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Date: 2019/1130 Category: 業界ニュース
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「ワインセラー パリ16区」が独占販売しているセンシーズ(Senses)のシャルドネとピノ・ノワールを検証させていただきました。せっかくなのでカリフォルニアワイン好きな方々とご一緒し、センシーズのワインメーカーであるトーマス・リヴァース・ブラウンのプライベート・ブランド「リヴァース・マリー(Rivers-Marie)」と合わせてみました。



最初のシャルドネはセンシーズのチャールズ・ハインツ(Charles Heintz)シャルドネ2017です。パイナップルやマンゴーなどのトロピカル・フルーツのリッチさとレモン、オレンジなど柑橘系の冷涼感を併せ持ったワイン。非常にきれいで美味しいシャルドネです。

シャルドネのあと2本はリヴァース・マリーで、2012年のソノマ・コーストと2010年のシエリオ(Thieriot、今までティエリオットだと思ってましたが、シエリオが実際の発音に近いそうです)。シエリオはセンシーズの共同オーナーの一人であるクリス(この人は俳優もやっています)の実家の畑で、センシーズでもシエリオのワインを作っています。

2012年のソノマ・コーストは少し熟成が始まってきた感じ。オレンジやパイナップルに、ナッティな風味が少し加わり、非常にいいです。AVAものでこのレベルはすごい。

2010年のシエリオは、さらに熟成が進み、黄金色になってきています。果実味よりもバニラやブリオッシュの風味やマーマレード、ナツメグの味わいが目立ってきています。重層的な味わいで素晴らしい。バランス的にはこれくらいがピークかもしれません。熟成好きな方なら20年くらいまでいけるかもしれませんが。

ピノ・ノワールの3本はいずれもセンシーズ。2017年のソノマ・コーストとロシアン・リバー・ヴァレー、2016年のテラ・デ・プロミシオ(Terra de Promisio、約束の土地の意味)です。テラ・デ・プロミシオはペタルマ・ギャップ(Petaluma Gap)の畑。ペタルマの町外れでペタルマ・ギャップのほぼ中央にあります。ここは太平洋からサン・パブロ湾に向かって冷たい海風が吹き抜ける冷涼な地域。

AVAものでヴィンテージも同じソノマ・コーストとロシアン・リバー・ヴァレーですが、味わいは対照的。ソノマ・コーストは酸が豊かでラズベリーやチェリーなどの赤系の果実にバニラ、イチジク、ナツメグなどの風味。ミディアム・ボディでソノマ・コーストらしい冷涼感があります。一方、ロシアン・リバー・ヴァレーはフルボディとまではいかないまでも、ソノマ・コーストよりボリューム感のある味わい。果実味もダークチェリーなど、少し濃い感じのするものが中心になります。

単一畑のテラ・デ・プロミシオは素晴らしいでき。色は若干薄め。ラズベリー、ストロベリーなど赤系の果実味に、リコリスやナツメグ、土っぽい味わいなど複雑な風味が増します。

センシーズのワイン。単に美味しいだけでなく、ちゃんとそれぞれの畑や地域の個性が出た味わいに仕上がっています。また、リヴァース・マリーがこれだけきれいに熟成しているのだから、同じワインメーカーのセンシーズも熟成力に期待できると思います。

今回のレストランは神保町のガーブ・ピンティーノというイタリアン。それぞれの料理も美味しく、ワインごとにグラスを替えてサーブしてくれました。締めの「オマール海老のカレーライス」、美味しかった。これだけは量が1口から10口まで選べるのですが、一番多くしてよかった(笑)。満足です。












Date: 2019/1129 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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トニー・ソーターがオレゴンで作るソーター・ヴィンヤーズ(Soter Vineyards)の普及ライン「プラネット・オレゴン(Planet Oregon)」のピノ・ノワールとシャルドネが特価で現地価格並みになっています。

プラネット・オレゴンはソーターがサステナブルの認証を受けている畑から購入したブドウで作り、サステナブルの認証を受けているワイナリーでボトル詰めしたワインで、地球を大事にというメッセージが込められています。

ピノ・ノワールもシャルドネも現地価格22ドル(税抜き)がピノ・ノワールが税込み2508円、シャルドネが2178円となっています。さらにクレジットカードで支払えば5%の還元対象となります(楽天カードの場合は楽天スーパーポイントで還元)。なので実質的には現地価格以下といってもいいくらいの安さです。



Date: 2019/1128 Category: 業界ニュース
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ナパの東にあるススーン・ヴァレー(Suisan Valley)で年間500ケースにも満たない小さなワイナリーサンセット・セラーズ(Sunset Cellars)を、サンフランシスコで働いている日本人エンジニアの夫婦と友人が購入したという話が話題になっています。
サンセット・セラーズ
エンジニアだけど米国でワイナリーを買った話 – SF Tech-Tech

サンセット・セラーズは1997年設立。創業者の奥さんが日本人(カツコさん)、ご主人のダグさんは早稲田大学に留学していたという日本に縁の深い夫婦で営んでいました。フラッグシップのワインは、このあたりでは珍しいバルベーラ。爆発的な果実味が特徴で、現行ヴィンテージが2010年という、かなりこだわった作りをしているようです。

