楽天市場で南オーストラリア州政府が2割引のクーポンを出しています。
クーポンはこちら
対象はワインでなくてもいい(マグロとかもあります)のですが、ワイン好きならこれを逃す手はありません。
ただし、注意点がいくつかあります。
まず、最大の注意点はクーポンの使用が合計200回までということ。今この記事を書いている時点で開始から
3日ほど経っていますが、残り86回と半分を切っています。この週末で使い切られる可能性が高いです。
次に、割引は最大5アイテムまで、1回の購入では3アイテムまでということ。一度に4アイテム以上買ったときは3つだけが対象になります。
また、すべてのショップが対象ではないので、割引対象のワインかどうかを確認する必要があります。
赤ワインの対象ワイン
白ワインの対象ワイン
その代わり、割引の上限はないので、例えば3万円のワインを3本買って、次に2本買ったら合計3万円分がクーポンで引かれることになります。
対象ワインで一番高額なのはこちら。
このワインを購入した場合、7760円割り引かれることになります。
濃厚スタイルで人気のモーリードゥーカーも対象になっています。
自然派が好きならルーシーマルゴーは逃せないでしょう。一時期はセールはおろか、購入するのも大変な人気ワイナリーでした。
ちなみに私は以前から気になっていたショウ・アンド・スミスのシラーズなどを買ってみました。
この価格でパーカー93+という高い評価です。エレガント系のシラーズを飲んでみたかったのが選んだ理由です。
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ちなみに私は以前から気になっていたショウ・アンド・スミスのシラーズなどを買ってみました。
ナパの人気ワイナリー「ケイマス(Caymus)」のオーナーであるワグナー・ファミリー・オブ・ワインの新しいブランド「ボナンザ(Bonanza)が急成長を遂げています(With Bonanza — a.k.a ‘Baby Caymus’ — the Wagner Family Strikes Gold Again | VinePair)。
2020年に市場投入し13万1000ケースを販売したボナンザは、2023年には約3倍の36万ケースに達し、2024年もその勢いは落ちていないといいます。今や人気ブランドのダオ(Daou)やJosh Cellars(ジョッシュ・セラーズ)と並ぶほどの勢いがあります。
「ベイビー・ケイマス」というニックネームもあるボナンザですが、ケイマスとはだいぶ違っています。
まず、ブドウはローダイのカベルネ・ソーヴィニヨンを使っています。ボナンザは市場価格22ドルほどで売られており、今や90ドルになっているナパのカベルネと比べると4分の1ほどの価格です。ヴィンテージを付けず、ロット番号だけを記しています。
また、ケイマスは、芳醇なスタイルで知られており、アンチ・ケイマスの人からは「砂糖でコーティングしたような」などと言われるほどリッチな味わいが特徴ですが、ボナンザは豊かな果実味という特徴は持ちつつも、やわらかいタンニンと、ちょっと軽めのスタイルに仕上げています。ミレニアル世代とジェネレーションZ世代が求めるような「ライトな赤」とまではいきませんが、そこに少し寄り添う面もあるようです。
米国のワイン通やソムリエの間では、あまり人気のないケイマスですが、消費者が求めるものを知っているというのは、かつてのメイオミ・ピノ・ノワールの大成功(2015年にコンステレーション・ブランズに売却)からもうかがえます。
ソノマでヴェルメンティーノを初めとしたイタリア系品種のワインが急速に増えています(Vermentino Rising: Is Sonoma's New Star Grape the Next Chardonnay?)
Magnetto - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
元々カリフォルニアのワイン業界はロバート・モンダヴィなどイタリア系の移民がかなり多くいます。それでも作るワインはシャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンなどフランス系のいわゆる国際品種が主体でした。ここに来てイタリア系品種が台頭してきたことには2つ理由があります。
一つはワイン造りをするのが、第2世代に移ってきたこと。新しい世代のワインメーカーはメジャーな国際品種から、ちょっと違うものを求めるようになり、中でもルーツを持つイタリア系品種に興味を持つワインメーカーが増えたこと。
もう一つは気候変動。イタリアは地中海性気候で気温が高い地域も多く、イタリア系品種の多くは熱に強く、暑くても酸を維持する傾向が強くあります。特にヴェルメンティーノは干ばつに強いという特徴があります。カリフォルニアは2023、2024年は比較的水が豊富にありますが、その前5年間ほどは干ばつ続きで収量にも大きな影響が出ていました。今後さらに進むであろう温暖化と干ばつの時代に適応する品種としてヴェルメンティーノが選ばれているそうです。
もちろん、それだけでは積極的に選ばれる理由にはなりませんが、ヴェルメンティーノはソーヴィニヨン・ブランに似たフレッシュな酸味やかんきつの味わい、かすかな塩味があり、一方で樽を使った複雑な味わいのワインにもなります。ワインメーカーにとっては自由度が高いブドウ品種です。
ヴェルメンティーノ以外ではファランギーナやアルネイス、リボッラ・ジャッラなども増加している品種です。
ソノマはウエスト・ソノマ・コーストに代表される夏でも寒い冷涼地区と、ドライ・クリーク・ヴァレーなどの40℃を超えるような地区と、カリフォルニアの中でも最も幅広い気候を備えています。そういう意味では多くの品種が成功する可能性を秘めていると思います。ヴェルメンティーノがその一つになるのか、またその適地やスタイルがどうなっていくのか、興味深いところです。
Magnetto - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
元々カリフォルニアのワイン業界はロバート・モンダヴィなどイタリア系の移民がかなり多くいます。それでも作るワインはシャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンなどフランス系のいわゆる国際品種が主体でした。ここに来てイタリア系品種が台頭してきたことには2つ理由があります。
一つはワイン造りをするのが、第2世代に移ってきたこと。新しい世代のワインメーカーはメジャーな国際品種から、ちょっと違うものを求めるようになり、中でもルーツを持つイタリア系品種に興味を持つワインメーカーが増えたこと。
もう一つは気候変動。イタリアは地中海性気候で気温が高い地域も多く、イタリア系品種の多くは熱に強く、暑くても酸を維持する傾向が強くあります。特にヴェルメンティーノは干ばつに強いという特徴があります。カリフォルニアは2023、2024年は比較的水が豊富にありますが、その前5年間ほどは干ばつ続きで収量にも大きな影響が出ていました。今後さらに進むであろう温暖化と干ばつの時代に適応する品種としてヴェルメンティーノが選ばれているそうです。
もちろん、それだけでは積極的に選ばれる理由にはなりませんが、ヴェルメンティーノはソーヴィニヨン・ブランに似たフレッシュな酸味やかんきつの味わい、かすかな塩味があり、一方で樽を使った複雑な味わいのワインにもなります。ワインメーカーにとっては自由度が高いブドウ品種です。
ヴェルメンティーノ以外ではファランギーナやアルネイス、リボッラ・ジャッラなども増加している品種です。
ソノマはウエスト・ソノマ・コーストに代表される夏でも寒い冷涼地区と、ドライ・クリーク・ヴァレーなどの40℃を超えるような地区と、カリフォルニアの中でも最も幅広い気候を備えています。そういう意味では多くの品種が成功する可能性を秘めていると思います。ヴェルメンティーノがその一つになるのか、またその適地やスタイルがどうなっていくのか、興味深いところです。
オレゴンのウィラメット・ヴァレー・ヴィンヤーズがレヴィーノ(Revino)社の再利用可能ワインボトルを採用すると発表しました。このボトルを使うのは2023年のWhole Cluster Pinot Noirで生産本数は1400ケース。ワイナリーのテイスティング・ルームで販売されます。
レヴィーノの再利用可能ワインボトルは、ワイナリーやレヴィーノの回収所にボトルを持ち込むことで再利用されます。通常はガラスのリサイクルは一回ガラスを溶かしてから別の形に作り直しますが、レヴィーノのボトルは洗浄するだけでまたワインボトルとして利用されます。25回から50回まで再利用でき、その後は通常のガラスと同様のリサイクルが可能です。環境への負荷は従来のリサイクルよりもはるかに小さなものになります。
オレゴンやカリフォルニアなどでは消費者がボトルをリサイクルするとお金が戻ってくる仕組みがありますが(カリフォルニア、新しいボトルリサイクリングプログラム開始)、レヴィーノのボトル回収はこのリサイクルとは別過程なので、お金は戻ってこないことになります。
レヴィーノのWebサイトによると以下のワイナリーが今年レヴィーノのボトルを採用する予定だといいます。
Adelsheim • Willamette Valley Vineyards • Cameron Winery • Bethel Heights Winery • Cramoisi Vineyard • Remy Wines • Soter (Planet Oregon) • Walter-Scott • Pierce Wines • Winter’s Hill Estate • Et Fille Wines • Hope Well Wines • Portland Wine Company • love & squalor • Brooks Wine • Quady North • Lange Estate • Troon Vineyard • Schultz Winery • Dwell Wines • LongSword Vineyard • Mt. Hood Winery • Ruby Vineyard • Sadness and Chardonnay/ Gamay • Cória Estates • Jackalope Wine Cellars • Fairsing • Winderlea • Björnson Vineyard • Bryn Mawr Vineyards • Durant Wines (+ Olive Oil Bottle Washing) • Throughline Wines
レヴィーノの再利用可能ワインボトルは、ワイナリーやレヴィーノの回収所にボトルを持ち込むことで再利用されます。通常はガラスのリサイクルは一回ガラスを溶かしてから別の形に作り直しますが、レヴィーノのボトルは洗浄するだけでまたワインボトルとして利用されます。25回から50回まで再利用でき、その後は通常のガラスと同様のリサイクルが可能です。環境への負荷は従来のリサイクルよりもはるかに小さなものになります。
