残念ながらネットショップではありません。コストコ座間店で今日見つけた超掘り出し物です。Robert Mondavi Cabernet Sauvignon Reserve 2007が7698円(税込み)という値段。ちなみに楽天ではダントツで安いのがWassy'sですが、それでも1万2000円台です。
ちなみにこのワイン、Wine Advocate誌では95+、Wine Spectatorでも95点という高評価です。一番心配なのは保存状態ですが、すくなくとも2カ月前に行ったときにはなかったので、コストコに長期においてあるということではないだろうと思います。
ちなみにこのワイン、Wine Advocate誌では95+、Wine Spectatorでも95点という高評価です。一番心配なのは保存状態ですが、すくなくとも2カ月前に行ったときにはなかったので、コストコに長期においてあるということではないだろうと思います。
Celia Welch Masyczek(セリア・ウェルチ・マチェスキ)は2008年にFood&Wine誌でWinemaker of the Yearを受賞した、今一番“乗っている”ワインメーカーの1人です。
オレゴンで生まれたセリアは1982年にUC Davisで醸造の学位を取った後、世界のさまざまなワイン地域で修行をしました。その過程でナパにも来ていくつかのワイナリを手伝い、1987年にSilveradoのアシスタント・ワインメーカーに落ち着きました。
コンサルタントとしての活動を始めたのは1992年のStaglinから。21世紀に入ってからは、コンサルタントするワイナリも増え、しかもほとんどが現在でも続いています。2004年には自身のワイナリCorraを始めています。
特に注目を浴びたのはScarecrowのコンサルタントになったこと。最初のヴィンテージである2003年のScarecrowがロバート・パーカーから98点という評価を得たことで、一夜にして有名ワイナリの1つになりました。2007年は100点を得て、新世代カルトとしての位置付けを固めています。
ちなみに、彼女の名前のマチェスキは、夫でBeaulieu(BV)の白ワインを担当するボブ・マチェスキから来たもの。以前はセリア・マチェスキと名乗っていることが多かったのですが、近年はセリア・ウェルチだけで通していることが多いようです。
Silverado 1987-1991
Robert Pepi 1991-1995
Staglin 1992-?
DR Stevens 1999?-2007
Scarecrow Wine 2002-現在
Corra 2004-現在
Lindstrom Wines 2005-現在
Hollywood & Vine Cellars ?-現在
Keever Vineyards & Winery ?-現在
Kelly Fleming Wines ?-現在
Barbour Vineyards 2009?-現在
オレゴンで生まれたセリアは1982年にUC Davisで醸造の学位を取った後、世界のさまざまなワイン地域で修行をしました。その過程でナパにも来ていくつかのワイナリを手伝い、1987年にSilveradoのアシスタント・ワインメーカーに落ち着きました。
コンサルタントとしての活動を始めたのは1992年のStaglinから。21世紀に入ってからは、コンサルタントするワイナリも増え、しかもほとんどが現在でも続いています。2004年には自身のワイナリCorraを始めています。
特に注目を浴びたのはScarecrowのコンサルタントになったこと。最初のヴィンテージである2003年のScarecrowがロバート・パーカーから98点という評価を得たことで、一夜にして有名ワイナリの1つになりました。2007年は100点を得て、新世代カルトとしての位置付けを固めています。
ちなみに、彼女の名前のマチェスキは、夫でBeaulieu(BV)の白ワインを担当するボブ・マチェスキから来たもの。以前はセリア・マチェスキと名乗っていることが多かったのですが、近年はセリア・ウェルチだけで通していることが多いようです。
Silverado 1987-1991
Robert Pepi 1991-1995
Staglin 1992-?
DR Stevens 1999?-2007
Scarecrow Wine 2002-現在
Corra 2004-現在
Lindstrom Wines 2005-現在
Hollywood & Vine Cellars ?-現在
Keever Vineyards & Winery ?-現在
Kelly Fleming Wines ?-現在
Barbour Vineyards 2009?-現在
カリフォルニアでは高級ワインの市場が、昨年後半あたりからようやく回復してきている様子です。今年はワインが足りなくなるといった観測が出てきています(Wine Prices Set to Rise Amid California Grape Shortage - US Business News - CNBC)。
2012年になってから不況前ほどではないにしろ、ワインの価格が反転して値上がり傾向が見えており、今後のワイン不足でその状況が加速するかもしれません。
コンシューマーにとってはワイン値上がりは残念なニュースですが、おいしいワインを飲むためには、ワイン業界が健全な状態であることも必要です。今後この動きがどうなっていくのか要注目です。
2012年になってから不況前ほどではないにしろ、ワインの価格が反転して値上がり傾向が見えており、今後のワイン不足でその状況が加速するかもしれません。
コンシューマーにとってはワイン値上がりは残念なニュースですが、おいしいワインを飲むためには、ワイン業界が健全な状態であることも必要です。今後この動きがどうなっていくのか要注目です。
Philippe Melka(フィリップ・メルカ)はボルドーに生まれ、育ち、ボルドー大学で醸造を学んだというカリフォルニアでは異色のワインメーカーです。1989年に学位を得、1991年に修士を取得した後、Chateau Haut Brionなどで働きました。働いたワイナリの中にはDominusやRidgeもあり、Ridgeで妻のCherie(チェリー)と出会いました。その後もフランスをベースに様々な国で働いていましたが、フランスの一流ワイナリでは、ワインメーカーになるまで何十年もかかってしまうことから、カリフォルニアを選び、ナパに落ち着くことになりました。
1995年、最初に採用したのはLail Vineyards。Inglenookの元オーナーの娘であるRobin Lailのワイナリです。1996年には自身のMelka Winesを立ち上げます。
1990年代末には多くのワイナリのコンサルタントを始めます。中でもVineyard 29ではハイジ・バレットの後継という重責を担いました。
メルカを決定的に有名にしたのは2002年、ヘレン・ターリーの後を受けてBryant Familyのワインメーカーになったことでした。1990年代末からの「カルト・ワイン」フィーバーの一角をなしたワイナリであること。オーナーとヘレン・ターリーとの不仲がニュースに取り上げられ、去就が注目されていたこと。自然に新任者にも注目が集まりました。
2007年までのBryantでは、成果もはかばかしくなく、最後は喧嘩別れに近い終わり方になってしまいましたが、Hundred AcreやDanaではWine Advocate誌で100点の評価を得ており、メルカの評判はますます上がっています。2008年9月のFood&Wine誌では、ロバート・パーカーが「世界で最も影響力があるワインコンサルタント」9人の1人として、ヘレン・ターリーやマーク・オーベールらとともにメルカを選んでいます。
Lail 1995-現在
Melka 1996-現在
Caldwell 1998-2005
Marston 1998-2010
Hundred Acre 1998?-現在
Vineyard 29 1999-現在
Constant ? -2002
Seavey ?-現在
Quintessa ??-2007?
Bryant Family 2002-2007
Dana 2005-現在
Gemstone 2005-現在
Cliff Lede 2010-現在
1995年、最初に採用したのはLail Vineyards。Inglenookの元オーナーの娘であるRobin Lailのワイナリです。1996年には自身のMelka Winesを立ち上げます。
1990年代末には多くのワイナリのコンサルタントを始めます。中でもVineyard 29ではハイジ・バレットの後継という重責を担いました。
メルカを決定的に有名にしたのは2002年、ヘレン・ターリーの後を受けてBryant Familyのワインメーカーになったことでした。1990年代末からの「カルト・ワイン」フィーバーの一角をなしたワイナリであること。オーナーとヘレン・ターリーとの不仲がニュースに取り上げられ、去就が注目されていたこと。自然に新任者にも注目が集まりました。
2007年までのBryantでは、成果もはかばかしくなく、最後は喧嘩別れに近い終わり方になってしまいましたが、Hundred AcreやDanaではWine Advocate誌で100点の評価を得ており、メルカの評判はますます上がっています。2008年9月のFood&Wine誌では、ロバート・パーカーが「世界で最も影響力があるワインコンサルタント」9人の1人として、ヘレン・ターリーやマーク・オーベールらとともにメルカを選んでいます。
Lail 1995-現在
Melka 1996-現在
Caldwell 1998-2005
Marston 1998-2010
Hundred Acre 1998?-現在
Vineyard 29 1999-現在
Constant ? -2002
Seavey ?-現在
Quintessa ??-2007?
