ピーチーキャニオンの「インクレディブル・レッド」。ジンファンデル系のブレンドの中でもコスト・パフォーマンスの高いワインとして知られています。個人的にも2000円台で信頼できるワインとして、ときどき購入しています。
このインクレディブル・レッド、新ヴィンテージの2021からラベルが大きく変わりました。
味わい的には大きな変化はありませんが、見かけは驚きます。また、価格も以前に比べると2割ほど上がっています。
インポーターとしても、ラベルが大きく変わるため、商品を完全に入れ替える必要があるのでしょう。しあわせワイン倶楽部では輸入元協賛で旧ラベルのワインがセールになっています。税込み2178円は税抜きなら1000円台という安さ。
なお、インポーターの旧ラベル在庫はなくなったそうなので、今店頭に出ているものでいったんは売り切れになります。おそらく実売価格も上がるでしょうから、今のうちにまとめ買い推奨です。
このインクレディブル・レッド、新ヴィンテージの2021からラベルが大きく変わりました。
味わい的には大きな変化はありませんが、見かけは驚きます。また、価格も以前に比べると2割ほど上がっています。
インポーターとしても、ラベルが大きく変わるため、商品を完全に入れ替える必要があるのでしょう。しあわせワイン倶楽部では輸入元協賛で旧ラベルのワインがセールになっています。税込み2178円は税抜きなら1000円台という安さ。
なお、インポーターの旧ラベル在庫はなくなったそうなので、今店頭に出ているものでいったんは売り切れになります。おそらく実売価格も上がるでしょうから、今のうちにまとめ買い推奨です。
サシ・ムーアマンが作るサンタ・バーバラのサンディ(Sandhi)とオレゴンのイヴニングランド(Evening Land)、セーラム(Salem)のワインを、サシの話を聴きながら試飲しました。サシのワインにはほかにシラーなどを手掛けるピエドラサッシ、サンタ・リタ・ヒルズでピノ・ノワールを中心に作るドメーヌ・ド・ラ・コートがありますが、そちらはインポーターが違うので今回はありません。
いつも穏やかな笑顔のサシ・ムーアマン
イヴニングランドはオレゴンの中でも注目が高まっているエオラ・アミティ・ヒルズに自社畑を持つドメーヌ・タイプのワイナリー。イヴニングランドはブルゴーニュのコント・ラフォンのドミニク・ラフォンが当初手がけ、2007年からサシ・ムーアマンとラジャ・パーがかかわっています(2015まではドミニク・ラフォンが関与)。コント・ラフォン時代にビオディナミの認証を受けており、現在もビオディナミで栽培されています。250エーカーの敷地に畑は35エーカー。畑にはブドウ以外に果樹なども植わっており、2割くらいは果樹が占めています。羊なども飼っていて生物多様性の面でも申し分ないところです。東向きの斜面で海からの風も通り冷涼。
土壌はジョリーと呼ばれる火山性の粘土質。鉄分が多く、シャルドネは酸がしっかりして強い味わい。ピノ・ノワールもタンニンが強くなります。ブドウの味わいや骨格が強いので、ほぼすべて除梗し、新樽もほとんど使いません。シャルドネは全房でプレスし、種や皮などからの強い味わいが付くことをさけています。樽もっパンチョンと呼ばれる大型のもので発酵・熟成します。
サンディはいろいろな面でイヴニングランドと対照的です。一部を除いて購入したブドウでワインを造ります。サンフォード&ベネディクトなど、サンタ・リタ・ヒルズの銘醸畑からブドウを仕入れています。サンタ・リタ・ヒルズは風が強く気温はオレゴンより低く乾燥しています。頁岩などの堆積性の土壌が中心です。
サンタ・リタ・ヒルズの方がブドウの味わいは優しく、ブドウの実は小さくなります。タンニンが少ないのでピノ・ノワールは全房を多用します。シャルドネも破砕してからプレスすることで皮からの味わいを果汁に移します。
試飲はイヴニングランドの若木を使ったSalem Wine Co.からです。2021年のシャルドネが4600円、ピノ・ノワールが2023年で4600円。
葛飾北斎風のラベルがユニークなワイン。描かれているのはマウント・フッドというオレゴンの山です。富士山に似た形なのでこのラベルを思いついたそう。シャルドネはエレガントで少し蜜っぽさも感じます。ピノも赤果実を中心にきれいな味わい。どちらもコスパが素晴らしいです。
サンディのピノ・ノワールは2022年のサンタ・リタ・ヒルズ(9500円)と2021年のロマンス(18000円)。
サンタ・リタ・ヒルズはAVAものと言っても、ドメーヌ・ド・ラ・コートなどの銘醸畑のブドウを使っています。赤果実の味わいがきれいで、酸高く、うまみや複雑さもありとても美味しい。