オレゴンやカリフォルニアなどでは消費者がボトルをリサイクルするとお金が戻ってくる仕組みがありますが(カリフォルニア、新しいボトルリサイクリングプログラム開始)、レヴィーノのボトル回収はこのリサイクルとは別過程なので、お金は戻ってこないことになります。
レヴィーノのWebサイトによると以下のワイナリーが今年レヴィーノのボトルを採用する予定だといいます。
Adelsheim • Willamette Valley Vineyards • Cameron Winery • Bethel Heights Winery • Cramoisi Vineyard • Remy Wines • Soter (Planet Oregon) • Walter-Scott • Pierce Wines • Winter’s Hill Estate • Et Fille Wines • Hope Well Wines • Portland Wine Company • love & squalor • Brooks Wine • Quady North • Lange Estate • Troon Vineyard • Schultz Winery • Dwell Wines • LongSword Vineyard • Mt. Hood Winery • Ruby Vineyard • Sadness and Chardonnay/ Gamay • Cória Estates • Jackalope Wine Cellars • Fairsing • Winderlea • Björnson Vineyard • Bryn Mawr Vineyards • Durant Wines (+ Olive Oil Bottle Washing) • Throughline Wines
ジラードやクロ・ペガス、コセンティーノ、ヴィアンサなど数多くのブランドを抱えるヴィンテージ・ワイン・エステート(VWE)が倒産の危機に直面していることを認めました(Vintage Wine Estates at risk of collapse - Global Drinks Intel)。
VWEは上場企業なので、四半期ごとに決算資料を公開しています。最新の報告では、3月末までの3か月(VWEの会計年度第3四半期)の売上高は30%弱減少して4,570万ドルとなり、年初からの売上高は15%減の1億8,690万ドルとなっています。
同社はテコ入れのために、クロ・ベガスなどいくつかのブランドを売却する予定ですが、まだ確定した情報はありません。
同社の経営陣は、今のままだと負債の返済が滞り、破産申請せざるを得なくなる可能性があることを認めています。
2023年のカリフォルニアおよびワシントンの豊作が、余剰在庫になっている面もあります。
VWEは上場企業なので、四半期ごとに決算資料を公開しています。最新の報告では、3月末までの3か月(VWEの会計年度第3四半期)の売上高は30%弱減少して4,570万ドルとなり、年初からの売上高は15%減の1億8,690万ドルとなっています。
同社はテコ入れのために、クロ・ベガスなどいくつかのブランドを売却する予定ですが、まだ確定した情報はありません。
同社の経営陣は、今のままだと負債の返済が滞り、破産申請せざるを得なくなる可能性があることを認めています。
2023年のカリフォルニアおよびワシントンの豊作が、余剰在庫になっている面もあります。
ダックホーン(Duckhorn)が、ソノマの人気ワイナリー「ソノマ・カトラー(Sonoma-Cutrer)」を買収しました。ソノマ・カトラーはこれまで大手酒販会社ブラウン・フォーマンが所有していました。
ダックホーンの経営陣にはブラウン・フォーマンのエグゼクティブが2人入っているので、今回の買収はブランドの移管という感じなのでしょう。ブラウン・フォーマン傘下に置くより、ダックホーン傘下の方が期待できるということなのだと思います。
ソノマ・カトラーはシャルドネで有名なワイナリーで、古くはソノマ・コーストAVAの策定時に影響力を発揮したことがあるほどのワイナリーでした。近年はそれほど目立ったワイナリーではありませんが、シャルドネの人気は衰えていないようです。
このほか、ソノマのカーネロスにあるラムズ・ゲート(Ram’s Gate)はオニール・ヴィントナーズに買収されました。ラムズ・ゲートはゴールデンゲートブリッジ方面からワイン・カントリーに向かうときに、最初に現れるワイナリー。ラムはカーネロスのスペイン語の意味である羊であり、まさにカーネロスの入り口というワイナリーです。
オニール・ヴィントナーズはどちらかというと安ワインを中心としたブランドを持っていますが、そのCEOがもともとラムズ・ゲートの創設者のひとりだったことから今回の買収になったとのことです。
ダックホーンの経営陣にはブラウン・フォーマンのエグゼクティブが2人入っているので、今回の買収はブランドの移管という感じなのでしょう。ブラウン・フォーマン傘下に置くより、ダックホーン傘下の方が期待できるということなのだと思います。
ソノマ・カトラーはシャルドネで有名なワイナリーで、古くはソノマ・コーストAVAの策定時に影響力を発揮したことがあるほどのワイナリーでした。近年はそれほど目立ったワイナリーではありませんが、シャルドネの人気は衰えていないようです。
このほか、ソノマのカーネロスにあるラムズ・ゲート(Ram’s Gate)はオニール・ヴィントナーズに買収されました。ラムズ・ゲートはゴールデンゲートブリッジ方面からワイン・カントリーに向かうときに、最初に現れるワイナリー。ラムはカーネロスのスペイン語の意味である羊であり、まさにカーネロスの入り口というワイナリーです。
オニール・ヴィントナーズはどちらかというと安ワインを中心としたブランドを持っていますが、そのCEOがもともとラムズ・ゲートの創設者のひとりだったことから今回の買収になったとのことです。
「オレゴン・ワイン・ボード」と「ワシントン・ステート・ワイン・コミッション」が共同で行う「ノースウエスト・ワイン・コアリション」による「上級スペシャリスト」に合格しました。20数人(かな?)の受講生の中で2位という好成績だったのは望外でした。ちなみに、上級スペシャリストの講座をやるのが世界中で今回が2回目。日本ではもちろん初です。なお2021年に初級を受けています。
オレゴンとワシントンのワインの認定スペシャリストに合格しました!
月曜日は午前・午後とオレゴンの勉強と試飲、火曜日は午前・午後とワシントンの勉強と試飲、水曜日はテストというなかなかのハードスケジュール。テキストも180ページあり、2日で頭に入れるのは無理です。
講師はブリー・ストックMW。オーストラリアからオレゴンに移住したという方です。明快koな語り口で、説明も分かりやすく、すごくいい人でした。
講義では、午前に白ワインのフライト、午後に赤ワインのフライトが2回という試飲も行います。
最初はオレゴンの白です。
Argyle Vintage Brut 2019 Willamette Valley
Del Rio Rock Point Pinot Gris 2022 Oregon AVA
Etheric Wine Workshop Skin Contact Pinot Gris 2022 Oregon AVA
Domaine Drouhin Rose Rock 2021
Lingua Franca Estate Chardonnay 2021
Phelps Creek Chardonnay 2021 Columbia Gorge AVA
オレゴンというと従来ピノ・グリが多かったのですが、シャルドネの品質の高いクローンが導入されるようになって、急速にシャルドネが増えています。近々逆転するだろうとのことでした。個人的にはリングア・フランカのシャルドネ(AVAはエオラ・アミティ・ヒルズ)が素晴らしかったです。ハーブやスパイス感があり、かんきつ系の味わいと酸がキリっと芯を作ります。複雑で余韻も長い。
ピノグリではオレンジワインの方法で作られるスキン・コンタクトのピノグリが面白かった。ビオディナミを実践している生産者で、ワイン造りもナチュラル系。独特の風味が苦手という人もいましたが、ナチュラル系をあまり飲まない私も、これは許容範囲でした。ピノグリはピノ・ノワールからの変異種なので皮に赤系の色素があります。そのため普通のオレンジワインのような色ではなくロゼのようになります。赤果実の味わいに、ホールクラスター的なスパイスのニュアンス。タンニンによるグリップ感もあります。
赤の最初のフライトはピノ・ノワール。
Ponzi Laurelwood PN 2021 Laurelwood
Beaux Freres 2021 Ribbon Ridge
Domaine Drouhin 2021 Dundee Hills
Soter Vineyards Mineral Springs Ranch Pinot Noir 2021 Yamhill Carlton
Lingua Franca Estate Pinot Noir 2021
Cristom Eileen Vineyard Pinot Noir 2021
Ponziはやや黒系果実の味わいがあり、タンニンも比較的強いスタイル。ボー・フレールは一番エレガントな作り。ドルーアンはチェリー・コークのスパイス感に高い酸でエレガント。ソーターはパワフルで樽も強く凝縮感があるスタイル。リングア・フランカは紅茶の風味が特徴的。酸高くなめらかな味わい。クリストムはうまみがあり凝縮感も。
6つともそれぞれ良いのですが、なかなか甲乙をつけるのは難しいです。オレゴンのワインはこのあたりが難しい。もっと「変」なワインが出てくると面白いのになあなどと、傍観者としては思ってしまいます。
赤の二つ目は南オレゴン中心のフライト。
Del Rio Rock Point Pinot Noir 2022 Oregon AVA
Grachau Cellars Gamay Noir 2018 Willamette Valley
Abacela Barrel Select Tempranillo 2020 Umpqua Valley
Troon Vineyard Syrah 2021 Applegate Valley
Jackalope Wine Cellars Cabernet Franc 2021 Applegate Valley
テンプラニーリョとか植わっているの知らなかったです。シラーが結構好きでした。シナモン、スパイス、胡椒、干し肉、酸高く、青い果実もあります。
ブリー・ストックMWはガメイノワールが伸びてくると予想していました。赤い果実の風味に酸の高さ、フレッシュ感など、ピノ・ノワールに近い魅力はありますが、複雑さにはやや欠けたように思います。まだ真価はつかみかねています。
二日目はワシントンの白からです。
Eroica Riesling 2022 Ancient Lakes AVA
Nine Hats Riesling 2022 Columbia Valey AVA
Airfield Estate Sauvignon Blanc 2022 Yakima Valley AVA
L'Ecole No.41 Luminesce 2022(Semillon/Sauvignon Blanc) Walla Walla AVA