Bryant Family 2002-2007
Dana 2005-現在
Gemstone 2005-現在
Cliff Lede 2010-現在
Harlan Estateのビル・ハーランが、ナパの「グラン・クリュ」の畑から最良のカベルネ・ソヴィニョンを作るために始めたBond(詳しくはこちら)。その2008年ヴィンテージが入荷してきています。
Bondの本来の楽しみ方はそれぞれの単一畑のカベルネ・ソヴィニョンで“テロワール”を感じることですが、いかんせん1本3万円程度とかなり高価です(品質もその価格に見合うものではありますが)。
そこで見逃せないのがMatriarch(メイトリアーク)というブレンドもの。日本での価格は1万円程度と世界で一番安くなっています(実勢価格で125ドルくらいからです)。
ただ、2008年のメイトリアークは、1万1000円程度からと、これまでよりちょっと高くなっています。一方で、評価はちょっと低め(WAで89、WSで90)。
実は、まで2007年のものも残っているショップがあり、そちらはもっと安く、評価は高い(WAで91、WSで93)です。こちらはむちゃくちゃお買い得。特にパリ16区は4月29日までカリフォルニア・ワイン10%割引実施中(2008年は対象外ですが2007年は対象です)なので実質税込9000円程度という激安です。
ついでに書いておくと、パリ16区ではBond Melburyの2007年が2万7800円。これも10%オフ対象ですから実質2万5000円。米国でも350ドルくらいしますから、激安です。残り1本なので迷ったら買いですよ。
Bondの本来の楽しみ方はそれぞれの単一畑のカベルネ・ソヴィニョンで“テロワール”を感じることですが、いかんせん1本3万円程度とかなり高価です(品質もその価格に見合うものではありますが)。
そこで見逃せないのがMatriarch(メイトリアーク)というブレンドもの。日本での価格は1万円程度と世界で一番安くなっています(実勢価格で125ドルくらいからです)。
ただ、2008年のメイトリアークは、1万1000円程度からと、これまでよりちょっと高くなっています。一方で、評価はちょっと低め(WAで89、WSで90)。
実は、まで2007年のものも残っているショップがあり、そちらはもっと安く、評価は高い(WAで91、WSで93)です。こちらはむちゃくちゃお買い得。特にパリ16区は4月29日までカリフォルニア・ワイン10%割引実施中(2008年は対象外ですが2007年は対象です)なので実質税込9000円程度という激安です。
ついでに書いておくと、パリ16区ではBond Melburyの2007年が2万7800円。これも10%オフ対象ですから実質2万5000円。米国でも350ドルくらいしますから、激安です。残り1本なので迷ったら買いですよ。
ワインメーカーが注目されるきっかけは大きく分けて2つあります。1つはロバート・パーカーなどの評論家がワインを高く評価したとき、もう1つは著名なワイナリで採用されたときです。Andy Erickson(アンディ・エリクソン)にとっては後者が大きく影響しています。2006年にScreaming Eagle、2007年にDalla Valleと、超高額ワインで知られる「カルト」なワイナリに相次いでワインメーカーとして就任したからです。
1967年生まれのアンディ・エリクソンはインディアナ州の生まれ。ワインとは縁がなく育ち、大学もワイン醸造とは無関係。サンフランシスコで広告関係の仕事をしているうちにワインへの興味が増し、1993年に1年半の休みを取って南米に行きました。アルゼンチンのワイナリで、1994年の収穫を手伝っているときに著名なワインメーカーのPaul Hobbs(ポール・ホブス)と出会い、ナパに行って当時Paul Hobbsが手がけていたStag's Leap Wine Cellarsで働くことになりました。
さらに、ナパに来て早々、John Kongsgaard(ジョン・コングスガード)と知り合いになり、Newtonで働くことに。そこで妻となるAnnie Favia(アニー・ファヴィア)と出会いました。コングスガードは、彼を一番弟子とみなしているようです。このほかHarlan EstateのBob Levy(ボブ・レヴィ)とも知り合いになってHarlanでも一時働くなど、幸運が続きました。
2001年にStaglinのワインメーカーとして独り立ちし、2003年にはコンサルティング・ビジネスを本格的に始めるのと同時に、妻と共同でFaviaを立ち上げました。
2004年にサンタ・バーバラのJonataでワインメーカーになりました。そのオーナーだったCharles Banks(チャールズ・バンクス)がScreaming Eagleを買収したことで、同ワイナリのワインメーカーになりました。もちろん、その実力があってのものでしょうが、人との出会いの幸運が驚くほどです。
なお、2007年のScreaming Eagleが、Wine Advocateで10年ぶり2回目となる100点と評価され、同年のDalla Valle Mayaが98点を得るなど、実際のワインの評価も上々という言葉では足りないくらいです。
シャトー・オーゾンヌが好きで、一番好きな品種はカベルネ・フランだというアンディ・エリクソン。Mayaはカベルネ・フランを多く使っていますが、Faviaでもカベルネ・フランを中心に作っています。
Stag's Leap Wine Cellars 1994
Spottswoode ?-?
Newton ?-?
Harlan Estate 2000-2001
Staglin 2001-2002
Hartwell 2003?-2006
Ovid 2003-現在
Dancing Hares 2003-現在
Favia 2003-現在
Leviathan 2004?-現在
Jonata 2004-2006?
Arietta 2005-現在
Screaming Eagle 2006-2011
Dalla Valle 2007-?
1967年生まれのアンディ・エリクソンはインディアナ州の生まれ。ワインとは縁がなく育ち、大学もワイン醸造とは無関係。サンフランシスコで広告関係の仕事をしているうちにワインへの興味が増し、1993年に1年半の休みを取って南米に行きました。アルゼンチンのワイナリで、1994年の収穫を手伝っているときに著名なワインメーカーのPaul Hobbs(ポール・ホブス)と出会い、ナパに行って当時Paul Hobbsが手がけていたStag's Leap Wine Cellarsで働くことになりました。
さらに、ナパに来て早々、John Kongsgaard(ジョン・コングスガード)と知り合いになり、Newtonで働くことに。そこで妻となるAnnie Favia(アニー・ファヴィア)と出会いました。コングスガードは、彼を一番弟子とみなしているようです。このほかHarlan EstateのBob Levy(ボブ・レヴィ)とも知り合いになってHarlanでも一時働くなど、幸運が続きました。
2001年にStaglinのワインメーカーとして独り立ちし、2003年にはコンサルティング・ビジネスを本格的に始めるのと同時に、妻と共同でFaviaを立ち上げました。
2004年にサンタ・バーバラのJonataでワインメーカーになりました。そのオーナーだったCharles Banks(チャールズ・バンクス)がScreaming Eagleを買収したことで、同ワイナリのワインメーカーになりました。もちろん、その実力があってのものでしょうが、人との出会いの幸運が驚くほどです。
なお、2007年のScreaming Eagleが、Wine Advocateで10年ぶり2回目となる100点と評価され、同年のDalla Valle Mayaが98点を得るなど、実際のワインの評価も上々という言葉では足りないくらいです。
シャトー・オーゾンヌが好きで、一番好きな品種はカベルネ・フランだというアンディ・エリクソン。Mayaはカベルネ・フランを多く使っていますが、Faviaでもカベルネ・フランを中心に作っています。
Stag's Leap Wine Cellars 1994
Spottswoode ?-?
Newton ?-?
Harlan Estate 2000-2001
Staglin 2001-2002
Hartwell 2003?-2006
Ovid 2003-現在
Dancing Hares 2003-現在
Favia 2003-現在
Leviathan 2004?-現在
Jonata 2004-2006?
Arietta 2005-現在
Screaming Eagle 2006-2011
Dalla Valle 2007-?
Earth Dayがある4月はカリフォルニアワインの「down to earth」(地に足がついた)月間ということです。4月22日のEarth Dayにはイベントを行うワイナリもいろいろあります。
カリフォルニアのワイナリは環境への意識という面では、かなり進んでいます。「カリフォルニアワインがエコフレンドリである10の理由」というドキュメントによると
1. カリフォルニアの「持続可能なワイン栽培プログラム」(SWP)によって、土地からグラスまでエコの標準が定められている。
2. 太陽光発電や風力発電、バイオ燃料の採用が進んでいる。
3. 畑に様々な動物や鳥を放って、害虫や病気対策をしている。
4. 長期的な環境へのインパクトを抑えた「グリーン・アーキテクチャ」が進んでいる
5.自然に買える素材を使うなどさまざまな点でエコシステムができている
6. 春先のマスタードなど、cover crop(被覆作物)が普及している。
7. リサイクルに取り組んでいるワイナリも多数。
8. 水の無駄使いを防ぐワイナリも多数。
9. 炭酸ガスの排出を減らしている。
10. 研究開発に投資している。
とのことです。
私の印象でも、ワイナリのサイトで環境について言及しているところがすごく増えたなあという感じがします。
カリフォルニアのワイナリは環境への意識という面では、かなり進んでいます。「カリフォルニアワインがエコフレンドリである10の理由」というドキュメントによると
1. カリフォルニアの「持続可能なワイン栽培プログラム」(SWP)によって、土地からグラスまでエコの標準が定められている。
2. 太陽光発電や風力発電、バイオ燃料の採用が進んでいる。
3. 畑に様々な動物や鳥を放って、害虫や病気対策をしている。
4. 長期的な環境へのインパクトを抑えた「グリーン・アーキテクチャ」が進んでいる
5.自然に買える素材を使うなどさまざまな点でエコシステムができている
6. 春先のマスタードなど、cover crop(被覆作物)が普及している。
7. リサイクルに取り組んでいるワイナリも多数。
8. 水の無駄使いを防ぐワイナリも多数。
9. 炭酸ガスの排出を減らしている。
10. 研究開発に投資している。
とのことです。
私の印象でも、ワイナリのサイトで環境について言及しているところがすごく増えたなあという感じがします。
Mark Aubert(マーク・オーベール)は、21世紀に入ってから急速に有名になったワインメーカーです。
1970年にナパのセントヘレナに引っ越してきたオーベール。父親はカリストガに薬局を持ち、マークにはエンジニアになることを期待していたといいます。しかし、子供の頃からシャンパーニュを飲んで育ったマークは、フレスノ大学に進学。そこでワイン醸造を学びました。
卒業後はMonticelloでワインメーカーになりました。このころナパで参加したテイスティング・グループでヘレン・ターリーと出会い、Peter Michaelでアシスタントになりました。1990年にヘレンがPeter Michaelを去ってからは、ワインメーカーに昇格し、そこで名声を築きました。
1999年には再びヘレンターリーの後を継いでColginに参加。自身のワイナリAubertも始めました。Sloan、Bryantといったカルトワインのワイナリからもワイン作りをまかされます。
Monticello 1985-1989
Rutherford Hill ?-?