ロマンスは自社畑であるドメーヌ・ド・ラ・コートの畑のみ。購入ブドウを中心とするサンディの中では異色のワインです。ただ、ロマンスで使っていた区画はウイルスの被害にあってしまい、もう抜かれてしまったのでこの2021年が最後となります。ちなみに、なぜロマンスはドメーヌ・ド・ラ・コートではなくサンディで出しているのかを質問したところ、「ドメーヌ・ド・ラ・コートのラインアップは増やしたり減らしたりしたくないから」とのことでした。
果実味よりもうまみや複雑さを強く感じる味わい。ちょっとブレットも感じました。おそらく5年以上の熟成によって本領を発揮するようなワイン。今飲むならサンタ・リタ・ヒルズの方が美味しいです。
次に、イヴニングランドのピノ・ノワールです。いずれも2022年。スタンダードのセヴン・スプリングス(9500円)、ラ・スルス(La Source、16000円)、スマム(サマムとも、Summum、18000円)。
セヴン・スプリングスはバランスよく酸きれい。まとまっています。おすすめ。
ラ・スルスは一番風が強い区画のブドウを使っています。過酷な環境でブドウが深く根を張るところ。樹齢が高い樹の比率が上がっており、タンニンがおだやかになるため、一部全房も入れています。スマムは良年だけ作られるワインでラ・スルスのブロックの中でも最良のブドウを選んでいます。
ラ・スルスは酸高く、複雑さもきれいさもあります。
スマムはより複雑さ強く、うまみ系の味わいもあり、美味しい。ラ・スルスより1ランク上の味わいで、個人的には2000円の価格差ならこちらを選びます。
シャルドネに移ります。
サンディのシャルドネはAVAものが2022年のセントラル・コースト(4900円)と2021年のサンタ・リタ・ヒルズ(6300円)。セントラル・コーストはサンタ・バーバラとサン・ルイス・オビスポの畑のブドウから。どこも冷涼であり、ワインもかなり酸が強く、ややリーンな味わい。
サンタ・リタ・ヒルズはAVAものと言いながら、実は自社畑のドメーヌ・ド・ラ・コートのブドウを90%も使っている贅沢なワイン。これはコスパが素晴らしい。酸の高さはセントラル・コーストと同様ですが、果実の厚みが全然違います。大おすすめ。
単一畑ものが4本並びます。いずれも2022年でパターソン(Patterson、16000円)、リンコナーダ(Rinconada、14000円)、サンフォード・アンド・ベネディクト(Sanford & Benedict、10500円)、ロマンス(Romance、20000円)。
いずれもサンタ・リタ・ヒルズの畑です。
パターソンは標高高く、北向き斜面で酸が落ちにくいとのこと。粘土質の土壌で質感豊かなワインになります。
果実味高く濃密な味わい。美味しいですがやや重さを感じます。
リンコナーダとサンフォード・アンド・ベネディクトは隣り合った畑。サンフォード・アンド・ベネディクトは火打石の成分であるケイ酸塩を含むシレックス(火打石)土壌、リンコナーダは粘土とロームの土壌と、土壌の違いがあります。
リンコナーダはバランスよくエレガント。サンフォード・アンド・ベネディクトは、サンタ・リタ・ヒルズのシグニチャーとも言える塩味を強く感じます。エレガントできれいなのはリンコナーダに通じますが個人的にはサンフォード・アンド・ベネディクトがより魅力的。
ロマンスはドメーヌ・ド・ラ・コートの自社畑のワイン。4つの畑の中で一番冷涼。非常に酸が高く、その奥から果実味が出てきます。深さもありますが、飲み頃になるまでは少し時間がかかりそうなワインです。品質は非常に高いので、セラーに置く余裕があるならお薦め。
最後にイヴニングランドのシャルドネです。ピノと同様、スタンダードなセヴン・スプリングス(6800円)、ラ・スルス(15000円)、スマム(17000円)という構成。ヴィンテージはいずれも2022年。
セヴン・スプリングスは酸とうまみのバランスがいいワイン。
ラ・スルスはディジョン・クローンの高樹齢の樹のブロックだけを使っており、より複雑さを感じます。美味しい。
スマムは最も良いブロックのブドウを使っています。ラ・スルスにさらにリッチさを加えた味わい。やっぱりこれは素晴らしい。ピノと同様、2000円の価格差ならスマムを選びます。
セミナー後、近年ブルゴーニュからオレゴンやカリフォルニアに進出する生産者が増えているのはなぜか聞いてみました。サシの考えでは温暖化など気候変動の影響ではないかとのこと。ブルゴーニュは近年ヴィンテージごとの差が非常に大きく、安定性を大きく欠いているとのこと。品質や味わいも毎年大きく変わります。消費者にとっては安心して選ぶのが難しくなっています。オレゴンも温暖化の影響はありますが、ブルゴーニュのような不安定さはなく、むしろ以前は収穫時期の雨が問題になりやすかったのが、その問題が減っていて良いヴィンテージが増えています。リスクヘッジのために米国に進出しているのだろうとのことです。
いつも穏やかな笑顔のサシ・ムーアマン