Devona Chardonnay 2020 (Columbia Valley AVA & Columbia gorge AVA)
リースリングが2つに、ソーヴィニヨン・ブランが2つ、それにシャルドネです。ちなみに白の生産量ではシャルドネが一番多く、次が僅差でリースリング。ソーヴィニヨン・ブランはその4分の1くらいです。
リースリングは二つとも残糖があるタイプ。エロイカはワシントン州最大手のシャトー・サン・ミシェルがドイツ・モーゼルのドクター・ローゼンと共同でやっているワインでモーゼルのスタイルのリースリングを作っています。そういう意味では安心して選べるワインですが、逆にわざわざこのワインを選ぶ理由があるかというところは課題かもしれません。Nine Hatsの方は残糖少な目でジンジャーのようなスパイス感がちょっと面白い。ブリー・ストックMWは「マルガリータのよう」と言っていました。
L'Ecole No.41のソーヴィニヨン・ブランはボルドー的なスタイル。樽のニュアンスが少しあり、クリーミーなテクスチャーとハーブやストーンフルーツの風味が高級感を出しています。
赤の最初のフライトはシラーなど。
Syncline Gamay Noir 2021 Columbia Gorge
Rocky Pond Clos CheValle Syrah 2020 Lake Chelan
Hedges Descendants Liegeois Dupont Syrah 2018 Red Mountain
K Vintners The Deal Sundance Vineyard 2020 Wahluku Slope
Kobayashi Cabernet Franc 2021 Yakima Valley
Dunham Trutina Red Bland 2020 Columbia Valley
Synclineのガメイはオレゴンのものより個人的には高評価。イチゴミルクにフランボワーズ、ホワイトペッパー、酸豊かで少しタンニンも感じます。美味しい、
ワシントンのシラーは基本的に好きなのですが、今回はあまり響くものがなかったです。三つの中では温暖なレッド・マウンテンで作るHedgesが良かった。K Vintnersは好きなワイナリーですが、今回のワインは全房発酵による茎の要素が前面に出ていて味わいに落ち着きがなかった。もう少し熟成するといい感じになるかもしれません。
Kobayashiのカベルネ・フランは日本のミズナラの新樽を使った珍しいワイン。ブリー・ストックMWによると、この樽からは甘さやバニラがほとんど出てこず、うまみ系の味わいやサンダルウッドの風味があるそうです。私の印象は、酸やや高くタニック。クランベリー。悪くないですが、現状ではタンニンに果実味が負けている感じ。もう少し熟成してタンニンが落ち着くと良くなるのかどうか。個性的な味わいなので評価は難しいです。
最後はワシントンのボルドー系品種のフライト。
Ste Michelle Canoe Ridge Estate Merlot 2019 Horse Heaven Hills
Seven Hills Vineyard Merlot 2020 Walla Walla Valley
Pomum Cabernet Sauvignon 2021 Rattlesnake Hills
DeLille Four Flags Cabernet Sauvignon 2021 Red Mountain
Woodward Canyon Artist Series Cabernet 2021 Columbia Valley
Matthews Cabernet Sauvognon 2021 Royal Slope
ブリー・ストックMWによるとワシントンの生育環境はメルローに合っているとのこと。スロープや風が小粒のブドウを作り、ワインにストラクチャーが生じます。普通はカベルネ・ソーヴィニヨンがストラクチャーが強く、メルローはやわらかな味わいを出しますが、ワシントンの場合はメルローのストラクチャーを和らげるためにカベルネ・ソーヴィニヨンがブレンドされるとか。
このフライトの5つのワインの中で個人的ベストは「Ste Michelle Canoe Ridge Estate Merlot 2019」。パワフルで密度高く、しなやかなタンニンがあります。果実味は赤から青。杉やミントの風味もあります。とてもいい。
Seven Hillsのメルローもタンニン強いですが、きれいで美味しい。
最後のマシューズは、ワシントンで最も評価が高いカベルネ・ソーヴィニヨンを作ってきたQuilceda Creekのチームが移籍して作っているワイナリーで、注目されています。今回のワインはややタニックですが、バランスよく美味しいです。ただ、個人的には今飲むならPomumかDeLilleを選びます。
メルローの良さに感激していたのですが、あとから3年前の初級編のときの記事を読んだら、同じことを書いていて成長していなさにがっくりきました。
三日目は選択式のテストと6種のワインのテイスティング(コメントを書いて品種とその判断理由も記します)。火曜日家に帰ってからかなり勉強したのですが、テストはあまりしっかり覚えていなかった歴史の問題が結構出て、だいぶ苦戦しました。テイスティングは白はあまり迷わなかった(2番は残糖と花の香りからリースリング、1番は最初はピノグリと少し迷ったのですが、キリっとした酸と後からバニラの風味が出てきたのでシャルドネ、おそらくエオラ・アミティ・ヒルズと判断。3番は酸の柔らかさなどからピノグリ)のですが、赤は結構迷いました。
1番は最初は赤果実にキャンディも感じたような気がしてガメイかと思ったのですが、時間が経つにつれて杉やカシスが出てきて、タンニンも強く感じるようになりました。ボルドー系品種までしぼって、メルローかカベルネかかなり迷ったのですが、リーンな味わいからカベルネを選択(答えはメルローでした)。
2番は紫系の色とスパイスの風味、青系果実からシラーと判断。
3番は赤系果実で色も薄くピノ・ノワールかと思いましたが、ピノ・ノワールにしては酸が高くなく、色も薄めとはいえ、ピノにしてはガーネット感があり、ガメイもワンチャンありそう。だいぶ迷った結果、キャンディ感が出てこなかったのでピノ・ノワールにしました(正解)。
結局メルロー以外は正解と、実力以上の結果で、おかげで2位になれたようです。ちなみに1位になったワッシーズの青木さんは赤の2番だけ間違えたとのことでした。
これからはカリフォルニアだけでなく、オレゴン・ワシントンも教えられるようにならないとですね。
ワインに関連した二酸化炭素の排出で、最も問題が大きいのはガラスボトルです。製造のために多くの熱が必要になるほか、ボトル1本で1㎏近くにもなるため、輸送に伴う排出量も大きくなります。
そのため、より軽く、二酸化炭素の排出が少ないボトルを多くのワイナリーが探していますが、ボニー・ドゥーンは2024年5月から紙製のボトルを使ったワインを発売しています。その名も「Carbon…Nay!」と二酸化炭素排出が少ないことをアピールしています。
紙製のパッケージングというとボックスワインと呼ばれている箱型のものをイメージすると思いますが、今回の「Frutalpac」を使ったものは従来のワインボトルと同じ形をしています。
紙の内側はPETボトルで、どちらもリサイクルできるのも特徴です。
ちなみに4年前に記事で書いたものと基本的には同じだと思います。
紙製のワイン・ボトルが登場、メリットとデメリットは?
また、新たに開発された容器として8角形のボトルがあります。
ボトルと二酸化炭素排出との関係でいうと、重量が大事であることは言うまでもないですが、このボトルを開発したNeotempo社のCEOは「形とサイズも同じくらい重要だ」といいます。
このボトルを使うと、一つのパレットに従来56ケース入るところに80ケース収納できるといいます。運送コストは39%減るとのことで、これはかなりの削減になります。
そのため、より軽く、二酸化炭素の排出が少ないボトルを多くのワイナリーが探していますが、ボニー・ドゥーンは2024年5月から紙製のボトルを使ったワインを発売しています。その名も「Carbon…Nay!」と二酸化炭素排出が少ないことをアピールしています。
紙製のパッケージングというとボックスワインと呼ばれている箱型のものをイメージすると思いますが、今回の「Frutalpac」を使ったものは従来のワインボトルと同じ形をしています。
紙の内側はPETボトルで、どちらもリサイクルできるのも特徴です。
ちなみに4年前に記事で書いたものと基本的には同じだと思います。
紙製のワイン・ボトルが登場、メリットとデメリットは?
また、新たに開発された容器として8角形のボトルがあります。
ボトルと二酸化炭素排出との関係でいうと、重量が大事であることは言うまでもないですが、このボトルを開発したNeotempo社のCEOは「形とサイズも同じくらい重要だ」といいます。
このボトルを使うと、一つのパレットに従来56ケース入るところに80ケース収納できるといいます。運送コストは39%減るとのことで、これはかなりの削減になります。
10数年ぶりにお会いする方々ばかりというワイン会に参加してきました。その名も「爺爺ワイン会」。ほとんどが還暦前後という集まりです。
「爺爺」は実は「ZZ」にかけています。20年ほど前、「CWFC(カリフォルニアワインのファンクラブ)」が活発に活動し、サブユニットではないですがその仲間内でのワイン会も頻繁に行われていました。なかでも「zouk」さんが主宰する通称「Z会」はサンタ・リタ・ヒルズのAVA認定や映画「Sideways」などで注目されつつあった新しいワインを勉強する場として一種あこがれのような場所でした。今回はそのzoukさんも参加され、古の「Z会」を彷彿とさせるタイトルが付けられたわけです。
ということで、10数年前の「地引網」会など年寄りならではの昔話に花が咲いたわけですが、ワインも素晴らしいものでした。お店は吉祥寺の「ボナペティ」。ワインファンには有名な店ですが、ここに来るのも20年ぶりくらいです。
最初のワインはブリュワー・クリフトンのシャルドネ「Marcella’s」1999。最初のワインはブリュワー・クリフトンのシャルドネ「Marcella’s」1999。写真でもわかるように、熟成によってかなり色濃く、濃い黄金色になっています。味わいもキャラメルやナッツなど熟成による複雑さが前面に出ています。Marcella’sという畑は、今はフェス・パーカーが使っているようです。ブリュワー・クリフトンはごく一時期作っていたらしいですが、私は初めて飲んだと思います。裏ラベルには840本製造とありました。樽3つというところですね。ちなみにアルコール度数は驚きの16.5%。ただ、飲んでいてそこまでアルコール度数が高いとは思いませんでした。
2本目はシー・スモークのシャルドネ2004。先日、コンステレーション・ブランズが買収したことで話題になったシー・スモークですが、2004年というとちょうどブームの真っただ中だったころのワインです。マグナムボトル。7人でマグナムはかなりたっぷり飲めます。これはこの日のワインの中で個人的にはベスト。ハーブやナッツ、果実味もまだあります。柔らかな酸。甘美な味わい。とろけます。100%新樽を使っているそうですが、樽感は完全に溶け込んでいます。やっぱりマグナムだとゆっくり熟成するのでしょう。最初のワインと比べてヴィンテージも5年若いですが、ワインの若さはもっとでした。