ただ、後継者がおらず、70歳を超えてこれから閉鎖も考えているということから、近所に住む日本人が、このエンジニア夫婦に声をかけ、購入を検討することになりました。

とはいえワイン造りは完全に素人の4人。ダグさんに教えを請うたところ「まずはガレージで失敗して来な!」と言われてしまいます。そこでめげずに実際に自分たちでガレージでワイン造りに挑戦し、ダグさんに認めてもらって今回の購入にいたったとか。

非常に面白い話なので、ぜひ読んでみてください。

さらに、この4人、ワインを日本のユーザーに届けるため、「Vine Owner’s Club (バイン・オーナーズ・クラブ) 」という一種の頒布会を作りました。4半期ごとにワインを3本ずつ送る代わりに、ブドウの「ツタ」を所有するというイメージです。

今回の記事が話題になり、当初予定していた100人の申し込みが瞬時になくなり、現在追加の申し込みを受け始めているそうです。

SUNSET CELLARS (サンセット・セラーズ) - カリフォルニアのマイクロ・ファミリー・ワイナリー
Date: 2019/1127 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマのアレキサンダー・ヴァレーの生産者団体「アレキサンダー・ヴァレー・ワイングロワーズ」が10月のキンケード・ファイヤーの影響についてコメントを発表しました。

78の栽培家と31のワイナリーからなるこの団体ですが、火事でワイナリーが燃えた2つのワイナリーを除いては、畑やワイナリーに大きな損害はなかったとのこと。

燃えたのは大部分が北東の山麓を中心とするエリアだったので、亡くなった方もおらず、負傷者も消防士が数名と最小限にとどまりました。

収穫は90%ほど終わっでおり、発電機などの利用で停電の影響もさほどなかったといいます。

火事の規模や避難勧告の規模の割には実被害がそれほど大きくなさそうでよかったです。

これからは観光客を取り戻すことが課題になってきそうです。
Date: 2019/1126 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマのワイナリー「ポール・ホブズ」のオーナーのポール・ホブズが先日来日し、セミナー兼食事会に参加しました。カリフォルニアのワイナリー、特にカベルネ・ソーヴィニヨンに強いワイナリーの場合、ステーキハウスを使うことが普通ですが、今回は珍しく中華。

「空飛ぶワインメーカー」として世界各地でコンサルタントを務めていることでも知られているポール・ホブズ氏。栽培よりも醸造よりの人というイメージがありましたが、現在はポール・ホブズ・ワイナリーで作るワインの大部分は自社畑になっています。ナパのハイドや、ベクストファーのト・カロン、ドクター・クレーンなど一部(といってもどれもすごい畑ばかりなので目立ってしまう面はあります)だけが契約畑です。自社畑の栽培はほとんどがオーガニックで、もちろんサスティナブルの認証を得ています。

試飲したワインは6種。ピノ・ノワールが3つとカベルネ・ソーヴィニヨンが3つです。

ピノ・ノワールは2017年のハイド・ヴィンヤード、2016年のキャスリン・リンゼー・エステート、2016年のゴールドロック・エステート。キャスリン・リンゼーはロシアン・リバー・ヴァレー、ゴールドロックはソノマコーストのAVAになります。ピノ・ノワールについて、ポール・ホブズ氏はかつてアンリ・ジャイエに学んだことがあり、すべて除梗して作っていましたが、最近はホール・クラスターを増やしているそうです。

この中で一番暖かいのはハイド、一番寒いのはゴールドロックですが、ワインは暖かいところほど色が薄くなり、寒いところほど濃くなるとのこと。ハングタイムの違いなどが影響しているのでしょうか。

実際、ハイドが一番色が薄く、味わいも濃厚というよりも軽やかさを感じるもの。イチゴやラズベリーなどの赤系の果実に少しカシスの風味もあります。きめ細かいタンニンがあり、意外とボディもしっかりしています。

キャスリン・リンゼーもガーネット色で、かなり濃い目の色。ラズベリーに、ブルーベリー、紅茶の風味、酸とボディのバランスが良く、個人的にはすごく好きなピノ・ノワールでした。

ゴールドロックはミネラル感が強く、ミントやチョークのような風味もあります。複雑さではこれが一番でした。

カベルネ・ソーヴィニヨンは3本いずれもナパのもの。2015年のベクストファー・ドクター・クレーン、2015年のベクストファー・ト・カロン、2014年のネイサン・クームズ・エステートの3つです。ドクター・クレーンはセント・ヘレナ、ベクストファー・ト・カロンはオークヴィル、ネイサン・クームズはクームズヴィルの畑です。暖かさもこの順で上ほど暖かいところになり、やはり寒いところほどワインの色は濃くなります。

ドクター・クレーンは太陽の暖かさを感じるワイン。ブルーベリーやブラックベリーの風味、ちょっと甘さを感じるようなふくよかさ。きれいな酸にチョーク。ドクター・クレーンはブロックによっては、ポール・ホブズ氏的にはあまり品質が高くないところもあるそうですが、ポール・ホブズでは一番条件のいいブロックを使っているとのこと。