イヴニングランドはオレゴンの中でも注目が高まっているエオラ・アミティ・ヒルズに自社畑を持つドメーヌ・タイプのワイナリー。イヴニングランドはブルゴーニュのコント・ラフォンのドミニク・ラフォンが当初手がけ、2007年からサシ・ムーアマンとラジャ・パーがかかわっています(2015まではドミニク・ラフォンが関与)。コント・ラフォン時代にビオディナミの認証を受けており、現在もビオディナミで栽培されています。250エーカーの敷地に畑は35エーカー。畑にはブドウ以外に果樹なども植わっており、2割くらいは果樹が占めています。羊なども飼っていて生物多様性の面でも申し分ないところです。東向きの斜面で海からの風も通り冷涼。
土壌はジョリーと呼ばれる火山性の粘土質。鉄分が多く、シャルドネは酸がしっかりして強い味わい。ピノ・ノワールもタンニンが強くなります。ブドウの味わいや骨格が強いので、ほぼすべて除梗し、新樽もほとんど使いません。シャルドネは全房でプレスし、種や皮などからの強い味わいが付くことをさけています。樽もっパンチョンと呼ばれる大型のもので発酵・熟成します。
サンディはいろいろな面でイヴニングランドと対照的です。一部を除いて購入したブドウでワインを造ります。サンフォード&ベネディクトなど、サンタ・リタ・ヒルズの銘醸畑からブドウを仕入れています。サンタ・リタ・ヒルズは風が強く気温はオレゴンより低く乾燥しています。頁岩などの堆積性の土壌が中心です。
サンタ・リタ・ヒルズの方がブドウの味わいは優しく、ブドウの実は小さくなります。タンニンが少ないのでピノ・ノワールは全房を多用します。シャルドネも破砕してからプレスすることで皮からの味わいを果汁に移します。
試飲はイヴニングランドの若木を使ったSalem Wine Co.からです。2021年のシャルドネが4600円、ピノ・ノワールが2023年で4600円。
葛飾北斎風のラベルがユニークなワイン。描かれているのはマウント・フッドというオレゴンの山です。富士山に似た形なのでこのラベルを思いついたそう。シャルドネはエレガントで少し蜜っぽさも感じます。ピノも赤果実を中心にきれいな味わい。どちらもコスパが素晴らしいです。
サンディのピノ・ノワールは2022年のサンタ・リタ・ヒルズ(9500円)と2021年のロマンス(18000円)。
サンタ・リタ・ヒルズはAVAものと言っても、ドメーヌ・ド・ラ・コートなどの銘醸畑のブドウを使っています。赤果実の味わいがきれいで、酸高く、うまみや複雑さもありとても美味しい。
ロマンスは自社畑であるドメーヌ・ド・ラ・コートの畑のみ。購入ブドウを中心とするサンディの中では異色のワインです。ただ、ロマンスで使っていた区画はウイルスの被害にあってしまい、もう抜かれてしまったのでこの2021年が最後となります。ちなみに、なぜロマンスはドメーヌ・ド・ラ・コートではなくサンディで出しているのかを質問したところ、「ドメーヌ・ド・ラ・コートのラインアップは増やしたり減らしたりしたくないから」とのことでした。
果実味よりもうまみや複雑さを強く感じる味わい。ちょっとブレットも感じました。おそらく5年以上の熟成によって本領を発揮するようなワイン。今飲むならサンタ・リタ・ヒルズの方が美味しいです。
次に、イヴニングランドのピノ・ノワールです。いずれも2022年。スタンダードのセヴン・スプリングス(9500円)、ラ・スルス(La Source、16000円)、スマム(サマムとも、Summum、18000円)。
セヴン・スプリングスはバランスよく酸きれい。まとまっています。おすすめ。
ラ・スルスは一番風が強い区画のブドウを使っています。過酷な環境でブドウが深く根を張るところ。樹齢が高い樹の比率が上がっており、タンニンがおだやかになるため、一部全房も入れています。スマムは良年だけ作られるワインでラ・スルスのブロックの中でも最良のブドウを選んでいます。
ラ・スルスは酸高く、複雑さもきれいさもあります。
スマムはより複雑さ強く、うまみ系の味わいもあり、美味しい。ラ・スルスより1ランク上の味わいで、個人的には2000円の価格差ならこちらを選びます。
シャルドネに移ります。
サンディのシャルドネはAVAものが2022年のセントラル・コースト(4900円)と2021年のサンタ・リタ・ヒルズ(6300円)。セントラル・コーストはサンタ・バーバラとサン・ルイス・オビスポの畑のブドウから。どこも冷涼であり、ワインもかなり酸が強く、ややリーンな味わい。
サンタ・リタ・ヒルズはAVAものと言いながら、実は自社畑のドメーヌ・ド・ラ・コートのブドウを90%も使っている贅沢なワイン。これはコスパが素晴らしい。酸の高さはセントラル・コーストと同様ですが、果実の厚みが全然違います。大おすすめ。