3本目は同じくシー・スモークのピノ・ノワールSouthing 2004。シー・スモークのピノ・ノワールは3種類(現在は2種類)ありますが、Southingは真ん中の扱い。個人的にはフラッグシップの「Ten」はちょっと濃すぎるのでSouthingのバランス感が好きでした。これもマグナムボトル。
マグナムボトルのためか、果実味がまだまだしっかりしています。ザクロやブルーベリー、完熟した果実の味わいがあります。逆に言うとあまり熟成感は出てきていません。ピノの飲み頃は難しいですね。
次はボトルの写真を撮り忘れていました。ブリュワー・クリフトンのピノ・ノワールJulia’s1999。マッシュルーム、フランボワーズ、薄旨系で酸がきれい。果実とのバランスがいいです。シー・スモークと比べてかなりエレガント。ピノ・ノワールはこちらが好みでした。
残りはナパのカベルネ・ソーヴィニヨンが2本。どちらもナパヴァレーの有名ワインで、どちらも1960年代のもの。
1969年のハイツ、マーサズ・ヴィンヤード。元祖カルトワインと言ってもいい超有名ワイン。マーサズといえばミントの味わいなわけですが、まだちゃんとミントいました。エレガントな赤果実の味わいもあり、きれいに熟成しています。これも素晴らしい。
カベルネの2本目はBVことボーリュー・ヴィンヤードのカベルネソーヴィニヨン1968です。カリフォルニアワインの歴史を学ぶと必ず名前が出てくるアンドレ・チェリチェフがワインメーカーだった時代のワイン。
こちらはちょっと熟成のピークを越えてしまっていました。酢酸がだいぶ出ています。
この後最後にデザートワインも飲んでいますが、もうだいぶ酔っぱらってメモがありません。マグナムで飲みすぎました。
懐かしく、素晴らしいワインを懐かしい人々と飲んで楽しい時間でした。
最後にボナペティさんの料理の写真を挙げておきます。
ワイン蔵Tokyoの試飲会から残りのワイナリーを紹介します。
ソノマのカーネロスにあるドナム(Donum)はカーネロスのソノマ側を代表するワイナリー。以前、輸入されていた時期もありましたが、しばらく見ておらず、久々の復活です。
ドナムは2001年にドイツ出身のアン・モラー・ラッケが設立したワイナリーで2006年にPinot Reportのライジングスターに選ばれるなど、カーネロスのソノマ側の代表的ワイナリーになりました。ワイナリーや畑には様々なアート作品が展示してあることでも知られています。
ドナムではピノ・ノワールを17種、シャルドネを6種も作っていますが、今回輸入されるのはワイナリーの一番メインのワインであるカーネロスの自社畑のシャルドネ2021(14500円)とピノ・ノワール(17000円)です。いずれも有機栽培で土着酵母を使用。樽は吟味を重ねたものを使っています。
シャルドネは上品な樽感があります。酸が高くかんきつ系の香りがありますが味わってみるとトロピカルフルーツのフレーバーもあり複雑で高級感のあるシャルドネです。
ピノ・ノワールは柔らかな酸味で、熟度の高い赤果実と少し黒果実も感じます。軽くトーストの香り、土っぽさもあります。これも複雑でいいワイン。
最後はダオ(Daou)。レバノンからの移民のダオ兄弟がパソ・ロブレスで作るワイン。パソ・ロブレスの中では比較的海に近く標高の高いアデレード・ヒルズに畑を作り、今やパソ・ロブレスのトップワイナリーとして、特にカベルネ・ソーヴィニヨンが高く評価されています。中でもフラッグシップの「ソウル・オブ・ア・ライオン(Soul of a Lion)」は数年前に初めて試飲したときにその美味しさとシルキーなテクスチャーに驚いたワインです。
写真の左から紹介します。
ソーヴィニヨン・ブラン2022(4200円)は、明るく華やかなワイン。ステンレスタンクタイプのすっきりとした味わいで、グレープフルーツにハーブのニュアンスが加わります。
シャルドネ2022(4360円)は果実味が爆発するような味わい。軽い樽の風味が全体を引き締めます。これはこの価格帯のシャルドネとしては素晴らしいと思います。
次はリザーブのシャルドネ2021(7500円)。レギュラーのシャルドネと比べ、樽の風味がしっかりと感じられます。クラシックなスタイルのシャルドネ。
次はレギュラータイプのカベルネ・ソーヴィニヨン2021(5750円)。
甘やかな果実味が印象的ですが、酸もしっかりあってエレガントさも感じられます。ハーブやスパイスの風味もありこの価格帯としては複雑さのあるカベルネ・ソーヴィニヨン。とてもいいです。
リザーブのカベルネ・ソーヴィニヨン2021(1万円)は、レギュラータイプよりもパワフルなワイン。チョコレートのようなリッチで濃密な味わい。高級感があります。
最後は2020年のソウル・オブ・ア・ライオン(2万8000円)。前述のフラッグシップのカベルネです。2020年は10周年記念で例年とラベルの色が異なっています。
リッチで複雑なカベルネ・ソーヴィニヨンで、エレガントさと少し甘やかさもあります。いいワインですが、個人的な意見としては例年のソウル・オブ・ア・ライオンと比べるとちょっと魅力が弱い気がします。
以上、3回にわけて報告しましたが、個人的には特に最初に紹介したSLOコーストの白ワイン専業「カドレ」が面白かったです。
ソノマのカーネロスにあるドナム(Donum)はカーネロスのソノマ側を代表するワイナリー。以前、輸入されていた時期もありましたが、しばらく見ておらず、久々の復活です。
ドナムは2001年にドイツ出身のアン・モラー・ラッケが設立したワイナリーで2006年にPinot Reportのライジングスターに選ばれるなど、カーネロスのソノマ側の代表的ワイナリーになりました。ワイナリーや畑には様々なアート作品が展示してあることでも知られています。
ドナムではピノ・ノワールを17種、シャルドネを6種も作っていますが、今回輸入されるのはワイナリーの一番メインのワインであるカーネロスの自社畑のシャルドネ2021(14500円)とピノ・ノワール(17000円)です。いずれも有機栽培で土着酵母を使用。樽は吟味を重ねたものを使っています。
シャルドネは上品な樽感があります。酸が高くかんきつ系の香りがありますが味わってみるとトロピカルフルーツのフレーバーもあり複雑で高級感のあるシャルドネです。
ピノ・ノワールは柔らかな酸味で、熟度の高い赤果実と少し黒果実も感じます。軽くトーストの香り、土っぽさもあります。これも複雑でいいワイン。
最後はダオ(Daou)。レバノンからの移民のダオ兄弟がパソ・ロブレスで作るワイン。パソ・ロブレスの中では比較的海に近く標高の高いアデレード・ヒルズに畑を作り、今やパソ・ロブレスのトップワイナリーとして、特にカベルネ・ソーヴィニヨンが高く評価されています。中でもフラッグシップの「ソウル・オブ・ア・ライオン(Soul of a Lion)」は数年前に初めて試飲したときにその美味しさとシルキーなテクスチャーに驚いたワインです。
写真の左から紹介します。
ソーヴィニヨン・ブラン2022(4200円)は、明るく華やかなワイン。ステンレスタンクタイプのすっきりとした味わいで、グレープフルーツにハーブのニュアンスが加わります。
シャルドネ2022(4360円)は果実味が爆発するような味わい。軽い樽の風味が全体を引き締めます。これはこの価格帯のシャルドネとしては素晴らしいと思います。
次はリザーブのシャルドネ2021(7500円)。レギュラーのシャルドネと比べ、樽の風味がしっかりと感じられます。クラシックなスタイルのシャルドネ。
次はレギュラータイプのカベルネ・ソーヴィニヨン2021(5750円)。
甘やかな果実味が印象的ですが、酸もしっかりあってエレガントさも感じられます。ハーブやスパイスの風味もありこの価格帯としては複雑さのあるカベルネ・ソーヴィニヨン。とてもいいです。
リザーブのカベルネ・ソーヴィニヨン2021(1万円)は、レギュラータイプよりもパワフルなワイン。チョコレートのようなリッチで濃密な味わい。高級感があります。
最後は2020年のソウル・オブ・ア・ライオン(2万8000円)。前述のフラッグシップのカベルネです。2020年は10周年記念で例年とラベルの色が異なっています。
リッチで複雑なカベルネ・ソーヴィニヨンで、エレガントさと少し甘やかさもあります。いいワインですが、個人的な意見としては例年のソウル・オブ・ア・ライオンと比べるとちょっと魅力が弱い気がします。
以上、3回にわけて報告しましたが、個人的には特に最初に紹介したSLOコーストの白ワイン専業「カドレ」が面白かったです。
大手ワイン会社のコンステレーション・ブランズが、サンタ・リタ・ヒルズの人気ワイナリー「シー・スモーク(Sea Smoke)」を買収しました。
シー・スモークはハンドヘルドのポーカーゲーム機などで財をなしたボブ・デイビッズが1998年に創設したワイナリー。
2003年のピノ・ノワール「Ten」がWine Advocate誌で96点を取り、メルヴィルやブリュワー・クリフトンなどと並んで、サンタ・リタ・ヒルズのピノ・ノワールのトップクラスに躍り出ました。映画「Sideways」によるサンタ・バーバラとピノ・ノワールの人気にも乗り、入手困難銘柄になりました。ワインメーカーのクリス・キュランは2003年にワイン・スペクテーターの記事で単独で取り上げられ、2005年にはSFクロニクルのワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、シー・スモークの顔として人気が高まりました。
2008年にクリス・キュランがやめてから、人気は沈静化した気がします。当時のシー・スモークは濃厚なスタイルでしたが、2010年代にはニュー・カリフォルニアのムーブメントで濃厚スタイルのピノが時代遅れな印象になっていったこともあり、話題の上ることも減りました。ちなみにクリス・キュランはその後、夫とダルフォンソ・キュランというワイナリーをやっています。
とはいえ、ヴィナスで2018年のピノ・ノワール「テン」が95点を取るなど、近年のワインも再び高評価を得ています。
コンステレーションは256エーカーの畑やワイナリー、在庫やブランドなどを購入しました。買収価格は公開されていません。
コンステレーションは近年はプレミアム指向を強めており、ナパのシュレーダー・セラーズなどのウルトラプレミアムなワイナリーも傘下に収めています。これまで、サンタ・バーバラは比較的大手ワイナリーの進出が少ない感じがありましたが、それも変わっていきそうです。
シー・スモークはハンドヘルドのポーカーゲーム機などで財をなしたボブ・デイビッズが1998年に創設したワイナリー。
2003年のピノ・ノワール「Ten」がWine Advocate誌で96点を取り、メルヴィルやブリュワー・クリフトンなどと並んで、サンタ・リタ・ヒルズのピノ・ノワールのトップクラスに躍り出ました。映画「Sideways」によるサンタ・バーバラとピノ・ノワールの人気にも乗り、入手困難銘柄になりました。ワインメーカーのクリス・キュランは2003年にワイン・スペクテーターの記事で単独で取り上げられ、2005年にはSFクロニクルのワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、シー・スモークの顔として人気が高まりました。