ベクストファー・ト・カロンは素晴らしいバランス。ストラクチャーあり、きめ細かいタンニン。濃厚でパワフルですが、重すぎず軽やかささえ感じます。統一感がすごい。料理とか関係なく、ずっと飲んでいたい(笑)。ポール・ホブズ氏はこの著名畑も初期から利用しているため、中央あたりの非常にいいブロックを使っています。

ネイサン・クームズは一番タニックでパワーあふれるワイン。杉の風味など複雑さもあり熟成しても美味しそうなワインです。クームズヴィルはナパの中では新しい産地で、オークヴィルあたりと比べるとかなり冷涼なはずですが、カベルネ・ソーヴィニヨンでも高いポテンシャルがあることを、このワインは示していると思います。

ところで、中華との相性ですが、スパイスの効いた料理などに、ピノ・ノワールがよく合っていました。カベルネ・ソーヴィニヨンはやはり肉には最高です。中華は味わいがはっきりした料理が覆いので、メリハリのきいたカリフォルニアワインとの相性はいいと思います。
Date: 2019/1125 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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スタッグス・リープ・ワイン・セラーズのオーナー/ワインメーカーとして、1976年の「パリスの審判」で赤ワイントップとなったカベルネ・ソーヴィニヨンを作ったウォーレン・ウィニアルスキ(Warren Winiarski)がスミソニアン協会が与える「ジェームズ・スミソン200年記念」メダルを受賞しました。

このメダルは、遺産をすべて寄付してスミソニアン協会の設立の源となったジェームズ・スミソン(実はこの人は米国には足を踏み入れたことがなかったそうです)生誕200年を記念して1965年に作られたメダルで、スミソニアン協会が卓越した業績を挙げたとみなした人に授与されています。映画監督などエンターテインメント業界の人が多く受賞していますが、ワイン業界からはウォーレン・ウィニアルスキが初のようです。グルメ業界からはジュリア・チャイルドが受賞しています。

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Date: 2019/1124 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン・アドヴォケイトがレビュアーが選出した、今年発見した「coup de coeur(クー・ド・クー、一目惚れの意)」ワイン10本を発表しました。

2017 Lismore Estate Reserve Chardonnay, Western Cape, South Africa
2017 Scar of the Sea Chardonnay Seven Leagues, Santa Maria Valley, California
2015 Charles Perez Côtes du Roussillon Les Aspres MVD MMXV, Roussillon, France
Chambers Rosewood Vineyards Rare Muscat (Multi-Vintage), Rutherglen, Australia
2016 Poesia, Saint Emilion, Bordeaux
2015 Domaines Lupier La Dama, Navarra, Spain
2011 Kir-Yianni Diaporos Block 5, Macedonia, Greece
2017 Planeta Sicilia Carricante Eruzione 1614, Etna, Sicily, Italy
2017 Martin Muthenthaler Riesling Viesslinger Stern, Wachau, Austria
2013 NV Ulysse Collin Extra Brut Blanc de Blancs Les Roises, Champagne, France

世界各地に分かれていますが、カリフォルニアからは1本だけ「スカー・オブ・ザ・シー(Scar of the Sea)」のシャルドネ「セブン・リーグズ」だけが選ばれています。このワイン、畑は有名なビエン・ナシードで、Block 11、Block I、block Wの3つのブロックのブドウを使っているとのこと。38ドルで93点という評価はそれほど突出した印象はありませんが、何か残るものがあったのでしょうね。ちなみにレビュアーはエリン・ブルックス。長年レストラン業界で働きながらワイン・ジャーナリストにもなり、2017年からレビュアーになっています。

10本の中で日本に輸入されているのは最後の「ユリス・コラン レ・ロワゼ ブラン・ド・ブラン」だけのようです。ギリシャのキル・ヤンニ ディアボロスももっと新しいヴィンテージはありますが、2011年は入っていないようです。


Date: 2019/1122 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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アマゾンが今年から始めたブラックフライデーセールで、ソノマのワイナリー「マクファイル(MacPhail)」のピノ・ノワール2種が激安になっています。ワイナリー直販のようです。

いずれも単一畑でトゥールーズ(Toulouse)とプラット(Pratt)。トゥールーズはアンダーソン・ヴァレーの畑。ワイナリーによると「暖かさ」を感じるワインだそう。ワイナリー価格49ドルが、税込み送料込みで5113円。

プラットはソノマ・コーストの畑。ワイナリー価格は不明ですが、ワイン・サーチャーの最低価格で57ドルが税込み送料込みで5113円。

マクファイル"トゥールーズ ヴィンヤード" ピノノワール アンダーソンヴァレー 750ml


マクファイル"プラット ヴィンヤード" ピノノワール ソノマコースト 750ml
Date: 2019/1122 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン産地に観光客が最も押し寄せるのは秋の収穫シーズン。しかし、ソノマでは3年連続で山火事のために観光に大きな影響が及んでいます。