単一畑ものが4本並びます。いずれも2022年でパターソン(Patterson、16000円)、リンコナーダ(Rinconada、14000円)、サンフォード・アンド・ベネディクト(Sanford & Benedict、10500円)、ロマンス(Romance、20000円)。
いずれもサンタ・リタ・ヒルズの畑です。
パターソンは標高高く、北向き斜面で酸が落ちにくいとのこと。粘土質の土壌で質感豊かなワインになります。
果実味高く濃密な味わい。美味しいですがやや重さを感じます。
リンコナーダとサンフォード・アンド・ベネディクトは隣り合った畑。サンフォード・アンド・ベネディクトは火打石の成分であるケイ酸塩を含むシレックス(火打石)土壌、リンコナーダは粘土とロームの土壌と、土壌の違いがあります。
リンコナーダはバランスよくエレガント。サンフォード・アンド・ベネディクトは、サンタ・リタ・ヒルズのシグニチャーとも言える塩味を強く感じます。エレガントできれいなのはリンコナーダに通じますが個人的にはサンフォード・アンド・ベネディクトがより魅力的。
ロマンスはドメーヌ・ド・ラ・コートの自社畑のワイン。4つの畑の中で一番冷涼。非常に酸が高く、その奥から果実味が出てきます。深さもありますが、飲み頃になるまでは少し時間がかかりそうなワインです。品質は非常に高いので、セラーに置く余裕があるならお薦め。
最後にイヴニングランドのシャルドネです。ピノと同様、スタンダードなセヴン・スプリングス(6800円)、ラ・スルス(15000円)、スマム(17000円)という構成。ヴィンテージはいずれも2022年。
セヴン・スプリングスは酸とうまみのバランスがいいワイン。
ラ・スルスはディジョン・クローンの高樹齢の樹のブロックだけを使っており、より複雑さを感じます。美味しい。
スマムは最も良いブロックのブドウを使っています。ラ・スルスにさらにリッチさを加えた味わい。やっぱりこれは素晴らしい。ピノと同様、2000円の価格差ならスマムを選びます。
セミナー後、近年ブルゴーニュからオレゴンやカリフォルニアに進出する生産者が増えているのはなぜか聞いてみました。サシの考えでは温暖化など気候変動の影響ではないかとのこと。ブルゴーニュは近年ヴィンテージごとの差が非常に大きく、安定性を大きく欠いているとのこと。品質や味わいも毎年大きく変わります。消費者にとっては安心して選ぶのが難しくなっています。オレゴンも温暖化の影響はありますが、ブルゴーニュのような不安定さはなく、むしろ以前は収穫時期の雨が問題になりやすかったのが、その問題が減っていて良いヴィンテージが増えています。リスクヘッジのために米国に進出しているのだろうとのことです。
オレゴンのWillamette Valley Wineries Associationが、2024年の収穫レポートを発表しています(Oregon's Willamette Valley Winemakers Celebrate a Spectacular 2024 Harvest: A Vintage to Collect)。
それによると2024年は「コレクター垂涎のヴィンテージ」になるとのこと。「2024年はワインメーカーにとって絶対的な夢でした。ここ数週間、最高気温は20度台前半で、ほとんど晴天が続いています。この時間の贈り物によって、糖分の蓄積とフェノールの成熟が冷涼な気温と連動して進み、鮮やかな酸が保たれ、素晴らしい風味を生み出すことができました」と」とマッツィンガー・デイヴィス・ワイン・カンパニーのワインメーカー、アンナ・マッツィンガーは語っています。
夏の間は38℃くらいに達する日もいくつかありましたが、9月半ばには最低気温が10℃強、最高気温が20℃程度の日が続いて、バランスよく糖とフェノールの蓄積が進みました。天候などによって、仕方なく収穫日を決めるのではなく、より最適なタイミングで収穫することができました。
温暖化はブドウの生育に大きな影響を与えていますが、オレゴンの場合は、収穫時期の天候の安定につながっていると、イヴニングランドのサシ・ムーアマンは語っていました。一方で、ブルゴーニュは天候の不安定さがより増しており、ブルゴーニュの生産者がリスク低下を求めてオレゴンやカリフォルニアに進出する大きな理由になっているようです。
それによると2024年は「コレクター垂涎のヴィンテージ」になるとのこと。「2024年はワインメーカーにとって絶対的な夢でした。ここ数週間、最高気温は20度台前半で、ほとんど晴天が続いています。この時間の贈り物によって、糖分の蓄積とフェノールの成熟が冷涼な気温と連動して進み、鮮やかな酸が保たれ、素晴らしい風味を生み出すことができました」と」とマッツィンガー・デイヴィス・ワイン・カンパニーのワインメーカー、アンナ・マッツィンガーは語っています。
夏の間は38℃くらいに達する日もいくつかありましたが、9月半ばには最低気温が10℃強、最高気温が20℃程度の日が続いて、バランスよく糖とフェノールの蓄積が進みました。天候などによって、仕方なく収穫日を決めるのではなく、より最適なタイミングで収穫することができました。