2008年にクリス・キュランがやめてから、人気は沈静化した気がします。当時のシー・スモークは濃厚なスタイルでしたが、2010年代にはニュー・カリフォルニアのムーブメントで濃厚スタイルのピノが時代遅れな印象になっていったこともあり、話題の上ることも減りました。ちなみにクリス・キュランはその後、夫とダルフォンソ・キュランというワイナリーをやっています。
とはいえ、ヴィナスで2018年のピノ・ノワール「テン」が95点を取るなど、近年のワインも再び高評価を得ています。
コンステレーションは256エーカーの畑やワイナリー、在庫やブランドなどを購入しました。買収価格は公開されていません。
コンステレーションは近年はプレミアム指向を強めており、ナパのシュレーダー・セラーズなどのウルトラプレミアムなワイナリーも傘下に収めています。これまで、サンタ・バーバラは比較的大手ワイナリーの進出が少ない感じがありましたが、それも変わっていきそうです。
ワイン蔵Tokyoが新たに輸入を始めたワイナリーの紹介を続けます(インポーター名はナニワ商会)。
エーカー・ワインズ(Acre Wines)は創設者のデイブ・ベッカーが2002年に1エーカーのブドウ畑を作ったことで始まりました。名前の由来もこの1エーカーの畑です。
現在のオーナーのヘンリー夫妻は2017年にワイナリーを購入、ベテランワインメーカーのリチャード・ブルーノとナパヴァレーの様々な地域のブドウからワインを作っています。ワインはどれも数百ケースと少量生産です。
ボトルにエッチングされたブドウの葉の柄が印章的です。
右のソーヴィニヨン・ブラン2022(希望小売価格6250円)から紹介します。
ヨントヴィルのモーゲン・リー(Morgaen Lee)というヴァレー・フロアの畑のブドウを使っています。この畑は有機栽培の認証を得ています。ソーヴィニヨン・ブラン95%にセミヨン5%。ステンレスタンクで発酵、6カ月シュールリーで熟成しています。
とてもコクのあるソーヴィニヨン・ブラン。マイヤーレモン、熟したライム、ハーブやスパイスの風味。酸がきれいに広がります。今飲んでも美味しいですが、数年熟成させるとさらに魅力が広がりそうなワインです。
次はメルロー2019(希望小売価格8400円)。
カリストガのカフェラータ(Cafferata)というサスティナブル農法の畑のメルローを100%使っています。フレンチオークの新樽70%、旧樽30%で20カ月熟成。
ソフトでほんのり甘やかなメルローです。甘草やシナモンを使ったフルーツケーキのような味わい。美味しいです。
次はジンファンデル2019(希望小売価格6850円)。
オークヴィルのリンカーン・クリーク(Lincoln Creek)という畑のジンファンデルを100%使っています。ヨントヴィル・ヒルズと呼ばれるヨントヴィルとオークヴィルの間にある丘の北側で、ト・カロン南端のオーパス・ワンのブロックからほど近いところにある畑です。
ジューシーでフルボディ、甘やかさのあるジンファンデル。スパイスやタンニンがストラクチャーを与えています。
最後はカベルネ・ソーヴィニヨン2019(希望小売価格12600円)。
ヨントヴィルのミル・レース(Mill Race)という畑のカベルネ・ソーヴィニヨンを100%使っています。畑は上述のヨントヴィル・ヒルズの東側。ナパ・リヴァーの脇にあるヴァレーフロアの畑で、ヨントヴィルの名前の元になっているジョージ・ヨントが180年前に作った畑の一つだそうです。有機栽培の認証を得ています。「セガン・モロー」という有名樽メーカーのフレンチオークの新樽70%、旧樽30%で3年近く熟成してからボトル詰めしています。
ナパのカベルネ・ソーヴィニヨンとしては比較的青さを感じます。カシスにセージ、杉。複雑でエレガントなカベルネ・ソーヴィニヨンです。ボルドースタイルのカベルネ・ソーヴィニヨンが好きな方にお薦めです。
ワインは
エーカー / ACRE【新入荷】
から購入できます。
エーカー・ワインズ(Acre Wines)は創設者のデイブ・ベッカーが2002年に1エーカーのブドウ畑を作ったことで始まりました。名前の由来もこの1エーカーの畑です。
現在のオーナーのヘンリー夫妻は2017年にワイナリーを購入、ベテランワインメーカーのリチャード・ブルーノとナパヴァレーの様々な地域のブドウからワインを作っています。ワインはどれも数百ケースと少量生産です。
ボトルにエッチングされたブドウの葉の柄が印章的です。
右のソーヴィニヨン・ブラン2022(希望小売価格6250円)から紹介します。
ヨントヴィルのモーゲン・リー(Morgaen Lee)というヴァレー・フロアの畑のブドウを使っています。この畑は有機栽培の認証を得ています。ソーヴィニヨン・ブラン95%にセミヨン5%。ステンレスタンクで発酵、6カ月シュールリーで熟成しています。
とてもコクのあるソーヴィニヨン・ブラン。マイヤーレモン、熟したライム、ハーブやスパイスの風味。酸がきれいに広がります。今飲んでも美味しいですが、数年熟成させるとさらに魅力が広がりそうなワインです。
次はメルロー2019(希望小売価格8400円)。
カリストガのカフェラータ(Cafferata)というサスティナブル農法の畑のメルローを100%使っています。フレンチオークの新樽70%、旧樽30%で20カ月熟成。
ソフトでほんのり甘やかなメルローです。甘草やシナモンを使ったフルーツケーキのような味わい。美味しいです。
次はジンファンデル2019(希望小売価格6850円)。
オークヴィルのリンカーン・クリーク(Lincoln Creek)という畑のジンファンデルを100%使っています。ヨントヴィル・ヒルズと呼ばれるヨントヴィルとオークヴィルの間にある丘の北側で、ト・カロン南端のオーパス・ワンのブロックからほど近いところにある畑です。
ジューシーでフルボディ、甘やかさのあるジンファンデル。スパイスやタンニンがストラクチャーを与えています。
最後はカベルネ・ソーヴィニヨン2019(希望小売価格12600円)。
ヨントヴィルのミル・レース(Mill Race)という畑のカベルネ・ソーヴィニヨンを100%使っています。畑は上述のヨントヴィル・ヒルズの東側。ナパ・リヴァーの脇にあるヴァレーフロアの畑で、ヨントヴィルの名前の元になっているジョージ・ヨントが180年前に作った畑の一つだそうです。有機栽培の認証を得ています。「セガン・モロー」という有名樽メーカーのフレンチオークの新樽70%、旧樽30%で3年近く熟成してからボトル詰めしています。
ナパのカベルネ・ソーヴィニヨンとしては比較的青さを感じます。カシスにセージ、杉。複雑でエレガントなカベルネ・ソーヴィニヨンです。ボルドースタイルのカベルネ・ソーヴィニヨンが好きな方にお薦めです。
ワインは
エーカー / ACRE【新入荷】
から購入できます。
東京・新橋にあるカリフォルニアワイン専門のワインバー「ワイン蔵Tokyo」が新たに輸入を始めたワインを試飲する機会をいただきました(インポーター名はナニワ商会)。ワイナリーごとに紹介します。
カドレ・ワインズ(Cadre Wines)はセントラル・コーストのエドナ・ヴァレーにあるワイナリー。2022年に策定されたSLOコースト(サン・ルイス・オビスポ・コースト、スロー・コースト)にも含まれています。
地図を見てわかるように、このSLOコーストは太平洋に直接面していて、海からの距離もごくわずかです。カリフォルニアで一番冷涼なAVAと言われています。
冷涼さと、やや緯度が低いことが相まって、年間を通して大きな気温変化がなく、雨も少ない地域となっています。ブドウが芽吹くのは2月頃。収穫は10月に入ってからと、極めて長い生育期間を持ちます。
カドレは2000年代半ばに設立されましたが、オーナーのジョンの祖父は1973年にエドナ・ヴァレーで最初のブドウ畑を作った人。そのパラゴン・ヴィンヤードがカドレのワインの中核をなします。作っているワインは白のみ。アルバリーニョ、グリューナー・ヴェルトリーナー、ソーヴィニヨン・ブランとそれらのブレンドのみと、冷涼系白に特化しています。この地域の中核品種であるシャルドネもピノ・ノワールも全く作っていない潔さが素晴らしいです。ワインはどれもステンレスのタンクで発酵・熟成しています。
4種類のワインを試飲しました。ラベルもおしゃれです。ワインの味わいから連想されるものが描かれています。
アルバリーニョ100%の「カドレ シー・クイーン(Cadre Sea Queen)」(希望小売価格5600円、以下同)は名前の通りの「海のワイン」。ちょっと塩っぽさを感じる味わいは、海をそのまま凝縮したかのよう。かっちりした酸があり、柑橘類や花の香りが強く感じられます。アフターにオレンジピールのようなちょっとした苦みもあります。フレッシュでとても美味しい。
ソーヴィニヨン・ブラン95%にグリューナー・ヴェルトリーナー5%の「カドレ ストーン・ブラッサム(Cadre Stone Blossom)」は、ブドウの大部分がパラゴンで1973年に植樹された一番古いブロックからのものです。冷涼感と同時に凝縮された果実の風味があるワイン。さわやかな草の香り、グレープフルーツやハーブ、パッションフルーツにちょっとトロピカルな果実味さえ感じられます。「シー・クイーン」がアルコール度数13.2%なのに対してこちらは14.2%。スケールの大きなソーヴィニヨン・ブランです。
グリューナー・ヴェルトリーナー100%の「カドレ バンド・オブ・ストーンズ(Cadre Band of Stones)」はパラゴンのほかにジャック・ランチ・ヴィンヤードという畑のグリューナーも使っています。白コショウの風味に柑橘、酸。スパイシーさが特徴です。
「カドレ ビューティフル・ストレンジャー(Cadre Beautifule Stranger)」はグリューナー・ヴェルトリーナー50%にアルバリーニョ42%、ソーヴィニヨン・ブラン8%をブレンドしたワイン。4つのワインの中では一番酸が低く、豊かな果実味とこくのある味わい、後味にグリップを感じさせる苦みがあります。
四つのワインどれもそれぞれ違っていて魅力的なワイン。冷涼系白ワインを求めている人に飲んでほしいワインです。
カドレ / CADRE【新入荷】
から購入可能です。
カドレ・ワインズ(Cadre Wines)はセントラル・コーストのエドナ・ヴァレーにあるワイナリー。2022年に策定されたSLOコースト(サン・ルイス・オビスポ・コースト、スロー・コースト)にも含まれています。
地図を見てわかるように、このSLOコーストは太平洋に直接面していて、海からの距離もごくわずかです。カリフォルニアで一番冷涼なAVAと言われています。
冷涼さと、やや緯度が低いことが相まって、年間を通して大きな気温変化がなく、雨も少ない地域となっています。ブドウが芽吹くのは2月頃。収穫は10月に入ってからと、極めて長い生育期間を持ちます。