Freemark Abbey ?-?
Peter Michael 1990-1999
Aubert 1999-現在
Colgin 1999-2006
Sloan 2000-2001
Bryant Family 2007-2011
1970年にナパのセントヘレナに引っ越してきたオーベール。父親はカリストガに薬局を持ち、マークにはエンジニアになることを期待していたといいます。しかし、子供の頃からシャンパーニュを飲んで育ったマークは、フレスノ大学に進学。そこでワイン醸造を学びました。
卒業後はMonticelloでワインメーカーになりました。このころナパで参加したテイスティング・グループでヘレン・ターリーと出会い、Peter Michaelでアシスタントになりました。1990年にヘレンがPeter Michaelを去ってからは、ワインメーカーに昇格し、そこで名声を築きました。
1999年には再びヘレンターリーの後を継いでColginに参加。自身のワイナリAubertも始めました。Sloan、Bryantといったカルトワインのワイナリからもワイン作りをまかされます。
Monticello 1985-1989
Rutherford Hill ?-?
Freemark Abbey ?-?
Peter Michael 1990-1999
Aubert 1999-現在
Colgin 1999-2006
Sloan 2000-2001
Bryant Family 2007-2011
David Ramey(デイビッド・レイミー)は、シャルドネのスペシャリストとして、多くのワイナリで素晴らしいシャルドネを作ってきました。また、近年はカベルネ・ソヴィニョンやそのブレンドでも高く評価されています。彼のワイナリRamey Wine CellarsはソノマのHealdsburgにあるため、ナパのリストには含まれていませんが、シャルドネやカベルネ・ソヴィニョンではナパのブドウを使っています。
1979年にU.C. Davisの醸造学科を卒業したデイビッド。卒業論文の「Volatile Ester Hyrdolysis or Formation during Storage of Model Solutions and Wines」はワインの中でどのようにフレーバーが出来ていくのかを分析したもので、現在でも参照されているとのこと。
卒業後、短い期間ですがボルドーのCh. Pétrusで働き、その後ソノマのSimiでアシスタントをします。1984年にはソノマのMatanzas Creekでワインメーカーになります。ここでは素晴らしいメルローやシャルドネを作っています。また、ここでの在籍中にシャルドネのスキンコンタクトについての論文を発表するなど、学究肌であることが分かります。Matanzas Creekの後はChalk Hill。ここは、古くからシャルドネで有名なソノマのワイナリですが、1980年代はやや低迷していました。それを立て直したのがレイミーでした。
1996年には自身のワイナリRameyを始めるのと同時に、ナパのDominusでも働き始めました。
ナパでは旧Girardを買収したRuddのワインメーカーになり、ここでもシャルドネが人気を博しました。また、Ruddにカベルネ・ソヴィニョンを提供していたJerico Canyonのワインメーカーになり、自身のワイナリでもJerico Canyonのカベルネ・ソヴィニョンを作り始めました。2003年からは新進気鋭のワイナリHallのワインメーカーにもなっています。ロバート・パーカーは2010年に「Hallの勢いに乗らない手はないよ、ここ3~4年は山ほどいいワインを作っているから」と書いています。
現在、RameyではHyde、HudsonというCarnerosの著名畑のシャルドネやソノマのRitchieのシャルドネ、LarkmeadやPedregalという単一畑の優秀なカベルネ・ソヴィニョン系ブレンド、Claretというコストパフォーマンスの高いカベルネ・ソヴィニョン系ブレンド、さらにはいくつかのシラーを作っており、いずれも高評価を得ています。
Simi 1980-1983
Matanzas Creek 1984-1989
Chalk Hill 1990-1996
Dominus 1996-1998
Ramey Wine Cellars 1996-現在
Rudd Oakville Estate 1996?-2001
Jerico Canyon 2001-2006
Hall Winery 2003-現在
1979年にU.C. Davisの醸造学科を卒業したデイビッド。卒業論文の「Volatile Ester Hyrdolysis or Formation during Storage of Model Solutions and Wines」はワインの中でどのようにフレーバーが出来ていくのかを分析したもので、現在でも参照されているとのこと。
卒業後、短い期間ですがボルドーのCh. Pétrusで働き、その後ソノマのSimiでアシスタントをします。1984年にはソノマのMatanzas Creekでワインメーカーになります。ここでは素晴らしいメルローやシャルドネを作っています。また、ここでの在籍中にシャルドネのスキンコンタクトについての論文を発表するなど、学究肌であることが分かります。Matanzas Creekの後はChalk Hill。ここは、古くからシャルドネで有名なソノマのワイナリですが、1980年代はやや低迷していました。それを立て直したのがレイミーでした。
1996年には自身のワイナリRameyを始めるのと同時に、ナパのDominusでも働き始めました。
ナパでは旧Girardを買収したRuddのワインメーカーになり、ここでもシャルドネが人気を博しました。また、Ruddにカベルネ・ソヴィニョンを提供していたJerico Canyonのワインメーカーになり、自身のワイナリでもJerico Canyonのカベルネ・ソヴィニョンを作り始めました。2003年からは新進気鋭のワイナリHallのワインメーカーにもなっています。ロバート・パーカーは2010年に「Hallの勢いに乗らない手はないよ、ここ3~4年は山ほどいいワインを作っているから」と書いています。
現在、RameyではHyde、HudsonというCarnerosの著名畑のシャルドネやソノマのRitchieのシャルドネ、LarkmeadやPedregalという単一畑の優秀なカベルネ・ソヴィニョン系ブレンド、Claretというコストパフォーマンスの高いカベルネ・ソヴィニョン系ブレンド、さらにはいくつかのシラーを作っており、いずれも高評価を得ています。
Simi 1980-1983
Matanzas Creek 1984-1989
Chalk Hill 1990-1996
Dominus 1996-1998
Ramey Wine Cellars 1996-現在
Rudd Oakville Estate 1996?-2001
Jerico Canyon 2001-2006
Hall Winery 2003-現在
昨年12月、「Wine Advocateのレビュワー訪問で2万ユーロ?が大波紋」という記事でWine Advocate誌のJay Miller(現在は同誌から引退)がスペインでレビューするワイナリから金銭を受け取っていたという疑惑があることを紹介しました。
同誌主宰のロバート・パーカーは第3者機関に調査を委ね、このほどその結果が公表されました。
それによると、(1)Jay Millerが金銭を受け取ってレビューを書いたという事実は発見されなかった、(2)しかし、レビュー用のテイスティングと、ワイナリが金銭を払って参加するプライベートのイベントの境がはっきりしなかった、(3)それはJay Millerがスペイン語を解さないことから、スペインでのアレンジを依頼したPancho Campoによるものであった、とのことでした。また、Jay Millerが同誌をやめたのは、この件とは無関係であると結論されています。
また、このレポートではWine Advocate誌がこれを受けて、(1)パーカー以外のレビュアーの倫理基準を明確にするべきであり、(2)2011年6月末以降のMillerのレビューは掲載するべきではない、などの動きを取ることを勧めています。
このうち倫理基準については既にアップデートされたものがサイトに掲載されています。
同誌主宰のロバート・パーカーは第3者機関に調査を委ね、このほどその結果が公表されました。
それによると、(1)Jay Millerが金銭を受け取ってレビューを書いたという事実は発見されなかった、(2)しかし、レビュー用のテイスティングと、ワイナリが金銭を払って参加するプライベートのイベントの境がはっきりしなかった、(3)それはJay Millerがスペイン語を解さないことから、スペインでのアレンジを依頼したPancho Campoによるものであった、とのことでした。また、Jay Millerが同誌をやめたのは、この件とは無関係であると結論されています。
また、このレポートではWine Advocate誌がこれを受けて、(1)パーカー以外のレビュアーの倫理基準を明確にするべきであり、(2)2011年6月末以降のMillerのレビューは掲載するべきではない、などの動きを取ることを勧めています。
このうち倫理基準については既にアップデートされたものがサイトに掲載されています。
John Kongsgaard(ジョン・コングスガード)はナパに住んで5世代目という生粋のナパ育ち。1970年代にはStony Hillなどいくつかのワイナリで働き、1983年にNewtonのワインメーカーになりました。NewtonではUnfilteredのシャルドネやメルローで名を馳せ、1996年までワインメーカーを続けました。
1996年には自身のワイナリであるKongsgaardを立ち上げ、さらには共同でArietta、Lunaを始めました。Livingstonでのワイン作りにも協力しました。Lunaはサンジョベーゼ、ピノ・グリージョといったイタリア品種やメルローを手がけ、Ariettaではボルドー系のブレンドで優秀なワインを作りました。ただ、2005年にAriettaの持分を売却したのを最後に、自身のKongsgaardに注力するようになっています。
Kongsgaardでは祖父が1927年に購入した畑「The Judge」から類まれなシャルドネを生み出しています。シャルドネの優秀な畑がMarcassinやKistlerなどソノマに集中する中、ナパでは孤高の地位に上り詰めています。また、シラーでもナパでトップレベルのすばらしいワインを輩出しています。カベルネ・ソヴィニョンのレベルも年々上がっており、ウルトラ・プレミアムなワイナリとしての位置を確立しました。
Christian Brothers ?-?
