見られるようです。メガパープルを使用すべきではないとは全く思いませんが、実際には使われすぎといっても過言ではないほど使われているとのこと。それによって不自然に甘くなったり、香りが画一化してしまうといった動きが徐々に進行しているようです。

ルビーレッドの栽培面積は5000ヘクタールを超えているそうで、それが表に出ないメガパープルの唯一の指標になりそうです。これがこれから増えるのか減るのか、きになるところです。
Date: 2016/1215 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアでマリファナの娯楽使用が認められ、先週はソノマのサンタローザで初の展示会が開かれました。集まった人数はなんと3万5000人。関心の高さがうかがえます。これまで、生産側、例えば水とか労働者でどういう影響があるか記事で紹介してきましたが、それだけでなく、消費者側にも影響が出てきそうです(Will Weed Tourism Compete with Wine? - Wines & Vines)。

なかでも影響が大きそうなのが、ワイン・ツーリズム。テイスティング・ルームへの訪問を中心とした、ワイナリーでの直接販売に直結します。小規模なワイナリーでは直接セールスの比率が年々高まっていますので、テイスティング、ルームに来る人が減ったらビジネスに直結します。なおマリファナでも、ポット・ツーリズムと呼ばれる、調剤所などに行くツアーができるようです。こういったツアーがワイン・ツーリズムのライバルになってくるのかもしれません。

ちなみにカリフォルニアに先んじてマリファナが、解禁されたコロラドでは、翌年のワインの売り上げは1.2%減ったそうです。ただ、その後は回復しているので一時的なものなのかもしれません。

また、マリファナの調剤所ではマリファナを直接試すことは禁じられています。その点はワインに有利かもしれませんが、代わりにマリファナを複数味わえるマリファナ・ディナーといったものご流行りそうです。

なお、日本人が米国でマリファナを試すことは、違法になるのかどうかグレーのようです。まだきちんと調べていないので、わかったら報告します。旅行者が気軽に試すのは危険かもしれません。
Date: 2016/1214 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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北カリフォルニアではこのところ雨が続いており、、旱魃の状況は大分改善されています。
旱魃の状況

図によると、1年前は、一番色が濃い「例外的な旱魃」の地域が40%に上っていました。それが現在は2割にまで減っています。

ナパ、ソノマといった北部の地域は改善が著しいです。1年前は厳しい旱魃がまだ続いていましたが、現在はナパで少し旱魃状態、ソノマの大部分は「異常な乾燥」と、旱魃という言葉が使われないほどになっています。

しかし、サンタ・バーバラを中心にした、南部の方では依然として、厳しい旱魃が続いています。

昨年のエルニーニョでは期待したほどの雨が降らなかったわけですが、今年のラニーニャではどうなるのか、まだ目が離せません。
Date: 2016/1213 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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12月22日で楽天市場店を閉店してしまうVin du 268の閉店30%引きセールに追加が出ています。

閉店セールのページはこちら

米国でもなかなか買えないジョージのピノ・ノワールでは先日紹介した2011年のセレモニアルのほか2012年のセレモニアル、2012年のブエナ・ティエラが3割引。


さらに、ロゼもあります。ロゼならば5000円弱と価格も手ごろ。


ロアーのピノ・ノワール サンタルシアハイランズも税込みで5000円台と安いです。


もっとてごろなところでは、Pisoni家が外から買ったブドウで作るルリ(Luli)のシャルドネとソーヴィニヨン・ブランは2000円台です。
Date: 2016/1213 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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TTBがワインラベルの付け方について、新たなルールを追加するかどうかに注目が集まっています(Wine industry divided over proposed bottle labeling rule | Local News | napavalleyregister.com)。

例えば、テキサス州のワイナリーが、ナパのブドウを購入してワインを作った場合、普通は「Napa Valley」とラベルに付けることはできません。ただし、販売先がその州(この例であればテキサス州)に限られている場合においては、「Napa Valley」とラベルに入れられる。一種の「抜け道」になっているわけだ。

これを禁止する新しいルールをTTBが提案しており、現在コメントの受付が終わったところです。

カリフォルニアのワイナリーとしてはもちろん、今回の改正には賛成であり、そもそもWine Instituteなどの要望によって、でてきたルールでもあります。

無事に決まるのかどうか、発表時期などはまだわかりません。
Date: 2016/1212 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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世界を揺るがしたワインの大偽造事件を引き起こしたルディ・クルニアワン。彼が偽造したワインは、未だに600億円以上の市場価値をもって、出回っているという試算結果が出ています($550m worth of Kurniawan counterfeit wines being ‘resold over and over again’)。