カドレは2000年代半ばに設立されましたが、オーナーのジョンの祖父は1973年にエドナ・ヴァレーで最初のブドウ畑を作った人。そのパラゴン・ヴィンヤードがカドレのワインの中核をなします。作っているワインは白のみ。アルバリーニョ、グリューナー・ヴェルトリーナー、ソーヴィニヨン・ブランとそれらのブレンドのみと、冷涼系白に特化しています。この地域の中核品種であるシャルドネもピノ・ノワールも全く作っていない潔さが素晴らしいです。ワインはどれもステンレスのタンクで発酵・熟成しています。
4種類のワインを試飲しました。ラベルもおしゃれです。ワインの味わいから連想されるものが描かれています。
アルバリーニョ100%の「カドレ シー・クイーン(Cadre Sea Queen)」(希望小売価格5600円、以下同)は名前の通りの「海のワイン」。ちょっと塩っぽさを感じる味わいは、海をそのまま凝縮したかのよう。かっちりした酸があり、柑橘類や花の香りが強く感じられます。アフターにオレンジピールのようなちょっとした苦みもあります。フレッシュでとても美味しい。
ソーヴィニヨン・ブラン95%にグリューナー・ヴェルトリーナー5%の「カドレ ストーン・ブラッサム(Cadre Stone Blossom)」は、ブドウの大部分がパラゴンで1973年に植樹された一番古いブロックからのものです。冷涼感と同時に凝縮された果実の風味があるワイン。さわやかな草の香り、グレープフルーツやハーブ、パッションフルーツにちょっとトロピカルな果実味さえ感じられます。「シー・クイーン」がアルコール度数13.2%なのに対してこちらは14.2%。スケールの大きなソーヴィニヨン・ブランです。
グリューナー・ヴェルトリーナー100%の「カドレ バンド・オブ・ストーンズ(Cadre Band of Stones)」はパラゴンのほかにジャック・ランチ・ヴィンヤードという畑のグリューナーも使っています。白コショウの風味に柑橘、酸。スパイシーさが特徴です。
「カドレ ビューティフル・ストレンジャー(Cadre Beautifule Stranger)」はグリューナー・ヴェルトリーナー50%にアルバリーニョ42%、ソーヴィニヨン・ブラン8%をブレンドしたワイン。4つのワインの中では一番酸が低く、豊かな果実味とこくのある味わい、後味にグリップを感じさせる苦みがあります。
四つのワインどれもそれぞれ違っていて魅力的なワイン。冷涼系白ワインを求めている人に飲んでほしいワインです。
カドレ / CADRE【新入荷】
から購入可能です。
メリーヴェール(Merryvale)をご存じでしょうか。古いファンだったら、「あの金色のラベルの」とかって覚えているかもしれません。2000年頃はナパでも高品質なワインを作っているワイナリーの一つとしてそこそこ知られているような気がします。その後しばらく輸入が絶えていましたが3年前から輸入が再開されています。ただ残念ながらまだ知名度はそこまで戻っていないかもしれません。
今回、ワインメーカーのジェフ・クロフォード氏が来日し、プロモーションを行いました。久しぶりにラインアップの様々なワインを試飲し、よりエレガントなスタイルになっていることにも気づきました。セミナーの内容を中心に紹介します。
ロバート・モンダヴィやハーラン・エステートは、多くの人がご存じでしょう。どちらもナパを代表するワイナリーですが、二つともメリーヴェールに深い縁があります。メリーヴェールのワイナリーはセント・ヘレナの一等地にありますが、禁酒法が明けてからその地にワイナリーを構えたのがサニー・セント・ヘレナというワイナリー。このワイナリーこそがモンダヴィ家が初めてナパに持ったワイナリーなのです。ロバート・モンダヴィの父親のチェザーレはイタリアから米国に移住し、ミネソタの鉱山近くで食品やワインなどを売る店をやっていました。それが禁酒法時代に、自家醸造用のブドウを調達するためにカリフォルニアのローダイに移り住み、ロバートが大学を卒業してからワイン業界に入るために手に入れたのがサニー・セント・ヘレナです。その後、チャールズ・クリュッグを買収、そこからロバートが家を追い出されて作ったのがロバート・モンダヴィですが、それは全く別の話なのでここでは割愛します。
そのサニー・セント・ヘレナのワイナリーを買い取ってメリーヴェールというワイナリーを立ち上げたのがハーラン・エステート創設者のビル・ハーランでした。1983年のことです。メリーヴェールはハーランを立ち上げるためのワインやブドウの研究といった面があり、ナパの様々な畑からブドウを買い付けてワインを作っていました。その経験がハーランに生き、またそのときにブドウを買っていた畑がボンドの礎になっています。ちなみにハーランのワインメーカーとして長年活躍したボブ・リーヴィーも1988年にメリーヴェールに参画しています。
1994にスイス出身ジャック・シュラッターがパートナーに加わり、その後単独所有となって現在に至ります。現在は娘のレネと夫のローレンスの夫妻がオーナーになっています。欧州の出身ということで、ワインの味わいもナパの中ではエレガントなタイプになります。
ジェフ・クロフォードは2007年に入社、今年「統括ワインメーカー」としてメリーヴェール傘下のブランド全体を含めてワイン造りに責任を持っています。
メリーヴェールは現在4つのブランドからなります。フラッグシップがプロファイル・コレクション(Profile Collection)。以前はメリーヴェールの中のフラッグシップワインという位置づけで金色や銀色のラベルで知られていましたが、2010年以降は独立したブランドになっています。また、ラベルもシックな黒系に。下の写真のように、オーナー夫妻の横顔がシルエットになっています。
ビル・ハーランがオーナーだったことには現在ボンドで使っている畑をプロファイルに使用していたこともありましたが、今はエステート化を進めており、ボルドー系ブレンドのプロファイルはセント・ヘレナの東斜面にあるプロファイル・エステート・ヴィンヤード、シャルドネのシルエットはカーネロスのスタンレー・ランチ・ヴィンヤードの中の専用のブロックのブドウを使っています。
メインのブランドがメリーヴェール・ヴィンヤーズ(Merryvale Vineyards)。ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、ピノ・ノワール、メルロー、カベルネ・ソーヴィニョン、デザートワイン(フォーティファイド)を作っています。これまでは契約農家のブドウがメインで、上記プロファイルの畑のブドウも使っていましたが、2019年にはマウント・ヴィーダーに二つの畑、クームズヴィルにも自社畑を購入し、自社畑中心になりつつあります。
三つめがフォワード・キッド(Forward Kidd)。ナパのブドウを使ったレッドブレンドです。畑やブレンドはヴィンテージによって異なります。ナパの土壌のバリエーションに敬意を払い、土壌タイプにちなんで付けられたワインだそうです。
四つ目はスターモント。一番リーズナブルな価格帯でエントリー・レベルを担います。買いブドウを使ったワインでノース・コーストやセントラル・コーストの畑を使っています。
試飲の最初のワインはメリーヴェールのソーヴィニヨン・ブラン2022。ナパの北東部にあるポープ・ヴァレーのブドウを使っています。ハウエル・マウンテンの東側で日中は暑くなりますが夜は冷え込みます。醸造にはコンクリート・エッグと葉巻のような横長の形をしたシガーバレル、ステンレススティールタンクの三つを使っています。コンクリートはミネラリティやフローラルさ、シガーバレルは柔らかな口当たり、ステンレススチールは酸味に貢献しているそうです。最近、ソーヴィニヨン・ブランではこのように様々な熟成容器を使う話をよく聞きます。
レモンのような鮮烈な酸とミネラル感。かりん、すいかずら、濡れた石などを感じました。
次はプロファイル・コレクションのシャルドネ「シルエット」2020。
見るからに色濃く黄金色に輝くワインです。はちみつやカスタード、ヘーゼルナッツ、マンゴーなど。熟度の高さと熟成感が特徴でした。
3本目はメリーヴェールのピノ・ノワール2018。クローン15というピノ・ノワールのクローンとSO4という台木の組み合わせがユニークなのだそうです(Block 2A)。果実の成熟と酸の両立を目指しています。スタンレー・ランチ・ヴィンヤードのほか、ブラウン・ランチ、リー・ヴィンヤード、RMSといったカーネロスの畑を使っています。
新樽率30%は最近のワインの中では高いほうですが樽がオーバーにならないことに気を遣っているとのことで、実際飲んでみるとそんなに樽が強い印象はありませんでした。6年経っているので多少熟成感も出始めていて、赤果実や黒果実に加え、紅茶や土っぽいニュアンスもあります。とはいえまだまだ果実味も豊かです。15%だけ除梗なしになっています。
4本目はメリーヴェールのカベルネ・ソーヴィニョン2017。アトラスピークのステージコーチのブドウなどを使っています。しっかり熟してタンニンもあるが酸もあり、バランス良く仕上げるという信条だそうです。
上品でややタンニン強く、甘やかな果実味、カシス、ブラックベリーを感じます。酸のバランスもいい
5本目はプロファイルの2018年。カベルネ・ソーヴィニョン82%にカベルネ・フランが17%、プティ・ヴェルド1%という構成です。よいカベルネ・ソーヴィニョンに感じることが多い黒鉛や、タンニン強い、酸M+、余韻長い、濃い果実、スパイスなどを感じます。ワイナリーでは冷やした状態で一回漬け込んだあと、主発酵、さらに発酵後にも果皮などとワインを接触した状態を続けます。80%新樽。
プロファイルの畑はボンドのQuellaの隣。様々な向きに斜面があり一つの畑の中にもさまざまなテロワールがあるそうです。
もう一つ特別に2010年のプロファイルをいただきました。2010年は100%エステートになった最初の年です。むぎわら、甘やかさ強い、タンニンもまだしっかりしています。
特にプロファイルとシルエットのすばらしさを感じました。
セミナー後はメリーヴェールやスターモントのほかのワインも試飲できました。スターモントのシャルドネやロゼ、メリーヴェールのメルローあたりがとても良かったです。
ところで、メリーヴェールといえばラベルの上部の切り欠きが特徴的です。これの意味を聞いてみたところ、メリーヴェールの「M」をかたどったというのが一つの意味。もう一つの意味は切り欠きの英語がnotchで、ラベルのトップにnotchがあるから「top notch」=一流ということだそうです。
今回、ワインメーカーのジェフ・クロフォード氏が来日し、プロモーションを行いました。久しぶりにラインアップの様々なワインを試飲し、よりエレガントなスタイルになっていることにも気づきました。セミナーの内容を中心に紹介します。
ロバート・モンダヴィやハーラン・エステートは、多くの人がご存じでしょう。どちらもナパを代表するワイナリーですが、二つともメリーヴェールに深い縁があります。メリーヴェールのワイナリーはセント・ヘレナの一等地にありますが、禁酒法が明けてからその地にワイナリーを構えたのがサニー・セント・ヘレナというワイナリー。このワイナリーこそがモンダヴィ家が初めてナパに持ったワイナリーなのです。ロバート・モンダヴィの父親のチェザーレはイタリアから米国に移住し、ミネソタの鉱山近くで食品やワインなどを売る店をやっていました。それが禁酒法時代に、自家醸造用のブドウを調達するためにカリフォルニアのローダイに移り住み、ロバートが大学を卒業してからワイン業界に入るために手に入れたのがサニー・セント・ヘレナです。その後、チャールズ・クリュッグを買収、そこからロバートが家を追い出されて作ったのがロバート・モンダヴィですが、それは全く別の話なのでここでは割愛します。