2017年は9月にパラダイス・リッジなどのワイナリーや、サンタ・ローザの町近くまでも大きな被害にあった火事が起こり、延焼を完全に食い止めるまで3週間もかかりました。死者も26人、焼失した建物が5300軒以上と、過去最大の被害となりました。

2018年は170km以上離れたところで起こった火災のために、2週間もの間、煙った空気がソノマを覆いました。

そして、2019年は先日の大火事でワイナリー2軒が焼失したほか、ソノマのほぼ全域に避難命令が出る事態に陥りました。また、火事の前から長期間の計画停電で観光にも大きな影響が出ています。

こういった事態を受け、ソノマ郡の観光担当は、火事が覆い秋から他の季節へと観光客をシフトしていく必要を感じているとのことです(Sonoma County tourism sector attempts to lure visitors back following wildfires)。また、火事が大きく報道されることによって、無事な地域までも観光が冷え込んでしまうことも懸念されています。

ソノマの観光収入は22億ドルにものぼり、まだ火事の影響がどれだけあるかは算定中なものの、大きな影響があることは間違いありません。

特に深刻なのはレストランで、他の業種と比べて利益のマージンが低いため、キャッシュフローが回らなくなるところも出てきそうだとのことです。

まずは、火事が落ち着いた今、どんどんソノマに出かけていくのが当地の救済のためにも必要なことかと思います。
Date: 2019/1121 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン・エンスージアスト誌が2019年のトップ100を発表しました(The Enthusiast Top 100 Wines of 2019 | Wine Enthusiast Magazine)。

同誌のトップ100はセラー・セレクションという熟成向きのワイン、バリューというコストパフォーマンスに優れたワイン、それからこのトップ100と3種類発表されます。

このトップ100は今飲んで美味しいワインであり、ワイン・スペクテーターと比べると、より広い地域でワインのバラエティも富んでいる感じがします。最近のトレンドも加味しているように思います。また価格も比較的抑えめです。

そんな中でカリフォルニアからは2位にウイリアムズ・セリエムのソノマ・カウンティ ピノ・ノワール2017がランクイン。39ドルで98点は立派です。

日本には入ってないかと思っていたらありました。さすがに価格は高いですが。


7位にはナパのマシカンのアニア・ホワイトという白ワイン。トカイ・フリウラーノなどを使った、今っぽいブレンドです。こういうのがトップ10に入るのは面白いです。

もう一つ注目はロアーのシエラ・マー・ヴィンヤード ピノ・ノワール2017が15位に入ったこと。これ、全く同じワインがワイン・スペクテーターでも43位に入っていました。両方で上位に入るのはかなりレアで快挙といってもいいと思います。

Date: 2019/1120 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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E&Jガロがナパのワイナリー、パルメイヤー(Pahlmeyer)を買収しました(E&J Gallo Winery Acquires Pahlmeyer Winery; Includes Pahlmeyer and ...)。

パルメイヤー

買収内容にはパルメイヤーとジェイソン(Jayson)のブランド、ナパの南端にあるリゾート「The Village at Vista Collina Resort」にあるテイスティングルームを含みます。また、アトラス・ピークにあるWaters Ranchヴィンヤードをリースすることにも同意しました。Waters Ranchはシャルドネなどパルメイヤーのワインの多くで使われています。

パルメイヤーは1986年に設立したワイナリー。ラグジュアリーなブランドとして知られ、特にシャルドネは映画「ディスクロージャー」で重要な役割を果たして注目されました。近年では2017年にシャルドネがワイン・スペクテーターの年間9位に選ばれています。

なお、パルメイヤーがソノマ・コーストで作るシャルドネとピノ・ノワールのブランド「ウェイフェアラー(Wayfarer)」は買収対象には含まれていません。
Date: 2019/1119 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先週のトップ10発表に続き(ちなみに1位はやはりカリフォルニアではなくボルドーでした)、11位から100位が発表されました。

カリフォルニアワインをピックアップしてみましょう。
12 Carlisle Zinfandel Russian River Valley Papera Ranch 2016
14 Tensley Syrah Santa Barbara County Colson Canyon Vineyard 2017
18 Denner Dirt Worshipper Central Coast 2016
20 Sans Liege The Offering Santa Barbara County 2016
22 Saxum James Berry Vineyard Paso Robles Willow Creek District 2016
31 Quivira Sauvignon Blanc Dry Creek Valley Alder Grove Vineyard 2017
37 La Jota Merlot Howell Mountain 2016
41 Carol Shelton Coquille Blanc Paso Robles 2017
43 Roar Pinot Noir Santa Lucia Highlands Sierra Mar Vineyard 2017
52 Aubert Pinot Noir Sonoma Coast UV-SL Vineyard 2017
55 Failla Pinot Noir Russian River Valley Keefer Ranch 2017
61 Cambria Chardonnay Santa Maria Valley Katherine's Vineyard 2017
64 Dry Creek Zinfandel Sonoma County Heritage Vines 2017
66 RouteStock Pinot Noir Sonoma Coast 116 2017
69 Farella Cabernet Sauvignon Coombsville 2015
79 Macdonald Cabernet Sauvignon Oakville 2016
91 Snowden Cabernet Sauvignon Napa Valley Brothers Vineyard 2016
94 Favia Cabernet Sauvignon Coombsville 2016