温暖化はブドウの生育に大きな影響を与えていますが、オレゴンの場合は、収穫時期の天候の安定につながっていると、イヴニングランドのサシ・ムーアマンは語っていました。一方で、ブルゴーニュは天候の不安定さがより増しており、ブルゴーニュの生産者がリスク低下を求めてオレゴンやカリフォルニアに進出する大きな理由になっているようです。
クアディー(Quady)・ワイナリーはカリフォルニアでは珍しい、デザートワイン専門のワイナリーです。オーナーのアンドリュー・クアディーは現在79歳。1973年にUCデーヴィスを卒業し、ローダイでワインメーカーを始めてセントラル・ヴァレーのマデラでワイナリーを続けています。2024年は50年目のヴィンテージとなります。UCデーヴィスの同期にはメリー・エドワーズやティム・モンダヴィといった名ワインメーカーがいます。
同期のほとんどがカベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネを作っているのに対して、クアディは酒精強化によるデザートワインに特化しています。特にマデラで、カリフォルニアでは珍しいオレンジ・マスカットを見つけ、それを使ったエッセンシアというデザートワインを造ったのがヒットになりました。ブラック・マスカットを使ったエリジウムというデザートワインも人気です。
このほか変わったものでは、ヴェルモットや、パロミノを使ったフィノ・タイプのシェリーもあります。
デザートワイン、近年ではあまり人気がないのではないかと思われがちですが、クアディーの生産量は驚くほど伸びています。2010年に5万ケースだったのが25万ケースにまで成長しているとのこと。競争相手がすくないブルーオーシャンを満喫しているようです。
価格の安さも特筆できます。コストの低いセントラル・ヴァレーで生産しているからというのもあるでしょうが、日本の価格でハーフボトルが2000円そこそこ。調べたらワイナリー価格は16ドルくらいなので、日本がかなり安く売っているようです。ブラックマスカットは「想いを込めた矢がハートを射抜く」デザインで、好きな人へのプレゼントにもいいと思います。
これも1カ月前のニュースですが、破綻したVintege Wine Estatesの所有するワイナリーの買収先が決まりました(Jay Adair Buys B.R. Cohn, Kunde and Viansa Wineries in Sonoma County - Sonoma County Winegrowers)。
ナパのクロぺガス(Clos Pegase)やジラード(Girard)、ソノマのBRコーン(B.R. Cohn)、カンデ(Kunde)、ヴィアンサ(Viansa)はコパート(Copart)というオンラインの車のオークションの会社が買収することが決まりました。エグゼクティブ・チェアマンのジェイ・アデアとタミ夫妻は、サスーン・ヴァレーにアデア(Adair)ワイナリーを持っており、ワインビジネスは素人というわけではありませんが、今回は大幅にポートフォリオを拡充することになります。
このほか、ボデガ・ベイにテイスティング・ルームを持つソノマ・コースト・ヴィンヤーズなどを、チョーク・ヒルなどのオーナーであるビル・フォーリーが取得しました。
ナパのクロぺガス(Clos Pegase)やジラード(Girard)、ソノマのBRコーン(B.R. Cohn)、カンデ(Kunde)、ヴィアンサ(Viansa)はコパート(Copart)というオンラインの車のオークションの会社が買収することが決まりました。エグゼクティブ・チェアマンのジェイ・アデアとタミ夫妻は、サスーン・ヴァレーにアデア(Adair)ワイナリーを持っており、ワインビジネスは素人というわけではありませんが、今回は大幅にポートフォリオを拡充することになります。
このほか、ボデガ・ベイにテイスティング・ルームを持つソノマ・コースト・ヴィンヤーズなどを、チョーク・ヒルなどのオーナーであるビル・フォーリーが取得しました。
インポーター「リエゾン」の試飲会から美味しかったワインを紹介します。試飲アイテムが全13と少ないので、紹介する数も少なくなっております。決して美味しいワインが少なかったわけではありません。
サンタ・バーバラのワイナリー「リュサック(Rusack)のシャルドネ2020(7500円)。銘醸畑ビエン・ナシードのブドウを使っているそうです。新樽30%ですが樽の風味とのバランスがとてもいいワイン。ビエン・ナシードでこの価格は安いです。
リュサックのピノ・ノワール2021(8000円)です。冷涼なサンタ・バーバラらしい酸の高さが特徴で、エレガントなピノ・ノワール。