そのサニー・セント・ヘレナのワイナリーを買い取ってメリーヴェールというワイナリーを立ち上げたのがハーラン・エステート創設者のビル・ハーランでした。1983年のことです。メリーヴェールはハーランを立ち上げるためのワインやブドウの研究といった面があり、ナパの様々な畑からブドウを買い付けてワインを作っていました。その経験がハーランに生き、またそのときにブドウを買っていた畑がボンドの礎になっています。ちなみにハーランのワインメーカーとして長年活躍したボブ・リーヴィーも1988年にメリーヴェールに参画しています。
1994にスイス出身ジャック・シュラッターがパートナーに加わり、その後単独所有となって現在に至ります。現在は娘のレネと夫のローレンスの夫妻がオーナーになっています。欧州の出身ということで、ワインの味わいもナパの中ではエレガントなタイプになります。
ジェフ・クロフォードは2007年に入社、今年「統括ワインメーカー」としてメリーヴェール傘下のブランド全体を含めてワイン造りに責任を持っています。
メリーヴェールは現在4つのブランドからなります。フラッグシップがプロファイル・コレクション(Profile Collection)。以前はメリーヴェールの中のフラッグシップワインという位置づけで金色や銀色のラベルで知られていましたが、2010年以降は独立したブランドになっています。また、ラベルもシックな黒系に。下の写真のように、オーナー夫妻の横顔がシルエットになっています。
ビル・ハーランがオーナーだったことには現在ボンドで使っている畑をプロファイルに使用していたこともありましたが、今はエステート化を進めており、ボルドー系ブレンドのプロファイルはセント・ヘレナの東斜面にあるプロファイル・エステート・ヴィンヤード、シャルドネのシルエットはカーネロスのスタンレー・ランチ・ヴィンヤードの中の専用のブロックのブドウを使っています。
メインのブランドがメリーヴェール・ヴィンヤーズ(Merryvale Vineyards)。ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、ピノ・ノワール、メルロー、カベルネ・ソーヴィニョン、デザートワイン(フォーティファイド)を作っています。これまでは契約農家のブドウがメインで、上記プロファイルの畑のブドウも使っていましたが、2019年にはマウント・ヴィーダーに二つの畑、クームズヴィルにも自社畑を購入し、自社畑中心になりつつあります。
三つめがフォワード・キッド(Forward Kidd)。ナパのブドウを使ったレッドブレンドです。畑やブレンドはヴィンテージによって異なります。ナパの土壌のバリエーションに敬意を払い、土壌タイプにちなんで付けられたワインだそうです。
四つ目はスターモント。一番リーズナブルな価格帯でエントリー・レベルを担います。買いブドウを使ったワインでノース・コーストやセントラル・コーストの畑を使っています。
試飲の最初のワインはメリーヴェールのソーヴィニヨン・ブラン2022。ナパの北東部にあるポープ・ヴァレーのブドウを使っています。ハウエル・マウンテンの東側で日中は暑くなりますが夜は冷え込みます。醸造にはコンクリート・エッグと葉巻のような横長の形をしたシガーバレル、ステンレススティールタンクの三つを使っています。コンクリートはミネラリティやフローラルさ、シガーバレルは柔らかな口当たり、ステンレススチールは酸味に貢献しているそうです。最近、ソーヴィニヨン・ブランではこのように様々な熟成容器を使う話をよく聞きます。
レモンのような鮮烈な酸とミネラル感。かりん、すいかずら、濡れた石などを感じました。
次はプロファイル・コレクションのシャルドネ「シルエット」2020。
見るからに色濃く黄金色に輝くワインです。はちみつやカスタード、ヘーゼルナッツ、マンゴーなど。熟度の高さと熟成感が特徴でした。
3本目はメリーヴェールのピノ・ノワール2018。クローン15というピノ・ノワールのクローンとSO4という台木の組み合わせがユニークなのだそうです(Block 2A)。果実の成熟と酸の両立を目指しています。スタンレー・ランチ・ヴィンヤードのほか、ブラウン・ランチ、リー・ヴィンヤード、RMSといったカーネロスの畑を使っています。
新樽率30%は最近のワインの中では高いほうですが樽がオーバーにならないことに気を遣っているとのことで、実際飲んでみるとそんなに樽が強い印象はありませんでした。6年経っているので多少熟成感も出始めていて、赤果実や黒果実に加え、紅茶や土っぽいニュアンスもあります。とはいえまだまだ果実味も豊かです。15%だけ除梗なしになっています。
4本目はメリーヴェールのカベルネ・ソーヴィニョン2017。アトラスピークのステージコーチのブドウなどを使っています。しっかり熟してタンニンもあるが酸もあり、バランス良く仕上げるという信条だそうです。
上品でややタンニン強く、甘やかな果実味、カシス、ブラックベリーを感じます。酸のバランスもいい
5本目はプロファイルの2018年。カベルネ・ソーヴィニョン82%にカベルネ・フランが17%、プティ・ヴェルド1%という構成です。よいカベルネ・ソーヴィニョンに感じることが多い黒鉛や、タンニン強い、酸M+、余韻長い、濃い果実、スパイスなどを感じます。ワイナリーでは冷やした状態で一回漬け込んだあと、主発酵、さらに発酵後にも果皮などとワインを接触した状態を続けます。80%新樽。
プロファイルの畑はボンドのQuellaの隣。様々な向きに斜面があり一つの畑の中にもさまざまなテロワールがあるそうです。
もう一つ特別に2010年のプロファイルをいただきました。2010年は100%エステートになった最初の年です。むぎわら、甘やかさ強い、タンニンもまだしっかりしています。
特にプロファイルとシルエットのすばらしさを感じました。
セミナー後はメリーヴェールやスターモントのほかのワインも試飲できました。スターモントのシャルドネやロゼ、メリーヴェールのメルローあたりがとても良かったです。
ところで、メリーヴェールといえばラベルの上部の切り欠きが特徴的です。これの意味を聞いてみたところ、メリーヴェールの「M」をかたどったというのが一つの意味。もう一つの意味は切り欠きの英語がnotchで、ラベルのトップにnotchがあるから「top notch」=一流ということだそうです。
X(旧Twitter)で旧知の間柄の安ワイン道場師範がゴールデンウイークに勝沼のワイナリー巡りはどうでしょうかと声をかけていたので、参加してきました。せっかくなのでと、昨年アカデミー・デュ・ヴァンで教えた生徒さんたちにも声掛けしてみたところ、5人参加いただき、総勢14名というなかなかの人数のツアーです。とはいえ、ゆるゆるの集まりですから、途中から参加も途中でドロップアウトもありで、最後のお疲れ様会だけは予約するので守りましょうという、周りから見たらちょっと不思議な感じの集団だったかもしれません。
ツアーの詳しいことは安ワイン道場師範がアップしてくれるはずなので、私は手抜きして感想だけを書いていきます。
我が家からだと長津田駅を6:42の電車(横浜線)に乗れば、八王子・高尾と鈍行で乗り継いで勝沼ぶどう郷駅に8:55着。特急使っても10分くらいしか変わらないので、リーズナブルに各駅で行きました。
今日のツアーはすべて徒歩。結果的には2万歩ほど歩いています。
最初のワイナリーはシャトー勝沼。ここは大きなワイナリーで観光バスのツアーにも入っています。入るとプラカップでいくつかのワインが試飲できます。ボトルを見ても品種が書いておらず、ほの甘のワインが中心で、品質については言わずもがな。500円で2杯飲める有料試飲も試しましたが、どちらも明らかに酸化していて、ちょっとどうなのかなあという感じ。まじめにワインをテイスティングしにくる人は珍しいのかもしれません。
ここはおみやげ物も充実していて観光バスで来たお客さんもそちらが中心のもよう。おみやげはどこかで買えるかと楽観していたのですが、実はほかでは全く買えなかったので、実は貴重な店だったようです。
次の目的地は原茂ワイン。1924年に創設され、今年で丸100年という老舗ワイナリーです。
建物の外には1949年に植えられたという「シトロンネル」というブドウの樹もあります。
ここの試飲はコイン(100円)を入れてボタンを押すとワインがサーブされるというもの。勝沼に来たのは2016年以来ですが、前回はまだこういうスタイルのものは見なかったような気がします。行ったワイナリーの違いもあるでしょうが、今回はシャトー勝沼以外はプラカップ試飲もなく、試飲のレベルはだいぶ上がっている印象がありました。
ただ、ここも基本的には勝手に試飲してくださいというスタイルなので、ワインの説明などは特にありません。ワイナリーツアーはエデュケーションという面も重要だと思っているので、ここはちょっと残念だったところ。
次のワイナリーはマルサン葡萄酒。こちらは若尾果樹園という観光のブドウ園も経営しているそうです。
オーナーの若尾亮さんが自らワインをサーブして説明してくださいます。甲州は最近は早摘みするところが多くなっているが、ここは遅めに収穫して敢えて皮の苦みとかも出しているなどの話を伺いました。やっぱりどうしてそう作っているのかなどの話が聞けると楽しいです。ここはなんと試飲も無料。スタンダードな甲州を購入しました。
あと、面白かったのは観光用の生食のブドウで余ったものを使って作るワイン。その性質上、年によって比率が異なるそうですが、17種類ものブドウを使っています。
今回行った中ではここが個人的には一番良かったです。
この後はランチ。慶千庵というほうとうの店に行きます。とはいえ大人数で入れるか心配だったのですが、ちょうど12人入れる部屋が空いていて(ランチ時は12人でした)ラッキーでした。肉ほうとう、自家製の味噌によるスープや、味変用の自家製柚子胡椒などが美味しかったです。ワインもいただきました。
ランチ後はシャンモリ(盛田甲州ワイナリー)へ。ここは6年前にも来たことがあります。そのときは無料のプラカップ試飲だった気がしますが、今回は有料でグラスの試飲にグレードアップしていました。
カウンターで4枚550円のチケットを買ってグラスを渡してもらい、別の試飲スペースに行ってチケットを渡して試飲するというスタイル。最後は元のところにグラスを戻しにいくのですが、この形だと、例えば追加で試飲したいと思っても、一回カウンターのある建物に戻らないといけないのがちょっと面倒。試飲して美味しかったワインを買いたいというときにも、一回場所の移動が入ることでちょっと勢いがそがれてしまう感じがしてもったいないと思いました。ここもワインの説明はなし。
シャンモリからはすぐ近くのシャトー・メルシャンに向かいます。
さすがに大手だけあって90分3000円のツアーもあり、それは満席になっていました。ちなみに今回行った中でツアーがあるのはここだけのようでした。テイスティングのメニューも様々用意されていましたが、今回は安ワイン道場師範のおごりで、庭でスパークリングワインを皆でいただきました。師範ありがとうございました!