Stony Hill Vineyard ?-?
Stag's Leap Wine Cellars ?-?
Balverne ?-?
Newton 1983-1996
Livingston 1996-2001
Arietta 1996-2005
Luna 1996-2002
Kongsgaard 1996-
1996年には自身のワイナリであるKongsgaardを立ち上げ、さらには共同でArietta、Lunaを始めました。Livingstonでのワイン作りにも協力しました。Lunaはサンジョベーゼ、ピノ・グリージョといったイタリア品種やメルローを手がけ、Ariettaではボルドー系のブレンドで優秀なワインを作りました。ただ、2005年にAriettaの持分を売却したのを最後に、自身のKongsgaardに注力するようになっています。
Kongsgaardでは祖父が1927年に購入した畑「The Judge」から類まれなシャルドネを生み出しています。シャルドネの優秀な畑がMarcassinやKistlerなどソノマに集中する中、ナパでは孤高の地位に上り詰めています。また、シラーでもナパでトップレベルのすばらしいワインを輩出しています。カベルネ・ソヴィニョンのレベルも年々上がっており、ウルトラ・プレミアムなワイナリとしての位置を確立しました。
Christian Brothers ?-?
Stony Hill Vineyard ?-?
Stag's Leap Wine Cellars ?-?
Balverne ?-?
Newton 1983-1996
Livingston 1996-2001
Arietta 1996-2005
Luna 1996-2002
Kongsgaard 1996-
カリフォルニアワインあらかるとで、ラベル欠損などの「訳あり」品セールをやっています。
目玉は、シミーのシャルドネとかフランシスカンのカベルネとか。どちらも通常より400円~500円程度安くなっています。デイリー品が中心なのでまとめ買いにどうぞ。
目玉は、シミーのシャルドネとかフランシスカンのカベルネとか。どちらも通常より400円~500円程度安くなっています。デイリー品が中心なのでまとめ買いにどうぞ。
Vin du 268でSmall Vinesのピノ・ノワールが4本2万円と4割引の大盤振る舞いです。リリース価格と比べても割安なくらい。しかも現地では売り切れています。さらに送料も無料です。
セット内容は2007年と2008年のそれぞれRussian RiverとMK Vineyard。Stephen TanzerのInternational Wine Cellar誌(IWC)では2008年のRussian Riverが90点のほか、残り3本は92点という高得点。IWCはブルゴーニュのレビューではWine Advocate誌より信頼性が高いと言われており、ピノ・ノワールの評価では定評がありますから、そこで90点台というのは立派な数字です。
Small Vinesはブルゴーニュのような密植スタイルでぶどうの樹を植えるのが特徴のワイナリ。樹の間隔を通常の3分の1から2分の1程度にしています。
セット内容は2007年と2008年のそれぞれRussian RiverとMK Vineyard。Stephen TanzerのInternational Wine Cellar誌(IWC)では2008年のRussian Riverが90点のほか、残り3本は92点という高得点。IWCはブルゴーニュのレビューではWine Advocate誌より信頼性が高いと言われており、ピノ・ノワールの評価では定評がありますから、そこで90点台というのは立派な数字です。
Small Vinesはブルゴーニュのような密植スタイルでぶどうの樹を植えるのが特徴のワイナリ。樹の間隔を通常の3分の1から2分の1程度にしています。
ボブ・レヴィは、ワインメーカーとしてはあまり知られていないかしれません。しかしHarlan Estateのワインメーカー兼Bondのワインメーカーとして数々の素晴らしいワインを作り出してきました。Harlan成功の影の主役といっても過言ではないでしょう。例えばWine Advocate誌で100点を得たワインだけを見てもHarlanで5本、Bondで2本、計7本というのはナパのワインメーカーの中ではトップです。
1976年にU.C. Davisを卒業したレヴィはCuvaisonで働いた後、1982年にRombauerのワインメーカーになります。1983年にBill HarlanがMerryvaleを設立するときにワインメーカーになることを請われ、Merryvaleで1998年までワインメーカーを務めます。
並行してHarlan Estateのプロジェクトにも加わります。Harlan EstateはオーナーのBill Harlanが完璧を目指して作ったワイナリであり、欧州の様々な一流ワイナリを調べた結果、ヒルサイドが一番いいワインができるという結論に至り、畑を切り開きました。
Bill Harlanが「あらゆるレベルで選択を行った」というように、畑から様々な醸造技術まで、あらゆることをテストし、いいものを残して行った結果が今のHarlanになったわけです。例えば、Harlanの畑は約40エーカーですが、これを斜面の向きや品種、ルートストックなどで40の区画に分けています。それぞれ最適な収穫時期に収穫します。半日ずれただけでも味が変わってしまうというのですから、シビアです。
Bondにしても、ナパの70あまりの畑からブドウを買い付け、一番いいものを選んでいった結果の産物です。選別を始めてから、最終的にBondとして契約する畑を決めるまで12年。
このようにHarlanにしてもBondにしても経験を積み重ねた結晶として成り立っている部分が多く、ボブ・レヴィが当初から携わっている意味合いの大きさが分かります。Harlan/Bondファミリーには2012年からPromonteryという新しいプロジェクトも加わります。さらにボブ・レヴィの役割は重要になりそうです。
Cuvaison(Cellar Assistant) 1977-1981
Rombauer Vineyards 1982–1987
Merryvale 1983-1998
Harlan Estate 1984-
Bond 1999-
Promontery
1976年にU.C. Davisを卒業したレヴィはCuvaisonで働いた後、1982年にRombauerのワインメーカーになります。1983年にBill HarlanがMerryvaleを設立するときにワインメーカーになることを請われ、Merryvaleで1998年までワインメーカーを務めます。
並行してHarlan Estateのプロジェクトにも加わります。Harlan EstateはオーナーのBill Harlanが完璧を目指して作ったワイナリであり、欧州の様々な一流ワイナリを調べた結果、ヒルサイドが一番いいワインができるという結論に至り、畑を切り開きました。
Bill Harlanが「あらゆるレベルで選択を行った」というように、畑から様々な醸造技術まで、あらゆることをテストし、いいものを残して行った結果が今のHarlanになったわけです。例えば、Harlanの畑は約40エーカーですが、これを斜面の向きや品種、ルートストックなどで40の区画に分けています。それぞれ最適な収穫時期に収穫します。半日ずれただけでも味が変わってしまうというのですから、シビアです。
Bondにしても、ナパの70あまりの畑からブドウを買い付け、一番いいものを選んでいった結果の産物です。選別を始めてから、最終的にBondとして契約する畑を決めるまで12年。
このようにHarlanにしてもBondにしても経験を積み重ねた結晶として成り立っている部分が多く、ボブ・レヴィが当初から携わっている意味合いの大きさが分かります。Harlan/Bondファミリーには2012年からPromonteryという新しいプロジェクトも加わります。さらにボブ・レヴィの役割は重要になりそうです。
Cuvaison(Cellar Assistant) 1977-1981
Rombauer Vineyards 1982–1987
Merryvale 1983-1998
Harlan Estate 1984-
Bond 1999-
Promontery
カレラ35周年の2010年ヴィンテージ、Wine Spectator誌でセントラルコースト・ピノ・ノワールが93点という高得点を得ています。同誌におけるカレラのワインの中では最高評価(1987年のジェンセンとタイ)。
米国でのリリース価格24ドルに対し、日本でも2000円台前半というほとんど変わらない価格で買えるのもうれしいところ。2000円台のカリピノとしては最強と言っても過言ではないかもしれません。
かつてはカレラのセントラルコーストは「安かろう…」というイメージがありましたが、近年の品質向上は著しいものがあります。Wine Advocate誌でも2007年~2009年で90点以上の評価(2010年はまだ)を得ています。
なお、いわゆるロマネコンティうんぬんに関しては、購入したブドウで作るこのワインは無関係なので、その点は気をつけてください(そういう宣伝もたまに見るので)。
米国でのリリース価格24ドルに対し、日本でも2000円台前半というほとんど変わらない価格で買えるのもうれしいところ。2000円台のカリピノとしては最強と言っても過言ではないかもしれません。
かつてはカレラのセントラルコーストは「安かろう…」というイメージがありましたが、近年の品質向上は著しいものがあります。Wine Advocate誌でも2007年~2009年で90点以上の評価(2010年はまだ)を得ています。
なお、いわゆるロマネコンティうんぬんに関しては、購入したブドウで作るこのワインは無関係なので、その点は気をつけてください(そういう宣伝もたまに見るので)。
今や旨安ワインの代表格として知られるようになったマクマニス・ファミリー、そのシャルドネが1000円という安さで出ています。
通常1300円~1500円程度のこのワイン、米国での定価が11ドルですから1000円だとそれほど変わらない。輸入コストを考えたらものすごく頑張っていると思います。
通常1300円~1500円程度のこのワイン、米国での定価が11ドルですから1000円だとそれほど変わらない。輸入コストを考えたらものすごく頑張っていると思います。
Tony Soter(トニー・ソーター)とMia Klein(ミア・クライン)は1990年代、共同で多くのワイナリのワインメーカーやコンサルタントを務めました。ハイジ・バレットの後を受けてDalla Valleのワインメーカーになったほか、AraujoやViaderといった錚々たるワイナリでもワインメーカー/コンサルタントを引き受けていました。