ルディ・クルニアワンの偽造ワインについては、過去何回か記事に書いているので、そちらをご覧ください。
3分でわかるルディ・クルニアワン「ワイン偽造」事件
懲役10年の判決が出たワイン偽造事件
ルディ・クルニアワンの偽造ワインは破壊、一部はオークションで売られる
Kurniawan Counterfeit--21.jpg

クルニアワインは2002年から2012年に逮捕されるまでの間、毎月100万ドル以上の偽造ワインを売っていました。10年間で1億5000万ドルに上ると推計されます。当時と比べて、現在の市場価値は4倍程度になっているということから、少なくとも5億5000万ドルには相当するだろうというのが、今回の試算の内容です。

過去の試算では、ワインのセカンダリー・マーケット市場が150億ドルあるうち、偽造ワインは約2割の30億ドルを占めるとされています。

日本では、セカンダリー・マーケット(基本的にはオークションのこと)はあまり大きくないような気がしますが、世界ではこんなことになっているのが現状です。

オーパス・ワンのように、偽造対策に力を入れているワイナリーもありますが(オーパス・ワン再発見、そのブランドは伊達じゃない)、これは少数派。高級ワインの生産者のうち、偽造対策をしているのは29%に過ぎないそうです。
Date: 2016/1211 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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フェリシティーでリヴァース・マリーのピノ・ノワールとシャルドネがかなり安くなっています。僕は買ったことない店ですが、楽天ではワインジャンルのショップ・オブ・ザ・イヤーを一昨年、昨年と2年連続で受賞している人気店です。

ソノマ・コーストのピノ・ノワールとシャルドネはいずれも税込みで5500円程度とかなりの安さ。普通は7000円以上です。



ピノ・ノワールの単一畑ではスーマが約7000円、これは普通は8000円以上。


シルバー・イーグルは約8000円。個人的にはこれはかなりお薦め。


安さだけでなく、なかなか手に入らないスーマのオールド・ヴァインやカンツラーもあります。


6本で送料無料です。
Date: 2016/1210 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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Vin du 268が楽天の店を閉めるとのことで、3割引の閉店セールを開催しています。閉店は12月22日の予定。古くからやられている店が閉めてしまうのは寂しいですね。ただ、兵庫県三田市にある実店舗はこれまで通りとのこと。また、ネット上ではFacebook ページがあります。そちらでのコミュニケーションも続けるとのことです。

閉店セールのページはこちら

目玉品をいくつか紹介します。まず超弩級のワインでは、レアムのベクストファー・トカロン。



ジョージのピノ・ノワールは極めてレア。生産量が少ない上にレストランでの人気が高く、米国でも買えないワインです。



ルシアのソベラネス。サンタ・ルシア・ハイランズを代表するワインの一つです。




ターリーのジンファンデルもあります。




ほかにも色々あるのでセールページでご確認ください。
Date: 2016/1209 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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サンフランシスコ市内のワイナリーを紹介する記事がありました(7 Urban Wineries Along San Francisco's Wine Trail)。以前にも紹介したワイナリーが含まれていますが、情報のアップデートもあるので、あらためて紹介します。

日本のファンにもなじみ深いワイナリーとしてはエド・カーツマンのオーガスト・ウエスト(August West)と、A.P.ヴァン(A.P.Vin)があります。どちらも2000年代前半のピノ・ノワール・ブームのころにできたワイナリー。オーガスト・ウエストはサンタ・ルシア・ハイランズのロゼラズのワインなどで人気を博しましたが、現在はソノマの畑を中心にワインを作っています。知日家であり、日本にもファンが多いワイナリーです。ワイナリーでは予約で試飲が可能です。エド・カーツマン個人のプロジェクトであるサンドラーのワインも試飲できます。

A.P.ヴァンはローリング(Loring)のブライアン・ローリングを師としてワイン作りを学んだワイナリー。ワイナリーの名前はオーナーのAndrew P. Vingielloから取ったもの。ここも予約で試飲ができます。

現在はオーガスト・ウエストの倉庫を使ってBetwixt Winesというワイナリーもワインを作っているようです。ティム・テッリというイギリス人が上記の二人にワイン作りを学んで始めたワイナリー。シラーやグルナッシュ、ピノ・ノワールを作っています。ここも予約で試飲可能。