人気のナパ・ハイランズを産んだスミス・アンダーソン・グループのブランド「ナパワインアーツ」のカベルネソーヴィニヨン2019(7000円)。ナパのカベルネですが、重くなく、酸の高さとジューシーさが秀逸です。
もう一つリュサックからシラーです。2018年と2019年がありましたが、個人的には2018年が良かったです。
スパイス感と複雑さ、酸が特徴です。
ターリー(Turley)のジンファンデル「エステート2021」(1万1000円)。ナパのセントヘレナの自社畑のブドウで造るワイン。ジンファンデルとしてはストラクチャーがあり複雑。
サンタ・バーバラのワイナリー「リュサック(Rusack)のシャルドネ2020(7500円)。銘醸畑ビエン・ナシードのブドウを使っているそうです。新樽30%ですが樽の風味とのバランスがとてもいいワイン。ビエン・ナシードでこの価格は安いです。
リュサックのピノ・ノワール2021(8000円)です。冷涼なサンタ・バーバラらしい酸の高さが特徴で、エレガントなピノ・ノワール。
人気のナパ・ハイランズを産んだスミス・アンダーソン・グループのブランド「ナパワインアーツ」のカベルネソーヴィニヨン2019(7000円)。ナパのカベルネですが、重くなく、酸の高さとジューシーさが秀逸です。
もう一つリュサックからシラーです。2018年と2019年がありましたが、個人的には2018年が良かったです。
スパイス感と複雑さ、酸が特徴です。
ターリー(Turley)のジンファンデル「エステート2021」(1万1000円)。ナパのセントヘレナの自社畑のブドウで造るワイン。ジンファンデルとしてはストラクチャーがあり複雑。
2024年9月に開かれた中川ワインの試飲会から良かったワインを紹介します。
デコイ初の本格スパークリングワイン。ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ムニエのブレンド。カリフォルニアでムニエが入るのは珍しいような。エレガント系というより、しっかりした味わいでうまみあるスパークリング。
コクレルのソーヴィニヨン・ブランは以前セミナーで紹介しています(ソーヴィニヨン・ブランへのこだわり、ナパのコクレル)。
これはスタンダードレベルのソーヴィニヨン・ブランですが、レベル高いです。ステンレスタンク熟成ですがしっかりと味が乗っています。
ルイスのソーヴィニヨン・ブランも昔から人気のワイン。果実味の強さを感じます。
シェアード・ノーツはカリフォルニアでもハイエンドのソーヴィニヨン・ブランを造るワイナリー。ボルドータイプとロワールタイプがありますが、こちらはロワールタイプ。酸高く、ミネラル感を感じるワイン。新樽100%ですが、樽香はわずかしか感じられません。エレガントなソーヴィニヨン・ブラン。
ティーター・トッターのシャルドネ。ピュアでリッチ、高級感あり7000円は安いです。
元ウェイフェアラーでシェアード・ノーツのワインメーカーでもあるビビアナ・ゴンザレス・レーヴの個人ブランドがカトレア。きれいで華やか。個人的に大好きなワインの一つです。
マウント・エデンのシャルドネはお久しぶり。酸豊かでミネラル感を感じる味わい。きれいで美味しい。
デコイ・リミテッドのピノ・ノワール。果実味広がりおいしい。
オー・ボン・クリマのノックス・アレキサンダー ピノ・ノワール。ノックスはピノ・ノワールとしては結構ストラクチャーがあるスタイル。今回もそのスタイルは変わりません。フラッグシップクラスで8200円というのは安いです。
中村倫久さんが作るノリアのピノ・ノワール。サンタ・クルーズ・マウンテンズのマンズ・ヴィンヤードのものは初登場です。バランスよくおいしい。
ピノ・ノワールが続きますが、その中でベストだったのがアストンの「Xラベル」。2018年なのでまだラベルはソノマ・コーストですが、ウエスト・ソノマ・コーストの北端に近い冷涼なところにある畑。酸の豊かさと、ストラクチャーが際立ちます。すばらしい。
ベッドロックのジンファンデル オールド・ヴァイン2022。これも意外と久しぶりにテイスティングしたような気がします。ジューシーでチューイー。古木ジンファンデルの魅力を過不足なく伝えます。とてもいい。
デコイの高級版リミテッドのメルロー。ナパではなくソノマのアレキサンダー・ヴァレーです。メルローらしい芳醇さと柔らかさがあり、いいメルロー。
ナパ・ハイランズから初めてのジンファンデルです。ジンファンデルらしいジャミーさと酸が好バランス。
ポストマークはダックホーン傘下のブランド。以前はナパヴァレーのカベルネを作っていましたが、今はパソ・ロブレスのカベルネ。しなやかな味わいでバランスいいです。3000円台としては極めて秀逸。とてもいいです。
デコイ・リミテッドのカベルネ・ソーヴィニヨン。今回はこれもアレキサンダー・ヴァレーです。ストラクチャーがしっかりあり、前述のメルローとは対照的。こちらも良いです。