Photo courtesy from craig.camp
トニー・ソーターは大学では哲学を学んだ人。ワイン作りについて正式に学んだことはないものの1975年にナパに来て様々なワイナリで修行を積み1980年代からコンサルタントを始めました。また、自身のワイナリであるEtude(勉強の意)は1980年に開始しています。Etudeのきっかけは、Oakvilleから余っているピノ・ノワールを売りに来たのを買ったこと。以来ピノ・ノワールを主な品種として作っています。
一方、ミア・クラインは1962年に南カリフォルニアで生まれ、高校の最上級生のときにサンフランシスコに引っ越してきました。そこでワインショップのアルバイトをしたのがきっかけになり、ワイン作りを志すことに。UC Davisの醸造学科に進学しました。
1983年に卒業した後は、当時女性ワインメーカーの草分け的存在だったCathy Corison(キャシー・コリソン)が働くChappellet(シャペレー)に雇われ、次にRobert Pepiで働きました。
Robert Pepiでトニー・ソーターに出会い、独立したワインメーカー/コンサルタントへの道を歩み始めました。1990年のことです。以後約10年間、2人は共同で多くのワイナリのワインメーカー/コンサルタントをしました。特にViaderやAraujoではワイナリの初期から携わっています。また、前述のようにDalla Valleではハイジ・バレットを引き継ぐという難しい役割でしたが、評判を落とすことなくやり遂げました。
トニー・ソーターは1997年に妻の生まれ故郷であるオレゴンに畑を買ってSoter Vineyardsを立ち上げ、1999年にはEtudeとSoter以外のコンサルタントから手を引き、すべてミア・クラインに譲りました。Etudeも2001年に売却。ワインメーカーとしては残りましたが、2005年ころには完全に手を離してSoterに専念するようになりました。
一方、ミア・クラインは1991年に自身のワイナリSeleneを立ち上げ。FisherやBresslerなどのプレミアムなワイナリのワインメーカー/コンサルタントも続けています。またFood & Wine誌では2003年に「Winemaker of the Year」に選ばれています。
Spottswoode 1982(Soter)-1991
Shafer 1986(Soter)-?
Viader 1988(Soter)-1997
Dalla Valle 1989-2006?
Araujo 1991-1998
Niebaum-Coppola 1991-?
トニー・ソーター単独
Etude 1982-2005?
Niebaum-Coppola 1992?-?
Shafer ?-?
Soter(オレゴン) 1997-現在
ミア・クライン単独
Selene 1991-現在
Fisher 2000-?
Bressler 2000-現在
Boyanci 2006-現在
Palmaz 2002?-現在
Photo courtesy from craig.camp
トニー・ソーターは大学では哲学を学んだ人。ワイン作りについて正式に学んだことはないものの1975年にナパに来て様々なワイナリで修行を積み1980年代からコンサルタントを始めました。また、自身のワイナリであるEtude(勉強の意)は1980年に開始しています。Etudeのきっかけは、Oakvilleから余っているピノ・ノワールを売りに来たのを買ったこと。以来ピノ・ノワールを主な品種として作っています。
一方、ミア・クラインは1962年に南カリフォルニアで生まれ、高校の最上級生のときにサンフランシスコに引っ越してきました。そこでワインショップのアルバイトをしたのがきっかけになり、ワイン作りを志すことに。UC Davisの醸造学科に進学しました。
1983年に卒業した後は、当時女性ワインメーカーの草分け的存在だったCathy Corison(キャシー・コリソン)が働くChappellet(シャペレー)に雇われ、次にRobert Pepiで働きました。
Robert Pepiでトニー・ソーターに出会い、独立したワインメーカー/コンサルタントへの道を歩み始めました。1990年のことです。以後約10年間、2人は共同で多くのワイナリのワインメーカー/コンサルタントをしました。特にViaderやAraujoではワイナリの初期から携わっています。また、前述のようにDalla Valleではハイジ・バレットを引き継ぐという難しい役割でしたが、評判を落とすことなくやり遂げました。
トニー・ソーターは1997年に妻の生まれ故郷であるオレゴンに畑を買ってSoter Vineyardsを立ち上げ、1999年にはEtudeとSoter以外のコンサルタントから手を引き、すべてミア・クラインに譲りました。Etudeも2001年に売却。ワインメーカーとしては残りましたが、2005年ころには完全に手を離してSoterに専念するようになりました。
一方、ミア・クラインは1991年に自身のワイナリSeleneを立ち上げ。FisherやBresslerなどのプレミアムなワイナリのワインメーカー/コンサルタントも続けています。またFood & Wine誌では2003年に「Winemaker of the Year」に選ばれています。
Spottswoode 1982(Soter)-1991
Shafer 1986(Soter)-?
Viader 1988(Soter)-1997
Dalla Valle 1989-2006?
Araujo 1991-1998
Niebaum-Coppola 1991-?
トニー・ソーター単独
Etude 1982-2005?
Niebaum-Coppola 1992?-?
Shafer ?-?
Soter(オレゴン) 1997-現在
ミア・クライン単独
Selene 1991-現在
Fisher 2000-?
Bressler 2000-現在
Boyanci 2006-現在
Palmaz 2002?-現在
ワイン本のナパの章がようやく先が見えたところで、CWGが閉店する前にワイン会をやりたいなあなどと考えています。テーマとしては、ナパ縛り、Mondavi兄弟のワイン飲み比べなど、ナパを極めたものにして。
ワインのラインナップは例えば
Spottswoode Sauvignon Blanc
Kongsgaard The Judge
Araujo Syrah
Opus One
M by Michael Mondavi
Continuum
といった感じ。ただ、この6本で8人で開催したとしても料理を含めると2万円になっちゃうんですよね。
それでも人が集まりそうなら考えるのですが。いかがでしょう?
ワインのラインナップは例えば
Spottswoode Sauvignon Blanc
Kongsgaard The Judge
Araujo Syrah
Opus One
M by Michael Mondavi
Continuum
といった感じ。ただ、この6本で8人で開催したとしても料理を含めると2万円になっちゃうんですよね。
それでも人が集まりそうなら考えるのですが。いかがでしょう?
Heidi Peterson Barrett(ハイジ・ピーターソン・バレット)は、ヘレン・ターリーと並び称される女性ワインメーカーです。ヘレンの「女神」に対し、「ワインのファーストレディー」とロバート・パーカーが異名を付けており、Time誌では「ナパのワイン・ディーヴァ」とも称されています。1990年代、Dalla ValleやScreaming Eagleのワインメーカーとして極めて評価が高いワインを次々と作り、90年代末のカルトワイン・ブームの立役者の1人となりました。
1958年にナパで生まれ、ワインメーカーの娘として育った彼女は自然にUC Davisに進み、ワイン作りを学びます。1980年に同校卒業後はSilver Oakを作ったJustin Meyerの下で修行し、1983年にBuehlerで初めてワインメーカーになります。同じ頃、Chateau Montelenaのオーナーの息子で1982年にワインメーカーになったBo Barrettと結婚しています。
1988年にBuehlerを離れ、ワイン・コンサルタントとして独立することにしました。その直後、Dalla Valleの創設者であるGustav Dalla Valleから声がかかり、同ワイナリのワインメーカーになりました。これが大きな転機でした。1992年のMaya(カベルネ・フランをベースにした独自ブレンド)がWine Advocate誌のロバート・パーカーに100点と評されたのを初め、98点、99点など高得点を連発したのです。このMayaに代表されるように、ややエレガントなワインを作るのが彼女の特徴の一つと言われています。
Dalla Valleの近隣にあるScreaming Eagleでは1992年から、創設者のJean Philipsがワイナリを売却する2006年までワインメーカーを務めます。この期間にも1997年のものがロバート・パーカーから満点のワインを得ています。また、1992年のScreming Ealgeの6リットルボトルが2000年のNapa Valley Wine Auctionで
1994年には、自身のワイナリであるLa Sirenaを作りました。これは偶然の産物でしたが、シラーやマスカットなど、クライアントのワインでは作っていないような品種も手がけています。
21世紀に入ってからはParadigm、Amuse Bouche、Lamborn、Kenzo Estateなどでワインメーカーを務めています。また、2008年から夫のBoと共同でワインを作るBarrett and Barrettを始め、2011年に最初のワインをリリースしました。1本250ドルと高価ですが、カリストガにある自社畑から作ったカベルネ・ソヴィニョンです。
最後に、これまでのワインメーカーやコンサルタントとしての履歴をまとめます。20年以上続いているParadigmを初め、長期間にわたって続けている例が多いのは、それだけクライアントからの信頼を得ているということなのだと思います。
Buehler Vineyards 1983-1988
Dalla Valle 1988-1995
Paradigm 1991-現在
Screaming Eagle 1992-2006
Grace Family -2000
La Sirena 1994-現在
Lamborn 1996-現在
Vineyard 29 1995-1998
Jones Family 1996-2006
David Arthur ?-?