もっと行きやすいところとしてはBluxome Street Wineryがあります。カルトレインのサンフランシスコ駅のすぐ近くにワイナリーを構えています。午後1時~8時までオープン。月曜定休です。ブドウは主にロシアン・リバー・ヴァレーのものを使っており、シャルドネやピノ・ノワールなどを作っています。人気の観光地となっているようです。
Spencer on the Go Truck at Bluxome Street Winery

Dogpatch Wineworksは日曜日の午後だけ試飲オープンしています。普段はイベントスペースとして使っている場所だとのこと。料理持ち込み可だそうです。

Harrington Winesは、ナパやソノマといった有名産地以外からブドウを調達して作っています。作るワインもカリフォルニアでは普通作らないような品種や、古い品種など、かなり反骨心のあるワイナリーのようです。要予約。

Sutton Cellarsもドライ・ベルモットなどを作っているユニークなワイナリー。月曜定休です。

サンフランシスコに旅行に行ったけどナパやソノマに行く時間がないといった人も、サンフランシスコでワイナリー気分を味わえます。ぜひお試しください。

Date: 2016/1208 Category: 業界ニュース
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SFクロニクルがワインメーカー・オブ・ザ・イヤーと並んで、注目のワインメーカー(Winemakers to Watch)を発表しています(2016 Winemakers to Watch - San Francisco Chronicle)。

毎年のことながら、かなりマニアックなチョイス。ただこの中から将来有名なワインメーカーが出て来るかもしれません。

Johanna Jensen, The Keep Wines
スコリウム・プロジェクトで働いていた人のワイナリー。アルバリーニョに注力しています。熟成型のアルバリーニョに加え、ポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデのように作ったワインもあります。それだけでなく、コントラコスタのカリニャン、ナパのシラー、Falanghina, Cortese and Loureiroという3品種のブレンドによる白ワインなどもあります。

Michael Savage, Savage Grace Wines
ワシントン州のColumbia Gorgeというあまり知られていない地域にあるワイナリー。ワシントン州で有名なワイナリーというとカイユースやクィルシーダ・クリークなどはっきりした味わいのワインを作るところが多いですが、ここはよりデリケートな味わいを目指しています。

Brian and Stephanie Terrizzi, Giornata, Broadside
パソ・ロブレスのワイナリー。Giornataはイタリア品種の、Broadsideはコストパフォーマンスの高いワインを目指しています。

Ketan Mody, Beta Wines, Jasud Estate
ハーラン・エステートで働いていた人がダイアモンド・マウンテンに土地を買い、切り開いて作るワイナリー。Betaは購入したブドウでワインを作っています。カベルネにしか興味がないとのことです。

Date: 2016/1207 Category: 業界ニュース
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Wine Spectator 誌が
年間トップ100のリストを公開しました(All Lists — Wine Spectator)。

10位台では14位にカーライルのジンファンデル、17位にメリー・エドワーズのソーヴィニヨン・ブラン、20位にターリーのジンファンデル。このあたりは定番感があります。ターリーのUeberroth Vineyardというのは初耳でしたが。

そのものです。


20位台では24位がデュモルのシラー。28位がドメーヌ・カーネロスのブリュット2011。30位に入ったオーストラリアのモリードゥーカーはもはやこの順位では不満なのでは? 日本ではカリフォルニアワインを数多く輸入しているアイコニックさんの扱いです。

ヴィンテージ違いです。


そのものです。


31位に入ったTenshenというワイナリーのホワイトブレンドは知らないワインでした(と思ったのですが、ラベル見たら思い出しました)。20ドルで92点はちょっと気になるところ。ヴィオニエやルーサンヌなどをブレンドしています。

ヴィンテージ違いです。


35位はSojournのピノ・ノワール。畑はギャップスクラウン。38位はレイミーのシャルドネ。畑はリッチー。44位のケイマス・スペシャル、セレクションはワイン・オブザイヤーを2回取ったことがあるワイン。ケイマスは近年話題豊富ですね。メイオミ売ってお金はたくさんあるでしょうから、今後もいい流れが続くのでは?