トップ10の4本を入れると22本がカリフォルニアということで、だいたい例年通りな感じです。
12位のカーライルはトップ100の常連。14位から22位の4本はいずれもセントラル・コーストのシラー系ワイン。評価高くコスパもいいセントラル・コーストのシラーですが、販売面では苦戦しているという話も。おいしいんですけどねえ、シラー。

43位にはロアーのシエラ・マー、52位にはオーベールのUV-SL、55位はファイラ(フェイラ)のキーファー・ランチと実力派ワイナリーの著名畑ピノ・ノワールが続きました。66位のRouteStockは知らなかった銘柄。

60位と94位にクームズヴィルのカベルネ・ソーヴィニヨンが入りました。クームズヴィルはナパの南東にあるAVAでナパの中では比較的冷涼な地域。かなり涼しいところですが、最近は良質なカベルネ・ソーヴィニヨンを輩出しています。まだ比較的開発が進んでいないので、今後に要注目な地域です。

79位のマクドナルドのカベルネ・ソーヴィニヨンはヴィナスのアントニオ・ガッローニが毎年買っていると公言する銘柄。畑は19世紀にハミルトン・クラブが作ったオリジナルのト・カロン・ヴィンヤードに属するところの自社畑。本来ト・カロンと名乗れるはずですが、コンステレーション・ブランズがト・カロンの商標をもっているため、そう名乗れないワインです。

このほか、気になったところでは「実売2000円台とは思えないスーパーお買い得なカベルネ」や「あの超コスパ・カベルネの新ヴィンテージ、さらに評価上がった!」で紹介したワシントンのワインズ・オブ・サブスタンスのカベルネ・ソーヴィニヨンが49位。もっと上位でもいいと思いますが、このコスパの高さはただものではありません。
Date: 2019/1118 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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コンステレーション・ブランズからE.J.ガロへのブランド売却で日本のインポーター業務終了に伴うラストセールを柳屋が続けています。まだレイヴェンズウッドなど出ていませんが、現状のセール製品をまとめておきます。

▽シミ・シャルドネ   【2983円→2082円】
▼シミ・カベルネ    【3930円→2709円】
▼フランシスカン赤   【3628円→1999円】
▽フランシスカン白   【3628円→1999円】
▼ワイルドホース・ピノ 【3058円→1800円】
▽クロ・デュ・ボワ白 【3168円→1999円】
▽クロ・デュ・ボワ ピノ 【3411円→1999円】

個人的お薦めはやっぱりフランシスカンのカベルネですが、クロ・デュ・ボワのシャルドネとピノ1000円台というのもかなりいいと思います。
Date: 2019/1115 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワインスペクテーターのトップ10は2位まで発表されました。カリフォルニアはあと1本くらいかと思っていましたが、なんと2位と4位もカリフォルニア。しかもどちらもナパのクラシックなカベルネ・ソーヴィニヨンです。

先日、過小評価されているナパのワイナリーとしてヴァインヒルランチを紹介しましたが。2位と4位も昔から畑を作ってやっていて、価格も周りのワインと比べたらそれほど値上がりしていない、優良なワイナリーです。

4位はグロース(Groth)。ナパの中でも一等地中の一等地であるオークヴィルに121エーカーの畑をもっています。超有名畑がひしめく東の斜面や西の斜面ではなく、ヴァレー・フロアと呼ばれる一番低いあたりではありますが、隣にはプランプジャックやオショネシー、ターンブルといった人気ワイナリーの畑があります。1990年代末には植え替えを余儀なくされ、一時期「リザーブ」ワインを作っていなかったこともありますが、そのリザーブ用の畑27.5エーカーが成熟して、今回のワイン「グロース カベルネ・ソーヴィニヨン・リザーブ 2016」になりました。リザーブでも150ドルというのは、昨今のナパでは安い方です。レイティングは96。ワインスペクテーターのレビューによると、完全にドライになる前に発酵を止めて、ちょっと甘いフルーツの味を残しているそうです。ちなみにヴィナスのアントニオ・ガッローニは91-94でバランスを評価していますが、ワイン・アドヴォケイトのリサ・ペロッティ・ブラウンは85点と酷評しています。

2位はマヤカマス(Mayacamas)。その名の通り、ナパの西にあるマヤカマス山脈にワイナリーを構えており、昔からいわゆる「山カベ」で長熟の味わいを特徴にしているワインです。今回のワインは「マヤカマス カベルネ・ソーヴィニヨン 2015」で125ドル。96点となっています。いまどき「リザーブ」も作らずカベルネ・ソーヴィニヨンはこれ1本で勝負するというのも珍しいワイナリーです。2017年の大火では、この地域は「ナンズ・ファイヤー」と呼ばれる火事が広がり、マヤカマスではテイスティング・ルームが全焼するという不幸もありました。なお、ヴィナスのアントニオ・ガッローニはこのワインを97+と非常に高く評価。次の2016にも97-100を付けています。