Barbour Vineyards ?-?
Showket ?-?
Revana 2001?-2008?
Amuse Bouche 2002-現在
Kenzo Estate 2005-現在
Vin Perdu 2005-現在
Au Sommet 2007-現在
Fantesca 2008-現在
Barrett and Barrett 2008-現在
1958年にナパで生まれ、ワインメーカーの娘として育った彼女は自然にUC Davisに進み、ワイン作りを学びます。1980年に同校卒業後はSilver Oakを作ったJustin Meyerの下で修行し、1983年にBuehlerで初めてワインメーカーになります。同じ頃、Chateau Montelenaのオーナーの息子で1982年にワインメーカーになったBo Barrettと結婚しています。
1988年にBuehlerを離れ、ワイン・コンサルタントとして独立することにしました。その直後、Dalla Valleの創設者であるGustav Dalla Valleから声がかかり、同ワイナリのワインメーカーになりました。これが大きな転機でした。1992年のMaya(カベルネ・フランをベースにした独自ブレンド)がWine Advocate誌のロバート・パーカーに100点と評されたのを初め、98点、99点など高得点を連発したのです。このMayaに代表されるように、ややエレガントなワインを作るのが彼女の特徴の一つと言われています。
Dalla Valleの近隣にあるScreaming Eagleでは1992年から、創設者のJean Philipsがワイナリを売却する2006年までワインメーカーを務めます。この期間にも1997年のものがロバート・パーカーから満点のワインを得ています。また、1992年のScreming Ealgeの6リットルボトルが2000年のNapa Valley Wine Auctionで
1994年には、自身のワイナリであるLa Sirenaを作りました。これは偶然の産物でしたが、シラーやマスカットなど、クライアントのワインでは作っていないような品種も手がけています。
21世紀に入ってからはParadigm、Amuse Bouche、Lamborn、Kenzo Estateなどでワインメーカーを務めています。また、2008年から夫のBoと共同でワインを作るBarrett and Barrettを始め、2011年に最初のワインをリリースしました。1本250ドルと高価ですが、カリストガにある自社畑から作ったカベルネ・ソヴィニョンです。
最後に、これまでのワインメーカーやコンサルタントとしての履歴をまとめます。20年以上続いているParadigmを初め、長期間にわたって続けている例が多いのは、それだけクライアントからの信頼を得ているということなのだと思います。
Buehler Vineyards 1983-1988
Dalla Valle 1988-1995
Paradigm 1991-現在
Screaming Eagle 1992-2006
Grace Family -2000
La Sirena 1994-現在
Lamborn 1996-現在
Vineyard 29 1995-1998
Jones Family 1996-2006
David Arthur ?-?
Barbour Vineyards ?-?
Showket ?-?
Revana 2001?-2008?
Amuse Bouche 2002-現在
Kenzo Estate 2005-現在
Vin Perdu 2005-現在
Au Sommet 2007-現在
Fantesca 2008-現在
Barrett and Barrett 2008-現在
Kendall-Jacksonが建物の屋上に太陽光発電兼太陽熱温水器を設置しました(K-J taps sun for heat and power)。昨年の記事では再生可能エネルギーを購入したということで表彰された件を書いていますが、いよいよ自社での設置に踏み切ったということでしょうか。
太陽光発電自体はいまやワイナリでは珍しくなくなりましたが、太陽熱温水器と兼用のものというのはまだあまりないようです。また、コストは明らかにしていないものの、これで年間30000ドルの節約になり、5年でコストを回収する見込みだとのことです。
太陽光発電のコスト見合いはどうしても補助金頼りになりがちなのですが、これだけで費用回収が見込めるのであれば、もっと普及が進むでしょうね。
太陽光発電自体はいまやワイナリでは珍しくなくなりましたが、太陽熱温水器と兼用のものというのはまだあまりないようです。また、コストは明らかにしていないものの、これで年間30000ドルの節約になり、5年でコストを回収する見込みだとのことです。
太陽光発電のコスト見合いはどうしても補助金頼りになりがちなのですが、これだけで費用回収が見込めるのであれば、もっと普及が進むでしょうね。
柳屋とカリフォルニアワインあらかるとにArcadianのPisoniが入荷しています。ArcadianのJoe Davisはアルコール度が低いエレガントなスタイルのワインを作るカリフォルニアでは異色のプロデューサー。Pisoniでアルコール度数13%台というのはおそらくここだけでしょう。そのスタイルのためか、International Wine Cellar誌のStephen Tanzerのお気に入りだということです。
米国の価格でも90ドル台が多く、価格以上に入手困難なワイン(現状最新の2007ヴィンテージは米国でもほとんど見つかりません)です。ほかのPisoniと飲み比べてみるのも一興ではないかと思います。
米国の価格でも90ドル台が多く、価格以上に入手困難なワイン(現状最新の2007ヴィンテージは米国でもほとんど見つかりません)です。ほかのPisoniと飲み比べてみるのも一興ではないかと思います。
ヘレン・ターリーを「ワインの女神」と呼んだのはロバート・パーカーだったと言います。出典を探したところ、Wine SpectatorのJames Laubeは2000年4月のカルト・ワイン特集で「女神」と書いているのを見つけましたが、パーカーの直接書いたものは結局わかりませんでした。ただ1999年の記事で、「パーカーが女神と呼んだ」としているものがあったのでWine Spectatorが最初ということではないのでしょう。ともかく、ワインの女神と言えばヘレン・ターリーというのは既成事実化しているのだと思います。
1944年にゴルフのマスターズ・トーナメントで有名なジョージア州オーガスタで生まれたヘレン・ターリーはメリーランド州のアナポリスにあるセント・ジョンズ・カレッジで文学を学ぶという、ワインとは全く関係ない育ちでした。夫であり、現在も共同でワイン作りをしているジョン・ウェットローファーとはセント・ジョンズ・カレッジ在学中に知り合いました。
農業に興味があった彼女はその後、ニューヨークのコーネル大学で農業を学びます。そして1977年に田舎暮らしのライフスタイルとワイン作りのためにナパに来ます。
最初に得た職はRobert Mondaviで、研究所の技術者でした。いわゆる「セラー・ラット」としてセラーでの様々な業務もこなしたようです。また、野生の酵母で1樽分醸造してみるなど実験をいろいろやって知識を蓄えたといいます。
ヘレンは1984年にソノマのB.R. Cohnでワインメーカーになります。そして1987年に大きな転機が訪れます。イギリス人のPeter Michaelが作ったプレミアムなワイナリPeter Michaelの初代ワインメーカーになったのです。ここで彼女は贅を凝らしたワインを作り、一躍名を上げました。
1990年にはPeter Michaelを辞して自身のワイナリMarcassinをソノマに構えます。また、1991年から1993年ころにかけて、コンサルタントとして数多くのワイナリと契約します。その中にはColginやBryant、Pahlmeyerなどが含まれていました。
また、1993年から1995年にかけては、ヘレンの弟であるラリー・ターリーが作ったTurley Wine Cellarsでもワインを作っており、極めて濃厚なスタイルのジンファンデルという道を切り開きました。
1990年代半ばから後半に彼女が作ったワインは評論家に圧倒的に高く評価され、冒頭に挙げた「女神」という名が掲げられるようになりました。
一方で、ヘレンは品質にこだわるあまり、ワイナリのオーナーにも過大な要求および報酬を求めるようになっていきました。オーナーとぶつかり合うことも多かったのでしょう。1990年代末には大部分のワイナリでコンサルタントをはずれています。
そういった問題が浮上したのは、Bryant Familyとの契約のもつれが明らかになったことからでした。1997年のワインがWine Advocate誌で100点と評価されるなど、彼女の代表的なワイナリでしたが、内情は大変だったようです。正式には2002年にフィリップ・メルカに交代していますが、2000年の収穫期には既に内部で多くの問題がおき、ヘレンがワイン作りをボイコットして、ワインの品質も低くなったと言います。さらに2003年にはBryantのオーナーを契約不履行で訴えることになりました。裁判はヘレンが勝ち、25万5000ドルの報酬を得ることになりました。
訴訟問題としては、2006年にRoy Estateという新興のワイナリから逆に、契約を勝手に打ち切られたと提訴されるということもありました(和解で決着しています)。
素晴らしいワインを作りながらも、これらの問題から、ダーティで守銭奴的なイメージがついてしまったのは、残念なことだと思います。
こういったことや自身のMarcassinに注力したいという意向から、2000年代にワインメーカーをしたのは自身のMarcassinのほかは、Marcassinのブドウの供給元としても付き合いがあったMartinelli、1999年にできたBlankiet、2003年にできたKapcsándyと、1990年代に比べるとわずかにとどまります。長く続いたMartinelliとも2010年には終わりを告げ、2011年からは自身のMarcassinに専念することになりました。2011年には2008年のシャルドネがカリフォルニアのシャルドネとしては初めてWine Advocate誌で100点に輝いています。
最後に彼女のワインメーカーやコンサルタントとしての足跡をまとめておきます。ナパでの活躍を見るとカベルネ・ソヴィニョン一辺倒かと思ってしまいがちではありますが、Marcassinではウルトラ・プレミアムなピノ・ノワールとシャルドネを作り、同じくソノマのLandmarkやMartinelliでも優秀なシャルドネやピノ・ノワールを作りました。TurleyとMartinelliではZinfandelでも優れたワインを作っています。
B.R. Cohn 1984-1987
Peter Michael 1987-1990
Harrison Vineyards 1989-90?