そのものです。

そのものです。


47位はホールのカベルネ・ソーヴィニヨン。ホールはナパでは比較的新しいワイナリーですが、カベルネはいいですね。

その後しばらくカリフォルニアワインはなく、67位にハーンのピノ・ノワールSLH。日本に入っているハーンのピノ・ノワールよりワンランク上のもののようです。

73位はコーベルのオーガニック・ブリュット。12ドル! 日本だとちょっと高くなりますが。



82位はキスラーのシャルドネ、ハドソンの畑。スティーブ・キスラーがオキシデンタルに注力するようになってキスラー自体はあまり話題に上がらなくなってきていますが、どうなのでしょうか。

84位と99位は新進の大物ピノ・ノワール。84位のボアーズビューはナパを席巻したシュレーダーが打倒マーカッサン? で作ったワイナリー。マーカッサンの畑を見おろすところに畑があります。99位はコスタブラウンのマイケル・ブラウンが作るサーク。品質的には早くもコスタブラウンを超えたという説も。日本の現行流通は前ヴィンテージ。新しい大物ピノ・ノワールのプロデューサーでは、パルメイヤー系列のウェイフェアラーも押さえておきたいところですね(といいつつ僕もボアーズビューは未経験なのですが)。

そのものです。





商品リンクは後から追加します。
Date: 2016/1206 Category: おすすめワイン
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昨日のマイケル・クルーズの記事で登場したヴァルディギエ(Valdiguié)。以前はナパ・ガメイと呼ばれていた品種です。

私もナパ・ガメイという名前は聞いたことありますが、今まで飲んだことはありません。温故知新というのは近年のカリフォルニアにおける新しい動きのキーワードだと思っているのですが、ヴァルディギエも温故知新の1つですね。

ちょっと調べてみると灯台下暗し、自分が書いた「ユニークな都市型ワイナリー「ブロック・セラーズ」のロゼ」記事の中に登場していました。

このブロック・セラーズはこの記事で紹介したヴァルディギエをブレンドで使うロゼ(名称はラブ・ロゼ)だけでなく、同じくブレンドの赤(名称はラブ・レッド)、ヴァルディギエだけの赤ワインも作っています。

さらに珍品としてはヴァルディギエで作ったブランデーにヴァルディギエのジュースを添加して作った「ヴァン・ド・リキュール」まであります。この品種にかなりこだわりがあるようですね。

このほか、パソ・ロブレスの実力派ワイナリーJロアーもヴァルディギエのワインを作っています。こちらは日本での価格も1500円程度とかなり格安です。





Date: 2016/1205 Category: 業界ニュース
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SFクロニクルのワインメーカー・オブ・ザ・イヤーが先日発表されました。今年の受賞はマイケル・クルーズ。スパークリング・ワイン「ウルトラマリン(Ultramarine)」で一世を風靡しつつあるワインメーカーですが、受賞理由はむしろそれ以外にあるのが面白いところです(Winemaker of the Year: Michael Cruse - San Francisco Chronicle)。

例えば、かつて「ナパ・ガメイ」と呼ばれていた「ヴァルディギエ(Valdiguié)」という品種のワインを作っています。ヴァルディギエの畑はナパでは1973年には950エーカーあったものが、2015年には21エーカーにまで減ってしまっているとのこと。

このようなフルーティで変わっていて、ノスタルジックなものを作るというのが彼のワイナリー「クルーズ・ワイン」の特徴となっています。ヴァルディギエのワインは29ドル。プレミアムなワインを作りたいのではなく、むしろジャグワインの時代に近いようなものを目指しています。

ウルトラマリンが、今この瞬間に輝くワインだとしたら、クルーズ・ワインはカリフォルニアワインの未来を見据えたものであり、それがワインメーカー・オブ・ザ・イヤーの理由だとのことです。

マイケル・クルーズの経歴もユニーク。ソノマのペタルマで育ち、UCバークレーで生化学を学びました。卒業後もUCSFの研究所で働いていましたが、料理やワインに興味を持ち、UCデービスを再受験。

入学までの間に、ナパのサター・ホーム(高級ワインのワイナリーではなく、ホワイト・ジンファンデルで有名なサター・ホームだったというのが興味深いところ)でアルバイトをしていたのですが、そちらの泥臭い仕事にはまってしまい、結局デービスには通うことなくサター・ホームで働くことを選びました。

その後、メリヴェイルがカーネロスに持っているスターモントに移り、アシスタント・ワインメーカーになります。彼はそこで化学の知識を生かして頭角を現し、自分のワイナリーを持つことを考えるようになります。