クラシカルな谷カベの代表と山カベの代表が4位と2位というのはナパとしては嬉しいことですね。

さて、明日は1位の発表。さすがにカリフォルニアではないだろうと思いますが楽しみです。

グロースは日本未輸入。マヤカマスはまだ2013年が日本の現行ヴィンテージ。2015は入ってこないかもしれないですね。ただ、2013年もガッローニはやはり97点と高評価です。
Date: 2019/1114 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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トップ10
ワインスペクテーターの恒例の年間トップ10の発表が始まっています。日本時間の12日に始まり、10位から2つずつ発表されています。5今で発表されたところでカリフォルニアは5位tと7位の2本入っています。
Wine No. 5 of 2019 | Wine Spectator's Top 100
Wine No. 7 of 2019 | Wine Spectator's Top 100

5位に入ったのはロデレール・エステート(Roederer Estate)のブリュット レルミタージュ 2012。ロデレール・エステートのスパークリングのフラッグシップです。カリフォルニアのスパークリングで上位に入るのは珍しく、快挙といっていいでしょう。米国で48ドル(税別)が日本だと税込み6000円前後で売っており、ほぼ現地価格。

7位はレイミー(Ramey)のシャルドネ、ハイド・ヴィンヤード 2016。65ドルで95点。シャルドネのマスターとして有名なワイナリーですが、それでも年間トップ10入りは初めてだと思います。


Date: 2019/1113 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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米国ではミレニアル世代を中心に、ワインよりクラフトビールやジンの方が人気になっています。マスター・オブ・ブランズという会社がミレニアル世代を対象に調査したところ、ワイン業界が学ぶべきポイントが5つ浮かび上がってきました(Five key lessons that wine can learn from craft beer)。

1. 何より大事なのは味のアピール
消費者が一番大事に思っているポイントは味です。当たり前といえば当たり前ですが、クラフトビールは味をアピールするために、ラベルにテイスティングコメントを細かく記しているような製品もあります。どういう味なのかをしっかりとわかりやすく消費者に伝えることが必要です。

2. もっと斬新であれ
ワイン業界はもっとリスクを取ってチャレンジしないといけないとしています。例えばシェリー樽などの樽を試すとか、様々なものをブレンドするとか。製品にバリエーションを作り、興味を引くために冒険を恐れてはいけません。

3. 製品や味に結びつくストーリーを語れ
ワイナリーの歴史を語るのはワイン業界の得意とするところではありますが、ただそれだけではだめです。「5世代続く名門?だから?」と思われるだけです。そのストーリーが製品やその味に結びついて初めて消費者に刺さるのです。

4. 魅力的なラベルやパッケージングを
ワインのパッケージングは「良い〜とても良い」に分類する人が一番多かったのですが、「とても良い」の評価はもう一つでした。白い壁紙のようなラベルも依然としてたくさんあります。もっとバリエーションが必要でしょう。棚の中で埋もれさせないためにも。

5. 限定版を作れ
ミレニアル世代は限定版が大好きだという調査結果が出ています。クラフトビールは山ほど限定版があります。ワインもそれに倣うべきでしょう。
Date: 2019/1112 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのヨントヴィル(Yountville)はフレンチ・ランドリーを初めとするナパの美食エリアとして知られており、いくつかのホテルも集まっています。そのヨントヴィルの街中のテイスティングルームはアンティークを売っていたり、アートギャラリーになっていたり、カフェをやっていたりと、普通のテイスティングルームと比べて、多様なものを売る場所になっています(A café, an art gallery and a cigar bar: these are Yountville's tasting rooms )。

ヨントヴィルでは2000年代半ばからテイスティングルームが増え、地域の商業施設が減っていっていました。それを食い止めたいと2009年にできた法律で、施設の4分の1を他の目的に使わなくてはいけないことになりました。

その結果、予想以上にユニークな業態が広がってきたということです。例えば、Beau Vigneはシガーバーにもなっています。ラルフ・ローレンの家具を売るSilver Trident、Jessup Cellarsはアート・ギャラリー、Stewart Cellarsはナパのカフェに一部を貸してカフェを営んでいます。

こういった施策によって、ヨントヴィルのテイスティングルームは観光客だけでなく、地域の住民が集う場所にもなってきているとのこと。

観光客と地域の住民の対立というのはよく見られることですが、ここのようにうまく解決できるといいですね。
Date: 2019/1111 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ボーグル(Bogle)がワイン・エンスージアスト誌による2019年のアメリカン・ワイナリー・オブ・ザ・イヤーに選ばれました(Wine Enthusiast’s 20th Annual Wine Star Award Nominees | Wine Enthusiast Magazine)。

昨年、創立50周年を迎えたボーグルは米国ではコスパブランドの代表格。ワイン・エンスージアストでは過去4年に20本もの「ベスト・バイ」を得ており、生産量は250万ケースに達しています。環境にも力を入れていて、カリフォルニア・グリーン・メダルを受賞しています。