初めて試飲したと思います。ティストリア(TISTRYA)というワイナリーのナパ・カベ。中川ワインではこう紹介してあります。
ナパのカベルネはリッチでパワフルじゃなきゃ、という人にはこちらのキャッターウォウルがお薦めです。ワインメーカーはトーマス・リヴァース・ブラウン。
近年世代交代で以前のややオールドスタイルのイメージから刷新しつつあるペドロンチェリ。ロゼは初めて飲むかもしれません。ジンファンデルのロゼで、フレッシュ感と赤果実の風味が新鮮です。
ペドロンチェリのラベルは変わっても、ジンファンデルは健在です。ジューシーでリッチ。
ルチア(Lucia)からはシャルドネとピノ・ノワールを紹介します。シャルドネはエステート・キュヴェ2022(9500円)。リッチでこくありミネラル感も感じるシャルドネ。
ピノ・ノワールはエステート・キュヴェ2022(10000円)とソベラネス2022(12400円)、ゲイリーズ2021(14000円)。エステートキュヴェは果実味と酸のバランスが秀逸。ソベラネスもより果実感強くおいしい。ゲイリーズはさすがのパワフルさでした。
新規取り扱いのナパのシニョレッロからです。以前はilovecalwineが扱っていたものです。トリムのシャルドネはリッチだけどバランスもいい。3000円は安いです。
同じくシニョレッロの「S」。リッチでストラクチャーもありおいしい。
デコイ初の本格スパークリングワイン。ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ムニエのブレンド。カリフォルニアでムニエが入るのは珍しいような。エレガント系というより、しっかりした味わいでうまみあるスパークリング。
コクレルのソーヴィニヨン・ブランは以前セミナーで紹介しています(ソーヴィニヨン・ブランへのこだわり、ナパのコクレル)。
これはスタンダードレベルのソーヴィニヨン・ブランですが、レベル高いです。ステンレスタンク熟成ですがしっかりと味が乗っています。
ルイスのソーヴィニヨン・ブランも昔から人気のワイン。果実味の強さを感じます。
シェアード・ノーツはカリフォルニアでもハイエンドのソーヴィニヨン・ブランを造るワイナリー。ボルドータイプとロワールタイプがありますが、こちらはロワールタイプ。酸高く、ミネラル感を感じるワイン。新樽100%ですが、樽香はわずかしか感じられません。エレガントなソーヴィニヨン・ブラン。
ティーター・トッターのシャルドネ。ピュアでリッチ、高級感あり7000円は安いです。
元ウェイフェアラーでシェアード・ノーツのワインメーカーでもあるビビアナ・ゴンザレス・レーヴの個人ブランドがカトレア。きれいで華やか。個人的に大好きなワインの一つです。
マウント・エデンのシャルドネはお久しぶり。酸豊かでミネラル感を感じる味わい。きれいで美味しい。
デコイ・リミテッドのピノ・ノワール。果実味広がりおいしい。
オー・ボン・クリマのノックス・アレキサンダー ピノ・ノワール。ノックスはピノ・ノワールとしては結構ストラクチャーがあるスタイル。今回もそのスタイルは変わりません。フラッグシップクラスで8200円というのは安いです。
中村倫久さんが作るノリアのピノ・ノワール。サンタ・クルーズ・マウンテンズのマンズ・ヴィンヤードのものは初登場です。バランスよくおいしい。
ピノ・ノワールが続きますが、その中でベストだったのがアストンの「Xラベル」。2018年なのでまだラベルはソノマ・コーストですが、ウエスト・ソノマ・コーストの北端に近い冷涼なところにある畑。酸の豊かさと、ストラクチャーが際立ちます。すばらしい。
ベッドロックのジンファンデル オールド・ヴァイン2022。これも意外と久しぶりにテイスティングしたような気がします。ジューシーでチューイー。古木ジンファンデルの魅力を過不足なく伝えます。とてもいい。
デコイの高級版リミテッドのメルロー。ナパではなくソノマのアレキサンダー・ヴァレーです。メルローらしい芳醇さと柔らかさがあり、いいメルロー。
ナパ・ハイランズから初めてのジンファンデルです。ジンファンデルらしいジャミーさと酸が好バランス。
ポストマークはダックホーン傘下のブランド。以前はナパヴァレーのカベルネを作っていましたが、今はパソ・ロブレスのカベルネ。しなやかな味わいでバランスいいです。3000円台としては極めて秀逸。とてもいいです。
デコイ・リミテッドのカベルネ・ソーヴィニヨン。今回はこれもアレキサンダー・ヴァレーです。ストラクチャーがしっかりあり、前述のメルローとは対照的。こちらも良いです。
初めて試飲したと思います。ティストリア(TISTRYA)というワイナリーのナパ・カベ。中川ワインではこう紹介してあります。