当時は、ピノ・ノワールの人気が急上昇したころ。新しいワイナリーがいくつもできていましたが、人と同じことをしたくないと考えたマイケル・クルーズはスパークリング・ワインを志します。折しもフランスではグロワーズ・シャンパーニュの動きが始まっており、それに大きく影響されています。

そして、ここが彼の面白いところですが、スパークリング・ワイン作りをフランス語で19世紀に書かれた本を使って勉強し、作り始めたのです。そのため失敗も多く、最初の2008年のヴィンテージは、「クラウン・キャップ」をボトルに入れてしまったため、気温が上がったら全部爆発してしまったとのこと。

こうして試行錯誤を積み重ねてウルトラマリンができました。ウルトラマリンはWine Spectatorの評価が84点(2011年)など、旧来の評論家には高く評価されていないのですが、インスタグラムなどSNSから人気が広がっていったというのも、まさに今風です。

マイケル・クルーズは2013年にスターモントをやめ、ペタルマに今のクルーズ・ワインをオープンしてスティル・ワインも作りはじめました。

前述のように、欧州的なウルトラマリンに対して、クルーズ・ワインはカリフォルニア的であり、価格も25ドルから38ドルと手に入れやすいところを狙っています。

カリフォルニアの今らしさを伝えるワインメーカー・オブ・ザ・イヤーでした。

Valdiguié Nouveau. You should think about tasting it at Ordinaire tonight.

Michael Cruseさん(@crusewine)が投稿した写真 -





Date: 2016/1204 Category: 業界ニュース
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京橋ワインで、ケンダル・ジャクソン(Kendall-Jackson)のヴィントナーズ・リザーブ・カベルネ・ソーヴィニヨン2013が26%引きの2580円(税抜き)になっています。

格下のアヴァントや、ヴィントナーズ・リザーブのハーフボトルでも2000円を超える店があるので、これはかなり割安です。Wine Spectatorでは90点(Advocate では87点)。と評価も上々です。

さらに現在5000円以上で500円引きのクーポンを配布しているので、2本以上買えばそのクーポンを適用できます。


Date: 2016/1203 Category: 業界ニュース
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Wine Spectatorの年間トップ100、1位が発表され、1位から10位が出揃いました。

年間トップの座を射止めたのはカリフォルニアワイン。ルイスのカベルネ・ソーヴィニヨン2013でした。
ルイス

これも95点ということで、上位のワインのレイティングはあまり変わらず、何が決め手で選ばれたのかはよくわからない感じもあります。昨年は1位と2位は96点、3位は98点(オレゴンのイヴニングランド)でしたから(WSのワイン・オブ・ザ・イヤーは予想外のカリフォルニア)、若干小粒な感じもあります。

とはいえ、ルイスのカベルネ・ソーヴィニヨン、リザーブやキュベ・エルといった上位のワインではなくレギュラーのクラスでこの評価なのですから立派なものです。昨年のピーター・マイケルの195ドルのワインと比べたら90ドルでの受賞は十分うなずけるものがあります。

それにしても2年連続「カリカベ」が選ばれるとは思っていなかったので、ちょっと予想外ではありました。

このワイン、日本でも売っており、日本の価格もそれほど高くありません。楽天で最安と2番めに安い店は、この記事を書いている間に売り切れてしまいました。


こちらはヴィンテージ違い
Date: 2016/1202 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カレラのワインの中でも一番人気を誇るのがジェンセン。以前、筆者のFacebookで質問したら、筆者の友達ではジェンセンが一番好きという人は意外にもいなかったのですが、個的には高く評価しています。

例えば、筆者の周りで支持する人が多かったセレックは、たしかに長期熟成能力はあるし、非常に複雑な味わい。うまくはまったらものすごく美味しいワインになる印象です。その代わり、飲み頃の判断は難しそう。

ジェンセンも熟成したらすごく美味しくなりますが、熟成しなくても十分おいしいという点ではセレックよりも上かも。

いつ、どう飲んでも外さないのは「私、失敗しないので」というドクターXに似ているのではないかと。

日本では、ジェンセンの販売は、ほかの畑と抱き合わせになることが多いですが、このところ単体でもそこそこ出ているようです。税込みで1万8000円を切れば、かなり安い部類になります。