Marcassin 1990-現在
Canepa 1991-?
Green & Red 1991-?
La Jota 1991-1997?
Swanson 1992-1995?
Colgin 1992-1999
Bryant 1992-2002
Landmark 1993-?
Martinelli 1993-2010
Turley 1993-1995
Pahlmeyer 1993-1999
Blankiet 1999-2005
Kapcsándy 2003-2004
1944年にゴルフのマスターズ・トーナメントで有名なジョージア州オーガスタで生まれたヘレン・ターリーはメリーランド州のアナポリスにあるセント・ジョンズ・カレッジで文学を学ぶという、ワインとは全く関係ない育ちでした。夫であり、現在も共同でワイン作りをしているジョン・ウェットローファーとはセント・ジョンズ・カレッジ在学中に知り合いました。
農業に興味があった彼女はその後、ニューヨークのコーネル大学で農業を学びます。そして1977年に田舎暮らしのライフスタイルとワイン作りのためにナパに来ます。
最初に得た職はRobert Mondaviで、研究所の技術者でした。いわゆる「セラー・ラット」としてセラーでの様々な業務もこなしたようです。また、野生の酵母で1樽分醸造してみるなど実験をいろいろやって知識を蓄えたといいます。
ヘレンは1984年にソノマのB.R. Cohnでワインメーカーになります。そして1987年に大きな転機が訪れます。イギリス人のPeter Michaelが作ったプレミアムなワイナリPeter Michaelの初代ワインメーカーになったのです。ここで彼女は贅を凝らしたワインを作り、一躍名を上げました。
1990年にはPeter Michaelを辞して自身のワイナリMarcassinをソノマに構えます。また、1991年から1993年ころにかけて、コンサルタントとして数多くのワイナリと契約します。その中にはColginやBryant、Pahlmeyerなどが含まれていました。
また、1993年から1995年にかけては、ヘレンの弟であるラリー・ターリーが作ったTurley Wine Cellarsでもワインを作っており、極めて濃厚なスタイルのジンファンデルという道を切り開きました。
1990年代半ばから後半に彼女が作ったワインは評論家に圧倒的に高く評価され、冒頭に挙げた「女神」という名が掲げられるようになりました。
一方で、ヘレンは品質にこだわるあまり、ワイナリのオーナーにも過大な要求および報酬を求めるようになっていきました。オーナーとぶつかり合うことも多かったのでしょう。1990年代末には大部分のワイナリでコンサルタントをはずれています。
そういった問題が浮上したのは、Bryant Familyとの契約のもつれが明らかになったことからでした。1997年のワインがWine Advocate誌で100点と評価されるなど、彼女の代表的なワイナリでしたが、内情は大変だったようです。正式には2002年にフィリップ・メルカに交代していますが、2000年の収穫期には既に内部で多くの問題がおき、ヘレンがワイン作りをボイコットして、ワインの品質も低くなったと言います。さらに2003年にはBryantのオーナーを契約不履行で訴えることになりました。裁判はヘレンが勝ち、25万5000ドルの報酬を得ることになりました。
訴訟問題としては、2006年にRoy Estateという新興のワイナリから逆に、契約を勝手に打ち切られたと提訴されるということもありました(和解で決着しています)。
素晴らしいワインを作りながらも、これらの問題から、ダーティで守銭奴的なイメージがついてしまったのは、残念なことだと思います。
こういったことや自身のMarcassinに注力したいという意向から、2000年代にワインメーカーをしたのは自身のMarcassinのほかは、Marcassinのブドウの供給元としても付き合いがあったMartinelli、1999年にできたBlankiet、2003年にできたKapcsándyと、1990年代に比べるとわずかにとどまります。長く続いたMartinelliとも2010年には終わりを告げ、2011年からは自身のMarcassinに専念することになりました。2011年には2008年のシャルドネがカリフォルニアのシャルドネとしては初めてWine Advocate誌で100点に輝いています。
最後に彼女のワインメーカーやコンサルタントとしての足跡をまとめておきます。ナパでの活躍を見るとカベルネ・ソヴィニョン一辺倒かと思ってしまいがちではありますが、Marcassinではウルトラ・プレミアムなピノ・ノワールとシャルドネを作り、同じくソノマのLandmarkやMartinelliでも優秀なシャルドネやピノ・ノワールを作りました。TurleyとMartinelliではZinfandelでも優れたワインを作っています。
B.R. Cohn 1984-1987
Peter Michael 1987-1990
Harrison Vineyards 1989-90?
Marcassin 1990-現在
Canepa 1991-?
Green & Red 1991-?
La Jota 1991-1997?
Swanson 1992-1995?
Colgin 1992-1999
Bryant 1992-2002
Landmark 1993-?
Martinelli 1993-2010
Turley 1993-1995
Pahlmeyer 1993-1999
Blankiet 1999-2005
Kapcsándy 2003-2004
2008年に始まったSine Qua Non(シネ・クア・ノンあるいはシン・クア・ノン)の正式輸入品、5ヴィンテージ目となる今年は生産量激減に伴い、輸入量も大きく減っているようです。楽天だと毎年4月頭に10ショップ近くに入荷されるのが、現状は柳屋とカリフォルニアワインあらかるとだけ。価格も例年より少し高いですが、おそらく大きく下がることはないだろうと思います。
Sine Qua NonはManfred Kranklという人がロスアンゼルスとサンタ・バーバラの中間にあるVenturaに作ったワイナリ。ワイン産地としては極めてマイナーな地域です。ローヌ系の品種やデザートワインを得意としており、Wine Advocate誌では、これまで他を圧倒する13のワインで満点をもらっています。95点以下のワインを探すのが難しいほどで、ロバート・パーカーが常に絶賛する生産者です。毎年ユニークな名前を付けるのと、前衛的なラベル・デザイン、時にはボトルの形状も普通と違うものを使うことでも知られています。あらゆる意味で、常識外のワイナリと言っていいでしょう。なお、参考のために以前の記事を挙げておきます。
ちなみに、生産量が減ったのは、これまでの購入したブドウから、自社畑への移行を進めているから。従来1000ケースほど作っていたものが250ケース程度になっています。したがって、これからも生産量は、減ったままになることが予想されます。
また、近年シラーとグルナッシュと同じ名前を付けることが多かったのですが、今年は異なる名前。シラーがThe thrill of Stamp Collecting、グルナッシュがTurn the Whole Thing Upside Down。
柳屋では既にシラーは売り切れています。購入はお早めに。
Sine Qua NonはManfred Kranklという人がロスアンゼルスとサンタ・バーバラの中間にあるVenturaに作ったワイナリ。ワイン産地としては極めてマイナーな地域です。ローヌ系の品種やデザートワインを得意としており、Wine Advocate誌では、これまで他を圧倒する13のワインで満点をもらっています。95点以下のワインを探すのが難しいほどで、ロバート・パーカーが常に絶賛する生産者です。毎年ユニークな名前を付けるのと、前衛的なラベル・デザイン、時にはボトルの形状も普通と違うものを使うことでも知られています。あらゆる意味で、常識外のワイナリと言っていいでしょう。なお、参考のために以前の記事を挙げておきます。
ちなみに、生産量が減ったのは、これまでの購入したブドウから、自社畑への移行を進めているから。従来1000ケースほど作っていたものが250ケース程度になっています。したがって、これからも生産量は、減ったままになることが予想されます。
また、近年シラーとグルナッシュと同じ名前を付けることが多かったのですが、今年は異なる名前。シラーがThe thrill of Stamp Collecting、グルナッシュがTurn the Whole Thing Upside Down。
柳屋では既にシラーは売り切れています。購入はお早めに。
ナパで最大の地主として知られているのがAndy Beckstofferです。合計1000エーカーを超える9つの畑を持っています。
中でも有名なのがBeckstoffer To-Kalon Vineyardでしょう。Schrader CellarsでCcsの名前で2006年~2008年まで100点を取ったCcs、Old Sparkyはどちらもこの畑のもの。ほかにもPaul Hobbs、Torなど、錚々たるワイナリがここのカベルネ・ソヴィニョンを作っています。ほかにもGeorge IIIやDr. Craneなど、優れた畑の持ち主です。
このAndy Beckstoffer、さぞかし畑仕事が好きな根っからの農夫なのかというと実はその真逆。優秀なビジネスパーソンとしてワインビジネスに入った人なのです。
彼はヴァージニア州出身で,エンジニアを目指してヴァージニア工科大学を卒業します。その後,陸軍でサンフランシスコに来ます。たまたまケネディの演説を聞いたことをきっかけに「偉くなろう」という決意をし,スタンフォード大学に入り直し,巨大酒類メーカーのHeubleinに就職したのです。
Heubleinで彼が取り組んだのがInglenookの買収。John Danielの手から離れた後、品質が急下降した背景には彼が関係していたと言われています。
その後1973年にRutherfordに畑を買ったことから、地主への道を歩み始めます。