このワインのブランド名「ティストリア」は古代ペルシャ王国・最古の宗教と言われるゾロアスター教の神で、「雨、収穫、豊穣」を司り、その神は馬の姿をしておりラベルにその姿が描かれている。このブランドのオーナー・シャヒン・シャハビ氏のルーツはイランにあり、彼はそのルーツと古代からワイン造りが行われてきたイラン(ペルシャ)にオマージュを捧げこのブランド名を命名。ナパ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンの個性を銘醸畑から表現する。非常に力強くバランスもいいワイン。これ6000円は安い。
ナパのカベルネはリッチでパワフルじゃなきゃ、という人にはこちらのキャッターウォウルがお薦めです。ワインメーカーはトーマス・リヴァース・ブラウン。
近年世代交代で以前のややオールドスタイルのイメージから刷新しつつあるペドロンチェリ。ロゼは初めて飲むかもしれません。ジンファンデルのロゼで、フレッシュ感と赤果実の風味が新鮮です。
ペドロンチェリのラベルは変わっても、ジンファンデルは健在です。ジューシーでリッチ。
ルチア(Lucia)からはシャルドネとピノ・ノワールを紹介します。シャルドネはエステート・キュヴェ2022(9500円)。リッチでこくありミネラル感も感じるシャルドネ。
ピノ・ノワールはエステート・キュヴェ2022(10000円)とソベラネス2022(12400円)、ゲイリーズ2021(14000円)。エステートキュヴェは果実味と酸のバランスが秀逸。ソベラネスもより果実感強くおいしい。ゲイリーズはさすがのパワフルさでした。
新規取り扱いのナパのシニョレッロからです。以前はilovecalwineが扱っていたものです。トリムのシャルドネはリッチだけどバランスもいい。3000円は安いです。
同じくシニョレッロの「S」。リッチでストラクチャーもありおいしい。
TTBはワシントン州の新しいAVA「Beverly(ベヴァリー)」(正式名称は「Beverly, Washington」)を承認しました。ワシントン州では21番目のAVAとなります(州内が17、オレゴンと共有が3、アイダホと共有が1)。ちなみにオレゴンは24(州内20、ワシントンと共有が3、アイダホと共有が1)、カリフォルニアは154あります。オレゴン、ワシントンはなんとか全部を覚えられるレベルですね。カリフォルニアは全然無理です。
ベヴァリーはワシントン州内ではかなり小さなAVAとなります。地図で示したようにロイヤルスロープAVAの西南のはずれになります。ロイヤルスロープはチャールズ・スミスのKヴィントナーズのフラッグシップ・シラー「ロイヤル・シティ」の畑がある地域です。AVA名にスロープと入っている通り、AVA全体が南向けの斜面になっています。
ベヴァリーも同様に井波向き斜面で、ロイヤルスロープと比べても温暖、というかかなり暑いエリアとなります。積算温度でいうと3500度ということで、ウィンクラーのインデックスではリージョン3とリージョン4の間くらいとなります。ワシントン州内では最も暑いAVAの一つです。
もう一つの特徴が風の強さ。ベヴァリーはコロンビア川のすぐそばにあり、このすぐ南に「センティネル・ギャップ」という渓谷があります。このせまい谷を通り抜ける風がAVAに吹きつけるのです。
3つめの特徴は水はけのよさ。
気温の高さから、この地域ではほぼ黒ブドウだけが栽培されています。ただ、ここに拠点を置くワイナリーなどはいまのところないようです。総面積2415エーカーのうち400エーカーほどがブドウ畑です。降水量は年間130㎜ほどとワシントンでもかなり少なく、乾燥した地域です。
ベヴァリーはワシントン州内ではかなり小さなAVAとなります。地図で示したようにロイヤルスロープAVAの西南のはずれになります。ロイヤルスロープはチャールズ・スミスのKヴィントナーズのフラッグシップ・シラー「ロイヤル・シティ」の畑がある地域です。AVA名にスロープと入っている通り、AVA全体が南向けの斜面になっています。
ベヴァリーも同様に井波向き斜面で、ロイヤルスロープと比べても温暖、というかかなり暑いエリアとなります。積算温度でいうと3500度ということで、ウィンクラーのインデックスではリージョン3とリージョン4の間くらいとなります。ワシントン州内では最も暑いAVAの一つです。
もう一つの特徴が風の強さ。ベヴァリーはコロンビア川のすぐそばにあり、このすぐ南に「センティネル・ギャップ」という渓谷があります。このせまい谷を通り抜ける風がAVAに吹きつけるのです。
3つめの特徴は水はけのよさ。
気温の高さから、この地域ではほぼ黒ブドウだけが栽培されています。ただ、ここに拠点を置くワイナリーなどはいまのところないようです。総面積2415エーカーのうち400エーカーほどがブドウ畑です。降水量は年間130㎜ほどとワシントンでもかなり少なく、乾燥した地域です。