近年では2013年はWine Advocate誌で95点、2012年は96点の評価です。


Date: 2016/1202 Category: 業界ニュース
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高級ワイン市場の価格動向を示すLiv-exのインデックス。ここ1年はかなりの上昇傾向にあるのですが、先日日本円では変わっていないという記事を書きました(高級ワインのインデックス、日本円換算では値下がり傾向)。

Liv-exは英ポンドベースの指標であるのがその理由ですが、ドルベースで比較した記事が出ていました(The Fine Wine Market: Dollar opportunities)。

Liv-ex dollor

これはインデックス全体ではなく、有名な一部のワインだけですが、ポンドベースでは2割以上値上がりしているのに、ドル換算では横ばいかわずかに下がっています。

ワインの価格傾向を見るときにLiv-exはしばしば引き合いに出されますが、このような為替のことを念頭に置いておかないと、ミスリーディングになってしまう恐れがあります。
Date: 2016/1202 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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連日、Wine Spectatorの記事ばかりですみません。今日は2位から4位が発表され、カリフォルニアワインは入らなかったものの、2位と3位はオレゴンからでした。

オレゴンはカリフォルニアと比べると収穫時期に雨が降る恐れが強いのですが、2012年以降は秋の天候が安定しており、高い評価が続いています。カリフォルニアでも、注目されるシャルドネやピノ・ノワールは、2000年代のロシアン・リバー・ヴァレーから、より冷涼なソノマ・コーストへと移っており、さらに冷涼なオレゴンも、これからもっと人気が高まってくるでしょう。

というわけで3位はボー・フレール(Beaux Frères)のRibbon Ridge The Beaux Frères Vineyard 2014、2位はドメーヌ・セリーヌのシャルドネDundee Hills Evenstad Reserve 2014でした。

ボー・フレールドメーヌ・セリーヌ

日本の市場ではボー・フレールは前ヴィンテージの2013、ドメーヌ・セリーヌはそのもののワインが出回っています。



Date: 2016/1201 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Spectatorの2016年トップ10は10位から5位まで発表されました。昨日の7位リッジに続いて、今日は6位にオリン・スウィフトのマシェット2014(Machete、マチューテなどと書いてあるケースもありますが、動画の発音からはマシェットが一番近いようです)が入りました。
オリン・スウィフト マシェット
オリン・スウィフトといえば、元々プリズナーで有名になったワイナリーですが、今年は話題にことかきませんでした。

プリズナーは数年前にブランドをヒュネイアスに売却していましたが、今年はそれがさらにコンステレーション・ブランズへと売却(コンステレーションが「プリズナー」を300億円超で買収)。『マリアージュ~神の雫 最終章~』でも取り上げられました(『マリアージュ~神の雫 最終章~』で2週連続カリフォルニアワイン)。

さらに、オリン・スウィフト自体もガロに売却が発表されました(ガロがオリン・スウィフトを買収)。創設者でワインメーカーのデイブ・フィニーは籍を残しますが、彼自身、新しいプロジェクトも始めており、今後どこまで関与するのかは不透明な部分もあります。

背景説明が長くなりましたが、やっぱりこのデイブ・フィニーという人はまだ若いのですが、すごい人だと思います。プリズナーのような「レッド・ブレンド」と呼ばれる分野のパイオニアであり、アメリカのミレニアル世代に強く受けいられるワインを数々作り出しています。それだけでなく、従来からのワインメディアにも高く評価されており、それが今回の6位という結果に結びつきました。

マシェットはプティ・シラーを中心としたブレンドで、プティ・シラーがWine Spectatorのトップ10に入ってくるのもかなり異例だと思います。レイティングは94点ですが、Wine Advocate誌ではロバート・パーカーがさらに高い96点をつけています。

ちなみにラベルは全部で12種類あるそうです。複数本注文するとラベルが重ならないようにしてくれるとのこと。ただし、このラベルがほしいというリクエストには答えられないようです。




ちなみに、デイブ・フィニーの新しいブランドはクレーン・アッセンブリー。代表作の1つである「エル・ココ」はジンファンデルにプティ・シラー、メルローのブレンドというから、プリズナーにマシェットを混ぜたようなものとも言えるかも。フルーツ爆弾+スパイス的な強烈な味わいのワインです。2014年はWine Advocate誌で95点という高評価。今後はこちらをオリン・スウィフト以上に注視する必要があるかもしれません。ゴヤの絵画を使ったラベルが印象的なのも、オリン・スウィフトやプリズナーに通じるものがあります。