1990年代には大地主としての地位を確立しますが、そこからさらに飛躍するのに使ったのがTo Kalonの名前です。フラグシップとしてTo Kalonを使っていたMondaviと名前をめぐって係争になりました。2003年に和解し、Beckstoffer To-Kalonと、前にBeckstofferと付けることで使えることになりました。このように、いざというときの政治力に長けているのは、彼の出身によるものなのでしょう。
中でも有名なのがBeckstoffer To-Kalon Vineyardでしょう。Schrader CellarsでCcsの名前で2006年~2008年まで100点を取ったCcs、Old Sparkyはどちらもこの畑のもの。ほかにもPaul Hobbs、Torなど、錚々たるワイナリがここのカベルネ・ソヴィニョンを作っています。ほかにもGeorge IIIやDr. Craneなど、優れた畑の持ち主です。
畑 | 面積 | 品種 | 主な顧客 |
MELROSE VINEYARD | 102エーカー | Sauvignon Blanc, Cabernet Sauvignon, Merlot | Merryvale, Plumpjack, Duckhorn |
CARNEROS CREEK VINEYARD | 44エーカー | Chardonnay | Acacia, Newton |
BECKSTOFFER LAS PIEDRAS VINEYARD | 25エーカー | Cabernet Sauvignon | Paul Hobbs, Stewart, PlumpJack |
BECKSTOFFER VINEYARD GEORGES III | 300エーカー | Cabernet Sauvignon | Provenance Rutherford, Merryvale Vineyards, Stag's Leap Wine Cellars, Bacio Divino, Franciscan |
CARNEROS LAKE and LAS AMIGAS VINEYARDS | 343エーカー | Chardonnay, Merlot | Acacia、Merryvale |
BECKSTOFFER TO KALON VINEYARD | 89エーカー | Cabernet Sauvignon, Merlot, Petit Verdot, Cabernet Franc | Schrader, Paul Hobbs |
MISSOURI HOPPER | 45エーカー | Cabernet Sauvignon, Merlot | Merryvale、Marilyn Monroe |
ORCHARD AVENUE VINEYARD | 80エーカー | Merlot | 主な顧客 |
BECKSTOFFER DR. CRANE VINEYARD | 25エーカー | Cabernet Sauvignon, Petit Verdot, Cabernet Franc | Paul Hobbs、Karl Lawrence |
このAndy Beckstoffer、さぞかし畑仕事が好きな根っからの農夫なのかというと実はその真逆。優秀なビジネスパーソンとしてワインビジネスに入った人なのです。
彼はヴァージニア州出身で,エンジニアを目指してヴァージニア工科大学を卒業します。その後,陸軍でサンフランシスコに来ます。たまたまケネディの演説を聞いたことをきっかけに「偉くなろう」という決意をし,スタンフォード大学に入り直し,巨大酒類メーカーのHeubleinに就職したのです。
Heubleinで彼が取り組んだのがInglenookの買収。John Danielの手から離れた後、品質が急下降した背景には彼が関係していたと言われています。
その後1973年にRutherfordに畑を買ったことから、地主への道を歩み始めます。
1990年代には大地主としての地位を確立しますが、そこからさらに飛躍するのに使ったのがTo Kalonの名前です。フラグシップとしてTo Kalonを使っていたMondaviと名前をめぐって係争になりました。2003年に和解し、Beckstoffer To-Kalonと、前にBeckstofferと付けることで使えることになりました。このように、いざというときの政治力に長けているのは、彼の出身によるものなのでしょう。
サイドバイサイドで比べて飲んだわけではないのですが、最近飲んだ優秀な2000円台のシャルドネを2つ紹介します。
Foxglove(フォックスグローブ)はWine Advocate誌で「安旨ワインのトップの1つ」と評されているワイン。兄貴分のNeelyとは異なり、樽を使わないステンレス発酵であり、マロラクティック発酵もしないという作り。リッチなシャルドネの方程式を敢えて避けているわけですが、結果としては、とてもデリケートで、でも芯の通ったシャルドネになっています。酸のきれいさが際立っています。樽を使わない「すっぴん系」を探している人にはお薦めです。
一方、La Follette(ラフォレ)はFlowers、TandemやLa Cremaなどで名を馳せたGreg La Follette氏のワイナリ。単一畑ものもありますが、飲んだのは「North Coast」のもの。このシャルドネは樽を使用していますが、樽のニュアンスはほとんど感じられない、これも酸がきれいなワイン。Foxgloveより、ややリッチな感じがあるのが樽の効果かもしれません。どちらも2000円台としては優れたシャルドネですが、どちらかというとこっちの方が好きかもしれません。
2つとも、甘くてリッチなカリフォルニアタイプのシャルドネとは大きく違うスタイルです。近年のカリフォルニアのシャルドネを象徴する2本と言ってもいいのかもしれません。
Foxglove(フォックスグローブ)はWine Advocate誌で「安旨ワインのトップの1つ」と評されているワイン。兄貴分のNeelyとは異なり、樽を使わないステンレス発酵であり、マロラクティック発酵もしないという作り。リッチなシャルドネの方程式を敢えて避けているわけですが、結果としては、とてもデリケートで、でも芯の通ったシャルドネになっています。酸のきれいさが際立っています。樽を使わない「すっぴん系」を探している人にはお薦めです。
一方、La Follette(ラフォレ)はFlowers、TandemやLa Cremaなどで名を馳せたGreg La Follette氏のワイナリ。単一畑ものもありますが、飲んだのは「North Coast」のもの。このシャルドネは樽を使用していますが、樽のニュアンスはほとんど感じられない、これも酸がきれいなワイン。Foxgloveより、ややリッチな感じがあるのが樽の効果かもしれません。どちらも2000円台としては優れたシャルドネですが、どちらかというとこっちの方が好きかもしれません。
2つとも、甘くてリッチなカリフォルニアタイプのシャルドネとは大きく違うスタイルです。近年のカリフォルニアのシャルドネを象徴する2本と言ってもいいのかもしれません。
カリフォルニアのワイナリ、特にシャルドネやピノ・ノワールを作るところが、以前よりもバランス志向を強めているという話が出ていました(Richard Jennings: California Wine Gets More Diverse: The Balance Movement)。
サンフランシスコでは3月にIn Pursuit of Balanceといイベントまで開かれたそうです。
これまでもCalera、Arcdian、Mount Edenなど、一部のワイナリはバランスを重視してきましたが、その動きが広がっているとのこと。ワイン作りにはさまざまなパラメーターがありますが、例えばピノ・ノワールでDijonクローンが増えていることなどが、バランス重視の動きに呼応しているようです。
昨年、このブログでも、最近のカリフォルニアのシャルドネで美味しい物が増えていると書きましたが、それもこの動きと関係していそうです。
サンフランシスコでは3月にIn Pursuit of Balanceといイベントまで開かれたそうです。
これまでもCalera、Arcdian、Mount Edenなど、一部のワイナリはバランスを重視してきましたが、その動きが広がっているとのこと。ワイン作りにはさまざまなパラメーターがありますが、例えばピノ・ノワールでDijonクローンが増えていることなどが、バランス重視の動きに呼応しているようです。
昨年、このブログでも、最近のカリフォルニアのシャルドネで美味しい物が増えていると書きましたが、それもこの動きと関係していそうです。
エイプリルフールネタを考えていたのですが、いいのが思いつかなかったので、普通のエントリーにします。
寒い日が続いていましたが、東京も3月31日に桜が開花。来週末あたりが見ごろでしょうね。
花見でワインという人もいるでしょうけど、ワインは紙コップでは雰囲気でないですよね。過去記事の再掲ですが、Dean&Delucaで売っているgovinoというプラスチックのグラスは使い勝手もよく、なかなかお薦めです。
このほか、トライタンというグラスも見た目は普通のワイングラスですが合成樹脂の技術で作られていて、割れないそうです。サイズもいくつかあります。
ワインでは雰囲気的に合うのはスパークリングワインでしょうか。コッポラのソフィアあたりは値段も高くないしお洒落な感じで、女子受けもよさそうな気がします。さらに、缶入りもあるので、ボトル冷やせないようなときにも使えますよ。
寒い日が続いていましたが、東京も3月31日に桜が開花。来週末あたりが見ごろでしょうね。
花見でワインという人もいるでしょうけど、ワインは紙コップでは雰囲気でないですよね。過去記事の再掲ですが、Dean&Delucaで売っているgovinoというプラスチックのグラスは使い勝手もよく、なかなかお薦めです。
このほか、トライタンというグラスも見た目は普通のワイングラスですが合成樹脂の技術で作られていて、割れないそうです。サイズもいくつかあります。
ワインでは雰囲気的に合うのはスパークリングワインでしょうか。コッポラのソフィアあたりは値段も高くないしお洒落な感じで、女子受けもよさそうな気がします。さらに、缶入りもあるので、ボトル冷やせないようなときにも使えますよ。