ここは無料で見られる資料館もあり、棚栽培が主流の勝沼では珍しい垣作りの畑もあります。庭も広々としていて良かったです。
メルシャンの次はワイナリーの目的地としては最後のグレイスワイン(中央葡萄酒)に。
ここは勝沼、というよりも日本を代表するワイナリーの一つといっていいでしょう。テイスティングメニューもいろいろ魅力的なものがありましたが、私は1800円で畑違いの甲州が3種類試飲できるセットにしました。
ここは樽は使わず、シュールリーもしないすっきりタイプの甲州。酸がきれいに伸びてくるのがいいですね。さすがの作り手と感じました。ただテロワールの違いはなかなか難しい。比べて飲めば違いがあるのは分かりますが、多分一通り試飲した後で、一つ飲んで当てろと言われても外しそうな気がします。
ほかの方が試飲していたキュベ三澤(メルロー中心のブレンド)も一口おすそ分けいただきました。ピラジン(ピーマン香のもと)を感じるのは、この日試飲したメルローに共通していますが、その中では果実の熟度も高く、単にタニックなのではないストラクチャーもあって、レベルの高さを感じました。
ここはスタッフもワインの知識がちゃんとあって、質問すると答えていただきました。そういった面でもやはり優れたワイナリーだと思います。場所も広いのでフリーテイスティングだけでなく、スクール形式のテイスティングとかもしたら面白いのにと思いました。
グレイスの後は、山梨のワインを買うならここ、という新田商店に向かいます。
歩いている途中に「ハーブ庭園」というところを発見。入場無料ということで、ちょっとツアーから抜けて、見に行きました。
ローズマリーやミント、セージなどワインのコメントにもよく使われるハーブももちろんありますし、初めて香りをかいだものもありました。
これはカレーのにおいがするハーブ。
ここは面白いです。もっと時間かけて寄りたかったくらいでした。
新田商店ではワインの購入はもちろん、試飲もできます。1000円でコイン3つもらってサーバーから注ぐスタイル。ワインはかなりレアなものもあり、試飲だけでも良かったです。特にダイヤモンド酒造のPetit diXという上位のキュベは、これまで飲んだことのあるマスカット・ベーリーAとは一線を画すレベル。美味しかったです。ワインは何か買おうか迷っている間に時間切れ。
新田商店からお疲れ様会の「パパソロッテ」までは徒歩で30分以上、最後はかなりの坂道を上りました。
パパソロッテは勝沼ぶどう郷駅近くでは唯一といっていい本格的なレストラン。食事ができる店の少なさもどうなのと思いますが、ゴールデンウイーク中なのに、この日それほどほかの観光客を見かけませんでした。どうしてなのかなあ。観光バスで来る人くらいなのでしょうか。ワイナリーツアー自体が知られていないのでしょうか。もっともっと発展する余地はあるような気がします。
話がずれましたが、パパソロッテは素晴らしいレストランでした。あらかじめコースを頼んでいたのですが、飲むワインを決めたら、料理の仕上げをワインに合わせて変えてくれるのです。
例えばこればメインのチキンのソテーですが、これにボルドータイプのワインを合わせるため、赤ワインを煮詰めたソースを使っています。料理単体でも美味しいのですが、ワインと一緒だとまさにマリアージュでどちらの美味しさも増します。美味しすぎてあっという間に食べてしまうのだけが難点。
ワインもかなりレアなものを揃えています。これは地元で生産者と直接つながっているからできること。しかもワインの値段もリーズナブルです。
食事が終わって、8時32分の電車に乗り、10時半ころには地元の駅に戻ってきました。ちゃんとディナーを食べてもこの時間に帰れるのもありがたい。私も初めて電車で行きましたが、運転がないので試飲も自由にできていいですね(前回は石和温泉泊で、勝沼では妻に運転してもらいました)。
ちょっとネガティブなことも書きましたが、よりワインツーリズムが盛んになってほしいと思ってあえて書いています。もっと多くの人にワイナリーに行ってほしいものです。
ツアーの詳しいことは安ワイン道場師範がアップしてくれるはずなので、私は手抜きして感想だけを書いていきます。
我が家からだと長津田駅を6:42の電車(横浜線)に乗れば、八王子・高尾と鈍行で乗り継いで勝沼ぶどう郷駅に8:55着。特急使っても10分くらいしか変わらないので、リーズナブルに各駅で行きました。
今日のツアーはすべて徒歩。結果的には2万歩ほど歩いています。
最初のワイナリーはシャトー勝沼。ここは大きなワイナリーで観光バスのツアーにも入っています。入るとプラカップでいくつかのワインが試飲できます。ボトルを見ても品種が書いておらず、ほの甘のワインが中心で、品質については言わずもがな。500円で2杯飲める有料試飲も試しましたが、どちらも明らかに酸化していて、ちょっとどうなのかなあという感じ。まじめにワインをテイスティングしにくる人は珍しいのかもしれません。
ここはおみやげ物も充実していて観光バスで来たお客さんもそちらが中心のもよう。おみやげはどこかで買えるかと楽観していたのですが、実はほかでは全く買えなかったので、実は貴重な店だったようです。
次の目的地は原茂ワイン。1924年に創設され、今年で丸100年という老舗ワイナリーです。
建物の外には1949年に植えられたという「シトロンネル」というブドウの樹もあります。
ここの試飲はコイン(100円)を入れてボタンを押すとワインがサーブされるというもの。勝沼に来たのは2016年以来ですが、前回はまだこういうスタイルのものは見なかったような気がします。行ったワイナリーの違いもあるでしょうが、今回はシャトー勝沼以外はプラカップ試飲もなく、試飲のレベルはだいぶ上がっている印象がありました。
ただ、ここも基本的には勝手に試飲してくださいというスタイルなので、ワインの説明などは特にありません。ワイナリーツアーはエデュケーションという面も重要だと思っているので、ここはちょっと残念だったところ。
次のワイナリーはマルサン葡萄酒。こちらは若尾果樹園という観光のブドウ園も経営しているそうです。
オーナーの若尾亮さんが自らワインをサーブして説明してくださいます。甲州は最近は早摘みするところが多くなっているが、ここは遅めに収穫して敢えて皮の苦みとかも出しているなどの話を伺いました。やっぱりどうしてそう作っているのかなどの話が聞けると楽しいです。ここはなんと試飲も無料。スタンダードな甲州を購入しました。
あと、面白かったのは観光用の生食のブドウで余ったものを使って作るワイン。その性質上、年によって比率が異なるそうですが、17種類ものブドウを使っています。
今回行った中ではここが個人的には一番良かったです。
この後はランチ。慶千庵というほうとうの店に行きます。とはいえ大人数で入れるか心配だったのですが、ちょうど12人入れる部屋が空いていて(ランチ時は12人でした)ラッキーでした。肉ほうとう、自家製の味噌によるスープや、味変用の自家製柚子胡椒などが美味しかったです。ワインもいただきました。
ランチ後はシャンモリ(盛田甲州ワイナリー)へ。ここは6年前にも来たことがあります。そのときは無料のプラカップ試飲だった気がしますが、今回は有料でグラスの試飲にグレードアップしていました。
カウンターで4枚550円のチケットを買ってグラスを渡してもらい、別の試飲スペースに行ってチケットを渡して試飲するというスタイル。最後は元のところにグラスを戻しにいくのですが、この形だと、例えば追加で試飲したいと思っても、一回カウンターのある建物に戻らないといけないのがちょっと面倒。試飲して美味しかったワインを買いたいというときにも、一回場所の移動が入ることでちょっと勢いがそがれてしまう感じがしてもったいないと思いました。ここもワインの説明はなし。
シャンモリからはすぐ近くのシャトー・メルシャンに向かいます。
さすがに大手だけあって90分3000円のツアーもあり、それは満席になっていました。ちなみに今回行った中でツアーがあるのはここだけのようでした。テイスティングのメニューも様々用意されていましたが、今回は安ワイン道場師範のおごりで、庭でスパークリングワインを皆でいただきました。師範ありがとうございました!
ここは無料で見られる資料館もあり、棚栽培が主流の勝沼では珍しい垣作りの畑もあります。庭も広々としていて良かったです。
メルシャンの次はワイナリーの目的地としては最後のグレイスワイン(中央葡萄酒)に。
ここは勝沼、というよりも日本を代表するワイナリーの一つといっていいでしょう。テイスティングメニューもいろいろ魅力的なものがありましたが、私は1800円で畑違いの甲州が3種類試飲できるセットにしました。
ここは樽は使わず、シュールリーもしないすっきりタイプの甲州。酸がきれいに伸びてくるのがいいですね。さすがの作り手と感じました。ただテロワールの違いはなかなか難しい。比べて飲めば違いがあるのは分かりますが、多分一通り試飲した後で、一つ飲んで当てろと言われても外しそうな気がします。
ほかの方が試飲していたキュベ三澤(メルロー中心のブレンド)も一口おすそ分けいただきました。ピラジン(ピーマン香のもと)を感じるのは、この日試飲したメルローに共通していますが、その中では果実の熟度も高く、単にタニックなのではないストラクチャーもあって、レベルの高さを感じました。
ここはスタッフもワインの知識がちゃんとあって、質問すると答えていただきました。そういった面でもやはり優れたワイナリーだと思います。場所も広いのでフリーテイスティングだけでなく、スクール形式のテイスティングとかもしたら面白いのにと思いました。
グレイスの後は、山梨のワインを買うならここ、という新田商店に向かいます。
歩いている途中に「ハーブ庭園」というところを発見。入場無料ということで、ちょっとツアーから抜けて、見に行きました。
ローズマリーやミント、セージなどワインのコメントにもよく使われるハーブももちろんありますし、初めて香りをかいだものもありました。
これはカレーのにおいがするハーブ。
ここは面白いです。もっと時間かけて寄りたかったくらいでした。
新田商店ではワインの購入はもちろん、試飲もできます。1000円でコイン3つもらってサーバーから注ぐスタイル。ワインはかなりレアなものもあり、試飲だけでも良かったです。特にダイヤモンド酒造のPetit diXという上位のキュベは、これまで飲んだことのあるマスカット・ベーリーAとは一線を画すレベル。美味しかったです。ワインは何か買おうか迷っている間に時間切れ。
新田商店からお疲れ様会の「パパソロッテ」までは徒歩で30分以上、最後はかなりの坂道を上りました。
パパソロッテは勝沼ぶどう郷駅近くでは唯一といっていい本格的なレストラン。食事ができる店の少なさもどうなのと思いますが、ゴールデンウイーク中なのに、この日それほどほかの観光客を見かけませんでした。どうしてなのかなあ。観光バスで来る人くらいなのでしょうか。ワイナリーツアー自体が知られていないのでしょうか。もっともっと発展する余地はあるような気がします。
話がずれましたが、パパソロッテは素晴らしいレストランでした。あらかじめコースを頼んでいたのですが、飲むワインを決めたら、料理の仕上げをワインに合わせて変えてくれるのです。
例えばこればメインのチキンのソテーですが、これにボルドータイプのワインを合わせるため、赤ワインを煮詰めたソースを使っています。料理単体でも美味しいのですが、ワインと一緒だとまさにマリアージュでどちらの美味しさも増します。美味しすぎてあっという間に食べてしまうのだけが難点。
ワインもかなりレアなものを揃えています。これは地元で生産者と直接つながっているからできること。しかもワインの値段もリーズナブルです。
食事が終わって、8時32分の電車に乗り、10時半ころには地元の駅に戻ってきました。ちゃんとディナーを食べてもこの時間に帰れるのもありがたい。私も初めて電車で行きましたが、運転がないので試飲も自由にできていいですね(前回は石和温泉泊で、勝沼では妻に運転してもらいました)。
ちょっとネガティブなことも書きましたが、よりワインツーリズムが盛んになってほしいと思ってあえて書いています。もっと多くの人にワイナリーに行ってほしいものです。