個人的にはここのシュナン・ブランやジンファンデル、「ファントム」という赤ブレンドあたりが好きですが、おしなべて品質は高いので安心して買えるブランドだと思います。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ボーグル ヴィンヤーズ ファントム[2015]
価格:3179円(税込、送料別) (2019/11/11時点)


各種入ったセットもあります。
Date: 2019/1108 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ナパの高級ワインの中にもまだまだ過小評価されているものがあります。その一つがヴァインヒルランチ(Vine Hill Ranch、VHR)だと言っても過言ではないでしょう。ワイナリーとしてもまだまだ知られていないし、ワインのラベルもかなり地味で「VHR」という字が目立つくらい。もしかするとそれがヴァインヒルランチの略であることも知られていないかもしれません。

ヴァインヒルランチの畑はオークヴィルの西側山麓。ちょっと北側に行けばハーラン・エステートがあり、ちょっと南に行けばドミナスがあります。ドミナスの新しいワイン「ユリシーズ」の畑や、ベクストファーの「ミズーリ・ホッパー」とも接するところ。

実はハーラン・ファミリーの2つめのワイナリー「ボンド(Bond)」のヴァシーナ(Vecina)で使っているのもこの畑。ヴァシーナはワイン・アドヴォケイトで100点を4回も取っています。

元々、19世紀から続いている由緒ある畑で、長らく栽培専門としてやっていました。だったヴァインヒルランチが自身のワインとして作り始めたのはこの10年ほど。ワインメーカーとしてアラウホ(現在のアイズリー・エステート)にいたフランソワ・ペションを迎え、品質も向上しています。

そのヴァインヒルランチのカベルネ・ソーヴィニヨン2016年が昨年末にアントニオ・ガッローニのヴィナスで100点を獲得。ヴィナスで100点を取ったカリフォルニアワインはまだ27本。200本近くに達しているワイン・アドヴォケイトと比べると、かなりレアです。ちなみにボンドのヴァシーナも2013年が100点を取っており畑としては2回めの栄誉となります。

その2016年のVHRカベルネ・ソーヴィニヨンが入荷してきています。


Date: 2019/1107 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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柳屋でフランシスカンのカベルネ・ソーヴィニヨンが税込み1999円という衝撃的な価格になっています。参考希望小売価格3990円(税込み)の半額、実売でもこれまで安いところで2800円台でしたから一気に1000円近く下がっています。

理由は、輸入元の変更による在庫処分。今年はじめにフランシスカンの親会社であったコンステレーション・ブランズがEJガロに数十ものブランドを売却しました。レイヴェンズウッドやシミなど、馴染み深いブランドも含まれておりその中にフランシスカンも入っていたのです。今後日本での取り扱いもガロに変わるとのことで、特別価格になりました。

ということで、年内限りとのことですが輸入元の在庫がなくなればもっと早く終了する可能性もあります、というか多分そうなるでしょうから早めに買い込んでおいた方が良さそうです。

以前は「オーパス・ワンの隣の畑」を売りにしていたフランシスカンですが、最新のヴィンテージでは「ナパ・カウンティ&モントレー・カウンティ」となっており、ナパ以外のブドウもかなり使われています。それでも価格から見て良質のカベルネ・ソーヴィニヨンであることは変わりなく、3000円前後のカリフォルニアワインの代表的存在だったと言って過言ではありません。

ブランドがガロに移ってこれからどうなるのか(ちなみに、畑はガロに売却されていないので、ナパのブドウは今後使われなくなるだろうと私は見ています)。気になるところではありますが、まずはこの価格をありがたく受け止めておくのがいいでしょう。


なお、今後他のショップでも追随した価格になっていくことが予想されます。また機会を見て報告します。
Date: 2019/1106 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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スターレーン(Star Lane)はサンタ・バーバラのサンタ・イネズ・ヴァレーで一番太平洋から遠い場所になるハッピー・キャニオンにあるワイナリーです。ピノ・ノワールやシャルドネで人気の「ディアバーグ(Dierberg)」も同じワイナリー。ボルドー系の品種はスターレーン、ブルゴーニュ系の品種はディアバーグとなっています。

ディアバーグのカベルネ・ソーヴィニヨンは5000円台のカベルネ・ソーヴィニヨンとしてはベストの一つ。カリフォルニアらしいしっかりとした果実味があり、芳醇で美味しいカベルネ・ソーヴィニヨンです。もし、飲んだことない人がいたら、これは飲んでおくべきワインです。

で、これは大定番なのですが、そのスターレーンのメルローがワッシーズに限定入荷しています。ワッシーズの独占販売で、しかも送料無料とのこと。僕もメルローは飲んでことないのですが、メルローに向くと言われている粘土質ベースの砂質土壌で育てているので、ハズレはないだろうと思います。

同梱ワイン12本まで送料無料になるので、これに他のワインを組み合わせて注文するのが良さそうです。


カベルネはこちら。


フラッグシップのアストラルも美味しいです。

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Date: 2019/1105 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマで10月23日に発生したキンケード・ファイヤーは11月1日時点での7万7758エーカー(3万1468ヘクタール)の延焼面積から変わらず、コンテイン率は80%に達し、概ね収束してきました。避難命令も解除になっています。壊れた建物は372に達しましたが、亡くなった方はおらず、けが人も4人にとどまっています。

ワイナリーではヒールズバーグのソーダ・ロック・ワイナリーがほぼ完全に焼失しましたが、唯一焼け残った納屋を使って、復活の第一歩となるテイスティングが開催されました(Soda Rock Winery in Healdsburg holds tastings despite all but one building burning down in Kincade Fire | abc7news.com)。ワイン自体は別の場所にある倉庫に保管されていたため、特に影響はなかったようです。
Soda Rock
とはいえ、今年のワインはすべて焼失してしまったでしょうから、これから大変だと思いますが、ぜひ復活してほしいものです。
Date: 2019/1103 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ワイン・アドヴォケイトで20回を超える満点のワインを作っているトーマス・リヴァース・ブラウン。先日も「トーマス・ブラウンが作るソノマの『センシーズ』が国内入荷」で紹介しましたが、このひとの凄みは、ただ濃くてインパクトのあるワインを作るだけでなく、エレガントなワインも素晴らしいものを作ること。プライベートなブランドであるリヴァース・ブラウンのワインを飲むと、むしろそっちの方が得意なのではと思うほどです。

そのトーマス・リヴァース・ブラウンがコンサルタントを務めるワイナリーの一つがラウンド・ポンド。そこのキス・アンド・キン(Kith & Kyn)というカベルネ・ソーヴィニヨンが税込みでも4000円台という安さになっています。どうしてこんなに安いのかというと、購入したブドウを使っているから。とはいえナパ・ヴァレー産ではあるし、ワイン自体も高く評価されています。

今回売られている2013年はワイン・アドヴォケイトとワイン・アンド・スピリッツ誌で90点。2016年にはワイン・スペクテーターでナパの傑出したカベルネ8選の一つにも選ばれています。現地35ドルが税込み4000円台というのはそれだけでもかなり安いです。テイスティングのコメントを読むとバランスの高さが評価されているようです。

Date: 2019/1101 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン・エンスージアストは毎年複数のトップ100リストを公表しています。その一つが「セラー・セレクション」熟成させる価値があるワインのリストです。ただ、単に熟成する価値だけで言うと、どうしても高額なカベルネ・ソーヴィニヨン系などに偏ってしまうので、価格なども考慮して選ばれています。

10位から1位は以下のワイン。
10位 Ciacci Piccolomini d'Aragona 2013 Pianrosso (Brunello di Montalcino) TUSCANY 98 Points $80
9位 Yangarra 2016 Ovitelli Grenache (McLaren Vale) SOUTH AUSTRALIA 95 Points $50
8位 Freeman 2016 Gloria Estate Pinot Noir (Green Valley) SONOMA 96 Points $68
7位 Joh. Jos. Prüm 2017 Graacher Himmelreich Auslese Riesling (Mosel) GERMANY 95 Points $32
6位 Pieropan 2016 Calvarino (Soave Classico) VENETO 96 Points $40
5位 Stony Hill 2016 Chardonnay (Spring Mountain District) NAPA 96 Points $54
4位 Cayuse 2016 God Only Knows Armada Vineyard Red (Walla Walla Valley (OR)) OREGON OTHER 98 Points $100
3位 Castello di Neive 2016 Barbaresco PIEDMONT 96 Points $40
2位 Château Pontet-Canet 2016 Pauillac BORDEAUX 100 Points $159
1位 Sandeman 2017 Quinta do Seixo (Port) PORTUGAL 100 Points $70

カリフォルニアでは5位に昔から熟成系のシャルドネとして知られているストーニー・ヒルのシャルドンが入り、その次がフリーマンの「グロリア」ピノ・ノワール2016です。ロシアン・リバー・ヴァレーの自社畑で、スワンやカレラなどの「ヘリテージ」系クローンを使っています。

このワインを含めてフリーマンのワインの記事は「ソノマのエレガンス、フリーマンのワインを堪能」をご覧ください。

熟成したフリーマンのワインはまだ飲んだことないですが、飲んでみたいですね。

それで一つ思い出したのは、フリーマンのアキコさんと同じく、エド・カーツマン(オーガスト・ウエスト、サンドラーのワインメーカー)にワイン造りを教わった桃井さん(アーサー・セラーズ)がおっしゃっていた「僕らはエドから、熟成して美味しいワインの作り方しか教わってないんですよ」という言葉。図らずもそれが証明された形ですね。おめでとうございます。




最後にキンケード・ファイヤーの状況ですが、コンテイン率が60%とかなり上がり、延焼面積もほとんど変わっていません。また吹くと言われていた強風が幸いなことにそれほど吹かず、ようやく収束が見えてきた感じです。多くの地域で停電も解消し、避難命令も解除されました。